JP3089939B2 - フーリエ変換光学装置 - Google Patents

フーリエ変換光学装置

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JP3089939B2 JP06044260A JP4426094A JP3089939B2 JP 3089939 B2 JP3089939 B2 JP 3089939B2 JP 06044260 A JP06044260 A JP 06044260A JP 4426094 A JP4426094 A JP 4426094A JP 3089939 B2 JP3089939 B2 JP 3089939B2
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/42Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect
    • G02B27/46Systems using spatial filters

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボット等の視覚認識
装置等に利用される、画像処理あるいは画像認識を光学
的に実行するためのフーリエ変換光学装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】画像処理あるいは画像認識技術に対し
て、近年、より大画素数をより高速処理することが要求
されてきている。そこで、光の高速並列演算機能を活用
することで上記の要求に答える光情報処理装置の開発が
盛んになってきている。
【0003】以下図面を参照しながら、従来の光情報処
理装置の一例として、特願昭63−287016号に記
載の光情報処理装置について説明する。
【0004】図7は、従来の光情報処理装置の構成図を
示すものである。図7において、20はTVカメラ、2
1はTVカメラ20により撮像された画像を表示する第
1の液晶ディスプレイ、22は半導体レ−ザ、23は半
導体レ−ザ22からの光を平行光化するコリメ−タレン
ズ、24は第1のレンズであり第1の液晶ディスプレイ
21はこの第1のレンズ24の前側焦点面に配置されて
いる。25は第2の液晶ディスプレイであり第1のレン
ズ24の後側焦点面に配置されている。
【0005】26は複数の標準パタ−ンに対して第2の
液晶ディスプレイ上の各絵素をサンプリング点として予
め計算されたフ−リエ変換計算機ホログラムのデ−タ、
すなわち第2の液晶ディスプレイ25の各絵素毎の透過
率に対応する印加電圧のデ−タを書き込んだリ−ドオン
リ−メモリ(以下ROMと称す)、27は第2のレンズ
でありその前側焦点面に第2の液晶ディスプレイ25が
配置されている。28は第2のレンズ27の後側焦点面
に配置された光検出器である。
【0006】以上のように構成された従来の光情報処理
装置について、以下その動作を説明する。
【0007】まず、TVカメラ20により対象物体が撮
像されると、その画像が第1の液晶ディスプレイ21上
に表示されるが、この第1の液晶ディスプレイ21はコ
リメ−タレンズ23により平行光化された半導体レ−ザ
22からのコヒ−レント光により照射される。
【0008】第1の液晶ディスプレイ21は、第1のレ
ンズ24の前側焦点面に配置されているので、第1のレ
ンズ24の後側焦点面すなわち第2の液晶ディスプレイ
25上に、対象物体の、第1のレンズ24により光学的
に変換されたフ−リエ変換像が形成される。
【0009】この時、第2の液晶ディスプレイ25に
は、光学的フィルタとして特定の標準パタ−ンのフ−リ
エ変換像が、ROM26に書き込まれたデ−タが入力信
号となり第2の液晶ディスプレイ25の各絵素毎に透過
率を空間的に変調することで、フ−リエ変換計算機ホロ
グラムの形で表示される。
【0010】従って、第1の液晶ディスプレイ21上に
表示された対象物体の入力像を第1のレンズ24により
光学的に変換したフ−リエ変換像と、特定の標準パタ−
ンに対して予め計算されたフ−リエ変換像が、第2の液
晶ディスプレイ25上で重畳される。
【0011】また、この第2の液晶ディスプレイ25
は、第2のレンズ27の前側焦点面に配置されているの
で、対象物体と特定の標準パタ−ンの2つのフ−リエ変
換像が一致した時、すなわち両者が同一物体の時、第2
のレンズ27の後側焦点面に輝点が発生し、光検出器2
8で検出される。
【0012】このようにして、第2の液晶ディスプレイ
25上に表示された計算機ホログラムによる光学的フィ
ルタが、マッチトフィルタとして作用する光学的画像処
理が実行される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、以下の理由から光路長が長くなり装置が
大型化するという問題点を有していた。
【0014】すなわち、半導体レ−ザ22の波長をλ、
第1の液晶ディスプレイ21の絵素ピッチをP、第2の
液晶ディスプレイ25に表示されているフ−リエ変換像
の直径をDとすると、第1のレンズ24の焦点距離をf
は、f=D×P/λで与えられる。
【0015】従って、例えばP=50μmとし、λ=
0.8μm、D=60mmとすると、f=3125mm
のレンズを必要とする。
【0016】このため、図7に示した如く第1の液晶デ
ィスプレイ21と第2の液晶ディスプレイ25間の距離
は、2×f=6250mmと極めて長大なものとなると
いう問題点を有していた。
【0017】本発明は上記問題点に鑑み、その光路長を
短縮したフ−リエ変換レンズを提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本願の請求項1記載のフーリエ変換光学装置は、
1の凸レンズと、凹レンズと、前記第1の凸レンズと凹
レンズの合成焦点位置近傍に配置した第2の凸レンズと
から構成されたフーリエ変換光学装置全体の合成焦点距
離をfs、前記第2の凸レンズの焦点距離をf1、前記
凹レンズの焦点距離をf2、フーリエ変換光学装置全体
のフロントフォーカスとバックフォーカスを各々Ffと
Bfとすると、入力像の表示媒体は前記Ff近傍に配置
されており、前記凹レンズと前記第1の凸レンズの後側
焦点との距離xはx=|f2|−f1・|f2|/fs
で与えられ、前記第1の凸レンズと前記凹レンズの合成
焦点位置と前記凹レンズとの距離BはB=x・|f2|
/(−x+|f2|)で与えられ、前記第1の凸レンズ
の像点と前記第1の凸レンズまでの距離S1はS1=f
1・Ff/(Ff−f1)で与えられ、前記第2の凸レ
ンズの前側焦点と前記凹レンズとの距離S’はS’=−
(d1+S1)・|f2|/(d1+S1+|f2|)
で与えられ、前記第2の凸レンズの焦点距離f3はf3
=B−Bf−S’で与えられることを特徴とするフーリ
エ変換光学装置である。
【0019】また、本願の請求項2記載のフーリエ変換
光学装置は、第1の凸レンズと、凹レンズと、前記第1
の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍に配置した第
2の凸レンズとから構成されたフーリエ変換光学装置全
体の合成焦点距離をfs、前記第1の凸レンズの焦点距
離をf1、前記凹レンズの焦点距離をf2、フーリエ変
換光学装置全体のフロントフォーカスとバックフォーカ
スを各々FfとBfとすると、入力像の表示媒体は前記
Ff近傍に配置されており、前記凹レンズと前記第1の
凸レンズの後側焦点との距離xはx=|f2|−f1・
|f2|/fsで与えられ、前記第1の凸レンズと前記
凹レンズの合成焦点位置と前記凹レンズとの距離BはB
=x・|f2|/(−x+|f2|)で与えられ、前記
第1の凸レンズの像点と前記第1の凸レンズまでの距離
S1はS1=f1・Ff/(Ff−f1)で与えられ、
前記第2の凸レンズの前側焦点と前記凹レンズとの距離
S’はS’=−(d1+S1)・|f2|/(d1+S
1+|f2|)で与えられ、前記第2の凸レンズの焦点
距離f3はf3=B−Bf−S’で与えられるととも
に、この焦点距離f3と前記第1の凸レンズの焦点距離
f1とを等しくしたことを特徴とするフーリエ変換光学
装置である。
【0020】さらに、本願の請求項3記載のフーリエ変
換光学装置は、凹凸2枚のレンズを接合してなる第1の
凸レンズと、凹凸2枚のレンズを接合してなる凹レンズ
と、前記第1の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍
に配置した前記第1の凸レンズを前後反転して配置した
第2の凸レンズとから構成されたフーリエ変換光学装置
全体の合成焦点距離をfs、前記第1の凸レンズの焦点
距離をf1、前記凹レンズの焦点距離をf2、フーリエ
変換光学装置全体のフロントフォーカスとバックフォー
カスを各々FfとBfとすると、入力像の表示媒体は前
記Ff近傍に配置されており、前記凹レンズと前記第1
の凸レンズの後側焦点との距離xはx=|f2|−f1
・|f2|/fsで与えられ、前記第1の凸レンズと前
記凹レンズの合成焦点位置と前記凹レンズとの距離Bは
B=x・|f2|/(−x+|f2|)で与えられ、前
記第1の凸レンズの像点と前記第1の凸レンズまでの距
離S1はS1=f1・Ff/(Ff−f1)で与えら
れ、前記第2の凸レンズの前側焦点と前記凹レンズとの
距離S’はS’=−(d1+S1)・|f2|/(d1
+S1+|f2|)で与えられ、かつ、前記凹レンズの
接合面の曲率半径をr5とすると、r5は0.9×f2
<r5の条件を満足し、前記凹レンズを構成する凹レン
ズと凸レンズの硝材の屈折率を、各々、n4とn5とす
ると0.1<(n4−n5)<0.3の条件を満足し、
前記第1の凸レンズを構成する凸レンズの接合面以外の
面の曲率半径をr1とすると、0.4×f1<r1<
0.75×f1の条件を満足するとともに、前記第1の
凸レンズを構成する凸レンズと凹レンズの硝材の屈折率
を各々n1とn2とすると、0.15<(n2−n1)
<0.25の条件を満足することを特徴とするフーリエ
変換光学装置である。
【0021】
【作用】本願の請求項1記載のフーリエ変換光学装置
は、第1の凸レンズと、凹レンズと、前記第1の凸レン
ズと凹レンズの合成焦点位置近傍に配置した第2の凸レ
ンズとから構成し、入力像の表示媒体をFf近傍に配置
することで、光路長を短縮できるという作用効果を奏す
るものである。
【0022】また、本願の請求項2記載のフーリエ変換
光学装置は、第1の凸レンズと、凹レンズと、前記第1
の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍に配置した第
2の凸レンズとから構成し、入力像の表示媒体をFf近
傍に配置することで、光路長を短縮するとともに、第1
の凸レンズと第2の凸レンズの焦点距離を等しくするこ
とで、光学系のコストダウンを可能としたものである。
【0023】さらに、本願の請求項3記載のフーリエ変
換光学装置は、凹凸2枚のレンズを接合してなる第1の
凸レンズと、凹凸2枚のレンズを接合してなる凹レンズ
と、前記第1の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍
に配置した前記第1の凸レンズを前後反転して配置した
第2の凸レンズとから構成し、入力像の表示媒体をFf
近傍に配置することで、光路長の短縮を図るとともに良
好な結像特性を得られるという作用効果を奏するもので
ある。
【0024】
【実施例】以下、本願の請求項1記載のフーリエ変換光
学装置について、図面を参照しながら説明する。
【0025】図1は本願の請求項1記載のフーリエ変換
光学装置の一実施例の側面図である。
【0026】図1において、1は入力像の表示媒体であ
る第1の空間光変調素子、2は焦点距離f1の第1の凸
レンズ、3は焦点距離f2の凹レンズ、4は焦点距離f
3の第2の凸レンズ、5はホログラムの表示媒体である
第2の空間光変調素子を各々示している。
【0027】図中、Ffはフロントフォーカス、すなわ
ち、第1の空間光変調素子1と第1の凸レンズ2の距離
を示すものである。d1は第1の凸レンズ2と凹レンズ
3との距離、d2は凹レンズ3と第2の凸レンズ4との
距離を各々示し、Bfはバックフォーカス、すなわち、
第2の凸レンズ4と第2の空間光変調素子5との距離を
示している。また、実線は瞳の結像を、破線は物体の結
像を各々示している。
【0028】ここでは、光情報処理システムにおけるフ
ーリエ変換光学装置の機能を次の様に考える。まず、フ
ーリエ変換光学装置に要求される第1の基本機能は、瞳
の良好な結像、換言すれば位相情報の保存つまり平面波
が平面波として伝達されることを保証することである。
【0029】また、第2の基本機能は物体の結像、換言
すれば振幅情報の保存つまり点が点として伝達されるこ
とを保証することである。
【0030】そこで、瞳の結像機能と、物体の結像機能
を担うレンズを以下のように設定し、役割分担する。
【0031】まず、瞳の結像機能は第1の凸レンズ2
と、凹レンズ3と、第2の凸レンズ4の3つのレンズで
果たすこととする。特に、第1の凸レンズ2と凹レンズ
3とで、一般にテレフォト系と呼ばれるサブレンズシス
テムを構成しBfの短縮を図る。また、第2の凸レンズ
4を位相補償レンズとすることで、平面波が平面波とし
て伝達されることを保証する。
【0032】一方、物体の結像は凹レンズ3と第2の凸
レンズ4によって、逆テレフォト系を構成しFfの短縮
を図る。また、第1の凸レンズ2と凹レンズ3と第2の
凸レンズ4とで、第1の空間光変調素子1上の物点に対
するアフォーカル系を構成する。なお、このアフォーカ
ル系を構成することと、瞳の結像における第2の凸レン
ズ4の位相補償とは同一の設計条件で実現できる。
【0033】所望の合成焦点距離をfsとした時、各レ
ンズの焦点距離f1〜f3、および、エアーギャップd
1、d2、Ff、Bfの関係は、図2と図3に基づいて
近似的に以下のように与えられる。
【0034】図2は瞳の結像を示した図である。第2の
凸レンズ4は、焦点位置である第2の空間光変調素子の
近傍に置かれるので、合成焦点距離fsに及ぼす影響は
小さいと考えられる。そこで、図2に示したように合成
焦点距離fsを第1の凸レンズ2と凹レンズ3の合成焦
点距離と考える。
【0035】図2においては、図1と同一機能を有する
ものは同一番号を付している。また、Bは凹レンズ3と
焦点までの距離、xは凹レンズ3と第1の凸レンズ2の
後側焦点との距離、hは第1の凸レンズ2における光線
高、h’は凹レンズ3における光線高を各々示してい
る。
【0036】さて、光線の傾角の関係から、 h/fs=h’/B ・・・(1a) h/f1=h’/x ・・・(1b) が成り立つので、式(1)が導かれる。
【0037】 B=h’fs/h=xfs/f1 ・・・(1) 一方、凹レンズ3のレンズ公式から、 −1/x+1/B=−1/|f2| ・・・(2) が成り立つので、式(1)を式(2)に代入すること
で、 −1/x+f1/xfs=(f1/fs−1)/x=−1/|f2| が得られるので、xとd1は以下のごとく与えられる x=|f2|−f1|f2|/fs ・・・(3) d1=f1−x ・・・(4) また、式(2)を変形すると、 1/B=−1/|f2|+1/x=(−x+|f2|)/(x・f2) より、式(5)によってBが与えられる。
【0038】 B=(x・|f2|)/(−x+|f2|) ・・・(5) 次に、図3に示した物体の結像を用いて諸量の関係を与
える。図中の番号については、図1、図2と同一機能の
ものについては同一符号を付している。
【0039】S1は、物点を第1空間光変調素子1とし
た時の第1の凸レンズ2の像点と第1の凸レンズ2まで
の距離を示す。またS’は第2の凸レンズ4の前側焦点
と凹レンズ3との距離を示す。
【0040】さて、第1の凸レンズ2に関するレンズ公
式 1/Ff+1/S1=1/f1 を変形して、S1は式(6)で与えられる。
【0041】 S1=(f1・Ff)/(Ff−f1) ・・・(6) 次に、凹レンズ3に関するレンズ公式 1/(d1+S1)+1/S’=−1/|f2| を変形して、S’は式(7)で与えられる。
【0042】 S’=−{(d1+S1)|f2|}/(d1+S1+|f2|) ・・・(7) 最後に、第2の凸レンズ4の焦点距離f3は、アフォー
カルの条件から f3=(B−Bf)−S’ ・・・(8) で与えられる。
【0043】以上の関係から、請求項1記載のフーリエ
変換光学装置は次の手順で設計できる。 1.合成焦点距離fs、第1の凸レンズ2の焦点距離f
1、凹レンズ3の焦点距離f2、フロントフォーカスF
f、バックフォーカスBfとを与える。 2.凹レンズ3と第1の凸レンズ2の後側焦点との距離
xを式(3)から求める 3.この凹レンズ3と第1の凸レンズ2の後側焦点との
距離xを用いて、式(4)から第1の凸レンズ2と凹レ
ンズ3との距離d1を式(5)からBを求める。 4.次に、第2の凸レンズ4における結像関係、すなわ
ち、アフォーカルの条件を示す式(8)からf3が与え
られる。
【0044】上記した関係を用いて実際に計算したフー
リエ変換光学装置の諸元を(表1)と(表2)に示す。
【0045】(表1)は空間光変調素子の特性などから
決まる設定入力値を示し、(表2)は上記の関係を用い
て計算した諸量である。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】以上の計算の結果、レンズ系の全長はd1
+d2=1239mmで与えられる。これに、バックフ
ォーカスBfとフロントフォーカスFfを足し合わせた
フーリエ変換光学装置の全長は1339mmとなる。
【0049】従って、従来例の6250mmと比較し
て、実に約21.4%にまで光学系の全長を短縮できる
と言う、顕著な作用効果を奏する。
【0050】次に本願の請求項2記載の発明の一実施例
について(表3)と(表4)を用いて説明する。
【0051】なお、本実施例におけるフーリエ変換光学
装置の諸元は、以下の手順で導出される。 step(1):合成焦点距離fs、凹レンズ3の焦点
距離f2、フロントフォーカスFf、バックフォーカス
Bfとを与える。 step(2):第1の凸レンズ2の焦点距離f1を初
期値f1sで与える。 step(3):凹レンズ3と第1の凸レンズ2の後側
焦点との距離xを式(3)から求める step(4):この凹レンズ3と第1の凸レンズ2の
後側焦点との距離xを用いて、式(4)から第1の凸レ
ンズ2と凹レンズ3との距離d1を、式(5)からBを
求める。 step(5):次に、第2の凸レンズ4における結像
関係、すなわち、アフォーカルの条件を示す式(8)か
らf3を求める。 step(6):第1の凸レンズ2の焦点距離f1と第
2の凸レンズ4の焦点距離f3を比較してf1=f3に
なれば終了し、そうでなければ次のstepへ進む。 step(7):第1の凸レンズ2の焦点距離f1を△
f1だけ増加させて、step(3)へ戻る このような手順で計算されたフーリエ変換光学装置の諸
元を(表4)に示す。なお、本実施例における設定入力
値は、(表4)に記載した。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】以上の計算の結果、レンズ系の全長はd1
+d2=1182mmで与えられる。これにバックフォ
ーカスBfとフロントフォーカスFfを足し合わせたフ
ーリエ変換光学装置の全長は1282mmとなる。
【0055】従って、従来例の6250mmと比較し
て、約20.5%にまで全長を大幅に短縮できる。
【0056】さらに、本願の請求項1記載のフーリエ変
換光学装置と比較して、第1の凸レンズ2と第2の凸レ
ンズ4の焦点距離を等しくしたことにより、レンズの共
用化を行えるという作用効果も奏することができる。
【0057】次に、本願の請求項3記載のフーリエ変換
光学装置の一実施例について図4に基づいて説明する。
図中の番号は、図1〜図3と同一機能のものは同じ番号
を付している。
【0058】21は凸レンズであり第1の凸レンズ2の
第1面と第2面、および、第2の凸レンズ4の第2面と
第3面を構成しているレンズである。22はメニスカス
レンズであり、第1の凸レンズ2では第2面と第3面を
構成し凹レンズとして機能する。
【0059】また、このメニスカスレンズ22は第2の
凸レンズ4では第1面と第2面を構成し、凹レンズとし
て機能する。なお、第1の凸レンズ2と第2の凸レンズ
4は同一のレンズであり、凸レンズ21とメニスカスレ
ンズ22を接合したレンズである。
【0060】31は凹レンズであり、凹レンズ3の第1
面と第2面を構成する。32はメニスカスレンズであ
り、凹レンズ3の第2面と第3面を構成し凹レンズとし
て機能する。また、凹レンズ3は凹レンズ31とメニス
カスレンズ32を接合したレンズである。
【0061】また、第1の凸レンズ2、凹レンズ3、お
よび、第2の凸レンズ4の焦点距離、などの諸元は、本
願の請求項2記載のフーリエ変換光学装置の一実施例の
おけるstep(1)〜step(7)に基づいて設計
手順により与えられている。
【0062】次に、本実施例における具体的なレンズ構
成を(表5)に示す。なお、波長は680nmとする。
【0063】
【表5】
【0064】次に、(表5)に示したフーリエ変換光学
装置の結像特性としてMTFを図5と図6に示す。
【0065】図5は、図1に実線で図示した瞳の結像特
性を評価したもので、フーリエ変換光学装置の左側から
平行光を入射させた時のMTFを図示したものである。
【0066】一方、図6は図1において破線で示した物
体の結像特性を評価したもので、フーリエ変換光学装置
の右側から平行光を入射させた時のMTFを図示したも
のである。
【0067】図5と図6における横軸は空間周波数(L
p/mm)を示しており、番号1は軸上光線を、番号2
は最大画角の光線、番号3は最大画角の70%の画角の
光線を示している。
【0068】また、Sはサジタル面を、Tはタンゼンシ
ャル面を各々示している。ここで、最大画角はフリーエ
変換像の光軸からの像高を30mmとしたのでarct
an(30/3125)=0.55degとした。
【0069】図5と図6に示したMTFから、空間光変
調素子の画素ピッチ50μmから求められ空間周波数1
0Lp/mmでは瞳の結像、物体の結像ともに充分な結
像特性が得られたことが分かる。
【0070】ここで、図4に示したフーリエ変換光学装
置における各レンズの結像特性に及ぼす影響について述
べる。
【0071】まず瞳の結像に対しては、第2凸レンズ4
は焦点面近傍に配置されているため、ほとんど影響しな
い。従って、光線高の大きい第1の凸レンズ2で球面収
差を除去し、凹レンズ3でコマ収差と非点収差を除去す
る必要がある。
【0072】一方、物体の結像に対しては第1の凸レン
ズ2は焦点面近傍に位置するため、ほとんど影響を及ぼ
すことはない。従って、光線高の大きい第2の凸レンズ
4で球面収差を除去し、凹レンズ3でコマ収差と非点収
差を除去する必要がある。
【0073】以上の検討の結果から本願の請求項3に記
載した以下の条件が得られる。まず、凹レンズ3におけ
るコマ収差と非点収差の低減のためには、 0.9×f2 < r5 ・・・ 条件(1) 0.1 < (n4−n5) < 0.3 ・・・ 条件(2) また、第1の凸レンズ2における球面収差の低減の条件
として、 0.4×f1 < r1 < 0.75×f1 ・・・ 条件(3) 0.15 < (n2−n1) < 0.25 ・・・ 条件(4) を満足する必要がある。
【0074】ここで、r5は凹レンズ3の接合面の曲率
半径であり、n4とn5は各々、凹レンズ3を構成する
凹レンズ31と凸レンズ32の硝材の屈折率であり、r
1は第1の凸レンズ2を構成する凸レンズ21の接合面
以外の面の曲率半径であり、n1とn2は各々、第1の
凸レンズ2と第2の凸レンズ4を構成する凸レンズ21
と凹レンズ22の硝材の屈折率を示している。
【0075】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1記載のフー
リエ変換光学装置によれば、第1の凸レンズと、凹レン
ズと、前記第1の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近
傍に配置した第2の凸レンズとから構成し、入力像の表
示媒体をFf近傍に配置することで、光路長を短縮でき
る。
【0076】また、本願の請求項2記載のフーリエ変換
光学装置によれば、第1の凸レンズと、凹レンズと、前
記第1の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍に配置
した第2の凸レンズとから構成し、入力像の表示媒体を
Ff近傍に配置することで、光路長を短縮するととも
に、第1の凸レンズと第2の凸レンズの焦点距離を等し
くすることで、光学系のコストダウンを可能とできる。
【0077】さらに、本願の請求項3記載のフーリエ変
換光学装置によれば、凹凸2枚のレンズを接合してなる
第1の凸レンズと、凹凸2枚のレンズを接合してなる凹
レンズと、前記第1の凸レンズと凹レンズの合成焦点位
置近傍に配置した前記第1の凸レンズを前後反転して配
置した第2の凸レンズとから構成し、入力像の表示媒体
をFf近傍に配置することで、光路長の短縮を図るとと
もに良好な結像特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1記載のフーリエ変換光学装置の
一実施例の構成を示す構成図
【図2】同実施例に於ける瞳の結像関係を示す説明図
【図3】同実施例に於ける物体の結像関係を示す説明図
【図4】本願の請求項3記載のフーリエ変換レンズの一
実施例の構成を示す側面図
【図5】同実施例における瞳の結像特性を示すMTF特
性図
【図6】同実施例における物体の結像特性を示すMTF
特性図
【図7】従来の光情報処理装置の構成図
【符号の説明】
1 第1の空間光変調素子 2 第1の凸レンズ 3 凹レンズ 4 第2の凸レンズ 5 第2の空間光変調素子
フロントページの続き (72)発明者 福井 厚司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−107942(JP,A) 特開 平5−88079(JP,A) 特開 平5−210139(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04 G03H 1/00 - 5/00 G02B 27/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の凸レンズと、凹レンズと、前記第1
    の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍に配置した第
    2の凸レンズから構成されたフーリエ変換光学装置であ
    って、 前記フーリエ変換光学装置の合成焦点距離をfs、前記
    第1の凸レンズの焦点距離をf1、前記凹レンズの焦点
    距離をf2、フーリエ変換光学装置全体のフロントフォ
    ーカスとバックフォーカスを各々FfとBfとした時、入力像の表示媒体は前記Ff近傍に配置されており、 前記凹レンズと前記第1の凸レンズの後側焦点との距離
    xは x=|f2|−f1・|f2|/fs で与えられ前記第1の凸レンズと前記凹レンズの合成焦
    点位置と前記凹レンズとの距離Bは B=x・|f2|/(−x+|f2|) で与えられ、 前記第1の凸レンズの像点と前記第1の凸レンズまでの
    距離S1は S1=f1・Ff/(Ff−f1) で与えられ、 前記第2の凸レンズの前側焦点と前記凹レンズとの距離
    S’は S’=−(d1+S1)・|f2|/(d1+S1+|
    f2|) で与えられ、 前記第2の凸レンズの焦点距離f3は f3=B−Bf−S’ で与えられることを特徴とするフーリエ変換光学装置。
  2. 【請求項2】第2の凸レンズの焦点距離f3と第1の凸
    レンズの焦点距離f1とを等しくしたことを特徴とする
    請求項1記載のフーリエ変換光学装置。
  3. 【請求項3】凹凸2枚のレンズを接合してなる第1の凸
    レンズと、凹凸2枚のレンズを接合してなる凹レンズ
    と、前記第1の凸レンズと凹レンズの合成焦点位置近傍
    に配置した前記第1の凸レンズを前後反転して配置した
    第2の凸レンズとから構成されたフーリエ変換光学装置
    であって、 前記フーリエ変換光学装置の合成焦点距離をfs、前記
    第1の凸レンズの焦点距離をf1、前記凹レンズの焦点
    距離をf2、フーリエ変換光学装置全体のフロントフォ
    ーカスとバックフォーカスを各々FfとBfとする時、入力像の表示媒体は前記Ff近傍に配置されており、 前記凹レンズと前記第1の凸レンズの後側焦点との距離
    xは x=|f2|−f1・|f2|/fs で与えられ、 前記第1の凸レンズと前記凹レンズの合成焦点位置と前
    記凹レンズとの距離Bは B=x・|f2|/(−x+|f2|) で与えられ、 前記第1の凸レンズの像点と前記第1の凸レンズまでの
    距離S1は S1=f1・Ff/(Ff−f1) で与えられ、 前記第2の凸レンズの前側焦点と前記凹レンズとの距離
    S’は S’=−(d1+S1)・|f2|/(d1+S1+|
    f2|) で与えられ、 かつ前記凹レンズの接合面の曲率半径をr5とする時、
    r5は 0.9×f2<r5 であり、前記凹レンズを構成する凹レンズと凸レンズの
    硝材の屈折率を、各々、n4とn5とすると 0.1<(n4−n5)<0.3 の条件を満足し、前記第1の凸レンズを構成する凸レン
    ズの接合面以外の面の曲率半径をr1とすると、 0.4×f1<r1<0.75×f1 の条件を満足するとともに、前記第1の凸レンズを構成
    する凸レンズと凹レンズの硝材の屈折率を各々n1とn
    2とすると、 0.15<(n2−n1)<0.25 の条件を満足することを特徴とするフーリエ変換光学装
    置。
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