JP3087491B2 - 適応等化器 - Google Patents

適応等化器

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JP3087491B2 JP05007822A JP782293A JP3087491B2 JP 3087491 B2 JP3087491 B2 JP 3087491B2 JP 05007822 A JP05007822 A JP 05007822A JP 782293 A JP782293 A JP 782293A JP 3087491 B2 JP3087491 B2 JP 3087491B2
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】高速ディジタル移動体通信では、
周波数選択性フェージングによる波形歪が伝送特性に大
きな劣化をもたらす。この発明は上記の伝送特性の劣化
を抑える目的で使用する適応等化器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】移動体通信のような伝送路の速い変動に
追従し、等化器の初期設定が短時間のトレーニングプロ
セスで行えるベースバンド波形適応等化器の種類の一つ
として、例えば、中嶋,三瓶:“判定帰還形適応等化器
による陸上移動通信の周波数選択性フェージング補償特
性”,電子情報通信学会論文誌B-II.Vol.J72-B-II.No.1
0 pp.513-523(1989.10)に記載されているような判定帰
還形適応等化器が知られている。また、この適応等化器
の入力ベースバンド信号を生成する準同期検波器の基準
周波数が受信信号の搬送波周波数に一致していないため
に生ずる周波数オフセットによる等化特性の劣化を押え
るために、例えば、村野,海上:“情報・通信における
ディジタル信号処理”,昭晃堂,2.2 章(19879.11)に
記載されているような位相同期回路(以下、PLLと呼
ぶ)を組み込んだ等化器、または、島崎他:“A Decisi
on Feedback Equalizer with a Frequency Offset Comp
ensating Circuit for Digital Cellular Radio ”, P
roc.42th IEEE Vechicular Technology Conf. (1992.
5)に示されているようなPLLを組み込んだ判定帰還
形適応等化器が知られている。
【0003】図14は上記文献に示された判定帰還形適応
等化器を示すブロック図である。図において、1はタッ
プ間隔が一定遅延時間Tp秒でタップ数がL個であるフ
ィードフォワード部のトランスバーサルフィルタ(FF
部)、2はタップ間隔が一定遅延時間T秒でタップ数が
(M−L)個であるフィードバック部のトランスバーサ
ルフィルタ(FB部)、3はFF部1の出力データとF
B部2の出力データを加算する加算器であり、上記のF
F部1とFB部2と加算器3とから等化フィルタ部を形
成している。4は加算器3の出力信号系列をT秒毎に識
別し硬判定を行う判定器、5は加算器3の出力と、判定
器4の出力信号系列または既知信号系列との差を求める
加算器、6はFF部1,FB部2のタップ係数をT秒毎
に定めるタップ係数更新回路、7はFB部の入力信号系
列を判定器4の出力信号系列と既知信号系列とに切り替
えるスイッチ回路、8は適応等化器の受信信号入力端
子、9は既知信号系列入力端子、10は判定帰還形適応等
化器の出力信号端子である。
【0004】図15は上記文献に示された位相同期回路
(PLL)を組み込んだ判定帰還形適応等化器を示すブ
ロック図である。図において図14で示したものと同一部
分には同一符号を付し説明を省く。図において、11は加
算器3の出力と位相成分の予測値を乗算する乗算器、12
は乗算器11の出力信号系列をT秒毎に識別し硬判定を行
う判定器、13は乗算器11の出力と、判定器12の出力信号
または既知信号の差を求める加算器、14は加算器13の出
力と下記の位相成分の予測値の複素共役を乗算する乗算
器、15は判定器12の出力信号または既知信号と乗算器14
の出力より位相誤差成分を求める位相誤差検出回路、16
は位相成分の予測値をもとめる2次のフィードバック制
御型の位相同期回路、17は第1積分器、18は第2積分
器、19は位相成分の予測値の複素共役を求める共役演算
回路、20はFB部2の入力信号系列と共役演算回路19の
出力を乗算する乗算器である。
【0005】図16は、一般に移動体通信等に用いられる
信号のバーストフォーマットの一例を示す図である。21
は判定帰還形適応等化器のトレーニングや、フレーム同
期をとるために用いるユニークワード(以下、UWと呼
ぶ)、22はランダムデ−タ部である。
【0006】次に、従来の判定帰還形適応等化器の動作
について説明する。図14に示した判定帰還形適応等化器
では、復調器によりベースバンドに変換され、各バース
ト先頭の図15に示したUW21を用いて伝送路の特性を推
定しタップ係数を収束させる(トレーニングモード)。
このとき、FB部2の入力信号系列および加算器5の入
力信号系列は判定誤りのないデータとしUW21の既知信
号系列である。次いで、ランダムデータ部22について等
化を行なう(トラッキングモード)。このとき、FB部
2の入力信号系列および加算器5の入力信号系列は、判
定器4の出力信号系列となる。
【0007】タップ係数更新回路6では、判定帰還形適
応等化器の入力信号系列,UW21の既知信号系列より定
まる参照信号系列,判定器4の出力信号系列,加算器5
の出力信号系列を用い、カルマンフィルタアルゴリズム
(RLSアルゴリズム)等のタップ係数更新アルゴリズ
ムに従い、1シンボル毎にFF部1,FB部2のタップ
係数を更新する。
【0008】上記タップ係数更新アルゴリズムについ
て、カルマンフィルタアルゴリズム(RLSアルゴリズ
ム)を例にとり、簡単に説明する。時刻t=nT(n=
0,1,2,……)における等化器への入力信号ベクトルをX
M(n) ,タップ係数をCM (n) ,等化器出力をI(n) ,
希望出力をd(n) ,誤差信号をe(n) とする。ここでX
M (n) ,CM (n) ,I(n) ,d(n) は同相、直交チャネ
ルを示す複素数となる。また、判定帰還形適応等化器の
FF部1のタップ数をL、総タップ数をMとすると、 となる。ここで*は、複素共役転置行列(又は、ベクト
ル)を表わす。また、d(n) は、トレーニングモードで
は既知信号系列であり、トラッキングモードでは判定器
4にて式3の結果を硬判定した出力信号系列となる。
【0009】また、誤差信号e(n) は、加算器5の出力
である。そして、次式で表される評価関数εを最小にす
るタップ係数CM (n) が求める値となる。 ここで、λは忘却係数(0<λ≦1)を表す。式5を最
小にするCM (n) は以下となる。 CM (n) =R-1(n) D(n) (6)
【0010】さらに、時刻t=(n-1) Tの時のCM (n-
1) ,P(n-1) から、時刻t=nTの時のCM (n) を漸
化的に求めるアルゴリズムは、以下のようになる。 K(n) =P(n-1) XM (n) /[λ+XM * (n) P(n-1) XM (n) ] (9) M (n) =CM (n-1) +K(n) e* (n/n-1) (11) P(0) =δ-1I,CM (0) =0 (12) ここで、K(n) はカルマンゲイン、P(n) はタップ係数
の推定誤差共分散行列、Iは単位行列である。なお、こ
のタップ係数更新アルゴリズムについては、S.ヘイキ
ン著,武部幹訳:“適応フィルタ入門”,現代工学社,
第5章,(1987),又は、J.G.PROAKIS:“DIGITAL COMMU
NICATION ”,McGRAW-HILL ,6.8 章,(1983)に詳しく
示されている。
【0011】次に、図15に示したPLLを組み込んだ判
定帰還形適応等化器の動作について説明する。等化器の
入力信号に周波数オフセットがある場合、加算器3の出
力には、周波数シフト成分θ(n) がそのまま残った形の
信号が得られる。θ(n) を考慮した場合の加算器3の出
力は、次式で表される。 I(n) exp[-jθ(n)] (13) 式13の出力と、θの推定値をθE で表した位相成分の予
測値exp[ jθE (n)]とを乗算器11で乗算すると次のI■
(n)が得られる。 I■(n)=I(n) exp[-jθ(n)]exp[ jθE (n)] (14) 位相誤差δθ(n) をδθ(n) =θ(n) −θE (n) で定義
するとI■(n)は次式となる。 I■(n)=I(n) exp[-jδθ(n)] (15) PLL16が正常な動作をしている場合には、δθ(n) も
微小であることより、I■(n)は、希望出力d(n) に最
も近い信号になる。判定器12ではこの信号を硬判定し、
等化出力とする。次に加算器13で誤差信号を求める。誤
差信号e(n) は次式のように表される。 e(n) =d(n) −I(n) exp[-jδθ(n)] (16) 次に、式16で表される誤差信号に対して、PLL16によ
って受けたベクトルの回転分だけ元に戻すため、位相成
分の予測値の複素共役値 exp[ -j θE (n)]を乗算器14
にて誤差信号e(n) に乗じ、タップ係数更新回路6に出
力する。また、FB部の入力データに対しても位相成分
の予測値の複素共役値 exp[ -j θE (n)]を乗算器20に
て乗ずる。
【0012】誤差信号e(n) に対して、位相誤差検出回
路15では希望出力d(n) で正規化を行い位相誤差を抽出
する。 e(n)/d(n) =1−[I(n)/d(n) ]exp[-jδθ(n)] (17) ここで、δθ(n) が十分小さいときは次式が成り立ち、
位相誤差成分が検出される。 e(n)/d(n) =j δθ(n) (18) 位相誤差δθ(n) は第1積分器17に入力される。第1積
分器17には二つのパスがあり、一方では、δθ(n) が積
分され、その平均成分が計算される。この平均成分は位
相予測値に定常的に一定のベクトル回転を与える事にな
り、周波数オフセットの補償を行う。他の一つのパスは
瞬時的な位相誤差によってベクトル回転を与え、位相ジ
ッタを吸収する役目を果たす。第1積分では虚数部のみ
を計算すればよく、δθ(n) の平均値をδθa (n) と表
し、その出力は次式となる。 j[δθ(n) +αδθa (n) ] (19) ここで、δθa (n) はδθ(n) の積分値を表す。これを
第2積分器18に入力する前にベクトル化する。つまり係
数βをかけて、さらに実数部に値1を付与し、第2積分
器18の入力φ(n) は次式で表される。 φ(n) =1+jβ[δθ(n) +αδθa (n) ] (20) =exp {jβ[δθ(n) +αδθa (n) ]} (21) 第2積分器18においては、前のサンプルまでの積分値か
らφ(n) を用いて、ベクトル回転を行い、次のサンプル
における位相誤差予測値を次式による計算を行い求め
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の適応等化器は以
上のような構成になっているために、以下に記すような
課題があった。
【0014】硬判定する前の適応等化器の出力I(n)
は、1シンボル前、すなわち、時刻(n-1)に定めたタッ
プ係数と等化器入力信号より求めるため、伝送路特性が
急速に変動している場合には、遅延誤差による影響で等
化特性が劣化するという課題があった。
【0015】また、位相同期回路を組み込んだ等化器に
おいては、搬送波周波数と受信機の基準周波数が一致し
ないために生ずるような、単一周波数で表される変動に
は追従できるが、周波数選択性フェージングのような、
複数の周波数成分をもつ伝送路の変動に対しては、追従
性の改善はなされないという課題があった。
【0016】この発明はかかる課題を解決するためにな
されたもので、伝送路特性の急速な変動や、複数の周波
数成分をもつ伝送路の変動に対して、追従性を向上させ
た適応等化器を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に関わる発明の適応等化器は、タップ付
き遅延回路を有する等化フィルタ部と、データ判定部
と、タップ係数演算部とを備え、タップ係数演算部では
タップ係数更新アルゴリズムに従い等化フィルタ部のタ
ップ係数を更新する適応等化器であって、タップ係数更
新後のタップ係数とタップ係数更新に用いた等化フィル
タ部の入力信号とから事後推定値を求める手段と、上記
事後推定値と参照信号(データ判定部の出力データまた
は既知信号系列)とに基づき補正信号を発生する手段と
を備え、上記補正信号により次の等化フィルタ部の入力
信号に対する等化フィルタ部の出力値を補正するように
したものである。
【0018】また、請求項2に関わる発明の適応等化器
は、タップ付き遅延回路を有する等化フィルタ部と、デ
ータ判定部と、タップ係数演算部とを備え、タップ係数
演算部ではタップ係数更新アルゴリズムに従い等化フィ
ルタ部のタップ係数を更新する適応等化器であって、タ
ップ係数更新前の等化フィルタ部の出力である事前推定
値と参照信号(データ判定部の出力データまたは既知信
号系列)とに基づき補正信号を発生する手段を備え、上
記補正信号により次の等化フィルタ部の入力信号に対す
る等化フィルタ部の出力値を補正するようにしたもので
ある。
【0019】また、請求項3に関わる発明の適応等化器
は、タップ付き遅延回路を有する等化フィルタ部と、デ
ータ判定部と、タップ係数演算部とを備え、タップ係数
演算部ではタップ係数更新アルゴリズムに従い等化フィ
ルタ部のタップ係数を更新する適応等化器であって、タ
ップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新に用いた
等化フィルタ部の入力信号とから事後推定値を求める手
段と、上記事後推定値とタップ係数更新前の等化フィル
タ部の出力である事前推定値とに基づき補正信号を発生
する手段とを備え、上記補正信号により次の等化フィル
タ部の入力信号に対する等化フィルタ部の出力値を補正
するようにしたものである。
【0020】また、請求項4に関わる発明の適応等化器
は、フィードフォワード部(FF部)とフィードバック
部(FB部)にタップ付き遅延回路を有する等化フィル
タ部と、データ判定部と、タップ係数演算部とを備え、
タップ係数演算部ではタップ係数更新アルゴリズムに従
い等化フィルタ部のタップ係数を更新する判定帰還形適
応等化器であって、FF部のタップ係数更新後のタップ
係数とタップ係数更新に用いた等化フィルタ部の入力信
号とからFF部の事後推定値を求める手段と、FB部の
タップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新に用い
た等化フィルタ部の入力信号とからFB部の事後推定値
を求める手段と、上記FF部およびFB部の事後推定値
と参照信号(データ判定部の出力データまたは既知信号
系列)とに基づき補正信号を発生する手段とを備え、上
記補正信号により次の等化フィルタ部の入力信号に対す
る等化フィルタ部の出力値を補正するようにしたもので
ある。
【0021】
【作用】以上のように構成された請求項1に係わる発明
の適応等化器では、タップ係数更新後のタップ係数とタ
ップ係数更新に用いた等化フィルタ部の入力信号とから
事後推定値を求め、それを参照信号(データ判定部の出
力データまたは既知信号系列)と比較し、フィルタリン
グを行い、次の等化フィルタ部の入力信号に対する等化
フィルタ部の出力の補正値を定め、その補正値を用いて
次の事前推定値の補正を行うことにより、上記事後推定
出力と参照信号との差が補正されて、伝送路特性の変動
に対する追従性を改善することができる。
【0022】また、請求項2に係わる発明の適応等化器
では、タップ係数更新前の等化フィルタ部の出力である
事前推定値と、参照信号(データ判定部の出力データま
たは既知信号系列)とを比較し、フィルタリングを行
い、次の等化フィルタ部の出力の補正値を定め、その補
正値を用いて次の事前推定値の補正を行うことにより、
上記事前推定出力と参照信号の差が補正されて、伝送路
特性の変動に対する追従性を改善することができる。
【0023】また、請求項3に係わる発明の適応等化器
では、タップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新
に用いた等化フィルタ部の入力信号とから求めた事後推
定値と、上記事後推定値とタップ係数更新前の等化フィ
ルタ部の出力である事前推定値とを比較し、フィルタリ
ングを行い、次の等化フィルタ部の出力値の補正値を定
め、その補正値を用いて次の事前推定値の補正を行うこ
とにより、上記事後推定値と事前推定値との差が補正さ
れて、伝送路特性の変動に対する追従性を改善すること
ができる。
【0024】また、請求項4に係わる発明の適応等化器
では、FF部のタップ係数更新後のタップ係数とタップ
係数更新に用いた等化フィルタ部の入力信号とからFF
部の事後推定値を求め、およびFB部のタップ係数更新
後のタップ係数とタップ係数更新に用いた等化フィルタ
部の入力信号とからFB部の事後推定値を求め、上記F
F部およびFB部の事後推定値と参照信号(データ判定
部の出力データまたは既知信号系列)とを比較し、フィ
ルタリングを行い、次のFF部およびFB部の出力の補
正値を定め、その補正値を用いて次のFF部およびFB
部の事前推定値の補正を行うことにより、上記事後推定
出力と参照信号との差が補正されて、伝送路特性の変動
に対する追従性を改善することができる。
【0025】
【実施例】実施例1.以下、請求項1に係わる発明の実
施例1について説明する。図1はこの発明の適応等化器
の実施例1を示す構成ブロック図である。図中、従来例
と同一部分には同一符号を付し説明を省く。図1におい
て、23はタップ係数更新回路、24は等化フィルタ部より
出力される事後推定出力と参照信号(データ判定部12の
出力データまたは既知信号系列)から、次の等化フィル
タ部入力データに対する事前推定出力の補正信号を出力
する補正信号発生回路、25は事前推定出力に補正信号を
乗ずる乗算器、26は参照信号(データ判定部12の出力デ
ータまたは既知信号系列)と事前推定出力との差をとり
誤差信号を発生する加算器である。
【0026】図2は図1の補正信号発生回路24の内部構
成を示すブロック図である。図2において、27は事後推
定値入力端子、28は事後推定値に係数を乗ずる乗算器、
29は参照信号(データ判定部12の出力データまたは既知
信号系列)が入力する参照信号入力端子、30は参照信号
と乗算器28出力の差をとり誤差信号を発生する加算器、
31は事後推定値、参照信号、誤差信号より乗算器28の係
数を定める係数更新回路、32はこの係数の複素共役値を
とり補正信号を定める共役演算回路、33は乗算器25に補
正信号を出力する補正信号出力端子、34は乗算器20に係
数を出力するFB部入力信号補正信号出力端子、35はタ
ップ係数更新回路23で用いる誤差を補正する信号を出力
する誤差補正信号出力端子である。
【0027】図1の適応等化器の動作について説明す
る。図3は図1に示す適応等化器の動作を説明するフロ
ーチャートである。FF部1,FB部2,加算器3から
なる等化フィルタ部では、式3で示したように事前推定
出力I(n) を出力する。 I(n) =CM * (n-1) XM (n) (3) 式3の出力に対して補正信号発生回路24より出力される
補正信号w(n-1) を乗算器25で乗算すると次のI■(n)
が得られる。 I■(n)=I(n) w(n-1) (23) 判定器12では、この信号を硬判定し、等化出力とする。
次に加算器13で誤差信号を求める。誤差信号e(n) は次
式のように表される。 e(n) =d(n) −I(n) w(n-1) (24)
【0028】次に式24で表される誤差信号は、タップ係
数更新回路23に送られる。タップ係数更新回路23では補
正信号によって受けたベクトルの補正量を元に戻すた
め、補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号e(n)
に乗じ、さらに補正信号の2乗値で正規化を行う。この
ときの誤差をeE (n) とするとこれは次式で表される。 eE (n) =[d(n) −I(n) w(n-1) ]w* (n-1) /w2 (n-1) (25) タップ係数更新回路23では、eE (n) と、等化フィルタ
部の入力信号とを用いて従来技術の例で述べたようなカ
ルマンフィルタ等の適応アルゴリズムにより、等化フィ
ルタ部のタップ係数CM (n-1) を更新し、CM (n) とな
る。次に等化フィルタ部ではこの更新されたタップ係数
値を用い事後推定出力IP(n) を出力する。 IP (n) =CM * (n) XM (n) (26) 補正信号発生回路24ではこの事後推定出力IP (n) とデ
ータ判定部12の出力データ(または既知信号系列)を用
いて補正信号w(n) を定める。
【0029】図2の補正信号発生回路24の動作について
説明する。補正信号発生回路24では事後推定値入力端子
27から入力される事後推定値IP(n) と、参照信号入力
端子29から入力されるデータ判定部12の出力データ(ま
たは既知信号系列)からフィルタリングを行い補正信号
w(n) を定める。ここでは、このフィルタリングをカル
マンフィルタを用いた場合について説明する。カルマン
フィルタにおける推定値を乗算器28の係数w* (n-1) ,
その速度成分wV * (n-1) 、また、観測値を乗算器28の
係数と事後推定出力IP (n) の積とすると、推定値Cw
(n-1) および観測値Iw (n) は次式で表される。 CW (n-1) =[w* (n-1),wV * (n-1) ] (27) IW (n) =[w(n-1),wV (n-1) ] ・[IP * (n),0 ]* (28) ここで、XW (n) =[IP * (n),0 ]* とおき誤差信号
をeW (n) とすると、 IW (n) =CW * (n-1) XW (n) (29) eW (n) =d(n) −IW (n) =d(n) −CW * (n-1) XW (n) (30) となる。
【0030】時刻t=(n-1) Tの時のCW (n-1) ,PW
(n-1) から、時刻t=nTの時のCW (n) を漸化的に求
めるアルゴリズムは以下のようになる。 (a) フィルタ方程式 (b) カルマンゲイン (c) 推定誤差共分散行列 PW (n/n-1) =[PW (n-1) −KW (n-1) ・X* W (n-1) PW (n-1) ] (34) PW (n) =APW (n/n-1) A* +BQ(n) B* (35) (d) 初期条件 PW (0) =δ-1I,CW (n) =0 (36) ここで、Aは状態遷移行列、Bは駆動行列、U(n) ,Q
(n) は白色ガウス雑音ベクトル、PW (n) は係数の推定
誤差共分散行列、Iは単位行列である。
【0031】共役演算回路32では、このようにして求め
たw* (n) の複素共役をとり、時刻t=(n+1) Tの補正
信号とする。また、FB部入力信号を補正するw* (n)
をFB部入力信号補正信号出力端子34から出力する。ま
た、式25で示したeE (n) をタップ係数更新回路23で求
めるため誤差補正信号出力端子35からw* (n) を出力す
る。
【0032】なお、本実施例1では、フィルタリングに
カルマンフィルタを用いて説明したが、これは、ZF(z
ero forcing)アルゴリズム、LMS(Least mean squar
e) アルゴリズム、RLS(Recursive least square)ア
ルゴリズム等のタップ係数更新アルゴリズムを用いても
よい。
【0033】また、本実施例1では、タップ係数更新回
路23で、補正信号によって受けたベクトルの補正量を元
に戻すため補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号
e(n) に乗じさらに補正信号の2乗値で正規化を行って
いるが、等化器入力信号の時間的変動が遅い場合、また
は等化器出力の要求精度が低い場合には、この演算を行
わなくてもよい。
【0034】また、本実施例1では、FB部入力信号を
* (n) で補正しているが、等化器入力信号の時間的変
動が遅い場合、または等化器出力の要求精度が低い場合
には、この演算を行わなくてもよい。
【0035】また、本実施例1では、判定帰還形適応等
化器について説明したが、FB部2がない線形適応等化
器でもよい。
【0036】以上のように、本実施例1では、タップ係
数を一度更新した後に、事後の推定出力を求め、この誤
差をなくすように補正量を定めているために、等化器入
力信号の時間的変動が早い場合にも、その変化量を補正
することができる。
【0037】実施例2.以下、請求項2に係わる発明の
実施例2について説明する。図4はこの発明の適応等化
器の実施例1を示す構成ブロック図である。図中、従来
例もしくは実施例1と同一部分には同一符号を付し説明
を省く。図4において、36はタップ係数更新回路、37は
等化フィルタ部より出力される事前推定値と参照信号
(データ判定部12の出力データまたは既知信号系列)か
ら、次の等化フィルタ部入力データに対する事前推定出
力の補正信号を出力する補正信号発生回路である。
【0038】図5は図4の補正信号発生回路37の内部構
成を示すブロック図である。図中、実施例1と同一部分
には同一符号を付し説明を省く。38は事前推定値入力端
子、39は事前推定値、参照信号、誤差信号より乗算器28
の係数を定める係数更新回路である。
【0039】図4の適応等化器の動作について説明す
る。図6は図4に示す適応等化器の動作を説明するフロ
ーチャートである。FF部1,FB部2,加算器3から
なる等化フィルタ部は、式3に示したように事前推定
I(n) を出力する。 I(n) =CM * (n-1) XM (n) (3) 式3の出力に対して補正信号発生回路37より出力される
補正信号w(n-1) を乗算器25で乗算すると次のI■(n)
が得られる。 I■(n)=I(n) w(n-1) (23) 判定器12では、この信号を硬判定し等化出力とする。次
に、加算器13で誤差信号を求める。誤差信号e(n) は次
式のように表される。 e(n) =d(n) −I(n) w(n-1) (24)
【0040】次に式24で表される誤差信号は、タップ係
数更新回路36に送られる。タップ係数更新回路36では補
正信号によって受けたベクトルの補正量を元に戻すた
め、補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号e(n)
に乗じ、さらに補正信号の2乗値で正規化を行う。この
ときの誤差をeE (n) として次式で表される。 eE (n) =[d(n) −I(n) w(n-1) ] ・w* (n-1) /w2 (n-1) (25) タップ係数更新回路36では、eE (n) と、等化フィルタ
部の入力信号を用いて従来技術の例で述べたようなカル
マンフィルタ等の適応アルゴリズムにより、等化フィル
タ部のタップ係数CM (n-1) を更新し、CM (n) とな
る。
【0041】また、補正信号発生回路37では事前推定出
力I(n) と参照信号(データ判定部12の出力データまた
は既知信号系列)を用いて補正信号w(n) を定める。
【0042】図5の補正信号発生回路37の動作について
説明する。補正信号発生回路37では事前推定値入力端子
38から入力される事前推定値I(n) と、参照信号入力端
子29から入力される参照信号(データ判定部12の出力デ
ータまたは既知信号系列)からフィルタリングを行い補
正信号w(n) を定める。ここでは、このフィルタリング
をカルマンフィルタを用いた場合について説明する。カ
ルマンフィルタにおける推定値を乗算器28の係数w* (n
-1) ,その速度成分wV * (n-1) 、また、観測値を乗算
器28の係数と事前推定出力I(n) の積とすると、推定値
w (n-1) および観測値Iw (n) は次式で表される。 CW (n-1) =[w* (n-1),wV * (n-1) ] (27) IW (n) =[w(n-1),wV (n-1) ][I* (n),0 ]* (37) ここでXW (n) =[I* (n),0 ]* とおき誤差信号を
W (n) とすると、 IW (n) =CW * (n-1) XW (n) (29) eW (n) =d(n) −IW (n) =d(n) −CW * (n-1) XW (n) (30) となる。時刻t=(n-1) Tの時のCW (n-1) ,PW (n-
1) から、時刻t=nTの時のCW (n) を漸化的に求め
るアルゴリズムは、実施例1に示した式31から式35のよ
うになる。
【0043】共役演算回路32では、このようにして求め
たw* (n) の複素共役をとり、時刻t=(n+1) Tの補正
信号とする。また、FB部入力信号を補正するw* (n)
をFB部入力信号補正信号出力端子34から出力する。ま
た、式25で示したeE (n) をタップ係数更新回路36で求
めるために、誤差補正信号出力端子35からw* (n) を出
力する。
【0044】なお、本実施例2では、フィルタリングに
カルマンフィルタを用いて説明したが、これは、ZF(z
ero forcing)アルゴリズム、LMS(Least mean squar
e) アルゴリズム、RLS(Recursive least square)ア
ルゴリズム等のタップ係数更新アルゴリズムを用いても
よい。
【0045】また、本実施例2では、タップ係数更新回
路36で、補正信号によって受けたベクトルの補正量を元
に戻すため補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号
e(n) に乗じさらに補正信号の2乗値で正規化を行って
いるが、等化器入力信号の時間的変動が遅い場合、また
は等化器出力の要求精度が低い場合には、この演算を行
わなくてもよい。
【0046】また、本実施例2では、FB部入力信号を
* (n) で補正しているが、等化器入力信号の時間的変
動が遅い場合、または等化器出力の要求精度が低い場合
には、この演算を行わなくてもよい。
【0047】また、本実施例2では、判定帰還形適応等
化器について説明したが、FB部2がない線形適応等化
器でもよい。
【0048】以上のように、本実施例2では、事前推定
出力より誤差をなくすように補正量を定めているため
に、事後推定出力を求める必要がなく、また等化器入力
信号に周波数オフセットのような定常誤差がある場合に
も、その変化量を補正することができる。
【0049】実施例3.以下、請求項3に係わる発明の
実施例3について説明する。図7はこの発明の適応等化
器の実施例3を示す構成ブロック図である。図中、従来
例もしくは実施例1,2と同一部分には同一符号を付し
説明を省く。図7において、40は等化フィルタ部より出
力される事前推定出力と事後推定出力から次の等化フィ
ルタ部入力データに対する事前推定出力の補正信号を出
力する補正信号発生回路である。
【0050】図8は図7の補正信号発生回路40の内部構
成を示すブロック図である。図8において、41は事後推
定値が入力する事後推定値入力端子、42は事後推定値と
乗算器28の差をとり誤差信号を発生する加算器、43は事
後推定値、事前推定値、誤差信号より乗算器28の係数を
定める係数更新回路である。
【0051】図7の適応等化器の動作について説明す
る。図9は図7に示す適応等化器の動作を説明するフロ
ーチャートである。FF部1,FB部2,加算器3から
なる等化フィルタ部では、式3で示したように事前推定
出力I(n) を出力する。 I(n) =CM * (n-1) XM (n) (3) 式3の出力に対して補正信号発生回路40より出力される
補正信号w(n-1) を乗算器25で乗算すると次のI■(n)
が得られる。 I■(n)=I(n) w(n-1) (23) 判定器12では、この信号を硬判定し等化出力とする。次
に加算器13で誤差信号を求める。誤差信号e(n) は次式
のように表される。 e(n) =d(n) −I(n) w(n-1) (24)
【0052】次に式24で表される誤差信号は、タップ係
数更新回路23に送られる。タップ係数更新回路23では補
正信号によって受けたベクトルの補正量を元に戻すた
め、補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号e(n)
に乗じ、さらに補正信号の2乗値で正規化を行う。この
ときの誤差をeE (n) とすると、次式で表される。 eE (n) =[d(n) −I(n) w(n-1) ] ・w* (n-1) /w2 (n-1) (25) タップ係数更新回路23では、eE (n) と、等化フィルタ
部の入力信号を用いて従来技術の例で述べたようなカル
マンフィルタ等の適応アルゴリズムにより、等化フィル
タ部のタップ係数CM * (n-1) を更新し、CM * (n) と
なる。次に等化フィルタ部ではこの更新されたタップ係
数値を用い事後推定出力IP(n) を出力する。 IP (n) =CM * (n) XM (n) (26) 補正信号発生回路40ではこの事後推定出力IP (n) と事
前推定出力I(n) を用いて補正信号w(n) を定める。
【0053】図8の補正信号発生回路40の動作について
説明する。補正信号発生回路40では、事前推定値入力端
子38から入力される事前推定値I(n) と、事後推定値入
力端子41から入力される事後推定値IP (n) からフィル
タリングを行い補正信号w(n) を定める。ここでは、こ
のフィルタリングをカルマンフィルタを用いた場合につ
いて説明する。カルマンフィルタにおける推定値を乗算
器28の係数w* (n-1) ,その速度成分wV * (n-1) 、ま
た、観測値を乗算器28の係数と事前推定出力I(n) の積
とすると、推定値Cw (n-1) および観測値Iw (n) は次
式で表される。 CW (n-1) =[w* (n-1),wV * (n-1) ] (27) IW (n) =[w(n-1),wV (n-1) ] ・[I* (n),0 ]* (37) ここで、XW (n) =[I* (n),0 ]* とおき誤差信号
をeW (n) とすると、 IW (n) =CW * (n-1) XW (n) (29) eW (n) =IP (n) −IW (n) =IP (n) −CW * (n-1) XW (n) (38) となる。時刻t=(n-1) Tの時のCW (n-1) ,PW (n-
1) から、時刻t=nTの時のCW (n) を漸化的に求め
るアルゴリズムは、実施例1に示した31式から35式のよ
うになる。
【0054】共役演算回路32では、このようにして求め
たw* (n) の複素共役をとり、時刻t=(n+1) Tの補正
信号とする。また、FB部入力信号を補正するw* (n)
をFB部入力信号補正信号出力端子34から出力する。ま
た、式25で示したeE (n) をタップ係数更新回路23で求
めるため誤差補正信号出力端子35からw* (n) を出力す
る。
【0055】なお、本実施例3では、フィルタリングに
カルマンフィルタを用いて説明したが、これは、ZF(z
ero forcing)アルゴリズム、LMS(Least mean squar
e) アルゴリズム、RLS(Recursive least square)ア
ルゴリズム等のタップ係数更新アルゴリズムを用いても
よい。
【0056】また、本実施例3では、タップ係数更新回
路23で、補正信号によって受けたベクトルの補正量を元
に戻すため補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号
e(n) に乗じさらに補正信号の2乗値で正規化を行って
いるが、等化器入力信号の時間的変動が遅い場合、また
は等化器出力の要求精度が低い場合には、この演算を行
わなくてもよい。
【0057】また、本実施例3では、FB部入力信号を
* (n) で補正しているが、等化器入力信号の時間的変
動が遅い場合、または等化器出力の要求精度が低い場合
には、この演算を行わなくてもよい。
【0058】また、本実施例3では、判定帰還形適応等
化器について説明したが、FB部2がない線形適応等化
器でもよい。
【0059】以上のように、本実施例3では、事前推定
出力と事後推定出力とから、誤差をなくすように補正量
を定めているために、等化器入力信号の時間的変動が早
い場合にも、その変化量を補正することができる。
【0060】実施例4.以下、請求項4に係わる発明の
実施例4について説明する。図10はこの発明の適応等化
器の実施例4を示す構成ブロック図である。図中、従来
例もしくは実施例1,2,3と同一部分には同一符号を
付し説明を省く。図10において、44はFF部より出力さ
れるFF部事後推定出力とFB部より出力されるFB部
事後推定出力と、参照信号(データ判定部12の出力デー
タまたは既知信号系列)とから、次のFF部およびFB
部の出力データである事前推定出力の補正信号を出力す
る補正信号発生回路、45はFF部事前推定出力にFF部
補正信号を乗ずる乗算器、46はFB部事前推定出力にF
B部補正信号を乗ずる乗算器、47は乗算器45の出力と乗
算器46の出力を加算する加算器、48は参照信号(データ
判定部12の出力データまたは既知信号系列)と加算器47
の差をとり誤差信号を発生する加算器、58はタップ係数
更新回路である。
【0061】図11は図1の補正信号発生回路44の内部構
成を示すブロック図である。図11において、49はFF部
事後推定値入力端子、50はFB部事後推定値入力端子、
51はFF部事後推定値に係数を乗ずる乗算器、52はFB
部事後推定値に係数を乗ずる乗算器、53は参照信号と乗
算器51、乗算器52の差をとり誤差信号を発生する加算
器、54はFF部事後推定値,FB部事後推定値,参照信
号,誤差信号より乗算器51,乗算器52の係数を定める係
更新回路、55はこれら係数の複素共役値をとり補正信
号を定める共役演算回路、56は乗算器45にFF部補正信
号を出力するFF部補正信号出力端子、57は乗算器46に
FB部補正信号を出力するFB部補正信号出力端子であ
る。
【0062】図10の適応等化器の動作について説明す
る。図12は、図1に示す適応等化器の動作を説明するフ
ローチャートである。FF部1ではFF部の事前推定
FF(n) を出力する。 IFF(n) =CL * (n-1) XL (n) (39) 式39の出力に対して補正信号発生回路44より出力される
FF部補正信号wFF(n-1) を乗算器45で乗算すると次の
I■ FF(n) が得られる。 I■ FF(n) =IFF(n) wFF(n-1) (40) FB部2ではFB部の事前推定出力FB(n) を出力す
る。 IFB(n) =CM-L * (n-1) XM-L (n) (41) 式41の出力に対して補正信号発生回路44より出力される
FB部補正信号wFB(n-1) を乗算器46で乗算すると次の
I■ FB(n) が得られる。 I■ FB(n) =IFB(n) wFB(n-1) (42) 加算器47ではI■ FF(n) とI■ FB(n) を加算しI■
(n) を求める。 I■ (n) =IFB(n) wFB(n-1) +IFF(n) wFF(n-1) (43) 判定器12では、この信号を硬判定し等化出力とする。次
に加算器48で誤差信号を求める。誤差信号e(n) は次式
のように表される。 e(n) =d(n) −I■ (n) (44)
【0063】また、FF部1,FB部2,加算器3から
なる等化フィルタ部では事前推定出力I(n) をタップ係
数更新回路58に出力する。
【0064】タップ係数更新回路58ではFF部補正信号
およびFF部補正信号によって受けたベクトルの補正量
を元に戻すため、次の計算により全体の補正量w(n-1)
を求める。 w(n-1) =I■ (n) /I(n) (45) 次に、この補正信号の複素共役値w* (n-1) を誤差信号
e(n) に乗じ、さらに補正信号の2乗値で正規化を行
う。このときの誤差をeE (n) とするとこれは次式で表
される。 eE (n) =[d(n) −I■ (n) ] ・w* (n-1) /w2 (n-1) (46) タップ係数更新回路58では、eE (n) と、等化フィル
タ部の入力信号を用いて従来技術の例で述べたようなカ
ルマンフィルタ等の適応アルゴリズムにより、等化フィ
ルタ部のタップ係数を更新し、CL * (n) およびCM-L
* (n) を定める。次に、FF部1ではこの更新されたタ
ップ係数値を用いFF部の事後推定出力IPFF (n) 、F
B部2ではFB部の事後推定出力IPFB (n) を出力す
る。 IPFF (n) =CL * (n) XL (n) (47) IPFB (n) =CM-L * (n) XM-L (n) (48) 補正信号発生回路44ではこのFF部事後推定出力IPFF
(n) とFF部事後推定出力IPFB (n) およびデータ判定
部12の出力データ(または既知信号系列)を用いてFF
部事前推定出力に対する補正信号wFF(n) 、およびFB
部事前推定出力に対するwFB(n) を定める。
【0065】図11の補正信号発生回路44の動作について
説明する。補正信号発生回路44ではFF部事後推定値入
力端子49から入力されるFF部事後推定値IPFF (n)
と、FB部事後推定値入力端子50から入力されるFB部
事後推定値IPFB (n) と参照信号入力端子29から入力さ
れる参照信号(データ判定部12の出力データまたは既知
信号系列)からフィルタリングを行い、FF部事前推定
出力に対する補正信号wFF(n) ,FB部事前推定出力に
対するwFB(n) を定める。ここでは、このフィルタリン
グをカルマンフィルタを用いた場合について説明する。
カルマンフィルタにおける推定値を乗算器51と乗算器52
の係数をwFF * (n-1),wFB * (n-1) ,それらの速度成
分wFFV * (n-1) ,wFBV * (n-1) 、また、観測値を乗
算器51とFF部事後推定値IPFF (n) の積と乗算器52の
係数とFB部事後推定値の積IPFB (n) の和とすると、
推定値Cw (n-1) および観測値Iw (n)は次式で表され
る。 CW (n-1) =[wFF * (n-1),wFFV * (n-1), wFB * (n-1),wFBV * (n-1) ] (49) IW (n) =CW (n-1) [IPFF * (n),0 , IPFB * (n),0 ]* (50) ここで、XW (n) =[IPFF * (n),0 , IPFB * (n),0
* とおき、誤差信号をeW (n) とすると、 IW (n) =CW * (n-1) XW (n) (29) eW (n) =d(n) −IW (n) =d(n) −CW * (n-1) XW (n) (30) となる。時刻t=(n-1) Tの時のCW (n-1) ,PW (n-
1) から、時刻t=nTの時のCW (n) を漸化的に求め
るアルゴリズムは、実施例1に示した式31から式35のよ
うになる。
【0066】共役演算回路55では、このようにして求め
たwFF * (n) ,wFB * (n) の複素共役をとり、時刻t=
(n+1) Tの補正信号とする。
【0067】なお、本実施例4では、フィルタリングに
カルマンフィルタを用いて説明したが、これは、ZF(z
ero forcing)アルゴリズム、LMS(Least mean squar
e) アルゴリズム、RLS(Recursive least square)ア
ルゴリズム等のタップ係数更新アルゴリズムを用いても
よい。
【0068】また、本実施例4では、タップ係数更新回
路58で、補正信号によって受けたベクトルの補正量を元
に戻すための演算を行っているが、等化器入力信号の時
間的変動が遅い場合、または等化器出力の要求精度が低
い場合には、この演算を行わなくてもよい。
【0069】以上のように、本実施例4では、FF部1
とFB部2とに分けて、それぞれ事後推定出力より誤差
をなくすように補正量を定めているために、等化器入力
信号の遅延分散が大きい場合にも、すなわち先行波と遅
延波の時間差が大きい場合にもその変化量を補正するこ
とができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように請求項1に係わる発明によ
れば、タップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新
に用いた等化フィルタ部の入力信号より事後推定値を求
め、上記事後推定値と参照信号とに基づき補正信号を生
成し、次の入力信号に対する等化フィルタ部の出力値
(次の事前推定値)の補正を行うことにより、事後推定
出力と参照信号との差が補正され、伝送路特性の急速な
変動や、複数の周波数成分をもつ伝送路の変動に対し
て、追従性を向上させた適応等化器を得ることができ
る。
【0071】以上のように請求項2に係わる発明によれ
ば、タップ係数更新前の等化フィルタ部の出力である事
前推定値と参照信号とに基づき補正信号を生成し、次の
入力信号に対する等化フィルタ部の出力値(次の事前推
定値)の補正を行うことにより、事前推定出力と参照信
号との差が補正され、伝送路特性の急速な変動や、複数
の周波数成分をもつ伝送路の変動に対して、追従性を向
上させた適応等化器を得ることができる。
【0072】以上のように請求項3に係わる発明によれ
ば、タップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新に
用いた等化フィルタ部の入力信号より事後推定値と、タ
ップ係数更新前の等化フィルタ部の出力である事前推定
値とに基づき補正信号を生成し、次の等化フィルタ部の
出力値(次の事前推定値)の補正を行うことにより、事
後推定出力と事前推定出力との差が補正され、伝送路特
性の急速な変動や、複数の周波数成分をもつ伝送路の変
動に対して、追従性を向上させた適応等化器を得ること
ができる。
【0073】以上のように、本請求項4に係わる発明に
よれば、FF部とFB部の事後推定出力を求め、それら
事後推定出力と参照信号とに基づき補正信号を生成し、
次のFF部とFB部の入力信号に対する等化フィルタ部
の出力値(次の事前推定値)の補正を行うことにより、
事後推定出力と参照信号との差が補正され、伝送路特性
の急速な変動や、複数の周波数成分をもつ伝送路の変動
に対して、追従性を向上させた適応等化器を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の適応等化器の実施例1を示す構成ブ
ロック図である。
【図2】図1に示された補正信号発生回路の内部構成例
を示すブロック図である。
【図3】図1に示す適応等化器の動作を説明するフロー
チャートである。
【図4】この発明の適応等化器の実施例2を示す構成ブ
ロック図である。
【図5】図4に示された補正信号発生回路の内部構成例
を示すブロック図である。
【図6】図4に示す適応等化器の動作を説明するフロー
チャートである。
【図7】この発明の適応等化器の実施例3を示す構成ブ
ロック図である。
【図8】図7に示された補正信号発生回路の内部構成例
を示すブロック図である。
【図9】図7に示す適応等化器の動作を説明するフロー
チャートである。
【図10】この発明の適応等化器の実施例4を示す構成
ブロック図である。
【図11】図10に示された補正信号発生回路の内部構
成例を示すブロック図である。
【図12】図10に示す適応等化器の動作を説明するフ
ローチャートである。
【図13】図10に示す適応等化器の動作を説明するフ
ローチャートである。(図12の続き)
【図14】従来の適応等化器を示す構成ブロック図であ
る。
【図15】従来の適応等化器を示す構成ブロック図であ
る。
【図16】本発明の実施例及び従来の移動体通信に用い
られるバーストフォーマットの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 フィードフォワード部のトランスバーサルフィルタ
(FF部) 2 フィードバック部のトランスバーサルフィルタ(F
B部) 3 加算器 4 データ判定器 5 加算器 6 タップ係数更新回路 7 スイッチ回路 8 受信信号入力端子 9 既知信号系列入力端子 10 適応等化器の出力信号端子 11 乗算器 12 データ判定器 13 加算器 14 乗算器 15 位相誤差検出回路 16 位相同期回路 17 第1積分器 18 第2積分器 19 共役演算回路 20 乗算器 21 ユニークワード 22 ランダムデ−タ部 23 タップ係数更新回路 24 補正信号発生回路 25 乗算器 26 加算器 27 事後推定値入力端子 28 乗算器 29 参照信号入力端子 30 加算器 31 係数更新回路 32 共役演算回路 33 補正信号出力端子 34 FB部入力信号補正信号出力端子 35 誤差補正信号出力端子 36 タップ係数更新回路 37 補正信号発生回路 38 事前推定値入力端子 39 係数更新回路 40 補正信号発生回路 41 事後推定値入力端子 42 加算器 43 係数更新回路 44 補正信号発生回路 45 乗算器 46 乗算器 47 加算器 48 加算器 49 FF部事後推定値入力端子 50 FB部事後推定値入力端子 51 乗算器 52 乗算器 53 加算器 54 係数更新回路 55 共役演算回路 56 FB部補正信号出力端子 57 FF部補正信号出力端子 58 タップ係数更新回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タップ付き遅延回路を有する等化フィル
    タ部と、データ判定部と、タップ係数演算部とを備え、
    タップ係数演算部ではタップ係数更新アルゴリズムに従
    い等化フィルタ部のタップ係数を更新する適応等化器で
    あって、 タップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新に用い
    た等化フィルタ部の入力信号とから事後推定値を求める
    手段と、上記事後推定値とデータ判定部の出力データま
    たは既知信号系列とに基づき補正信号を発生する手段と
    を備え、上記補正信号により次の等化フィルタ部の入力
    信号に対する等化フィルタ部の出力値を補正することを
    特徴とする適応等化器。
  2. 【請求項2】 タップ付き遅延回路を有する等化フィル
    タ部と、データ判定部と、タップ係数演算部とを備え、
    タップ係数演算部ではタップ係数更新アルゴリズムに従
    い等化フィルタ部のタップ係数を更新する適応等化器で
    あって、 タップ係数更新前の等化フィルタ部の出力である事前推
    定値と、データ判定部の出力データまたは既知信号系列
    とに基づき補正信号を発生する手段を備え、上記補正信
    号により次の等化フィルタ部の入力信号に対する等化フ
    ィルタ部の出力値を補正することを特徴とする適応等化
    器。
  3. 【請求項3】 タップ付き遅延回路を有する等化フィル
    タ部と、データ判定部と、タップ係数演算部とを備え、
    タップ係数演算部ではタップ係数更新アルゴリズムに従
    い等化フィルタ部のタップ係数を更新する適応等化器で
    あって、 タップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更新に用い
    た等化フィルタ部の入力信号とから事後推定値を求める
    手段と、上記事後推定値とタップ係数更新前の等化フィ
    ルタ部の出力である事前推定値とに基づき補正信号を発
    生する手段とを備え、 上記補正信号により次の等化フィルタ部の入力信号に対
    する等化フィルタ部の出力値を補正することを特徴とす
    る適応等化器。
  4. 【請求項4】 フィードフォワード部(FF部)とフィ
    ードバック部(FB部)にタップ付き遅延回路を有する
    等化フィルタ部と、データ判定部と、タップ係数演算部
    とを備え、タップ係数演算部ではタップ係数更新アルゴ
    リズムに従い等化フィルタ部のタップ係数を更新する判
    定帰還形適応等化器であって、 FF部のタップ係数更新後のタップ係数とタップ係数更
    新に用いた等化フィルタ部の入力信号とからFF部の事
    後推定値を求める手段と、FB部のタップ係数更新後の
    タップ係数とタップ係数更新に用いた等化フィルタ部の
    入力信号とからFB部の事後推定値を求める手段と、上
    記FF部およびFB部の事後推定値と、データ判定部の
    出力データまたは既知信号系列とに基づき補正信号を発
    生する手段とを備え、 上記補正信号により次の等化フィルタ部の入力信号に対
    する等化フィルタ部の出力値を補正することを特徴とす
    る適応等化器。
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