JP2986261B2 - 適応最尤系列推定器 - Google Patents

適応最尤系列推定器

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JP2986261B2
JP2986261B2 JP3264566A JP26456691A JP2986261B2 JP 2986261 B2 JP2986261 B2 JP 2986261B2 JP 3264566 A JP3264566 A JP 3264566A JP 26456691 A JP26456691 A JP 26456691A JP 2986261 B2 JP2986261 B2 JP 2986261B2
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル通信の受信
機等において、伝送路の歪みを補償し正しい送信信号を
得る等化器等に用いられる適応最尤系列推定器、特に搬
送波の周波数オフセットによる位相変動を補償しながら
等化を行う位相補償型適応等化器等に適用される適応最
尤系列推定器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば次のような文献に記載されるものがあった。 文献;アイイーイーイー トランスアクション オン
コミュニケーションズ(IEEE Transaction on Communic
ations)、COM−22[5](1974-5)(米)G.U
ngerboeck“アダプティブ マキシマム−ライ
クリフッド レシーバ フォア キャリイ−モデュレイ
ティッド データ−トランスミッション システムズ(A
daptive Maximum-LikelihoodReceiver for Carrier-Mod
ulated Data-Transmission Systems)”P.624−6
36 近年、ディジタル移動通信の開発が急速に行われている
が、陸上移動通信では遅延を伴なう多数の干渉波と移動
端末が高速に移動することによって周波数選択性フェー
ジングが発生し、受信信号波形が著しく歪むため、等化
器によってこの歪みを補償する必要がある。この等化器
に適用される最尤系列推定は、周波数選択性フェージン
グのように、伝送路の遅延特性に起因して歪んだ受信信
号波形から、正しい送信データを得るための最も有効な
等化方式の一つである。
【0003】図2は、従来のディジタル移動通信におけ
る送受信機の構成例を示すブロック図である。この送受
信機は、入力データbm に基づき信号sc (t)を送信
する送信機10を有し、該信号sc (t)が伝送路20
を介して受信機30に受信されるようになっている。送
信機10は、符号化器11、送信ローパスフィルタ(以
下、送信LPFという)12、及び変調器13より構成
されている。また、受信機30は、復調器31、受信ロ
ーパスフィルタ(以下、受信LPFという)32、適応
等化器33、及び復号器34より構成されている。
【0004】送信機10では、入力データbm を符号化
器11で送信シンボルxn に変換し、送信LPF12に
より帯域制限して送信複素ベースバンド信号s(t)を
生成し、変調器13へ送る。変調器13では、信号s
(t)を周波数fc なる搬送波によって変調し、信号s
c (t)を伝送路20を介して受信機30へ送信する。
受信機30では、復調器31で送信搬送波周波数fc
等しい周波数によって同期検波を行い、伝送路20を通
った信号rc (t)を複素ベースバンド信号r(t)に
変換し、さらに受信LPF32を通して帯域制限された
受信複素ベースバンド信号y(t)を得る。この信号y
(t)をシンボル間隔Tでサンプリングする。
【0005】適応等化器33では、信号y(t)のサン
プル値yn から周波数選択性フェージングによる伝送路
20の特性を補償し、送信シンボルを推定する。ここ
で、送信搬送波周波数と受信機30の復調周波数の周波
数オフセットや位相ジッタにより、受信信号の位相が変
動するので、適応等化器33は、最尤系列推定により、
受信信号の位相変動を補償しながら送信シンボルの推定
を行う。最後に、復号器34で送信シンボルの推定値E
n (但し、Eは推定を表す)を復号し、送信されたデ
ータEbm を得る。
【0006】最尤系列推定は、ある有限区間での受信信
号系列BYn ={y1 ,y2 ,…,yN }(但し、Bは
ベクトルを表す)が得られたときに、伝送路20のイン
パルス応答h(t)を既知としてBYN を実現する確率
(尤度)の最も大きい送信シンボル系列BXN
{x1 ,x2 ,…,xN }を推定するものであり、前記
文献に記載されているように、畳み込み符号の復号法と
して知られるビタビ・アルゴリズムを用いて効率的に計
算される。
【0007】図3は、図2中の適応等化器33に適応さ
れる従来の適応最尤系列推定器の機能ブロック図であ
る。この適応最尤系列推定器は、集積回路等を用いた個
別回路、あるいはプロセッサを用いたプログラム制御等
により構成されるもので、位相回転部40、遅延手段5
0、ビタビ・アルゴリズム処理部60、伝送路推定部7
0、及び位相推定部80を備えている。なお、各機能ブ
ロック間を接続する実線は実数、一点鎖線は複素数、二
点鎖線は複素ベクトルをそれぞれ表す。
【0008】位相回転部40は、位相推定値Eφn に基
づき、受信信号のサンプル値Yn を位相回転させて周波
数オフセットや位相ジッタによる位相変動を補償した受
信信号のサンプル値crn (但し、cは補償を表す)を
出力する機能を有し、演算手段41及び乗算手段42よ
り構成されている。遅延手段50は、ビタビ・アルゴリ
ズムの判定遅延を補償するためのもので、受信信号のサ
ンプル値crn を所定時間遅延し、その遅延した値cr
n-M を伝送路推定部70及び位相推定部80へ与える機
能を有している。ビタビ・アルゴリズム処理部60は、
サンプル値crn を入力し、伝送路推定部70からの伝
送路20のインパルス応答推定値Ehjに基づき、ビタ
ビ・アルゴリズムに従って送信シンボルの推定を行い、
推定送信シンボル系列EXn-M を出力する機能を有して
いる。
【0009】伝送路推定部70では、実際の伝送路20
のインパルス応答が未知であるため、それを推定して伝
送路のインパルス応答推定値Ehj をビタビ・アルゴリ
ズム処理部60へ与える機能を有し、受信信号再生手段
71、インパルス応答適応更新手段72、及び減算手段
73より構成されている。
【0010】受信信号再生手段71では、推定送信シン
ボル系列{EXn ,EXn-1 ,…,EXn-L }と伝送路
20のインパルス応答推定値Ehj とから、次式(1)
のような受信信号の推定値Ern を発生する。 L n Ern =ΣEXn-j ・Ehj ・・・(1) j=0 これを減算手段73で、次式(2)のように、位相変動
を補償した受信信号crn から差し引いて誤差信号en
を得る。 en =crn −Ern ・・・(2) インパルス応答適応更新手段72では、次式(3)で示
されるLMS(リースト・ミーン・スケヤーズ)アルゴ
リズムにより、伝送路20のインパルス応答推定値Eh
j (j=0,1,…,L)を更新する。 Ehj n+1 =Ehj n +β・en ・EX* n-j ・・・(3) 但し、j=0,1,…,L *;複素共役 β;ステップサイズと呼ばれる正の定数 位相推定部80は、周波数オフセットや位相ジッタによ
る位相変動量を次式(4)により推定し、その位相推定
値Eφn+1 を位相回転部40へ与え、該位相回転部40
でその位相変動量を補償させるように働く。 Eφn+1 =Eφn +α・Im[en ・cr* n ] ・・・(4) 但し、Im[ ];複素数の虚数部 α;正の定数 位相推定部80及び位相回転部40による位相変動量の
補償は、1次の位相同期ループと等価である。そのた
め、位相推定部80は、位相同期ループ(PLL)の位
相誤差検出回路81、ループフィルタ82、及び電圧制
御発振器(以下、VCOという)83より構成されてい
るといえる。
【0011】位相誤差検出回路81は、遅延手段50の
出力crn-M からその複素共役cr* n-M を求める複素
共役算出手段81aと、複素共役cr * n-M と推定誤差
n-M とを乗算する乗算手段81bと、その乗算結果よ
り虚数部を抽出して位相誤差△φn を出力する虚数部抽
出手段81cとで、構成されている。フィルタ82は、
位相誤差△φn に対して乗数αを乗算する乗算手段82
aで構成されている。VCO83は、乗算手段82aの
出力に対して前の時刻の位相推定値Eφn-1 を加算する
加算手段83aと、該加算手段83aの出力を遅延する
レジスタ等の遅延手段83bとで、構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
適応最尤系列推定器では、位相変動量の補償を1次の位
相同期ループを用いて行っているため、搬送波の周波数
オフセットや位相ジッタによる位相変動量のうち、周波
数オフセットによる定常的な位相回転を充分に補償でき
ない。そのため、周波数オフセット量が大きくなると、
誤り率が増大してしまうため、適用できる周波数オフセ
ット(送受信機の搬送波のずれ)の範囲が狭く、それに
よって復号精度が劣化するという問題があり、それを解
決することが困難であった。
【0013】本発明は、前記従来技術が持っていた課題
として、搬送波の周波数オフセットによる定常的な位相
回転を充分に補償できないという点について解決し、広
い範囲の周波数オフセットにわたって位相変動量を補償
できる適応最尤系列推定器を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明は、前記課題を解
決するために、位相推定値に基づき受信信号の位相を回
転させて該受信信号の位相変動を補償する位相回転部
と、前記補償後の受信信号を入力し、伝送路のインパル
ス応答推定値に基づきビタビ・アルゴリズムに従って送
信シンボルの推定を行い、推定送信シンボル系列を出力
するビタビ・アルゴリズム処理部と、伝送路のインパル
ス応答を推定する伝送路推定部と、位相推定部とを、備
えた適応最尤系列推定器において、規格化手段と積分手
段と加算手段とを設けている。
【0015】ここで、前記伝送路推定部は、前記推定送
信シンボル系列と前記伝送路のインパルス応答推定値と
から受信信号の推定値を算出する受信信号再生手段を有
し、前記補償後の受信信号から該受信信号の推定値を差
し引いて推定誤差を算出し、該推定誤差及び前記推定送
信シンボル系列に基づき、適応アルゴリズムに従い伝送
路のインパルス応答を更新して新しい前記伝送路のイン
パルス応答推定値を前記ビタビ・アルゴリズム処理部及
び受信信号再生手段に与える機能を有している。前記
相推定部は、前記補償後の受信信号及び前記推定誤差を
用いて位相誤差を検出し、該位相誤差を位相修正値とし
て位相推定値に加えて新しい前記位相推定値を前記位相
回転部に与えるものである。
【0016】前記規格化手段は前記補償後の受信信号の
短時間パワーで前記位相誤差を規格化する機能を有し、
前記積分手段は前記規格化された位相誤差を積分する機
能を有し、さらに前記加算手段は前記積分手段の出力を
前記規格化された位相誤差に加えて前記位相修正値を生
成する機能を有している。
【0017】
【作用】発明によれば、以上のように適応最尤系列推
定器を構成したので、規格化手段は、位相同期ループで
抽出された位相誤差を受信信号の短時間平均パワーで規
格化するように働く。
【0018】位相推定部に設けられた積分手段及び加算
手段は、2次の位相同期ループを用いて周波数オフセッ
トによる位相変動の補償を行うように働く。従って、前
記課題を解決できるのである。
【0019】
【実施例】基礎技術 図1は、本発明の基礎技術を示す適応最尤系列推定器の
機能ブロック図であり、従来の図3中の要素と共通の要
素には共通の符号が付されている。この適応最尤系列推
定器は、従来と同様、図2に示すディジタル移動通信に
おける送受信機中の適応等化器33に適応されるもの
で、集積回路等を用いた個別回路、あるいはプロセッサ
によるプログラム制御等により構成されている。
【0020】この適応最尤系列推定器では、従来の図3
中の位相推定部80に代えて、構成の異なる位相推定部
80Aが設けられている。位相推定部80Aは、従来と
同様の位相誤差検出回路81及びVCO83と、従来と
異なるループフィルタ82Aとで、構成されている。
【0021】位相誤差検出回路81は、従来と同様、遅
延手段50の出力crn-M から複素共役cr * n-M を求
める複素共役算出手段81aと、複素共役cr * n-M
減算手段73からの推定誤差en-M とを乗算する乗算手
段81bと、該乗算手段81bの出力から虚数部を抽出
して位相誤差△φn を出力する虚数部抽出手段81cと
で、構成されている。
【0022】ループフィルタ82Aは、従来のループフ
ィルタ82を構成する乗算手段82aに、積分手段90
及び加算手段94を付加した構成である。積分手段90
は、虚数部抽出手段81cから出力される位相誤差△φ
n を積分する機能を有し、位相誤差△φn に乗数α1を
乗算する乗算手段91と、加算手段92と、該加算手段
92の出力を遅延するレジスタ等の遅延手段93とで構
成されている。加算手段94は、位相誤差△φn と積分
手段90の出力とを加算して乗算手段82aへ出力する
機能を有している。乗算手段82aは、加算手段94の
出力に乗数α2を乗算して位相修正量△Eφn+1 をVC
O83へ出力する機能を有している。
【0023】VCO83は、従来と同様、位相修正量△
Eφn+1 を入力して位相推定値Eφn を位相回転部40
へ与える機能を有し、加算手段83aと、レジスタ等の
遅延手段83bとで構成されている。
【0024】次に、動作を説明する。例えば、受信信号
のサンプル値yn を yn =rn exp[jφn ] ・・・(5) のように表す。ここで、φn は周波数オフセットや位相
ジッタによる位相変動量、rn はこれらの位相変動がな
い場合の受信信号のサンプル値で、インパルス応答ベク
トルBhn 、及び送信シンボルベクトルBXn を用いて
次式(6)のように表される。 rn =Bhn T ・Bxn ・・・(6) 但し、Bhn ={h0 n ,h1 n ,…,hL n T Bxn ={xn ,xn-1 ,…,xn-L T T;ベクトルの転置 図2の受信機30において、シンボル間隔Tでサンプリ
ングされた受信信号のサンプル値Yn が位相回転部40
に入力されると、該位相回転部40では、位相推定部8
0Aで推定された位相推定値Eφn から演算手段41で
位相回転量exp[−jEφn ]を求め、これを乗算手
段42で受信信号のサンプル値Yn に乗じて位相を補償
した次式(7)のような受信信号のサンプル値cr
n を、遅延手段50及びビタビ・アルゴリズム処理部6
0へ出力する。 crn =rn ・exp[j(φn −Eφn )] ・・・(7) 遅延手段50は受信信号のサンプル値crn を遅延し、
その遅延した値crn-M を位相誤差検出回路81内の複
素共役算出手段81a、及び伝送路推定部70内の減算
手段73へ与える。
【0025】ビタビ・アルゴリズム処理部60では、受
信信号のサンプル値crn を入力し、インパルス応答適
応更新手段72で推定された伝送路20のインパルス応
答推定値Ehj に基づき、送信シンボル系列を推定し、
その推定送信シンボル系列{Exn ,Exn-1 ,…,E
n-L }を出力する。
【0026】伝送路推定部70内の受信信号再生手段7
1は、推定送信シンボル系列{Exn ,Exn-1 ,…,
Exn-L }と伝送路20のインパルス応答推定値Ehj
とに基づき、受信信号の推定値Ern-M を求め、減算手
段73へ与える。減算手段73は、遅延手段50からの
受信信号のサンプル値crn-M から推定値Ern-M を減
算し、推定誤差en-M を求め、それを位相誤差検出回路
81内の乗算手段81bとインパルス応答適応更新手段
72とに与える。
【0027】位相誤差検出回路81では、遅延手段50
で遅延された受信信号のサンプル値crn-M から複素共
役算出手段81aで複素共役cr * n-M を算出し、その
複素共役cr * n-M と伝送路の推定誤差en-M とを乗算
手段81bで乗算する。この乗算結果から、虚数部抽出
手段81cで虚数部を抽出し、次式(8)のような位相
誤差△φn を求め、ループフィルタ82Aへ与える。 △φn =φn −Eφn ・・・(8) ループフィルタ82A内の積分手段90では、位相誤差
△φn と乗数α1とを乗算手段91で乗算し、その乗算
結果と遅延手段93の出力とを加算手段92で加算し、
該加算結果を遅延手段93で遅延させて該加算手段92
にフィードバック入力する。これにより、積分手段90
では、位相誤差△φn を積分してその平均値を求め、そ
の積分結果と位相誤差△φn とを加算手段94で加算さ
せる。加算手段94の出力は、乗算手段82aで乗数α
2と乗算され、位相修正量△Eφn+1 が求められてVC
O83へ送られる。
【0028】VCO83では、加算手段83aで、位相
推定値Eφn に位相修正量△Eφn+1 を加算し、遅延手
段83bで遅延し、新たな位相推定値Eφn+1 として位
相回転部40へ出力する。
【0029】以上のように、この図1の適応最尤系列推
定器では、次のような利点を有している。位相推定部8
0A及び位相回転部40による位相変動量の補償は、積
分手段90で計算される位相誤差の平均成分を、瞬時的
な位相誤差△φn に加算することによって位相推定値に
一定の増分を加えている。そのため、周波数オフセット
による定常的な位相回転を補償することができ、2次の
位相同期ループと等価である。このように、2次の位相
同期ループを用いて周波数オフセットや位相ジッタによ
る位相変動の補償を行うようにしたので、周波数オフセ
ットによる定常的な位相回転を補償することができる。
従って、広い範囲の周波数オフセットにわたって少ない
誤り率で、送信シンボルの推定を行うことができる。
【0030】この効果の一例として、2波モデルの周波
数選択性フェージング伝送路の場合の周波数オフセット
対ビット誤り率のシミュレーション結果を図4に示す。
図4中の波形201は図1の特性、波形202は従来の
特性、波形203は位相変動を補償しない場合の特性を
示す。
【0031】図4のシミュレーション条件は、シンボル
間隔T41μsec、最大ドップラー周波数80Hz、
遅延波の遅延は1.0T、Eb/N0(1ビット当りの
信号電力対雑音電力密度比)20dBである。図4より
明らかなように、10-2以下のビット誤り率が得られる
周波数オフセットの範囲が、従来の適応最尤系列推定器
では約±150Hzであったのが、図1では±1kHz
の範囲の周波数オフセットまで誤り率は周波数オフセッ
トがない場合と比べて全く劣化しない。従って、図1
よる効果は非常に大きい。
【0032】実施例 図5は、図1を用いた本発明の実施例を示す適応最尤系
列推定器の機能ブロック図であり、図1中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この適応最尤系
列推定器では、図1の位相推定部80Aに代えて、構成
の異なる位相推定部80A−1を設けている。位相推定
部80A−1は、図1と異なる位相誤差検出回路81A
と、図1と同様のループフィルタ82A及びVCO83
とで、構成されている。位相誤差検出回路81Aには、
図1の位相誤差検出回路81を構成する複素共役算出手
段81a、乗算手段81b及び虚数部抽出手段81cの
他に、受信信号の短時間平均パワーによる規格化手段1
00が付加されている。
【0033】規格化手段100は、複素共役cr * n-M
に遅延手段50の出力crn-M を乗算する乗算手段10
1と、該乗算結果を平均化する平均化手段102と、虚
数部抽出手段81cの出力に対して平均化手段102の
出力で除算する除算手段103とで、構成されている。
【0034】図1の位相誤差検出回路81の出力につい
て考えると、(2)式より、 Im[en ・crn * ]=Im[(crn −Ern )crn * ] =Im[Ern * ・crn ] ・・・(9) と表される。ここで、伝送路推定部70及び位相推定部
80Aの推定動作が充分行われているとすると、(9)
式は、結局、
【数1】 となる。但し、Aは送信シンボルベクトルの2乗平均値
であり、変調方式によって決まる値である。また、Hは
伝送路20のインパルス応答ベクトルの絶対値であり、
例えば陸上移動通信における周波数選択性フェージング
伝送路では、時間と共に変動する量である。従って、
(10)式による位相誤差抽出では、(4)式の乗数αを
固定とした場合に、推定位相の修正量として位相誤差と
は無関係な周波数選択性フェーシング伝送路の変動が含
まれてしまう。一方、位相を補償した受信信号のパワー
は(7),(6)式より、 |crn 2 =crn ・crn * =rn ・rn * =A・H2 ・・・(11) となるから、(10)式を(11)式で割れば位相誤差△φ
n だけを抽出できる。しかし、周波数選択性フェージン
グの場合、受信信号のレベルは瞬間的に非常に小さくな
ることがあり、この時、(11)式による除算は計算でき
なくなるので、その代わりに、図5の規格化手段100
で求めた数サンプル程度の短時間平均パワーA[crn
・crn * ](但し、A[・]は平均を表わす)を用
い、次式(12)によって位相誤差だけを抽出することが
できる。
【0035】
【数2】
【0036】従って、図1とほぼ同様の効果が得られ
る。
【0037】なお、本発明は上記実施例に限定されず、
種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば
次のようなものがある。 (a)図1及び図5において、ループフィルタ82Aの
乗数α1,α2を乗算する位置は、図示の位置に限定さ
れるものではなく、これと同じ効果を与えるならば、他
の位置で乗数α1,α2を乗算しても良い。例えば、虚
数部抽出手段81cの出力側に乗算手段82aを設け、
該虚数部抽出手段81cの出力に対して乗数α2を乗算
する等である。
【0038】(b)適応最尤系列推定器の構成として、
図1または図5のビタビ・アルゴリズム処理部60の入
力側に信号対雑音比(S/N比)を低減するための整合
フィルタや白色化整合フィルタを設け、該フィルタの出
力をビタビ・アルゴリズム処理部60に入力する構成例
がある。これらの構成の適応最尤系列推定器は、ビタビ
・アルゴリズム処理部60内の計算が異なるだけであ
り、これらの構成の適応最尤系列推定器にも、上記実施
例を全く同様に適用できる。
【0039】(c)上記実施例の適応最尤系列推定器
は、ディジタル移動通信の適応等化器33に適用される
場合について説明したが、固定通信網におけるデータ通
信の適応等化器等としても、当然、適用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、発明によ
れば、規格化手段を設け、位相同期ループで抽出された
位相誤差を受信信号の短時間平均パワーで規格化し、さ
らに積分手段及び加算手段を設け、2次の位相同期ルー
プを用いて周波数オフセットや位相ジッタによる位相変
動の補償を行うようにしたので、周波数オフセットによ
る定常的な位相回転を補償することができる。従って、
周波数選択性フェージング伝送路等において、広い範囲
の周波数オフセットにわたって少ない誤り率で、送信シ
ンボルの推定を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎技術を示す適応最尤系列推定器の
機能ブロック図である。
【図2】一般的なディジタル移動通信における送受信機
の機能ブロック図である。
【図3】従来の適応最尤系列推定器の機能ブロック図で
ある。
【図4】従来と図1の周波数オフセット対ビット誤り率
のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す適応最尤系列推定器の機
能ブロック図である。
【符号の説明】
40 位相回転部 50 遅延手段 60 ビタビ・アルゴ
リズム処理部 70 伝送路推定部 71 受信信号再生手
段 72 インパルス応答
適応更新手段 73 減算手段 80A,80A−1 位相推定部 81,81A 位相誤差検出回
路 82A ループフィルタ 83 VCO 90 積分手段 100 規格化手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−75223(JP,A) 特開 平3−16318(JP,A) 特開 昭62−253224(JP,A) IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATION S,1974,COM−22,第5号,P. 624−636 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相推定値に基づき受信信号の位相を回
    転させて該受信信号の位相変動を補償する位相回転部
    と、 前記補償後の受信信号を入力し、伝送路のインパルス応
    答推定値に基づきビタビ・アルゴリズムに従って送信シ
    ンボルの推定を行い、推定送信シンボル系列を出力する
    ビタビ・アルゴリズム処理部と、 前記推定送信シンボル系列と前記伝送路のインパルス応
    答推定値とから受信信号の推定値を算出する受信信号再
    生手段を有し、前記補償後の受信信号から該受信信号の
    推定値を差し引いて推定誤差を算出し、該推定誤差及び
    前記推定送信シンボル系列に基づき、適応アルゴリズム
    に従い伝送路のインパルス応答を更新して新しい前記伝
    送路のインパルス応答推定値を前記ビタビ・アルゴリズ
    ム処理部及び受信信号再生手段に与える伝送路推定部
    と、 前記補償後の受信信号及び前記推定誤差を用いて位相誤
    差を検出し、該位相誤差を位相修正値として位相推定値
    に加えて新しい前記位相推定値を前記位相回転部に与え
    る位相推定部とを、備えた適応最尤系列推定器におい
    て、前記補償後の受信信号の短時間パワーで前記位相誤差を
    規格化する規格化手段と、 前記規格化された 位相誤差を積分する積分手段と、 前記積分手段の出力を前記規格化された位相誤差に加え
    て前記位相修正値を生成する加算手段とを、設けたこと
    を特徴とする適応最尤系列推定器。
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