JP3135425B2 - 適応最尤系列推定器 - Google Patents

適応最尤系列推定器

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JP3135425B2
JP3135425B2 JP05202294A JP20229493A JP3135425B2 JP 3135425 B2 JP3135425 B2 JP 3135425B2 JP 05202294 A JP05202294 A JP 05202294A JP 20229493 A JP20229493 A JP 20229493A JP 3135425 B2 JP3135425 B2 JP 3135425B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル通信の受信
機等において、伝送路の歪みを補償し正しい送信信号を
得る等化器等に用いられる適応最尤系列推定器、特に搬
送波の周波数オフセットによる位相変動を補償しながら
等化を行う位相補償型適応等化器等に適用される適応最
尤系列推定器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば次のような文献に記載されるものがあった。 文献;アイイーイーイー トランスアクション オン
コミュニケーションズ(IEEE Transaction on Communic
ations)、COM−22[5](1974-5)(米)G.U
ngerboeck“アダプティブ マキシマム−ライ
クリフッド レシーバ フォア キャリイ−モデュレイ
ティッド データ−トランスミッション システムズ(A
daptive Maximum-LikelihoodReceiver for Carrier-Mod
ulated Data-Transmission Systems)”P.624−6
36 近年、ディジタル移動通信の開発が急速に行われている
が、陸上移動通信では遅延を伴なう多数の干渉波と移動
端末が高速に移動することによって周波数選択性フェー
ジングが発生し、受信信号波形が著しく歪むため、等化
器によってこの歪みを補償する必要がある。この等化器
に適用される最尤系列推定は、周波数選択性フェージン
グのように、伝送路の遅延特性に起因して歪んだ受信信
号波形から、正しい送信データを得るための最も有効な
等化方式の一つである。
【0003】図2は、従来のディジタル移動通信におけ
る送受信機の構成例を示すブロック図である。この送受
信機は、入力データbmに基づき信号sc(t)を送信す
る送信機10を有し、該信号sc(t)が伝送路20を介
して受信機30に受信されるようになっている。送信機
10は、符号化器11、送信ローパスフィルタ(以下、
送信LPFという)12、及び変調器13より構成され
ている。また、受信機30は、復調器31、受信ローパ
スフィルタ(以下、受信LPFという)32、適応等化
器33、及び復号器34より構成されている。送信機1
0では、入力データbmを符号化器11で送信シンボル
nに変換し、送信LPF12により帯域制限して送信
複素ベースバンド信号s(t)を生成し、変調器13へ
送る。変調器13では、信号s(t)を周波数fcなる搬
送波によって変調し、信号sc(t)を伝送路20を介し
て受信機30へ送信する。受信機30では、復調器31
で送信搬送波周波数fc と等しい周波数によって同期検
波を行い、伝送路20を通った信号rc(t)を複素ベー
スバンド信号r(t)に変換し、さらに受信LPF32
を通して帯域制限された受信複素ベースバンド信号y
(t)を得る。この信号y(t)をシンボル間隔Tでサ
ンプリングする。適応等化器33では、信号y(t)の
サンプル値ynから周波数選択性フェージングによる伝
送路20の特性を補償し、送信シンボルを推定する。こ
こで、送信搬送波周波数と受信機30の復調周波数の周
波数オフセットや位相ジッタにより、受信信号の位相が
変動するので、適応等化器33は、最尤系列推定によ
り、受信信号の位相変動を補償しながら送信シンボルの
推定を行う。最後に、復号器34で送信シンボルの推定
値EXn(但し、Eは推定を表す)を復号し、送信された
データEbm を得る。最尤系列推定は、ある有限区間で
の受信信号系列VYN={y1,y2,…,yN}(但し、V
はベクトルを表す)が得られたときに、伝送路20のイ
ンパルス応答h(t)を既知としてVYNを実現する確率
(尤度)の最も大きい送信シンボル系列VXN={x1
2,…,xN}を推定するものであり、前記文献に記載
されているように、畳み込み符号の復号法として知られ
るビタビ・アルゴリズムを用いて効率的に計算される。
【0004】図3は、図2中の適応等化器33に適応さ
れる従来の適応最尤系列推定器の機能ブロック図であ
る。この適応最尤系列推定器は、例えば、ディジタル・
シグナル・プロセッサ(以下、DSPという)を用いた
プログラム制御等により構成されるもので、位相回転部
40、遅延手段50、ビタビ・アルゴリズム処理部6
0、伝送路推定部70、及び位相推定部80を備えてい
る。なお、各機能ブロック間を接続する実線は実数、一
点鎖線は複素数、二点鎖線は複素ベクトルをそれぞれ表
す。位相回転部40は、位相推定値Eφnに基づき、受
信信号のサンプル値Ynを位相回転させて周波数オフセ
ットや位相ジッタによる位相変動を補償した受信信号の
サンプル値crn(但し、cは補償を表す)を出力する機
能を有し、演算手段41及び乗算手段42より構成され
ている。遅延手段50は、ビタビ・アルゴリズムの判定
遅延を補償するためのもので、受信信号のサンプル値c
n を所定時間遅延し、その遅延した値crn-M を伝送
路推定部70及び位相推定部80へ与える機能を有して
いる。ビタビ・アルゴリズム処理部60は、サンプル値
crn を入力し、伝送路推定部70からの伝送路20の
インパルス応答推定値Ehj(j=0,1,…,L)に基
づき、ビタビ・アルゴリズムに従って送信シンボルの推
定を行い、推定送信シンボル系列EXn-M を出力する機
能を有している。
【0005】伝送路推定部70では、実際の伝送路20
のインパルス応答が未知であるため、それを推定して伝
送路のインパルス応答推定値Ehj をビタビ・アルゴリ
ズム処理部60へ与える機能を有し、受信信号再生手段
71、インパルス応答適応更新手段72、及び減算手段
73より構成されている。
【0006】受信信号再生手段71では、推定送信シン
ボル系列{EXn,EXn-1,…,EXn-L}と伝送路2
0のインパルス応答推定値Ehjとから、次式(1)の
ような受信信号の推定値Ern を発生する。
【数1】 これを減算手段73で、次式(2)のように、位相変動
を補償した受信信号crnから差し引いて誤差信号en
得る。 en=crn−Ern ・・・(2) インパルス応答適応更新手段72では、次式(3)で示
されるLMS(リースト・ミーン・スケヤーズ)アルゴ
リズムにより、伝送路20のインパルス応答推定値Eh
j を更新する。 Ehj n+1=Ehj n+β・en・EX* n-j ・・・(3) 但し、j=0,1,…,L *;複素共役 β;ステップサイズと呼ばれる正の定数 位相推定部80は、周波数オフセットや位相ジッタによ
る位相変動量を次式(4)により推定し、その位相推定
値Eφn+1 を位相回転部40へ与え、該位相回転部40
でその位相変動量を補償させるように働く。 Eφn+1=Eφn+α・Im[en・cr* n] ・・・(4) 但し、Im[ ];複素数の虚数部 α;正の定数 位相推定部80及び位相回転部40による位相変動量の
補償は、1次の位相同期ループと等価である。そのた
め、位相推定部80は、位相同期ループ(PLL)の位
相誤差検出回路81、ループフィルタ82、及び電圧制
御発振器(以下、VCOという)83より構成されてい
るといえる。位相誤差検出回路81は、遅延手段50の
出力crn-M からその複素共役cr* n-Mを求める複素共
役算出手段81aと、複素共役cr* n-Mと推定誤差e
n-M とを乗算する乗算手段81bと、その乗算結果より
虚数部を抽出して位相誤差△φn を出力する虚数部抽出
手段81cとで、構成されている。ループフィルタ82
は、位相誤差△φn に対して乗数αを乗算する乗算手段
82aで構成されている。VCO83は、乗算手段82
aの出力に対して前の時刻の位相推定値Eφn-1を加算
する加算手段83aと、該加算手段83aの出力を遅延
するレジスタ等の遅延手段83bとで、構成されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
適応最尤系列推定器では、位相誤差検出回路81におい
て位相を補償した受信信号crnと伝送路20の誤差信
号enとから位相誤差△Eφn を検出している。そのた
め、伝送路推定部70及び位相推定部80の推定動作が
十分行われているとき、誤差信号en が非常に小さな値
となり、例えば固定小数点演算のDSPを用いて適応最
尤系列推定器を実現した場合、(4)式においてen
crnを計算すると、計算精度が悪くなることがあり、
それを解決することが困難であった。本発明は、前記従
来技術が持っていた課題として、伝送路及び位相の推定
動作が十分行われているとき、位相誤差検出に用いる伝
送路の誤差信号が小さな値になるという点について解決
し、例えば固定小数点演算のDSP等で実現しても、位
相誤差検出の計算精度の劣化しない優れた適応最尤系列
推定器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】記課題を解決するため
に、本発明のうちの第1の発明は、適応最尤系列推定器
において、位相推定値に基づき受信信号の位相を回転さ
せて該受信信号の位相変動を補償する位相回転部と、前
記位相回転部で補償された補償後の受信信号を入力し、
伝送路のインパルス応答推定値に基づきビタビ・アルゴ
リズムに従って送信シンボルの推定を行い、推定送信シ
ンボル系列を出力するビタビ・アルゴリズム処理部と、
前記推定送信シンボル系列と前記伝送路のインパルス応
答推定値とから受信信号の推定値を算出する受信信号再
生手段と、前記位相回転部で補償された補償後の受信信
号から該受信信号再生手段で算出された受信信号の推定
値を差し引いて推定誤差を算出する減算手段と、該減算
手段で算出された推定誤差及び前記推定送信シンボル系
列に基づき、適応アルゴリズムに従い伝送路のインパル
ス応答を更新して新しい前記伝送路のインパルス応答推
定値を前記ビタビ・アルゴリズム処理部及び該受信信号
再生手段に与えるインパルス応答適応更新手段とを有す
る伝送路推定部と、前記位相回転部で補償された補償後
の受信信号と前記受信信号再生手段で算出された受信信
号の推定値とを用いて受信信号の位相誤差を検出する位
相誤差検出手段を有し、該位相誤差検出手段で検出され
た位相誤差を位相修正値として位相推定値に加えて新し
い前記位相推定値を前記位相回転部に与える位相推定部
と、を備えている。第2の発明によれば、第1の発明の
位相誤差検出手段を、前記受信信号の推定値からその複
素共役を算出する複素共役算出手段と、前記補償後の受
信信号と前記複素共役とを乗算する乗算手段と、前記乗
算手段の乗算結果より虚数部を抽出して位相誤差を出力
する虚数部抽出手段と、で構成している。
【0009】
【作用】第1の発明によれば、以上のように適応最尤系
列推定器を構成したので、受信信号が入力されると、そ
の位相変動が位相回転部で補償され、ビタビ・アルゴリ
ズム処理部、伝送路推定部、及び位相推定部へ送られ
る。ビタビ・アルゴリズム処理部では、位相回転部で補
償された受信信号を入力し、伝送路のインパルス応答推
定値に基づき送信シンボルの推定を行って推定送信シン
ボル系列を出力する。伝送路推定部内では、推定送信シ
ンボル系列と伝送路のインパルス応答推定値とから、受
信信号再生手段によって受信信号の推定値が算出され
る。位相回転部で補償された補償後の受信信号から、受
信信号の推定値が減算手段で差し引かれて推定誤差が算
出される。インパルス応答適応更新手段は、算出された
推定誤差と推定送信シンボル系列に基づき、適応アルゴ
リズムに従い、伝送路のインパルス応答を更新して、新
しい伝送路のインパルス応答推定値をビタビ・アルゴリ
ズム処理部と受信信号再生手段に与える。 このように、
伝送路推定部では、推定送信シンボル系列と伝送路のイ
ンパルス応答推定値とから受信信号の位相変動を推定
し、その受信信号の推定値を位相推定部内の位相誤差検
出手段に与える。位相誤差検出手段では、位相回転部で
補償された受信信号と、伝送路推定部から与えられる受
信信号の推定値とを用いて位相誤差を検出する。位相推
定部では、位相誤差検出手段で検出された位相誤差を位
相修正値として位相推定値に加えて新しい位相推定値を
求めることによって受信信号の位相変動を推定し、その
推定された新しい位相推定値を位相回転部へ与える。す
ると、与えられた位相推定値に基づき、位相回転部が受
信信号の位相変動を補償する。第2の発明によれば、位
相誤差検出手段は、伝送路推定部から受信信号の推定値
が与えられると、その複素共役を複素共役算出手段で算
出する。この複素共役と、位相回転部で補償された受信
信号とが乗算手段で乗算され、その乗算結果より、虚数
部抽出手段で虚数部が抽出されて位相誤差が出力され
る。従って、前記課題を解決できるのである。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の実施例を示す適応最尤系列
推定器の機能ブロック図であり、従来の図3中の要素と
共通の要素には共通の符号が付されている。この適応最
尤系列推定器は、従来と同様、図2に示すディジタル移
動通信における送受信機中の適応等化器33に適応され
るもので、DSP等で構成されている。本実施例の適応
最尤系列推定器では、従来の図3中の伝送路推定部70
及び位相推定部80に代えて、構成の異なる伝送路推定
部70A及び位相推定部80Aが設けられている。伝送
路推定部70Aは、従来と同様の受信信号再生手段7
1、インパルス応答適応更新手段72、及び減算手段7
3で構成されているが、減算手段73で求めた誤差信号
n を位相推定部80Aに与えずに、受信信号再生手段
71で求めた受信信号の推定値Ern を該位相推定部8
0Aに与えるようにしている点が従来のものと異なって
いる。また、位相推定部80Aは、従来と異なる位相誤
差検出回路81Aと、従来と同様のループフィルタ82
及びVCO83とで、構成されている。位相誤差検出回
路81Aは、受信信号再生手段71から与えられる受信
信号の推定値Ern から複素共役cr* n-Mを求める複素
共役算出手段81aと、該複素共役cr* n-Mと遅延手段
50の出力crn-M とを乗算する乗算手段81bと、該
乗算手段81bの出力から虚数部を抽出して位相誤差△
φn を出力する虚数部抽出手段81cとで、構成されて
いる。ループフィルタ82は、従来と同様、位相誤差△
φn に対して乗数αを乗算して位相修正量△Eφn+1
出力する乗算手段で構成されている。VCO83は、従
来と同様、ループフィルタ82から出力される位相修正
量△Eφn+1 に対して前の時刻の位相推定値Eφn-1
加算する加算手段83aと、該加算手段83aの出力を
遅延して位相回転部40へ与える位相推定値Eφn を出
力するレジスタ等の遅延手段83bとで、構成されてい
る。
【0011】次に、動作を説明する。例えば、受信信号
のサンプル値yn を yn=rn・exp[jφn ・・・(5) のように表す。ここで、φn は周波数オフセットや位相
ジッタによる位相変動量、rn はこれらの位相変動がな
い場合の受信信号のサンプル値で、インパルス応答ベク
トルVhn、及び送信シンボルベクトルVXnを用いて次
式(6)のように表される。 rn=Vhn T・Vxn ・・・(6) 但し、Vhn={h0 n,h1 n,…,hL nT Vxn={xn,xn-1,…,xn-LT T;ベクトルの転置 図2の受信機30において、シンボル間隔Tでサンプリ
ングされた受信信号のサンプル値Yn が位相回転部40
に入力されると、該位相回転部40では、位相推定部8
0Aで推定された位相推定値Eφn から演算手段41で
位相回転量exp[−jEφn]を求め、これを乗算手段
42で受信信号のサンプル値Yn に乗じて位相を補償し
た次式(7)のような受信信号のサンプル値crn を、
遅延手段50及びビタビ・アルゴリズム処理部60へ出
力する。 crn=rn・exp[j(φn−Eφn)] ・・・(7) 遅延手段50は受信信号のサンプル値crn を遅延し、
その遅延した値crn- M を位相誤差検出回路81A内の
乗算手段81b、及び伝送路推定部70A内の減算手段
73へ与える。ビタビ・アルゴリズム処理部60では、
受信信号のサンプル値crn を入力し、インパルス応答
適応更新手段72で推定された伝送路20のインパルス
応答推定値Ehj に基づき、送信シンボル系列を推定
し、その推定送信シンボル系列{Exn,Exn-1,…,
Exn-L}を出力する。伝送路推定部70A内の受信信号
再生手段71は、推定送信シンボル系列{Exn,Ex
n-1,…,Exn-L}と伝送路20のインパルス応答推定
値Ehj とに基づき、受信信号の推定値Ern-M を求
め、減算手段73、及び位相誤差検出回路81A内の複
素共役算出手段81aへ与える。減算手段73は、遅延
手段50からの受信信号のサンプル値crn-M から推定
値Ern-M を減算して推定誤差en- M を求め、それをイ
ンパルス応答適応更新手段72に与える。位相誤差検出
回路81Aでは、受信信号再生手段71から与えられる
受信信号の推定値Ern から複素共役算出手段81aで
複素共役cr* n-Mを算出し、その複素共役cr* n-Mと、
遅延手段50で遅延された受信信号のサンプル値cr
n-Mとを、乗算手段81bで乗算する。この乗算結果か
ら、虚数部抽出手段81cで虚数部を抽出し、位相誤差
△φn を求め、ループフィルタ82へ与える。伝送路推
定部70A及び位相推定部80Aの推定動作が十分行わ
れているとすると、受信信号の推定値Ernはほぼrn
等しいから、位相誤差検出回路81Aの出力は、次式
(8)のようになり、位相誤差に比例した量となる。
【0012】 Im[Ern *・crn]=Im[|rn2・exp[j(φn−Eφn)]] =A・H2・sin(△φn) ≒A・H2・△φn ・・・(8) 但し、A;送信シンボルベクトルVXnの2乗平均値 H;伝送路20のインパルス応答ベクトルVhnの絶対
値 位相誤差検出回路81Aから出力された位相誤差△φn
は、ループフィルタ82で乗数αが乗算されて位相修正
量△Eφn+1 となり、VCO83へ送られる。VCO8
3では、加算手段83aで、位相推定値Eφnに位相修
正量△Eφn+1を加算し、遅延手段83bで遅延し、新
たな位相推定値Eφn+1 として位相回転部40へ送られ
る。
【0013】以上のように、本実施例では、次のような
利点を有している。
【0014】本実施例では、位相回転部40の位相誤差
を補償するために、位相誤差検出回路81Aが、補償後
の受信信号cr n と、受信信号再生手段71により生成
された受信信号の推定値Er n とに基づいて、位相誤差
△φ n を検出している。そして、受信信号の推定値Er
n は、ビタビ・アルゴリズム処理部60の送信シンボル
系列Ex n とインパルス応答適応更新手段72のインパ
ルス応答推定値Eh j とに基づいて算出される。加え
て、インパルス応答推定値Eh j は、ビタビ・アルゴリ
ズム処理部60にも供給され、先の送信シンボル系列E
n の精度を高めている。 故に、本実施例においては、
ビタビ・アルゴリズム処理部60が、補償後の受信信号
cr n とインパルス応答推定値Eh j を用いて、送信シ
ンボル系列Ex n を出力し、さらに受信信号再生手段7
1が、その送信シンボル系列Ex n とインパルス応答推
定値Eh j とを用いて受信信号の推定値Er n を出力し
ているので、精度の高い受信信号の推定値Er n が得ら
れる。そして、その精度の高い受信信号の推定値Er n
と補償後の受信信号cr n とに基づいて、位相誤差検出
回路81Aが位相誤差△φ n を算出しているので、高い
精度で位相誤差△φ n を補償できると共に、伝送路推定
部70A及び位相推定部80Aの推定動作が十分に行わ
れているときでも、位相誤差検出回路81Aでの位相誤
差△φ n に影響を与えない。従って、例えば、固定小数
点演算のDSP等で適応最尤系列推定器を実現しても、
位相誤差検出の計算精度が劣化しない。なお、本発明は
上記実施例に限定されず、種々の変形が可能である。そ
の変形例としては、例えば次のようなものがある。 (a)適応最尤系列推定器の構成として、図1のビタビ
・アルゴリズム処理部60の入力側に、信号対雑音比
(S/N比)を低減するための整合フィルタや白色化整
合フィルタを設け、そのフィルタの出力をビタビ・アル
ゴリズム処理部60に入力する構成例がある。これらの
構成の適応最尤系列推定器は、ビタビ・アルゴリズム処
理部60内の計算が異なるだけであり、これらの構成の
適応最尤系列推定器にも、上記実施例をまったく同様に
適用できる。 (b)位相推定部80A内のループフィルタ82は、従
来と同様に1次のPLLで構成したが、これは2次、あ
るいはより高次のPLL等で構成してもよい。 (c)上記実施例の適応最尤系列推定器は、ディジタル
移動通信の適応等化器33に適用される場合について説
明したが、固定通信網におけるデータ通信の適応等化器
等としても、当然、適用可能である。
【0015】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1及び第
2の発明によれば、位相回転部の位相誤差を補償するた
めに、位相誤差検出手段が、補償後の受信信号と、受信
信号再生手段により生成された受信信号の推定値とに基
づいて、位相誤差を検出している。そして、受信信号の
推定値は、ビタビ・アルゴリズム処理部の送信シンボル
系列とインパルス応答適応更新手段のインパルス応答推
定値とに基づいて算出される。加えて、インパルス応答
推定値は、ビタビ・アルゴリズム処理部にも供給され、
先の送信シンボル系列の精度を高めている。 故に、本発
明においては、ビタビ・アルゴリズム処理部が、補償後
の受信信号とインパルス応答推定値を用いて、送信シン
ボル系列を出力し、さらに受信信号再生手段が、その送
信シンボル系列とインパルス応答推定値とを用いて受信
信号の推定値を出力しているので、精度の高い受信信号
の推定値が得られる。そして、その精度の高い受信信号
の推定値と補償後の受信信号とに基づいて、位相誤差検
出手段が位相誤差を算出しているので、高い精度で位相
誤差を補償できると共に、伝送路推定部及び位相推定部
の推定動作が十分に行われているときでも、位相誤差検
出手段での位相誤差に影響を与えない。従って、例え
ば、固定小数点演算のDSP等で適応最尤系列推定器を
実現しても、位相誤差検出の計算精度が劣化しないとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す適応最尤系列推定器の機
能ブロック図である。
【図2】一般的なディジタル移動通信における送受信機
の機能ブロック図である。
【図3】従来の適応最尤系列推定器の機能ブロック図で
ある。
【符号の説明】
40 位相回転部 50 遅延手段 60 ビタビ・アルゴリズム処理
部 70A 伝送路推定部 71 受信信号再生手段 72 インパルス応答適応更新手
段 73 減算手段 80A 位相推定部 81A 位相誤差検出回路 81a 複素共役算出手段 81b 乗算手段 81c 虚数部抽出手段 82 ループフィルタ 83 VCO
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 3/00 - 3/44 H04B 7/005 - 7/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相推定値に基づき受信信号の位相を回
    転させて該受信信号の位相変動を補償する位相回転部
    と、 前記位相回転部で補償された補償後の受信信号を入力
    し、伝送路のインパルス応答推定値に基づきビタビ・ア
    ルゴリズムに従って送信シンボルの推定を行い、推定送
    信シンボル系列を出力するビタビ・アルゴリズム処理部
    と、 前記推定送信シンボル系列と前記伝送路のインパルス応
    答推定値とから受信信号の推定値を算出する受信信号再
    生手段と、前記位相回転部で補償された補償後の受信信
    号から該受信信号再生手段で算出された受信信号の推定
    値を差し引いて推定誤差を算出する減算手段と、該減算
    手段で算出された推定誤差及び前記推定送信シンボル系
    列に基づき、適応アルゴリズムに従い伝送路のインパル
    ス応答を更新して新しい前記伝送路のインパルス応答推
    定値を前記ビタビ・アルゴリズム処理部及び受信信号
    再生手段に与えるインパルス応答適応更新手段とを有す
    伝送路推定部と、前記位相回転部で補償された補償後の受信信号と前記受
    信信号再生手段で算出された受信信号の推定値とを用い
    受信信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段を有
    し、該位相誤差検出手段で検出された位相誤差を位相修
    正値として位相推定値に加えて新しい前記位相推定値を
    前記位相回転部に与える位相推定部と 備えたことを特徴とする適応最尤系列推定器
  2. 【請求項2】 前記位相誤差検出手段は、 前記受信信号の推定値からその複素共役を算出する複素
    共役算出手段と、 前記補償後の受信信号と前記複素共役とを乗算する乗算
    手段と、 前記乗算手段の乗算結果より虚数部を抽出して位相誤差
    を出力する虚数部抽出手段と、 構成したことを特徴とする請求項1記載の適応最尤系
    列推定器。
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