JP3087379B2 - 撥液性の優れた熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

撥液性の優れた熱可塑性樹脂の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフルオロアルキル
基含有(メタ)アクリル酸エステルがポリオレフィンに
グラフト共重合した撥液性の優れた熱可塑性樹脂の製造
方法に関する。この樹脂は、押出成形、射出成形が可能
であり、樹脂ラミネート物の耐溶剤性皮膜を形成する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリフルオロアルキル基を含
有する重合体、又はポリフルオロアルキル基を含有する
単量体と他の単量体との共重合体からなる撥液性剤は公
知であり(特開昭58−59277号公報等)、このよ
うな撥液性剤をオレフィン系樹脂と溶融混練し、撥液性
成形体を製造する方法も提案されている(特開平3−7
745号公報)。
【0003】しかしながら、これらの方法で得られる樹
脂は撥液性には優れるもののアセトン、メチルエチルケ
トンなどの溶剤に対して、長時間撥液性を保持するとい
う点に関しては、必ずしも満足の行くものではなかっ
た。また、樹脂の表面を撥液化するための他の手段とし
ては (i)低表面張力の化合物で成形物の表面をコーティン
グする、(ii)低表面張力の化合物を成形物の表面でプ
ラズマ処理等の方法を用いてグラフト付加させる、等の
方法があるが、これらは一旦成形したものをさらに加工
する為に、やや工程が複雑になること、さらに(i)に
関しては撥液性層が摩擦等により容易に剥離され、短時
間で撥液性が低下すること、(ii)に関しては特殊な機
械が必要であることなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点に鑑み、押出成形、射出成形が可能であり、アセト
ン、メチルエチルケトン等の溶剤に対しても、長時間優
れた撥液性を発揮するオレフィン系樹脂の製造方法を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数2〜1
2のα−オレフィンの少なくとも一種70〜99.9モ
ル%と、下記一般式(I):
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアル
キル基、nは1〜10の整数をそれぞれ表す〕で表され
る非共役ジエン類の少なくとも一種30〜0.1モル%
とからなる不飽和共重合体樹脂(a)100重量部を、
ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル、又はポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル
酸エステルとビニル或はビニリデン単量体(b)0.5
〜90重量部と共にラジカル重合条件に付すことを特徴
とするグラフト変性共重合体の製造方法を提供するもの
である。
【0008】〔発明の具体的説明〕グラフト変性共重合体 グラフト変性共重合体は炭素数2〜12のα−オレフィ
ンの少なくとも一種と、上記一般式(I)で表される非
共役ジエン類の少なくとも一種とからなる不飽和共重合
体樹脂(a)を、ポリフルオロアルキル基含有(メタ)
アクリル酸エステル又はポリフルオロアルキル基含有
(メタ)アクリル酸エステルとビニル或いはビニリデン
単量体(b)と共にラジカル重合条件に付すことにより
得られるものである。
【0009】(a)成分の不飽和共重合体樹脂 α−オレフィン 不飽和共重合体樹脂(a)を製造するための原料である
炭素数2〜12のα−オレフィンとしては、エチレン、
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1,3−メチル−ブテン−1、3−メチ
ル−ペンテン−1,4−メチル−ぺンテン−1、3,3
−ジメチル−ブテン−1、4,4−ジメチル−ペンテン
−1、3−メチルヘキセン−1、4−メチル−ヘキセン
−1、4,4−ジメチル−ヘキセン−1、5−メチル−
ヘキセン−1、アリルシクロペンタン、アリルシクロヘ
キサン、スチレン、アリルベンゼン、3−シクロヘキシ
ルブテン−1、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロペ
ンタン、ビニルシクロヘキサン、2−ビニルビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプタンなどを挙げることができる。
これらのうち好ましい例は、エチレン、プロピレン、ブ
テン−1、3−メチル−ブテン1、4−メチル−ペンテ
ン−1、スチレンなどであり、中でも特に好ましい例
は、エチレン、プロピレンである。これらのα−オレフ
ィンは二種以上用いてもさしつかえない。
【0010】非共役ジエン類 不飽和共重合体樹脂(a)を製造するためのもう一方の
原料である非共役ジエン類の例としては、1,4−ヘキ
サジエン、4−メタル−1,4−ヘキサジエン、5−メ
チル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘ
プタジエンなどの1,4−ジエン類;1,5−ヘプタジ
エン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル
−1,5−ヘプタジエン、1,5−オクタジエン、5−
メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−
オクタジエンなどの1,5−ジエン類;1,6−オクタ
ジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチ
ル−1,6−オクタジエン、7−エチル−1,6−オク
タジエン、1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−
ノナジエン、4−メチル−1,6−ノナジエンなどの
1,6−ジエン類;1,7−ノナジエン、8−メチル−
1,7−ノナジエンなどの1,7−ジエン類;1,9−
デカジエン、1,13−テトラデカジエンなどの各種非
共役ジエン類;等を挙げることができる。これらの非共
役ジエンは、2種以上混合して用いることもできる。
【0011】不飽和共重合体樹脂 上記のα−オレフィン類と非共役ジエン類とを公知のチ
ーグラー触媒を用いてα−オレフィン重合体と同様の公
知の方法・装置を用いてプロック及び/又はランダム共
重合することにより、不飽和共重合体樹脂を製造するこ
とができる。該不飽和共重合体樹脂を製造するには、特
公昭64−2127号公報、特公昭64−2128号公
報、特公昭64−9326号公報、特開昭59−155
416号公報、特開昭62−115008号公報、特開
平2−311507号公報等に記載の方法を採用するこ
とができる。
【0012】本発明に用いる不飽和共重合体樹脂は、非
共役ジエン類の含量が0.1〜30モル%、好ましくは
0.5〜20モル%のものである。0.1モル%未満で
は、不飽和共重合体樹脂中の不飽和基が少ないため所望
のグラフト率を挙げるのが難しいという欠点がある。一
方、30モル%超過では、不飽和共重合体樹脂の製造に
際し、共重合速度が遅く、スラリー重合の場合は溶媒可
溶性の副生ポリマーが多くなり重合系の粘度が高くなる
ため生産性が悪化し、生成した不飽和共重合体がベタつ
き易く、樹脂状を保て得なかったりするなどの欠点があ
る。
【0013】該不飽和共重合体樹脂の分子量は、上述の
樹脂状を保つ限り特に制限はないが、例えば、α−オレ
フィンが主としてプロピレンからなる場合は、JIS−
K−6758に準拠して測定したメルトフローレート
(MFR)が通常0.001〜3000g/10分、好
ましくは0.01〜2000g/10分、特に好ましく
は0.05〜1000g/10分、に相当とする分子量
のものが好ましい。また、この不飽和共重合体樹脂は、
JIS−K−7203による弾性率が500〜5,00
0kg/cm2 であるものが好ましい。例えば、α−オレフ
ィンが主としてプロピレンからなる場合は、弾性率は
1,000〜20,000kg/cm2 であるのが好まし
い。
【0014】該不飽和共重合体樹脂の例としては、前記
非共役ジエン類と、前記α−オレフィン類から選ばれる
さまざまな組合せのブロック共重合体およびランダム共
重合体が挙げられるが、これらの中でも好ましいものと
しては以下のものである。〔ここでメチル−1,4−ヘ
キサジエンとは、4−メチル−1,4−ヘキサジエンと
5−メチル−1,4−ヘキサジエンの混合物を表し、そ
の混合比は、95:5〜5:95の範囲のものをい
う。〕 エチレン・メチル−1,4−ヘキサジエンランダム共重
合体 エチレン・7−メチル−1,6−オクタジエンランダム
共重合体 プロピレン・メチル−1,4−ヘキサジエンランダム共
重合体 プロピレン・7−メチル−1,6−オクタジエンランダ
ム共重合体 プロピレン・1,9−デカジエンランダム共重合体 プロピレン・エチレン・メチル−1,4−ヘキサジエン
ランダム共重合体 プロピレン・エチレン・7−メチル−1,6−オクタジ
エンランダム共重合体 プロピレン・エチレン・メチル−1,4−ヘキサジエン
ブロック共重合体 プロピレン・エチレン・7−メチル−1,6−オクタジ
エンブロック共重合体 等である。
【0015】(b)成分のグラフト単量体 ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル グラフト変性共重合体を製造するのにグラフト単量体と
して用いられるポリフルオロアルキル基含有(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、たとえば CF3 (CF2 7 CH2 CH2 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 7 CH2 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF3 )CF(CF2 6 CH2 CH2 OCO
CH=CH2 CF3 (CF3 )CF(CF2 6 CH2 CH2 OCO
C(CH3 )=CH2 CF3 (CF2 6 CH2 CH2 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 6 CH2 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF2 4 CH2 CH2 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 4 CH2 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF2 7 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 7 OCOC(CH3 )=CH2 等が挙げられる。
【0016】ビニルないしビニリデン単量体 また、場合により、グラフト単量体として上記エステル
類と共に用いられるビニルないしビニリデン単量体とし
ては、たとえば、スチレン系単量体、例えば、スチレ
ン、核置換スチレンたとえばメチルスチレン、ジメチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ク
ロルスチレン、α−置換スチレンたとえばα−メチルス
チレン、α−エチルスチレン、アクリル酸エステル(特
に、C1〜C7 アルキルエステル)、メタクリル酸エス
テル(特に、C1 〜C7 アルキルエステル)、ハロゲン
化ビニルないしビニリデン(特に、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等を使用することができ、これら
は単独または混合して用いられる。
【0017】グラフト変性共重合体の製造 グラフト変性共重合体は、上記不飽和共重合体樹脂
(a)を上記単量体(b)と共に従来公知のラジカルグ
ラフト重合条件に付して製造することができる。例え
ば、不飽和共重合体樹脂と単量体の共存下、γ−線、電
子線等の放射線を照射する方法、不飽和共重合体樹脂に
放射線を照射したのち単量体を共存させる方法、溶液状
態、溶融状態あるいは分散状態で不飽和共重合体樹脂と
単量体を共存させ、ラジカル重合触媒の存在下または不
存在下でグラフト重合する方法等いずれも本発明に採用
することができる。これらのうち溶液あるいは溶融状態
でグラフト重合する方法が好ましい。
【0018】ラジカル重合触媒としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ
クミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピ
ルパーオキシジカルボネート、2,2−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)オクタン、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、過酸化カリウム、過酸化水素などの有機および
無機過酸化物、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル
などのアゾ化合物等がある。過酸化物は還元剤と組合せ
て、レドックス系として使用することができる。たとえ
ば過酸化水素と第一鉄塩との組合せなどがある。
【0019】これらのラジカル重合触媒はモノマーや重
合法の種類との関連において適当に選択され、一種又は
二種以上併用することもできる。ラジカルグラフト重合
反応の温度は、通常30℃〜350℃、好ましくは50
℃〜300℃、の範囲であり、重合時間は30秒〜50
時間、好ましくは1分〜24時間の範囲である。
【0020】また、ラジカル重合触媒の使用量は、不飽
和共重合体樹脂100重量部に対して0〜100重量
部、好ましくは0〜30重量部の範囲から適宜選択され
る。単量体の重合部の分子量調節が必要なときは、ラジ
カル重合で通常行われる分子量調節方法を用いることが
できる。例えば、重合温度、ラジカル重合触媒の添加
量、単量体の使用量、メルカプタン類、2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン等の分子量調節剤の添
加等によって目的を達成することができる。
【0021】グラフト変性共重合体におけるポリフルオ
ロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとビニル
ないしビニリデン単量体との共重合比は、ポリフルオロ
アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルの比率が減
ると、撥液性が低下するので1:0〜1:9が好まし
い。又、不飽和共重合体(a)100重量部に対し、
(b)成分のポリフルオロアルキル基含有(メタ)アク
リル酸エステルは、0.5〜90重量部、好ましくは1
〜50重量部である。ポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルの比率が減ると、撥液性が低下
し、多すぎると押出成形、射出成形性が悪くなる。
【0022】なお、グラフト共重合は、一般に「幹」重
量体の存在下に、「枝」重合体を与えるべき単量体を重
合させることに相当して、理想的な幹−枝構造の重合体
の外に、「枝」とならないこの単量体自身の重合体が副
生することがしばしば認められる。従って、本発明にお
いても「グラフト変性共重合体」はそのような副生物を
含んだ混合物を包含するものである。
【0023】
【発明の効果】本発明の実施により得られるグラフト変
性共重合体は、水、アルコールのみならず、アセトン、
メチルエチルケトン等に対しても、長期間撥液性を保つ
ことが可能である。この要因としては、本来撥液性を発
する部分であるポリフルオロアルキル基含有(メタ)ア
クリル酸エステル(共)重量体部を、不飽和共重合体樹
脂部にグラフト反応により強固に固定することが可能と
なった為であると考えられる。
【0024】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 セパラブルフラスコ内に、プロピレンと7−メチル−
1,6−オクタジエンとの不飽和共重合体樹脂(7−メ
チル−1,6−オクタジエン含量 2.4モル%)10
0重量部と、パーフルオロオクチルエチルメタクリレー
ト15重量部、スチレン15重量部、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート2重量部およびトルエン1000重量
部を供給し、120℃で6時間反応を行った。
【0025】得られた反応物を大量の冷メタノール中に
注いで重合体を析出させ、濾別洗浄し、続いて減圧乾燥
させることにより、グラフト共重合体を得た。この重合
体を、190℃、圧力100kg/cm2 にて5分間プレス
して、100×100×1mmのシートを得た。
【0026】実施例2 不飽和共重合体樹脂として、プロピレンと1,9−デカ
ジエンとの共重合体(1,9−デカジエン含量 1.0
モル%)を使用する以外は、実施例1と同様の方法にて
反応を行ない、続いてシートを作製した。
【0027】実施例3 不飽和共重合体樹脂として、エチレンと7−メチル−
1,6−オクタジエンとの共重合体(7−メチル−1,
6−オクタジエン含量 1.8モル%)を使用し、16
0℃でプレスする以外は、実施例1と同様の方法にてシ
ートを作製した。
【0028】比較例1 不飽和共重合体樹脂のかわりに、プロピレンホモ重合体
(MFR 3.5g/10分)を使用する以外は、実施
例1と同様の方法にて重合を行い、続いてシートを作製
した。
【0029】〔評価試験例〕上記実施例1〜3および比
較例1で得られたシートを用いて、イオン交換水にて接
触角を測定した。更に持続性評価として、23℃アセト
ンに1〜24時間浸漬、79.5℃メチルエチルケトン
に1時間浸漬した後、イオン交換水にて接触角を測定し
た。この結果を表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、不飽和共
重合体を幹ポリマーとして使用したグラフト変性共重合
体(実施例1〜3)は、アセトン等で浸漬処理しても接
触角は若干低下、即ち撥水性は若干低下するのみである
が、プロピレンホモ重合体(比較例1)を幹ポリマーと
して使用したグラフト変性共重合体は、アセトン等の浸
漬により、接触角はかなり低下、即ち撥水性はかなり低
下していることがわかる。
【0032】これは幹ポリマーが不飽和共重合体樹脂の
場合は、該樹脂中の不飽和部とポリフルオロアルキル基
含有(メタ)アクリル酸エステル重合体部がグラフト反
応により強固に固定されている為、ポリフルオロアルキ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体の良溶媒で
あるアセトン、メチルエチルケトンで処理しても、ソー
ト表面からポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル重合体が遊離しにくく、従って撥水性が低
下しにくくなっているものと考えられる。
【0033】これに対し、幹ポリマーがプロピレンホモ
重合体の場合は、プロピレンホモ重合体に一般的には不
飽和部がないので、ポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル重合体部とプロピレンホモ重合
体とのグラフト反応が起こりにくく、アセトン等で処理
すると、シート表面からポリフルオロアルキル基含有
(メタ)アクリル酸エステル重合体が遊離しやすくなっ
ている為、接触角が低下、すなわち撥水性が低下するも
のと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−86141(JP,A) 特開 平5−51420(JP,A) 特開 平4−149215(JP,A) 特開 平4−110314(JP,A) 特開 平2−269110(JP,A) 特開 昭63−128013(JP,A) 特開 平3−7745(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 255/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜12のα−オレフィンの少な
    くとも一種70〜99.9モル%と、下記一般式
    (I): 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4およびR5 はそれぞれ
    独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、nは
    1〜10の整数をそれぞれ表す〕で表される非共役ジエ
    ン類の少なくとも一種0.1〜30モル%とからなる不
    飽和共重合体樹脂(a)100重量部を、ポリフルオロ
    アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、又はポリ
    フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルと
    ビニル或いはビニリデン単量体(b)0.5〜90重量
    部と共にラジカル重合に付してグラフト変性共重合体を
    製造する方法。
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