JP3086355B2 - 手動ポンプの内容液充填用の内袋 - Google Patents

手動ポンプの内容液充填用の内袋

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、シャンプー、化粧料、
殺虫剤、その他の液体内容液を、手動により噴出するた
めの手動ポンプに接続して使用する、内容液充填用の内
袋に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、手動ポンプにより、内容液を加圧
してノズルから噴出するようにした装置は存在する。そ
して、内容液を充填した容器と手動ポンプとは、一般的
に一体に形成され、内容液の使用を完了した後は、手動
ポンプとともに容器を廃棄していた。
【０００３】しかし、一回の使用で手動ポンプを廃棄す
るのは不経済であるため、最近では手動ポンプ部分を繰
り返し使用出来るよう、内容液を充填した内袋部分を、
手動ポンプ部分と分離して形成し、内容液を充填した内
袋のみを交換して、手動ポンプを繰り返し使用出来るよ
うにしたものが存在する。そして、このような従来の分
離可能な内袋は、内容液の流失を防止するため、内袋の
口部に蓋体を設け、この蓋体により内容液の流失を防止
している。そして、この蓋体を取り外した後に、内袋を
手動ポンプに接続している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内袋の
口部を蓋体で閉止したものは、内袋を保持した状態で蓋
体を開放すると、内袋は変形可能に形成されているか
ら、手等によって圧迫された内容液が、蓋体の開放時に
外部に噴出し、周囲を汚染する危険性が高いものであっ
た。
【０００５】また、ポンプの取り付け時に内袋の蓋体を
開口すると、この開口部から内袋の内部に空気が流入
し、この空気が手動ポンプを作動して内容液を取り出そ
うとする場合に、ポンプの空押しを生じ、内容液の噴出
に大きな障害となる欠点を有している。
【０００６】また、気密性を保持した蓋体の形成は、コ
スト的にも高価なものとなり、好ましいものではない。
【０００７】本発明は上述のごとき問題点を解決しよう
とするものであって、手動ポンプに内袋を接続する場合
に、内容液が外部に噴出したり、外気が内袋内に流入し
たりすることを防止し、しかも廉価に内袋の形成を可能
にするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、手動ポンプ本体と、この手動ポンプ
本体に接続部を介して着脱可能に接続する外容器と、こ
の外容器内に挿入し、手動ポンプと連通して内部に充填
した内容液を手動ポンプのノズルから噴出可能とする内
袋とから成るものに於いて、内袋の口部に固定した接続
体内の係合部に、ボールを密接嵌合して内袋を密閉する
とともにこのボールを、接続体の開口部から挿入する手
動ポンプの先端押圧部で押圧することにより係合部から
離脱可能とし、この係合部よりも下部に位置して形成し
た逆止弁座に、離脱したボールを移動可能に密接し得る
よう構成して成るものである。
【０００９】また、逆止弁座は、係合部の下面に臨ませ
て位置したものであっても良い。
【００１０】また、逆止弁座は、係合部とは、Ｌ型に形
成した接続体の折曲部を介して係合部よりも下部に位置
して形成したものであっても良い。
【００１１】また、内袋は発条により、内容液の圧縮方
向に常時押圧されているものであっても良い。
【００１２】
【作用】本発明は上述のごとく構成したものであるか
ら、手動ポンプに内袋を接続するには、手動ポンプの下
端に形成しているハウジング部を、内袋の接続体内に開
口部から挿入する。この挿入により、ハウジング部の押
圧先端部が、係合部に密接係合しているボールを押圧
し、このボールを係合部から離脱させることにより、内
袋の内部と手動ポンプは連通することが出来る。
【００１３】この連通作業に於いて、手動ポンプのハウ
ジングがボール部を押圧して係合部から離脱させるまで
は、内袋内は密閉状態となっているため、内容液が外部
に噴出することもないし、外気が内袋内に流入すること
もない。
【００１４】そして、係合部からボールが分離した瞬間
には、手動ポンプのハウジングが接続体の開口部を密閉
するものとなり、内袋内部と手動ポンプは瞬時に連通す
る。そのため、内容液が外部に噴出したり、外気が内袋
内に流入することもない。
【００１５】そして、係合部から離脱したボールは、そ
の下部に位置する逆止弁座に接続する。この逆止弁座に
ボールが接続することにより、手動ポンプの押圧時に
は、内袋内部と手動ポンプの連通を閉止する。また、手
動ポンプの押圧を解除し、手動ポンプの復元により、内
容液を吸引する状態になったときには、ボールは逆止弁
座から離れて、内容液を接続体から手動ポンプのハウジ
ング内に導入することが可能となる。
【００１６】そして、手動ポンプの押圧による内容液の
噴出時には、その押圧圧力によってボールは逆止弁座に
押圧され、ハウジング内に導入した内容液を内袋内に逆
流させることがなく、ノズルから定量の内容液を外部に
噴出することが可能となる。また、手動ポンプの構成
は、任意の構成を用いることが可能である。
【００１７】
【実施例】以下本発明の一実施例を図１、図２に於いて
説明すれば、(１)は手動ポンプ本体で、被覆体(２)を外
周部に形成し、この被覆体(２)の下端に、内袋(３)を収
納する外容器(４)の接続部(６)と接続する螺着部(５)を
設けている。
【００１８】そして、この被覆体(２)の上端中央部に
は、手動ポンプ(９)のハウジング(７)を挿通し、このハ
ウジング(７)の内部にステム(８)を摺動自在に挿入して
いる。そして、このステム(８)の上端に、ノズル(１０)
を有する押釦(１１)を設けている。
【００１９】また、ステム(８)は、ハウジング(７)内に
下端を液密に挿入してピストン(１２)を形成し、このピ
ストン(１２)は押圧発条(１３)で押圧し、ステム(８)を
外部方向に常時付勢している。また、ピストン(１２)上
部の導出路(１４)内には、ステム(８)の押圧時に開弁す
るとともにステム(８)の復元時には閉止されるステム逆
止弁(１５)を形成している。
【００２０】また、ピストン(１２)の下端とハウジング
(７)の間には、内容液を定量貯留する定量室(１６)を形
成している。また、この定量室(１６)とハウジング(７)
の下端面とは内容液の導入路(１７)によって連通し、ピ
ストン(１２)の上部に形成した導出路(１４)と導入路
(１７)とは定量室(１６)を介して連通している。
【００２１】また、接続部(６)及び螺着部(５)を介して
被覆体(２)と接続する外容器(４)内には、内容液を充填
した内袋(３)を装着出来るように形成している。この内
袋(３)は、変形容易なフイルム等により形成し、上端の
開口部(１８)に、樹脂等の硬質材で形成した接続体(２
０)を挿入固定している。
【００２２】この接続体(２０)は、上端に開口部(１８)
を形成するとともに開口部(１８)の近辺に係合凹部(２
１)を切欠き形成している。そして、この係合凹部(２
１)にハウジング(７)の外周に突出した係合突起(２２)
を係合することにより、手動ポンプ本体(１)と内袋(３)
とが分離することのないよう確実な固定を可能とする。
【００２３】また、接続体(２０)は、内周面の一部を内
方に突出して係合部(２３)を設け、この係合部(２３)に
ボール(２４)を密接係合し、運搬時、展示時等に於い
て、内袋(３)内の内容液が外部に流失することのないよ
う、密閉状態を保持している。
【００２４】また、このボール(２４)の下面に臨ませて
逆止弁座(２５)を形成している。また、接続体(２０)の
内部には、開口部(１８)からハウジング(７)を挿入可能
としている。そして、前記の係合凹部(２１)に係合突起
(２２)を係合し、接続体(２０)とハウジング(７)が連結
状態となった状態に於いて、ハウジング(７)の先端に設
けた先端押圧部(２６)により、係合部(２３)に係合して
いるボール(２４)を押圧して、係合部(２３)からボール
(２４)を離脱させる寸法にハウジング(７)を形成してい
る。そして、この係合部(２３)から離脱したボール(２
４)は下方に落下し、逆止弁座(２５)と接続する。
【００２５】この状態に於いて、手動ポンプ(９)の押釦
(１１)を押圧すると、ステム(８)を介してピストン(１
２)が押圧され、定量室(１６)内が圧縮状態となる。そ
の定量室(１６)内の内容液(使用開始時は空気)は、ステ
ム逆止弁(１５)を開放し、ノズル(１０)から外部に噴出
される。そして、押釦(１１)への押圧を解除すれば、押
圧発条(１３)の復元力により、ステム(８)は復元上昇
し、定量室(１６)内はピストン(１２)も上昇するため減
圧状態となる。この減圧により、逆止弁座(２５)とボー
ル(２４)との接触は解除され、内袋(３)内の内容液が定
量室(１６)に導入されて満たされる。
【００２６】そして、手動ポンプ(９)の押釦(１１)を再
度押圧すれば、定量室(１６)内に導入されている内容液
は、ボール(２４)を押圧し、逆止弁座(２５)に密接した
状態となるから、定量室(１６)内の内容液は加圧され、
ステム逆止弁(１５)を開放し、導出路(１４)から押釦
(１１)を介してノズル(１０)より外部に噴出する。
【００２７】以上の操作を繰り返すことにより、内袋
(３)内の内容液は外部に噴出することが可能となる。こ
の内袋(３)は内容液の減少に伴って次第に変形し、その
体積を減少していくものとなる。この内袋(３)の変形
は、内袋(３)の形成素材が容易に変形し得るものであれ
ば良いが、強度の問題等から必ずしも内袋(３)自身によ
っては確実に内容液の減量に応じて変形することが困難
な場合が多い。
【００２８】そのため、他の異なる実施例に於いては、
図３に示す如く、板バネ等の発条(２７)等により、内袋
(３)の外面から内袋(３)を圧縮方向に常時押圧するよう
構成すれば、内容液の噴出を円滑に行うことが出来る。
また、発条(２７)は、内容液の減量に伴って内袋(３)を
確実に圧縮し、内容液の噴出残量を生じる事が無く、経
済的な内容液の使用を可能とすることが出来る。
【００２９】また、上記実施例に於いては、係合部(２
３)から離脱したボール(２４)を接触させる逆止弁座(２
５)を、係合部(２３)の下部に臨ませて形成したが、他
の異なる実施例においては、図４、図５に示すごとく、
接続体(２０)の上部をＬ字型に形成し、このＬ型の折曲
部(２８)を介して係合部(２３)と逆止弁座(２５)を形成
するものとしても良い。
【００３０】この場合、ハウジング(７)の側面に、先端
押圧部(２６)をほぼ直角に突出する。そして、Ｌ型の接
続体(２０)の水平部に、係合部(２３)を設けてボール
(２４)を固定する。また、接続体(２０)の垂直方向部に
逆止弁座(２５)を形成する。そして、ハウジング(７)に
接続体(２０)を接続するには、ハウジング(７)の先端押
圧部(２６)に側面から接続体(２０)を接続する。そし
て、先端押圧部部(２６)で係合部(２３)に係合したボー
ル(２４)を押圧し、係合部(２３)からボール(２４)を分
離する。分離されたボール(２４)は下方向に落下し、逆
止弁座(２５)と接続するものである。このように形成す
ることにより、図１、図２に示すごとく、下方から接続
体(２０)をハウジング(７)に接続する場合に比較し、接
続作業が容易となる利点を有している。
【００３１】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したものであ
るから、内袋の非使用時における収納時、運搬時等にお
いては、係合部にボールが密接嵌合することにより、内
袋内の内容液が外部に流失することがないし、外気と確
実に遮断されるから内容液の変質等を生じる事がない。
【００３２】また、手動ポンプと内袋との接続時に於い
ても、ハウジングの先端押圧部によるボールの押圧開放
時には、瞬時にハウジングと接続体とは接続し、内袋と
手動ポンプ本体とは連通状態となる。そのため、従来の
ごとく蓋体の開放時に内容液が外部に噴出して周囲を汚
染したり、空気が内袋内に流入して以後の内容液の噴出
に不都合を生じる事がないものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】手動ポンプ本体と内袋との分離状態を示す断面
図。
【図２】手動ポンプ本体と内袋との接続状態を示す部分
拡大断面図。
【図３】内袋を発条により押圧している状態を示す断面
図。
【図４】ハウジングと接続体との異なる接続例を示す正
面図。
【図５】ハウジングと接続体との異なる接続状態を示す
拡大断面図。
【符号の説明】
１ 手動ポンプ本体 ３ 内袋 ４ 外容器 ６ 接続部 ９ 手動ポンプ １８ 開口部 ２０ 接続体 ２３ 係合部 ２４ ボール ２５ 逆止弁座 ２６ 先端押圧部 ２７ 発条 ２８ 折曲部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B65D 35/44 - 35/54 B65D 39/00 - 55/16 B65D 77/06,83/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 手動ポンプ本体と、この手動ポンプ本体
    に接続部を介して着脱可能に接続する外容器と、この外
    容器内に挿入し、手動ポンプと連通して内部に充填した
    内容液を手動ポンプのノズルから噴出可能とする内袋と
    から成るものに於いて、内袋の口部に固定した接続体内
    の係合部に、ボールを密接嵌合して内袋を密閉するとと
    もにこのボールを、接続体の開口部から挿入する手動ポ
    ンプの先端押圧部で押圧することにより係合部から離脱
    可能とし、この係合部よりも下部に位置して形成した逆
    止弁座に、離脱したボールを移動可能に密接し得るよう
    構成した事を特徴とする手動ポンプの内容液充填用の内
    袋。
  2. 【請求項２】 逆止弁座は、係合部の下面に臨ませて位
    置したものである事を特徴とする請求項１の手動ポンプ
    の内容液充填用の内袋。
  3. 【請求項３】 逆止弁座は、係合部とは、Ｌ型に形成し
    た接続体の折曲部を介して係合部よりも下部に位置して
    形成したものである事を特徴とする請求項１の手動ポン
    プの内容液充填用の内袋。
  4. 【請求項４】 内袋は、発条により、内容液の圧縮方向
    に常時押圧されているものである事を特徴とする請求項
    １の手動ポンプの内容液充填用の内袋。
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