JP3086084U - 個装フレーバー甘味料組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フレーバーの保持に優れた新規フレーバー甘味
料組成物の個装品の提供。 【解決手段】フレーバーと高甘味度甘味料とを、または
所望によりこれらに加えて低甘味度甘味料をも、共存さ
せたフレーバーの保持に優れた甘味料組成物をフレーバ
ー不透過性のラミネート包装材料をもって個装したこと
を特徴とする個装フレーバー甘味料組成物。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、高甘味度甘味料、またはこれに加えて低甘味度甘味料をフレーバー （香料）と共存させることにより、食品中のフレーバーの力価を長期間、例えば 賞味期限まで保持することのできるフレーバーの保持に優れた甘味料組成物の、 フレーバー不透過性のラミネート包装材料による個装品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

香料（flavors）については、例えば「食品に香りを付与する目的で添加され る食品添加物。化学的合成品である合成香料と天然物からなる天然香料がある。 実際は、調香操作により次のような製品がつくられる。菓子、飲料用フレーバ ー：バニラや柑橘フレーバーの付与、アルコール飲料用フレーバー：ジンジャ ー（しょうが）など洋酒やカクテルの着香、一般食品用フレーバー：まつたけ の香りなど、調理食品用フレーバー：ピザの香りなど。固体食品の着香には固 体香料が用いられる。これは香料を基剤に吸着させたもので、粉末と錠剤がある 。液状食品の着香には液体香料が用いられる。これにはオイル状香料、水溶性香 料、乳化香料があう。オイル状香料は、油脂性食品の着香に用いられフレーバー ベースともよばれる。水溶性香料は香料をエチルアルコール、プロピレングリコ ールなどに溶かしたもので、飲料の着香に用いられる。乳化香料は、香料を乳化 剤を用いて水に分散させたもので、果汁などの飲料に用いられる」と解説されて いる（「丸善食品総合辞典」平成１０年丸善（株）発行）。

【０００３】 しかして、食品に添加する香料（フレーバー）は、その保存中に香気となって 逸散し、製造直後の力価が保てないのが常である。このようなフレーバーを添加 使用して製造された食品も、そのフレーバーは長期間、例えばその食品の賞味期 限まで当初の力価を保つことができないのが実情であった。

【０００４】 かかる実情に鑑み、本出願人は、香料の力価を長期間保たせしめるべく鋭意検 討の結果、香料の逸散が高甘味度甘味料によって抑制されることを見出し、この ような知見に基いて、先にフレーバーとアスパルテーム、アセスルファームＫ、 スクラロース、ステビア、サッカリンなどから選ばれる高甘味度甘味料の１種ま たは２種以上とを共存させたこと、あるいはこれらに加えて低甘味度甘味料をも 共存させたことを特徴とするフレーバーの保持に優れた甘味料組成物に関する発 明をし、特許出願をした（特願２００１−３４２７５１）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、上記のフレーバーの保持に優れた甘味料組成物を、そのフレ ーバー保持機能を損なうことなく、例えば卓上に置いて１杯のコーヒーや紅茶な どに使用するに便宜なような量で個装した個装品を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するため手段】

本考案者は、前記のフレーバーの保持に優れた甘味料組成物をフレーバー不透 過性のラミネート包装材料をもって適量づつ個装することによって前項記載の目 的を達成することを見出し、このような知見に基いて本考案を完成した。

【０００７】 すなわち、本考案は、フレーバーと高甘味度甘味料とを、または所望によりこ れらに加えて低甘味度甘味料をも、共存させたフレーバーの保持に優れた甘味料 組成物をフレーバー不透過性のラミネート包装材料をもって個装したことを特徴 とする個装フレーバー甘味料組成物に関する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を詳細に説明する。

【０００９】 本考案に言うフレーバーとしては、例えば、シナモン、チョコレート、バニラ 、キャラメル、アイリッシュクリーム、ブランディー、ハーブ系フレーバー、ナ ッツ系フレーバー、ハチミツ、アップル、レモン、ピーチ、ベリー、グレープフ ルーツなどのフルーツ系フレーバー、その他を挙げることができるが、本考案の 所期の効果の奏されるフレーバーであればこれらに限定されるものではない。フ レーバーは、適宜、その１種を単独でも、また２種以上の混合物であっても、本 考案によるフレーバー保持の対象とすることができる。

【００１０】 本考案に言う高甘味度甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルフ ァームＫ、スクラロース、ステビア、サッカリンなどを挙げることができるが、 本考案の所期の効果の奏される高甘味度甘味料であればこれらに限定されるもの ではないことはフレーバーに関すると同様である。高甘味度甘味料は、その１種 を単独で使用することもできるが、２種以上を併用することもできる。

【００１１】 なお、高甘味度甘味料と砂糖、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、 キシリトール、エリスリトール、ラクチトールなどの糖アルコール、ラクトース 、トレハロース、デキストリン、その他の糖類の低甘味度甘味料とを併用するこ とによって本考案のフレーバー甘味料組成物に固有の効果とともに、使用時の量 （ボリューム）調整（使い勝手をよくする賦形剤や増量剤としての機能）や呈味 質の改善効果を奏せしめることもできる。

【００１２】 本考案の個装フレーバー甘味料組成物のフレーバーが長期間にわたって保持さ れるメカニズムについては、本考案者は高甘味度甘味料分子によるフレーバー分 子の吸着に加えてフレーバー不透過性ラミネート包装材料による包装（個装）に より、より長期間保持されることによるものと推定している。

【００１３】 従って、本発明において、フレーバーと高甘味度甘味料とを共存させる場合、 共存の具体的態様はそのような吸着に有利な態様とすることが好ましく、例えば 、砂糖の粒子の表面にフレーバーと高甘味度甘味料とを水などの噴霧により湿式 コーティングする方法、あるいは適宜の乾式コーティングをする方法、さらには 流動造粒、その他の方法での造粒方法などを挙げることができる。このような方 法は、それ自体はこの分野の常法によることができる。

【００１４】 周知のように、フレーバー付コーヒー、例えばアイリッシュクリーム、ヘーゼ ルナッツ、シナモン、バニラなどのフレーバー付凍結乾燥インスタントコーヒー が市販されている。これらのインスタントコーヒーはフレーバーの逸散を防止す るため、一旦軟質プラスチックの内袋にコーヒー１杯分の量で個装された上、ラ ミネートの外袋に収容されている。喫茶に際しては、適宜湯を注ぎ好みに応じて 砂糖やミルクを加える。このようなフレーバー付インスタントコーヒーの個装に 際して、当該フレーバーを本考案に係わる甘味料組成物の形態で予め加えておく ことができる。

【００１５】 個装用のフレーバー不透過性のラミネートの包装材料としては、アルミニウム の薄層を含むラミネートの包装材料を挙げることができる。このラミネートの包 装材料の層構成としては、例えば、最内層が熱シール可能なプラスチックの層、 中間層がアルミニウム層、そして最外層が内容物などの表示を直接印刷すること のできるプラスチックや紙などの層とした３層構造のものを挙げることができる 。内容物などの表示は、これらを表示した紙面のハカマを下記スティックにはか せることによることのできることはもちろんである。

【００１６】 このような包装材料によるフレーバー甘味料組成物の個装（包装）方法自体は 、全く常法によることができ、例えば封筒貼りで、偏平長方形のスティックの形 状とすることができる。

【００１７】 充填量は、使用に便宜な量であるが、これは使用した香料の種類や量および香 料に共存させた高甘味度甘味料やこれに加えて使用された低甘味度甘味料の種類 や量によって変ってくるが、例えば、コーヒー、紅茶などの１杯当りに使用する に便宜な１．５〜２ｇ程度とすることができる。あるいは、コーヒー、紅茶など の１〜２杯分といった少量ではなく、数杯分乃至はそれ以上の充填量とすること も勿論可能である。充填量の多い場合は、上記のようなラミネートの包装材料で 、いわゆるスタンディングパウチの形状の個装フレーバー甘味料組成物とするこ ともできる。

【００１８】

【実施例】

以下、実施例をもって本考案を更に説明する。

【００１９】 実験例１ アスパルテームと砂糖と香料（バニラフレーバー）の三者を１：９８：１の割 合で配合し、水を噴霧しながらナウターミキサーで混合して砂糖の表面に香料と アスパルテームをコーティングした。得られた甘味料組成物を２４℃に密閉系で １８０日間保存して香料の保持の度合いを官能評価で確認した。対照には、砂糖 と香料の二者を９９：１の割合で同様に配合調製したものを用いた。

【００２０】 すなわち、上記保存後、コーヒーにこれらの甘味料組成物を添加して官能評価 に付した。結果を下記第１表に示す。同表から理解されるように、２種の甘味料 組成物の間で有意に香気の立ち方に差が認められた。

【００２１】

【表１】

【００２２】 実験例２ アスパルテームとアセスルファームＫと砂糖と香料（アップルフレーバー）の 四者を０．８：０．２：９８：１の割合で配合し、水を噴霧しながらナウターミ キサーで混合して砂糖の表面に香料とアスパルテームとアセスルファームＫをコ ーティングした。得られた甘味料組成物を２４℃に密閉系で２００日間保存して 香料の保持の度合いを官能評価で確認した。対照には、砂糖と香料を９９：１の 割合で同様に配合調製したものを用いた。

【００２３】 すなわち、上記保存後、紅茶にこれらの甘味料組成物を添加して官能評価した 。結果を下記第２表に示す。同表から理解されるように、２種の甘味料組成物の 間で有意に香料の保持に差が認められた。

【００２４】

【表２】

【００２５】 実施例１ 最内層が熱シール性のプラスチック層（ポリエチレン）、その上にフレーバー 不透過性のアルミニウムの層、そして最外層が紙よりなるラミネートの包装材料 に封筒貼りの要領で試験例１および試験例２の本考案に係わるフレーバー甘味料 組成物をそれぞれ熱シール充填して偏平長方形のスティック状の個装フレーバー 甘味料組成物を得た。

【００２６】

【発明の効果】

本考案によれば、高甘味度甘味料を活用することで香料の逸散が抑制され、香 料の保持に優れた個装甘味料組成物を容易に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の個装フレーバー甘味料組成物の１例の
表面および裏面からの見取り図を示す(実施例)。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレーバーと高甘味度甘味料とを共存させ
   たフレーバーの保持に優れた甘味料組成物をフレーバー
   不透過性のラミネート包装材料をもって個装したことを
   特徴とする個装フレーバー甘味料組成物。
2. 【請求項２】該フレーバーが、シナモン、チョコレー
   ト、バニラ、キャラメル、アイリッシュクリーム、ブラ
   ンディー、ハーブ系フレーバー、ナッツ系フレーバー、
   ハチミツ、アップル、レモン、ピーチ、ベリーおよびグ
   レープフルーツから選ばれた１種または２種以上であ
   り、該高甘味度甘味料がアスパルテーム、アセスルファ
   ームＫ、スクラロース、ステビアおよびサッカリンから
   選ばれる１種または２種以上であり、そして該フレーバ
   ー不透過性のラミネート包装材料がアルミニウム箔層を
   含むラミネート包材材料であることを特徴とする請求項
   １記載の個装フレーバー甘味料組成物。
3. 【請求項３】フレーバーと高甘味度甘味料に加えて低甘
   味度甘味料をも共存させたことを特徴とする請求項１ま
   たは２に記載の個装フレーバー甘味料組成物。
4. 【請求項４】該低甘味度甘味料が砂糖、マルチトール、
   ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリ
   トール、ラクチトール、ラクトース、トレハロースおよ
   びデキストリンから選ばれる１種または２種以上である
   ことを特徴とする請求項３記載の個装フレーバー甘味料
   組成物。