JP3085481B2 - 反射屈折縮小投影光学系、及び該光学系を備えた露光装置 - Google Patents

反射屈折縮小投影光学系、及び該光学系を備えた露光装置

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JP3085481B2
JP3085481B2 JP03276594A JP27659491A JP3085481B2 JP 3085481 B2 JP3085481 B2 JP 3085481B2 JP 03276594 A JP03276594 A JP 03276594A JP 27659491 A JP27659491 A JP 27659491A JP 3085481 B2 JP3085481 B2 JP 3085481B2
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optical system
lens group
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reduction projection
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    • GPHYSICS
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子製造
用の露光装置に用いられる、実素子のパターンよりも拡
大されたパターンを縮小投影するための光学系に適用し
て好適な反射屈折縮小投影光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路はますます微細化し、そ
のパターンを焼き付ける露光装置はより解像力の高いも
のが要求されている。この要求を満たすためには光源の
波長を短波長化し且つ光学系の開口数(N.A.)を大
きくしなければならない。しかしながら、波長が短くな
ると光の吸収のために実用に耐える硝材が限られて来
る。波長が300nm以下になると実用上使えるのは合
成石英と蛍石(弗化カルシウム)だけとなる。また、蛍
石は温度特性が悪く多量に使うことはできない。そのた
め屈折系だけで投影レンズを作ることはきわめて困難で
ある。更に、収差補正の困難性のために、反射系だけで
開口数の大きい投影光学系を作ることも困難である。
【0003】そこで、反射系と屈折系とを組み合わせて
投影光学系を構成する技術が種々提案されている。その
一例が、特開昭63−163319号公報に開示される
如きリング視野光学系である。この光学系では入射光と
反射光とが互いに干渉しないように軸外の光束が用いら
れ、且つ軸外の輪帯部のみを露光するように構成されて
いる。
【0004】また、他の例として、投影光学系中にビー
ムスプリッターを配置することによって、軸上の光束に
より一括でレチクル(マスク)の像を投影する反射屈折
系からなる投影露光装置が、例えば特公昭51−271
16号公報及び特開平2−66510号公報で開示され
ている。
【0005】図5は特開平2−66510号公報に開示
された光学系を模式的に示したものである。この図5に
おいて、縮小転写しようとするパターンが描かれたレチ
クル21からの光束は、正の屈折力を有するレンズ群2
2により略々平行光束に変換されてプリズム型のビーム
スプリッター(ビームスプリッターキューブ)23に照
射される。このビームスプリッター23の接合面23a
を透過した光束は負の屈折力を有する補正レンズ群24
により拡散されて凹面反射鏡25で反射される。凹面反
射鏡25で反射された光束は、再度補正レンズ群24を
通り、ビームスプリッター23の接合面23aで反射さ
れた後、正の屈折力を有するレンズ群26によってウェ
ハ27上に集束され、そのウェハ27上にレチクルパタ
ーンの縮小像が結像される。プリズム型のビームスプリ
ッター23の代わりに平行平面板よりなるハーフミラー
を用いた例も開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の内でリング視野光学系では開口数を大きくすることが
困難である。しかも一括で露光することもできないので
レチクルとウェハとを光学系の縮小比に対応して互いに
異なる速度で移動しながら露光する必要があり、このた
め機械系の構成が複雑になるという不都合があった。
【0007】また、上記の特公昭51−27116号公
報に開示された構成では、ビームスプリッター以降の光
学系の屈折面での反射によるフレアが多い不都合があ
る。更に、ビームスプリッターの反射率むら、吸収及び
位相変化等の特性が何ら考慮されていないため解像力が
低いと共に全系の倍率が等倍であり、より高解像力が要
求される次世代の半導体製造用露光装置としては到底使
用に耐えるものではない。
【0008】更に、特開平2−66510号公報に開示
された投影光学系の内で図5の光学系では、ビームスプ
リッター23用の大型のプリズム材料の不均一により解
像力が劣化する不都合がある。また、300nm程度以
下の波長域では使用に耐える接着剤が無く、2個のブロ
ックを貼り合わせてビームスプリッターを構成すること
が困難であるという不都合がある。また、その投影光学
系では絞りの位置がビームスプリッター23又はハーフ
ミラーと重なる位置にあり、物理的に絞りを置くことが
できない不都合があった。これにより、解像力が劣化
し、光量のむらの補正ができず、更にはウェハ27側の
テレセントリック性を確保することができず、半導体露
光装置としては実用的ではなかった。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、反射屈折系で軸
上の光束を用いる構成であって、解像力が劣化しないと
共に絞りを配置できる縮小投影光学系を提供することを
目的とする。更に本発明は、そのような縮小投影光学系
を備えた露光装置を提供することをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による反射屈折縮
小投影光学系は、例えば図1に示す如く、第1面(1)
のパターンを第2面(5)上に縮小投影するための光学
系であって、負又は正の屈折力を持ちその第1面(1)
からの光束を拡散又は集束する第1レンズ群G1 と、こ
の第1レンズ群G1 からの光束を透過又は反射するハー
フミラー(2)と、負の屈折力を持ちそのハーフミラー
(2)から反射された光束を広げる第2レンズ群G2
と、この第2レンズ群G2 からの光束を集束しつつこの
第2レンズ群G2 を介してそのハーフミラー(2)に戻
す凹面反射鏡(4)と、正の屈折力を持ちそのハーフミ
ラー(2)に戻されてそのハーフミラー(2)を透過し
た光束を集束してその第2面(5)上にその第1面
(1)のパターンの縮小像を形成する第3レンズ群G3
と、そのハーフミラー(2)とその第2面(5)との間
に配置された絞り(6)とを有するものである。
【0011】更に、そのハーフミラー(2)とその第3
レンズ群G3 との間に光軸に対して斜めにそのハーフミ
ラー(2)に起因する収差を補正するための1枚又は複
数枚の平行平面板を配置することも考えられる。
【0012】これらの場合、その凹面反射鏡(4)の曲
率半径は、その第2面(5)上の露光領域(イメージサ
ークル)の直径の17倍から25倍の範囲内に設定する
事が好ましい。また、そのハーフミラー(2)を透過す
る軸上物点からの周縁光線の光軸に対する傾きは0.1
度以下であることが好ましい。更に、その凹面反射鏡
(4)に入射する軸外主光線の光軸に対する傾きは4度
以下である事が好ましい。
【0013】また、本発明では、そのハーフミラー
(2)とその凹面反射鏡(4)との間に4分の1波長板
(3)を配置することが好ましい。その4分の1波長板
(3)は、厚さが100μm以下の1軸性結晶(例えば
水晶)より形成するとよい。次に、本発明による露光装
置は、本発明による反射屈折縮小投影光学系を備えた露
光装置であって、その第1面に配置されるレチクル
(1)を照明する照明光学系を備え、そのレチクルのパ
ターンの縮小像をその反射屈折縮小投影光学系を介して
その第2面に配置されるウェハ(5)上に転写するもの
である。
【0014】
【作用】斯かる本発明によれば、反射系と屈折系とを組
み合わせた構成で、一括で広い領域を露光するために軸
上の光束が使用される。また、反射系には色収差がない
ため、全系の屈折力の大部分を凹面反射鏡(4)に持た
せて色収差の発生を抑える。そして、入射光と反射光と
の分離はハーフミラー(2)で行う。ハーフミラーを用
いるのは、プリズム型ビームスプリッターに比較して大
きな硝材が不要であること、単体であり接着剤が不要で
あること及び面精度が屈折率分だけ悪くてもよいことに
よる。
【0015】しかしながら、ハーフミラー(5)を用い
ることにより非点収差とコマ収差とが発生する。それを
防ぐためには、ハーフミラー(5)を透過する光束を完
全に平行光にする必要がある。しかし、完全な平行光束
を全ての像高に対して実現することは不可能である。そ
こで、本発明では、第1レンズ群G1 により拡散又は集
束された光束をハーフミラー(2)で反射させてハーフ
ミラー(2)の影響を除いている。そして、凹面反射鏡
(4)から反射された集束光を負の屈折力の第2レンズ
群G2 により平行光束に近づけて、この平行光束に近づ
いた光がハーフミラー(2)を透過するようにしてい
る。従って、ハーフミラー(2)における非点収差及び
コマ収差の発生が抑制されている。
【0016】また、そのハーフミラー(2)を透過する
光束は略々平行光束であるが、一般に開口絞りは物点か
ら射出された光が略々平行光束になった位置に置かれ
る。従って、本発明の構成によればそのハーフミラー
(2)と第2面(5)との間に有効な絞り(5)を配置
することができる。
【0017】更に本発明では、ハーフミラー(2)と凹
面反射鏡(4)との間に負の屈折力を持つ第2レンズ群
2 が配置されているが、この第2レンズ群G2 により
正の屈折力の第3レンズ群G3 の色収差を補正できると
共に、凹面反射鏡(4)の球面収差をより良好に補正す
ることができる。また、上記したように、この負屈折力
の第2レンズ群G2 はハーフミラー(2)を透過する光
束を平行光に近づけるという重要な役割を有している。
【0018】次に、そのハーフミラー(2)に起因する
非点収差及びコマ収差をより有効に抑制するためには、
できるだけ平行光束に近づけてコマ収差を十分に小さく
した上で、1枚の平行平面板をハーフミラー(2)と第
3レンズ群G3 との間に光軸に対して傾けて挿入すると
よい。特に、ハーフミラー(2)と等しい厚さの平行平
面板を光軸に対して45゜傾け、且つその平行平面板の
方位をハーフミラー(2)の方位に対して90゜回転さ
せることにより、非点収差も補正される。更に、ハーフ
ミラー(2)と等しい厚さの3枚の平行平面板を用いる
と、ハーフミラー(2)を透過する光束が略々平行光束
でない場合でも非点収差及びコマ収差を補正することが
できる。即ち、3枚の平行平面板をそれぞれ光軸に対し
て45゜傾けると共に、ハーフミラー(2)の方位に対
してそれぞれ90゜、180゜及び270゜の角度をな
すように設定することにより、それら非点収差及びコマ
収差が完全に補正される。
【0019】次に、凹面反射鏡(4)の曲率半径は第2
面(5)上の露光領域(イメージサークル)の直径の1
7倍から25倍が好ましい理由について説明する。凹面
反射鏡においては、その収斂作用によってある程度の縮
小倍率を達成できると共に、ペッツバール和、非点収差
及び歪曲収差に影響を与えるので、第1レンズ群G1
第2レンズ群G2 及び第3レンズ群G3からなる屈折系
との収差バランスを良好に維持することが可能となる。
即ち、凹面反射鏡(4)の曲率半径が、第2面(5)の
イメージサークルの直径の17倍を下回る場合には、色
収差の補正には有利となるが、ペッツバール和が正方向
に増大して非点収差及び歪曲収差も増加する。
【0020】その理由は、凹面反射鏡の曲率半径が小さ
くなり屈折力が大きくなると、凹面反射鏡(4)による
球面収差が大きくなるが、ハーフミラー(2)を透過す
る光束を平行光束とするためには、負の第2レンズ群G
2 の屈折力が大きくなるため、球面収差の補正のために
は第3レンズ群G3 の正の屈折力を大きくすることが必
要となる。しかしながら、第3レンズ群G3 は像面とし
ての第2面(5)に近い位置に配置されるため、収差補
正のためには第2レンズ群G2 の負の屈折力以上に大き
な屈折力が必要となり、ペッツバール和が著しく増大す
ることとなってしまう。従って、諸収差を更に良好に補
正するためには、凹面反射鏡(4)の曲率半径は縮小像
のイメージサークルの直径の17倍程度以上であること
が好ましい。
【0021】逆に、凹面反射鏡(4)の曲率半径が縮小
像のイメージサークルの直径の25倍を超えて大きくな
る場合には、非点収差及び歪曲収差の補正には有利とな
るが、所望の縮小倍率を得ることが困難になり、色収差
の補正が不十分となるため余り実用的ではない。
【0022】次に、ハーフミラー(2)を透過する軸上
物点からの周縁光線(所謂ランド光線)の光軸に対する
傾きが0.1度以下であることが好ましい理由について
説明する。上述のように、ハーフミラー(2)を透過す
る光束が平行光束に近いほどにハーフミラー(2)に起
因する収差の発生が抑制されると共に、絞りを配置し易
くなる。特に、その平行光束からのずれの最大値が0.
1度以下であるときには、収差量が少なく実用的であ
る。
【0023】また、凹面反射鏡(4)に入射する軸外主
光線の光軸に対する傾きが4度以下であることが好まし
い理由について説明する。即ち、このように軸外主光線
の傾きを制限しないと、その凹面反射鏡(4)での非点
収差等が大きくなり過ぎる。そのため、光軸に対する傾
きを4度以下に制限して凹面反射鏡(4)に起因する収
差の発生を抑制し、全体として結像性能を向上させてい
る。
【0024】また、4分の1波長板(3)をハーフミラ
ー(2)と凹面反射鏡(4)との間に配置した場合の作
用効果につき説明する。一般にハーフミラーの半透面と
して用いられる誘電体膜には強い偏光特性があり、ハー
フミラー(2)の半透面(2a)では例えば図1の紙面
に垂直に偏光した光束(s偏光)が反射され易く図1の
紙面に平行に偏光した光束(p偏光)が透過し易いとす
る。この場合、その半透面(2a)で反射されたs偏光
成分は4分の1波長板(3)を透過して円偏光となり、
この円偏光の光束は凹面反射鏡(4)で反射されて逆回
りの円偏光となる。逆回りの円偏光の反射光は、1/4
波長板(3)を透過することによりp偏光となり、この
p偏光の光束は大部分がハーフミラー(2)の半透面
(2a)を透過して第2面(5)に向かう。従って、そ
の4分の1波長板(3)によりハーフミラー(2)にお
ける光量の損失を減らすことができるのみならず、余分
な反射光が第2面(5)に戻りにくくなるので、フレア
ーを減らすことができる。
【0025】更に、4分の1波長板(3)としては、厚
さの薄い1軸性結晶(例えば水晶)を用いることが望ま
しい。その理由は、4分の1波長板を透過する光束が平
行光束からずれると、異常光線に対して非点収差が生じ
るためである。この非点収差は、通常波長板で行われて
いるように、2枚の結晶を互いに90゜光学軸を回転さ
せて張り合わせる方法では補正できない。即ち、常光
線、異常光線とも非点収差が生じてしまう。
【0026】この非点収差量を波面収差Wで表すものと
して、(no−ne)を常光線と異常光線との屈折率の
差、dを結晶の厚さ、θを平行光からのずれ、即ち光束
の発散(又は集束)角とすると、波面収差Wは次式で表
される。 W=(no−ne)dθ2/2 例えば4分の1波長板を水晶で構成する場合には、(n
o−ne)=0.01であり、光束の発散(集束)状態を
θ=15゜とする。使用波長をλとすると、十分良好な
結像性能を維持するためには波面収差Wを4分の1波
長、即ちλ/4以下に維持することが好ましい。そのた
めには、波長λを例えば248nmとして、上記の式よ
り、 d<100μm でなければならない。
【0027】
【実施例】以下、本発明による反射屈折縮小投影光学系
の実施例につき図1〜図4を参照して説明しよう。本例
は、半導体製造用の使用波長が248nmで縮小倍率が
1/5の露光装置の光学系に本発明を適用したものであ
る。図1は本例の光学系の概略の構成を示し、この図1
において、1は集積回路用のパターンが形成されたレチ
クルである。このレチクル1に垂直な光軸上に順に、負
又は正の屈折力を持つ第1レンズ群G1 及び光軸に対し
て45゜傾斜したハーフミラー2を配置する。そして、
第1レンズ群G1 からの光をハーフミラー2の半透面2
aで反射させた方向に順に、1/4波長板3、負の屈折
力を持つ第2レンズ群G2 及び凹面反射鏡4を配置し、
凹面反射鏡4による反射光をハーフミラー2の半透面2
aで透過した方向に順に、絞り6、正の屈折力を持つ第
3レンズ群G3 及びウェハ5を配置する。なお、絞り6
は例えば第3レンズ群G3 の中に入れることもできる。
【0028】この場合、ハーフミラー2を透過する光束
がわずかでも平行光束からずれていると非点収差等の収
差を生じる。そこで、収差に対する要求が厳しい場合に
は、先ずハーフミラー2を透過する光束を平行光束に近
づけてコマ収差を十分小さくする。そして、ハーフミラ
ー2と第3レンズ群G3 との間に、ハーフミラー2と等
しい厚さの平行平面板を光軸に対して45゜傾けて配置
し、その方位をハーフミラー2の方位に対して90゜回
転させる。これにより非点収差が補正される。また、3
枚の平行平面板を用いた場合には、ハーフミラー2を透
過する光束が平行光束から外れている場合でも、非点収
差及びコマ収差を補正することができる。
【0029】そして、レチクル1を図示省略した照明光
学系により照明し、レチクル1から射出される光束を、
第1レンズ群G1 により拡散又は集束してハーフミラー
2に入射させる。このハーフミラー2の半透面2aで反
射された光束を1/4波長板3及び負屈折力の第2レン
ズ群G2 を介して凹面反射鏡4に入射させる。凹面反射
鏡4の曲率半径は約400mmである。凹面反射鏡4に
より反射された光束は、集束しつつ第2レンズ群G2
び1/4波長板3を通って再度ハーフミラー2に入射
し、このハーフミラー2の半透面2aを透過した光束を
正屈折力の第3レンズ群G3 によりウェハ5上に集束す
る。これによりウェハ5上にレチクル1上のパターンの
縮小像が結像される。
【0030】本例ではハーフミラー2と第3レンズ群G
3 との間に絞り6が配置されているが、この絞り6によ
りウェハ5側のテレセントリック性が確保されている。
【0031】また、照明光としては図1の紙面に垂直に
偏光した光束(s偏光)を用いるのが効率的であるが、
通常のランダム偏光の照明光でもよい。何れの場合で
も、ハーフミラー2の偏光特性によりs偏光の大部分は
半透面2aで反射され、この反射光は更に1/4波長板
3を透過することにより円偏光となる。この円偏光の光
束は凹面反射鏡4で反射されて逆回りの円偏光となる
が、逆回りの円偏光の光束が再び1/4波長板3を透過
すると、偏光状態は図1の紙面に平行な直線偏光とな
る。ハーフミラー2の偏光特性により、図1の紙面に平
行な方向に偏光した光束は大部分が半透面2aを透過し
てウェハ5の方向に向かう。これによりハーフミラー2
における光の減少が防止され、レチクル1への戻り光が
減少するので、光束の有効利用及びフレアの減少が達成
される。
【0032】更に、1/4波長板6としては、厚さの薄
い1軸性結晶(例えば水晶)を用いることにより、非点
収差の発生を防止する。具体的に、水晶を用いるとし
て、使用波長λが248nmで、その1/4波長板6に
よる波面収差をλ/4以下に抑えるには、その1/4波
長板6の厚さは100μm以下にする必要がある。
【0033】なお、ハーフミラー2の半透面2aに偏光
ビームスプリッターのような偏光特性を積極的に持たせ
ると、1/4波長板6との組合せにより、反射率及び透
過率を更に改善することができる。ただし、通常のハー
フミラーであっても、例えば誘電膜は強い偏光特性を有
するため、1/4波長板3との組合せにより反射率及び
透過率を改善することができる。
【0034】以下、図1の光学系の具体的な構成例につ
き説明する。以下の実施例におけるレンズの形状及び間
隔を表すために、レチクル1を第1面として、レチクル
1から射出された光がウェハ5に達するまでに通過する
面を順次第i面(i=2,3,‥‥)とする。そして、
第i面の曲率半径ri の符号は、レチクル1とハーフミ
ラー2との間ではレチクル1に対して凸の場合を正にと
り、凹面反射鏡4とウェハ5との間ではその凹面反射鏡
4に対して凸の場合を正にとる。また、第i面と第(i
+1)面との面間隔di の符号は、ハーフミラー2の半
透面2aからの反射光が凹面反射鏡4まで通過する領域
では負にとり、他の領域では正にとる。また、硝材とし
て、CaF2 は蛍石、SiO2 は石英ガラスをそれぞれ
表す。石英ガラス及び蛍石の使用基準波長(248n
m)に対する屈折率は次のとおりである。 石英ガラス: 1.50855 蛍 石 : 1.46799
【0035】図2は本例のレンズ構成図を示し、この図
2に示すように、第1レンズ群G1はレチクル1の側か
ら順に、レチクル1側に凸面を向けた負メニスカスレン
ズL11、両凸レンズL12、両凸レンズL13、両凹レンズ
14及び両凹レンズL15を配置して構成する。また、本
例では第2レンズ群G2 は凹面反射鏡4側に凸面を向け
た負メニスカスレンズL20のみより構成する。更に、第
3レンズ群G3 はハーフミラー2の側から順に、両凸レ
ンズL31、ハーフミラー2側に凸面を向けた正メニスカ
スレンズL32、ハーフミラー2側に凸面を向けた正メニ
スカスレンズL33、両凹レンズL34、両凸レンズL35
ハーフミラー2側に凸面を向けた正メニスカスレンズL
36、ハーフミラー2側に凸面を向けた負メニスカスレン
ズL37及びハーフミラー2側に凸面を向けた正メニスカ
スレンズL38を配置して構成する。ただし、図1中の1
/4波長板3は厚さが薄く無視できるので、図2では省
略してある。図2の第1実施例における曲率半径ri
面間隔di 及び硝材を次の表1に示す。
【0036】
【表1】 i rii 硝材 i rii 硝材 1 ∞ 160.328 21 -3775.726 8.500 2 226.290 20.000 CaF2 22 132.037 20.000 CaF2 3 112.740 12.000 23 386.661 80.662 4 186.919 28.000 SiO2 24 90.751 16.727 CaF2 5 -267.368 48.845 25 1020.086 4.600 6 203.766 30.000 SiO2 26 -378.373 11.000 SiO2 7 -153.468 2.000 27 51.955 0.400 8 -235.200 15.000 CaF2 28 51.881 19.000 CaF2 9 105.304 45.805 29 -402.490 0.200 10 -154.442 18.000 CaF2 30 66.487 11.242 CaF2 11 661.852 128.795 31 383.884 1.000 12 ∞ -85.500 32 580.000 10.000 SiO2 13 156.613 -24.000 SiO2 33 39.378 1.600 14 303.843 -34.000 34 43.274 13.000 CaF2 15 425.644 34.000 35 514.049 14.381 16 303.843 24.000 SiO2 17 156.613 85.500 18 ∞ 20.000 SiO2 19 ∞ 60.000 20 296.017 20.000 CaF2
【0037】この実施例では、縮小倍率は1/5、開口
数は0.45、ウェハ5上の有効な露光領域(イメージ
サークル)の直径dは20mmである。また、凹面反射
鏡4の曲率半径rは425.664mmであり、曲率半
径rはその直径dの約21.3倍である。更に、凹面反
射鏡4に入射する軸上物点からの周縁光線(ランド光
線)の光軸に対する傾きの最大値は7.85゜、凹面反
射鏡4に入射する軸外主光線の光軸に対する傾きの最大
値は2.41゜である。因に、凹面反射鏡4から射出さ
れるランド光線の光軸に対する傾きの最大値は0.01
4゜である。更に、ハーフミラー2を透過するランド光
線の光軸に対する傾きは0.001゜以下であり、本例
ではハーフミラー2を透過した光束はほぼ平行光束とみ
なすことができる。
【0038】図2の実施例の使用波長が248.4nm
の場合の縦収差図を図3に示し、横収差図を図4に示
す。これら収差図より、本例においては開口数が0.4
5と大きいにも拘らず、広いイメージサークルの領域内
で諸収差が良好に補正されていることが分かる。また、
図示省略するも、色収差も波長λが248nm〜249
nmの間で良好に補正されている。
【0039】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ハーフミラーを使用し
ているため、大型のプリズム材料の不均一による解像力
の劣化は生じない。また、凹面反射鏡からの光束を負屈
折力の第2レンズ群で平行光束に近づけてからハーフミ
ラーを透過させるようにしているので、ハーフミラーに
よる収差の発生が少ない。従って、全体として、解像力
の劣化が少ないと共に、平行光束に近いので絞りを配置
できる利点がある。また、ハーフミラーと第3レンズ群
との間に1枚又は複数枚の平行平面板を配置した場合に
は、そのハーフミラーによる収差をより良好に補正する
ことができる。
【0041】また、凹面反射鏡の曲率半径が第2面の露
光領域の直径の17倍から25倍であるときには、非点
収差及び歪曲収差を容易に補正できると共に、所定の縮
小倍率を得易い利点がある。また、ハーフミラーを透過
する軸上物点からの周縁光線の光軸に対する傾きが0.
1゜以下であるときには、ハーフミラーによるコマ収差
及び非点収差が十分に小さくなる。更に、凹面反射鏡に
入射する軸外主光線の光軸に対する傾きを4゜以下に制
限した場合には、非点収差等の収差量を所定範囲内に抑
えることができると共に、ハーフミラーにおける反射率
及び透過率のばらつきを抑えることができる利点があ
る。
【0042】また、ハーフミラーと凹面反射鏡との間に
4分の1波長板を配置した場合には、ハーフミラーにお
ける透過率を高めることができ、フレアを減少すること
ができる。特にその4分の1波長板を厚さが100μm
以下の1軸性結晶より形成すると、非点収差の劣化が無
視できる程度になる利点がある。また、本発明の露光装
置によれば、収差が低く抑えられる反射屈折縮小投影光
学系が使用されているため、レチクルのパターン像を高
い解像度でウェハ上に転写できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による反射屈折縮小投影光学系の実施例
の基本的な構成を示す断面図である。
【図2】図1の光学系の具体的な構成を示すレンズ構成
図である。
【図3】図2の実施例の縦収差図である。
【図4】図2の実施例の横収差図である。
【図5】従来の反射屈折縮小投影光学系の基本的な構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 レチクル G1 第1レンズ群 2 ハーフミラー 3 1/4波長板 G2 第2レンズ群 4 凹面反射鏡 G3 第3レンズ群 5 ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−66510(JP,A) 特開 昭63−163319(JP,A) 特開 昭46−4270(JP,A) 特開 平4−235516(JP,A) 特開 昭61−202339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04 H01L 21/027

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1面のパターンを第2面上に縮小投影
    するための光学系であって、 負又は正の屈折力を持ち前記第1面からの光束を拡散又
    は集束する第1レンズ群と、該第1レンズ群からの光束
    を透過又は反射するハーフミラーと、負の屈折力を持ち
    前記ハーフミラーから反射された光束を広げる第2レン
    ズ群と、該第2レンズ群からの光束を集束しつつ該第2
    レンズ群を介して前記ハーフミラーに戻す凹面反射鏡
    と、正の屈折力を持ち前記ハーフミラーに戻されて前記
    ハーフミラーを透過した光束を集束して前記第2面上に
    前記第1面のパターンの縮小像を形成する第3レンズ群
    と、前記ハーフミラーと前記第2面との間に配置された
    絞りとを有する事を特徴とする反射屈折縮小投影光学
    系。
  2. 【請求項2】 前記ハーフミラーと前記第3レンズ群と
    の間に光軸に対して斜めに前記ハーフミラーに起因する
    収差を補正するための1枚又は複数枚の平行平面板を配
    置した事を特徴とする請求項1記載の反射屈折縮小投影
    光学系。
  3. 【請求項3】 前記凹面反射鏡の曲率半径は、前記第2
    面上の露光領域の直径の17倍から25倍である事を特
    徴とする請求項1、又は2記載の反射屈折縮小投影光学
    系。
  4. 【請求項4】 前記ハーフミラーを透過する軸上物点か
    らの周縁光線の光軸に対する傾きは0.1度以下である
    事を特徴とする請求項1、又は2記載の反射屈折縮小投
    影光学系。
  5. 【請求項5】 前記凹面反射鏡に入射する軸外主光線の
    光軸に対する傾きは4度以下である事を特徴とする請求
    項1、又は2記載の反射屈折縮小投影光学系。
  6. 【請求項6】 前記ハーフミラーと前記凹面反射鏡との
    間に4分の1波長板を配置した事を特徴とする請求項
    1、又は2記載の反射屈折縮小投影光学系。
  7. 【請求項7】 前記4分の1波長板を厚さが100μm
    以下の1軸性結晶より形成した事を特徴とする請求項6
    記載の反射屈折縮小投影光学系。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか一項記載の反射屈
    折縮小投影光学系を備えた露光装置であって、 前記第1面に配置されるレチクルを照明する照明光学系
    を備え、 前記レチクルのパターンの縮小像を前記反射屈折縮小投
    影光学系を介して前記第2面に配置されるウェハ上に転
    写することを特徴とする露光装置。
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