JP3085431B2 - 配電線制御システムおよびその方法 - Google Patents
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Description
その方法に係り、特に、配電線に発生した回復性の事故
の場合に配電線を極力切り離すことなく運転継続するこ
とのできる配電線制御システム及びその方法に関する。
保護方式により除去されるべく運用されている。この一
例としては、平成3年11月30日オーム社発行の「配
電技術総合マニュアル」464頁乃至465頁に紹介さ
れたものが有る。
に設置された保護継電装置が作動して配電母線に接続さ
れた遮断器を遮断して配電線を停電状態とし、配電線に
接続された開閉器を配電線の無電圧をもって開放せしめ
る。その後、遮断器の再投入を行い停電区間の復旧動作
に入るが、具体的にはまず遮断器に最も近い位置の配電
線の開閉器が遮断器の再投入により電圧印加されて再投
入され、この開閉器の投入により次の開閉器が電圧印加
されて再投入するというように以下、順次末端の開閉器
まで順番に投入される。この結果、配電線に発生した事
故が回復性の事故の場合、遮断器の開放により事故が除
去され、再閉路により以後運転が継続される。なお、事
故が永久事故の場合には再度遮断器が開放され、事故発
生地点の開閉器まで給電して、以降の配電線部分は停電
となる。
略以上のようなものであるが、この場合の問題は遮断器
の開放に伴い30乃至60秒程度の停電を生じることで
ある。近年の計算機システムの普及は配電線における停
電の発生自体を許容できないものとなっており、できる
かぎり無停電とすることのできる配電線の停電極小化シ
ステム及び運用方法が望まれている。
別することができ、その割合は2:8程度である。さら
に、地絡事故の8乃至9割は、配電線に樹木等が接触す
ることにより生じる回復性の地絡事故である。
地絡事故であっても、上記したステップでの保護シーケ
ンスが進行し停電を発生してしまうものである。
ろは回復性の事故では停電区間を生じず、永久事故の場
合には事故区間のみを停電とすることのできる配電線の
停電極小化システム及びその方法を提供するにある。
に、本発明の配電線制御システムは、母線に接続され、
少なくとも1個以上の開閉器を有する第1の配電線と、
該第1の配電線の端部に設けられ、平常時には開放され
る突き合わせ開閉器と、該突き合わせ開閉器に接続され
た第2の配電線と、前記第1の配電線の事故発生時に前
記突き合わせ開閉器を投入する突き合わせ開閉器投入手
段と、前記突き合わせ開閉器を投入した後に、前記事故
発生点より母線側に隣接する母線側開閉器を開放し、か
つ該母線側開閉器より母線側の開閉器の投入を維持する
手段と、該母線側開閉器の開放後に前記事故が回復性事
故である場合に、前記母線側開閉器の負荷側に隣接する
負荷側開閉器の投入を維持する負荷側開閉器投入維持手
段を備えたことを特徴とするものである。
の配電線制御方法は、母線から第1の配電線に電力が給
電され、前記第1の配電線の端部に設けられた突き合わ
せ開閉器は平常時には開放状態にされ、第2の配電線は
前記突き合わせ開閉器に接続される配電線制御方法にお
いて、前記第1の配電線に事故が発生した場合に前記突
き合わせ開閉器は投入され、前記突き合わせ開閉器の投
入後に前記事故発生点より母線側に隣接する母線側開閉
器は開放され、該母線側開閉器より母線側に位置する開
閉器は投入を維持され、前記母線側開閉器の開放後に前
記事故が回復性の事故である時には、前記母線側開閉器
より負荷側に隣接する負荷側開閉器の投入を維持するこ
とを特徴とするものである。
に突き合わせ開閉器を投入する手段と、事故の発生点の
母線側に位置する母線側開閉器を開放し、かつ、この母
線側開閉器より母線側に位置する開閉器の投入を維持す
る手段を備え、事故が回復性の事故である場合には母線
側開閉器より負荷側に隣接する開閉器の投入を維持する
構成になっているため、回復性の事故では事故発生区間
を開放せず、停電区間を生じない配電線制御システムを
提供することを実現している。
閉器を投入した後に、事故の発生点の母線側に位置する
母線側開閉器を開放して、この母線側開閉器より母線側
に位置する開閉器の投入を維持し、事故が回復性の事故
である時には母線側開閉器より負荷側に隣接する開閉器
の投入を維持する構成になっているため、回復性の事故
では事故発生区間を開放せず、停電区間を生じない配電
線制御方法を提供することを実現している。
ており、配電線Lは変電所SSの母線Busに配電線引
出口遮断器FCBを介して接続され、配電線Lの適宜の
個所に開閉器Swが設けられる。開閉器SwのうちSw
6以外の全ての開閉器は投入状態に有り、従って配電線
L1乃至L6の区間は母線Bus1から給電され、配電
線L7の区間は母線Bus2から給電されている。以後
母線Bus1から給電される部分を第1配電線、母線B
us2から給電される部分を第2配電線ということにす
る。常時開放状態に有る開閉器Sw6の位置を、突き合
わせ点と呼ぶことが有る。
れ、配電線の事故を検出すると例えば0.7 秒後に遮断
器FCBを開放する。各開閉器Swには子局Kが設置さ
れ、子局K間が信号線Cで接続されるとともに、中継局
Tを介して親局Mに接続される。各子局Kの検出した信
号等は親局Mに送られ、また、親局からの指令が子局K
に伝えられる。
ている。このうち、開閉器Swの部分は接点CBと、事
故検出のための各種の検出器(零相変流器ZCT,零相
電圧検出器PD)と、接点CBの駆動部Dとを備える。
子局Kは、検出器からの各種信号に基づいて事故検出す
る地絡方向継電器67と、論理判断部CPU,通信部S
とから構成される。
を示している。この図において、12は論理和回路であ
り、地絡方向継電器67が事故検出したことをもって、
出力する。図1において、配電線L3に事故Fが発生し
たものとすると、子局K1,K2の論理和回路12が出
力し、論理和回路12の出力31は通信部Sから信号線
Cを介して上位子局(母線Busに近い側の子局)K1
に送られる。従って、上位子局K1にはその通信部Sを
介して子局K2の信号31が信号11として送られ、こ
の信号11は論理積回路13の否定入力部に印加される
ために、結果的には上位子局K1の論理積回路13は出
力しない。
K4,K5,K6では、地絡方向継電器67が動作せ
ず、従って信号31を子局K2に送ってこないので、配
電線L3の事故Fの時には、これに最も近い上位の子局
K2のみが、論理積回路13に信号を得る。論理積回路
13の信号は、いわゆる引外し信号であり、タイマー1
4で所定時間T1(例えば0.6秒)の継続を待って、当
該開閉器Sw2を開放する。
を付与した信号41として親局Mに送られる。今までの
説明から明らかなように、開閉器Swの開放動作に入る
子局は事故点に直近の母線側の子局のみであり、従って
親局が信号41を受信したときにはその子局名から事故
区間を標定できる。
能のみを示している。まず、子局から前記の信号41を
受信するとその子局名から事故点を標定し、次に現在突
き合わせ点となっている子局K6に対して開閉器Sw6
の投入指令信号23を送る。子局K6の論理判断部CP
U(図3参照)は、投入指令信号23を受信すると駆動
部Dを介して、開閉器Sw6を投入する。事故発生か
ら、開閉器Sw6の投入までは、約0.4 秒で完了し、
この状態では配電線引出口遮断器FCB及び全ての開閉
器Swが投入されており、停電区間は生じない。この期
間は全ての配電線は両方の母線から給電されている。
子局K2に対して開放指令21を送る。子局K2の論理
判断部CPU(図3参照)は、開放指令21を受信する
と、論理和回路16から駆動部Dを介して、開閉器Sw
2の開放を行う。開閉器Sw2の開放は、前記の突き合
わせ点の開閉器Sw6の投入直後に行われ、事故発生か
ら、約0.6 秒以内に行われる。開閉器Sw2は開放さ
れるが、これに先行して開閉器Sw6が投入されている
ため、開閉器Sw2の開放により停電区間が生じるわけ
ではない。以後は、開閉器Sw2の位置が突き合わせ点
になる。
s1から給電され、区間L3,L7が母線Bus2から
給電されるため、事故点Fは第1配電線(母線Bus1
から給電される部分)から、第2配電線(母線Bus2
から給電される部分)に移っている。このため、第1配
電線の事故は除去されたことになり、配電線引出口遮断
器FCB1の保護継電器Ry1は復旧する。
そのタイマー14は作動中であるが、タイムアップ前に
親局からの信号により開閉器Sw2が開放される。この
保護は、子局内部での開放指令と、親局からの開放指令
との二重に行われており、信頼性を高めたものとされて
いる。そのうえ、これらの対策を施しても、事故除去が
不首尾に終わったときには、0.7 秒後に配電線引出口
遮断器FCBが開放されることになり、この意味では三
重に後備保護されていることになる。
2配電線に移っているため、配電線引出口遮断器FCB
2の保護継電器Ry2が動作開始しており、このままで
は0.7 秒後に第2配電線の遮断器FCB2が開放され
てしまい、停電区間を生じてしまう。この対策のために
本発明においては、第2配電線に対して以下の処理を施
す。
施される。まず、図4において、親局Mは当初事故報告
してきた子局K2の負荷側子局K3に対して、事故区間
除去のための開放指令22を与える。開放指令22は論
理積回路15において、保護継電器67の動作を条件と
して駆動回路Dを介して開閉器Sw3を開放する。
ことにより、事故Fが回復性のものであり、この時点で
事故が解除されているときには保護継電器67は動作し
ておらず、論理積回路15の出力が成立しないので開閉
器Sw3は開放されない。このケースでは、開閉器Sw
2が開放したのみで事故発生の前後を通じて停電区間を
生じない。
線で継続している。このため、子局K3の保護継電器6
7は動作しており、論理積回路15の出力が成立して開
閉器Sw3を開放する。この永久事故のケースでは、開
閉器Sw2とSw3が開放され、区間L2に停電区間を
生じることにはなるが、この停電範囲を極小とすること
ができる。なお、この停電区間において、適宜の時期に
この区間に限定した再閉路操作を行うことは、放電性地
絡事故の短時間復旧を可能とする。
子局と、図4の親局の動作を時系列的に示したのが図5
であり、この動きは以上の説明から容易に理解できるこ
となので詳細説明を省略する。なお、図6と図7は、回
復性事故の場合と、永久事故の場合の各配電線区間の時
系列的な課電状況を示す。この図で左下方向の線の区間
が母線Bus1からの課電区間、右下方向の線の区間が
母線Bus2からの課電区間を示す。線が重なる区間は
両方の母線から課電されていることを意味し、線のない
部分は停電区間を示めしている。
せ点の投入,事故検出した子局の開放,事故検出した子
局の負荷側子局の開放といった操作を親局からの指令に
より逐次実施しているが、これは親局に頼ることなく、
子局間で実現することも可能である。例えば、事故検出
した子局がその旨を他の子局に通知し、これを受けて突
き合わせ子局,隣接子局が所定の時限を持って自己の局
の予定の操作を行うものでも良い。このような操作を行
うべきことは、予め親局から指示されているのがよい。
御システムでは、事故発生時に突き合わせ開閉器を投入
する手段と、事故の発生点の母線側に位置する母線側開
閉器を開放し、かつ、この母線側開閉器より母線側に位
置する開閉器の投入を維持する手段を備え、事故が回復
性の事故である場合には母線側開閉器より負荷側に隣接
する開閉器の投入を維持する構成になっていることか
ら、本願の配電線制御システムでは、回復性事故の場合
に停電区間を生じない配電線制御システムを提供するこ
とを実現している。
わせ開閉器を投入した後に、事故の発生点の母線側に位
置する母線側開閉器を開放して、この母線側開閉器より
母線側に位置する開閉器の投入を維持し、事故が回復性
の事故である時には母線側開閉器より負荷側に隣接する
開閉器の投入を維持する構成になっていることから、本
願の配電線制御方法では、回復性事故の場合に停電区間
を生じない配電線制御方法を提供することを実現してい
る。
す図。
図。
図。
器。
Claims (6)
- 【請求項1】母線に接続され、少なくとも1個以上の開
閉器を有する第1の配電線と、該第1の配電線の端部に
設けられ、平常時には開放される突き合わせ開閉器と、
該突き合わせ開閉器に接続された第2の配電線と、前記
第1の配電線の事故発生時に前記突き合わせ開閉器を投
入する突き合わせ開閉器投入手段と、前記突き合わせ開
閉器を投入した後に、前記事故発生点より母線側に隣接
する母線側開閉器を開放し、かつ該母線側開閉器より母
線側の開閉器の投入を維持する手段と、該母線側開閉器
の開放後に前記事故が回復性事故である場合に、前記母
線側開閉器の負荷側に隣接する負荷側開閉器の投入を維
持する負荷側開閉器投入維持手段を備えたことを特徴と
する配電線制御システム。 - 【請求項2】請求項1の配電線制御システムにおいて、
前記負荷側開閉器が事故発生を検出し、かつ外部より開
放指令が伝送された場合に投入維持を解除することを特
徴とする配電線制御システム。 - 【請求項3】請求項1の配電線制御システムにおいて、
前記開閉器は事故検出したとき自己の開閉器より母線側
にある開閉器の開放を停止する開放停止信号を出力する
開放停止信号出力手段と、事故を検出し、かつ自己の開
閉器より負荷側の開閉器から開放停止信号が入力されな
いときは、自己の開閉器を開放する開放判定手段とを備
えたことを特徴とする配電線制御システム。 - 【請求項4】請求項2または請求項3の配電線制御シス
テムにおいて、前記各開閉器は事故検出した際に、事故
検出信号を通信線を介して親局へ伝送する事故信号伝送
手段を備え、前記親局は各開閉器からの事故検出信号に
基づいて配電線中の事故点を標定する事故点標定手段
と、標定された事故発生点に隣接する前記母線側開閉器
に対して開放指令を出力する開放指令出力手段とを備え
ることを特徴とする配電線制御システム。 - 【請求項5】母線から第1の配電線に電力が給電され、
前記第1の配電線の端部に設けられた突き合わせ開閉器
は平常時には開放状態にされ、第2の配電線は前記突き
合わせ開閉器に接続される配電線制御方法において、前
記第1の配電線に事故が発生した場合に前記突き合わせ
開閉器は投入され、前記突き合わせ開閉器の投入後に前
記事故発生点より母線側に隣接する母線側開閉器は開放
され、該母線側開閉器より母線側に位置する開閉器は投
入を維持され、前記母線側開閉器の開放後に前記事故が
回復性の事故である時には、前記母線側開閉器より負荷
側に隣接する負荷側開閉器の投入を維持することを特徴
とする配電線制御方法。 - 【請求項6】請求項5記載の配電線制御方法において、
前記負荷側開閉器が事故発生を検出し、かつ外部より開
放指令が伝送された場合に投入維持を解除することを特
徴とする配電線制御方法。
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