JP3084423U - 介護用シャワー椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、肘掛けのしっかりした介護用シャワ
ー椅子の提供。 【解決手段】 背もたれと肘掛けを設けた介護用シャワ
ー椅子において、パイプで形成した肘掛けを背もたれ背
面に上下回動自在に枢支し、肘掛け使用状態で、該肘掛
けをシャワー椅子本体に設けた凹部に嵌入して支持する
構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、身体障害者や高齢者を座らせて洗浄するのに使用する、介護用シ ャワー椅子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

介護用シャワー椅子としては、脚部と背もたれの骨組みを金属製パイプで構成 し、これにプラスチック製の座板と背もたれを取り付けたものが一般的である。 実用新案登録第３０６７１１２号では、介護者の横倒れを防止するために肘掛け を取り付け、横方向から移乗するときの妨げにならないように、肘掛けを上下方 向に回動させられるようにしたものが開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような従来の回動式肘掛けでは、背もたれの骨組みを構成する金属製パ イプに溶接等によってヒンジ部を取り付けており、ヒンジ部は、肘掛けを水平位 置で使用するための回動ストッパーを必要とするため、部品や加工工程が増えて 構造が複雑になり、椅子が高価にならざるを得なかった。また回動ストッパーが ヒンジ部にあるために、立ち上がる時などに肘掛け先端部に大きな荷重が加わる と肘掛けの撓みが大きくなり、使用者に不安を抱かせていた。

【０００４】 この考案は、上記の問題点を解決するためになされたもので、安価で、肘掛け のしっかりした、使用者が安心して使用できる介護用シャワー椅子を提供するも のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の介護用シャワー椅子は、背もたれと肘掛けを設けた介護用シャワー 椅子において、パイプで形成した肘掛けを背もたれ背面に上下回動自在に枢支し 、肘掛け使用状態において、該肘掛けをシャワー椅子本体に設けた凹部に嵌入し て支持することを特徴とするものである。前記凹部は、座板の両側端部又は背も たれの両側端部に設けることが好ましい。凹部の形状としては、溝や凹陥部など 、肘掛けの一部を嵌入できる形状であればどんな形状でもよい。

【０００６】

【考案の実施の形態】

この考案の実施の形態を図１〜図６に従って説明する。図１は本考案による実 施例１の介護用シャワー椅子の斜視図である。図２は実施例１の介護用シャワー 椅子の背面の斜視図である。図３は実施例１の背もたれ部の分解図である。図４ は実施例１の介護用シャワー椅子の他の使用例を示す斜視図である。図５は本考 案による実施例２の介護用シャワー椅子の斜視図である。図６は本考案による実 施例３の介護用シャワー椅子の斜視図である。

【０００７】 実施例１においては、図１に示すように、介護用シャワー椅子１は、座板２と 、該座板２の下面に取り付けられた脚３と，前記座板２の後方に金属製の背もた れ固定用パイプ６を介して取り付けられた背もたれ７と、該背もたれ７の背面に 上下回動自在に枢支された肘掛け８から構成されている。

【０００８】 座板２は、例えばポリエチレン樹脂などのプラスチックからなり、ブロー成形 により平面形状がほぼ矩形状に形成されている。また、座板２には、水抜き用の 複数の貫通孔２１が設けられている。座板２の両側端部には、肘掛け８を使用す るときに嵌入して支持する、断面がほぼＵ字形状の溝２２が前後方向に設けられ ている。

【０００９】 脚３は、金属製パイプを曲げ加工して形成されたもので、ビスにより、座板２ の裏面に固定されている。また、各脚３の下方には、座板２の高さを調整するた めの伸縮パイプ４が外嵌されている。伸縮パイプ４の接地部には、ゴム状弾性体 からなる滑り止め５が設けられている。

【００１０】 背もたれ７は、例えばポリエチレン樹脂などのプラスチックからなり、ブロー 成形により正面形状がほぼ矩形状に形成されている。背もたれ７の上辺部中央部 には、持ち運び時に把持するのに便利なように長孔７１が形成されている。

【００１１】 肘掛け８は、金属製パイプを曲げ加工して形成されたもので、肘掛け部８１の 先端部からほぼ直角に曲げられて支柱部８２が形成され、その先はさらに同じ方 向にほぼ直角に曲げられて、座板２に設けた凹部２２への当接部８３が形成され ている。その先はさらに同じ方向にほぼ直角に曲げられて、先端で肘掛け部８１ に接している。肘掛け部８１には、軟質材料よりなる肘当て部材８４が固定され ている。

【００１２】 図２、図３に示すように、背もたれ７の背面の左右２ヶ所には、ほぼＴ字形状 でプラスチック製のパイプ捜着部材９が、インサート成形により埋込固定されて いる。パイプ捜着部材９には、水平方向の肘掛けパイプ捜着孔９１と、垂直方向 の背もたれ固定用パイプ捜着孔９２が設けられている。背もたれ固定用パイプ捜 着孔９２の壁には、係止孔９３が貫通している。背もたれ固定用パイプ６の上方 には、挿通孔６１と、該挿通孔６１に弾性的に出没しうる固定ピン６２が設けら れている。

【００１３】 背もたれ７は、固定ピン６２を内方に押し込んで没入させ、背もたれ固定用パ イプ６を背もたれ固定用パイプ捜着孔９２に挿入し、固定ピン６２を係止孔９３ に嵌入させて固定されている。

【００１４】 肘掛け８の枢支側には、２個の挿通孔８５が設けられ、該挿通孔８５には弾性 的に出没しうるピン８６がそれぞれ設けられている。肘掛け８は、該ピン８６を 内方に押し込んで没入させることで、パイプ捜着部材９に対し捜脱自在となって おり、介護用シャワー椅子を、片方または両方の肘掛け８を取り外して使用する こともできる。肘掛けパイプ捜着孔９１に一端を挿入されて上下回動自在に枢支 された肘掛け８は、２個のピン８６により左右方向の位置ずれを防止される。

【００１５】 肘掛け８を使用する状態では、肘掛け８の当接部８３が座板２の両側端部の溝 ２２内に嵌入して支持されており、溝２２が肘掛け８の回動ストッパーとなって いる。荷重を負荷された肘掛け８は、支柱部８２を介してシャワー椅子本体で支 えられるので、ぐらついたり撓んだりすることがない。

【００１６】 身体障害者等を介護用シャワー椅子１に座らせる時は、図１のように、肘掛け ８を上方に回動すると、移乗スペースができるので、楽に座らせることができる 。もう一つの方法として、図４に示すように、肘掛け８を若干上方に回動して（ ａ）座板２の溝２２から外し、先端側のピン８６を内方に押し込んで没入させ、 肘掛け８をパイプ捜着部材９から抜き出す方向に移動させてから（ｂ）下方に回 動（ｃ）して、移乗スペースを確保してもよい。

【００１７】 なお、実施例１において、挿通孔８５とピン８６をそれぞれ２個設けたが、先 端側の１個のみとしてもよい。この場合は、このピン８６によって肘掛け８のパ イプ捜着部材９からの抜け出しが防止される。

【００１８】 実施例２においては、図５に示すように、図１の溝２２の代わりに、座板２の 両側端前方部に平面視ほぼ円状の凹陥部２３が設けられている。肘掛け８には図 １のような当接部８３のない構成とし、支柱部８２の下部に当接部材８５が固着 されている。凹陥部２３と当接部材８５は円錐形に形成されている。肘掛け８を 使用する状態では、この当接部材８５を座板２の凹陥部２３に嵌入して支持させ ている。その他の構成は、実施例１と同様である。なお、実施例２において、凹 陥部２３の底部に貫通孔を設けても良い。

【００１９】 実施例３においては、図６に示すように、図１の座板２の両側端部の溝２２の 代わりに、背もたれ７の両側端部に断面がほぼＵ字形状の溝７２が設けられてい る。肘掛け８には図１のような支柱部８２と当接部８３のない構成とし、肘掛け ８を使用する状態では、肘掛け部８１の一部を背もたれ７の両側端部の溝７２に 嵌入して支持させている。その他の構成は、実施例１と同様である。

【００２０】 実施例３の構成では、支柱部８２がないので、介助者による洗浄・介助作業が しやすくなる。また、肘掛け８が軽量なので、上下に回動させるのが容易になる 。

【００２１】 なお、本考案の実施例においては、座板を平面視ほぼ矩形状としたが、介護者 の局部を洗浄しやすいように、座板前方部に切り欠きを設けても良い。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の介護用シャワー椅子によれば、肘掛けのヒンジ や回動ストッパーとして特別な部品や複雑な加工を要しないので、コストダウン が計れ、安価な介護用シャワー椅子を提供することができる。

【００２３】 また、肘掛けの負荷位置に近い部分を本体部で支えるので、肘掛けが撓みにく い。さらに、肘掛けを本体に設けた凹部に嵌入して支持するので、肘掛けがぐら つくことがなく、使用者が安心して使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による実施例１の介護用シャワー椅子の
斜視図

【図２】実施例１の介護用シャワー椅子の背面の斜視図

【図３】背もたれ部の分解図

【図４】実施例１の介護用シャワー椅子の他の使用例を
示す斜視図

【図５】本考案による実施例２の介護用シャワー椅子の
斜視図

【図６】本考案による実施例３の介護用シャワー椅子の
斜視図

【符号の説明】

１ 介護用シャワー椅子 ２ 座板 ２２、７２ 溝（凹部） ２３ 凹陥部（凹部） ３ 脚 ４ 伸縮パイプ ５ 滑り止め ６ 背もたれ固定用パイプ ７ 背もたれ ８ 肘掛け ９ パイプ捜着部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 背もたれと肘掛けを設けた介護用シャワ
   ー椅子において、パイプで形成した肘掛けを背もたれ背
   面に上下回動自在に枢支し、肘掛け使用状態で、該肘掛
   けをシャワー椅子本体に設けた凹部に嵌入して支持する
   ことを特徴とする介護用シャワー椅子。
2. 【請求項２】 前期凹部を座板の両側端部に設けた請求
   項１記載の介護用シャワー椅子
3. 【請求項３】 前期凹部を背もたれの両側端部に設けた
   請求項１記載の介護用シャワー椅子