JP3084417U - 下半身用下着 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大腿部内側等に群生する体毛を引張られて痛
みを生ずることがなく、また、局部がメッシュを通して
露呈することもなく、安心して使用でき、更には、着座
時等においても違和感を生じず、快適な着用感を得るこ
とができ、また、局部近傍の通気性を確保して、当該局
部の蒸れを大幅に軽減できる下半身用下着を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 腰バンド部(B)を上端に備えた被覆生地
(A)が、二重組織生地(1)とメッシュ編地(2)との縁部相
互を縫合して形成され、二重組織生地(1)は、下腹部、
股部、着座時に座面と当接する臀部当接部、及び大腿部
内側を被覆するとともに、メッシュ編地(2)は、腰部側
面及び該腰部側面に連続する大腿部外側を被覆するもの
とした下半身用下着を解決手段とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、メッシュ編地を使用した下半身用下着（以下、単に、下半身用下着 という。）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メッシュ編地を使用した下半身用下着としては、例えば、登録実用新案第３０ ７５２４６号に開示されるように、股中央部をフライス編地で形成し、前記股中 央部の両側部およびこれに連なる脚部をメッシュ編地で形成したことを特徴とす る下半身用下着（以下、先行技術という。）が公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記先行技術に係る下半身用下着は、股中央部即ち、下腹部、 股部、臀部の夫々における中央部のみとなる言わば褌部分をフライス生地で隠し 、他の部分をメッシュ編地によって編成されるものであることから、当該下半身 用下着のみを着用した状態において、以下に示す数多くの不都合を生じるもので あった。

【０００４】 先ず、大腿部が全てメッシュ編地によって形成されているため、一般に大腿部 内側に群生し易い体毛がメッシュ編地のループを容易に通過し、当該体毛がメッ シュ編地に引っ掛って、着用者の動きによって当該体毛が引っ張られることとな り、大腿部内側において痛みを生じやすい不都合があった。

【０００５】 また、股中央部のみしかフライス生地で隠さず、該股中央部生地は褌のように 生地を上方へ締め上げる等の手段が採られず、専ら、脚部を被覆するメッシュ編 地に縫合される構成であることから、特に男性が着用する場合、局部が股中央部 の横からメッシュを通して露呈することが多く、自宅において下着で過ごす場合 や、社内等における着替場所で着替えを行う場合等において、非常に周囲に気を 遣い、安心して使用できないものであった。

【０００６】 更に、当該先行技術に係る下半身用下着は、着座時に座面と当接する臀部当接 面内に股中央部とメッシュ編地との生地の境界が形成されているために、椅子に 腰掛けた場合などに違和感を覚えやすく、快適な着用感を得難いものであった。

【０００７】 また、一重組織であるフライス生地によって局部を隠すことから、編目を通し て局部が透けることを防止する必要から、編目は極力小さく形成され、通常状態 において、吸汗性は認められるものの、十分な通気性は得られないものであった 。

【０００８】 本考案はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、大腿部内側等に群生する 体毛を引張られて痛みを生ずることがなく、また、局部がメッシュを通して露呈 することもなく、安心して使用でき、更には、着座時等においても違和感を生じ ず、快適な着用感を得ることができ、また、局部近傍の通気性を確保して、当該 局部の蒸れを大幅に軽減することができる、優れた下半身用下着を提供すること を課題とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

二重組織生地とメッシュ編地の縁部相互を縫合して形成され、二重組織生地は 、下腹部、股部、着座時に座面と当接する臀部当接部、及び大腿部内側を被覆す るとともに、メッシュ編地は、腰部側面及び該腰部側面に連続する大腿部外側を 被覆するものとしたことを特徴とする下半身用下着を、課題を解決するための手 段とするものである。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、二重組織生地によって大腿部内側を被覆する構成としたこと から、大腿部内側に群生する体毛がメッシュ編地に引っ張られることがなく、着 用者が痛みを感じることがない。

【００１１】 また、本考案によれば、股中央部から大腿部内側までを連続的に被覆する構成 によって、局部が股中央部の横からメッシュを通して露呈することがなく、自宅 において下着で過ごす場合や、社内等における着替場所で着替えを行う場合等に おいても、周囲に気遣いすることなく、安心して当該下半身用下着を使用するこ とができる。

【００１２】 更に、本考案においては、臀部被覆生地が、着座時に座面と当接する臀部当接 部を被覆するものとしたことから、メッシュ編地と二重組織生地の境界部分が、 臀部当接部と座面との間に挟まれることがなく、着座によって生ずる違和感を防 止することができる。

【００１３】 尚、下腹部、股部、臀部当接部、大腿部内側の全てを連続一体として二重組織 生地で被覆した場合には、当該被覆箇所において生地の縫目が形成されないこと から、着座による違和感を完全に解消することができるとともに、縫製作業を容 易とすることができる。

【００１４】 また、二重組織生地をスムース生地とした場合には、編組織におけるループを 極端に小径化しなくても、二重組織によって、当該局部等の被覆部分が外観上マ スクされることとなり、着用状態において局部が編組織を通して露呈することを 防止する効果を確保しつつ、当該スムース生地の通気性を良好とすることができ 、二重組織生地の吸汗性と相乗的に作用して、局部等の蒸れを防止することがで きる。

【００１５】

【考案の実施の形態及び実施例】

図１は本考案の実施例１に係る下半身用下着の正面図、図２は同実施例１に係 る下半身用下着の背面図、図３は実施例２に係る下半身用下着の正面図、図４は 同実施例２に係る下半身用下着の背面図、図５は本考案の実施例３に係る下半身 用下着の正面図、図６は本考案の実施例３に係る下半身用下着の背面図、図７は 他の実施例に係る下半身用下着の正面図を示す説明図である。

【００１６】 本考案の実施例１に係る下半身用下着は、図１及び図２に示すように、トラン クス形状を有するものであり、当該下半身用下着形状となる被覆生地(A)と、該 被覆生地(A)の上縁部となる腰部周囲に設けられる腰バンド部(B)とからなり、当 該被覆生地(A)は、二重組織生地(1)とメッシュ編地(2)との縫合によって形成さ れるものである。

【００１７】 ここで、二重組織生地(1)は、綿糸で編成されたスムース生地(1a)を使用した ものであり、下腹部及び股部を被覆する中央被覆生地(10)と、着座時に座面と当 接する臀部当接部を被覆する臀部被覆生地(11)と、大腿部内側を被覆する大腿部 被覆生地(12)(12)とからなり、 中央被覆生地(10)の下縁部と臀部被覆生地(11)の前縁部、中央被覆生地(10)の 側縁部と大腿部被覆生地(12)(12)の側縁部とを、夫々縫合して一体として、当該 被覆生地(B)の形態を、下半身に沿うようにしたものである。

【００１８】 当該二重組織生地(1)における中央被覆生地(10)は、一般の下半身用下着と同 様に、前開き部形成用生地(13)を裏側から重合するとともに、当該中央被覆生地 (10)の側端の一部を切り欠いた形状とすることによって前開き部を形成している 。当該前開き部形成用生地(13)はスムース生地(1a)によって形成されるものとし たことから、中央被覆部分の一部は、スムース生地(1a)を二枚重ね（即ち、組織 が四重となる状態）とした状態となる。

【００１９】 また、臀部被腹部(11)は、前記したように着座時に座面と当接する臀部当接部 のすべてを被覆すべく、中央被覆生地の幅（１５ｃｍ程度）よりも太幅（２５ｃ ｍ程度）として形成される。

【００２０】 メッシュ編地(2)は、腰部側面と、該腰部側面に連続する大腿部外側を被覆す るものであり、３５メッシュ程度に編成した構成としており、当該メッシュ編地 (2)は、前記二重組織生地(1)における中央被覆生地(10)、臀部被覆生地(11)、大 腿部被覆生地(12)(12)の夫々の側縁部に縫合され、これによって、下半身用下着 形状の被覆生地(A)が形成される。

【００２１】 また、本実施例１に係る腰バンド部(B)は、ゴム繊維を編糸に使用した強伸縮 性生地を使用している。

【００２２】 尚、本考案に係る下半身用下着においては、上記実施例１に示したトランクス 形状に限定されるものではなく、例えば、図３及び図４に実施例２として示すよ うに、ブリーフ形状とすることもできる。この場合においても股部の両側となる 大腿部内側が大腿部被覆生地(12)によって被覆されることは言うまでもない。

【００２３】 次に、本考案の実施例３に係る下半身用下着は、縫製作業の簡素化を図るべく 、図５及び図６に示すように、下腹部、股部、臀部当接部、大腿部内側の全てを 連続一体として、スムース生地(1a)で被覆したものである。

【００２４】 ここで、下腹部位置についてのみ、前開き部を形成すべく、別のスムース生地 (1a)となる前開き部形成用生地(13)を重合した構成としている。腰バンド部(3) 及びメッシュ編地(2)は、実施例１と同様の形態を有するものである。

【００２５】 本実施例３における前開き部形成用生地(13)は、下腹部位置裏面側に縫合され ているが、下腹部位置表面側に縫合することもできる。

【００２６】 本考案においては、上記実施例に限られるものではなく、二重組織生地(1)は 、下腹部、臀部当接部、股部、大腿部内側のみを被覆するのであれば、中央部被 覆部材(10)、臀部被覆部材(11)及び大腿部被覆部材(12)(12)の３種類の生地から なることを特に要件とするものではなく、例えば、図７に示すように、中央部被 覆部材(10)を股部のみを被覆する股部被覆部材(15)と下腹部のみを被覆する下腹 部被服部材(14)とからなるものとすることもでき、当該生地の裁断縫製は、自由 に設定することができる。尚、特に、実施例１のように、中央部被覆部材(10)、 臀部被覆部材(11)及び大腿部被覆部材(12)(12)の３種類の生地からなるものとし た場合には、製造時における生地の有効利用を図ることができる。

【００２７】 また、二重組織生地(1)、メッシュ編地(2)のいずれについても、編糸について は、綿糸に限るものではなく、例えばポリエステル等、種々の合成繊維等を使用 することができる。

【００２８】 更に、本考案の実施例に係る下半身用下着は、いずれも男性用下着を示したも のであるが、女性が着用する場合であっても、同様の効果を十分に得ることがで きる。この場合、前開き部の形成は省略することができる。

【００２９】 また、腰バンド部(3)は、被覆生地から別個独立したものである必要はなく、 図示省略するが、二重組織生地(1)及びメッシュ編地(2)の上端において折返し端 部を重合縫着して形成される通路内にゴム紐を通したものでもよいし、また、当 該ゴム紐に代えて伸縮性を有しない紐を使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１に係る下半身用下着の正面図
である。

【図２】本考案の実施例１に係る下半身用下着の背面図
である。

【図３】本考案の実施例２に係る下半身用下着の正面図
である。

【図４】本考案の実施例２に係る下半身用下着の背面図
である。

【図５】本考案の実施例３に係る下半身用下着の正面図
である。

【図６】本考案の実施例３に係る下半身用下着の背面図
である。

【図７】本考案の他の実施例に係る下半身用下着の正面
図である。

【符号の説明】

(1) 二重組織生地 (1a) スムース生地 (10) 中央部被覆生地 (11) 臀部被覆生地 (12) 大腿部被覆生地 (13) 前開き部形成用生地 (14) 下腹部被覆生地 (15) 股部被覆生地 (2) メッシュ編地 (A) 被覆生地 (B) 腰バンド部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 腰バンド部(B)を上端に取付けられる被
   覆生地(A)が、二重組織生地とメッシュ編地との縁部相
   互を縫合して形成された下半身用下着において、 二重組織生地(1)は、下腹部、股部、着座時に座面と当
   接する臀部当接部、及び大腿部内側を被覆するととも
   に、 メッシュ編地(2)は、腰部側面及び該腰部側面に連続す
   る大腿部外側を被覆するものとしたことを特徴とする下
   半身用下着。
2. 【請求項２】 二重組織生地(1)は、下腹部及び股部を
   被覆する中央被覆生地(10)と、 臀部当接部を被覆し、且つ前記中央被覆生地(10)の下端
   部と連続する臀部被覆生地(11)と、 前記中央被覆生地(10)、臀部被覆生地(11)の少なくとも
   いずれか一つの生地の側端部に連続し、且つ大腿部内側
   を被覆する大腿部被覆生地(12)(12)とからなることを特
   徴とする請求項１記載の下半身用下着。
3. 【請求項３】 二重組織生地(1)は、下腹部、股部、臀
   部当接部、大腿部内側の全てを連続一体として被覆する
   ものとしたことを特徴とする請求項１記載の下半身下
   着。
4. 【請求項４】 二重組織生地(1)は、スムース生地(1a)
   としたことを特徴とする請求項１、２又は３記載の下半
   身用下着。