JP3083763B2 - ハイブリッド型超電導磁石 - Google Patents
ハイブリッド型超電導磁石Info
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- JP3083763B2 JP3083763B2 JP21406796A JP21406796A JP3083763B2 JP 3083763 B2 JP3083763 B2 JP 3083763B2 JP 21406796 A JP21406796 A JP 21406796A JP 21406796 A JP21406796 A JP 21406796A JP 3083763 B2 JP3083763 B2 JP 3083763B2
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- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は超電導磁石に関し、特に
ハイブリッド型超電導磁石の巻線に関する。
ハイブリッド型超電導磁石の巻線に関する。
【０００２】
【従来の技術】液体ヘリウムで冷却するハイブリッド型
超電導磁石は従来から知られている。１０Ｔ（テラス）
以上の磁場を発生させる場合には、図４に示すように、
内側コイル巻枠１にＮｂ3Ｓｎ線材で巻線された超電導
コイル２と、該超電導コイル２の外側に近接して、外側
コイル巻枠３にＮｂＴｉ線材で巻線された超電導コイル
４を組み合わせる方式が一般に知られている。超電導コ
イルは電流と磁場によって強い電磁力を受ける。電磁力
はコイルの径方向（矢印Ｈ方向）へ膨らむ方向に働く。
電磁力によって巻線された超電導線材Ｎｂ3Ｓｎが動く
とクエンチ（超電導状態が壊れること）を引き起こすた
め、通常、電磁力に対抗できる強い張力で線材は巻線さ
れている。
超電導磁石は従来から知られている。１０Ｔ（テラス）
以上の磁場を発生させる場合には、図４に示すように、
内側コイル巻枠１にＮｂ3Ｓｎ線材で巻線された超電導
コイル２と、該超電導コイル２の外側に近接して、外側
コイル巻枠３にＮｂＴｉ線材で巻線された超電導コイル
４を組み合わせる方式が一般に知られている。超電導コ
イルは電流と磁場によって強い電磁力を受ける。電磁力
はコイルの径方向（矢印Ｈ方向）へ膨らむ方向に働く。
電磁力によって巻線された超電導線材Ｎｂ3Ｓｎが動く
とクエンチ（超電導状態が壊れること）を引き起こすた
め、通常、電磁力に対抗できる強い張力で線材は巻線さ
れている。
【０００３】しかし、１０Ｔ以上の強磁場を発生させる
ためにはＮｂ3Ｓｎに代表される化合物系の超電導線材
が使用されるが、化合物系の超電導線材は力を加えると
簡単に破壊してしまうため張力をかけて巻くことができ
ない。それゆえ、通常はエポキシ等の樹脂でコイル２を
含浸して固めており、さらに、樹脂を含浸させたコイル
２表面にステンレス線等の高強度の線を強い張力で補強
巻線５することにより、電磁力が働いても超電導線が移
動しないようにさせている。
ためにはＮｂ3Ｓｎに代表される化合物系の超電導線材
が使用されるが、化合物系の超電導線材は力を加えると
簡単に破壊してしまうため張力をかけて巻くことができ
ない。それゆえ、通常はエポキシ等の樹脂でコイル２を
含浸して固めており、さらに、樹脂を含浸させたコイル
２表面にステンレス線等の高強度の線を強い張力で補強
巻線５することにより、電磁力が働いても超電導線が移
動しないようにさせている。
【０００４】上記従来の構造では、内側コイル２と外側
コイル４の間に補強巻線５と外側コイル巻枠３とこれら
の間の空間が存在するため、全体としての外径が大きく
なる。その上、外側コイル４の内径が大きくなると、発
生する磁場の効率が低下するため外側コイル４の内径は
小さければ小さいほど良く、コイル巻線の他に補強巻線
を施す作業も必要である。さらに、この種のハイブリッ
ド型超電導コイルを冷凍機伝導冷却型超電導磁石装置に
適用すると、超電導コイルを熱伝導だけで冷却するため
に、巻枠１、３を熱伝導度の良い銅等の材料を使用する
必要があるが、外側コイル巻枠３に銅等の部材を使用す
ると巻線張力で巻枠が変形する。また、励磁時には渦電
流が発生して発熱の原因になるという問題点がある。
コイル４の間に補強巻線５と外側コイル巻枠３とこれら
の間の空間が存在するため、全体としての外径が大きく
なる。その上、外側コイル４の内径が大きくなると、発
生する磁場の効率が低下するため外側コイル４の内径は
小さければ小さいほど良く、コイル巻線の他に補強巻線
を施す作業も必要である。さらに、この種のハイブリッ
ド型超電導コイルを冷凍機伝導冷却型超電導磁石装置に
適用すると、超電導コイルを熱伝導だけで冷却するため
に、巻枠１、３を熱伝導度の良い銅等の材料を使用する
必要があるが、外側コイル巻枠３に銅等の部材を使用す
ると巻線張力で巻枠が変形する。また、励磁時には渦電
流が発生して発熱の原因になるという問題点がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】冷凍機伝導冷却型超電
導磁石装置に使用してもコイル巻枠が変形することな
く、内側コイル２の補強巻線をする必要がなく、コイル
全体の外径を小型化でき、励磁時の渦電流による発熱を
抑制するとともに電磁力を支持できる構造のハイブリッ
ド型超電導コイルを提供することを目的とする。
導磁石装置に使用してもコイル巻枠が変形することな
く、内側コイル２の補強巻線をする必要がなく、コイル
全体の外径を小型化でき、励磁時の渦電流による発熱を
抑制するとともに電磁力を支持できる構造のハイブリッ
ド型超電導コイルを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】内側コイル巻枠１に化合
物系超電導線を券回した内側コイル２の外側表面に、半
割にした外側コイル巻枠３、３´を密着させ、該外側コ
イル巻枠３、３´に超電導線を張力をかけて券回して外
側コイル４を形成させるとともに、該外側コイル巻枠
３、３´で内側コイル２を押圧保持したことを特徴とす
る。
物系超電導線を券回した内側コイル２の外側表面に、半
割にした外側コイル巻枠３、３´を密着させ、該外側コ
イル巻枠３、３´に超電導線を張力をかけて券回して外
側コイル４を形成させるとともに、該外側コイル巻枠
３、３´で内側コイル２を押圧保持したことを特徴とす
る。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１ないし図３により本発明にか
かるハイブリッド型超電導コイルの実施態様を示す。図
１は本発明にかかるハイブリッド型超電導コイルの縦断
面図、図２は平面図、図３は内側コイル外側表面に外側
コイル巻枠を密着させた状態を示す斜視図である。本発
明では銅合金製の内側コイル巻枠１に化合物系超電導線
材であるＮｂ3Ｓｎ線材が巻線されている。そして、巻
線された線材はエポキシ等の樹脂で含浸・固化され内側
コイル２を形成している。なお、コイル線材として、Ｎ
ｂ3Ｓｎの他Ｖ3ＧａやＮｂ3Ａｌ等の他の化合物系超電
導線材や酸化物超電導線材が採用される。
かるハイブリッド型超電導コイルの実施態様を示す。図
１は本発明にかかるハイブリッド型超電導コイルの縦断
面図、図２は平面図、図３は内側コイル外側表面に外側
コイル巻枠を密着させた状態を示す斜視図である。本発
明では銅合金製の内側コイル巻枠１に化合物系超電導線
材であるＮｂ3Ｓｎ線材が巻線されている。そして、巻
線された線材はエポキシ等の樹脂で含浸・固化され内側
コイル２を形成している。なお、コイル線材として、Ｎ
ｂ3Ｓｎの他Ｖ3ＧａやＮｂ3Ａｌ等の他の化合物系超電
導線材や酸化物超電導線材が採用される。
【０００９】前記内側コイル２の外側表面に、半割にさ
れた外側コイル巻枠３、３´を巻枠３、３´の接合面に
絶縁部材６を介して密着させ、巻枠３、３´にＮｂＴｉ
線材を張力をかけて巻線し、外側コイル４を形成してい
る。なお、外側コイル巻枠３、３´のフランジＦ、Ｆ´
内周面にインロウ部７を付けることにより外側コイル巻
枠３、３´の巻胴部Ｄ、Ｄ´により内側コイル２を半径
方向に確実に押圧させることができる。
れた外側コイル巻枠３、３´を巻枠３、３´の接合面に
絶縁部材６を介して密着させ、巻枠３、３´にＮｂＴｉ
線材を張力をかけて巻線し、外側コイル４を形成してい
る。なお、外側コイル巻枠３、３´のフランジＦ、Ｆ´
内周面にインロウ部７を付けることにより外側コイル巻
枠３、３´の巻胴部Ｄ、Ｄ´により内側コイル２を半径
方向に確実に押圧させることができる。
【００１０】上記の構造とすることにより、内側コイル
２が半割にされた外側コイル巻枠３、３´の巻胴部Ｄ、
Ｄ´で押圧保持されているため内側コイル２に径方向の
電磁力がかかっても内側コイル２が移動することがな
く、クエンチを引き起こす恐れはない。また、外側コイ
ル巻枠３、３´の接合面に絶縁部材６が介在しているた
め、該巻枠３、３´を銅合金製にしても渦電流による発
熱が抑制される。
２が半割にされた外側コイル巻枠３、３´の巻胴部Ｄ、
Ｄ´で押圧保持されているため内側コイル２に径方向の
電磁力がかかっても内側コイル２が移動することがな
く、クエンチを引き起こす恐れはない。また、外側コイ
ル巻枠３、３´の接合面に絶縁部材６が介在しているた
め、該巻枠３、３´を銅合金製にしても渦電流による発
熱が抑制される。
【００１１】
【発明の効果】本発明では、化合物系超電導線材製の内
側コイル２が半割にされた外側コイル巻枠で強圧保持し
ているので、従来のような補強巻線が不要となり、コイ
ル径を小径にできる。したがつて、超電導磁石装置の小
型化、低コスト化に寄与できる。さらに、冷凍機伝導冷
却型超電導磁石装置に適用する際、外側コイル巻枠材料
として熱伝導の良い銅合金が使用できるのでコイルの冷
却効率が良く、しかも、渦電流の発生を防止し、該渦電
流による発熱も抑制できる。
側コイル２が半割にされた外側コイル巻枠で強圧保持し
ているので、従来のような補強巻線が不要となり、コイ
ル径を小径にできる。したがつて、超電導磁石装置の小
型化、低コスト化に寄与できる。さらに、冷凍機伝導冷
却型超電導磁石装置に適用する際、外側コイル巻枠材料
として熱伝導の良い銅合金が使用できるのでコイルの冷
却効率が良く、しかも、渦電流の発生を防止し、該渦電
流による発熱も抑制できる。
【図１】本発明にかかるハイブリッド型超電導コイルの
縦断面図。
縦断面図。
【図２】図１の平面図。
【図３】本発明にかかるハイブリッド型超電導コイルの
内側コイルに外側コイル巻枠を密着させた状態の斜視
図。
内側コイルに外側コイル巻枠を密着させた状態の斜視
図。
【図４】従来のハイブリッド型超電導コイルの縦断面
図。
図。
１ 内側コイル巻枠 ２
内側コイル ３、３´ 外側コイル巻枠 ４
外側コイル ５ 補強巻線 ６
絶縁部材 ７ インロー部 Ｄ、Ｄ´ 巻胴部 Ｆ、Ｆ´
フランジ
内側コイル ３、３´ 外側コイル巻枠 ４
外側コイル ５ 補強巻線 ６
絶縁部材 ７ インロー部 Ｄ、Ｄ´ 巻胴部 Ｆ、Ｆ´
フランジ
Claims (4)
- 【請求項１】内側コイル巻枠（１）に化合物系超電導線
を券回した内側コイル（２）の外側表面に、半割にした
外側コイル巻枠（３）、（３´）を密着させ、該外側コ
イル巻枠（３）、（３´）に超電導線を張力をかけて券
回して外側コイル（４）を形成させるとともに、該外側
コイル巻枠（３）、（３´）で内側コイル（２）を押圧
保持したことを特徴とするハイブリッド型超電導磁石。 - 【請求項２】半割にした外枠コイル巻枠（３）、（３）
の接合面に、絶縁部材（９）を介在させていることを特
徴とする請求項１記載のハイブリッド型超電導磁石。 - 【請求項３】外側コイル巻枠（３）、（３´）のフラン
ジ（Ｆ）、（Ｆ´）内周面にインロウ部（１０）を設け
ていることを特徴とする請求項１または請求項２記載の
ハイブリッド型超電導磁石。 - 【請求項４】内側コイルを構成する化合物系超電導線
は、Ｎｂ3Ｓｎ、Ｖ3Ｇａ、Ｎｂ3Ａｌのうちから選択さ
れ、外側コイルを構成する超電導線はＮｂＴｉ材である
ことを特徴とする請求項１または請求項２または請求項
３記載のハイブリッド型超電導磁石。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21406796A JP3083763B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ハイブリッド型超電導磁石 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21406796A JP3083763B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ハイブリッド型超電導磁石 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1041123A JPH1041123A (ja) | 1998-02-13 |
| JP3083763B2 true JP3083763B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=16649709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21406796A Expired - Fee Related JP3083763B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | ハイブリッド型超電導磁石 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3083763B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6355914B2 (ja) * | 2013-11-22 | 2018-07-11 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 超電導コイル及びその超電導コイルの製作方法 |
| CN106504849B (zh) * | 2016-12-14 | 2018-10-26 | 云南电网有限责任公司电力科学研究院 | 一种高温超导线圈骨架 |
| CN106762174A (zh) * | 2016-12-23 | 2017-05-31 | 广州三业科技有限公司 | 断油装置和柴油机 |
| JP2018011078A (ja) * | 2017-09-19 | 2018-01-18 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 高温超電導コイル及びその高温超電導コイルの製作方法 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP21406796A patent/JP3083763B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1041123A (ja) | 1998-02-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |