JP2561064Y2 - 超電導ウィグラ - Google Patents

超電導ウィグラ

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JP2561064Y2
JP2561064Y2 JP2291293U JP2291293U JP2561064Y2 JP 2561064 Y2 JP2561064 Y2 JP 2561064Y2 JP 2291293 U JP2291293 U JP 2291293U JP 2291293 U JP2291293 U JP 2291293U JP 2561064 Y2 JP2561064 Y2 JP 2561064Y2
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coil
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thermal expansion
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行雄 三上
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、超電導磁石を用いたウ
ィグラに関し、特に、クエンチ現象を防止する構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】ウィグラは、電子蓄積リング装置内に放
射線源として備えられ、装置のビームダクト内を進行す
る電子ビームに対して磁場を印加することによって、電
子軌道を曲げて放射光を発生させるものである。放射光
は、例えば、半導体素子の製造工程においてパターンを
形成するための露光用光として用いられる。ここで、形
成されるパターンの大きさは、露光用光の波長に依存し
て定まるものである。
【0003】半導体の分野においては素子の小型化や高
密度化に伴って微細なパターンを形成することが所望さ
れており、これを実現できる短い波長の放射光を発生す
るウィグラが所望されている。放射光の波長を短くする
ためには、電子ビームに印加する磁場を強くすることが
必要であり、このために通常の電磁石よりも強い磁場の
得られる超電導磁石を用いたウィグラ(以後、超電導ウ
ィグラと呼ぶ)が用いられる。
【0004】図3(a)および(b)は、従来の超電導
ウィグラを示す横断面図(切断線A−A)および縦断面
図である。図3(a)および(b)において、この超電
導ウィグラは、所定間隔をおいて図中上下方向に対向配
設された一対のヨーク10と、一対のヨーク10それぞ
れに埋設され、レーストラック型を呈する主コイル20
および2つの補助コイル30と、埋設された各コイルの
レーストラック型における直線部分の外側、即ち、各コ
イル間ならびに補助コイル30とヨーク10との間に挿
入されたくさび受け51およびくさび52と、一対のヨ
ーク10間に配設されたビームダクト60とを有してい
る。主コイル20および補助コイル30はそれぞれ、レ
ーストラック型を呈する巻枠(図示せず)に超電導線材
が巻回されて成る超電導磁石である。
【0005】以上のように構成されるこの超電導ウィグ
ラは、主コイル20および2つの補助コイル30を励磁
することによって、ビームダクト60内を進行する電子
ビームに対して磁場を印加して電子ビームの軌道を曲げ
ることにより、放射光を発生させることができる。
【0006】ところで、超電導磁石には、超電導状態か
ら常電導状態に相転移するクエンチ現象と呼ばれる現象
が発生することが知られている。クエンチ現象は、超電
導磁石(超電導コイル)における超電導線材の臨界電
流、臨界温度、臨界磁場のいずれかの条件が満足しない
ときに発生する。その原因のひとつとして、コイルに通
電したときに発生する方向が不規則な電磁力が超電導線
材の微小な動きを引き起こし、この結果、コイル内部、
コイル間またはコイルと巻枠との間に摩擦熱が発生し、
コイル内部の温度が臨界温度を越えて上昇することが考
えられている。したがって、超電導ウィグラにおいて、
クエンチ現象を生じさせずに、発生磁場をさらに強くす
るためには、コイルを強固に固定してコイルの微小な動
きを抑えることが有効であると考えられる。
【0007】このため、従来の超電導磁石においては、
コイルの製造工程において、超電導線材に比較的大きな
張力を印加しつつ巻枠に巻回することで、巻線を巻枠に
対して押圧させている。しかし、図3(a)および
(b)に示した超電導ウィグラに用いた各超電導コイル
の場合には、超電導線材に張力を印加しても、レースト
ラック型の直線部における線材の押圧力が弱いため、直
線部には主に外側へ広がろうとする方向に強大な前記電
磁力が作用し、線材が直線部において動き易いという傾
向がある。このため、各コイルをヨーク10に埋設する
際に、各コイル間ならびに補助コイル30とヨーク10
との間に、くさび受け51とくさび52とを挿入するこ
とで超電導線材を固定していた。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】一般に、超電導ウィグ
ラは、各コイルを超電導状態にするために液体ヘリウム
によって冷却して極低温(例えば、4.2K)に維持し
て使用されるが、このような極低温状態では、前記構造
の超電導ウィグラにおいても、クエンチ現象が発生する
ことが判明した。
【0009】図4は、図3(a)および(b)に示した
超電導ウィグラを極低温に冷却および維持して各コイル
を励磁したときの、主コイル20と補助コイル30との
間における作用力の関係を示す図である。図4におい
て、主コイル20、補助コイル30、くさび受け51、
くさび52の各部材は、正の熱膨脹率を有するため、極
低温に冷却および維持されることにより、それぞれ作用
力f20、f30、f51、f52を伴って収縮する。そして、
各部材の収縮により各部材相互間の押圧関係が緩んだ状
態において、励磁された主コイル20および補助コイル
30の各超電導線材個々に電磁力F20および電磁力F30
が働くと、超電導伝線材相互間に摩擦が生じて摩擦熱を
発生する。このように、極低温状態では、くさびで各コ
イルを固定する形式の超電導ウィグラであっても、各部
材の収縮に起因してクエンチ現象が起きることが判明し
た。
【0010】本考案の課題は、冷却しても超電導磁石が
確実に固定され、クエンチ現象を起こすことのない超電
導ウィグラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案によれば、巻枠に
超電導線材が巻回されて成るコイルがヨークに埋設され
て成る超電導ウィグラにおいて、前記コイルは、その外
周に負の熱膨張率を有する樹脂層を有し、前記樹脂層
は、前記コイルに巻回された負の熱膨張率を有するポリ
エチレン線材と、巻回された前記ポリエチレン線材に含
浸および固化されたエポキシ樹脂とを有することを特徴
とする超電導ウィグラが得られる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の一実施例によ
る超電導ウィグラを説明する。
【0013】図1(a)および(b)は、本実施例によ
る超電導ウィグラの要部を示す横断面図(切断線A−
A)および縦断面図である。尚、同図において、従来例
と同一あるいは同様な部分には、図3(a)および
(b)と同符号を付している。図1(a)および(b)
において、本超電導ウィグラは、所定間隔をおいて図1
(b)中上下方向に対向配設された一対のヨーク10
と、一対のヨーク10それぞれに埋設され、レーストラ
ック型を呈する主コイル20および2つの補助コイル3
0と、埋設された各コイル外周に形成された樹脂層40
と、一対のヨーク10間に配設されたビームダクト60
とを有している。
【0014】図2は、本超電導ウィグラの要部を示す図
である。図2において、樹脂層40は、主コイル20お
よび補助コイル30のそれぞれに巻回された負の熱膨張
率を有するポリエチレン線材41と、これに含浸および
硬化させたエポキシ樹脂42材とから成る。
【0015】次に、図1(a)、(b)および図2を参
照して、本考案による超電導ウィグラの製造工程を説明
する。
【0016】まず、室温において、主コイル20および
2つの補助コイル30を製造し、各コイルの外周に、図
2に示すように、負の熱膨脹率を有する比較的直径の細
いポリエチレン線材41を巻き付ける。
【0017】続いて、室温において、ポリエチレン線材
41の巻回された各コイルを一対のヨーク10それぞれ
に組み込み、各コイルの外周、即ち、主コイル20と補
助コイル30との間、ならびに、コイル各コイルとヨー
ク10との間にエポキシ樹脂42を含浸および硬化させ
る。
【0018】この後、各コイルを埋設した一対のヨーク
10を、図1(b)に示すように、ビームダクト60を
挟んで対向配置する。以上のようにして、本実施例によ
る超電導ウィグラが製造できた。
【0019】本考案による超電導ウィグラにおける主コ
イル20と補助コイル30との間の作用力の関係を図2
を参照して説明する。
【0020】図2において、主コイル20および補助コ
イル30は、極低温に冷却および維持されることによ
り、それぞれ作用力f20およびf30を伴って収縮する。
一方、樹脂層40内の負の熱膨張率を有するポリエチレ
ン線材41は、作用力f41を伴って主コイル20および
補助コイル30を押し付ける方向に膨脹する。このた
め、各部材相互間の押圧関係が緩むことはなく、主コイ
ル20および補助コイル30の各超電導線材個々に電磁
力F20および電磁力F30が働いても、超電導伝線材相互
間の摩擦は生じない。したがって、主コイル20および
2つの補助コイルのいずれにも、クエンチ現象が生じな
い。また、図示はしないが、主コイル20あるいは補助
コイル30とヨーク10との間においても、ポリエチレ
ン線材41の膨脹により、電磁力F20あるいは電磁力F
30は打ち消され、クエンチ現象は防止される。
【0021】尚、樹脂層40におけるエポキシ樹脂42
は、冷却時に、ポリエチレン線材41の膨脹に影響しな
い程度に収縮する正の熱膨脹率と含浸量に設定した。
【0022】また、本実施例においては、室温にて、ポ
リエチレン線材41を各コイルに巻回した後エポキシ樹
脂42を含浸させたが、これより高い温度(例えば、1
00℃)にてポリエチレン線材41の巻回とエポキシ樹
脂42の含浸とを行ってもよい。ただし、これを越える
温度では、ポリエチレンが分解や変質を起こす可能性が
あるため好ましくない。
【0023】
【考案の効果】本考案による超電ウィグラは、コイルの
外周に負の熱膨張率を有する樹脂層を有するため、冷却
時でもコイルの超電導線材が巻枠に確実に固定され、ク
エンチ現象が発生することがない。
【0024】また、樹脂層において、負の熱膨張率を有
するポリエチレン線材がコイルに巻回されているため、
レーストラック型の直線部における超電導線材の固定力
が十分であることは勿論、レーストラック型の円弧部に
おける固定力にも優れている。例えば、負の熱膨張率を
有するくさびをレーストラック型の直線部に挿入するも
のに比べて、円弧部における固定力に優れている。
【0025】さらに、負の熱膨張率を有するポリエチレ
ン線材を巻回する工程を、超電導線材の巻回工程に引き
続いて行うことができ、比較的簡単な製造工程とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による超電導ウィグラを示す
断面図であり、(a)はA−A断面図、(b)は縦断面
図である。
【図2】図1に示す超電導ウィグラの主コイル20と補
助コイル30との間における作用力の関係を示す図であ
る。
【図3】従来例による超電導ウィグラを示す断面図であ
り、(a)はA−A断面図、(b)は縦断面図である。
【図4】図3に示す超電導ウィグラの主コイル20と補
助コイル30との間における作用力の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 ヨーク 20 主コイル 30 補助コイル 40 樹脂層 41 ポリエチレン線材 42 エポキシ樹脂 51 くさび受け 52 くさび 60 ビームダクト

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻枠に超電導線材が巻回されて成るコイ
    ルがヨークに埋設されて成る超電導ウィグラにおいて、
    前記コイルの外周に負の熱膨張率を有する樹脂層を有
    し、前記樹脂層は、前記コイルに巻回された負の熱膨張
    率を有するポリエチレン線材と、巻回された前記ポリエ
    チレン線材に含浸および固化されたエポキシ樹脂とを有
    することを特徴とする超電導ウィグラ。
JP2291293U 1993-04-30 1993-04-30 超電導ウィグラ Expired - Lifetime JP2561064Y2 (ja)

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JPH0682818U JPH0682818U (ja) 1994-11-25
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US8525447B2 (en) * 2010-11-22 2013-09-03 Massachusetts Institute Of Technology Compact cold, weak-focusing, superconducting cyclotron
JP7249906B2 (ja) * 2019-08-07 2023-03-31 株式会社日立製作所 超電導コイルおよび超電導磁石装置

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