JP3083741B2 - (メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤 - Google Patents

(メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤

Info

Publication number
JP3083741B2
JP3083741B2 JP07237442A JP23744295A JP3083741B2 JP 3083741 B2 JP3083741 B2 JP 3083741B2 JP 07237442 A JP07237442 A JP 07237442A JP 23744295 A JP23744295 A JP 23744295A JP 3083741 B2 JP3083741 B2 JP 3083741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
meth
acrylic polymer
pressure
monomer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07237442A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0977837A (ja
Inventor
裕彰 長谷川
学 左野
泰雅 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP07237442A priority Critical patent/JP3083741B2/ja
Publication of JPH0977837A publication Critical patent/JPH0977837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3083741B2 publication Critical patent/JP3083741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に軟質ポリ塩化
ビニル樹脂または軟質塩化ビニル樹脂用の粘着剤に好適
に用いられる(メタ)アクリル系重合体およびその製造
方法並びに上記重合体を含む粘着剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質塩ビ(即ち、軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂または軟質塩化ビニル樹脂)用の粘着シート、
粘着テープ、粘着ラベル、両面テープ、あるいは、軟質
塩化ビニル樹脂を基材として用いた軟質塩ビ粘着シー
ト、軟質塩ビ粘着テープ、軟質塩ビ粘着ラベル等の粘着
製品に用いられる粘着剤として、(メタ)アクリル系重
合体からなる粘着剤が知られている。
【0003】通常、このような粘着剤は、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分とし、凝集力を付与す
るために、(メタ)アクリル酸等のα,β−不飽和カル
ボン酸を共重合させてなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、軟質塩ビ
は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のフタル
酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、ジオクチルアゼ
レート等の直鎖二塩基酸エステル類、リン酸エステル類
等の可塑剤を、軟質塩ビ 100部に対して10部〜50部の割
合で含有しており、これら可塑剤が、軟質塩ビに適用さ
れた粘着剤に移行し、粘着力を低下させるという問題点
を有している。
【0005】さらに、上記軟質塩ビは、上記可塑剤以外
に、金属安定剤も含有しており、上記可塑剤の割合が多
い系では、可塑剤の移行による粘着力の低下が顕著であ
るが、可塑剤の割合が少ない系では、金属安定剤が可塑
剤と共に粘着剤側に移行して、(メタ)アクリル酸等の
α,β−不飽和カルボン酸のカルボキシル基と金属架橋
を起こし、架橋密度の増加による凝集力が増加し、粘着
性が低下するという問題点を有している。
【0006】このため、可塑剤や金属安定剤が移行して
も、粘着力の低下なしに充分な粘着物性を維持すること
ができる粘着剤が求められている。即ち、本発明の目的
は、可塑剤や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下な
しに充分な粘着物性を維持することができる粘着剤を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、上記性
能を有する粘着剤を得るために用いられる(メタ)アク
リル系重合体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基
含有不飽和単量体を含む単量体組成物(a1)と、カルボ
キシル基含有不飽和単量体以外の反応性官能基含有不飽
和単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
含む単量体組成物(a2)とからなる単量体組成物(a)
溶液重合させるに際して、単量体組成物(a)を溶液
重合してなる重合体(A)と相溶しない重合体(B)の
存在下で、上記単量体組成物(a1)を溶液重合させた
後、単量体組成物(a2)を溶液重合させることによって
得られる(メタ)アクリル系重合体を含む粘着剤が、可
塑剤や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下なしに充
分な粘着物性を維持することができることを見い出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の(メタ)アクリル系
重合体の製造方法は、カルボキシル基含有不飽和単量体
0.1 重量%〜10重量%の範囲内で含む単量体組成物
(a1)と、カルボキシル基含有不飽和単量体以外の反応
性官能基含有不飽和単量体および(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルを含む単量体組成物(a2)とからなる単
量体組成物(a)を溶液重合させるに際して、単量体組
成物(a)を溶液重合してなる重合体(A)と相溶しな
い重合体(B)の存在下で、上記単量体組成物(a1)を
溶液重合させた後、単量体組成物(a2)を溶液重合させ
ることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の(メタ)アクリル系重合体
の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、上記
重合体(B)のガラス転移点が、 273K以上であること
を特徴としている。また、請求項3記載の(メタ)アク
リル系重合体は、請求項1または2の何れか1項に記載
の製造方法で得られることを特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、可塑剤や金属安定剤
の移行による凝集力の低下が起こりにくく、このため、
上記可塑剤や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下な
しに充分な粘着物性を維持することができる粘着剤を得
ることができる(メタ)アクリル系重合体を容易に得る
ことができる。また、得られた粘着剤を特に軟質塩ビ用
の粘着剤に用いる場合には、上記重合体(B)として、
273K以上のガラス転移点を有する重合体を用いること
が好ましい。
【0011】請求項4記載の粘着剤は、請求項3に記載
(メタ)アクリル系重合体を含むことを特徴としてい
る。
【0012】上記の構成によれば、本発明にかかる粘着
剤は、上記製造方法で得られた(メタ)アクリル系重合
体を含んでなることで、可塑剤や金属安定剤の移行によ
る凝集力の低下が起こりにくく、このため、上記可塑剤
や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下なしに充分な
粘着物性を維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかる粘着剤は、カルボ
キシル基含有不飽和単量体を0.1 重量%〜10重量%の範
囲内で含む単量体組成物(a1)と、カルボキシル基含有
不飽和単量体以外の反応性官能基含有不飽和単量体およ
び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体組
成物(a2)とからなる単量体組成物(a)を溶液重合
せるに際して、単量体組成物(a)を溶液重合してなる
重合体(A)と相溶しない重合体(B)の存在下で、上
記単量体組成物(a1)を溶液重合させた後、単量体組成
物(a2)を溶液重合させて得られる(メタ)アクリル系
重合体を含んでなる。
【0014】上記の(メタ)アクリル系重合体の製造方
法、即ち、本発明にかかる製造方法において、原料とし
て用いられるカルボキシル基含有不飽和単量体として
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸
類が挙げられる。これらカルボキシル基含有不飽和単量
体は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜
混合して用いてもよい。
【0015】本発明にかかる(メタ)アクリル系重合体
の製造方法において、原料として用いられるカルボキシ
ル基含有不飽和単量体以外の反応性官能基含有不飽和単
量体(以下、その他の反応性官能基含有不飽和単量体と
記す)としては、特に限定されるものではないが、具体
的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートおよびそのポリカプロラクトン変性物(商品名:
プラクセルFシリーズ、ダイセル化学工業株式会社
製)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
の水酸基含有不飽和単量体等が挙げられる。これらその
他の反応性官能基含有不飽和単量体は、1種類のみを用
いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。
【0016】本発明にかかる(メタ)アクリル系重合体
の製造方法において、原料として用いられる(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、例えば、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メ
タ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の炭素数4〜18
の(メタ) アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種類
のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用い
てもよい。
【0017】また、本発明にかかる(メタ)アクリル酸
エステル系重合体の製造方法において、原料として用い
られる、上記単量体(つまり、カルボキシル基含有不飽
和単量体、その他の反応性官能基含有不飽和単量体、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル)以外の単量体
(以下、その他の単量体と記す)、即ち、単量体組成物
(a1)および/または単量体組成物(a2)に必要に応じ
て含まれるその他の単量体としては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、例えば、スチレン、メチル
スチレン等の芳香族不飽和単量体;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル;N−ビニルピロリド
ン、アクリロイルモルホリン等のN基含有不飽和単量
体;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド等の不飽和アミド類等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。これらその他の単量体は、1種類のみ
を用いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いても
よい。
【0018】本発明にかかる製造方法によれば、カルボ
キシル基含有不飽和単量体を0.1 重量%〜10重量%の範
囲内で含む単量体組成物(a1)と、その他の反応性官能
基含有不飽和単量体および(メタ)アクリル酸アルキル
エステルを含む単量体組成物(a2)とからなる単量体組
成物(a)を溶液重合(以下、溶液重合を単に重合と記
す場合がある)させるに際して、単量体組成物(a)を
溶液重合してなる重合体(A)と相溶しない重合体
(B)の存在下で、上記単量体組成物(a1)を溶液重合
させた後、単量体組成物(a2)を溶液重合させること
で、所望する(メタ)アクリル系重合体を容易に得るこ
とができる。
【0019】上記単量体組成物(a1)は、カルボキシル
基含有不飽和単量体以外に、必要に応じて上記その他の
単量体を含んでいてもよい。また、必要に応じて、上記
その他の反応性官能基含有不飽和単量体および(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを含んでいてもよい。
【0020】一方、上記単量体組成物(a2)は、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルおよび上記その他の反
応性官能基含有不飽和単量体以外に、必要に応じて、上
記その他の単量体を含んでいてもよい。
【0021】単量体組成物(a)における上記カルボキ
シル基含有不飽和単量体の含有量、つまり、単量体組成
物(a1)における上記カルボキシル基含有不飽和単量体
の含有量は、0.1 重量%〜10重量%の範囲内が好まし
く、1重量%〜8重量%の範囲内がさらに好ましい。上
記カルボキシル基含有不飽和単量体の含有量が0.1 重量
%よりも少ない場合には、得られる粘着剤の凝集力が不
足するので好ましくない。一方、上記カルボキシル基含
有不飽和単量体の含有量が10重量%よりも多い場合に
は、凝集力が高くなりすぎて、粘着力が低下するので好
ましくない。
【0022】単量体組成物(a)におけるその他の反応
性官能基含有不飽和単量体の含有量、つまり、単量体組
成物(a2)、あるいは、単量体組成物(a1)および単量
体組成物(a2)におけるその他の反応性官能基含有不飽
和単量体の合計の含有量は、0.01重量%〜2重量%の範
囲内が好ましく、 0.1重量%〜1重量%の範囲内がさら
に好ましい。上記その他の反応性官能基含有不飽和単量
体の含有量が0.01重量%よりも少ない場合には、架橋点
が不充分となるため架橋密度が充分でなく、凝集力が不
足するので好ましくない。一方、上記含有量が2重量%
よりも多い場合には、架橋密度や凝集力が高くなりすぎ
て粘着力が低下するので好ましくない。また、上記その
他の反応性官能基含有不飽和単量体のうち、0.05重量%
以上が単量体組成物(a2)に含まれることが好ましく、
0.1重量%以上がさらに好ましい。
【0023】また、単量体組成物(a)における(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの含有量、つまり、単
量体組成物(a2)、あるいは、単量体組成物(a1)およ
び単量体組成物(a2)における(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの合計の含有量は、68重量%〜 99.89重量
%の範囲内が好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの含有量が上記範囲内を外れると、粘着剤と
しての柔軟性およびタックが得られない虞れがあるので
好ましくない。また、上記(メタ)アクリル酸アルキル
エステルのうち、20重量%以下が単量体組成物(a1)に
含まれることが好ましく、10重量%以下がさらに好まし
い。
【0024】さらに、その他の単量体は、必要に応じ
て、単量体組成物(a)における含有量、即ち、単量体
組成物(a1)および/または単量体組成物(a2)におけ
る合計の含有量が、0重量%〜20重量%の範囲内となる
ように用いられる。上記その他の単量体の含有量は、上
記範囲内であれば特に限定されるものではないが、タッ
クおよび粘着力と凝集力とのバランスを考慮し、得られ
る(メタ)アクリル系重合体および該(メタ)アクリル
系重合体を含んでなる粘着剤の物性を損なわない範囲内
で用いることが好ましい。上記含有量が20重量%よりも
多い場合には、得られる(メタ)アクリル系重合体が硬
くなりすぎて、粘着剤の粘着力が低下する虞れがあるの
で好ましくない。
【0025】上記単量体組成物(a)の組成は、タック
および粘着力のバランスから、(メタ)アクリル系重合
体のガラス転移点(Tg)が 200K〜 240Kとなるように組
み合わせて用いることが好ましい。
【0026】また、本発明にかかる(メタ)アクリル系
重合体の製造方法において、上記単量体組成物(a)を
重合してなる重合体(A)と相溶しない重合体(B)と
は、特に限定されるものではないが、得られる(メタ)
アクリル系重合体を軟質塩ビ用の粘着剤に用いる場合に
は、 273K以上のガラス転移点を有する重合体、即ち、
高ガラス転移点型重合体が好ましい。上記ガラス転移点
が 273Kより低ければ、得られる粘着剤が充分な凝集力
を持たず、該粘着剤を軟質塩ビに用いる場合に、軟質塩
ビに含まれる可塑剤や金属安定剤の移行による凝集力の
低下が大きくなる虞れがあるので好ましくない。
【0027】尚、上記「相溶しない」とは、得られる
(メタ)アクリル系重合体の動的粘弾性測定において、
正接損失(tanδ、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”
との比:tanδ=G”/G)の曲線ピークの数が2つ
になることを意味する。即ち、重合体(A)に起因する
ピークが低温側に、重合体(B)に起因するピークが高
温側に現れることを示す。一方、「相溶する」とは、こ
の正接損失のピークが2つに分離しないで1つのピーク
になることを意味する。
【0028】上記重合体(B)は、例えば、スチレン、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルお
よびメタクリル酸メチルからなる群より選ばれる少なく
とも一種の不飽和単量体をバルク重合法、溶液重合法、
または懸濁重合法によりラジカル重合することで、容易
に得ることができる。
【0029】また、上記重合体(B)として、通常の
(メタ)アクリル系重合体の製造において用いられる有
機溶剤、例えば酢酸エチル、トルエン等に溶解する市販
の熱可塑性樹脂を用いることもできる。上記市販の熱可
塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(アク
リロニトリル−スチレン)、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリ酢酸ビニル等を用いることができる。
【0030】上記重合体(B)の重量平均分子量(Mw)
は、2×104 以上が好ましく、5×104 以上がさらに好
ましい。上記重量平均分子量が2×104 より小さけれ
ば、得られる粘着剤を軟質塩ビに用いたときに、軟質塩
ビに含まれる可塑剤や金属安定剤の移行による凝集力の
低下が大きくなる虞れがあるので好ましくない。
【0031】単量体組成物(a)と重合体(B)との添
加量の割合は、単量体組成物(a)60重量部〜95重量部
に対して重合体(B)40重量部〜5重量部となるように
添加することが好ましく、単量体組成物(a)70重量部
〜90重量部に対して重合体(B)30重量部〜10重量部と
なるように添加することがさらに好ましい。
【0032】単量体組成物(a)の添加量の割合が95重
量部よりも多ければ(即ち、重合体(B)の添加量の割
合が5重量部よりも少なければ)、得られる粘着剤を軟
質塩ビに用いたときに、軟質塩ビに含まれる可塑剤や金
属安定剤の移行による凝集力の低下が大きくなる虞れが
あるので好ましくない。一方、単量体組成物(a)の添
加量の割合が60重量部よりも少なければ(即ち、重合体
(B)の添加量の割合が40重量部よりも多ければ)、粘
着剤としての物性が大きく低下するので好ましくない。
【0033】上記(メタ)アクリル系重合体としてアク
リル系グラフト重合体を得る場合には、重合体(B)の
存在下で、上記単量体組成物(a1)を重合させた後、単
量体組成物(a2)を重合させることで、容易に所望する
アクリル系グラフト重合体を得ることができる。
【0034】アクリル系グラフト重合体を得る場合の重
合方法、つまり、単量体組成物(a)と重合体(B)と
の共重合は、特に限定されるものではなく、例えば、ラ
ジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;イ
オン化放射線、電子線等の放射線や、紫外線を照射する
重合方法;加熱による重合方法等、従来公知の種々の方
法を採用することができる。上記重合方法のなかでも、
通常のアクリル系粘着剤の製造に用いられるラジカル重
合開始剤を使用する方法が工業的には最も好ましい。
【0035】上記ラジカル重合開始剤としては、特に限
定されるものではないが、例えば、有機過酸化物系重合
開始剤やアゾ系重合開始剤等が挙げられる。上記有機過
酸化物系重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等が挙げられる。上記アゾ系重合
開始剤としては、具体的には、例えば、2,2'−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これら重合開
始剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を適宜
混合して用いてもよい。また、これら重合開始剤の使用
量は、特に限定されるものではない。上記重合開始剤の
なかでも、有機過酸化物系重合開始剤が、(メタ)アク
リル系重合体主鎖の水素引抜き反応を起こすラジカルを
アゾ系重合開始剤よりも多量に生成し、これにより、重
合体(B)から、単量体組成物(a)に由来する重合体
部分をより成長させることができるので、より好まし
い。
【0036】上記重合方法として溶液重合法を用いるこ
とで、重合時の重合熱の除去が容易であり、作業性が良
くなる。
【0037】溶液重合で用いられる溶媒としては、具体
的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類;
シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ヘキサン、ペン
タン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、上記重合
反応を阻害するものでなければ、特に限定されるもので
はない。これら溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2
種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、溶媒の使用
量は、特に限定されるものではない。
【0038】また、上記の重合反応を行う際の反応温度
や反応時間等の反応条件等は、特に限定されるものでは
なく、例えば、後述する範囲内の重量平均分子量を有す
るアクリル系重合体が生成するように、単量体組成物
(a1)や単量体組成物(a2)の組成、重合体(B)や添
加剤の種類並びにこれらの組み合わせや、使用量等に応
じて、適宜設定すればよい。また、反応圧力は、特に限
定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の
何れであってもよい。
【0039】このようにして得られたアクリル系グラフ
ト重合体は、15×104 以上、好ましくは20×104 以上の
重量平均分子量を有する。上記アクリル系グラフト重合
体の重量平均分子量が15×104 より小さければ、可塑剤
移行後の凝集力の低下が大きいだけでなく、初期粘着力
が小さくなる虞れがあるので好ましくない。
【0040】また、上記(メタ)アクリル系重合体とし
てアクリル系ブロック重合体を得る場合には、先ず、多
価メルカプタンと、上記重合体(B)を形成し得るスチ
レン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リルおよびメタクリル酸メチルからなる群より選ばれる
少なくとも一種の不飽和単量体との重合を行った後、上
記単量体組成物(a1)を添加してさらに重合を行い、そ
の後、単量体組成物(a2)を添加してさらに重合させる
ことで、所望するアクリル系ブロック重合体を容易に得
ることができる。
【0041】上記多価メルカプタンとは、1分子あたり
2個以上のメルカプト基を有する化合物である。上記多
価メルカプタンとしては、例えば、エチレングリコール
や 1,4−ブタンジオール等のジオールとカルボキシル基
含有メルカプタン類とからなるジエステル;トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール等の、1分子中に水酸基を3個以上有する化合
物とチオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ
サリチル酸等の、1分子中に1個のメルカプト基および
1個のカルボキシル基を有するカルボキシル基含有メル
カプタン類とからなるポリエステル化合物;トリチオグ
リセリン等の、1分子中にメルカプト基を3個以上有す
る化合物;2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6 −ジメルカ
プト−S−トリアジン、4,6 −トリメルカプト−S−ト
リアジン等のトリアジン多価チオール類;多価エポキシ
化合物の複数のエポキシ基に硫化水素を付加させて複数
のメルカプト基を導入してなる化合物;多価カルボン酸
の複数のカルボキシル基とメルカプトエタノールをエス
テル化してなるエステル化合物等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これら多価メルカプタンは、
1種類のみを用いてもよく、2種類以上を適宜混合して
用いてもよい。
【0042】上記多価メルカプタンのなかでも、1分子
中に2個〜10個のメルカプト基を有する化合物が、効率
良くアクリル系ブロック重合体を製造することができる
と共に、より高性能のアクリル系ブロック重合体を得る
ことができるので好ましく、1分子中に3個〜6個のメ
ルカプト基を有する化合物がより好ましい。そのなかで
も、1分子中に3個〜6個のメルカプト基を有するトリ
メチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロ
ールプロパントリチオプロピオネート、ペンタエリスリ
トールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリト
ールテトラキスチオプロピオネート、ジペンタエリスリ
トールヘキサキスチオグリコレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサキスチオプロピオネートから選ばれる少な
くとも1種の化合物が特に好ましい。
【0043】上記重合体(B)を形成し得る不飽和単量
体(以下、不飽和単量体(b)と称する)に対する多価
メルカプタンの添加量は、特に限定されるものではない
が、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がさらに好
ましく、3重量%以下が特に好ましい。
【0044】上記多価メルカプタンと、上記不飽和単量
体(b)との重合は、無溶媒で行うことができるが、溶
媒中で行ってもよい。溶媒としては、特に限定されるも
のではなく、前記例示の溶媒を用いることができる。
【0045】上記多価メルカプタンと、不飽和単量体
(b)との重合(第1重合工程)は、多価メルカプタン
を発端とする、上記不飽和単量体(b)のラジカル重合
によるものである。このラジカル重合により、多価メル
カプタンの各分子において、1個または複数個のメルカ
プト基のイオウ残基に重合体(B)に由来する重合体部
分の一端が結合すると共に、未反応のメルカプト基を有
する反応生成物を得ることができる。上記反応を効率良
く行うためには、反応系に、必要以上の重合開始剤を添
加しないことが好ましい。
【0046】また、上記第1重合工程で得られた反応生
成物と単量体組成物(a)との重合(第2重合工程並び
に第3重合工程)は、上記多価メルカプタンのうちの残
存しているメルカプト基の全部または一部を発端とす
る、単量体組成物(a)のラジカル重合によるものであ
る。
【0047】この場合、必要ならば、上記第1重合工程
で得られた反応生成物から未反応の単量体成分を除去し
てもよいし、あるいは、上記未反応の単量体成分を除去
せず、上記反応生成物と単量体組成物(a)との重合
(第2重合工程並びに第3重合工程)に用いてもよい。
尚、上記第1重合工程とは、多価メルカプタンと、不飽
和単量体(b)との重合工程を示し、第2重合工程と
は、上記第1重合工程で得られた反応生成物に上記単量
体組成物(a1)を添加してさらに重合を行う工程を示
し、第3重合工程とは、その後、単量体組成物(a2)を
添加してさらに重合を行う工程を示す。
【0048】上記第1重合工程で得られた反応生成物に
単量体組成物(a1)を添加する際、つまり、第2重合工
程を行う際には、上記反応混合物の重合率が、50重量%
以上であることが好ましく、80重量%以上であることが
さらに好ましい。上記重合率が50重量%未満で第2重合
工程を行う場合、上記第1重合工程後に残存している未
反応の単量体成分を除去せずに第2重合工程を行うとブ
ロックを形成する上記重合体(B)や単量体組成物(a
1)に由来する重合体部分に基づく特性を充分に導入する
ことができなくなる虞れがあるため好ましくない。
【0049】また、上記重合工程(第1重合工程)で得
られた反応生成物と単量体組成物(a1)、単量体組成物
(a2)とを第2重合工程、第3重合工程においてラジカ
ル共重合させる際の重合方法としては、溶液重合法を用
いることができる。
【0050】上記各反応に用いられるラジカル重合開始
剤としては、特に限定されるものではなく、前記例示の
重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の使用量
は、特に限定されるものではないが、重量比で、多価メ
ルカプタンの1/2以下が好ましく、1/10 以下がさら
に好ましく、最も好ましくは使用しない。
【0051】上記重合開始剤を重量比で、多価メルカプ
タンの1/2よりも多量に使用すると、所望するアクリ
ル系ブロック重合体を効率よく得ることができなくなる
ので、好ましくない。
【0052】上記の重合反応を行う際の反応温度は、特
に限定されるものではないが、30℃〜 200℃の範囲内が
好ましい。
【0053】上記の重合反応を行う際の反応時間は、特
に限定されるものではなく、単量体組成物(a1)並びに
単量体組成物(a2)の組成、重合体(B)や添加剤の種
類並びにこれらの組み合わせや、使用量等に応じて、適
宜設定すればよい。また、反応圧力は、特に限定される
ものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであ
ってもよい。
【0054】該アクリル系ブロック重合体の数平均分子
量は、2×103 〜1×106 の範囲内が好ましく、1×10
4 〜4×105 の範囲内がさらに好ましく、2×104 〜2
×105 の範囲内が特に好ましい。上記アクリル系ブロッ
ク重合体の数平均分子量が 2,000より小さければ、ブロ
ック共重合体としての性質が充分発揮されない虞れがあ
るため好ましくない。一方、上記数平均分子量が1×10
6 より多ければ、粘度が高くなりすぎて、取り扱い性が
低下する虞れがあるので好ましくない。
【0055】このようにして得られた該(メタ)アクリ
ル系重合体は、このまま粘着剤として用いることができ
るが、塗工作業性を向上させるために、必要に応じて有
機溶媒を添加してもよい。上記有機溶媒は、該(メタ)
アクリル系重合体が溶解および/または分散し得る化合
物であれば、特に限定されるものではなく、具体的に
は、例えば、前記例示の溶媒を用いることができる。上
記(メタ)アクリル系重合体に対する有機溶媒の量は、
特に限定されるものではないが、例えば(メタ)アクリ
ル系重合体 100重量部に対して、 100重量部〜 400重量
部の範囲内が好ましく、150 重量部〜 350重量部の範囲
内がさらに好ましい。上記(メタ)アクリル系重合体に
対する有機溶媒の量が 100重量部より少なければ、粘度
が高くなりすぎて、塗工作業に困難を生じる虞れがある
ので好ましくない。一方、上記有機溶媒の量が 400重量
部より多ければ、粘度が低くなりすぎて、塗工できなく
なる虞れがあるので好ましくない。
【0056】また、粘着剤には、粘着剤の物性を高温下
でも維持すると共に、例えば軟質塩ビ等の極性の強い被
着体に対する粘着力、凝集力を増加させるために、必要
に応じて、通常の粘着剤に用いられる架橋剤を添加して
もよい。上記架橋剤としては、例えば、多官能エポキシ
化合物、多官能メラミン化合物、多官能イソシアネート
化合物、金属架橋剤、アジリジン化合物等が挙げられる
が、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体
が有する反応性官能基と反応し得る官能基を1分子当た
り2個以上有する化合物であれば、特に限定されるもの
ではない。
【0057】上記多官能エポキシ化合物としては、1分
子当たりエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特
に限定されるものではなく、具体的には、例えば、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,6 −ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロ
ルヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N'N'−テトラグリシジ
ル−m−キシレンジアミン、1,3 −ビス(N,N −ジグリ
シジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N −ジグリシ
ジルアニリン、N,N −ジグリシジルトルイジン等が挙げ
られる。
【0058】上記多官能メラミン化合物としては、1分
子当たりメチロール基、アルコキシメチル基、イミノ基
のうち何れかの官能基を2個以上有する化合物であれば
特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、ヘ
キサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメ
ラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブト
キシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラ
ミン等が挙げられる。
【0059】上記多官能イソシアネート化合物として
は、1分子当たりイソシアネート基を2個以上有する化
合物であれば特に限定されるものではなく、具体的に
は、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5 −ナフ
タレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素
化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等のイソシアネート化合物;スミジュールN(住
友バイエルウレタン社製)等のビュレットポリイソシア
ネート化合物;デスモジュールIL、HL(バイエル
a.G.社製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工
業株式会社製)等の、イソシアヌレート環を有するポリ
イソシアネート化合物;スミジュールL(住友バイエル
ウレタン社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業
株式会社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等
が挙げられる。また、これら多官能イソシアネート化合
物のイソシアネート基が活性水素を有するマスク剤と反
応して不活性化したブロックイソシアネートを用いるこ
ともできる。
【0060】上記金属架橋剤としては、特に限定される
ものではないが、具体的には、例えば、アルミニウム、
亜鉛、カドミウム、ニッケル、コバルト、銅、カルシウ
ム、バリウム、チタン、マンガン、鉄、鉛、ジルコニウ
ム、クロム、錫等の金属にアセチルアセトン、アセト酢
酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、サリチル酸
メチル等が配位した金属キレート化合物等が挙げられ
る。
【0061】上記アジリジン化合物としては、N,N'−ヘ
キサメチレン−1,6 −ビス(1−アジリジンカルボキシ
アミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリ
ジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2
−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフ
ォンオキサイド、N,N'−ジフェニルエタン−4,4'−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
【0062】これら架橋剤は、1種類のみを用いてもよ
いし、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記
(メタ)アクリル系重合体に対するこれら架橋剤の添加
量は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリ
ル系重合体 100重量部に対して、例えば 0.1重量〜10重
量部の範囲内が好ましく、0.5 重量部〜5重量部の範囲
内がさらに好ましい。上記(メタ)アクリル系重合体に
対する架橋剤の添加量が0.1重量より少なければ、架橋
点が不充分となるため架橋密度が充分でなくなり、凝集
力が不足する虞れがあるので好ましくない。一方、上記
架橋剤の添加量が10重量部より多ければ、架橋密度が高
くなりすぎて粘着力が低下するので好ましくない。
【0063】さらに、該粘着剤には、必要に応じて、通
常の粘着剤に用いられる粘着付与剤を添加してもよい。
粘着付与剤としては、(重合)ロジン系、(重合)ロジ
ンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、ク
マロン系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシ
レン樹脂系、フェノール樹脂系、石油樹脂系等の粘着付
与剤が挙げられる。これら粘着付与剤は、1種類のみを
用いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。上記(メタ)アクリル系重合体に対するこれら粘着
付与剤の添加量は、特に限定されるものではないが、
(メタ)アクリル系重合体 100重量部に対して、例えば
5重量〜 100重量部の範囲内が好ましく、10重量部〜50
重量部の範囲内がさらに好ましい。上記(メタ)アクリ
ル系重合体に対する粘着付与剤の添加量が5重量より少
なければ、被着体に対する粘着性が改善されない虞れが
あるので好ましくない。一方、上記粘着付与剤の添加量
が 100重量部より多ければ、タックが減少して粘着力が
低下する虞れがあるので好ましくない。
【0064】また、該粘着剤には、必要に応じて、上記
有機溶媒、架橋剤、粘着付与剤以外に、通常の粘着剤に
用いられる充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線
吸収剤、および紫外線安定剤等の従来公知の種々の添加
剤を添加してもよい。これら添加剤は、1種類のみを用
いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。また、これら添加剤の添加量は、所望する物性が得
られるように、適宜設定すればよく、特に限定されるも
のではない。
【0065】このようにして得られる粘着剤は、従来の
粘着剤および接着剤の用途全般に用いることができる
が、軟質塩ビに含まれる可塑剤や金属安定剤が粘着剤に
移行しても、粘着力の低下なしに充分な粘着物性を維持
することができるので、軟質塩ビ用の粘着シート、粘着
テープ、粘着ラベル、両面テープ、あるいは、軟質塩ビ
粘着シート、軟質塩ビ粘着テープ、軟質塩ビ粘着ラベ
ル、軟質塩ビ両面テープ等の粘着製品の粘着剤および接
着剤に特に好適に用いることができる。つまり、本発明
にかかる粘着剤は、接着剤を含む。尚、該粘着剤は、上
記粘着製品の片面あるいは両面に粘着加工されていても
よい。
【0066】上記粘着剤を用いた粘着製品に用いられる
基材としては、特に限定されるものではないが、具体的
には、例えば、クラフト紙等の紙;PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)、軟質ポリ塩化ビニル等のプラスチ
ックからなるシート、テープ、フォーム(発泡体);不
織布等が挙げられる。さらに、基材なしで、上記粘着剤
をそのまま用いることもできる。
【0067】粘着剤の粘着製品への加工方法としては、
特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を
用いることができる。具体的には、例えば、基材に直接
塗布する方法、離型紙に予め塗布したものを転写する方
法等を用いることで、粘着剤を粘着製品に、容易に加工
することができる。
【0068】以上のように、本発明にかかる製造方法に
よれば、カルボキシル基含有不飽和単量体を0.1 重量%
〜10重量%の範囲内で含む単量体組成物(a1)と、その
他の反応性官能基含有不飽和単量体および(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを含む単量体組成物(a2)とか
らなる単量体組成物(a)を溶液重合させるに際して、
重合体(B)の存在下で、上記単量体組成物(a1)を
液重合させた後、単量体組成物(a2)を溶液重合させる
ことで、軟質塩ビに含まれる可塑剤や金属安定剤の移行
による凝集力の低下が起こりにくく、このため、上記可
塑剤や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下なしに充
分な粘着物性を維持することができる粘着剤を得ること
ができる(メタ)アクリル系重合体を容易に得ることが
できる。つまり、本発明にかかる粘着剤は、上記製造方
法で得られた(メタ)アクリル系重合体を含んでなるこ
とで、軟質塩ビに含まれる可塑剤や金属安定剤の移行に
よる凝集力の低下が起こりにくく、このため、上記可塑
剤や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下なしに充分
な粘着物性を維持することができる。該粘着剤を軟質塩
ビ用の粘着剤に用いる場合には、上記重合体(B)とし
て、 273K以上のガラス転移点を有する高ガラス転移点
型重合体を用いることが好ましい。
【0069】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、以下の各例における
「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量
%」を示す。
【0070】また、軟質塩ビシートには、ポリ塩化ビニ
ル樹脂(重合度:1,100 ) 100.0部、可塑剤としてのジ
オクチルフタレート23.0部、ステアリン酸バリウム 3.0
部、スズ系金属安定剤 3.0部、および重質炭酸カルシウ
ム15.0部からなるポリ塩化ビニルシート(厚み0.15m
m)を用いた。
【0071】保持力は、20mm×20mmの大きさの粘着
テープをステンレス鋼板(SUS304)に貼り付け、
貼り付けてから20分間経過後に80℃に保ち、さらに20分
間経過後に1kgの荷重を掛けて、粘着テープが落下す
るまでの時間または24時間後の粘着テープのズレ幅を測
定することで評価した。
【0072】初期の粘着力は、23℃、65%RHの雰囲気
中で、25mm幅の粘着シートをステンレス鋼板(SUS
304)に2kgのゴムローラーを3往復させて貼り合
わせ、25分後に 180度方向に速度 300mm/分で剥離し
た時の強度を測定することで評価した。また、ステンレ
ス鋼板(SUS304)の代わりにポリプロピレン板
(日本テストパネル社製、厚み3mm)を用いたときの
初期粘着力も同様に測定した。
【0073】加熱促進後の粘着力は、粘着シートを80℃
雰囲気中に7日間放置し、さらに23℃、65%RHの雰囲
気中で2時間放置した後、25mm幅に切断し、ステンレ
ス鋼板(SUS304)に2kgのゴムローラーを3往
復させて貼り合わせ、24時間後に 180度方向に速度300
mm/分で剥離した時の強度を測定することで評価し
た。
【0074】尚、以下、「PSt-1」は旭化成工業株式
会社製のポリスチレンである「スタイロン−666R」
(商品名;ガラス転移点: 373K、重量平均分子量:1
7.2×104 )を示し、「PSt-2」は旭化成工業株式会
社製のポリスチレンである「スタイロン−G8259」
(商品名;ガラス転移点: 373K、重量平均分子量:2
8.1×104 )を示し、「AS-1」は旭化成工業株式会社
製のスチレン−アクリロニトリル共重合体である「スタ
イラック−767」(商品名;ガラス転移点: 377K、
重量平均分子量:16.5×104 )を示し、「PMMA-1」
は住友化学工業株式会社製のポリメチルメタクリレート
である「スミペックス−MM」(商品名;ガラス転移
点: 378K、重量平均分子量:13.4×104 )を示し、
「PMMA-2」はCHI MEI CORPORATION 製のポリメチル
メタクリレートである「CM−205M」(商品名;ガ
ラス転移点: 378K、重量平均分子量: 8.4×104 )を
示し、「BA」はアクリル酸ブチルを示し、「AA」は
アクリル酸を示し、「HEA」はアクリル酸2−ヒドロ
キシエチルを示し、「VP」はN−ビニルピロリドンを
示し、「AAm」はアクリルアミドを示し、「PET
G」はペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレー
トを示し、「MMA」はメタクリル酸メチルを示し、
「St」はスチレンを示し、「BMT−K40」は日本
油脂社製の有機過酸化物重合開始剤である「ナイパーB
MT−K40」(商品名)を示し、「ABNE」は日本
ヒドラジン工業社製の2,2'−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)を示し、「D−160」は荒川化学工業株
式会社製の「ペンセルD−160」(商品名;軟化点 1
60℃)を示し、「L55E」は日本ポリウレタン社製の
ポリイソシアネート化合物である「コロネートL55
E」(商品名;固形分55%)を示し、「P−CJ」は理
化ハーキュレス社製の「ペンタリンC−J」(商品名;
軟化点118 ℃〜128 ℃)を示す。
【0075】〔実施例1〕予め、カルボキシル基含有不
飽和単量体としての「AA」とその他の単量体としての
「BA」との組成比が1.25対5.0 となるように、「A
A」 5.0部およびBA20.0部を混合して、単量体組成物
(a1)25.0部を得た。また、その他の反応性官能基含有
不飽和単量体としての「HEA」と「BA」との組成比
が0.20対93.55 となるように、「HEA」 0.8部および
「BA」 374.2部を混合して、単量体組成物(a2) 37
5.0部を得た。
【0076】先ず、温度計、撹拌機、不活性ガス導入
管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラス
コに、溶媒としての酢酸エチル 210.0部および重合体
(B)としての「PSt-1」 100.0部を仕込み、攪拌し
て「PSt-1」を酢酸エチルに溶解させた。
【0077】次いで、上記4つ口フラスコに単量体組成
物(a1)25.0部を添加して窒素ガス気流下で撹拌しなが
ら80℃に保ち、重合開始剤としての「BMT−K40」
0.32部を加えて重合を開始させた。
【0078】重合開始から2時間経過後、該単量体組成
物(a)375.0 部と、酢酸エチル21.0部と、
「BMT−K40」1.13部とを 1.5時間かけて上記4つ
口フラスコに連続的に滴下した。滴下終了後、上記4つ
口フラスコに、溶媒としての酢酸エチル447部およびト
ルエン 250.7部と、重合開始剤としての「ABNE」
1.2部を追加し、85℃で5時間熟成してアクリル系重合
体(以下、アクリル系重合体(1)と記す)を得た。
【0079】所定の方法を用いて測定した上記アクリル
系重合体(1)の固形分は35.0%、B型粘度計を用いて
測定した25℃における粘度は3,650 mPa・s、ゲルパ
ーミエションクロマトグラフィー(GPC)により測定
したポリスチレン換算の重量平均分子量は44.1×104
あった。主な反応条件および結果をまとめて表1に示
す。
【0080】その後、上記アクリル系重合体(1) 100
部(不揮発分)に対して、粘着付与剤としての「D−1
60」24部を配合した後、架橋剤としての「L55E」
0.90部を混合して粘着剤を作製した。
【0081】この粘着剤を離型紙(藤森工業株式会社
製:70K−818T/EF)の片面に乾燥後の厚みが
25μmとなるように塗工した後、 100℃で2分間乾燥さ
せた。次いで、この粘着剤組成物を、23℃で7日間養生
した後、0.15mmの厚さの軟質ポリ塩化ビニルシートに
転写して、粘着シート(離型紙付き)を得た。得られた
粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造
条件と結果とをまとめて表2に示す。
【0082】〔実施例2〕反応条件を表1に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(2)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(2)の
固形分は34.5%、粘度は7,490 mPa・s、重量平均分
子量は62.3×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表1に示す。
【0083】このアクリル系重合体(2)を用いて、製
造条件を表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表2に示す。
【0084】〔実施例3〕反応条件を表1に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(3)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(3)の
固形分は34.4%、粘度は3,740 mPa・s、重量平均分
子量は47.9×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表1に示す。
【0085】このアクリル系重合体(3)を用いて、製
造条件を表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表2に示す。
【0086】〔実施例4〕反応条件を表1に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(4)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(4)の
固形分は34.3%、粘度は6,480 mPa・s、重量平均分
子量は49.0×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表1に示す。
【0087】このアクリル系重合体(4)を用いて、製
造条件を表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表2に示す。
【0088】〔実施例5〕反応条件を表1に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(5)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(5)の
固形分は34.0%、粘度は4,530 mPa・s、重量平均分
子量は47.6×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表1に示す。
【0089】このアクリル系重合体(5)を用いて、製
造条件を表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】〔実施例6〕反応条件を表3に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(6)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(6)の
固形分は34.3%、粘度は3,940 mPa・s、重量平均分
子量は52.1×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表3に示す。
【0093】このアクリル系重合体(6)を用いて、製
造条件を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表4に示す。
【0094】〔実施例7〕反応条件を表3に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(7)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(7)の
固形分は35.0%、粘度は11,910mPa・s、重量平均分
子量は51.3×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表3に示す。
【0095】このアクリル系重合体(7)を用いて、製
造条件を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表4に示す。
【0096】〔実施例8〕反応条件を表1に示す通りに
変更した以外は実施例3と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(8)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(8)の
固形分は34.5%、粘度は3,870 mPa・s、重量平均分
子量は42.3×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表3に示す。
【0097】このアクリル系重合体(8)を用いて、製
造条件を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表4に示す。
【0098】〔実施例9〕反応条件を表3に示す通りに
変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、
アクリル系重合体(9)を得た。実施例1と同様の方法
を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体(9)の
固形分は34.5%、粘度は4,660 mPa・s、重量平均分
子量は44.0×104 であった。主な反応条件と結果とをま
とめて表3に示す。
【0099】このアクリル系重合体(9)を用いて、製
造条件を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件と
結果とをまとめて表4に示す。
【0100】〔実施例10〕反応条件を表3に示す通り
に変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行っ
て、アクリル系重合体(10)を得た。実施例1と同様
の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(10)の固形分は34.4%、粘度は4,840 mPa・s、
重量平均分子量は46.4×104 であった。主な反応条件と
結果とをまとめて表3に示す。
【0101】このアクリル系重合体(10)を用いて、
製造条件を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着
シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件
と結果とをまとめて表4に示す。
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】〔実施例11〕反応条件を表5に示す通り
に変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行っ
て、アクリル系重合体(11)を得た。実施例1と同様
の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(11)の固形分は34.7%、粘度は4,300 mPa・s、
重量平均分子量は45.2×104 であった。主な反応条件と
結果とをまとめて表5に示す。
【0105】このアクリル系重合体(11)を用いて、
製造条件を表6に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着
シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件
と結果とをまとめて表6に示す。
【0106】〔実施例12〕反応条件を表5に示す通り
に変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行っ
て、アクリル系重合体(12)を得た。実施例1と同様
の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(12)の固形分は34.7%、粘度は4,900 mPa・s、
重量平均分子量は53.9×104 であった。主な反応条件と
結果とをまとめて表5に示す。
【0107】このアクリル系重合体(12)を用いて、
製造条件を表6に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着
シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件
と結果とをまとめて表6に示す。
【0108】〔実施例13〕反応条件を表5に示す通り
に変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行っ
て、アクリル系重合体(13)を得た。実施例1と同様
の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(13)の固形分は34.0%、粘度は6,930 mPa・s、
重量平均分子量は39.2×104 であった。主な反応条件と
結果とをまとめて表5に示す。
【0109】このアクリル系重合体(13)を用いて、
製造条件を表6に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着
シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件
と結果とをまとめて表6に示す。
【0110】〔実施例14〕反応条件を表5に示す通り
に変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行っ
て、アクリル系重合体(14)を得た。実施例1と同様
の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(14)の固形分は35.0%、粘度は3,950 mPa・s、
重量平均分子量は46.1×104 であった。主な反応条件と
結果とをまとめて表5に示す。
【0111】このアクリル系重合体(14)を用いて、
製造条件を表6に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着
シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件
と結果とをまとめて表6に示す。
【0112】〔実施例15〕反応条件を表5に示す通り
に変更した以外は実施例1と同様の反応・操作を行っ
て、アクリル系重合体(15)を得た。実施例1と同様
の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(15)の固形分は34.8%、粘度は4,650 mPa・s、
重量平均分子量は45.7×104 であった。主な反応条件と
結果とをまとめて表5に示す。
【0113】このアクリル系重合体(15)を用いて、
製造条件を表6に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘着
シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条件
と結果とをまとめて表6に示す。
【0114】
【表5】
【0115】
【表6】
【0116】〔比較例1〕実施例1において、単量体組
成物(a1)の代わりに表7に示す組成比を有する比較用
の単量体組成物(c1)を用い、単量体組成物(a2)の代
わりに表7に示す組成比を有する比較用の単量体組成物
(c2)を用い、他の反応条件を表7に示す通りに変更し
た以外は実施例1と同様の反応・操作を行って、比較用
のアクリル酸エステル系重合体(以下、アクリル酸エス
テル系重合体(I)と記す)を得た。実施例1と同様の
方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(I)の固形分は34.9%、粘度は8,500 mPa・s、重
量平均分子量は48.6×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表7に示す。
【0117】このアクリル系重合体(I)を用いて、製
造条件を表8に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得られ
た粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製
造条件と結果とをまとめて表8に示す。
【0118】〔比較例2〕反応条件を表7に示す通りに
変更した以外は比較例1と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(II) を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(II)の固形分は35.1%、粘度は4,900 mPa・s、重
量平均分子量は45.5×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表7に示す。
【0119】このアクリル系重合体(II)を用いて、製
造条件を表8に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得られ
た粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製
造条件と結果とをまとめて表8に示す。
【0120】〔比較例3〕反応条件を表7に示す通りに
変更した以外は比較例1と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(III)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(III)の固形分は34.8%、粘度は9,430 mPa・s、重
量平均分子量は46.8×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表7に示す。
【0121】このアクリル系重合体(III)を用いて、製
造条件を表8に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得られ
た粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製
造条件と結果とをまとめて表8に示す。
【0122】〔比較例4〕反応条件を表7に示す通りに
変更した以外は比較例1と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(IV)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(IV)の固形分は34.3%、粘度は4,380 mPa・s、重
量平均分子量は42.6×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表7に示す。
【0123】このアクリル系重合体(IV)を用いて、製
造条件を表8に示す通りに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得られ
た粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製
造条件と結果とをまとめて表8に示す。
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】〔比較例5〕実施例1において、単量体組
成物(a1)および単量体組成物(a2)の代わりに表9に
示す組成比を有する比較用の単量体組成物(c3)を用
い、他の反応条件を表9に示す通りに変更した以外は実
施例1と同様の反応・操作を行って、比較用のアクリル
酸エステル系重合体(以下、アクリル酸エステル系重合
体(V)と記す)を得た。実施例1と同様の方法を用い
て測定したアクリル酸エステル系重合体(V)の固形分
は35.1%、粘度は8,900 mPa・s、重量平均分子量は
37.2×104 であった。主な反応条件と結果とをまとめて
表9に示す。
【0127】このアクリル系重合体(V)を用いて、製
造条件を表10に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得ら
れた粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な
製造条件と結果とをまとめて表10に示す。
【0128】〔比較例6〕反応条件を表9に示す通りに
変更した以外は比較例5と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(VI)を得た。比較例5、即
ち、実施例1と同様の方法を用いて測定したアクリル酸
エステル系重合体(VI)の固形分は35.2%、粘度は 3,3
20mPa・s、重量平均分子量は18.6×104 であった。
主な反応条件と結果とをまとめて表9に示す。
【0129】このアクリル系重合体(VI)を用いて、製
造条件を表10に示す通りに変更した以外は、比較例
5、即ち、実施例1と同様の操作を行って、比較用の粘
着シートを得た。得られた粘着シートの保持力並びに粘
着力を測定した。主な製造条件と結果とをまとめて表1
0に示す。
【0130】〔比較例7〕反応条件を表9に示す通りに
変更した以外は比較例5と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(VII)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(VII)の固形分は34.8%、粘度は 5,200mPa・s、重
量平均分子量は61.2×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表9に示す。
【0131】このアクリル系重合体(VII)を用いて、製
造条件を表10に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得ら
れた粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な
製造条件と結果とをまとめて表10に示す。
【0132】〔比較例8〕反応条件を表9に示す通りに
変更した以外は比較例5と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(VIII)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(VIII)の固形分は33.7%、粘度は 5,130mPa・s、重
量平均分子量は50.6×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表9に示す。
【0133】このアクリル系重合体(VIII)を用いて、製
造条件を表10に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得ら
れた粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な
製造条件と結果とをまとめて表10に示す。
【0134】〔比較例9〕反応条件を表9に示す通りに
変更した以外は比較例5と同様の反応・操作を行って、
比較用のアクリル系重合体(IX)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(IX)の固形分は34.2%、粘度は 3,180mPa・s、重
量平均分子量は39.3×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表9に示す。
【0135】このアクリル系重合体(IX)を用いて、製
造条件を表10に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得ら
れた粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な
製造条件と結果とをまとめて表10に示す。
【0136】
【表9】
【0137】
【表10】
【0138】〔実施例16〕予め、多価メルカプタンと
しての「PETG」 2.0部、「ABN−E」0.80部、お
よび酢酸エチル10.0部を混合して重合開始剤溶液12.8部
を得た。
【0139】一方、「AA」 5.0部および「BA」20.0
部を混合して、単量体組成物(a1)25.0部を得た。ま
た、「BA」 374.2部および「HEA」 0.8部を混合し
て、単量体組成物(a2) 375.0部を得た。
【0140】先ず、第1重合工程として、温度計、撹拌
機、マックスブレンド翼(住友重機械工業株式会社
製)、不活性ガス導入管、還流冷却器および滴下ロート
を備えた4つ口フラスコに、不飽和単量体(b)として
の「MMA」 100.0部と、酢酸エチル60.0部とを仕込ん
で窒素ガス気流下で攪拌しながら83℃に保ち、上記重合
開始剤溶液12.8部のうち 6.4部を加えて重合を開始させ
た。重合開始から 1.5時間経過後、さらに残りの重合開
始剤溶液 6.4部を添加して、さらに重合を行った。反応
開始から3時間経過後の重合率は85.1%であった。
【0141】次いで、第2重合工程として、上記4つ口
フラスコに、該単量体組成物(a1)25.0部と、酢酸エチ
ル20.0部とを添加し、さらに1時間反応を続けた。
【0142】その後、第3重合工程として、上記4つ口
フラスコに、該単量体組成物(a2)375.0部と、酢酸エ
チル 365.0部とを2時間かけて連続的に滴下した。滴下
終了後、上記4つ口フラスコに、酢酸エチル10部と「A
BN−E」 0.2部とを追加し、85℃で2時間熟成させ
て、アクリル酸エステル系重合体(以下、アクリル酸エ
ステル系重合体(16)と記す)を得た。
【0143】実施例1と同様の方法を用いて測定したア
クリル酸エステル系重合体(16)の固形分は50.9%、
粘度は4,780 mPa・s、重量平均分子量は30.1×1
04 、数平均分子量は 5.0×104 であった。主な反応条
件と結果とをまとめて表11に示す。
【0144】このアクリル系重合体(16)を用いて、
製造条件を表12に示す通りに変更した以外は実施例1
と同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘
着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条
件と結果とをまとめて表12に示す。
【0145】〔実施例17〕反応条件を表11に示す通
りに変更した以外は実施例16と同様の反応・操作を行
って、アクリル系重合体(17)を得た。実施例16、
即ち、実施例1と同様の方法を用いて測定したアクリル
酸エステル系重合体(17)の固形分は50.4%、粘度は
4,650 mPa・s、重量平均分子量は32.4×104 、数平
均分子量は 5.1×104 であった。主な反応条件と結果と
をまとめて表11に示す。
【0146】このアクリル系重合体(17)を用いて、
製造条件を表12に示す通りに変更した以外は実施例1
6、即ち、実施例1と同様の操作を行って、粘着シート
を得た。得られた粘着シートの保持力並びに粘着力を測
定した。主な製造条件と結果とをまとめて表12に示
す。
【0147】〔実施例18〕反応条件を表11に示す通
りに変更した以外は実施例16と同様の反応・操作を行
って、アクリル系重合体(18)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(18)の固形分は50.1%、粘度は5,240 mPa・s、
重量平均分子量は36.1×104 、数平均分子量は 5.3×10
4 であった。主な反応条件と結果とをまとめて表11に
示す。
【0148】このアクリル系重合体(18)を用いて、
製造条件を表12に示す通りに変更した以外は実施例1
と同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘
着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条
件と結果とをまとめて表12に示す。
【0149】〔実施例19〕反応条件を表11に示す通
りに変更した以外は実施例16と同様の反応・操作を行
って、アクリル系重合体(19)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(19)の固形分は50.9%、粘度は14,300mPa・s、
重量平均分子量は36.1×104 、数平均分子量は 5.3×10
4 であった。主な反応条件と結果とをまとめて表11に
示す。
【0150】このアクリル系重合体(19)を用いて、
製造条件を表12に示す通りに変更した以外は実施例1
と同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘
着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条
件と結果とをまとめて表12に示す。
【0151】〔実施例20〕反応条件を表11に示す通
りに変更した以外は実施例16と同様の反応・操作を行
って、アクリル系重合体(20)を得た。実施例1と同
様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系重合体
(20)の固形分は50.8%、粘度は 5,480mPa・s、
重量平均分子量は31.3×104 、数平均分子量は 5.1×10
4 であった。主な反応条件と結果とをまとめて表11に
示す。
【0152】このアクリル系重合体(20)を用いて、
製造条件を表12に示す通りに変更した以外は実施例1
と同様の操作を行って、粘着シートを得た。得られた粘
着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な製造条
件と結果とをまとめて表12に示す。
【0153】
【表11】
【0154】
【表12】
【0155】〔比較例10〕実施例16において、単量
体組成物(a1)の代わりに表13に示す組成比を有する
比較用の単量体組成物(c1)を用い、単量体組成物(a
2)の代わりに表13に示す組成比を有する比較用の単量
体組成物(c2)を用い、他の反応条件を表13に示す通
りに変更した以外は実施例16と同様の反応・操作を行
って、比較用のアクリル系重合体(X)を得た。実施例
16、即ち、実施例1と同様の方法を用いて測定したア
クリル酸エステル系重合体(X)の固形分は50.3%、粘
度は 3,480mPa・s、重量平均分子量は28.1×104
数平均分子量は 4.4×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表13に示す。
【0156】このアクリル系重合体(X)を用いて、製
造条件を表14に示す通りに変更した以外は実施例1
6、即ち、実施例1と同様の操作を行って、比較用の粘
着シートを得た。得られた粘着シートの保持力並びに粘
着力を測定した。主な製造条件と結果とをまとめて表1
4に示す。
【0157】〔比較例11〕反応条件を表13に示す通
りに変更した以外は比較例10と同様の反応・操作を行
って、比較用のアクリル系重合体(XI)を得た。比較例
10、即ち、実施例1と同様の方法を用いて測定したア
クリル酸エステル系重合体(XI)の固形分は50.2%、粘
度は 4,850mPa・s、重量平均分子量は33.4×104
数平均分子量は 5.4×104 であった。主な反応条件と結
果とをまとめて表13に示す。
【0158】このアクリル系重合体(XI)を用いて、製
造条件を表14に示す通りに変更した以外は比較例1
0、即ち、実施例1と同様の操作を行って、比較用の粘
着シートを得た。得られた粘着シートの保持力並びに粘
着力を測定した。主な製造条件と結果とをまとめて表1
4に示す。
【0159】〔比較例12〕反応条件を表13に示す通
りに変更した以外は比較例10と同様の反応・操作を行
って、比較用のアクリル系重合体( XII )を得た。実施
例1と同様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル
系重合体( XII )の固形分は50.1%、粘度は12,240mP
a・s、重量平均分子量は38.1×104 、数平均分子量は
5.9×104 であった。主な反応条件と結果とをまとめて
表13に示す。
【0160】このアクリル系重合体( XII )を用いて、
製造条件を表14に示す通りに変更した以外は実施例1
と同様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得
られた粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主
な製造条件と結果とをまとめて表14に示す。
【0161】〔比較例13〕反応条件を表13に示す通
りに変更した以外は比較例10と同様の反応・操作を行
って、比較用のアクリル系重合体(XIII)を得た。実施例
1と同様の方法を用いて測定したアクリル酸エステル系
重合体(XIII)の固形分は50.6%、粘度は 4,880mPa・
s、重量平均分子量は30.8×104 、数平均分子量は 5.0
×104 であった。主な反応条件と結果とをまとめて表1
3に示す。
【0162】このアクリル系重合体(XIII)を用いて、製
造条件を表14に示す通りに変更した以外は実施例1と
同様の操作を行って、比較用の粘着シートを得た。得ら
れた粘着シートの保持力並びに粘着力を測定した。主な
製造条件と結果とをまとめて表14に示す。
【0163】
【表13】
【0164】
【表14】
【0165】実施例1〜20および比較例1〜13の結
果から明らかなように、本発明にかかる製造方法を用い
て得られた(メタ)アクリル系重合体を含んでなる粘着
剤を用いて得られた粘着シートは、比較例で得られた
(メタ)アクリル系重合体を含んでなる粘着剤を用いて
得られた粘着シートに比べて、保持力並びに加熱促進後
の粘着力に優れていることが判った。即ち、本実施例で
得られた粘着剤は、軟質塩ビシートに含まれる可塑剤や
金属安定剤が移行しても、粘着力の低下なしに充分な粘
着物性を維持することができることが判った。
【0166】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の(メタ)アクリ
ル系重合体の製造方法は、以上のように、カルボキシル
基含有不飽和単量体を0.1 重量%〜10重量%の範囲内で
含む単量体組成物(a1)と、カルボキシル基含有不飽和
単量体以外の反応性官能基含有不飽和単量体および(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体組成物
(a2)とからなる単量体組成物(a)を溶液重合させる
に際して、単量体組成物(a)を溶液重合してなる重合
体(A)と相溶しない重合体(B)の存在下で、上記単
量体組成物(a1)を溶液重合させた後、単量体組成物
(a2)を溶液重合させる方法である。
【0167】本発明の請求項2記載の(メタ)アクリル
系重合体の製造方法は、以上のように、上記重合体
(B)のガラス転移点が、 273K以上である方法であ
る。また、本発明の請求項3記載の(メタ)アクリル系
重合体は、以上のように、請求項1または2の何れか1
項に記載の製造方法で得られる構成である。
【0168】上記の構成によれば、可塑剤や金属安定剤
の移行による凝集力の低下が起こりにくく、このため、
上記可塑剤や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下な
しに充分な粘着物性を維持することができる粘着剤を得
ることができる(メタ)アクリル系重合体を容易に得る
ことができるという効果を奏する。また、得られた粘着
剤を特に軟質塩ビ用の粘着剤に用いる場合には、上記重
合体(B)として、 273K以上のガラス転移点を有する
重合体を用いることが好ましい。
【0169】本発明の請求項4記載の粘着剤は、以上の
ように、請求項3に記載の(メタ)アクリル系重合体を
含む構成である。
【0170】上記の構成によれば、本発明にかかる粘着
剤は、上記製造方法で得られた(メタ)アクリル系重合
体を含んでなることで、可塑剤や金属安定剤の移行によ
る凝集力の低下が起こりにくく、このため、上記可塑剤
や金属安定剤が移行しても、粘着力の低下なしに充分な
粘着物性を維持することができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−73139(JP,A) 特開 平7−179538(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 285/00 C08F 2/44 C09J 151/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基含有不飽和単量体を0.1 重
    量%〜10重量%の範囲内で含む単量体組成物(a1)と、
    カルボキシル基含有不飽和単量体以外の反応性官能基含
    有不飽和単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テルを含む単量体組成物(a2)とからなる単量体組成物
    (a)を溶液重合させるに際して、 単量体組成物(a)を溶液重合してなる重合体(A)と
    相溶しない重合体(B)の存在下で、上記単量体組成物
    (a1)を溶液重合させた後、単量体組成物(a2)を溶液
    重合させることを特徴とする(メタ)アクリル系重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】上記重合体(B)のガラス転移点が、 273
    K以上であることを特徴とする請求項1記載の(メタ)
    アクリル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の何れか1項に記載の製
    造方法で得られることを特徴とする(メタ)アクリル系
    重合体。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の(メタ)アクリル系重合
    体を含むことを特徴とする粘着剤。
JP07237442A 1995-09-14 1995-09-14 (メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤 Expired - Fee Related JP3083741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07237442A JP3083741B2 (ja) 1995-09-14 1995-09-14 (メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07237442A JP3083741B2 (ja) 1995-09-14 1995-09-14 (メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0977837A JPH0977837A (ja) 1997-03-25
JP3083741B2 true JP3083741B2 (ja) 2000-09-04

Family

ID=17015423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07237442A Expired - Fee Related JP3083741B2 (ja) 1995-09-14 1995-09-14 (メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3083741B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH111670A (ja) * 1997-06-13 1999-01-06 Nippon Shokubai Co Ltd 粘着製品
JP5775099B2 (ja) * 2013-01-07 2015-09-09 トクラス株式会社 床パネル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0977837A (ja) 1997-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0686653B1 (en) Block polymer, thermoplastic addition polymer, production process, and use
JP6151416B1 (ja) 応力分散フィルム、光学部材、および電子部材
JPH10310754A (ja) 粘着剤組成物
JPH0953059A (ja) 粘着剤組成物
CN107011834B (zh) 粘合剂组合物、粘合构件、光学构件、及电子构件
JPH11293222A (ja) 粘着剤組成物
JPH10330722A (ja) アクリル系粘着剤組成物
JP2001181347A (ja) 粘着剤用ポリマー、該ポリマーの製造方法および該粘着剤用ポリマーを用いた粘着製品
JP3377315B2 (ja) 軟質塩ビ用粘着剤用組成物、粘着性製品および貼り合わせ品
JP3083741B2 (ja) (メタ)アクリル系重合体およびその製造方法並びに上記重合体を含む粘着剤
JP4755876B2 (ja) 官能基含有アクリル系共重合体の製造方法および粘着剤組成物の製造方法
JPH10316954A (ja) 加熱剥離性粘着剤組成物、加熱剥離性粘着製品およびその使用方法
JP3534340B2 (ja) 軟質塩ビ用粘着剤用組成物、粘着性製品および貼り合わせ品
JP3202627B2 (ja) (メタ)アクリル系重合体の製造方法
JPH08143847A (ja) アクリル系粘着剤組成物
CN113999633A (zh) 粘合剂组合物及粘合片
JP7302159B2 (ja) 粘着付与剤及び粘着剤組成物
WO2022014313A1 (ja) 粘着剤組成物および粘着シート
CN113831867A (zh) 粘合剂组合物、粘合构件、光学构件、及电子构件
JPH08176519A (ja) 粘着製品用支持体、支持体用樹脂組成物および粘着製品
CN114846105A (zh) 丙烯酸类乳液压敏粘合剂组合物
JP2000192008A (ja) 感圧性接着剤組成物とその製造方法
JPH10183092A (ja) 粘着剤組成物及び粘着加工品
JP2000119619A (ja) アクリル系ホットメルト粘着剤組成物
JP2001207148A (ja) 粘着剤組成物およびその製造方法と粘着シ―ト類

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees