JP3083632B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP3083632B2
JP3083632B2 JP04080502A JP8050292A JP3083632B2 JP 3083632 B2 JP3083632 B2 JP 3083632B2 JP 04080502 A JP04080502 A JP 04080502A JP 8050292 A JP8050292 A JP 8050292A JP 3083632 B2 JP3083632 B2 JP 3083632B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料(以下単に感光材料と称することもある)の処理方法
に関し、更に詳しくは形成された色素画像のランニング
処理後の画像保存性および画質に優れたハロゲン化銀写
真感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【発明の背景】直接鑑賞用に供されるハロゲン化銀写真
感光材料においては、色素画像を形成する発色剤とし
て、通常イエローカプラー、マゼンタカプラー及びシア
ンカプラーの組合せが用いられる。これらのカプラーに
対しては得られる色素画像における色再現性、発色性お
よび画像保存性等の基本性能が要求されるが、特に近
年、色素画像は長時間に曝されても、高温・高湿下に保
存されても変褪色しないこと、又、未発色部が黄変(以
下、Yステインという)しないこと、更に画質の変化し
ないことが望まれる。
【0003】従来、マゼンタカプラーとしては5−ピラ
ゾロン化合物がよく使用されている。しかしながら、5
−ピラゾロン化合物より形成される色素は色再現上好ま
しくない副吸収があり、その改良が望まれている。米国
特許3,725,067号、同3,758,309号、
同3,810,761号等にはピラゾロアゾール系カプ
ラーが提示されている。ピラゾロアゾール系カプラーか
ら形成される色素は、色再現上好ましくない副吸収はな
いものの、光に対する堅牢性が著しく低く、写真感光材
料の写真性能を著しく損なうものであった。
【0004】さらに、特開昭59−125732号、同
61−282845号、同61−292639号、同6
1−279855号にはピラゾロアゾール系カプラーに
フェノール系化合物またはフェニルエーテル系化合物を
併用する技術が、特開昭61−72246号、同62−
208048号、同62−157031号、同63−1
63351号にはアミン系化合物を併用する技術が開示
さている。
【0005】しかし、上記技術では、色素画像の光に対
する堅牢性は不十分であり、上記のような化合物をピラ
ゾロアゾール系カプラーと併用した場合、形成された色
素の吸収がブロードになり色再現上好ましくないことが
判った。また、感光材料を連続的に処理する方法(ラン
ニング処理)において、処理成分濃度の変化による仕上
がりプリントの特性の変化が大きく、特に色素画像の保
存時の安定性が大幅に劣化することが判った。それを防
止するために、一般に処理液に補充液を補充しながらラ
ンニング処理が行なわれている。
【0006】しかし、この場合、補充液の補充に伴って
多量のオーバーフロー液が発生し、環境の面で大きな問
題となっており、従って発色現像液の補充液の低減(低
補充化)が強く望まれている。しかしながら、処理液の
低補充化を行った際、前記ピアゾロアゾール系化合物と
フェノール系、フェニルエーテル系あるいはアミン系の
化合物を併用するとYステインや感光材料表面の接着性
が増大して、仕上がりプリントの取り扱い上、および保
存時に種々の問題が生じることが明らかとなった。
【0007】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、ランニング処理
後に光に曝されても、高温・高湿下に保存されても褪色
やYステインの発生等の画像の変質が抑えられかつ接着
等による画質の劣化が抑えられたハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は環境問題を考慮し、
きわめて低補充ランニング処理を行いオーバーフロー液
を低減させたランニング処理を行った後、光に曝されて
も、高温・高湿下に保存されても褪色やYステインの発
生等の画像の変質が抑えられ、かつ接着等による画質の
劣化が抑えられたハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
を提供することにある。
【0009】
【発明の構成】発明の上記目的は、支持体上に一般式
〔IA−1〕、一般式〔IB〕、一般式〔IC〕、一般
式〔ID〕又は一般式〔IF−1〕〜一般式〔IF−
4〕で表されるマゼンタカプラーを含有するハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法において、前記ハロゲン化銀
写真感光材料を発色現像液の補充量が、ハロゲン化銀写
真感光材料1m2 あたり20〜100ミリリットルであ
る発色現像液にて処理することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法によって達成された。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【化12】
【0014】式中、R2 及びR3 は水素原子又は置換
基を表し、Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との
反応により離脱しうる基を表す。〕
【0015】
【化13】
【0016】〔式中、L1 は主鎖の鎖長が原子数5以下
の2価の連結基を表し、R1 及びR2 は置換基を表す。
Yは窒素原子とともに5員もしくは6員の複素環を形成
するのに必要な非金属原子群を表し、nは0から4の整
数を表す。Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との
反応により離脱しうる基を表す。〕
【0017】
【化14】
【0018】〔式中、R1 、R2 及びR4 は置換基を表
し、Yは窒素原子とともに5員もしくは6員の複素環を
形成するのに必要な非金属原子群を表し、nは0から4
の整数を表す。mは1又は2を表す。Xは水素原子又は
発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しうる基を表
。〕
【0019】
【化15】
【0020】〔式中、Aは前記一般式〔II〕又は一般
式〔III〕で表されるピラゾロトリアゾールマゼンタ
カプラーからR2 又はR3 を除去した残基を表し、RB
はアルキレン基を表し、LB は2価の連結基又は単なる
結合手を表し、RB はアルキレン基を表し、Yは窒素原
子と共に5員もしくは6員の複素環を形成するのに必要
な非金属原子群を表す。〕
【0021】
【化16】
【0022】〔式中、Aは前記一般式〔II〕又は一般
式〔III〕で表されるピラゾロトリアゾールマゼンタ
カプラーからR2 又はR3 を除去した残基を表し、LC
は2価の連結基又は単なる結合手を表し、Eは−CO
−、−SO−、−SO2 −、−N(R16)−SO2 −、
−N(R16)−CO−、−O−CO−を表し、R16は水
素原子又は置換基を表し、Yは窒素原子と共に5員もし
くは6員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を
表す。〕
【0023】
【化17】
【0024】〔式中、Aは一般式〔II〕又は一般式
〔III〕で表されるピラゾロトリアゾールマゼンタカ
プラーからR2 又はR3 を除去した残基を表し、LD
2価の連結基又は単なる結合手を表し、Bは−O−、−
S−、−SO2−、−N(R16)−、−N(R162
を表し、RD は水素原子又は置換基を表し、Ra
b 、Rc 及びRd はアルキル基を表し、YD は5員も
しくは6員を形成するのに必要な非金属原子群を表し、
その非金属原子群の中の1つの原子はBと結合すること
を表し、R16は水素原子又は置換基を表す。〕
【0025】
【0026】
【0027】
【化19】
【0028】〔式中、La 及びLb は2価の連結基又は
単なる結合手を表し、RF はアルキレン基又はアリーレ
ン基を表し、Yは5員〜6員環を形成するのに必要な非
金属原子群を表し、nf は0又は1を表し、Ra1
b1、Rc1、Rd1及びRe1は水素原子又は置換基を表
し、Ra1〜Rd1のうち少なくとも1つは水酸基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基又は
【0029】
【化20】
【0030】であり、Xf は−S−、−SO2 −又は−
N(R162 −を表し、R16は水素原子又は置換基を表
し、2つのR16は同じであっても異っていてもよく、X
は水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応により離
脱しうる基を表す。〕
【0031】以下、本発明を更に具体的に説明する。本
発明者らは、ランニング処理時の現像液補充液を大幅に
低減させ、発色現像処理液の補充量を感光材料1m2
たり20〜100ミリリットルである発色現像液にてラ
ンニング処理を行った後、光に曝されても、高温・高湿
下に保存されても褪色やYステインの発生が抑えられか
つ接着等による画像の劣化が抑えられたハロゲン化銀写
真感光材料の処理方法について、鋭意研究を行った結
果、驚くべき事に上記アミン系の画像安定化剤を分子内
に有するマゼンタカプラーを感光材料において使用する
ことにより、発色現像液の補充量が、ハロゲン化銀写真
感光材料1m2 あたり20〜100ミリリットルである
発色現像液にてランニング処理を行った後において、光
に曝されても高温・高湿下に保存されても褪色やYステ
インの発生等の画像の変質が抑えられ、かつ接着等によ
る画質の劣化が抑えられたハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法を見出した。
【0032】また、更に驚くべきことには、発色現像液
のオーバーフロー液が事実上なくなる処理、具体的には
ハロゲン化銀写真感光材料1m2 当り20〜60ミリリ
ットルである発色現像液にてランニング処理を行った場
合でもランニング処理を行った後において、光に曝され
ても、高温・高湿下に保存されても褪色やYステインの
発生等の画像の変質や接着等による画質の劣化が最小限
に抑えられることが判った。
【0033】以下に、本発明に用いられるマゼンタカプ
ラーについて説明をする。前記一般式、〔II〕、〔I
II〕、〔IA−1〕、〔IA−2〕、〔IA−3〕、
〔IA−4〕、〔IB〕、〔IC〕、〔ID〕、〔IF
−1〕、〔IF−2〕、〔IF−3〕及び〔IF−4〕
において、R1 、R2 3 、R4 、RD 、RE1、RE2
a1、Rb1、Rc1、Rd1及びRe1で表される置換基とし
ては、特に制限はないが、代表的にはアルキル、アリー
ル、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキ
ルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等
の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子及びシク
ロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スル
フィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルフ
ァモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素
環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、カルバモイルオキ
シ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スル
ファモイルアミノ、アルコキシカルボニアルアミノ、ア
リールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニ
ル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ等の各基、
ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等
も挙げられる。このようなマゼンタカプラーを用いるこ
とにより色素画像の光に対する堅牢性、ステインの発生
及び感光材料の接着性に対する安定性が得られる。
【0034】R1 、R2 3 、R4 、RD 、RE1
E2、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1及びRe1の表す置換基の
うち、アルキル基としては、炭素数1〜32のものが好
ましく、直鎖でも分岐でもよい。アリール基としては、
フェニル基が好ましい。アシルアミノ基としては、アル
キルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基
等が挙げられる。
【0035】スルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られる。アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアル
キル成分、アリール成分は上記R1 、R2 3 、R4
D 、RE1、RE2、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1及びRe1
表されるアルキル基、アリール基が挙げられる。アルケ
ニル基としては炭素数2〜32のもの、シクロアルキル
基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好まし
く、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。
【0036】シクロアルケニル基としては、炭素数3〜
12、特に5〜7のものが好ましい。スルホニル基とし
てはアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が
挙げられる。スルフィニル基としてはアルキルスルフィ
ニル基、アリールスルフィニル基等が挙げられる。ホス
ホニル基としてはアルキルスルホニル基、アルコキシホ
スホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリールホ
スホニル基等が挙げられる。アシル基としてはアルキル
カルボニル基、アリールカルボニル基等が挙げられる。
【0037】カルバモイル基としてはアルキルカルバモ
イル基、アリールカルバモイル基等が挙げられる。スル
ファモイル基としてはアルキルスルファモイル基、アリ
ールスルファモイル基等が挙げられる。アシルオキシ基
としてはアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボ
ニルオキシ基等が挙げられる。
【0038】カルバモイルオキシ基としてはアルキルカ
ルバモイルオキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等
が挙げられる。ウレイド基としてはアルキルウレイド
基、アリールウレイド基等が挙げられる。スルファモイ
ルアミノ基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、
アリールスルファモイルアミノ基等が挙げられる。
【0039】複素環基としては5〜7員のものが好まし
く、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピ
リミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられ
る。複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有する
ものが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロ
ピラニル−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−
5−オキシ基等が挙げられる。
【0040】複素環チオ基としては、5〜7員の複素環
チオ基が好ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベ
ンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,
3,5−トリアゾール−6−チオ基等が挙げられる。シ
ロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチルシ
ロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等が挙げられる。
イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシル
コハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基
等が挙げられる。
【0041】スピロ化合物残基としてはスピロ〔3,
3〕ヘプタン−1−イル等が挙げられる。有橋炭化水素
化合物残基としてはビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−
1−イル、トリシクロ〔3,3,1,137〕デカン−1
−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘ
プタン−1−イル等が挙げられる。これらR1 、R2
3 、R4 、RD 、RE1、RE2、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1
及びRe1で表される各基は更に置換基を有するものを含
む。
【0042】Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩素
原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリー
ルオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオ
キシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカ
ルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキ
ザリルオキシ、アリキルチオ、アリールチオ、複素環チ
オ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられるが、
好ましくはハロゲン原子、特に塩素原子である。
【0043】nが2以上の時、複数のR1 は同じであっ
ても異なっていてもよく、その時複数のR1 同士で縮合
環を形成してもよい。また、R2 、R3 またはX中にピ
ラゾロトリアゾール環を含有する2量体カプラーの如き
多量体カプラーやポリマーカプラーの本発明に含まれ
る。更に、一般式〔IA〕のAで表される残基中に、一
般式〔IA〕で表される化合物からAは除去した基を有
するものも本発明に含まれる。
【0044】前記一般式〔IA〕、〔IB〕、〔I
C〕、〔ID〕〔IF−1〕、〔IF−2〕、〔IF
−3〕及び〔IF−4〕において、L、L1 、LB 、L
C 、LD 、LE 、La 及びLb で表される2価の連結基
としては、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、ア
ルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキ
ニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニ
ル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、アルコキ
シ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、カ
ルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、
ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニ
アルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チ
オ等の各基より導かれる2価の基及びこれら2価の基を
組み合わせることにより形成することができる2価の基
を表し、好ましくは下記一般式〔X〕で示される。
【0045】
【化21】
【0046】式中、R13側はピラゾロアゾール環と結合
している。一般式〔X〕中のR13、R14及びR15は、そ
れぞれ独立に炭素原子数1〜12個のアルキレン基、ア
リーレン基、アルキレンアリーレン基又はアラルキレン
基を表す。アルキレン基は、直鎖でも分岐していてもよ
いが、例えばメチレン基、メチルメチレン基、ジメチレ
ン基、デカメチレン基等であり、アリーレン基として
は、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等であり、ア
ラルキレン基、アルキレンアリーレン基としては
【0047】
【化22】
【0048】等が挙げられる。前記R13、R14及びR15
で表されるアルキレン基、アリーレン基、アルキレンア
リーレン基又はアラルキレン基は置換基を有することが
でき、置換基としては、前記R1 、R2 、R3 及びR4
で表される各置換基が挙げられる。また一般式〔X〕中
のL、L2 及びL3
【0049】
【化23】
【0050】を表す。但し、R16は水素原子、アルキル
基又はアリール基を表し、2個のR16が存在するとき、
各R16は同一でも異なってもよい。p、q、r、s、t
及びuは0又は1の整数を表す。
【0051】一般式〔IB〕における−LB −RB −、
一般式〔IC〕における−LC −、一般式〔ID〕にお
ける−LD 一般式〔IF−1〕〜〔IF−4〕にお
ける−La −及び−Lb −で表される2価の連結基の主
鎖の鎖長は原子数15以下が好ましく、10以下が更に
好ましいが、ここにおいて連結基中に環状部分が存在す
る場合、該部分での原子数は例えばm−フェニレンでは
3、o−フェニレンでは2の如く最も原子数が少ない経
路に沿って数えることにする。
【0052】一般式〔IB〕中のRB は炭素数1〜32
のアルキレン基を表し、そのアルキレン基は直鎖でも分
岐していてもよく、例えば、メチレン、メチルメチレ
ン、ジメチレン、デカメチレン基等が挙げられる。一般
式〔IF−1〕〜〔IF−4〕中のRF は炭素数1〜3
2個のアルキレン、アリーレン基を表し、アルキレン基
は直鎖でも分岐していてもよく、例えばメチレン、メチ
ルメチレン、ジメチレン、デカメチレン基等であり、ア
リーレン基としてはフェニレン、ナフチレン基等であ
る。
【0053】一般式〔ID〕中のYD で表される非金属
原子群としては、飽和炭化水素又は、酸素原子、窒素原
子及び/又は硫黄原子を含有する飽和炭化水素が好まし
い。一般式〔ID〕中のRa 、Rb 、Rc 及びRd で表
されるアルキル基は、炭素数1〜32のものが好ましく
直鎖でも分岐状のものでもよく、また環状のものでもよ
く、飽和でも不飽和でもよく、例えば、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、ビニル基等
が挙げられるが、この中で特に好ましいものは直鎖のア
ルキル基である。一般式〔IF−1〕〜〔IF−4〕中
の下記の基は、
【0054】
【化24】
【0055】で示されるフェノール系画像安定化剤残基
を表すが、より好ましくは、一般式〔FA〕及び一般式
〔FB〕で表される。
【0056】
【化25】
【0057】一般式〔FA〕において、R122
123 、R125 及びR126 は水素原子、ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルコキシ基、又はアシルアミノ基を表すが、この
うち、アルキル基、アルケニル基、アリール基について
は前記R1 について述べたアルキル基、アルケニル基、
アリール基と同一のものが挙げられる。又、前記ハロゲ
ン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素等を挙げる
ことができる。
【0058】更に前記アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ベンジルオキシ基等を具体的に挙げる
ことができる。更に前記アシルアミノ基はR127 −CO
NH−で示され、ここにおいて、R127 はアルキル基
(例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
n−オクチル、tert−オクチル、ベンジル等の各
基)、アルケニル基(例えばアリル、オクテニル、オレ
イル基の各基)、アリール基(例えばフェニル、メトキ
シフェニル、ナフチル等の各基)又は複素環基(例えば
ピリジニル、ピリミジルの各基)を表すことができる。
【0059】又、前記一般式〔FA〕において、R124
はアルキル基、ヒドロキシル基、アリール基、アルコキ
シ基、アルケニルオキシ基又はアリールオキシ基を表す
が、このうちアルキル基、アリール基については、前記
1 で示されるアルキル基、アリール基と同一のものを
具体的に挙げることができる。又、R124 のアルコキシ
基については前記R122 、R123 、R125 及びR126
ついて述べたアルコキシ基と同一のものを挙げることが
できる。
【0060】又、R122 とR123 は互いに閉環し、5員
又は6員の複素環を形成していてもよく、更にR123
124 が閉環し、5員又は6員環を形成していてもよ
く、これらの環には更に別の環がスピロ結合したものも
含まれる。以下に前記一般式〔A〕で表されるフェノー
ル系画像安定化剤残基の代表的具体例を示すが、本発明
はこれらにより限定されるものではない。
【0061】
【化26】
【0062】
【化27】
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】
【化30】
【0066】一般式〔B〕においてR131 は2級もしく
は3級のアルキル基、2級もしくは3級のアルケニル
基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、R132
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基又はアリール基を表し、n2 は0〜3の整数を表
す。化合物中にR131 、R132 がそれぞれ2以上存在す
るとき、各R131 、R132 は同一でも異なっていてもよ
い。YB1はS,SO,SO2 又はアルキレン基を表す。
【0067】R131 で表される2級もしくは3級のアル
キル基、又は2級もしくは3級のアルケニル基として
は、炭素数3〜32のもの、特に4〜12のものが好ま
しく、具体的には、t−ブチル、s−ブチル、t−アミ
ル、s−アミル、t−オクチル、i−プロピル、i−プ
ロペニル、2−ヘキセニル等の基が挙げられる。
【0068】R132 で表されるアルキル基としては炭素
数1〜32のものが好ましく、アルケニル基としては炭
素数2〜32のものが好ましく、又、直鎖でも分岐でも
よい。具体的にはメチル、エチル、t−ブチル、ペンタ
デシル、1−ヘキシノニル、2−クロロブチル、ベンジ
ル、2,4−ジ−t−アミルフェノキシメチル、1−エ
トキシトリデシル、アリル、イソプロペニル等の基が挙
げられる。
【0069】R131 およびR132 で表されるシクロアル
キル基としては、炭素数3〜12のものが好ましく、シ
クロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、シクロペン
チル等の基が挙げられる。R131 及びR132 で表される
アリール基としては、フェニル、ナフチル基が好ましく
具体的にはフェニル、4−ニトロフェニル、4−t−ブ
チルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、3−
ヘキサデシルオキシフェニル、α−ナフチル等が挙げら
れる。
【0070】YB1で表されるアルキレン基としては、炭
素数1〜12のものが好ましく、具体的にはメチレン、
エチレン、プロピレン、ブチリデン、ヘキサメチレン等
の基を挙げることができる。これらのR131 、R132
B1で表される各基は置換基を有していてもよい。R
131 、R132 及びYB1が有してもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子ならびにニトロ、シアノ、アミド、
スルホンアミド、アルコキシ、アリールオキシ、アルキ
ルチオ、アリールチオ、アシル等の基が挙げられる。以
下に一般式〔FB〕の代表的具体例を示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0071】
【化31】
【0072】
【化32】
【0073】
【化33】
【0074】前記一般式〔IA〕、一般式〔IA−
1〕、一般式〔IA−2〕、一般式〔IA−3〕、一般
式〔IA−4〕、一般式〔IB〕、一般式〔IC〕、一
般式〔IF−1〕、一般式〔IF−2〕、 一般式〔I
F−3〕、及び一般式〔IF−4〕において、Yで表さ
れる非金属原子群としては、
【0075】
【化34】
【0076】を含有していることが好ましい。R17及び
18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリー
ル基を表し、n1 は0〜2の整数を表す。前記一般式
〔IA〕、一般式〔IA−1〕、一般式〔IA−2〕、
一般式〔IA−3〕、一般式〔IA−4〕、一般式〔I
B〕、一般式〔IC〕、一般式〔IF−1〕、一般式
〔IF−2〕、 一般式〔IF−3〕、及び一般式〔I
F−4〕の
【0077】
【化35】
【0078】で表される5〜6員の複素環は飽和であっ
ても、不飽和であってもよいが、飽和環が好ましい。ま
たこれら複素環は、R1 、R2 3 、R4 、RD
E1、RE2、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1及びRe1で表され
る置換基を有していてもよい。
【0079】一般式〔IA−1〕及び一般式〔IA−
2〕において、L1 は主鎖の鎖長が原子数5以下の2価
の連結基を表すが、ここにおいて連結基中に環構造部分
が存在する場合、該部分での原子数は例えばm−フェニ
レンでは3、o−フェニレンでは2の如く最も原子数が
少ない経路に沿って数えることとする。L1 で表される
連結基は例えば下記一般式〔X1 〕で示される。
【0080】一般式〔X1 〕 *1 −A1 −A2 −A3 −A4 −A5 −*2 〔式中、A1 〜A5 は2価以上の価数を持ち得る原子又
は単なる結合手を表し、各原子は更に水素原子又は置換
基で置換されていてもよく、*1 はピラゾロトリアゾー
ル環と結合する位置を表し、*2 はフェノキシ基と結合
する位置を表す。〕
【0081】A1 〜A5 が表す2価以上の価数を持ち得
る原子は、周期律表IIA 、IIIA 、IVA 、VA
VIA 族の原子であり、好ましくは非金属原子であり、
更に好ましくは炭素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫
黄、セレンであり、最も好ましくは、炭素、窒素、酸
素、硫黄、リンである。
【0082】尚、一般式〔IF−1〕〜〔IF−4〕に
おいて、RF がアリーレン基、nfが1を表す場合の連
結基Laも、L1 と同様に主鎖の鎖長が原子数5以下の
2価の連結基を表すことが最も好ましく、その場合のL
aはL1 と同様である。好ましいL1 の例を次に示す
が、L1 はこれらに限定されるものではない。
【0083】
【化36】
【0084】
【化37】
【0085】
【化38】
【0086】
【化39】
【0087】
【化40】
【0088】〔式中、R10、R1 、*1 、*2 、n、n
1 は前述のとおりであり、n1 は1又は2を表し、n2
は1、2又は3、n3 は0、1、2又は3を表し、n4
は1から4の整数を表し、n5 は1から5の整数を表
し、n6 は0又は1を表し、n7は0、1又は2を表
す。〕以下に、本発明に係るマゼンタカプラーの代表的
具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0089】
【化41】
【0090】
【化42】
【0091】
【化43】
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】
【化46】
【0095】
【化47】
【0096】
【化48】
【0097】
【化49】
【0098】
【化50】
【0099】
【化51】
【0100】
【化52】
【0101】
【化53】
【0102】
【化54】
【0103】
【化55】
【0104】
【化56】
【0105】
【化57】
【0106】
【化58】
【0107】
【化59】
【0108】
【化60】
【0109】
【化61】
【0110】
【化62】
【0111】
【化63】
【0112】本発明に係る前記ピラゾロトリアゾール系
マゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・
ソサイアティ(Journal of the Che
mical Society)、パーキン(Perki
n);I(1977)、2047〜2052、米国特許
3,725,067号、特開昭59−99437号、同
58−42045号、同59−162548号、同59
−171956号、同60−33552号、同60−4
3659号、同60−172892号、同60−190
779号、同61−189539号、同61−2417
54号、同63−163351号、同62−15703
1号を参考にして当業者ならば容易に合成することがで
きる。
【0113】次に本発明に係る前記ピラゾロトリアゾー
ル系マゼンタカプラーの代表的な合成例を以下に示す。 合成例1 例示化合物MA−1の合成 合成経路を次に示す。
【0114】
【化64】
【0115】化合物(I)10.0g、炭酸カリウム
9.2g及びα−ブロムラウリン酸エチル(II)1
7.6gをアセトニトリル250ccに加え、10時間
加熱還流した後、析出した臭化カリウムを熱濾過により
濾別した。濾液を減圧下留去し、残渣を酢酸エチル20
0ccで抽出した。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、酢酸エチルを減圧留去した。この淡黄色残渣をア
セトニトリルから再結晶し、15.2gの化合物(II
I)を得た。
【0116】前記化合物(III)9.1gをエチルア
ルコール45ccに溶解した後、水酸化ナトリウム1.
6gを水50ccに溶解した溶液を加え、3時間加熱還
流した。反応後希塩酸でアルカリを中和し、エチルアル
コールを減圧下留去した後、酢酸エチルで抽出し、水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧
留去した。得られた油状物を300ccのアセトニトリ
ルより再結晶し、白色結晶の化合物(IV)7.2gを
得た。
【0117】次に、化合物(IV)4.3gにp−ニト
ロフェノール1.4gとジオキサン20ccを加え、溶
解後、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.
3gを添加し、室温で2時間攪拌した。沈澱物を濾過し
た後、溶媒を減圧留去し、更に酢酸エチル50ccを加
え、この溶液を5%炭酸ナトリウム水溶液50ccで3
回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0118】溶媒を減圧留去することにより、橙色油状
の化合物(V)5.1gを得た。これにジメチルアセト
アミド60ccを加え、更に化合物(VI)2.2gを
加え、加熱溶解した後、アセトニトリル150ccとイ
ミダゾール0.5gを添加して4時間加熱還流した。溶
媒のアセトニトリルを減圧留去後、酢酸エチル300c
cと水200ccを加えて分液した。更に有機相を5%
炭酸ナトリウム水溶液100ccで3回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色ア
モルファス状の例示化合物(MA−1)5.0gを得
た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0119】
【化65】
【0120】
【化66】
【0121】
【化67】
【0122】
【化68】
【0123】
【化69】
【0124】
【化70】
【0125】
【化71】
【0126】
【化72】
【0127】
【化73】
【0128】
【化74】
【0129】
【化75】
【0130】
【化76】
【0131】本発明に係る前記ピラゾロトリアゾール系
マゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・
ソサイアティ(Journal of the Che
mical Society)、パーキン(Perki
n);I(1977)、2047〜2052、米国特許
3,725,067号、特開昭59−99437号、同
59−171956号、同60−43659号、同60
−172892号、同60−190779号を参考にし
て当業者ならば容易に合成することができる。
【0132】次に本発明に係る前記ピラゾロトリアゾー
ル系マゼンタカプラーの代表的な合成例を以下に示す。 合成例2 例示化合物MB−1の合成 合成経路
【0133】
【化77】 中間体B−3の合成 中間体B−1 30.7gにN,N−ジメチルアセトア
ミド150mlを加え、モルホリン20mlを加えて窒
素気流下100℃で4時間加熱攪拌した。反応液を室温
まで冷却後、水300mlと酢酸エチル300mlを加
えて抽出し、更に0.5N塩酸50mlで2回洗浄後、
有機層を乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(収量1
8.8g)した後、生成物をエタノール50mlに溶解
し、2規定水酸化ナトリウム水溶液150mlを加え
て、60℃で3時間加熱攪拌した。
【0134】反応液を室温で冷却し、濃塩酸で中和する
と白色の結晶が析出した。これを濾取し、水洗すること
により白色結晶の中間体B−3 12.2gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0135】例示化合物MB−1の合成 中間体B−3 5.7gと中間体B−4 4.8gをD
MF30mlに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)4.6gを加え、室温で5時間攪拌した。
析出してきた沈澱物を濾別した後、反応液に水150m
lと酢酸エチル250mlを加えて抽出した。有機層を
乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製することにより白色
アモルファス状のMB−1 6.3gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0136】合成例3 例示化合物MB−25の合成 合成経路
【0137】
【化78】
【0138】40%ホルマリン水溶液0.75mlに酢
酸10mlとモルホリン0.73gを加え、室温で1時
間攪拌した後、中間体B−5 4.6gを加えて、3時
間加熱攪拌した。反応液に酢酸エチル100mlと水1
00mlと加えて抽出後、3%炭酸水素ナトリウム水溶
液100mlで2回洗浄し、有機相を乾燥した後、溶媒
を減圧留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより淡黄色アモルフ
ァス状のMB−25 2.2gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0139】
【化79】
【0140】
【化80】
【0141】
【化81】
【0142】
【化82】
【0143】
【化83】
【0144】
【化84】
【0145】
【化85】
【0146】本発明に係る前記ピラゾロトリアゾール系
マゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・
ソサイアティ(Journal of the Che
mical Society)、パーキン(Perki
n);I(1977)、2047〜2052、米国特許
3,725,067号、特開昭59−99437号、同
59−171956号、同60−43659号、同60
−172892号、同60−190779号を参考にし
て当業者ならば容易に合成することができる。次に本発
明に係る前記ピラゾロトリアゾール系マゼンタカプラー
の代表的な合成例を以下に示す。
【0147】合成例4 例示化合物MC−7の合成 合成経路を次に示す。
【0148】
【化86】
【0149】C−1 4.8gをN,N−ジメチルアセ
トアミド20mlに加熱溶解後、アセトニトリル100
mlとC−2 7.7gを加えて、5時間加熱還流し
た。アセトニトリルを減圧留去した後、反応液を200
mlの水中に注ぎ、析出した結晶を濾取した。この生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、白色アモルファス状のC−3 4.4gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。) 更にC−3 4.2gとC−4 1.4gを1,4−ジ
オキサン50mlに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)1.7gを添加して室温で2時間攪拌
した。
【0150】不溶物を濾別後、酢酸エチル200mlを
加えて抽出し、0.5N塩酸50mlで洗浄後、2%炭
酸水素ナトリウム水溶液50mlで洗浄した。有機層を
乾燥させた後、溶媒を減圧留去し、得られた生成物をア
セトニトリルにより再結晶して白色結晶のMC−7
4.7gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0151】
【化87】
【0152】
【化88】
【0153】
【化89】
【0154】
【化90】
【0155】
【化91】
【0156】
【化92】
【0157】
【化93】
【0158】本発明に係る前記ピラゾロトリアゾール系
マゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・
ソサイアティ(Journal of the Che
mical Society)、パーキン(Perki
n);I(1977)、2047〜2052、米国特許
3,725,067号、特開昭59−99437号、同
59−171956号、同60−43659号、同60
−172892号、同60−190779号、シンセシ
ス誌、1984年894頁、同1984年122頁、同
1981年40頁、特開昭49−53574号、英国特
許第1,410,846号等を参考にして当業者ならば
容易に合成することができる。
【0159】次に本発明に係る前記ピラゾロトリアゾー
ル系マゼンタカプラーの代表的な合成例を以下に示す。
【0160】合成例5 例示化合物MD−1の合成 合成経路を次に示す。
【0161】
【化94】
【0162】D−1 4.8gをN,N−ジメチルアセ
トアミド20mlに加熱溶解後、アセトニトリル100
mlとD−2 7.7gを加えて、5時間加熱還流し
た。アセトニトリルを減圧留去した後、反応液を200
mlの水中に注ぎ、析出した結晶を濾取した。この生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、白色アモルファス状のD−3 4.5gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0163】更にD−3 4.2gとD−4 1.2g
をトルエン100mlとp−トルエンスルホン酸3.0
gを加え、6時間加熱還流した。反応液を室温で冷却
後、水洗し、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し、白色アモルファス状
のMD−1 3.1gを得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を確認した。)
【0164】
【化95】
【0165】
【化96】
【0166】
【化97】
【0167】
【化98】
【0168】
【化99】
【0169】
【化100】
【0170】
【化101】
【0171】
【化102】
【0172】
【化103】
【0173】本発明に係る前記ピラゾロトリアゾール系
マゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・
ソサイアティ(Journal of the Che
mical Society)、パーキン(Perki
n);I(1977)、2047〜2052、米国特許
3,725,067号、特開昭59−99437号、同
59−171956号、同60−43659号、同60
−172892号、同60−190779号、新実験化
学講座第14−III巻1585〜1594頁(197
7)丸善、同第14−III巻1576〜1584頁
(1977)丸善、Helv.Chem.Acta.,
36巻75頁(1953)、J.Am.Chem.So
c.,72巻2762頁(1950)、Drg.Syn
th.II巻395頁(1943)等を参考にして当業
者ならば容易に合成することができる。
【0174】次に本発明に係る前記ピラゾロトリアゾー
ル系マゼンタカプラーの代表的な合成例を以下に示す。
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【化105】
【0179】
【化106】
【0180】
【化107】
【0181】
【化108】
【0182】
【化109】
【0183】
【化110】
【0184】
【化111】
【0185】
【化112】
【0186】
【化113】
【0187】
【化114】
【0188】
【化115】
【0189】本発明に係る前記ピラゾロトリアゾール系
マゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・
ソサイアティ(Journal of the Che
mical Society)、パーキン(Perki
n);I(1977)、2047〜2052、米国特許
3,725,067号、特開昭59−99437号、同
58−42045号、同59−162548号、同59
−171956号、同60−33552号、同60−4
3659号、同60−172892号、同60−190
779号、同61−189539号、同61−2417
54号、同63−163351号、同62−15703
1号、Synthesys,1984年894頁、同1
984年122頁、同1981年40頁、特開昭49−
53574号、英国特許第1,410,846号、新実
験化学講座第14−III巻1585〜1594頁(1
977)丸善、同第14−III巻1576〜1584
頁(1977)丸善、Helv.Chem.Act
a.,36巻75頁(1953)、J.Am.Che
m.Soc.,72巻2762頁(1950)、Dr
g.Synth.II巻395頁(1943)等を参考
にして当業者ならば容易に合成することができる。
【0190】次に本発明に係る前記ピラゾロトリアゾー
ル系マゼンタカプラーの代表的な合成例を以下に示す。
【0191】合成例7 例示化合物MF−1の合成 合成経路を次に示す。
【0192】
【化116】
【0193】
【化117】
【0194】中間体F−4の合成 中間体F−1 33.3gに酢酸エチル1000cc、
酢酸ナトリウム9.8g、水200ccを加えて氷冷
し、5℃とした。激しく攪拌した反応液中に、中間体F
−2 32.7gの酢酸エチル溶液を約2時間かけて滴
下した後、室温で2時間攪拌した。反応液を分液し、更
に5%炭酸水素ナトリウム水溶液500ccで2回洗浄
後、有機相を乾燥濃縮乾固した。
【0195】得られた生成物をエタノールにより再結晶
し、51.8gの中間体F−3を得た。更に中間体F−
3 51.5gに2000ccのトルエンと15.0g
のオキシ塩化リンを加えて5時間加熱還流した。反応液
を室温まで冷却した後、水500ccで3回洗浄し、ト
ルエンを減圧留去した。得られた褐色油状物をアセトニ
トリルにより再結晶し、42.6gの中間体F−4を得
た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を同定した。)
【0196】中間体F−7の合成 中間体F−4 42.5gに酢酸250cc、水45c
c及び硫酸45ccを加え、4時間加熱還流した。反応
液を氷冷した後、氷300gと酢酸エチル500ccを
加えて抽出し、有機相を5%炭酸水素ナトリウム水溶液
500ccで5回洗浄後、乾燥、ついで濃縮乾固した。
得られた生成物をアセトニトリルで再結晶し、30.9
gの中間体F−5を得た。更にこれをエタノール300
ccに溶解した後、中間体F−6 24.6gと炭酸カ
リウム8.6gを加えて4時間加熱還流した。
【0197】沈澱した無機塩を濾別後、エタノールを減
圧留去し、酢酸エチル500ccに生成物を溶解し、こ
れを400ccの水で3回洗浄した。有機相を乾燥後、
溶媒を減圧留去した。生成物をカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、更に酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒で再
結晶して14.0gの中間体F−7を得た。 (1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を同定した。)
【0198】例示化合物MF−1の合成 中間体F−7 14.0gを300ccのメタノールに
溶かし、2.0gのパラジウム−炭素(担持率5%)を
添加し、水素ガス雰囲気下で4時間接触還元を行った。
触媒のパラジウム−炭素を濾別後、溶媒のメタノールを
減圧留去し中間体F−8 13.5gを得た。
【0199】更にこれをn−ブタノール150mlに溶
解後、ジビニルスルホン2.26gを添加して3時間加
熱還流した。溶媒のn−ブタノールを濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し、更に酢酸エ
チル−ヘキサンの混合溶媒で再結晶することにより1
1.5gの中間体F−9を得た。
【0200】次に中間体F−9 11.5gをクロロホ
ルム100mlに溶解し、氷冷して5℃としたところに
N−クロロスクシンイミド1.81gを少量づつ約2時
間かけて添加した。反応液を水洗し、乾燥させた後、溶
媒を減圧留去し、得られた生成物をアセトニトリルによ
り再結晶して白色結晶のMF−1 10.8gを得た。
1 HNMR、FDマススペクトル、IRスペクトルに
より構造を同定した。) アミン系の画像安定化剤を分子内に有するマゼンタカプ
ラーは、固体分散法ラテックス分散法、水中油滴型乳化
分散法等の写真工業分野で公知の種々の方法を用いて感
光材料に添加することができる。
【0201】また、アミン系の画像安定化剤を分子内に
有するマゼンタカプラーを添加する層は感光材料中のど
の層でもよいが、ハロゲン化銀写真乳剤層が好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いられる
ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀を95〜99.9モル%含
有することを特徴とするが、実質的に沃化銀を含まない
塩臭化銀が好ましい。塩化銀の含有率は97〜99.9
モル%がより好ましい。さらに短い時間での現像や発色
現像液の補充量を低下させる場合には、99.5〜9
9.9モル%であることがより好ましい。
【0202】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任
意のものを用いることができる。好ましい一つの例は、
(100)面を結晶表面として有する立方体である。ま
た米国特許4,183,756号、同4,225,66
6号、特開昭55−26589号、特公昭55−427
37号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック
・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、
39(1973)等の文献に記載された方法等により、
八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつ
くり、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有
する粒子を用いてもよい。
【0203】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の
形状からなる粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子
が混合されたものでもよい。本発明に係るハロゲン化銀
粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度
など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.
1〜0.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μm
の範囲である。
【0204】なお、上記粒径は当該技術分野において一
般に用いられる各種の方法によって測定することができ
る。代表的な方法としては、ラブランドの「粒子径分析
法」(A.S.T.M.シンポジウム・オン・ライト・
マイクロコピー、94〜122頁、1955)または、
「写真プロセスの理論 第3版」(ミース及びジェーム
ス共著、第2章、マクミラン社刊、1966)に記載さ
れている方法を挙げることができる。
【0205】この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値
を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に
均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積とし
てかなり正確にこれを表すことができる。本発明のハロ
ゲン化銀粒子の粒径の分布は、多分散であっても良い
し、単分散であってもよい。好ましくは変動係数が0.
22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲ
ン化銀粒子である。ここで変動係数は、粒径分布の広さ
を表す係数であり、次式によって定義される。 変動係数=S/R (ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表
す。)
【0206】ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀
粒子の場合はその直径、また、立方体や球状以外の形状
の場合は、その投影像を同面積の円像に換算したときの
直径を表す。ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0207】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、酸性
法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであっ
てもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよ
いし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を
作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
もよい。
【0208】また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩
を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時
混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時
混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一
形式として特開昭54−48521号等に記載されてい
るpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いるこ
ともできる。
【0209】また、特開昭57−92523号、同57
−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加
装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を
供給する装置、ドイツ公開特許2,921,164号等
に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶
液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−
501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出
し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子
間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行う装置等を用
いてもよい。
【0210】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有す
る化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のよう
な化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形
成終了の後に添加して用いてもよい。
【0211】本発明に係るハロゲン化銀乳剤を還元増感
するには、公知の方法を用いることができる。例えば、
種々の還元剤を添加する方法を用いることもできるし、
銀イオン濃度が高い条件で熟成する方法や、高pHの条
件で熟成する方法を用いることができる。
【0212】本発明に係るハロゲン化銀乳剤の還元増感
に用いる還元剤としては、塩化第一スズの第一スズ塩、
トリ−t−ブチルアミンボラン等のボラン類、亜流酸ナ
トリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、アスコルビン
酸等のレダクトン類、二酸化チオ尿素等を挙げることが
できる。このうち、好ましく用いることができる化合物
として、二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及びその誘導
体、亜硫酸塩を挙げることができる。熟成時の銀イオン
濃度やpHを制御することにより還元増感を行う場合と
比べ、上記のような還元剤を用いる方法は再現性に優れ
ており好ましい。
【0213】これらの還元剤は、水、アルコール等の溶
媒に溶解してハロゲン化銀乳剤中に添加して熟成を行う
か、あるいはハロゲン化銀粒子の形成時に添加して粒子
形成と同時に還元増感を行ってもよい。これらの還元剤
剤を添加する量は、ハロゲン化銀乳剤のpH、銀イオン
濃度などに応じて調製する必要があるが、一般には、ハ
ロゲン化銀乳剤1モル当り10-7〜10-2モルが好まし
い。
【0214】還元増感後に還元増感核を修飾したり、残
存する還元剤を失活させるために少量の酸化剤を用いて
もよい。このような目的で用いられる化合物としては、
ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ブロモサクシン
イミド、p−キノン、過塩素酸カリウム、過酸化水素水
等を挙げることができる。
【0215】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は還元増感
されるとともに、金化合物を用いる増感法、カルコゲン
増感剤を用いる増感法を組合わせて用いることができ
る。本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲ
ン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テル
ル増感剤などを用いることができるが、イオウ増感剤が
好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリルチ
オカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シ
スチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン等
が挙げられる。
【0216】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用する
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金、チオ硫酸金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハ
ロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条
件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1
モル当り1×10-4モル〜1×10-8モルであることが
好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8
モルである。
【0217】本発明に係るハロゲン化銀乳剤には、ハロ
ゲン化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカブリを防
止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に
生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安
定剤を用いることができる。
【0218】こうした目的に用いることのできる化合物
の例として、特開平2−146036号公報7頁下欄に
記載された一般式(II)で表される化合物を挙げるこ
とができ、その具体的な化合物としては、同公報の8頁
に記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−
1)〜(IIb−7)の化合物及び、1−(3−メトキ
シフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等を挙げる
ことができる。
【0219】これらの化合物は、その目的に応じて、ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増
感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加でき
る。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合に
は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10
-4モル程度の量で好ましく用いられる。
【0220】化学増感終了時に添加する場合には、ハロ
ゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜5×10-2モル程
度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルが
より好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀
乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1
×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1
×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハ
ロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布液
被膜中の量が、1×10-9モル〜1×10-3モル程度の
量が好ましい。
【0221】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
カラー写真感光材料として用いる場合には、イエローカ
プラー、マゼンタカプラー、シアンカプラー、に組合わ
せて400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感
されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン
化銀乳剤は1種または2種以上の増感色素を組合わせて
含有する。
【0222】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に用いる分
光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いるこ
とができるが、青感性増感色素としては、特願平2−5
1124号明細書108〜109頁に記載のBS−1〜
8を単独でまたは組合わせて好ましく用いることができ
る。緑感光性増感色素としては、同明細書の110頁に
記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光増感
色素としては同明細書111〜112頁に記載のRS−
1〜8が好ましく用いられる。
【0223】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
半導体レーザーを用いたプリンターにより露光する場合
には、赤外に感光性を有する増感色素を用いる必要があ
り、赤外感光性増感色素としては、特願平3−7361
9号明細書12〜14頁に記載のIRS−1〜11の色
素が好ましく用いられる。また、同明細書14〜15頁
に記載の強色増感剤SS−1〜SS−9をこれらの色素
に組合わせて用いるのが好ましい。
【0224】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で
種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができ
る。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが
出来る。本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカッ
プリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極
大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかな
る化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物と
しては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長
を有するイエローカプラー、波長域500〜600nm
に分光吸収極大波長を有するマゼンタカプラー、波長域
600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン
カプラーとして知られているものが代表的である。
【0225】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
好ましく用いることのできるイエローカプラーとして
は、ピバロイル型のイエローカプラーが挙げられる。本
発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に好ましく用いる
ことのできるシアンカプラーとしては、特願平2−23
4208号明細書17頁に記載の一般式〔C−I〕、一
般式〔C−II〕で表されるカプラーを挙げることがで
きる。具体的な化合物は、同明細書18〜21頁にCC
−1〜CC−9として記載されているものを挙げること
ができる。
【0226】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられるカプラーを添加するのに水中油滴型乳化分散
法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶
性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または
水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液など
の親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散す
る。分散手段としては、攪拌機、ホモジナイザー、コロ
イドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を
用いることができる。分散後、または、分散と同時に低
沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。カプラー
を溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有
機溶媒としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸エ
ステル、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル
類が挙げられる。
【0227】カプラーの塗布量としては、十分に高い濃
度を得ることが出来れば、特に制限はないが、好ましく
は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-3〜5モル、更に
好ましくは、1×10-2〜1モルの範囲で用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料には、バインダ
ーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に
応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の
高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク
質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合
体のごとき合成親水性物質等の親水性コロイドも用いる
ことができる。
【0228】また、バインダーとして使用するゼラチン
の総量は7.5g/m2 以下であることが本発明の効果
をより具現化できるので好ましい。下限については特に
制限はないが一般的に物性もしくは写真性能の面から3
g/m2 以上であることが好ましい。本発明に係る反射
支持体としては、どのような材質を用いてもよく、白色
顔料を含有したポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レート支持体等を用いることができる。中でも白色顔料
を含有するポリオレフィン樹脂層を表面に有する支持体
が好ましい。
【0229】本発明に係る反射支持体に用いられる白色
顔料としては、無機及び/又は有機の白色顔料を用いる
ことができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。
例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭
酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ
酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、ア
ルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク、クレイ等が挙げられる。白色顔料は好ましくは硫酸
バリウム、酸化チタンである。
【0230】本発明に係る反射支持体の表面の耐水性樹
脂層中に含有される白色顔料の量は、耐水性樹脂層中で
の含有量として、10重量%以上であることが好まし
く、さらには13重量%以上の含有量であることが好ま
しく、15重量%以上であることがより好ましい。本発
明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度
は、特開平2−28640号公報に記載の方法で測定す
ることができる。この方法で測定したときに、白色顔料
の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以
下であることが好ましく、0.15以下であることがよ
り好ましく、0.10以下であることがさらに好まし
い。
【0231】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照
射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体
表面の接着性、帯電防止性、寸法安定性、帯摩擦性、硬
さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/又はその他の
特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介し
て塗布してもよい。ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光
材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤
を用いてもよい。
【0232】塗布方法としては、2種以上の層を同時に
塗布することのできるエクストルージョンコーティング
及びカーテンコーティングが特に有用である。本発明に
係るハロゲン化銀写真感光材料の現像処理において、発
色現像液に使用される発色現像主薬は、種々のカラー写
真プロセスにおいて広範囲に使用されているアミノフェ
ノール及びp−フェニレンジアミン系化合物が用いられ
る。特に芳香族第一級アミン系発色現像主薬が好ましく
用いられる。
【0233】芳香族第一級アミン系発色現像主薬として
は、 (1)N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン塩酸
塩 (2)N−メチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩 (3)2−アミノ−5−(N−エチル−N−ドデシルア
ミノ)トルエン (4)N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエ
チル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 (5)N−エチル−N−(β−ヒドリキシエチル)−3
−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 (6)4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニ
リン (7)4−アミノ−N−(β−メトキシエチル)−N−
エチル−3−メチルアニリンp−トルエンスルホン酸塩 (8)4−アミノ−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシ
プロピル)−3−メチルアニリンp−トルエンスルホン
酸塩
【0234】これらの発色現像主薬は、現像液1リット
ル当り1×10-3〜2×10-1モルの範囲で使用するこ
とが好ましく、5×10-3〜2×10-1モルの範囲で使
用することがより好ましい。発色現像液には、前記の発
色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加す
ることができる。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ
剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制
剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。本発明に係
るハロゲン化銀写真感光材料用の発色現像液に用いられ
るアルカリ剤としては、炭酸カリウム、ホウ酸カリウ
ム、リン酸三ナトリウムなどが用いられ、おもにpH調
整等の目的に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用
いられる。発色現像液のpHは、9〜12であることが
一般的であり、9.5〜11の間が好ましく用いられ
る。
【0235】現像抑制の目的には、ハロゲン化物塩イオ
ンが用いられることが多いが、本発明に係る処理方法に
おいては、ごく短時間に現像を終了する必要があるため
主に塩化物イオンが用いられ、塩化カリウム、塩化ナト
リウム等が用いられる。塩化物イオンの量は、およそ発
色現像液1リットル当り3.0×10-2モル以上、好ま
しくは4.0×10-2〜5.0×10-1モルである。
【0236】臭化物イオンは、本発明の効果を損なわな
い範囲において用いることができるが、現像を抑制する
効果が大きく、おおよそ発色現像液1リットル当り1.
0×10-3以下、好ましくは5.0×10-4以下である
ことが好ましい。保恒剤としては、ヒドロキシアミン誘
導体(ヒドロキシルアミンを除く)、ヒドロキサム酸
類、ヒドラジン類、ヒドラジドアミノケトン類、糖類、
モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモ
ニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オ
キシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類等が特に
有効な保恒剤である。特にジエチルヒドロキシアミンの
ようなジアルキル置換のヒドロキシルアミン類、トリエ
タノールアミンのようなアルカノールアミン類が好まし
く用いることができる。
【0237】本発明に係る発色現像液に用いられるキレ
ート剤としては、アミノポリカルバン酸、アミノポリホ
スホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸等
の化合物が用いられる。特にエチレンジアミン四酢酸、
ニトリロ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸が好ましく用
いられる。
【0238】発色現像温度は、通常15℃以上であり一
般的には20〜50℃の範囲である。また迅速処理のた
めには30℃以上で行うことが好ましい。発色現像処理
時間は、一般的には10秒から4分であるが、迅速を目
的とした場合は10秒〜1分の範囲で行われるのが好ま
しく、更に迅速化が要求される場合には10〜30秒の
範囲で行われるのが好ましい。また本発明の処理方法に
おいては、発色現像処理時間が10〜30秒といった短
い時間で処理が行われるとき、その効果は顕著となる。
【0239】また本発明においては、発色現像液を連続
的に補充しながらランニング処理をしていく際の発色現
像液の補充量は写真感光材料1m2 当り20〜100m
lであるが、最近の現像液廃液による環境汚染を考える
とランニング時に実質的にオーバーフローがなくなるこ
とが好ましく、具体的には現像液の補充量は写真感光材
料1m2 当り20〜60mlが好ましい。
【0240】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像処理後、漂白処理及び定着処理される。漂白処理
は定着処理と同時に行ってもよい。定着処理の後は、通
常は水洗処理が行われる。また水洗処理の代替として、
安定化処理を行ってもよい。本発明のハロゲン化銀写真
感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処
理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送す
るローラートランスポートタイプであっても、ベルトに
感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であ
ってもよいが、特に処理槽をスリット状に形成して、こ
の処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送す
る方式でもよい。
【0241】
【実施例】以下に、本発明の実施例を述べるが、本発明
の実施の態様は、これらに限定去れない。
【0242】実施例1 (ハロゲン化銀乳剤の調整)中性法、同時混合法により
下記に示す3種類のハロゲン化銀乳剤を調整した。
【0243】
【表1】
【0244】それぞれのハロゲン化銀乳剤は化学増感終
了後に乳剤安定化剤としてSTB−1をハロゲン化銀1
モル当り2×10-4モル添加した。
【0245】(カラー感光材料の作製)紙支持体の片面
にポリエチレンを別の面の第1層側に酸化チタンを含有
するポリエチレンをラミネートした支持体上に、以下に
示す構成の各層を塗設し多層ハロゲン化銀カラー写真感
光材料101を作製した。
【0246】第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)26.7g、ステイン防止
剤(HQ−1)0.67g、色素画像安定化剤(ST−
1)10.0g、同(ST−2)6.7g及び高沸点有
機溶媒(DNP)6.7gに酢酸エチル60ミリリット
ルを加え溶解し、この溶液を10%アルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウム(SU−1)10ミリリットルを
含有する10%ゼラチン水溶液200ミリリットルにホ
モジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー
分散液を作製した。この分散液を青感性塩臭化銀乳剤
(Em−1を銀に換算して10g)及び塗布用ゼラチン
溶液と混合し第1層塗布液を調整した。
【0247】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に調整した。また硬膜剤として第2層及び第4層
に(H−1)を、第7層に(H−2)を添加した。塗布
助剤としては、(SU−1)及び(SU−2)と表3に
示す界面活性剤を添加し、表面張力を調整した。
【0248】
【表2】
【0249】
【表3】
【0250】以下に、表2に使用した化合物を示す。
【0251】
【化118】
【0252】
【化119】
【0253】
【化120】
【0254】
【化121】
【0255】尚、第3層に表4に示すマゼンタカプラー
を1ミリモル/m2 添加し、試料102〜124を作製
した。前記添加物の比較化合物を示す。
【0256】
【化122】
【0257】得られた試料を感光計KS−7(コニカ株
式会社製)を使用して緑色光を用いて、ウェッジ露光
し、下記の示す処理工程AおよびBに従って発色現像液
のタンク容量の3倍量の発色現像補充液を補充するまで
連続処理を行った後、以下の評価を行った。
【0258】 処理工程A 温 度 時 間 補充量 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 80ml 漂白定着 35.0±0.3℃ 45秒 51ml 安 定 30〜34℃ 90秒 250ml (3槽カスケード) 乾 燥 60〜80℃ 30秒
【0259】 処理工程B 温 度 時 間 補充量 発色現像 39.0±0.3℃ 45秒 40ml 漂白定着 35.0±0.3℃ 45秒 51ml 安 定 30〜34℃ 90秒 250ml (3槽カスケード) 乾 燥 60〜80℃ 60秒
【0260】処理液組成は下記に示す。補充量は感光材
料1m2 当りの量である。安定処理は安定タンク3→1
への向流方式で補充した。
【0261】 〔発色現像液〕(処理工程A) (1)タンク液 純水 800ミリリットル トリエタノールアミン 10g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g 塩化カリウム 2g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.0g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.4g 炭酸カリウム 27g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは硫酸
でpHを10.10に調整する。
【0262】 (2)補充液 純水 800ミリリットル トリエタノールアミン 18g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 9g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 8.2g 炭酸カリウム 27g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは硫酸
でpHを10.60に調整する。
【0263】 〔発色現像液〕(処理工程B) (1)タンク液 純水 800ミリリットル トリエタノールアミン 10g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 3.6g 塩化カリウム 4.5g ジチレントリアミン5酢酸 5.0g 亜硫酸カリウム 0.4g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 6.0g 炭酸カリウム 25g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは硫酸
でpHを10.10に調整する。
【0264】 (2)補充液 純水 800ミリリットル トリエタノールアミン 14g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g 亜硫酸カリウム 0.6g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 12g 炭酸カリウム 35g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは硫酸
でpHを11.50に調整する。
【0265】 〔漂白定着タンク液および補充液〕 エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム塩 53g エチレンジアミン四酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%)溶液 123g 亜硫酸アンモニウム (40%)溶液 51g アンモニアまたは氷酢酸でpH5.4に調整すると共
に、水を加えて全量を1リットルとする。
【0266】 〔安定タンク液および補充液〕 o−フェニルフェノール 0.1g ユビッテクス(チバガイギー社製) 1.0g 硫酸亜鉛−7−水和物 0.1g 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 5.0ml 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0g エチレンジアミン四酢酸 1.5g アンモニア水または氷酢酸でpH7.8に調整すると共
に、水を加えて 水を加えて全量を1リットルとる。
【0267】(評価法)光に対する堅牢性の評価は上記
核処理済み試料を日光下(暴露台)に10週間保存し、
濃度0.8における色素画像の残存率で行った。また接
着性の評価は、得られた試料を、23℃、80%RH条
件下に10時間調湿した試料の表面同士を重ね、50g
/cm2 になるように重りをのせて再び23℃、80%
RH条件下に10時間調湿したときの接着面積を目視で
評価した。
【0268】 ◎ 「接着」が全く見られない。 〇 「接着」が殆ど見られない。 △ 「接着」が若干見られるが商品として可。 × 「接着」が見られ商品として不可。 ×× 「接着」がかなり見られ商品として完全に不可。
【0269】
【表4】
【0270】表4をみても明らかなように、現像主薬の
補充量を減少させた、ランニング処理(処理工程A)を
行ったとき、本発明のアミン系の画像安定化剤を分子内
に有したマゼンタカプラーを使用しない時(試料101
〜104)、耐光性が著しく劣っていることがわかる。
ところが、本発明のアミン系の画像安定化剤を分子内に
有したマゼンタカプラーを使用すると、耐光性が非常に
良いことがわかる。
【0271】また本発明のアミン系の画像安定化剤を分
子内に有したマゼンタカプラーを使用しない時、現像主
薬の補充量を著しく減少させ、事実上現像主薬のオーバ
ーフロー液がなくなったランニング処理(処理工程B)
を行った場合でも、本発明のアミン系の画像安定化剤を
分子内に有したマゼンタカプラーを使用すると、耐光性
の劣化が見られないことがわかる。
【0272】また接着性についても、本発明のアミン系
の画像安定化剤を分子内に有したマゼンタカプラーを使
用した場合、接着の発生が抑えられ、現像主薬のオーバ
ーフロー液が、事実上なくなったランニング処理(処理
工程B)を行った場合でも、接着の発生が最低限に抑え
られることがわかる。
【0273】また本発明のアミン系の画像安定化剤を分
子内に有したマゼンタカプラーの間で比較すると、アミ
ン系の画像安定化剤をつなぐ連結基が短くなるにつれ
て、耐光性が向上することがわかる。(試料105〜1
09)このことから、カプラー母核と画像安定化剤の物
理的な距離が耐光性に対して影響を及ぼしていることが
示唆される。
【0274】実施例2 実施例1と同様に、表5に示したマゼンタカプラーを実
施例1と同様な方法で添加して、試料201〜224を
作製した。なお、処理は前記処理工程A、B以外に下記
処理工程Cでの処理も行った。
【0275】 処理工程C 温 度 時 間 補充量 発色現像 39.0±0.3℃ 20秒 60ml 漂白定着 35.0±0.3℃ 40秒 50ml 安 定 30〜34℃ 90秒 250ml (3槽カスケード) 乾 燥 60〜80℃ 30秒
【0276】処理液組成は下記に示す。補充量は感光材
料1m2 当りの量である。安定処理は安定タンク3→1
への向流方式で補充した。
【0277】 〔発色現像液〕(処理工程C) (1)タンク液 純水 800ミリリットル トリエタノールアミン 10g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g 塩化カリウム 2g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.0g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.4g 炭酸カリウム 27g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは硫酸
でpHを10.10に調整する。
【0278】 (2)補充液 純水 800ミリリットル トリエタノールアミン 18g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 15g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 8.2g 炭酸カリウム 27g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは硫酸
でpHを11.0に調整する。
【0279】 〔漂白定着タンク液および補充液〕 エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム塩 53g エチレンジアミン四酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%)溶液 123g 亜硫酸アンモニウム (40%)溶液 51g アンモニアまたは氷酢酸でpH5.4に調整すると共
に、水を加えて全量を1リットルとする。
【0280】 〔安定タンク液および補充液〕 o−フェニルフェノール 0.1g ユビッテクス(チバガイギー社製) 1.0g 硫酸亜鉛−7−水和物 0.1g 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 5.0ml 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0g エチレンジアミン四酢酸 1.5g アンモニア水または氷酢酸でpH7.8に調整すると共
に、水を加えて 水を加えて全量を1リットルとる。
【0281】また光に対する堅牢性の評価は、上記核処
理済み試料を日光下(暴露台)に12週間保存し、濃度
1.5における色素画像の残存率で行った。また接着性
の評価は、得られた試料を、25℃、75%RH条件下
に10時間調湿した試料の表面同士を重ね、50g/c
2 になるように重りをのせて再び25℃、70%RH
条件下に10時間調湿したときの接着面積を実施例1と
同様に目視で評価した。
【0282】
【表5】
【0283】表5を見ても明らかなように、処理時間を
著しく短くした処理(処理工程C)を行っても、本発明
の本発明のアミン系の画像安定化剤を分子内に有したマ
ゼンタカプラーを使用したとき耐光性の向上が見られ、
また接着も殆ど発生しないことがわかる。
【0284】また同様な処理と評価を、MA−12、M
A−11、MA−32、MA−36、MA−23、MA
−87、MB−28、MB−3、MB−39、MC−
5、MC−10、MC−20、MD−1、MD−2、M
D−20、MD−21、MD−15ME−6、ME−
18、ME−23、ME−37、MF−1、MF−2、
MF−5、MF−18、MF−28、MF−36でも行
ったが、本発明の効果がえられた。
【0285】実施例3 実施例1と同様に、表6、表7、表8に示したマゼンタ
カプラーを実施例1と同様な方法で添加し、なた表6、
表7、表8に示した色画像安定化剤を第3層に、1ミリ
モル/m2 添加して、試料301〜350を作製した。
なお、得られた試料は、実施例1の処理工程AおよびB
と、実施例2の処理工程Cに従って処理を行った。
【0286】また光に対する堅牢性の評価は、上記核処
理済み試料を日光下(暴露台)に10週間保存し、濃度
1.0における色素画像の残存率で行った。またステイ
ンの評価は、得られた試料を、85℃、60%RH条件
下に10日間保存し、未露光部のブルー反射濃度の処理
直後に対する増大分を測定し評価を行った。
【0287】更に接着性の評価は、得られた試料を、2
0℃、80%RH条件下に12時間調湿した後、調湿し
た試料の表面同士を重ね、75g/cm2 になるように
重りをのせて再び20℃、80%RH条件下に10時間
調湿したときの接着面積を実施例1と同様に目視で評価
した。
【0288】
【化123】
【0289】
【表6】
【0290】
【表7】
【0291】
【表8】
【0292】表6、表7、表8をみても明らかなよう
に、本発明のアミン系の画像安定化剤を分子内に有した
マゼンタカプラーを使用しない場合(試料301〜30
4)、耐光性が著しく劣っていることがわかる。またア
ミン系の画像安定化剤を分子内に有したマゼンタカプラ
ーに一般的に写真系で使用されるアミン系およびフェノ
ール系の色画像安定化剤を併用した試料(試料305〜
320)では、耐光性の向上が見られるものもあるもの
の充分ではなく、更に現像主薬の補充量を著しく減少さ
せ、事実上現像主薬のオバーフロー液をなくした処理
(処理工程B)や現像時間を著しく短くした処理(処理
工程C)においては、接着性やステインの大幅な発生が
見られることがわかる。
【0293】しかしながら、本発明のアミン系の画像安
定化剤を分子内に有したマゼンタカプラーを使用した場
合では、処理工程A、B、Cいづれの場合においても、
耐光性の向上が見られ、かつ接着やステインの発生が最
小限に抑えられることがわかる。
【0294】また同様な試料を作製し、同様な処理と評
価を、MA−71、MA−72、MA−2、MA−4、
MA−98、MA−12、MA−11、MA−32、M
A−36、MA−23、MA−87、MB−28、MB
−3、MB−39、MC−2、MC−5、MC−10、
MC−20、MD−1、MD−2、MD−20、MD−
21、MD−15ME−18、ME−23、ME−3
7、MF−1、MF−2、MF−5、MF−18、MF
−28、MF−33、MF−36でも行ったが、本発明
の効果がえられた。
【0295】
【発明の効果】本発明により、極めて低補充ランニング
処理を行い、オーバーフロー液を低減させたランニング
処理を行った後、光に曝されても、高温、高湿下に保存
されても褪色やYステインの発生等の画像の変質が抑え
られ、かつ接着等による画質の劣化が抑えられたハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法を提供することが可能と
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−110555(JP,A) 特開 平3−75743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に一般式〔IA−1〕〜一般式
    〔IA−4〕、一般式〔IB〕、一般式〔IC〕、一般
    式〔ID〕又は一般式〔IF−1〕〜一般式〔IF−
    4〕で表されるマゼンタカプラーを含有するハロゲン化
    銀写真感光材料の処理方法において、前記ハロゲン化銀
    写真感光材料を発色現像液の補充量が、ハロゲン化銀写
    真感光材料1m2 あたり20〜100ミリリットルであ
    る発色現像液にて処理することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料の処理方法。 【化3】 (式中、L1 は主鎖の鎖長が原子数5以下の2価の連結
    基を表し、R1 およびR2 は置換基を表す。Yは窒素原
    子とともに5員もしくは6員の複素環を形成するのに必
    要な非金属原子群を表し、nは0〜4の整数を表す。X
    は水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応により離
    脱しうる基を表す。) 【化4】 (式中、R1 、R2 およびR4 は置換基を表し、Yは窒
    素原子とともに5員もしくは6員の複素環を形成するの
    に必要な非金属原子群を表す。nは0〜4の整数を表
    し、mは1又は2を表す。Xは水素原子又は発色現像主
    薬の酸化体との反応により離脱しうる基を表す。) 【化5】 (式中、Aは一般式〔II〕又は一般式〔III〕で表
    されるピラゾロトリアゾールマゼンタカプラーからR2
    又はR3 を除去した残基を表し、RB はアルキレン基を
    表し、LB は2価の連結基または単なる結合手を表す。
    Yは窒素原子とともに5員もしくは6員の複素環を形成
    するのに必要な非金属原子群を表す。) 【化2】 (式中、R2 及びR3 は水素原子または置換基を表し、
    Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応により
    離脱しうる基を表す。) 【化6】 (式中、Aは一般式〔II〕又は一般式〔III〕で表
    されるピラゾロトリアゾールマゼンタカプラーからR2
    又はR3 を除去した残基を表し、Lc は2価の連結基ま
    たは単なる結合手を表す。Eは−CO−、−SO−、−
    SO2 −、−N(R16)−SO2 −、−N(R16)−C
    O−、−O−CO−で表される連結基を表し、R16は水
    素原子又は置換基を表し、Yは窒素原子とともに5員も
    しくは6員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群
    を表す。) 【化7】 (式中、Aは一般式〔II〕又は一般式〔III〕で表
    されるピラゾロトリアゾールマゼンタカプラーからR2
    又はR3 を除去した残基を表し、LD は2価の連結基又
    は単なる結合手を表す。Bは−O−、−S−,−SO2
    −、−N(R16)−、−C(R162 −で示される連結
    基を表し,RD は水素原子又は置換基を表し、Ra 、R
    b 、Rc およびRd はアルキル基を表し、YD は窒素原
    子とともに5員もしくは6員の複素環を形成するのに必
    要な非金属原子群を表し、その非金属原子群の中の1つ
    の原子はBと結合することを表し、R16は水素原子又は
    置換基を表す。) 【化9】 (式中、La 及びLb は2価の連結基又は単なる結合手
    を表し、RF はアルキレン基又はアリーレン基を表し、
    Yは5〜6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    し、nf は0又は1を表し、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1
    びRe1は水素原子又は置換基を表し、Ra1、Rb1
    c1、Rd1及びRe1のうち少なくとも1つは水酸基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基又は一般式〔F1〕で示
    される連結基を表し、XF は−S−,−SO2 −、−C
    (R162 −で示される連結基を表しR16は水素原子又
    は置換基を表す。また、2つのR16は同じであっても異
    なっていてもよく、Xは水素原子又は発色現像主薬の酸
    化体との反応により離脱しうる基を表す。) 【化10】 であり、Xf は−S−、−SO2 −又は−N(R162
    −を表し、R16は水素原子又は置換基を表し、2つのR
    16は同じであっても異っていてもよく、Xは水素原子又
    は発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しうる基を
    表す。〕
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