JP3083030B2 - 溶融亜鉛めっき浴中のＡｌ濃度の低減方法 - Google Patents
溶融亜鉛めっき浴中のＡｌ濃度の低減方法Info
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- JP3083030B2 JP3083030B2 JP05224836A JP22483693A JP3083030B2 JP 3083030 B2 JP3083030 B2 JP 3083030B2 JP 05224836 A JP05224836 A JP 05224836A JP 22483693 A JP22483693 A JP 22483693A JP 3083030 B2 JP3083030 B2 JP 3083030B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板を
製造する溶融亜鉛めっき浴の浴成分、特にAl濃度の低減
方法に関するものである。
製造する溶融亜鉛めっき浴の浴成分、特にAl濃度の低減
方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、溶融亜鉛めっき鋼板の製造に際し
て、製造過程、製造条件等により異なるが、通常Al濃度
を0.10〜0.20％に調整している。例えば、めっき密着性
を確保するためには、比較的高濃度のAl（0.15〜0.20
％) で操業しているが、亜鉛めっき後加熱により鉄−亜
鉛合金化処理をする場合には、合金化処理を容易にする
ため浴中Al濃度を0.15％未満と低Al濃度で操業してい
る。
て、製造過程、製造条件等により異なるが、通常Al濃度
を0.10〜0.20％に調整している。例えば、めっき密着性
を確保するためには、比較的高濃度のAl（0.15〜0.20
％) で操業しているが、亜鉛めっき後加熱により鉄−亜
鉛合金化処理をする場合には、合金化処理を容易にする
ため浴中Al濃度を0.15％未満と低Al濃度で操業してい
る。
【０００３】しかして低Al濃度の浴から高Al濃度の浴へ
の調整は浴中へAlを添加することにより調整でき、比較
的容易であるが、高Al濃度浴から低Al濃度浴へ調整する
場合は工業的規模で調整する方法がなく、例えば、高Al
濃度浴をめっき浴槽から汲み出し低Al濃度浴を満たすこ
とが行われ、その間操業を停止することになり、生産性
を低下し、また浴取り替えという高熱作業も伴い、かつ
熱損失をも伴う等の欠点がある。
の調整は浴中へAlを添加することにより調整でき、比較
的容易であるが、高Al濃度浴から低Al濃度浴へ調整する
場合は工業的規模で調整する方法がなく、例えば、高Al
濃度浴をめっき浴槽から汲み出し低Al濃度浴を満たすこ
とが行われ、その間操業を停止することになり、生産性
を低下し、また浴取り替えという高熱作業も伴い、かつ
熱損失をも伴う等の欠点がある。
【０００４】これらの欠点を解決するために、亜鉛浴に
脱Al剤（ZnCl2 等の塩化物）を添加し、浴中Al濃度を低
下させる方法が特開平1-159361号公報に開示されている
が、この方法ではAlがAlCl3 ヒュームとして発生し鋼板
に巻き込まれ表面を損なう等の問題がある。
脱Al剤（ZnCl2 等の塩化物）を添加し、浴中Al濃度を低
下させる方法が特開平1-159361号公報に開示されている
が、この方法ではAlがAlCl3 ヒュームとして発生し鋼板
に巻き込まれ表面を損なう等の問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明は、
このような問題を解決して工業的にAl濃度を容易に低下
することができ、かつめっき鋼板の大きな歩留りの低下
を招かない溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度の低減方法を提
案することを目的とするものである。
このような問題を解決して工業的にAl濃度を容易に低下
することができ、かつめっき鋼板の大きな歩留りの低下
を招かない溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度の低減方法を提
案することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融亜鉛めっ
き浴中のAl濃度を低減させるに際して、めっき槽中の浴
温を低下させ、浴中のAlと鋼板から溶出してくる浴中の
Feとを反応させFe2Al5（トップドロス）として浴面に浮
上させ、系外に排出することを特徴とする溶融亜鉛めっ
き浴中のAl濃度の低減方法である。
き浴中のAl濃度を低減させるに際して、めっき槽中の浴
温を低下させ、浴中のAlと鋼板から溶出してくる浴中の
Feとを反応させFe2Al5（トップドロス）として浴面に浮
上させ、系外に排出することを特徴とする溶融亜鉛めっ
き浴中のAl濃度の低減方法である。
【０００７】
【作 用】本発明によれば、めっき槽中の浴温を低下さ
せることによって、浴中に溶解していたFeとAlの次式の
反応が進みやすくなる。 2Fe ＋ 5Al → Fe2Al5 この反応によって、AlはFe2Al5（トップドロス）として
浴面に浮上するので、これを系外に排出することによっ
て浴中のAl濃度を急速に低減させることができる。
せることによって、浴中に溶解していたFeとAlの次式の
反応が進みやすくなる。 2Fe ＋ 5Al → Fe2Al5 この反応によって、AlはFe2Al5（トップドロス）として
浴面に浮上するので、これを系外に排出することによっ
て浴中のAl濃度を急速に低減させることができる。
【０００８】めっき槽中の浴温の低下は、加熱装置７へ
の入力を小さくすることにより、また、さらには亜鉛イ
ンゴットを投入することにより、すみやかに達成するこ
とができる。なお、浴温の低下については、例えば 480
℃でAl：0.16％、Fe：0.04％系の亜鉛浴を、浴温を 450
℃に下げ、トップドロスを系外に排出することにより、
Al：0.14％、Fe：0.03％まで低下できる。
の入力を小さくすることにより、また、さらには亜鉛イ
ンゴットを投入することにより、すみやかに達成するこ
とができる。なお、浴温の低下については、例えば 480
℃でAl：0.16％、Fe：0.04％系の亜鉛浴を、浴温を 450
℃に下げ、トップドロスを系外に排出することにより、
Al：0.14％、Fe：0.03％まで低下できる。
【０００９】
【実施例】図１は、本発明を実施するときに用いること
のできる溶融亜鉛めっき装置の一例を示す断面図であ
る。溶融亜鉛めっき鋼板５は、還元炉１を通過後、溶融
亜鉛めっき槽２中の溶融亜鉛浴４に浸漬され、シンクロ
ール６を介し、めっき槽２より引き上げられ、次いで絞
り装置３により所望の付着量になるように溶融亜鉛の調
整が行われる。
のできる溶融亜鉛めっき装置の一例を示す断面図であ
る。溶融亜鉛めっき鋼板５は、還元炉１を通過後、溶融
亜鉛めっき槽２中の溶融亜鉛浴４に浸漬され、シンクロ
ール６を介し、めっき槽２より引き上げられ、次いで絞
り装置３により所望の付着量になるように溶融亜鉛の調
整が行われる。
【００１０】めっき槽２の周囲には、加熱装置７、トッ
プドロス排出ポンプ８、亜鉛インゴット投入機９および
浴温度計１０が配設されている。浴温が目標温度となる
ように浴温度計１０の指示値により、加熱装置７の入力
容量をコントロールして、トップドロス１１をトップド
ロス排出ポンプ８によって、溶融亜鉛浴４の系外へ排出
し、流量計１２によって、その排出量を測定して、系外
へ排出したAl量を計算機１３により演算する。また、こ
の時必要に応じて、同時に亜鉛インゴット１４を亜鉛イ
ンゴット投入機９により投入する。
プドロス排出ポンプ８、亜鉛インゴット投入機９および
浴温度計１０が配設されている。浴温が目標温度となる
ように浴温度計１０の指示値により、加熱装置７の入力
容量をコントロールして、トップドロス１１をトップド
ロス排出ポンプ８によって、溶融亜鉛浴４の系外へ排出
し、流量計１２によって、その排出量を測定して、系外
へ排出したAl量を計算機１３により演算する。また、こ
の時必要に応じて、同時に亜鉛インゴット１４を亜鉛イ
ンゴット投入機９により投入する。
【００１１】その結果、浴中のAl濃度が目標値まで下が
った時点でトップドロス排出ポンプ８を停止する。図２
に、本発明法を実施した場合を実線で、浴温は一定のま
まで純亜鉛インゴットの投入のみでAl濃度切替えを行っ
た従来法を破線で示した。これによると、従来法ではAl
濃度が目標値まで下がるのに10時間必要であるのに、本
発明法では 3時間に短縮された。
った時点でトップドロス排出ポンプ８を停止する。図２
に、本発明法を実施した場合を実線で、浴温は一定のま
まで純亜鉛インゴットの投入のみでAl濃度切替えを行っ
た従来法を破線で示した。これによると、従来法ではAl
濃度が目標値まで下がるのに10時間必要であるのに、本
発明法では 3時間に短縮された。
【００１２】
【発明の効果】本発明によれば、Alをトップドロスとし
て系外に排出するので、Al濃度を短時間で容易に目標値
まで下げられ、溶融亜鉛めっき鋼板の歩留りが向上する
とともに熱的エネルギーの損失も最小限になった。
て系外に排出するので、Al濃度を短時間で容易に目標値
まで下げられ、溶融亜鉛めっき鋼板の歩留りが向上する
とともに熱的エネルギーの損失も最小限になった。
【図１】本発明法を実施する際に用いる装置の一断面
図。
図。
【図２】本発明法と従来法を実施したときのAl濃度の変
化状況を示すグラフ。
化状況を示すグラフ。
１ 還元炉 ２ 溶融亜鉛めっき槽 ３ 絞り装置 ４ 溶融亜鉛浴 ５ 溶融亜鉛めっき鋼板 ６ シンクロール ７ 加熱装置 ８ トップドロス排出ポンプ ９ 亜鉛インゴット投入機 １０ 浴温度計 １１ トップドロス １２ 流量計 １３ 計算機 １４ 亜鉛インゴット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−25599（ＪＰ，Ａ) 特表 平４−503086（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (1)
- 【請求項１】 溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度を低減させ
るに際して、めっき槽中の浴温を低下させ、浴中のAlと
浴中のFeとを反応させFe2Al5（トップドロス）として浴
面に浮上させ、系外に排出することを特徴とする溶融亜
鉛めっき浴中のAl濃度の低減方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05224836A JP3083030B2 (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 溶融亜鉛めっき浴中のＡｌ濃度の低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05224836A JP3083030B2 (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 溶融亜鉛めっき浴中のＡｌ濃度の低減方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0776761A JPH0776761A (ja) | 1995-03-20 |
| JP3083030B2 true JP3083030B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=16819945
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05224836A Expired - Fee Related JP3083030B2 (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 溶融亜鉛めっき浴中のＡｌ濃度の低減方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3083030B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100887114B1 (ko) * | 2002-07-15 | 2009-03-04 | 주식회사 포스코 | 용융아연도금욕의 알루미늄 농도 제어장치 및 그 방법 |
| EP2240621A1 (fr) * | 2008-02-08 | 2010-10-20 | Siemens VAI Metals Technologies SAS | Installation de galvanisation au trempe d'une bande d'acier |
| IT1395468B1 (it) * | 2009-02-09 | 2012-09-21 | Siderprogetti Sa Llc | Metodo per il rivestimento metallico di prodotti continui e struttura che attua tale metodo |
-
1993
- 1993-09-10 JP JP05224836A patent/JP3083030B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0776761A (ja) | 1995-03-20 |
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