JP3082272U - ベルト保持用の歯止め付き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】使用者の意に反して、ベルトが歯止め付き緊締
装置から移動するのを回避する。 【解決手段】台座１６と駆動用レバ−２６と歯止め２３
と解除用ボタン３０とを含む、ベルト１２の緊締装置１
３に関する。この台座１６はブリッジ１９によって接続
される第一の側板１７と第二の側板１８とを有する。駆
動用レバ−２６と歯止め２３は台座１６にヒンジ連結さ
れる。弾性手段が該歯止め２３の保持区域２５をブリッ
ジ１９へ向けて付勢する。このベルト緊締装置の特徴
は、レバ−２６がバンド１２の保持を可能にする静止位
置にあるとき、解除用ボタン３０は、該ブリッジ１９に
対してほぼ垂直な方向に、レバ−２６から、あるいは側
板１７、１８から実質的に引っ込められることである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 本考案は、衣服あるいはスポ−ツ用品に用いる歯止め付き緊締装置に関する。

【０００２】 このような緊締装置は、靴のフラップ、織物製品などの諸部材をリバ−シブル （表裏着用可能）にするのに役立つ。

【０００３】 スノ−サ−フィン（スノ−ボ−ド）の分野について、応用例を一つ挙げて述べ る。スノ−ボ−ド用締め具の内には、ブ−ツを締め具の台座上に取り外し可能に 保持するための１または複数の連繋部材を含むものがある。

【０００４】 一般に、連繋部材はベルトと、覆い（カバ−）と、この覆いに一体連結された 歯止め付き緊締装置とを含む。この連繋部材の長さは、該緊締装置を用いてベル トを覆いに対して移動させることにより調節される。この調節を行うには、該緊 締装置のレバ−によって該連繋部材の長さを短くできるようにし、レバ−を作動 させないときには、歯止めにより該連繋部材が伸びるのを防止する。必要がある 場合、連繋部材の伸長、あるいはベルトと覆いとの分離による該連繋部材の開放 は、緊締装置解除用のボタンを用いて歯止めに作用を及ぼすことにより達成され る。この操作は、緊締装置の使用者（すなわち、スノ−ボ−ダ−、あるいは連繋 部材の引張力を緩めたいと望む人、または締め具からブ−ツを解放したいと望む 人）による自発的な行為である。

【０００５】 しかしながら、或る状況下では、所望しないのに、連繋部材が伸びたり、ある いは開いたりすることがある。このことは、使用者の意に反して、使用者が足部 をスノ−ボ−ドに対して十分に緊縛あるいは保持していなかったことを意味する 。

【０００６】 本考案の目的の一つは、使用者の意に反して、ベルトが歯止め付き緊締装置か ら移動するのを回避することにある。

【０００７】 この目的を達成するため、本考案は、台座と、駆動用レバ−と、歯止めと、解 除用ボタンとを含むベルトの緊締装置を提案する。上記台座はブリッジにより接 続される第一の側板と第二の側板を有し；上記レバ−は上記側板間で上記台座に ヒンジ連結され、更に該レバ−は、一方では、上記側板とブリッジにほぼ平行な 第一の方向に沿ってベルトを駆動するために設けられる１の端部と、また他方で は、１の操作用端部を含み；上記歯止めは両側板間で台座にヒンジ連結されると ともに、上記第一の方向と逆の第二の方向に沿って上記ベルトが移動するのに抗 するよう設けられた保持区域を有し；更に、上記歯止めの保持区域を上記ブリッ ジへ向けて常時付勢する弾性手段を備え；上記解除用ボタンは、上記歯止めの該 保持区域を、上記弾性手段の作用に抗して上記ブリッジから遠ざけるようになっ ている。

【０００８】 本考案による緊締装置の特徴は、上記レバ−が上記ベルトの保持を可能にする 静止位置（すなわち、前記操作用端部が上記ブリッジに最も近い位置）にあると き、上記ボタンが、該ブリッジに対してほぼ垂直な方向において、上記レバ−か ら、あるいは、少なくとも上記側板から実質的に引っ込められることにある。

【０００９】 これにより、該緊締装置に対して物体が乗ったり、あるいは衝撃を加えたりす る際、該歯止めの運動を生じさせるので、該ベルトの移動を生じさせる可能性は 極めて低くなる。

【００１０】 スノ−ボ−ドを固定する場合、該緊締装置に対して物体が乗ったり、あるいは 衝撃を加えることによって連繋部材の伸長あるいは開放を生じさせる可能性は少 ない。

【００１１】 本考案のその他の特徴および利点は、本考案がどのようにして実施できるかを 、非限定的な例によって示す添付の図面を参照して以下の記載を読むことにより 、さらに良く理解できよう。

【００１２】 図１に示すような例によれば、締め具１はスノ−ボ−ド用の板３上にブ−ツ２ を保持する。

【００１３】 公知の要領で、締め具１は、平板４ならびに弓形部分で互いに連結された第一 の側縁部５と第二の側縁部６とを有する。

【００１４】 平板４は、前端部８と後端部９の間で、締め具の長手方向Ｌに沿って延在する 。

【００１５】 連繋部材１０は、ブ−ツ２を締め具１上に取外し可能に保持するよう設けられ る。

【００１６】 該連繋部材１０は、例えば、カバ−（覆い）１１と、ベルト１２と、ベルトの 緊締装置１３とを含むが、これは限定的なものではない。

【００１７】 カバ−１１は、例えば、１または複数の柔軟な材料の層でできており、第一の 側縁部５上に前部取付け点１４と後部取付け点１５とを有する。

【００１８】 ベルト１２は第二の側縁部６上に取り付けられる。

【００１９】 カバ−１１とベルト１２を取り付けるには、ヒンジ連結等何らか適宜な手段に よって行う。

【００２０】 緊締装置１３の構造と機能につき、図２ないし図６を用いて以下に説明を行う 。

【００２１】 図２は、緊締装置１３を示す要部断面側面図である。該装置は、ベルト１２を 案内するために設けられるＵ字形の台座１６を含む。 この台座１６は、ブリッジ１９を介して接続される第一の側板１７と第二の側板 １８とを含む。

【００２２】 台座１６は、例えば、軸リベット２０を用いてカバ−１１に一体連結される。

【００２３】 ベルト１２自体は、好ましくはプラスチック材を用いてラックの形状に製作さ れる。ベルト１２の歯部２１と基心部２２とで単一の部材を形成するのが好まし い。

【００２４】 図３で示すように、該緊締装置１３は、側板１７、１８の間で軸２４に沿って ヒンジ連結される歯止め２３を含む。ばね等の弾性手段（図示せず）が該歯止め ２３を常時付勢して、歯止めの保持区域２５がブリッジ１９の方へ押圧されるよ うにする。この保持区域２５は歯の形状で表される。

【００２５】 駆動用レバ−２６は、一方では、操作用端部２７を含み、他方では、少なくと も１の歯部２９を備えた駆動用端部２８を含む。

【００２６】 解除用ボタン３０は歯止め２３のカム面３２に当接するようになっているカム 面３１と、手動のために設けられる操作用端部３３とを有する。

【００２７】 駆動用レバ−２６と解除用ボタン３０は、両側板１７、１８間で、同一の軸３ ４上にヒンジ連結される。ばね等の弾性手段（図示せず）が、操作用端部２７を ブリッジ１９の方へ押圧するように、レバ−２６を常時付勢している。

【００２８】 従って、外部からの付勢が全くない場合には、該緊締装置１３の構成部材は、 図３に示すように、その各々の位置を占める。

【００２９】 ベルト１２が側板１７、１８間でブリッジ１９に沿って（すなわち、台座１６ 内に）存在するので、歯止め２３は連繋部材１０の伸長を妨げる。このことは、 ベルト１２の一端部３５が、台座１６の内側稜部３６から外側稜部３７へ向かう 方向に移動できないことを意味する。

【００３０】 これに対して、逆方向の移動は可能である。この逆方向への移動は、図４に示 す場合のように、使用者によって生じさせることができる。

【００３１】 駆動用レバ−２６は、歯部２９がベルト１２を駆動するよう操作用端部２７に よって作動される。この場合、ベルト１２の端部３５は、外側稜部３７から内側 稜部３６へ向かう方向に移動する。このことは、連繋部材１０がより短くなるこ とを意味し、ブ−ツの緊縛は更に強くなる。

【００３２】 逆に、使用者が連繋部材を緩めたいと望むとき、あるいは連繋部材を開放して ブ−ツを自由にしたいと望むときには、図５に示すような手順を進めれば良い。

【００３３】 この場合、駆動用レバ−２６は付勢されず、その操作用端部２７はブリッジ１ ９に最も近い位置を占める。例えば、使用者は、指で解除用ボタン３０の操作用 端部３３を作動させる。

【００３４】 ボタン３０のカム面３１は歯止め２３のカム面３２に当接して、保持区域２５ がブリッジ１９とベルト１２から遠ざかるようにする。この歯止め２３は、最早 、ベルト１２を保持しないので、連繋部材１０は伸長可能となる。

【００３５】 もちろん、ボタン３０の作動が停止すると直ぐに、歯止め２３は保持位置に戻 る。

【００３６】 本考案の緊締装置１３の構造によってもたらされる利点は、解除用ボタン３０ に対する手動作用が該連繋部材１０を伸長させ、かつ開放させようとすることで ある。

【００３７】 図６でより良く分かるように、本考案によれば、駆動用レバ−２６は第一の翼 部３８と第二の翼部３９とを有し、これら翼部に対しては解除用ボタン３０がベ ルト１２にほぼ垂直な方向に引っ込められる。各翼部３８、３９はレバ−２６よ りも側方位置にある。解除用ボタン３０は該駆動用レバ−２６の両翼部３８、３ ９間に収容される。

【００３８】 この構成は、緊締装置が使用者の足部間に位置する場合には特に有利である。 つまり、締め具１の第一側縁部５は外側縁部であり、第二側縁部６は内側縁部で ある。

【００３９】 使用者が片一方の足のみを平板３に保持した場合、またもう一方の足と交互に 推進を行う場合には、動いているブ−ツがもう一方の動いていないブ−ツの締め 具の緊締装置にぶつかるということがしばしば起きる。解除用ボタン３０が引っ 込んでいるので、該解除用ボタンは、動いているブ−ツが緊締装置にぶつかると 、この動いているブ−ツによる作動を受けなくなる。

【００４０】 その結果、該解除用ボタン３０は使用者の意に反して作動を受けることはない 。

【００４１】 しかしながら、前述の場合には、該連繋部材１０を容易に緩めることができる 。すなわち、この目的のためには、解除用ボタン３０の操作用端部３３に対して 、例えば指で、ベルト１２の自由端部３５に接近する方向に作用させるだけで十 分である。

【００４２】 一般的なやり方に従って、連繋部材１０の構成要素（とりわけ、緊締装置３３ の構成要素）は、当業者に公知の材料を用い、かつ公知の技法で製作される。

【００４３】 もちろん、本考案は、上述した例に限定されるものではなく、冒頭に記載した 実用新案登録請求の範囲に含まれ得る同等の技術を全て含むものである。

【００４４】 例えば、駆動用レバ−２６と解除用ボタン３０は他の形状を採ってもよい。

【００４５】 また、該駆動用レバ−の翼部はただ１つであってもよい。

【００４６】 解除用ボタン３０は、台座の側板の少なくとも一方によって隠蔽されてもよい 。この場合、該側板は、駆動用レバ−の開口部を貫通するか、あるいは該レバ− の近くにあってもよい。補助的な部材を該緊締装置に付け加えて、該解除用ボタ ン３０を隠蔽できるようにしてもよい。

【００４７】 また、該緊締装置の内部構造を別異のもとしてもよい。例えば、歯止めと解除 用ボタンとを、２の別個の部材ではなく、一本の軸上にヒンジ連結した単一部材 （モノブロック部材）としてもよい。

【００４８】 さらに、緊締装置の例として、本考案をスノ−ボ−ドの締め具の分野に応用す る場合について記載してきたが、本考案はこれにとどまるものではなく、靴、衣 類、鞄、等々、他の技術分野において該緊締装置を用いることを考えてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による緊締装置を備えたスノ−ボ−ド用
締め具を示す斜視図である。

【図２】図１の緊締装置を拡大して示す要部断面図であ
る。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿って見た緊締装置
の概略断面図である。

【図４】緊締装置がベルトを引張駆動する場合を示す、
図３に類似の断面図である。

【図５】緊締装置がベルトを解放する場合を示す、図３
に類似の断面図である。

【図６】本考案による緊締装置がベルトを保持する場合
において、該装置を更に分かりやすくするため、図１の
要部を拡大して示す斜視図である。

【符号の説明】

１２ バンド １３ 緊締装置 １６ 台座 １７、１８ （第一、第二）側板 １９ ブリッジ（橋渡し部材） ２３ 歯止め ２５ 保持区域 ２６ 駆動用レバ− ２７、３３ 操作用端部 ３０ 解除用ボタン ３８、３９ 翼部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台座（１６）と、駆動用レバ−（２６）
   と、歯止め（２３）と、解除用ボタン（３０）とを含
   み、前記台座（１６）はブリッジ（１９）により接続さ
   れる第一の側板（１７）と第二の側板（１８）を有し；
   前記レバ−（２６）は前記側板（１７、１８）間で前記
   台座にヒンジ連結され、更に該レバ−は、一方では、前
   記側板（１７、１８）と前記ブリッジ（１９）にほぼ平
   行な第一の方向に沿ってベルト（１２）を駆動するため
   に設けられる１の端部（２８）と、また他方では、１の
   操作用端部（２７）を含み；前記歯止め（２３）は、前
   記側板（１７、１８）の間で前記台座（１６）にヒンジ
   連結されるとともに、前記第一の方向と逆の第二の方向
   に沿って前記ベルト（１２）の移動に抗するよう設けら
   れる保持区域（２５）を有し；該歯止め（２３）の保持
   区域（２５）を前記ブリッジ（１９）へ向けて常時付勢
   する弾性手段を備え；前記解除用ボタン（３０）は、前
   記歯止め（２３）の前記保持区域（２５）を、前記弾性
   手段の作用に抗して前記ブリッジ（１９）から遠ざける
   ようになっている、ベルトの緊締装置であって、 前記解除用ボタン（３０）は、前記レバ−（２６）が前
   記ベルト（１２）の保持を可能にする静止位置、すなわ
   ち前記操作用端部（２７）が前記ブリッジ（１９）に最
   も近い位置にあるとき、該ブリッジ（１９）に対してほ
   ぼ垂直な方向において、前記レバ−（２６）から、ある
   いは前記側板（１７、１８）から実質的に引っ込められ
   ることを特徴とするベルトの緊締装置。
2. 【請求項２】 前記レバ−（２６）が第一の翼部（３
   ８）と第二の翼部（３９）とを有し、前記両翼部間には
   解除用ボタン（３０）の操作用端部（３３）が収容され
   ることを特徴とする請求項１による緊締装置。
3. 【請求項３】 前記歯止め（２３）と前記解除用ボタン
   （３０）が別個の２の部材であることを特徴とする請求
   項１または２による緊締装置。