JP3081949U - フッ素製造用炭素電極 - Google Patents
フッ素製造用炭素電極Info
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】板状炭素材の表裏両面に溝幅1.5〜10
mmの溝を鉛直方向に複数個設置してなるフッ素製造用
炭素電極。好ましくは、溝間隔を5〜10mmとする。
更に、板状炭素材のショアー硬度が50以上であるもの
が好ましい。 【効果】1.発生したフッ素ガスを速やかに陽極表面か
ら除去できるので、電気分解反応に対する有効面積を大
きく保持できる。 2.電極の表面積が増え、表面積の電流密度制限からく
る電極全体の電流制限を緩和することができるので、生
産性を増やすことができる。 3.炭素電極の有効面積を大きくできるので、フッ化グ
ラファイト化の影響を軽減することができる。 4.炭素電極の寿命を延長することができる。 5.溝が微細構造ではなく、単純な直線構造なので切削
加工が容易である。 6.エッジ効果による電気分解反応速度が上昇する。 7.電気分解設備の大きさを増加させることなく生産性
を上げることができる。
mmの溝を鉛直方向に複数個設置してなるフッ素製造用
炭素電極。好ましくは、溝間隔を5〜10mmとする。
更に、板状炭素材のショアー硬度が50以上であるもの
が好ましい。 【効果】1.発生したフッ素ガスを速やかに陽極表面か
ら除去できるので、電気分解反応に対する有効面積を大
きく保持できる。 2.電極の表面積が増え、表面積の電流密度制限からく
る電極全体の電流制限を緩和することができるので、生
産性を増やすことができる。 3.炭素電極の有効面積を大きくできるので、フッ化グ
ラファイト化の影響を軽減することができる。 4.炭素電極の寿命を延長することができる。 5.溝が微細構造ではなく、単純な直線構造なので切削
加工が容易である。 6.エッジ効果による電気分解反応速度が上昇する。 7.電気分解設備の大きさを増加させることなく生産性
を上げることができる。
Description
【0001】
本考案はフッ素製造用炭素電極に係るものであり、詳しくは板状炭素材に特定 構造の溝を設置した溶融塩電解によるフッ素製造用炭素電極に係るものである。 フッ素の製造法として、フッ化カリウムとフッ化水素の混合溶融塩中で電気分 解を行う方法が一般的に行われている。
【0002】 電解槽の陽極としては炭素が使われている。金属は溶解するため陽極には使用 出来ないからである。電気分解では陽極表面での陽極反応及び陰極表面での陰極 反応とが同時に行われ、次式の様に示される。 陽極反応: 2F- → F2 +2e- 陰極反応: 2H+ +2e- → H2
【0003】 陽極反応は炭素陽極表面で行われるので、炭素陽極の表面積を増加させること は陽極反応の律速の一つである陽極表面の電流密度を引き下げる。従って、表面 積を増加させることにより電流密度の制限からくる生産能力を引き上げることが 出来る。
【0004】
陽極表面に発生したフッ素ガスが炭素陽極表面にレンズ状に泡を形成すると、 電解浴と陽極との接触が妨げられる。これにより電気分解が行われる表面積が減 少し、フッ素ガス生産性が低下する。 また、炭素陽極表面に発生したフッ素ガスは陽極炭素と反応して、フッ化グラ ファイトを生成する。このものの表面エネルギーは極めて低いので、フッ化グラ ファイト化した陽極表面と電解浴との濡れは悪くなる。フッ化グラファイト化し た炭素陽極表面には上記の気泡滞留が起こりやすくなり、その分炭素陽極の電気 分解反応に対する有効面積の減少となる。フッ化グラファイト化は電気分解に伴 って徐々に進行し、電気分解の有効表面積を減少させる。 このような背景から分かるように、陽極表面に発生したフッ素ガスを速やかに その場から除去することが重要である。
【0005】
フッ素ガスを陽極表面から速やかに拡散・移動させる方法として、電解浴と生 成ガスとの界面に対して、実質的に垂直となるように炭素材に溝を設けた電極が 知られている。例えば、特開平5−209291号公報には、幅10〜1000 μm、深さ100〜5000μmの微細構造を設けたものである。これにより発 生したフッ素ガスが陽極表面に大きな泡となって広がることが制限される。その 結果、フッ素ガスは小さな気泡を形成して、電解浴中を溝に沿って上昇し、陽極 表面に長時間滞留することがなくなり、気泡による陽極表面と電解浴との接触妨 害を緩和するとされている。
【0006】
本考案者はフッ素製造用炭素電極について鋭意検討した結果、微細構造ではな く、溝幅1.5〜10mmの溝で充分かつ容易にフッ素ガスの移動が図れること を知得した。即ち、本考案は板状炭素材の表裏両面に溝幅1.5〜10mmの溝 を鉛直方向に複数個設置してなるフッ素製造用炭素電極に存する。
【0007】
電極となる炭素材は板状直方体である。厚さに対して幅が2〜10倍、好まし くは3〜6倍程度のものが用いられる。市販品の一例として、例えば、幅200 mm、厚さ50mm、長さ(鉛直方向)550mm寸法の板状体が知られている 。 溝は表面及び裏面の両方に設けるが、側面(厚さ方向の面)には設けない。加 工が難しく、電極全体として寄与する面積が小さいからである。また、溝は板状 体の表面及び裏面の一部のみではなく、それらの全面にできるだけ均一に、等間 隔に設けることが好ましい。
【0008】 溝の構造としては、溝幅1.5〜10mm、好ましくは2〜8mmの溝を鉛直 方向に、直線状に複数個設置する。溝は、電解により発生したフッ素ガスを上方 に移動するのを促進させるものであるので、鉛直方向とすることが必要である。 水平方向または傾斜した方向の溝では本考案の効果は期待し難い。加工の都合上 、一つの溝について溝幅は通常一定とされる。但し、複数個設けられる溝の全て が同一幅に限定されるものではない。例えば、溝幅が2mmと3mmである溝を 交互に設けることができる。
【0009】 溝の深さは通常1〜10mm、好ましくは2〜8mm、更に好ましくは3〜5 mmの範囲から選択される。溝の深さは一つの溝について一定であってもよいが 、鉛直方向の上部から下部にいくほど深くなるような傾斜構造でもよい。 溝の断面形状は長方形、正方形、半円形、半楕円形、V字形、U字形又は台形 など任意であるが、長方形が一般的である。
【0010】 電解浴に浸らない電極上部には集電装置としての金属端子を固定する。炭素材 の表面または裏面に、1個又は複数個のボルト穴を設け、該ボルト穴に金属製の ボルト状端子を固定するのが一般的である。金属端子を、発生するフッ素ガスの 腐蝕から保護するために、金属部分をニッケル、銅、金、銀などでメッキするこ とは有効である。また金属と炭素電極との接触面にニッケル、黄銅、アルミニウ ム、金、銀、錫などを溶射して保護することもできる。 電解浴としては、通常KF・2HFの組成の溶融塩が用いられる。電解温度は 通常80〜100℃から選ばれる。
【0011】 電極となる炭素材は、組成としては炭素98重量%以上、好ましくは99〜9 9.9重量%の非黒鉛炭素である。炭素含有量の少ないものは耐蝕性に劣る。炭 素材のショアー硬度は50以上のものが使用される。ショアー硬度の低い黒鉛系 の炭素は生成フッ素ガスと反応し、またフッ素がグラファイト結晶構造中に進入 し結晶構造を破壊するので陽極として使用できない。 素材となる炭素材の硬度が大きいので、溝の加工に際して、通常ダイヤモンド 工具が使用される。ダイヤモンド工具の製作制限条件より、溝の幅の小さいもの の工業的加工が困難であるが、本考案に係る溝幅1.5〜10mmの直線状の溝 は、フライス盤などにより容易に切削加工が可能である。
【0012】 次に本考案を図面を用いて説明する。 図1は本考案に係る炭素電極の全体図である。(a)は正面図、(b)は右側 面図、(c)は底面図を表わす。図中、1は炭素電極、2は溝、3はボルト穴を 表わす。炭素電極の一方の表面に断面が長方形の12本の溝が設けられている。 溝は、溝幅一定でほぼ等間隔に設けられている。背面図は図示してないが、溝が 設けられている部分は正面図と同一となることは底面図(C)から理解される。 溝の深さもほぼ一定である。 図2は本考案に係る炭素電極の底面図の部分拡大図である。(1)は溝の断面 形状が長方形であり、図1(c)にほぼ対応するものである。(2)は断面形状 が正方形の角溝、(3)は断面形状が3角形のV字溝、(4)は断面形状が半円 状の半円溝をそれぞれ表わす。(5)は断面形状が長方形と正方形の溝を交互に 配列し、かつ溝の深さを異にする一例である。 図3は本考案に係る炭素電極の使用態様を示す概略図である。ただし、集電装 置や金属端子は省略してある。図中、1は炭素電極、2は溝、3はボルト穴、4 は電解浴の液面を表わす。
【0013】
1.発生したフッ素ガスを速やかに陽極表面から除去できるので、電気分解反応 に対する有効面積を大きく保持できる。 2.電極の表面積が増え、表面積の電流密度制限からくる電極全体の電流制限を 緩和することができるので、生産性を増やすことができる。 3.炭素電極の有効面積を大きくできるので、フッ化グラファイト化の影響を軽 減することができる。 4.炭素電極の寿命を延長することができる。 5.溝が微細構造ではなく、単純な直線構造なので切削加工が容易である。 6.いわゆるエッジ効果と呼ばれる、電気分解反応が加速される電極角部が増加 するので電気分解反応速度の上昇が期待される。 7.以上総合して、本考案の溝付き電極によれば電気分解設備の大きさを増加さ せることなく生産性を上げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る炭素電極の全体図である。
【図2】本考案に係る炭素電極の底面図の部分拡大図で
ある。
ある。
【図3】本考案に係る炭素電極の使用態様を示す概略図
である。
である。
(a)正面図、(b)右側面図、(c)底面図 1:炭素電極、2:溝、3:ボルト穴、4:電解浴液面
Claims (3)
- 【請求項1】板状炭素材の表裏両面に溝幅1.5〜10
mmの溝を鉛直方向に複数個設置してなるフッ素製造用
炭素電極。 - 【請求項2】溝間隔5〜10mmで溝を設置してなる請
求項1記載のフッ素製造用炭素電極。 - 【請求項3】板状炭素材のショアー硬度が50以上であ
る請求項1又は2記載のフッ素製造用炭素電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001003142U JP3081949U (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | フッ素製造用炭素電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001003142U JP3081949U (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | フッ素製造用炭素電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3081949U true JP3081949U (ja) | 2001-11-22 |
Family
ID=43214685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001003142U Expired - Fee Related JP3081949U (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | フッ素製造用炭素電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3081949U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008132836A1 (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Mitsui Chemicals, Inc. | ガス生成装置およびガス生成用炭素電極 |
-
2001
- 2001-05-21 JP JP2001003142U patent/JP3081949U/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008132836A1 (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Mitsui Chemicals, Inc. | ガス生成装置およびガス生成用炭素電極 |
JPWO2008132836A1 (ja) * | 2007-04-23 | 2010-07-22 | 三井化学株式会社 | ガス生成装置、ガス生成方法およびガス生成用炭素電極の製造方法 |
US8329008B2 (en) | 2007-04-23 | 2012-12-11 | Mitsui Chemicals, Inc. | Gas generating device and carbon electrode for gas generation |
JP5437794B2 (ja) * | 2007-04-23 | 2014-03-12 | 三井化学株式会社 | ガス生成装置、ガス生成方法およびガス生成用炭素電極の製造方法 |
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