JP3081032U - バーナ - Google Patents

バーナ

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JP3081032U
JP3081032U JP2001002100U JP2001002100U JP3081032U JP 3081032 U JP3081032 U JP 3081032U JP 2001002100 U JP2001002100 U JP 2001002100U JP 2001002100 U JP2001002100 U JP 2001002100U JP 3081032 U JP3081032 U JP 3081032U
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育三 土谷
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株式会社 土谷金属
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラッシュバックおよびリフティングを防止
し、且つ、熱流束の大きい高カロリーの炎を出すことが
できる、バーナを提供する。 【解決手段】 ハンドバーナ10は、ガス状燃料を導入
するためのガス導入管34と、ガス導入管34から導入
されたガス状燃料を噴出させるノズル孔20aを有する
ノズル部20と、ノズル孔20aからのガス状燃料の供
給を停止させる弁棒42と、一次空気を導入するレギュ
レータ60と、ガス状燃料および一次空気が混合される
混合室14とを含み、混合室14への一次空気の導入が
停止されるのと、ほぼ同時に、弁棒42が作動して混合
室14へのガス状燃料の供給が停止される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本願考案は、バーナに関し、たとえば冷凍食品表面の解凍および表面の焦げ目 付け、焼き豆腐や焼き魚等の表面の焦げ目付け、炭の火付け、金属の焼き入れ、 あるいは、生草を焼いたり、土を焼いて殺菌し土壌改良に利用したり、種々の物 の局部ないし全体を加熱するために用いられ、特に、低圧ガス用の小型のハンド バーナ等、燃焼器および調理用加熱機などに用いられる、バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
本願考案の背景となる従来の低圧ガス用のハンドバーナでは、低圧であるがゆ えに熱流束の高いシャープな炎を出すことは困難なものであった。 そこで、本願考案者は、ハンドバーナ本体に送風機を配設することにより、ハ ンドバーナ本体内に強制的に一次空気を取込み、さらに、その風速を利用して二 次空気および三次空気を取込むことによって、燃焼に必用な空気を多量に燃料ガ スに供給する構造のハンドバーナを考案した。そのため、熱流束の高い、すなわ ち、高カロリーの火炎を出すことができるハンドバーナが得られる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、送風機を設けた構造のハンドバーナでは、送風機により一次空 気が強制的にハンドバーナ本体内に吸引されるため、火炎を消すときに、混合気 の燃焼速度が炎口からの火炎の流出速度よりも速くなり、所謂、フラッシュバッ ク現象(逆火あるいはバックファイヤとも言う。)を起こす恐れが多分にあった 。そのため、場合によっては、ハンドバーナの手元側で爆発、爆音が起こり、安 全性の面で不具合の生じるものであった。 また、送風機による一次空気の取込み量が多過ぎると、混合気の燃焼速度が炎 口からの火炎の流出速度よりも遅くなり、火炎が炎口から浮き上がる、所謂、リ フティング現象、あるいは、ブローオフ現象、所謂、吹消え現象を起こす恐れが あり、これまた不具合の生じるものであった。
【0004】 それゆえに、本願考案の主たる目的は、フラッシュバックおよびリフティング を防止し、且つ、熱流束の大きい高カロリーの炎を出すことができる、バーナを 提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる本願考案のバーナは、ガス状燃料を導入するためのガス導入 路と、ガス導入路から導入されたガス状燃料を噴出させるノズル孔を有するノズ ル部と、ノズル孔からのガス状燃料の供給を停止させる停止手段と、一次空気を 導入する一次空気導入手段と、ガス状燃料および一次空気が混合される混合室と を含み、混合室への一次空気の導入が停止されるのと、ほぼ同時に、停止手段が 作動して混合室へのガス状燃料の供給が停止されることを特徴とする、バーナで ある。 請求項2にかかる本願考案のバーナは、請求項1の考案のバーナに従属するも ので、ノズル部は、混合室内にガス状燃料が噴出されるように混合室に接続され 、停止手段は、ノズル孔へのガス状燃料の供給を遮断する弁体を含み、一次空気 導入手段は、混合室と連通され、一次空気を導入するための開口部を有するレギ ュレータを含み、レギュレータは、開口部を段階的に閉鎖し、一次空気の混合室 への導入量を段階的に調整する調整手段を含み、調整手段により、レギュレータ の開口部が全閉されたときに、その全閉動作に連動して、ほぼ同時に、弁体がノ ズル孔へのガス状燃料の供給を遮断することを特徴とする、バーナである。 請求項3にかかる本願考案のバーナは、請求項2の考案のバーナに従属するも ので、ノズル部は、ノズル部本体と、ガス導入路と接続され、ノズル部本体内に ガス状燃料を導入する燃料導入路とをさらに含み、調整手段は、回転運動をする ことで開口部が段階的に閉鎖され、調整手段の回転運動に連動して、弁体は、直 線運動可能にノズル部に配設され、弁体の直線運動によりノズル孔へのガス状燃 料の供給が遮断される、バーナである。 請求項4にかかる本願考案のバーナは、請求項3の考案のバーナに従属するも ので、弁体は、軸状の弁棒を含み、弁棒は、弁棒の軸方向の一端側に配設され、 通路を閉塞する閉塞部と、弁棒の軸方向の他方端側に配設され、調整手段に連結 される連結部とを含み、ノズル部と弁棒とは、ねじ面を対偶素として互いに接触 するねじ対偶の構造を有し、調整手段の回転動作に連動して、弁棒には直線運動 が付与され、弁棒がノズル孔を閉塞可能にすることを特徴とする、バーナである 。 請求項5にかかる本願考案のバーナは、請求項4の考案のバーナに従属するも ので、ねじ面は、多条ねじのねじ面を有することを特徴とする、バーナである。 請求項6にかかる本願考案のバーナは、請求項4または請求項5の考案のバー ナに従属するもので、レギュレータは、混合室の一方端部に配置され、混合室の 上流側に複数の開口部を構成する羽根部材を含み、調整手段は、羽根部材に重ね られ、開口部の一部を段階的に閉鎖可能にする回転自在の第1の閉鎖部材と、第 1の閉鎖部材に重ねられ、開口部をさらに段階的に閉鎖可能にする回転自在の第 2の閉鎖部材と、第2の閉鎖部材に重ねられ、開口部を全閉可能にする回転自在 の第3の閉鎖部材とを含み、第3の閉鎖部材の回転動作に連動して、弁棒がノズ ル孔を閉塞し、ノズル孔へのガス状燃料の供給が遮断されることを特徴とする、 バーナである。 請求項7にかかる本願考案のバーナは、請求項6の考案のバーナに従属するも ので、混合室の一方端部の周縁で且つその周方向に所定の間隔を隔てて配設され 、第1の閉鎖部材の回転変位量を所定の範囲に規制する規制部と、第2の閉鎖部 材の一部に配設され、第2の閉鎖部材の回転に伴い、第1の閉鎖部材の一部を回 転方向から押圧して、第1の閉鎖部材を所定の範囲で回転可能にする押圧部と、 第3の閉鎖部材の一部に配設され、第3の閉鎖部材の回転に伴い、第1の閉鎖部 材および第2の閉鎖部材の一部を回転方向から押圧して、第1の閉鎖部材および 第2の閉鎖部材を所定の範囲で回転可能にする他の押圧部とをさらに含み、羽根 部材の中心と、第1の閉鎖部材、第2の閉鎖部材および第3の閉鎖部材の回転中 心とは、同一軸線上に配置される、バーナである。 請求項8にかかる本願考案のバーナは、請求項6または請求項7の考案のバー ナに従属するもので、ノズル部は、ノズル孔に連通され、ガス状燃料が供給され る通路をさらに含み、第3の閉鎖部材の回転動作に連動して、弁棒が通路を閉塞 し、ノズル孔へのガス状燃料の供給が遮断される、バーナである。 請求項9にかかる本願考案のバーナは、請求項4〜請求項8のいずれかの考案 のバーナに従属するもので、弁棒の連結部と第3の閉鎖部材とは、一体的に形成 されることを特徴とする、バーナである。 請求項10にかかる本願考案のバーナは、請求項1〜請求項9のいずれかの考 案のバーナに従属するもので、ノズル部の下流側に配設され、ガス状燃料および 一次空気の混合気が噴出される噴出口を有する第1のインジェクタ部と、混合室 の下流側に配設され、二次空気を導入する二次空気導入手段と、第1のインジェ クタ部の下流側に配設され、第1のインジェクタ部から噴出される混合気にさら に二次空気を供給して噴出させる噴出口を有する第2のインジェクタ部と、二次 空気導入手段の下流側に配設され、三次空気を導入する三次空気導入手段と、第 2のインジェクタ部の下流側に配設され、第2のインジェクタ部から噴出される 混合気にさらに三次空気を供給して噴出させる噴出口を有する第3のインジェク タ部と、第3のインジェクタ部を覆うようにして、第3のインジェクタ部の下流 側に配設され、その下流端側に火炎を噴射する炎口部を有する燃焼室とをさらに 含む、バーナである。 請求項11にかかる本願考案のバーナは、請求項10の考案のバーナに従属す るもので、第1のインジェクタ部の上流側に配設され、ガス状燃料および一次空 気の混合気に乱流を生じさせる乱流付与手段をさらに含む、バーナである。 請求項12にかかる本願考案のバーナは、請求項10または請求項11の考案 のバーナに従属するもので、第1のインジェクタ部の上流側に配設され、ガス状 燃料および一次空気の混合気を強制的に下流側に送風する送風機等の送風手段を さらに含む、バーナである。 請求項13にかかる本願考案のバーナは、請求項12の考案のバーナに従属す るもので、送風手段は、混合室および第1のインジェクタ部間に配設される、バ ーナである。 請求項14にかかる本願考案のバーナは、請求項12の考案のバーナに従属す るもので、送風手段は、混合室の上流側に配設されるバーナである。
【0006】
【作用】
請求項1にかかる本願考案では、ガス導入路を通って、ノズル部のノズル孔か らガス状燃料が噴射される。一次空気導入手段により、外部から一次空気が混合 室内に導入される。この場合、ガス状燃料がノズル部から噴射されるときの運動 エネルギによって、一次空気導入手段から一次空気が吸引され、混合室へ導入さ れる。ガス状燃料と一次空気とは、混合室内で混合され、混合気となる。請求項 1にかかる本願考案では、特に、一次空気の導入が停止されるのと、ほぼ同時に 、停止手段によって、ノズル孔からのガス状燃料の供給が停止される。そのため 、火炎を消すときのフラッシュバックが防止される。すなわち、これは、ガス状 燃料の導入量の調節と一次空気の導入量の調節とが、ほぼ同時に調節されること に起因する。 請求項2にかかる本願考案では、調整手段により、レギュレータの開口部が段 階的に閉鎖されるため、混合室への一次空気の導入量が段階的に調整される。さ らに、調整手段により、開口部が全閉されたとき、それに連動して、弁体がノズ ル孔へのガス状燃料の供給を遮断する。 請求項3にかかる本願考案では、ガス状燃料が燃料導入路からノズル部本体内 に導入され、ノズル孔から噴射される。また、調整手段の回転運動により、開口 部が段階的に閉鎖される。さらに、調整手段の回転運動に連動して、弁体が直線 運動し、それにより、ノズル孔へのガス状燃料の供給が遮断される。 請求項4にかかる本願考案では、弁棒が連結部により調整手段に連結され、且 つ、ノズル部と弁棒とがねじ対偶の関係にある。そのため、調整手段を回転させ れば、弁棒は、回転しながら直線運動を行ない、ノズル孔を閉塞することが可能 となる。 請求項5にかかる本願考案では、ねじ面が多条ねじのねじ面に形成されるため 、調整手段の回転量に比して、弁棒の直線運動の変位量、つまり、弁棒の軸方向 に動く距離が大きくなる。したがって、調整手段の回転量が比較的小さくても、 所望する弁棒の軸方向への変位量を確保することが可能となる。 請求項6にかかる本願考案では、羽根部材により、混合室の上流側に複数の開 口部が構成される。第1の閉鎖部材は、開口部の一部を段階的に閉鎖し、第2の 閉鎖部材は、開口部の一部をさらに閉鎖し、第3の閉鎖部材は、開口部の一部を さらに閉鎖して全閉するように、それぞれ、回転する。また、第3の閉鎖部材の 全閉動作に連動して、弁棒がノズル孔を閉塞し、ノズル孔へのガス状燃料の供給 が遮断される。 請求項7にかかる本願考案では、第2の閉鎖部材の規制部により、第1の閉鎖 部材の回転変位量が所定の範囲に規制される。第2の閉鎖部材の回転により、押 圧部が回転方向から第1の閉鎖部材を押圧し、第1の閉鎖部材を規制部の規制範 囲まで回転させる。さらに、第3の閉鎖部材の他の押圧部は、第1の閉鎖部材お よび第2の閉鎖部材を回転方向から押圧し、第1の閉鎖部材および第2の閉鎖部 材を規制部の規制範囲まで回転させる。それによって、一次空気が導入される開 口部は、全閉される。 請求項8にかかる本願考案では、ガス状燃料が通路を介して、ノズル孔に供給 される。また、調整手段の第3の閉鎖部材の回転動作による開口部の全閉動作に 連動して、弁棒は通路を閉塞し、ガス状燃料の供給を遮断する。 請求項9にかかる本願考案では、弁棒の連結部と調整手段の第3の閉鎖部材が 一体的に形成されるため、第3の閉鎖部材に回転運動を付与すると、弁棒もそれ に連動して回転する。 請求項10にかかる本願考案では、混合気が第1のインジェクタ部から噴出さ れる。このときの運動エネルギーによって、二次空気導入手段から二次空気が誘 導され、第1のインジェクタ部から噴出される混合気にさらに供給される。二次 空気と混合された混合気は、第2のインジェクタ部から噴出され、このときの運 動エネルギーによって、三次空気導入手段から三次空気が誘導され、第2のイン ジェクタ部から噴出される混合気にさらに供給される。三次空気と混合された混 合気は、第3のインジェクタ部から噴出され、燃焼室を通って、炎口部から噴出 される。このときの運動エネルギーによって、炎口部を介して外部から四次空気 が誘導され、第3のインジェクタ部から噴出される混合気にさらに供給される。 そして、炎口部から噴出する混合気に着火すると、混合気が燃焼し、炎口部か ら火炎が噴射される。この場合、第3のインジェクタ部、燃焼室および炎口部を 通って噴出される混合気の流速によって、燃焼室内が陰圧状態となる。そのため 、炎口部から火炎が吹き飛ぶ、所謂、リフティング現象が防止される。すなわち 、燃焼室内が陰圧状態となるため、炎口部から吹き飛ぶ火炎が燃焼室内に引っ張 られて、安定して混合気を燃焼させることが可能となる。 請求項11にかかる本願考案では、乱流付与手段により、一次空気とガス状燃 料との混合気に乱流が発生する。そのため、一次空気とガス状燃料とは、効率良 く混合される。 請求項12にかかる本願考案では、送風手段によって、一次空気とガス状燃料 との混合気が強制的に下流側に供給される。そのため、第1のインジェクタ部、 第2のインジェクタ部、第3のインジェクタ部および燃焼室を通って、炎口部か ら噴出される混合気の流速が速くなり、その運動エネルギーも大きくなる。した がって、一次空気導入手段、二次空気導入手段、三次空気導入手段および炎口部 から、それぞれ、一次空気、二次空気、三次空気および四次空気をより一層導入 しやすくなる。 請求項13にかかる本願考案では、送風手段が混合室と第1のインジェクタ部 との間に配置されるので、混合室から送られてきた混合気が強制的に第1のイン ジェクタ部に供給される。さらに、送風手段の作用により、一次空気もより多く 導入される。 請求項14にかかる本願考案では、送風手段が混合室の上流側に配設されるた め、一次空気がより多く導入される。
【0007】 本願考案の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行 う以下の考案の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【考案の実施の形態】 【実施例】
図1は、本願考案の一実施例を示す一部断面図解図であり、図2は、図1の実 施例に適用されるレギュレータおよび調整手段の一例を示す分解斜視図解図であ る。本実施例では、本願考案にかかるバーナの一例として、特に、低圧ガス用小 型ハンドバーナについて説明する。 本実施例にかかるハンドバーナ10は、たとえば円筒状のバーナ本体12を含 む。バーナ本体12の軸方向の一方側には、混合室14が配置され、バーナ本体 12の軸方向の他方側には、バーナヘッド16が配置される。本実施例のハンド バーナ10では、バーナ本体12の軸方向の一方側(図1で見て、右側)を上流 側とし、軸方向の他方側(図1で見て、左側)を下流側とし、ガス状燃料および 外部から導入される空気等は、上流側から下流側へ流れるものとして説明してい く。
【0009】 混合室14は、図1および図12等に示すように、たとえば円筒状のハウジン グ18を含む。ハウジング18内には、その軸線方向にガス状燃料を噴出させる ノズル部20が配置される。ノズル部20は、その軸方向の一端側に複数のノズ ル孔20aを有するノズル部本体22を含む。ノズル孔20aは、ノズル部本体 22の先端部の周方向に所定の間隔を隔てて配設される。ノズル部本体22は、 その内部にガス状燃料が供給される燃料供給室24を有する。また、ノズル部本 体22は、ノズル孔20aに連通される通路26を有し、通路26は、燃料供給 室24に連通される。
【0010】 ノズル部本体22には、その軸方向の中間部に、燃料供給室24内にガス状燃 料を導入・供給するためのガス導入部28が接続される。ガス導入部28は、た とえば円柱状に形成され、ハウジング18の軸方向の中間部と、ノズル部本体2 2の軸方向の中間部との間に配設される。ノズル部本体22は、ガス導入部28 により、ハウジング18の軸方向の中間部壁面に支持され、混合室14内におい て、混合室14の軸線方向に延びて配置される。この場合、ノズル部本体22の 軸方向の一端側は、混合室14の軸方向の一端側から突出し、本実施例では、こ の部分を突出部分23とする。
【0011】 ガス導入部28は、ハウジング18の軸方向の中間部壁面を貫通するガス導入 口30と、ガス導入口30および燃焼室24を連通するための連通路32とを含 む。ガス導入口30には、ガス導入管34が接続される。連通路32は、ガス導 入管34と接続される。つまり、この連通路32は、ガス導入路としての機能を 有するものである。ガス導入管34は、ハンドバーナ10の把持部36を貫通し て、ガス状燃料を供給する燃料供給源(図示せず)に接続される。燃料供給源( 図示せず)から供給されるガス状燃料は、ガス供給コック38により、その供給 量が調整される。
【0012】 本実施例のハンドバーナ10は、ノズル孔20aからのガス状燃料の供給を適 宜停止させる停止手段を含み、停止手段は、ノズル孔20aへのガス状燃料の供 給を遮断する弁体40を有する。弁体40は、たとえば軸状の弁棒42を含み、 弁棒42は、ノズル部本体22の軸線方向に直線運動可能に配置される。弁棒4 2の軸方向の一端側には、たとえば円錐状の閉塞部44が配設される。閉塞部4 4は、ノズル孔20aに連通する通路26を閉塞させるものである。また、弁棒 42の軸方向の他端側には、その外周部にねじ面46が配設され、弁棒42の軸 方向の中間部には、その外周部にねじ面48が配設される。なお、ねじ面48の 外径は、弁棒42の外径よりも大きく形成される。 本実施例では、特に、たとえば弁棒42のねじ面46,48が多条ねじのねじ 面を有する構造となっている。そのため、弁棒42のねじ面46,48では、弁 棒42の回転量に対して、弁棒42がその軸方向に動く距離が大きくなる。
【0013】 一方、ノズル部本体22には、その軸方向の中間部の内壁面に、ねじ面50が 配設される。このねじ面50は、弁棒42のねじ面48と螺合されるものである 。また、弁棒42の他のねじ面46は、後述する調整手段に連結される連結部と しての機能を有するものである。さらに、ノズル部本体22の軸方向の一端側に は、ノズル部本体22と弁棒42との間に、たとえばOリングからなるガスケッ ト52が配設され、ガス漏れを防止している。
【0014】 本実施例のハンドバーナ10は、混合室14の上流側に、一次空気を導入する ための一次空気導入手段を有する。一次空気導入手段は、混合室14と連通され る開口部60A,60B,60Cを備えたレギュレータ60を含み、一次空気は 、その開口部60A,60B,60Cより導入される。レギュレータ60は、ハ ウジング18の軸方向の一方端部に配置される羽根部材62を含む。 羽根部材62は、特に、図2等に示すように、たとえば略扇形の3枚の羽根片 62a,62b,62cを有する。3枚の羽根片62a,62b,62cには、 それぞれ、その幅方向の一端で、且つ、その長さ方向の一端から他端にかけて、 たとえば矩形状の立上り片64が配設される。 3枚の羽根片62a,62b,62cは、それぞれ、その長さ方向の一端部が ノズル部本体22の突出部分23に固着され、その長さ方向の他端部がハウジン グ18の軸方向の一端部に固着される。この場合、羽根片62a,62b,62 cは、その幅の狭い方が突出部分23に固着され、その幅の広い方がハウジング 18の周縁端部に固着される。したがって、混合室14の上流側には、3枚の羽 根片62a,62b,62cの間に、3つの扇状の開口部60A,60B,60 Cが構成される。
【0015】 なお、本実施例では、便宜上、羽根片62a,62b,62cを数学でいうと ころの扇形とみたとき、例えば、2つの半径のはさむ角(扇形の中心角)が略3 0度程度に形成される。この場合、扇状の開口部60A,60B,60Cの扇形 の中心角が略90度程度になるように、羽根片62a,62b,62cが配置さ れる。
【0016】 さらに、レギュレータ60は、開口部60A,60B,60Cを段階的に閉鎖 する調整手段70を含む。調整手段70は、一次空気の混合室14への導入量を 段階的に調整する機能を有するものである。調整手段70は、羽根部材62に重 ねられ、開口部60A,60B,60Cの一部を段階的に閉鎖する回転自在の第 1の閉鎖部材72を含む。第1の閉鎖部材72は、円環状の支持輪74を含み、 支持輪74の円周方向に所定の間隔を隔てて、たとえば略扇形の3枚の羽根片7 6a,76b,76cが配設される。この3枚の羽根片76a,76b,76c は、上述の羽根片62a,62b,62cと略同じ形状,大きさに形成され、そ の配置も略同じに形成される。支持輪72および羽根片76a,76b,76c は、一体的に形成される。
【0017】 また、調整手段70は、第2の閉鎖部材78を含む。第2の閉鎖部材78は、 第1の閉鎖部材72に重ねられ、開口部60A,60B,60Cをさらに段階的 に閉鎖できるように、回転自在に配置される。第2の閉鎖部材78は、支持輪8 0を含み、支持輪80の円周方向に所定の間隔を隔てて、たとえば略扇形の3枚 の羽根片82a,82b,82cが配設される。3枚の羽根片82a,82b, 82cは、上述の羽根片76a,76b,76cと略同じ形状,大きさに形成さ れ、その配置も略同じに形成される。3枚の羽根片82a,82b,82cの外 周端部には、たとえば平面視略C字形円環状の保持片84が配設される。保持片 84の円周方向の一端から他端を扇形の弧(優弧)とみたとき、その扇形の中心 角は、略300度程度に形成される。
【0018】 さらに、調整手段70は、第3の閉鎖部材88を含む。第3の閉鎖部材88は 、第2の閉鎖部材78に重ねられ、開口部60A,60B,60Cをさらに段階 的に閉鎖し、終には、開口部60A,60B,60Cを全閉できるように、回転 自在に配置される。第3の閉鎖部材88は、たとえば断面略L字形で円環状のキ ャップ状部90と、キャップ状部90と同じ中心をもつ円環状の支持輪92とを 有する。キャップ状部90と支持輪92との間には、たとえば略扇形の3枚の羽 根片94a,94b,94cが配設される。この3枚の羽根片94a,94b, 94cは、上述の羽根片76a,76b,76cと略同じ形状,大きさに形成さ れ、その配置も略同じに形成される。
【0019】 さらに、ハウジング18の軸方向の一端周縁端部には、その円周方向に所定の 間隔を隔てて、2つの規制部材66,68が配設される。2つの規制部材66, 68は、それぞれ、たとえば幅狭矩形状の凸片に形成される。2つの規制部材6 6,68は、第1の閉鎖部材72の回転変位量を所定の範囲に、つまり、一方の 規制部材66と他方の規制部材68との間の範囲に規制する機能を有する。 一方の規制部材66は、たとえば羽根片62bの幅方向の一端側に当接する位 置に配設される。他方の規制部材68は、羽根片62bの幅方向の他端と、羽根 片62cの幅方向の一端との間に配設される。一方の規制部材66と他方の規制 部材68とをハウジング18の周縁上で結んだときにできる劣弧66〜68を扇 形の弧とみたとき、この扇形の中心角は、たとえば略60度程度に形成される。
【0020】 さらに、調整手段70の第2の閉鎖部材78には、支持輪80の円周方向の一 部に押圧部86が配設される。押圧部86は、羽根片82bと羽根片82cとの 間で、羽根片82bの根元側近傍に設けられる。押圧部86は、たとえば断面L 字状の凸片に形成され、その先端部が第1の閉鎖部材72の方に向いて設けられ る。押圧部86は、第2の閉鎖部材78の回転に伴ない、第1の閉鎖部材72の たとえば羽根片76c根元側を回転方向から押圧する。それにより、第1の閉鎖 部材72を所定の範囲で回転可能にする。
【0021】 さらに、調整手段70の第3の閉鎖部材88には、キャップ状部90の内周縁 の一部に他の押圧部96が配設される。押圧部96は、羽根片94cと羽根片9 4aとの間で、羽根片94cの外周端側近傍に設けられる。押圧部96は、たと えば断面矩形で円弧状の凸片に設けられる。押圧部96は、第3の閉鎖部材88 の回転に伴ない、第1の閉鎖部材72の羽根片76aと、第2の閉鎖部材78の 保持片84の円周方向の端部85とを回転方向から押圧して、第1の閉鎖部材7 2および第2の閉鎖部材78を所定の範囲内で回転可能にするものである。 また、第3の閉鎖部材88の支持輪92には、その円周方向の一部に、後述す る固定ボス部102のねじ孔104と連通可能なねじ孔98が配設される。
【0022】 なお、羽根部材62に配設される立上り片64の高さは、たとえば図3,図4 に示すように、第1の閉鎖部材72の厚みと第2の閉鎖部材78の厚みとを加え た厚みとほぼ同様に設定される。また、立上り片64は、たとえば図3,図5に 示すように、羽根片62cの根元端部側に、少なくとも、押圧部86の幅分だけ の間隔を隔てた位置に配設される。これは、第2の閉鎖部材78が回転したとき に、その押圧部86が立上り片64に当って、第2の閉鎖部材78の回転が阻止 されないようにするためである。
【0023】 本実施例では、調整手段70と弁棒42とが、連結手段100により連結され る。連結手段100は、その内周面に雌ねじ等のねじ部102aを有する固定ボ ス部102を含む。固定ボス部102は、その一方主面側から他方主面側に貫通 する、雌ねじ等のねじ孔104を有する。また、連結手段100は、ねじ孔10 4に挿通されて螺合可能な止めねじ106およびナット108等の固定・接続手 段を有する。
【0024】 本実施例では、ノズル部本体22の突出部分23に、第1の閉鎖部材72、第 2の閉鎖部材78および第3の閉鎖部材88が嵌め込まれる。第1の閉鎖部材7 2、第2の閉鎖部材78および第3の閉鎖部材88は、それぞれ、支持輪74、 支持輪80および支持輪92を介して、突出部分23に嵌め込まれる。この場合 、弁棒42は、図1,図12等に示すように、その軸方向の他端側が突出部分2 3から、第3の閉鎖部材88の支持輪92を通って、外側に突出している。
【0025】 さらに、弁棒42の軸方向の他端側から、固定ボス部102が挿通される。こ のとき、弁棒42のねじ面46と、固定ボス部102のねじ部102aのねじ面 とが螺合される。さらに、固定ボス部102と第3の閉鎖部材88とが、止めね じ106によって連結される。すなわち、第3の閉鎖部材88のねじ孔98と固 定ボス部102のねじ孔104とが連通するように、第3の閉鎖部材88および 固定ボス部102が配置される。そして、ねじ孔98およびねじ孔104に、止 めねじ106が挿通され、それらのねじ面が螺合される。さらに、弁棒42の軸 方向の他端側から、ナット108が座金114を介して取付けられる。このよう にして、第3の閉鎖部材88と弁棒42とが連結される。
【0026】 なお、固定ボス部102の周囲には、たとえばスプリング部材110が配設さ れ、スプリング部材110の外側には、スプリング部材110が外れないように 固定する、たとえばE形止め輪(Eリング)112が配設される。スプリング部 材110は、第3の閉鎖部材88の羽根片94a,94b,94cを外側から軽 く押圧することにより、第3の閉鎖部材88が不用意に回転することを防止する 機能を有する。
【0027】 さて、混合室14の下流側には、送風手段120が配設される。送風手段12 0は、バーナ本体12と混合室14との間に配設される送風室122を含む。送 風室122とバーナ本体12とは、たとえばフランジ管状のブラケット部材12 6により接続・固定される。この場合、バーナ本体12とブラケット部材126 のフランジ片部126bとが適宜な接続手段により接続され、さらに、ブラケッ ト部材126の本体部126aがビス等の固着手段128により送風室122と 接続される。 送風室122内には、送風機124が配設される。送風機124は、混合室1 4から送られてくる混合気を強制的に下流側に送風するものである。この場合、 送風機124の回転力により、下流側に送風される混合気の流速が速くなる。そ のため、レギュレータ60の開口部60A,60B,60Cから導入され得る一 次空気の導入量も大きくすることができる。
【0028】 さらに、送風手段120の下流側には、乱流付与手段130が配設される。乱 流付与手段130は、たとえば複数の乱流板132を含み、これらの乱流板13 2は、ブラケット部材126の内周面に配設される。複数の乱流板132は、ブ ラケット部材126の内周面の径方向に感覚を隔てて平行に配置したり、あるい は、格子状に配置される。この場合、乱流板132に変えて、たとえば渦巻き状 の乱流羽根を配設するようにしてもよい。 乱流付与手段130は、送風手段120により強制的に送風された混合気に渦 巻き流等の乱流を生じさせ、ガス状燃料と一次空気とを効率良く混合させるため の機能を有するものである。
【0029】 バーナ本体12は、第1のインジェクタ部140を有する。第1のインジェク タ部140は、乱流付与手段130のさらに下流側に配設される。第1のインジ ェクタ部140は、相対する両側面が平行なたとえば円筒状の直線状筒体142 を含む。直線状筒体142の軸方向の一端には、相対する両側面が対称的に傾斜 するテーパ部を有するたとえば円錐台状筒体144が連接される。円錐台状筒体 144の小端径部周縁と直線状筒体142の軸方向の一端周縁部とが連接される 。円錐台状筒体144のテーパ部は、バーナ本体12の上流側から下流側に向い て先細りするように形成される。この場合、円錐台状筒体144の大端径部の内 径は、直線状筒体142の内径よりも大きく形成される。また、直線状筒体14 2の軸方向の長さは、直線状筒体142の内径と略同じかあるいは長く形成され る。さらに、円錐台状筒体144の軸方向の長さは、円錐台状筒体144の大端 径部の内径よりも小さく形成される。第1のインジェクタ部140の噴出口14 6からは、乱流付与手段130で効率良く混合された混合気が噴出される。
【0030】 また、バーナ本体12の外周面には、円錐台状筒体144の大端径部よりも下 流側に、二次空気導入手段としての二次空気導入部148が配設される。二次空 気導入部148は、バーナ本体12の外周面を貫通する複数の貫通孔により構成 される。これらの貫通孔は、バーナ本体12の外周面の円周方向に所定の間隔を 隔てて配設される。
【0031】 さらに、第1のインジェクタ部140の下流側には、第2のインジェクタ部1 50が配設される。第2のインジェクタ部150は、第1のインジェクタ部14 0の噴出口146から噴出される混合気に、二次空気導入部148から導入され た二次空気を供給し、噴出口156からさらに下流側に噴出させる機能を有する ものである。 第2のインジェクタ部150は、相対する両側面が平行なたとえば円筒状の直 線状筒体152を含む。直線状筒体152の軸方向の一端には、相対する両側面 が対称的に傾斜するテーパ部を有するたとえば円錐台状筒体154が連接される 。円錐台状筒体154の小端径部周縁と直線状筒体152の軸方向の一端周縁部 とが連接される。円錐台状筒体154のテーパ部は、バーナ本体12の上流側か ら下流側に向いて先細りするように形成される。この場合、円錐台状筒体154 の大端径部の内径は、直線状筒体152の内径よりも大きく形成される。また、 直線状筒体152の軸方向の長さは、直線状筒体152の内径と略同じかあるい は短く形成される。さらに、円錐台状筒体154の軸方向の長さは、円錐台状筒 体154の大端径部の内径と略おなじかあるいは小さく形成される。
【0032】 さらに、バーナ本体12の外周面には、円錐台状筒体154の大端径部よりも 下流側に、三次空気導入手段としての三次空気導入部158が配設される。三次 空気導入部158は、バーナ本体12の外周面を貫通する複数の貫通孔により構 成される。これらの貫通孔は、バーナ本体12の外周面の円周方向に所定の間隔 を隔てて配設される。
【0033】 さらに、第2のインジェクタ部150の下流側には、第3のインジェクタ部1 60が配設される。第3のインジェクタ部160は、第2のインジェクタ部15 0の噴出口156から噴出される混合気に、三次空気導入部158から導入され た三次空気を供給し、噴出口166からさらに下流側に噴出させる機能を有する ものである。 第3のインジェクタ部160は、相対する両側面が平行なたとえば円筒状の直 線状筒体162を含む。直線状筒体162の軸方向の一端には、相対する両側面 が対称的に傾斜するテーパ部を有するたとえば円錐台状筒体164が連接される 。円錐台状筒体164の小端径部周縁と直線状筒体162の軸方向の一端周縁部 とが連接される。円錐台状筒体164のテーパ部は、バーナ本体12の上流側か ら下流側に向いて先細りするように形成される。この場合、円錐台状筒体164 の大端径部の内径は、直線状筒体162の内径よりも大きく形成される。また、 直線状筒体162の軸方向の長さは、直線状筒体162の内径と略同じかあるい は短く形成される。さらに、円錐台状筒体164の軸方向の長さは、円錐台状筒 体164の大端径部の内径よりも小さく形成される。
【0034】 さらに、バーナ本体12には、第3のインジェクタ部160の下流側に延びる 、たとえば円筒状の燃焼室168が配設される。燃焼室168は、第3のインジ ェクタ部160を覆うように配設される。第3のインジェクタ部160は、その 下流側の端部に炎口部170を有する。炎口部170から噴出する混合気に着火 すると、混合気が燃焼し、火炎が噴射される。
【0035】 本実施例にかかるハンドバーナ10では、ガス導入路34を通って、ノズル部 20のノズル孔20aからガス状燃料が噴射される。混合室14内には、レギュ レータ60の開口部60A,60B,60Cを通って、外部から一次空気が導入 される。この場合、ガス状燃料がノズル孔20aから噴射されるときの運動エネ ルギによって、より効果的に、開口部60A,60B,60Cから一次空気が吸 引され、混合室14へ導入される。ガス状燃料と一次空気とは、混合室14内で 混合され、混合気となる。
【0036】 本実施例では、特に、開口部60A,60B,60Cからの一次空気の導入が 停止されるのと、ほぼ同時に、弁棒42を有する停止手段によって、ノズル孔2 0aからのガス状燃料の供給が停止される。そのため、火炎を消すときのフラッ シュバックが防止される。このことは、言いかえると、本実施例では、ガス状燃 料の導入量の調節と一次空気の導入量の調節とを略同時に調節することができる ためである。
【0037】 すなわち、本実施例にかかるハンドバーナ10では、第1の閉鎖部材72、第 2の閉鎖部材78および第3の閉鎖部材88の回転運動により、図6,図11等 に示す開口部60A,60B,60Cが段階的に閉鎖される。 第1の閉鎖部材72の3枚の羽根片76a,76b,76cは、図6および図 7に示すように、開口部60A,60B,60Cの一部を段階的に閉鎖する。ま た、第2の閉鎖部材78の3枚の羽根片82a,82b,82cは、図7および 図8に示すように、開口部60A,60B,60Cの一部をさらに段階的に閉鎖 する。第3の閉鎖部材88の3枚の羽根片94a,94b,94cは、図8,図 9および図10に示すように、開口部60A,60B,60Cの一部をさらに段 階的に閉鎖して、開口部60A,60B,60Cを全閉状態にする。
【0038】 この場合、図2に示すように、第2の閉鎖部材78の押圧部86によって、第 1の閉鎖部材72の回転変位量が所定の範囲に規制される。第2の閉鎖部材78 の回転により、図8に示すように、押圧部86が回転方向から第1の閉鎖部材の 羽根片76cを押圧し、羽根片76cを規制範囲まで回転させる。さらに、第3 の閉鎖部材88の他の押圧部96は、第1の閉鎖部材72の羽根片76aおよび 第2の閉鎖部材78の保持片84の端部85を回転方向から押圧し、羽根片76 aおよび第2の閉鎖部材78の羽根片82aを規制部の規制範囲まで回転させる 。それによって、一次空気が導入される開口部60A,60B,60Cは、全閉 される。この第3の閉鎖部材88の全閉動作に連動して、弁棒42がノズル孔2 0aを閉塞し、ノズル孔20aへのガス状燃料の供給が遮断される。
【0039】 すなわち、本実施例にかかるハンドバーナ10では、第1の閉鎖部材72、第 2の閉鎖部材78および第3の閉鎖部材88の回転運動に連動して、弁棒42が 直線運動する。この場合、弁棒42が連結手段100により第3の閉鎖部材88 に連結され、且つ、ノズル部本体22と弁棒42とがねじ対偶の関係にある。そ のため、第3の閉鎖部材88を回転させれば、弁棒42は、回転しながら直線運 動を行ない、ノズル孔20aに通じる通路26を閉塞することが可能となる。し かも、本実施例では、弁棒42のねじ面46,48が多条ねじのねじ面に形成さ れるため、第3の閉鎖部材88の回転量に比して、弁棒42の軸方向に動く距離 が大きくなる。したがって、第3の閉鎖部材88の回転量が比較的小さくても、 所望する弁棒42の軸方向への変位量を確保することができる。それにより、ノ ズル孔20aへのガス状燃料の供給が遮断される。
【0040】 さらに、本実施例にかかるハンドバーナ10では、混合気が第1のインジェク タ部140から噴出される。このときの運動エネルギーによって、二次空気導入 部148から二次空気が誘導され、第1のインジェクタ部140から噴出される 混合気にさらに供給される。二次空気と混合された混合気は、第2のインジェク タ部150から噴出され、このときの運動エネルギーによって、三次空気導入部 158から三次空気が誘導され、第2のインジェクタ部150から噴出される混 合気にさらに供給される。三次空気と混合された混合気は、第3のインジェクタ 部160から噴出され、燃焼室168を通って、炎口部170から噴出される。 このときの運動エネルギーによって、炎口部170を介して外部から四次空気が 誘導され、第3のインジェクタ部160から噴出される混合気にさらに供給され る。
【0041】 そして、炎口部170から噴出する混合気に着火すると、混合気が燃焼し、炎 口部170から火炎が噴射される。この場合、第3のインジェクタ部160、燃 焼室168および炎口部170を通って噴出される混合気の流速によって、燃焼 室内168が陰圧状態となる。そのため、炎口部170から火炎が吹き飛ぶ、所 謂、リフティング現象が防止される。すなわち、燃焼室168内が陰圧状態とな るため、炎口部170から吹き飛ぶ火炎が燃焼室内に引っ張られて、安定して混 合気を燃焼させることが可能となる。
【0042】 さらに、送風手段120によって、一次空気とガス状燃料との混合気が強制的 に下流側に供給される。そのため、第1のインジェクタ部140、第2のインジ ェクタ部150、第3のインジェクタ部160および燃焼室168を通って、炎 口部170から噴出される混合気の流速が速くなり、その運動エネルギーも大き くなる。したがって、開口部60A,60B,60C、二次空気導入部148、 三次空気導入部158および炎口部170から、それぞれ、一次空気、二次空気 、三次空気および四次空気をより一層導入しやすくなる。
【0043】 図13は、本願考案の他の実施例を示す一部断面図解図である。図13の実施 例は、上述の実施例と比べて、特に、送風手段120が混合室14の上流側、こ の場合、レギュレータ60よりも上流側に配設されている点、混合室14が漏斗 状に配設されている点、ノズル孔20aに連通される通路26が形成されていな い点、弁棒42と調整手段70の第3の閉鎖部材88とが一体的に形成されてい る点、および、混合室14の下流端部側の周囲にスライドダンパ180が配設さ れている点で、相違する。
【0044】 すなわち、図13に示す実施例では、送風手段120がレギュレータ60より も上流側に配設されているので、一次空気を強制的に混合室14へ送風すること ができ、より多くの一次空気を導入することができる。また、混合室14は、そ の下流側端部が先細の漏斗状に配設されるため、混合室14内から噴出される混 合気の流速を速くすることができる。さらに、弁棒42と第3の閉鎖部材88と が一体成形されているので、固定ボス102,止めねじ106,ナット108等 の連結手段100が不要となり、それだけ、部品点数を減らすことが出きる。
【0045】 さらに、図13に示す実施例では、混合室14の先細部分の周囲に、たとえば 円環状のスライドダンパ180が配設されているため、スライドダンパ180と 混合室14との間から、一次空気をさらに下流側、つまり、乱流付与手段126 を介して、第1のインジェクタ部140側へと導入することができる。
【0046】 なお、上述の各実施例において、羽根部材62は、たとえば第1の閉鎖部材7 2のように別部材として形成し、ビス等の取付手段により、混合室14のハウジ ング18の周縁端部に取外し可能に、適宜、取付けるようにしても良い。また、 乱流付与手段130は、必ずしも配設されるものではなく、適宜、省略可能であ る。
【0047】
【考案の効果】
本願考案によれば、フラッシュバックおよびリフティングを防止し、且つ、熱 流束の大きい高カロリーの炎を出すことができる、バーナが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案の一実施例を示す一部断面図解図であ
る。
【図2】図1の実施例に適用されるレギュレータおよび
調整手段の一例を示す分解斜視図解図である。
【図3】図1の実施例に適用される調整手段の一部を示
す斜視図解図である。
【図4】図3に示す調整手段の要部断面図解図である。
【図5】図3に示す調整手段の他の要部断面図解図であ
る。
【図6】図1の実施例に適用される調整手段の動作を示
す図解図である。(開口部全開)
【図7】図1の実施例に適用される調整手段の他の動作
を示す図解図である。(開口部の一部を閉鎖)
【図8】図1の実施例に適用される調整手段のさらに他
の動作を示す図解図である。(開口部の一部をさらに閉
鎖)
【図9】図1の実施例に適用される調整手段のさらに他
の動作を示す図解図である。(開口部全閉)
【図10】図1の実施例に適用される調整手段によりレ
ギュレータの開口部が全閉された状態を示す要部斜視図
である。
【図11】図1の実施例に適用される調整手段によりレ
ギュレータの開口部が全開された状態を示す要部斜視図
である。
【図12】図1の実施例に適用される停止手段の一例お
よびその動作を示す要部断面図解図である。
【図13】本願考案の他の実施例を示す一部断面図解図
である。
【符号の説明】
10 ハンドバーナ 12 バーナ本体 14 混合室 16 バーナヘッド 20 ノズル部 20a ノズル孔 22 ノズル部本体 26 通路 28 ガス導入部 32 連通路 34 ガス導入管 36 把持部 38 ガス供給コック 40 弁体 42 弁棒 44 閉塞部 46,48,50 ねじ面 60 レギュレータ 60A,60B,60C 開口部 62 羽根部材 62a,62b,62c 羽根片 66,68 規制部材 70 調整手段 72 第1の閉鎖部材 76a,76b,76c 羽根片 78 第2の閉鎖部材 82a,82b,82c 羽根片 86 押圧部 88 第3の閉鎖部材 94a,94b,94c 羽根片 96 他の押圧部 98 ねじ孔 100 連結手段 120 送風手段 130 乱流付与手段 140 第1のインジェクタ部 148 二次空気導入部 150 第2のインジェクタ部 158 二次空気導入部 160 第3のインジェクタ部 168 燃焼室 170 炎口部 180 スライドダンパ

Claims (14)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス状燃料を導入するためのガス導入
    路、 前記ガス導入路から導入された前記ガス状燃料を噴出さ
    せるノズル孔を有するノズル部、 前記ノズル孔からの前記ガス状燃料の供給を停止させる
    停止手段、 一次空気を導入する一次空気導入手段、および前記ガス
    状燃料および前記一次空気が混合される混合室を含み、 前記混合室への前記一次空気の導入が停止されるのと、
    ほぼ同時に、前記停止手段が作動して前記混合室への前
    記ガス状燃料の供給が停止されることを特徴とする、バ
    ーナ。
  2. 【請求項2】 前記ノズル部は、前記混合室内に前記ガ
    ス状燃料が噴出されるように前記混合室に接続され、 前記停止手段は、前記ノズル孔への前記ガス状燃料の供
    給を遮断する弁体を含み、 前記一次空気導入手段は、前記混合室と連通され、前記
    一次空気を導入するための開口部を有するレギュレータ
    を含み、 前記レギュレータは、前記開口部を段階的に閉鎖し、前
    記一次空気の混合室への導入量を段階的に調整する調整
    手段を含み、 前記調整手段により、前記レギュレータの前記開口部が
    全閉されたときに、その全閉動作に連動して、ほぼ同時
    に、前記弁体が前記ノズル孔への前記ガス状燃料の供給
    を遮断することを特徴とする、請求項1に記載のバー
    ナ。
  3. 【請求項3】 前記ノズル部は、ノズル部本体、およ
    び、前記ガス導入路と接続され、前記ノズル部本体内に
    前記ガス状燃料を導入する燃料導入路をさらに含み、 前記調整手段は、回転運動をすることで前記開口部が段
    階的に閉鎖され、 前記調整手段の回転運動に連動して、前記弁体は、直線
    運動可能に前記ノズル部に配設され、前記弁体の直線運
    動により前記ノズル孔への前記ガス状燃料の供給が遮断
    される、請求項2に記載のバーナ。
  4. 【請求項4】 前記弁体は、軸状の弁棒を含み、 前記弁棒は、前記弁棒の軸方向の一端側に配設され、前
    記通路を閉塞する閉塞部と、前記弁棒の軸方向の他方端
    側に配設され、前記調整手段に連結される連結部とを含
    み、 前記ノズル部と前記弁棒とは、ねじ面を対偶素として互
    いに接触するねじ対偶の構造を有し、前記調整手段の回
    転動作に連動して、前記弁棒には直線運動が付与され、
    前記弁棒が前記ノズル孔を閉塞可能にすることを特徴と
    する、請求項3に記載のバーナ。
  5. 【請求項5】 前記ねじ面は、多条ねじのねじ面を有す
    ることを特徴とする、請求項4に記載のバーナ。
  6. 【請求項6】 前記レギュレータは、前記混合室の一方
    端部に配置され、前記混合室の上流側に複数の開口部を
    構成する羽根部材を含み、 前記調整手段は、 前記羽根部材に重ねられ、前記開口部の一部を段階的に
    閉鎖可能にする回転自在の第1の閉鎖部材、 前記第1の閉鎖部材に重ねられ、前記開口部をさらに段
    階的に閉鎖可能にする回転自在の第2の閉鎖部材、およ
    び前記第2の閉鎖部材に重ねられ、前記開口部を全閉可
    能にする回転自在の第3の閉鎖部材を含み、 前記第3の閉鎖部材の回転動作に連動して、前記弁棒が
    前記ノズル孔を閉塞し、前記ノズル孔への前記ガス状燃
    料の供給が遮断されることを特徴とする、請求項4また
    は請求項5に記載のバーナ。
  7. 【請求項7】 前記混合室の一方端部の周縁で且つその
    周方向に所定の間隔を隔てて配設され、前記第1の閉鎖
    部材の回転変位量を所定の範囲に規制する規制部、 前記第2の閉鎖部材の一部に配設され、前記第2の閉鎖
    部材の回転に伴い、前記第1の閉鎖部材の一部を回転方
    向から押圧して、前記第1の閉鎖部材を所定の範囲で回
    転可能にする押圧部、および前記第3の閉鎖部材の一部
    に配設され、前記第3の閉鎖部材の回転に伴い、前記第
    1の閉鎖部材および前記第2の閉鎖部材の一部を回転方
    向から押圧して、前記第1の閉鎖部材および前記第2の
    閉鎖部材を所定の範囲で回転可能にする他の押圧部をさ
    らに含み、 前記羽根部材の中心と、前記第1の閉鎖部材、前記第2
    の閉鎖部材および前記第3の閉鎖部材の回転中心とは、
    同一軸線上に配置される、請求項6に記載のバーナ。
  8. 【請求項8】 前記ノズル部は、前記ノズル孔に連通さ
    れ、前記ガス状燃料が供給される通路をさらに含み、 前記第3の閉鎖部材の回転動作に連動して、前記弁棒が
    前記通路を閉塞し、前記ノズル孔への前記ガス状燃料の
    供給が遮断される、請求項6または請求項7に記載のバ
    ーナ。
  9. 【請求項9】 前記弁棒の連結部と前記第3の閉鎖部材
    とは、一体的に形成されることを特徴とする、請求項4
    〜請求項8のいずれかに記載のバーナ。
  10. 【請求項10】 前記ノズル部の下流側に配設され、前
    記ガス状燃料および前記一次空気の混合気が噴出される
    噴出口を有する第1のインジェクタ部、 前記混合室の下流側に配設され、二次空気を導入する二
    次空気導入手段、 前記第1のインジェクタ部の下流側に配設され、前記第
    1のインジェクタ部から噴出される前記混合気にさらに
    前記二次空気を供給して噴出させる噴出口を有する第2
    のインジェクタ部、 前記二次空気導入手段の下流側に配設され、三次空気を
    導入する三次空気導入手段、 前記第2のインジェクタ部の下流側に配設され、前記第
    2のインジェクタ部から噴出される前記混合気にさらに
    前記三次空気を供給して噴出させる噴出口を有する第3
    のインジェクタ部、および前記第3のインジェクタ部を
    覆うようにして、前記第3のインジェクタ部の下流側に
    配設され、その下流端側に火炎を噴射する炎口部を有す
    る燃焼室をさらに含む、請求項1〜請求項9のいずれか
    に記載のバーナ。
  11. 【請求項11】 前記第1のインジェクタ部の上流側に
    配設され、前記ガス状燃料および前記一次空気の混合気
    に乱流を生じさせる乱流付与手段をさらに含む、請求項
    10に記載のバーナ。
  12. 【請求項12】 前記第1のインジェクタ部の上流側に
    配設され、前記ガス状燃料および前記一次空気の混合気
    を強制的に下流側に送風する送風機等の送風手段をさら
    に含む、請求項10または請求項11に記載のバーナ。
  13. 【請求項13】 前記送風手段は、前記混合室および前
    記第1のインジェクタ部間に配設される、請求項12に
    記載のバーナ。
  14. 【請求項14】 前記送風手段は、前記混合室の上流側
    に配設される請求項12に記載のバーナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0736960U (ja) * 1993-12-21 1995-07-11 二幸陶器株式会社 ポット

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JPH0736960U (ja) * 1993-12-21 1995-07-11 二幸陶器株式会社 ポット

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