JP3080838B2 - 親水性カーボン材及びその製造方法 - Google Patents

親水性カーボン材及びその製造方法

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JP3080838B2 JP06128168A JP12816894A JP3080838B2 JP 3080838 B2 JP3080838 B2 JP 3080838B2 JP 06128168 A JP06128168 A JP 06128168A JP 12816894 A JP12816894 A JP 12816894A JP 3080838 B2 JP3080838 B2 JP 3080838B2
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信之 中嶋
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硝子の湿式成型用型を
含む硝子用治具、生体用材料、フィルター、機械部品等
で、親水性であることが要求されるものの構成材料とし
て使用するのに適した親水性カーボン材及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】硝子の湿式成型用型を含む硝子用治具、
生体用材料、フィルター、機械部品等の分野において
は、機械的強度及び組織の緻密性等の点から、それらの
構成材料として各種カーボンが使用されている。
【0003】例えば、湿式成型用型を用いた硝子の湿式
成型法の分野においては、従来、鋳物の型の表面にニカ
ワと混合したコルクを貼り付け、それを炭化させて成型
用型として使用していた。この湿式成型法は、水を含ま
せた型に予備成型した高温の硝子を接触させ、回転させ
ることによって行われ、その際に発生する水蒸気がクッ
ション材の役目を果たし、それによって硝子製品に所期
の光沢が賦与される。
【0004】しかしながら、硝子の湿式成型用型の作製
には特殊技術が必要であり、満足すべき製品が得られに
くかったし、作製された型は、水の保持量が少なく、ま
た、使用寿命も短いため、得られた硝子製品の光沢が低
下すること、経済性が悪いこと等の問題があった。
【0005】また、硝子の成型ラインは高温でありしか
も多量の水が使用されているので、このラインで使用さ
れるシャー(溶融硝子切断用治具)やスクープ(溶融硝
子搬送治具)等の硝子用治具には耐熱性・親水性等の機
能が要求される。さらに、補綴材等の生体用材料、フィ
ルター、機械部品等の分野においても、水系で使用され
るカーボン部材については、水との濡れ性が重要にな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硝子の
湿式成型用型を含む硝子用治具、生体用材料、フィルタ
ー、機械部品等の分野において、それらの構成材料とし
て使用されているカーボンは、一般に撥水性であるた
め、水に濡れず、使用時に水との接触が要求される場合
には全く使用できないという欠点があった。
【0007】本発明の目的は、これらの従来技術の問題
点を解消し、親水性に優れたカーボン材及びその製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するため種々の検討を行った。その結果、特定
の物性を有するカーボン材が、水の吸収・放出を一定の
速度で可逆的に行うことを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明は、1.0cc/cm2
・min以上の速度で水を吸収してポア内に保持する吸
水と、吸収された水の放出とが可逆的に進行し、素材と
なるカーボンが気孔率10%以上、平均孔径1μm以上
のものであることを特徴とする親水性カーボン材であ
る。本発明の前記親水性カーボン材は硝子の湿式成型用
型に形成して用いるのに好適である。
【0010】また、本発明は、気孔率10%以上、平均
孔径1μm以上の多孔質カーボンを700〜900℃の
温度で水蒸気賦活するか、この多孔質カーボンを水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ水溶液
に浸漬して、水酸化アルカリを、固形分基準で5〜30
%担持せしめ、次いで600〜1000℃の温度で処理
するか、硝酸や硝酸と硫酸との混合物により処理する
か、或いは空気酸化する等して前記多孔質カーボンに親
水化処理を施すことからなる、1.0cc/cm2 ・m
in以上の速度で水を吸収してポア内に保持する吸水
と、吸収された水の放出とが可逆的に進行する親水性カ
ーボン材を製造する方法である。
【0011】本発明の親水性カーボン材は、水の吸収
と、例えば加熱等による水の放出とが可逆的に進行する
という特長を有している。そのため、構成材料としてカ
ーボンが使用されている硝子の湿式成型用型を含む硝子
用治具、生体用材料、フィルター、機械部品等の中で
も、特に親水性が要求されるものに有利に使用し得る。
また、本発明の親水性カーボン材は、高い耐食性、例え
ば、高い耐熱性(不活性ガス中で1500℃まで、ま
た、空気中で400℃までの温度に耐え得る)、酸及び
アルカリに対する優れた耐薬品性並びにアセトン、メタ
ノール等に対する優れた耐溶剤性を有している。
【0012】本発明の親水性カーボン材のための素材と
しては、押出し法、モールド法、CIP法等により製造
される一般のカーボン材をはじめ、VCP(商品名、日
本カーボン(株)製の多孔質カーボン)やVCF(商品
名、日本カーボン(株)製の多孔質カーボン)のような
多孔質ビトロカーボン等を含め、ほぼ全てのカーボン材
が使用できる。
【0013】本発明のカーボン材のための素材に要求さ
れる特性としては、気孔率が10%以上であり、平均孔
径が1μm以上であることが必要である。気孔率が10
%未満であると、水の保持量が少なくなり、硝子成型用
型等の分野で使用できなくなる。また、平均孔径が1μ
m未満であると、水の吸収速度が1.0cc/cm2
min未満となり、水の吸収に長時間を要することにな
り、効率的でない。
【0014】
【作用】本発明による親水性カーボン材は、気孔率10
%以上、平均孔径1μm以上の組織特性を備えたカーボ
ン素材を用いて製造され、1.0cc/cm2 ・min
以上の速度で水を吸収してポア内に保持する吸水と吸収
された水の放出とが可逆的に進行する特性を有している
ので、かかる親水性カーボン材によって構成される硝子
成型用カーボン治具等は、水への濡れ性もよく、また、
吸水速度も速く、しかも耐熱性・耐久性等にも優れてい
る。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例と比較例について説明す
るが、これらは単なる例示にすぎず、本発明を制限する
ものではない。 (実施例1)気孔率30%、平均孔径20μmの多孔質
ガラス状カーボンVCP−20(商品名、日本カーボン
(株)製)を800℃の温度で、30分間水蒸気賦活し
た。得られた親水性カーボン材は瞬間的に水を吸収し、
その吸水速度は8.5cc/cm2 ・min、保水量は
16.3%であった。
【0016】次に、この親水性カーボン材を水に浸漬し
て、ポア内に水を吸収させ、次いで300℃の温度で乾
燥する操作を50回繰り返し、吸水速度及び保水量を測
定した。その結果、50回経過後の吸収速度は8.4c
c/cm2 ・min、保水量は16.4%であり、水の
吸収・放出が可逆的に進行し、しかも、本発明は耐久性
に優れていることが確認された。
【0017】(比較例1)気孔率20%、平均孔径0.
5μmの多孔質ガラス状カーボンVCP−05(商品
名、日本カーボン(株)製)を実施例1と同様にして水
蒸気賦活した。得られた親水性カーボン材の吸水速度は
0.6cc/cm2 ・minであり、素材の孔径が小さ
くなると、吸水速度は相当低くなった。
【0018】(実施例2)気孔率30%、平均孔径2.
5μmのカーボン材SEG−RB(商品名、日本カーボ
ン(株)製)を水酸化アルカリ水溶液に浸漬し、水酸化
カリウムを、固形分基準で10%担持せしめ、次いで、
900℃の温度で1時間処理した。得られた親水性カー
ボン材を水洗し、中性とした後、その吸水速度及び保水
量を測定したところ、吸水速度は1.5cc/cm2
min、保水量は16.2%であった。次いで、このカ
ーボン材を用いて実施例1と同様に50回、吸水・放出
の操作を繰り返した。その結果、吸水速度及び保水量に
はほとんど変化はなく、水の吸収・放出が可逆的に進行
し、しかも、本発明品は耐久性に優れていることが確認
された。
【0019】(実施例3)気孔率70%、平均孔径25
μmの多孔質ガラス状カーボン材VCF−25(商品
名、日本カーボン(株)製)を750℃の温度で、30
分間水蒸気賦活した。得られた親水性カーボン材の吸水
速度は12.4cc/cm2 ・min、保水量は41.
6%であった。次いで、このカーボン材を用いて実施例
1と同様に50回、吸水・放出の操作を繰り返した。そ
の結果、吸水速度及び保水量にはほとんど変化はなく、
水の吸収・放出が可逆的に進行し、しかも、本発明品は
耐久性に優れていることが確認された。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一定の速度で水の吸収と放出とが可逆的に進行し、しか
も、素材となるカーボンが特定の気孔率及び平均孔径を
有しているものである親水性カーボン材及びその製造方
法が提供でき、その親水性カーボン材から構成されたカ
ーボン治具等は、水への濡れ性及び耐久性に優れてお
り、親水性の要求される分野で使用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−83613(JP,A) 特開 昭62−216926(JP,A) 特開 平3−8866(JP,A) 特開 平2−307867(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/52 C01B 31/02 101 C03B 9/48 C04B 38/00 303 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.0cc/cm2 ・min以上の速度
    で水を吸収してポア内に保持する吸水と、吸収された水
    の放出とが可逆的に進行し、素材となるカーボンが気孔
    率10%以上、平均孔径1μm以上のものであることを
    特徴とする親水性カーボン材。
  2. 【請求項2】 硝子の湿式成型用型に形成されたことを
    特徴とする請求項1記載の親水性カーボン材。
  3. 【請求項3】 気孔率10%以上、平均孔径1μm以上
    である多孔質カーボンに親水化処理を施すことを特徴と
    する1.0cc/cm2 ・min以上の速度で水を吸収
    してポア内に保持する吸水と、吸収された水の放出とが
    可逆的に進行する親水性カーボン材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記親水化処理は前記多孔質カーボンを
    700〜900℃の温度で水蒸気賦活するものであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の親水性カーボン材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記親水化処理は前記多孔質カーボンを
    水酸化アルカリ水溶液に浸漬して、水酸化アルカリを、
    固形分基準で5〜30%担持せしめ、次いで600〜1
    000℃の温度で処理するものであることを特徴とする
    請求項3記載の親水性カーボン材の製造方法。
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