JP3080762B2 - 蒸気タービン保護装置 - Google Patents

蒸気タービン保護装置

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JP3080762B2
JP3080762B2 JP04099364A JP9936492A JP3080762B2 JP 3080762 B2 JP3080762 B2 JP 3080762B2 JP 04099364 A JP04099364 A JP 04099364A JP 9936492 A JP9936492 A JP 9936492A JP 3080762 B2 JP3080762 B2 JP 3080762B2
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義夫 竹岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主蒸気圧力低下時に蒸
気加減弁を閉じて蒸気タービン入口の蒸気圧力の低下を
防止し、蒸気タービンを保護する蒸気タービン保護装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービンは、高速回転形の原動機と
して発電用等に汎く利用されており、安全な運転を行わ
せるために種々の保護装置が開発され実用化されてい
る。蒸気タービンの構成品、例えば、タービン羽根に損
傷を与える原因の一つに湿り蒸気がある。
【0003】湿り蒸気から蒸気タービンを保護する第1
の手段としては、主蒸気温度・圧力を安全運転の限界を
越えたら直ちにタービンを停止する手段、また、第2の
手段として主蒸気圧力の低下に応じて蒸気加減弁を閉じ
圧力を回復させる手段等が実用化されている。
【0004】特に、上記の第2の手段は、主蒸気圧力低
下の原因が短時間で除去された場合、直ちに蒸気タービ
ンを正常な運転に復帰させることができるため運転面で
好ましく、発電機用蒸気タービンでもよく使用されてい
る。その手段は主蒸気圧力が定格値(100%負荷時)
の90%に低下したとき蒸気加減弁を閉じ始め、主蒸気
圧力が定格値(100%負荷時)の80%に低下したと
き蒸気加減弁を無負荷開度位置まで絞り込むものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常時ほ
ぼ100%の負荷で運転される蒸気タービンでは、上記
手段によって十分に蒸気タービンを保護することができ
るが、近年、急速に採用されている変圧運転による発電
ユニットの場合には低負荷運転時に主蒸気低下から適切
に保護することができないという問題がある。
【0006】すなわち、変圧運転による発電ユニットで
は、主蒸気圧力の規定値が発電機負荷により変化し、高
負荷と低負荷とでは倍近い差がある。このため、上記の
手段では高負荷運転時には適切な保護が行えるが、低負
荷運転時には、主蒸気圧力の変化の度合(比率)がより
大きく、例えば、高負荷運転時の倍程度にならないと圧
力低下防止のための蒸気加減弁閉動作が開始されないた
め保護が十分に行えない。
【0007】そこで、本発明は、蒸気タービンの運転負
荷に応じて蒸気加減弁の動作開始圧力規定値を変化さ
せ、主蒸気圧力の低下から蒸気タービンを効果的に保護
する蒸気タービン保護装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、主蒸気圧力の
低下時に蒸気加減弁を閉じて蒸気タービンの入口の蒸気
圧力の低下を防止する蒸気タービン保護装置において、
主蒸気圧力検出器の出力する主蒸気圧力信号を取り込
み、この主蒸気圧力信号に基づいて主蒸気圧力変化率を
演算し、この変化率が一定の制限を越えた場合に主蒸気
圧力処理後信号として出力する主蒸気圧力信号処理手段
と、発電機負荷検出器の出力する発電機負荷信号を取り
込み、この発電機負荷信号に基づいて主蒸気圧力設定値
を演算し、主蒸気圧力設定値補正信号として出力する発
電機負荷信号処理手段と、前記主蒸気圧力信号処理手段
の出力値と前記発電機負荷信号処理手段の出力値とに基
づいて前記蒸気加減弁の開度制限値を演算する蒸気加減
弁開度制限値演算手段と、この蒸気加減弁開度制限値演
算手段の開度制限値により前記蒸気加減弁を閉動作とさ
せる蒸気加減弁開度制御手段とを設けるようにしたもの
である。
【0009】
【作用】上記構成により、主蒸気圧力の変化値が要求め
られる一方、発電機負荷に応じた主蒸気圧力設定値が求
められる。そして、上記主蒸気圧力の変化値と上記主蒸
気圧力設定値とに基づいて蒸気加減弁開度制限値が求め
られ、この制限値により蒸気加減弁を閉動作とされる。
従って、主蒸気圧力及び発電機負荷に応じて蒸気加減弁
の動作開始圧力規定値が変化されるから低負荷時にも高
負荷時と同様に主蒸気圧力低下が防止される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施例を示す蒸気ター
ビン保護装置の概略図である。蒸気タービン保護装置1
は、主蒸気圧力信号処理手段2と発電機負荷信号処理手
段3と蒸気加減弁開度制限値演算手段4と蒸気加減弁開
度制御手段5とから構成される。また、主蒸気圧力信号
処理手段2には、主蒸気圧力検出器6が接続され、発電
機負荷信号処理手段3には、発電機負荷検出器7が接続
され、蒸気加減弁開度制御手段5には、蒸気加減弁8が
接続されている。
【0012】ここで、主蒸気圧力信号処理手段2は主蒸
気圧力検出器6の出力する主蒸気圧力信号aを取り込
み、この主蒸気圧力信号aに基づいて主蒸気圧力変化率
を演算し、この値が一定の制限を越えた場合に主蒸気圧
力処理後信号bを出力する。発電機負荷信号処理手段3
は、発電機負荷検出器7の出力する発電機負荷信号cを
取り込み、予め設定された関数および式を用いて運転負
荷に対応する主蒸気圧力設定値を演算し、この演算によ
り主蒸気圧力設定値補正信号dを出力する。
【0013】蒸気加減弁開度制限値演算手段4は、主蒸
気圧力処理後信号bと主蒸気圧力設定値補正信号dとに
基づき、予め設定された関数および式を用いて蒸気加減
弁開度制限値を演算し、蒸気加減弁開度制限信号eを出
力する。蒸気加減弁開度制御手段5は、通例の蒸気加減
弁制御回路に相当する部分であり、蒸気加減弁開度制限
信号eを他の制御信号(負荷制御等)および制限信号
(負荷制限等)と低値優先回路等で結合し、その結果と
して得られる信号を蒸気加減弁開度指令信号fとして蒸
気加減弁8に出力する。
【0014】主蒸気圧力検出器6は、静電容量形または
他の形式の圧力発信器であり、主蒸気圧力を電気信号に
変換して出力する。発電機負荷検出器7は、発電機出力
端に取付けられた計器用変成器および変流器から出力さ
れる発電機電圧および電流信号を取り込み、それらの積
である発電機負荷(電力)を計算し電気信号として出力
する。
【0015】上記構成では、主蒸気圧力信号処理手段2
が、主蒸気圧力検出器6の主蒸気圧力信号aを入力し
て、例えば、図2に示す構成の回路により主蒸気圧力処
理後信号bを出力する。すなわち、主蒸気圧力信号処理
手段2は、変化率制限器9と減算器10とで構成され、
主蒸気圧力信号aが変化率制限器9に入力され、所定の
変化率で制限された変化率制限信号gを減算器10に出
力する。そして、主蒸気圧力信号aが減算器10に入力
され、この減算器10で主蒸気圧力信号aから変化率制
限信号gが減算され、この減算された値Pxを主蒸気圧
力処理後信号bとして出力する。
【0016】一方、発電機負荷信号処理手段3では、次
のような手順で主蒸気圧力設定値補正信号dが演算され
る。すなわち、図3に示す如くの発電機負荷Lに対応し
て主蒸気圧力設定値Pa0の関数から主蒸気圧力設定値
Pa0が求められる。この関数は発電機負荷Lが低負荷
領域、例えば30%までは主蒸気圧力設定値Pa=30
%と一定値で、その後高負荷領域、例えば70%までは
一定の比率で増加し、70%から100%までは一定値
となっている。
【0017】続いて、この主蒸気圧力設定値Pa0から
次の式(1)を用いて主蒸気圧力規定補正値Kaが算出
される。
【0018】
【数1】Ka=P100/Pa0…………(1)
【0019】ここで、P100:100%負荷時の主蒸
気圧力
【0020】上記主蒸気圧力規定補正値Kaは、主蒸気
圧力設定値補正信号dとして蒸気加減弁開度制限値演算
手段4へ出力される。蒸気加減弁開度制限値演算手段4
では、主蒸気圧力処理後信号bの主蒸気圧力処理後の値
Pxと主蒸気圧力設定補正信号dの主蒸気圧力規定補正
値Kaとから次の式(2)により主蒸気圧力偏差Pyが
計算される。
【0021】
【数2】Py=Px×Ka……………(2)
【0022】さらに、蒸気加減弁開度制限値演算手段4
では、図4に例示した関係を用いて、この主蒸気圧力偏
差Pyから蒸気加減弁開度制限値Pjが求められる。こ
の蒸気加減弁開度制限信号eは蒸気加減弁開度制御手段
5に入力される。蒸気加減弁開度制御手段5では、低値
優先選択回路等で構成され、負荷制御信号、負荷制限信
号等と共に、蒸気加減弁開度制限信号eが入力され、低
値の信号が出力される。これによって、低値負荷運転中
に主蒸気圧力が低下したときにも高負荷運転時と同様に
蒸気加減弁開度制限信号eによって蒸気加減弁8が閉じ
られる。
【0023】以上の実施例によれば、運転負荷に応じて
適切に主蒸気圧力の低下防止のための蒸気加減弁開度が
自動的に演算でき制御に適用されるため、蒸気タービン
を主蒸気圧力の低下から効果的に保護することが可能と
なる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主
蒸気圧力及び発電機負荷に応じて蒸気加減弁の動作開始
規定値を応答良く変化させるようにしたから、低負荷時
にも主蒸気圧力の低下が防止され、蒸気タービンを効果
的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す蒸気タービン保護装置
のブロック図である。
【図2】図1の主蒸気圧力信号処理手段を示すブロック
図である。
【図3】図1の発電機負荷信号処理手段の発電機負荷と
主蒸気圧力設定との関係を示す説明図である。
【図4】図1の蒸気加減弁開度制限値演算手段の主蒸気
圧力偏差と蒸気加減弁開度制限値との関係を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 蒸気タービン保護装置 2 主蒸気圧力信号処理手段 3 発電機負荷信号処理手段 4 蒸気加減弁開度制限値演算手段 5 蒸気加減弁開度制御手段 8 蒸気加減弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主蒸気圧力の低下時に蒸気加減弁を閉じ
    て蒸気タービンの入口の蒸気圧力の低下を防止する蒸気
    タービン保護装置において、主蒸気圧力検出器の出力する主蒸気圧力信号を取り込
    み、この主蒸気圧力信号に基づいて主蒸気圧力変化率を
    演算し、この変化率が一定の制限を越えた場合に主蒸気
    圧力処理後信号として出力する主蒸気圧力信号処理手段
    と、 発電機負荷検出器の出力する発電機負荷信号を取り込
    み、この発電機負荷信号に基づいて主蒸気圧力設定値を
    演算し、主蒸気圧力設定値補正信号として出力する発電
    機負荷信号処理手段と、 前記主蒸気圧力信号処理手段の出力値と前記発電機負荷
    信号処理手段の出力値とに基づいて前記蒸気加減弁の開
    度制限値を演算する蒸気加減弁開度制限値演算手段と、 この蒸気加減弁開度制限値演算手段の開度制限値により
    前記蒸気加減弁を閉動作とさせる蒸気加減弁開度制御手
    段とを備えたことを特徴とする蒸気タービン保護装置。
JP04099364A 1992-04-20 1992-04-20 蒸気タービン保護装置 Expired - Lifetime JP3080762B2 (ja)

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JPS6053762A (ja) * 1983-09-01 1985-03-27 石川島播磨重工業株式会社 熱サイクルに於ける蒸発圧縮ユニツト
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JPS61279703A (ja) * 1985-06-05 1986-12-10 Toshiba Corp 蒸気タ−ビンの制御装置
JPH0639887B2 (ja) * 1985-09-05 1994-05-25 株式会社東芝 蒸気タ−ビンの制御装置

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