JPH0639887B2 - 蒸気タ−ビンの制御装置 - Google Patents

蒸気タ−ビンの制御装置

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JPH0639887B2
JPH0639887B2 JP19657785A JP19657785A JPH0639887B2 JP H0639887 B2 JPH0639887 B2 JP H0639887B2 JP 19657785 A JP19657785 A JP 19657785A JP 19657785 A JP19657785 A JP 19657785A JP H0639887 B2 JPH0639887 B2 JP H0639887B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は原子力発電プラントや火力発電プラント等に用
いられる蒸気タービンの制御装置に係り、特にタービン
発電プラントの変圧運転に適した蒸気タービン入口圧力
制御装置を備えた蒸気タービンの制御装置に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
近時、石油価格の高騰から、発電プラントは、定圧運転
の他にエネルギ変換効率を高める諸手段が講じられてい
る。その1つに変圧運転と称する特殊な運転方法があ
る。この変圧運転は、蒸気発生器の出力を常時に一定に
するのではなく、発電プラントの系統内負荷に応じて蒸
気発生器の出力を調整しようとするものである。
変圧運転では、定圧運転のように低負荷時に高圧蒸気を
蒸気加減弁で絞って蒸気タービンに導く運転方法をとら
ず、蒸気加減弁を出力の広範囲に亘ってほぼ全開に保持
し、蒸気発生器の出力蒸気圧力を系統内負荷の低下に応
じて下げる運転方法である。これによって蒸気加減弁で
の絞り損失が無くなるという大きな利点がある。
しかし、その反面、従来から蒸気タービンの入口蒸気圧
力を一定限度内にするために使用されている蒸気タービ
ン入口圧力制御装置が使用できなくなる。従来の蒸気タ
ービン入口圧力制御装置では蒸気発生器と連通した蒸気
タービンの入口蒸気圧力が一定値低下すれば直ちに蒸気
加減弁をタービンが無負荷となる開度まで閉じてしま
い、このままでは変圧運転ができないという問題があ
る。
この種の蒸気タービン入口圧力制御装置は次のような蒸
気タービン保護の目的で設置されている。すなわち、蒸
気タービン個々の運転を制御する蒸気タービンの負荷制
御装置は、負荷指令装置から負荷指令に応じた負荷を確
保するように制御される。具体的には蒸気発生器の出口
蒸気圧力が何らかの原因で低下すると、所望の負荷を得
るために、蒸気加減弁の弁開度をより大きく開けるよう
に負荷制御装置が自動制御される。その結果、蒸気発生
器の発生蒸気量より蒸気タービンの蒸気消費量が増加
し、ますます蒸気圧力は低下する。そこで、蒸気圧力が
一定限度を超えて低下した場合に、蒸気加減弁を負荷制
御とは逆に閉方向に操作して蒸気発生器の蒸気発生量の
回復を待つ装置、すなわち、蒸気タービン入口圧力制御
装置が必要となる。蒸気タービン入口圧力制御装置はさ
らに蒸気圧力が低下しても蒸気加減弁を最小負荷がとれ
る開度までしか閉塞させず、蒸気タービン駆動の発電機
がモータリングしない限度で待機する。
蒸気発生器での蒸気圧力低下は蒸気発生器の給水量が多
いか熱量が少なくなった時に、蒸気量が低下して起こる
現象である。したがって、蒸気圧力低下と共に、蒸気温
度も低下することになる。このような蒸気が蒸気タービ
ンに流入した場合、すなわち、蒸気タービンの蒸気通路
を構成する各部に温度低下に伴う熱応力が発生し、クラ
ックが発生したり、タービンロータおよびケーシングの
反りやミスアライメントを生じ、ラビングによる振動増
大や破壊の原因となる可能性がある。また、蒸気タービ
ンに案内された蒸気は蒸気タービン内で膨脹して仕事を
し、減圧される。減圧された蒸気は湿り蒸気や水滴を発
生する。乾き蒸気に比較して相対的に流速が遅くなった
湿り蒸気はタービン動翼の背面に向う流れとなり、ター
ビンのスラスト力を著しく増大させる。このため、スラ
スト軸受を損傷させたり、蒸気タービンの動翼が水滴の
衝突によって浸食を受けたり、さらには蒸気タービン中
に水が溜ることによって大事故につながる可能性があっ
た。
このことから、タービン発電プラントには蒸気タービン
入口圧力制御装置が設けられ、この蒸気タービン入口圧
力制御装置で蒸気タービンへ低圧・低温蒸気が流入しな
いように調節制御したり、また、何らかの原因で蒸気圧
力が低下したとき、蒸気加減弁の弁開度を無負荷開度ま
で閉塞させて蒸気発生量の回復を待つ待機運転を行なっ
たりして、蒸気タービンを保護している。
近年、蒸気発生器の圧力および温度制御性能が向上して
いるが、原子力発電の普及に伴い、原子力発電の全負荷
継続運転に対して、火力発電は変動負荷運転の機会が増
加し、それに伴って負荷変化速度もますます高速化しつ
つある。このため、蒸気発生器の蒸気量の変化も高速化
が要求され、蒸気圧力・温度の制御性能は高度な性能が
要求されている。
特に、タービン発電プラントの変圧運転は負荷に対応し
て蒸気圧力を変化させる運転方法であり、所望の蒸気圧
力を得るために、蒸気発生器の圧力制御を適確に行なう
と共に、不測の蒸気発生器の圧力低下に備え、蒸気ター
ビン入口圧力制御装置によって負荷に対応した圧力に制
御できるようにし、蒸気タービン保護を行なう必要があ
る。
第5図は、従来の蒸気タービン入口圧力制御装置を備え
た一般的な蒸気タービン制御装置のブロック図である。
発電機1を駆動する蒸気タービン2に、原子炉やボイラ
等の蒸気発生器3で発生する蒸気が主蒸気止め弁4と蒸
気加減弁5を介して流入される。流入した蒸気は蒸気タ
ービン2を通る際に膨脹して仕事をし、減圧される。減
圧された蒸気はコンデンサ6に排気される。蒸気タービ
ン2は、速度設定器7と負荷設定器8の設定によって速
度/負荷制御装置9が演算した出力を低値優先機構10
と蒸気加減弁駆動装置11を介して蒸気加減弁5の弁開
度を調整して速度/負荷制御が行なわれる。蒸気タービ
ン入口圧力制御装置12は圧力検出器13と入口圧力制
御装置14から構成され、その入口圧力制御信号が低値
優先機構10に出力される。
従来の蒸気タービン入口圧力制御装置12は第6図に示
された構成を有する。蒸気タービン2の入口に設けられ
た圧力検出器13は主蒸気圧力を実圧信号である空気圧
信号に変換する。空気源の故障による空気圧力喪失時に
蒸気タービン入口圧力制御装置12が蒸気加減弁5を閉
め込まないように主蒸気圧力増加に対し空気圧信号は減
少するように構成される。
蒸気タービン入口蒸気圧力は圧力検出器13の検出元弁
15を介し、ダイヤフラム室16に入って力に変換され
バランスビーム17に伝達される。バランスビーム17
は引張ばね18に対抗して押され、支点Oの周りを回
動する。バランスビーム先端のフラッパ19は、ノズル
21との距離によってノズル背圧が変化する。ノズル2
1への空気供給は、エアー調圧弁20によって行なわ
れ、ノズル背圧の調節はニードル弁22で行なう。
圧力検出器13の空気信号は、蒸気タービン入口圧力制
御装置12の使用/不使用を選択できるセレクター23
に伝えられる。セレクター23は選択スイッチ24と切
換通路を有する電磁弁25から成る。セレクター23が
蒸気タービン入口圧力制御装置12の不使用を選択して
いる場合は、電磁弁の大気開放ポートから大気圧が蒸気
タービン入口圧力信号の実圧信号の代りに入力される。
大気圧は主蒸気圧力が最も高い信号の模擬信号であるた
め蒸気加減弁5を決して閉め込むことはない。
セレクター23を通った蒸気タービン入口圧力信号は、
圧力/ストローク変換器26に入力されストローク信号
となる。圧力/ストローク変換器26は空気圧信号を受
け力に変換するダイヤフラム27と、受けた力をストロ
ーク量に変換する圧縮ばね28および方向変換機構29
から成る。
圧力/ストローク変換器26からの出力は増幅機構30
のパイロットバルブ31と油圧シリンダ32およびフィ
ードバックレバー33により出力増幅され、蒸気加減弁
を閉め込む操作が優先される低値優先機構10に伝達さ
れる。
従来の蒸気タービン入口圧力制御装置12の動作は定格
圧力の約90%の主蒸気圧力で蒸気加減弁5の閉塞動作
を開始し、約80%圧力以下で無負荷開度とするように
調整される。このため、蒸気タービン入口蒸気圧力をタ
ービン発電プラントの系統内負荷に応じて約30%まで
下げる変圧運転では使用することができない。
〔発明の目的〕
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、変圧
運転を行なうタービン発電プラントに蒸気タービン入口
圧力制御装置を用いることができ、この入口圧力制御装
置により、蒸気タービンの入口蒸気圧力を系統内負荷に
追従させて調節制御し、エネルギ変換効率を高め、蒸気
タービンを有効的に保護し得るようにした蒸気タービン
の制御装置を提供することを目的とする。
〔発明の概要〕
上述した目的を達成するために、本発明に係る蒸気ター
ビンの制御装置は、負荷指令装置からの負荷指令信号を
入力して蒸気タービンの入口蒸気圧力を設定する蒸気圧
力設定装置と、蒸気タービンの入口蒸気圧力を検出する
蒸気圧力検出装置と、前記蒸気圧力設定装置からの圧力
設定信号と上記蒸気圧力検出装置からの実圧信号とを比
較演算する加算増幅機構とを有する蒸気タービン入口圧
力制御装置を備え、前記加算増幅機構を、蒸気加減弁の
閉方向動作を優先させる低値優先機構に接続したことを
特徴とするものである。
〔発明の実施例〕
以下、本発明に係る蒸気タービンの制御装置の一実施例
について添付図面を参照して説明する。
第1図は本発明に係る蒸気タービンの制御装置に用いら
れる蒸気タービン入口圧力制御装置40を示すもので、
この蒸気タービン入口圧力制御装置40を説明するに当
り、第6図に示される従来の蒸気タービン入口圧力制御
装置12と同一部分には同じ符号を付し、重複説明を省
略する。蒸気タービン入口圧力制御装置40以外の蒸気
タービンの制御装置の構成は第5図に示すものと同様で
あるので、この第5図を参照する。
前記蒸気タービン入口圧力制御装置40はタービン発電
プラントの系統負荷指令を出力する負荷指令装置41か
らの負荷指令信号が入力される蒸気圧力設定装置42
と、蒸気タービン2の入口蒸気圧力を検出してこの蒸気
圧力信号に相当する実圧信号を出力する蒸気圧力検出装
置43と、この蒸気圧力検出装置43から入口蒸気圧力
に相当する実圧信号と上記蒸気圧力設定装置42からの
蒸気設定圧力に相当する圧力設定信号とを比較演算する
加算増幅機構44とを有し、この加算増幅機構4からの
出力が低値優先機構10の片方のレバー10aに入力さ
れる。低値優先機構10の他方のレバー10bは個々の
蒸気タービン2を制御する速度/負荷制御装置9からの
速度負荷制御信号が入力され、その低値優先機構10は
蒸気加減弁5を閉塞する方向の信号が優先的にピツクア
ップされ、その出力が蒸気加減弁駆動装置11に出力さ
れる。
一方、蒸気圧力検出装置43は、蒸気タービン6の入口
に設けられた従来と同じ圧力検出器13を有し、この圧
力検出器13は主蒸気圧力を実圧信号である空気圧信号
に変換している。この空気圧信号は蒸気タービン入口圧
力制御装置40の使用/不使用を選択可能なセレクタ2
3を通過し、ダイヤフラム36で操作力に変換される。
ダイヤフラム36で操作力に変換された実圧信号は、加
算増幅機構44の加算ビーム45に入力される。
また、蒸気圧力設定装置42は第2図に示すように負荷
指令装置41からの負荷指令信号に追従作動する負荷追
従装置46と、この負荷追従装置46からの出力を設定
負荷に対応した所定の函数に変換するカム機構47とを
有する。負荷追従装置46は負荷指令装置41からの負
荷指令信号を入力する絶縁増幅器49と、この増幅され
た負荷指令信号が位置決めサーボ回路50を介して駆動
される制御用モータ51と、このモータ出力を減速させ
る減速歯車機構52と、減速されて回転駆動されるリー
ドスクリュー53と、リードスクリュー53に係合し、
設定負荷位置が位置決めされる位置決めメンバ54と、
この位置決めメンバ54の設定負荷位置が位置決めサー
ボ50に出力される位置発信器55とから構成され、閉
じた位置決めループが形成される。上記位置決めサーボ
回路50、リードスクリュー53、位置決めメンバ5
4、位置発信器55により位置決め装置が構成される。
負荷追従装置46からの設定負荷出力は、カム機構47
のカム56により所定の設定負荷函数に変換されて出力
レバー57に伝達される。出力レバー57は、設定負荷
に対応した圧力設定位置をとるように支点O廻りに揺
動自在にセットされる。この出力レバー57にはレバー
のストローク量を力に変換する圧縮ばね58が設けられ
ており、この圧縮ばね58は、出力レバー57のストロ
ーク量を力に変換して加算増幅機構44の加算ビーム4
5に伝達している。加算ビーム45には、負荷指令装置
41からの負荷指令値、すなわち、負荷追従装置46か
らの設定負荷に対応した圧力設定信号が圧縮ばね58に
より力に変換されて作用せしめられる。
他方、加算増幅機構44の加算ビーム45には、圧力設
定信号のみならず、蒸気圧力検出装置43からの蒸気圧
力信号(実圧信号)も同じ作用点に作用せしめられる。
加算ビーム45は第3図に示すように、支点O廻りに
回動自在に支持される力平衡型ビームであり、タービン
発電プラントの系統負荷に対応した圧力設定信号と実圧
信号である蒸気圧力信号が比較演算される。
加算増幅機構44は、支点O廻りに回動する加算ビー
ム45の他に、加算ビーム45の揺動量を検出するレー
トリミッタ60と、加算ビーム45の揺動に応じて作動
制御され、増幅された出力を低値優先機構34に出力す
る機械油圧式増幅機構61と、この増幅機構61からの
出力をフィードバックさせるフィードバック機構62と
を備えている。増幅機構61は加算ビーム45の揺動に
より作動されるパイロットバルブ63とこのバルブ作動
により駆動される油圧(液圧)シリンダ64とを有す
る。油圧シリンダ64は加算ビーム45が中立位置をと
るとき、パイロットバルブ63も中立位置をとり、油圧
シリンダ64は作動されない。加算ビーム45が反時計
方向に回動(上動)するとパイロットバルブ63は作動
し、油圧が油圧シリンダ64のピストン64aの上方に
作用し、ピストン64aを押し下げ、ピストンロッド6
4bに連結された作動ロッド65を下降させる。これに
より、低値優先機構10のレバー10aが操作され、蒸
気加減弁5を閉じる方向の信号が蒸気加減弁駆動装置1
1に出力される。加算ビーム45が時計方向に回動(下
動)すると、作動ロッド65は油圧シリンダ64により
上動せしめられる。作動ロッド65の上昇時には低値優
先機構10のレバー10aは操作されない。
次に、蒸気タービンの制御装置の作用について説明す
る。
タービン発電プラントの変圧運転は、プラント系統内の
負荷によって蒸気発生器3の圧力を変化させるので、蒸
気タービン入口圧力制御装置40にはタービン発電プラ
ントの負荷指令装置41からの系統内負荷指令値に追従
する負荷追従装置46が設けられており、これによりタ
ービン発電プラントの負荷に応じて蒸気発生器3からの
主蒸気圧力を調節制御しながら運転継続を行なうように
なっている。
第4図は蒸気タービン入口圧力制御装置40の作用を示
すグラフであり、横軸はタービン発電プラントの系統負
荷を、縦軸は蒸気タービン6の入口蒸気圧力をそれぞれ
示す。従来の定圧運転プラントの主蒸気圧力モードを一
点鎖線Aで、この定圧運転プラントにおいて従来の蒸気
タービン入口圧力制御装置12を使用した場合の蒸気加
減弁5の閉塞開始圧力(定格出力の90%)を一点鎖線
Bで、蒸気加減弁5が無負荷(発電機がモータリングし
ないこと)開度になる蒸気圧力(定格出力の80%)を
一点鎖線Cでそれぞれ示す。
また、本発明の蒸気タービンの制御装置を用いた場合に
おけるタービン発電プラントの変圧運転における主蒸気
圧力モードが実線Dで、この変圧運転時に蒸気タービン
入口圧力制御装置40を使用した場合の蒸気加減弁5の
閉塞開始圧力曲線が実線Eで、蒸気加減弁5が無負荷に
なる蒸気圧力曲線が実線Fでそれぞれ示される。
この第4図から、タービン発電プラントの変圧運転にお
ける主蒸気圧力モードDと従来の蒸気タービン入口圧力
制御装置12を使用した蒸気加減弁5の閉塞開始圧力曲
線Bとの交点はH、蒸気加減弁5の無負荷開度圧力との
交点はIで表わされ、従来の蒸気タービン入口圧力制御
装置12では定圧運転(定格出力)の80%圧力まで下
がると蒸気加減弁5の弁開度は無負荷開度となり、一義
的に定まる。したがって、従来の蒸気タービン入口圧力
制御装置12は、蒸気圧力を定格圧力の約30%まで下
げる変圧運転に用いることができないことがわかる。
これに対し、本発明に係る蒸気タービンの制御装置にお
いては、蒸気タービン入口圧力制御装置40での蒸気加
減弁5の閉塞開始圧力は函数Eで表わされ、蒸気加減弁
5が無負荷開度となる圧力は函数Fで示されるので、こ
の蒸気タービン入口圧力制御装置40をタービン発電プ
ラントの変圧運転に使用すると、タービン発電プラント
の系統内が負荷Gにおいて、主蒸気圧力はK点で示され
る。しかして、タービン発電プラントの主蒸気圧力が不
測の事態によりL点まで低下すると、蒸気加減弁5は閉
塞動作が開始され、M点まで蒸気圧力が低下すると、蒸
気加減弁5は無負荷開度となるように閉塞される。
具体的には、第1図に示される負荷指令装置41から変
圧運転指令が出力されさると、この指令信号に基いて負
荷追従装置46およびカム機構47が作動し、加算増幅
機構の加算ビーム45の位置を設定する。
一方、この加算ビーム45には圧力検出装置13で検出
された実圧信号がダイヤフラム36で操作力に変換され
て作用する。このとき、圧力検出装置13で検出される
蒸気圧力が負荷指令装置41で設定される変圧運転に対
応した設定圧力である場合には、加算ビーム45は釣り
合い、中立位置をとり、低値優先機構10に油圧シリン
ダ64からの操作力が作用することはない。
また、圧力検出装置13で検出される蒸気圧力が負荷指
令装置41で設定される圧力より、何らかの原因で低下
すると、この蒸気圧力の低下を圧力検出装置13が検出
し、大きなバックプレッシャがセレクタ23を介してダ
イヤフラム36に伝達され、このダイヤフラム36は加
算ビーム45を反時計方向に回動される。これにより、
加算ビーム45はパイロットバルブ63を上動させ、油
圧シリンダ64を駆動し、作動ロッド65を下降させ
る。この下降により低値優先機構10のレバー10aが
作動し、蒸気加減弁5を閉じる方向の操作力が蒸気加減
弁駆動装置11(第5図参照)に出力される。このとき
には、低値優先機構10の他方のレバー10bにも速度
/負荷制御装置9から個々の蒸気タービン2の回転数
(回転速度)に応じた信号が入力されるが、この信号は
回転数が低下すると蒸気加減弁5の弁開度を大きくする
方向の信号であるので、速度/負荷制御装置9からの信
号に加算増幅機構44からの信号が優先し、蒸気加減弁
5を閉じる方向に作用し、この蒸気加減弁5の弁開度
は、例えば第4図に示すように負荷がGで表わされると
き、何らかの原因で蒸気圧力がLあるいはM点まで低下
すると、主蒸気加減弁は閉塞開始圧力あるいは無負荷開
度圧力に対応した弁開度に調節制御される。
他方、圧力検出装置13で検出される蒸気圧力が負荷指
令装置41で設定それる設定圧力より高い場合には、加
算ビーム45はバランスを失い、時計方向に回動する。
この加算ビーム45の回動により、パイロットバルブ6
3を介して油圧シリンダ64が上動せしめられるが、こ
の場合、油圧シリンダ64が上動しても作動ロッド65
は低値優先機構10のレバー10aを作動させることが
ない。この場合には、低値優先機構10は速度/負荷制
御装置9(第5図参照)からの信号により作動制御さ
れ、蒸気加減弁5の弁開度が設定される。
本発明に係る蒸気タービンの制御装置に、この蒸気ター
ビン入口圧力制御装置を用いると、タービン発電プラン
トの変圧運転に対しても、負荷に追従した圧力設定がで
き、第4図に示すように、変圧運転で主蒸気圧力に対応
した蒸気加減弁5の閉塞開始圧力と無負荷開度圧力を設
定できる。
〔発明の効果〕
以上に述べたように本発明に係る蒸気タービンの制御装
置は負荷指令装置からの負荷指令信号を入力して蒸気タ
ービンの入口蒸気圧力を設定する蒸気圧力設定装置と、
蒸気タービンの入口蒸気圧力を検出する蒸気圧力検出装
置と、前記蒸気圧力設定装置からの圧力設定信号と上記
蒸気圧力検出装置からの実圧信号とを比較演算する加算
増幅機構とを有する蒸気タービン入口圧力制御装置を備
え、前記加算増幅機構を、蒸気加減弁の閉方向動作を優
先させる低値優先機構に接続したから、タービン発電プ
ラントの変圧運転に、蒸気タービン入口圧力制御装置を
用いることができ、この蒸気タービン入口圧力制御装置
により、蒸気タービンの入口蒸気圧力を系統負荷に追従
させて迅速かつ正確に調節制御できるので、エネルギの
変換効率を高めることができ、蒸気タービンを、クラッ
ク、ラビング、スラスト軸受の損傷やタービン動翼の水
滴による損傷等から有効的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る蒸気タービンの制御装置に用いら
れる蒸気タービン入口圧力制御装置を示す図、第2図は
上記蒸気タービン入口圧力制御装置に用いられる蒸気圧
力設定装置を示す図、第3図は上記蒸気タービン入口圧
力制御装置に用いられる加算増幅機構を示す図、第4図
は蒸気タービン入口圧力制御装置の作用を従来と比較し
て示すグラフ、第5図は蒸気タービン入口圧力制御装置
を備えた一般的な蒸気タービンの制御装置を示すブロッ
ク線図、第6図は従来の蒸気タービン入口制御装置を示
す図である。 2……蒸気タービン、3……蒸気発生器、5……蒸気加
減弁、10……低値優先機構、13……蒸気発生器、4
0……蒸気タービン入口圧力制御装置、41……負荷指
令装置、42……蒸気圧力設定装置、43……蒸気圧力
検出装置、44……加算増幅機構、45……加算ビー
ム、46……負荷追従装置、47……カム機構。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷指令装置からの負荷指令信号を入力し
    て蒸気タービンの入口蒸気圧力を設定する蒸気圧力設定
    装置と、蒸気タービンの入口蒸気圧力を検出する蒸気圧
    力検出装置と、前記蒸気圧力設定装置からの圧力設定信
    号と上記蒸気圧力検出装置からの実圧信号とを比較演算
    する加算増幅機構とを有する蒸気タービン入口圧力制御
    装置を備え、前記加算増幅機構を、蒸気加減弁の閉方向
    動作を優先させる低値優先機構に接続したことを特徴と
    する蒸気タービンの制御装置。
  2. 【請求項2】蒸気圧力設定装置は、負荷指令信号に追従
    作動する負荷追従装置と、この負荷追従装置からの出力
    により負荷に対応した所定の函数に変換し、出力レバー
    を負荷に対応した圧力設定位置に設定するカム機構とを
    有する特許請求の範囲第1項に記載の蒸気タービンの制
    御装置。
  3. 【請求項3】負荷追従装置は、負荷指令信号に追従作動
    する制御用モータと、このモータ駆動により位置決めさ
    れる位置決め装置とを備えた特許請求の範囲第2項に記
    載の蒸気タービンの制御装置。
  4. 【請求項4】加算増幅機構は、蒸気圧力設定装置からの
    圧力設定信号に応じた入力と蒸気圧力検出装置からの実
    圧信号に応じた入力と比較演算し、支点廻りに回動自在
    な力平衡型加算ビームと、この加算ビームの揺動量を増
    幅して低値優先機構に出力する機械油圧式増幅機構と、
    この増幅機構からの出力を加算ビームにフィードバック
    させるフィードバック機構とを備えた特許請求の範囲第
    1項に記載の蒸気タービンの制御装置。
JP19657785A 1985-09-05 1985-09-05 蒸気タ−ビンの制御装置 Expired - Lifetime JPH0639887B2 (ja)

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