JPS6227243B2 - - Google Patents

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JPS6227243B2
JPS6227243B2 JP6978478A JP6978478A JPS6227243B2 JP S6227243 B2 JPS6227243 B2 JP S6227243B2 JP 6978478 A JP6978478 A JP 6978478A JP 6978478 A JP6978478 A JP 6978478A JP S6227243 B2 JPS6227243 B2 JP S6227243B2
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JP
Japan
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pressure steam
turbine
control signal
limit
control valve
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JP6978478A
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Motoro Iwato
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、抽気タービンの限界制御運転時の制
御方法の改良に関する。
従来の抽気タービンの通常の制御方法および低
圧蒸気加減弁が全閉となる限界運転時の制御方法
を、第1図に示す系統図によつて説明する。同図
において、1は高圧タービン、2は低圧タービ
ン、3は低圧タービン2の排気ライン、4は発電
機、5は高圧蒸気加減弁、6は低圧蒸気加減弁、
7は抽気ライン、8はタービン主軸に連結された
調速機、nは該タービン主軸の回転数で、該調速
機8はその回転数に応じて調速制御一次信号P1
調速制御二次信号P2に変換し、該調速制御二次信
号P2(以下単に調速制御信号という。)が、上記
高圧蒸気加減弁5および低圧蒸気加減弁6に伝え
られ、それらの各蒸気加減弁5,6を同時に開方
向又は閉方向に作動させるようになつている。な
お、9は上記抽気ライン7に接続された抽気レギ
ユレータを示す。更に抽気ラインは、抽気レギユ
レータ9からの抽気制御信号PA,PBによつても
制御される。
いま、工場側が抽気ライン7の蒸気をより多く
使用するようになると、この蒸気量は増大し、こ
の抽気ライン7の蒸気圧力は低下するので、この
抽気圧力をほぼ一定に制御するために、抽気レギ
ユレータ9は、高圧蒸気加減弁5を開方向へ、低
圧蒸気加減弁6を閉方向へ作動させる抽気制御信
号PA,PBを発する。これにより抽気ライン7へ
流れる蒸気量は増大され、抽気圧力の低下は微量
となり、ほぼ一定に保つ制御動作が行なわれる。
こうして、抽気ライン7の蒸気流量の増加分だけ
抽気蒸気は増える。(この量はちようど高圧蒸気
加減弁5で増えた蒸気量と、低圧蒸気加減弁6で
減少した蒸気量の和に等しい。)ここで、上記の
如く一応抽気流量増に対する制御動作を完了させ
る。
さらに抽気量を増やす必要が生じると、抽気レ
ギユレータ9は低圧蒸気加減弁6が全閉となるま
では、通常の抽気制御ができる。ここまでは高圧
蒸気加減弁5が開または閉、低圧蒸気加減弁6が
同時に高圧蒸気加減弁5とは反対方向に閉または
開の動作を抽気量の増減に応じて繰り返して、タ
ービン出力をほぼ一定に保ちながら正常な抽気制
御が行なわれる。
従つて、タービン出力を一定に保ちながら抽気
制御を行なうための抽気制御信号PA/PBによつ
て、高圧蒸気加減弁5と低圧蒸気加減弁6とを同
時に互いに開・閉逆方向に作動させる。例えば高
圧蒸気加減弁5が開、低圧蒸気加減弁6が閉方向
の場合について説明すると、高圧蒸気加減弁5開
分によつて高圧タービン1の出力が増える。低圧
蒸気加減弁6閉分によつて低圧タービン2の出力
は減るが、これらの出力の増と減の変化がほぼ同
じになるような、高圧蒸気加減弁5と低圧蒸気加
減弁6の開閉量としながら抽気制御が行なわれる
ように計画されている。また、タービン出力を変
える場合は、調速制御信号P2を変えると高圧蒸気
加減弁5および低圧蒸気加減弁6は、いずれも開
方向または閉方向に同時に作動し、蒸気量もそれ
ぞれほぼ同量増大または減少されるように計画さ
れているから、抽気量を変えることなく、タービ
ン出力を増加または減少できる。(このとき多少
の抽気量の変化はあるが、抽気レギユレータ9が
同時に作動して抽気量は一定に保たれる。)この
ように、調速制御信号P2によつてタービン出力が
変えられるが、さらにタービン出力を減少させる
必要が生じて、調速制御信号P2によつて高圧蒸気
加減弁5および低圧蒸気加減弁6をそれぞれ閉方
向に作動させて、タービン出力を減少させ低圧蒸
気加減弁6が全閉となるまでは、通常の調速制御
信号P2による制御ができる。ここまでは高圧蒸気
加減弁5と低圧蒸気加減弁6が調速制御信号P2
よつて同時に閉または開動作をするから、抽気量
を一定に保ちながら正常な調速制御が行なわれ
る。
抽気タービンの抽気制御および調速制御の正常
な作動は前記の如くであるが、低圧蒸気加減弁6
が全閉状態となつて、さらに抽気量を増やす必要
があるときには、抽気レギユレータ9からの抽気
制御信号PA/PBによつて、高圧蒸気加減弁5は
開方向に作動できるが、低圧蒸気加減弁6は全閉
であるから作動できないため、タービン出力を一
定に保ちながらの正常な抽気制御はできなくな
る。また、低圧蒸気加減弁6が全閉状態となつ
て、逆にタービン出力を減少させる必要があると
きには、調速制御信号P2によつて高圧蒸気加減弁
5は閉方向に作動できるが、低圧蒸気加減弁6は
上記と同じく全閉であるから作動できない。この
ため抽気量を一定に保ちながらの正常な調速制御
はできなくなる。これらいずれの場合もここでい
う限界運転状態となる。即ち、低圧蒸気加減弁6
が全閉となり高圧蒸気加減弁5のみが作動できる
運転状態である。
この限界運転状態になると、正常な抽気制御運
転や正常な調速制御運転ができなくなるだけでな
く、後述するように、抽気制御運転や調速制御運
転もできなくなるような制御の不安定状態(以下
ハンチング現象という。)を起す場合がある。こ
のハンチング現象を防止するのが本発明の目的で
ある。このハンチング現象となるのは、第3図中
のタービン性能曲線と限界運転ライン図のD〜E
間のラインである。
第3図に示すタービン性能曲線と限界運転ライ
ン図を参照し限界運転について説明する。同図の
横軸はタービン出力(NG)であり、横軸と縦軸
の交点が零出力で、右側が出力の増加側である。
縦軸は高圧タービンの蒸気量(GH)であり、縦
軸と横軸の交点が高圧タービン蒸気量零で、上側
が蒸気量の増加側である。タービン最大出力はA
〜B間のラインであり、抽気量零のときのタービ
ン出力と高圧タービン蒸気量の関係はB〜C間の
直線ラインである。抽気量G1が一定のときのタ
ービン出力と高圧蒸気量の関係は、D〜A1間の
ラインであり、抽気量がそれぞれG2,G3,G4
増大後、一定に保持するときのタービン出力と高
圧蒸気量の関係は、それぞれK2〜A2,K3〜A,
E〜F間のラインで示される。低圧タービンへの
蒸気量は高圧タービン蒸気量から抽気量を差し引
いた蒸気量であり、低圧タービンへの蒸気量が同
一であるのは、D〜E,F0〜F,A0〜Aで示さ
れる線上であり、その蒸気量は、B〜Cラインと
交わるD0点、F0点、A0点に相等する高圧タービ
ン蒸気量と同じである。このようにしてタービン
性能曲線が画かれている。低圧蒸気加減弁6が全
閉となる限界運転ラインは、D〜K2〜K3〜E間
であり、このライン上では高圧タービン蒸気量が
ほぼ全量抽気され、低圧タービンへの蒸気量はタ
ービン内部での洩れ蒸気が流れるだけである。こ
の限界ライン上では、正常な抽気制御運転も正常
な調速制御運転も低圧蒸気加減弁6が全閉のため
できない。
第4図は、高圧蒸気加減弁5を作動させるサー
ボモータ特性曲線である。横軸に調速制御信号P2
をとり、縦軸に高圧蒸気加減弁サーボモータリフ
トlHをとる。高圧蒸気加減弁サーボモータを作
動させる抽気制御信号PAのそれぞれPA0,PA
,PA2,PA3,PA4が一定のときの作動線をc
〜b,d〜a1,k2〜a2,k3〜a,e〜fで示す。
なお第3図のタービン性能曲線と限界運転ライン
図のA,A2,A1,B,A0,F0,C,D,K2
K3,E,Fの各点は第4図の高圧蒸気加減弁サ
ーボモータ特性曲線のa,a2,a1,b,a0,f0
c,d,k2,k3,e,f点に対応した点である。
例えば、第3図のタービン性能曲線と限界運転ラ
イン図のA点で運転しているときの高圧蒸気加減
弁サーボモータは、第4図の高圧蒸気加減弁サー
ボモータ特性曲線上のa点の位置にあり、このa
点を維持する調速制御信号P2と抽気制御信号PA3
によつてa点の高圧蒸気加減弁サーボモータリフ
トlHが保たれる。
第5図は、低圧蒸気加減弁6は作動させるサー
ボモータ特性曲線である。横軸に調速制御信号P2
をとり、縦軸に低圧蒸気加減弁サーボモータリフ
トlLをとる。低圧蒸気加減弁サーボモータを作
動させる抽気制御信号PBのそれぞれPB0,PB
,PB2,PB4が一定のときの作動線をc′〜b′,
d′〜a1′,k2′〜a2′,e′〜f′で示す。第3図のタ

ビン性能曲線と限界運転ライン図のA,A2
A1,B,A0,F0,C,D,K2,K3,E,Fの各
点は第5図の低圧蒸気加減弁サーボモータ特性曲
線のa′,a2′,a1′,b′,a0′,f0′,c′,d′,k2
′,
k3′,e′,f′点に対応した点であり、同時に第4図
の高圧蒸気加減弁サーボモータ特性曲線のa,
a2,a1,b,a0,f0,c,d,k2,k3,e,f点
にも対応した点である。例えば、第3図のタービ
ン性能曲線と限界運転ライン図のA点で運転して
いるときの高圧蒸気加減弁サーボモータは、第4
図の高圧蒸気加減弁サーボモータ特性曲線上のa
点の位置にあり、同時に第5図の低圧蒸気加減弁
サーボモータ特性曲線上のa′点にある。このa′点
を維持する調速制御信号P2(このときの高圧蒸気
加減弁サーボモータへの調速制御信号P2と同じ信
号値)と抽気制御信号PB3によつてa′点の低圧蒸
気加減弁サーボモータリフトlLが保たれる。
前記の低圧蒸気加減弁6が全閉となる限界運転
について、第3図のタービン性能曲線と限界運転
ライン図、第4図の高圧蒸気加減弁サーボモータ
特性曲線および第5図の低圧蒸気加減弁サーボモ
ータ特性曲線で説明すると、例えば抽気量が増加
して低圧蒸気加減弁6が全閉となる限界運転点は
第3図、第4図、第5図に示す。“イ”の矢印と
交わるk3,k3,k3′点である。またタービン出力
が減少して限界運転となるときには、第3図、第
4図、第5図に示す“ロ”の矢印と交わるk3
k3,k3′点である。
従来の抽気タービンの限界運転時の制御状況に
ついて、発電機4の送電電力系統が工場外の電力
会社の買電系統と接続されているとき(これを発
電機並列運転という)について述べる。このとき
の抽気制御信号PA/PBは抽気量の増減に応じて
変化するが、調速制御信号P2は発電機4が並列運
転のため、タービン回転数は買電系統によつて拘
束されるから、常にほぼ一定であり、タービン出
力を変える場合には運転者の操作によつて調速制
御信号P2値を移動させることによる。
発電機4が並列運転時に、工場送気の抽気量が
増加してくると、例えば第3図のタービン性能曲
線と限界運転ライン図の矢印イの場合には、高圧
蒸気加減弁5は開方向へ、低圧蒸気加減弁6は閉
方向へと抽気レギユレータ9からの抽気制御信号
A/PBによつて作動する。このとき高圧蒸気加
減弁サーボモータへの制御信号は、第4図の高圧
蒸気加減弁サーボモータ特性曲線上の矢印イであ
り、調速制御信号P2は変らないが、抽気制御信号
AはPA1からPA2,PA3の方向へ変化する。ま
た第5図の低圧蒸気加減弁サーボモータ特性曲線
上でも矢印イであり、抽気制御信号PBはPB1
らPB2の方向へ変化する。さらに抽気量が増える
と高圧蒸気加減弁5は開方向へ作動し、低圧蒸気
加減弁6は全閉となる。この位置が、例えば第3
図のタービン性能曲線と限界運転ライン図の限界
運転ライン上の矢印イの先端のK3点である。こ
のとき、第4図の高圧蒸気加減弁サーボモータ特
性曲線上では矢印イの先端のk3点であり、また第
5図の低圧蒸気加減弁サーボモータ特性曲線上で
も矢印イの先端のk3′点であり、低圧蒸気加減弁
6の全閉位置である。このk3′点で低圧蒸気加減
弁6が全閉になると、この低圧蒸気加減弁6を作
動させるサーボモータから、低圧蒸気加減弁6の
全閉信号PCが発せられる。全閉信号PCは、抽気
レギユレータ9が電気―空気―油圧式の場合は電
気信号が発せられ、抽気レギユレータ9が油圧式
の場合は、低圧蒸気加減弁6のサーボモータピス
トンの作動油のうち低圧蒸気加減弁6が全閉とな
つたときに、作動油圧が低下する側の油圧が全閉
信号PCとして使用される。この低圧蒸気加減弁
6を作動させるサーボモータから全閉信号PC
発せられたことによつて、抽気レギユレータ9の
作動は、この位置に静止する。(この位置は、第
3図ではK3点、第4図ではk3点、第5図では
k3′点である。)これによつて発電機並列運転中の
調速信号P2は一定であり、抽気レギユレータ9も
全閉信号PCによつて作動を停止したので、ター
ビンの出力および抽気量は、第3図のタービン性
能曲線と限界運転ライン図の限界運転ライン上の
K3点に固定されたことになる。従つて工場側が
さらに抽気ライン7の蒸気を必要とする場合に
は、他の蒸気源例えば抽気ライン7へのバイパス
ラインから、タービンからの抽気量では不足する
蒸気が供給され、抽気ライン7の蒸気圧力を保持
することになる。
もし、抽気量が減少して抽気ライン7の抽気圧
力が限界運転に入つた時点に戻れば、低圧蒸気加
減弁6を作動させるサーボモータから発せられた
全閉信号PCは解除となり、再び抽気レギユレー
タ9は作動を始める。(各種特性曲線図第3図、
第4図、第5図の矢印イとは反対方向に作動す
る。)また抽気量が限界運転に入る位置まで戻つ
てから、調速制御信号P2を運転者がタービン出力
を増加する側に移動させれば、調速制御信号P2
よる制御作動が始まる。(各種特性曲線図第3
図、第4図、第5図の矢印ロとは反対方向に作動
する。) 次に、発電機4が並列運転時に運転者が調速制
御信号P2をタービン出力減少方向に操作した場合
には、例えば第3図のタービン性能曲線と限界運
転ライン図の矢印ロの方向へ、第1図の抽気ライ
ン7の抽気量を維持しながらタービン出力が減少
する。(第4図、第5図のそれぞれ矢印ロの方向
に移動する。)さらに運転者がタービン出力を減
少させる操作をして調速制御信号P2を変化させる
と、抽気レギユレータ9からの抽気制御信号P
A/PBは抽気量が変らないから変化はなく、高圧
蒸気加減弁5および低圧蒸気加減弁6はともに閉
方向に作動して、低圧蒸気加減弁6は全閉とな
る。この位置が各種特性曲線(第3図、第4図、
第5図)のそれぞれ矢印ロの先端のK3,k3
k3′点である。この限界運転ライン上に達する
と、前記の抽気量が増加し、この限界運転ライン
に達して、低圧蒸気加減弁6が全閉となつたとき
と同じく、低圧蒸気加減弁6を作動させるサーボ
モータから全閉信号PCが発せられる。この全閉
信号PCは前記同様の信号であるから、抽気レギ
ユレータ9の作動は、この位置に静止する。
従つて、さらにタービン出力を減少させようと
調速制御信号P2を操作すると、高圧蒸気加減弁5
が閉方向に作動するので、抽気量が減少すること
になる。
もし工場側の都合で抽気量が減少するときは、
前記と同様に全閉信号PCが解除されて、再び各
種特性曲線(第3図、第4図、第5図)の矢印ロ
の反対方向に作動し始める。またタービン出力を
増加させるため、調速制御信号P2をタービン出力
増方向に操作すると各種特性曲線(第3図、第4
図、第5図の矢印ロ)の反対方向に移動して、調
速制御信号P2と抽気レギユレータ9からの抽気制
御信号PA/PBは、それぞれ制御作動を始める。
発電機4の送電電力系統が工場外の電力会社の
買電系統と接続されているときの正常な抽気とタ
ービンの出力制御および限界運転ライン上の制御
作動は、上記の如くであるが、発電機4の送電電
力系統が工場外の電力会社の買電系統と接続され
ず、この発電機のみが工場負荷電力を発生させな
がらの運転制御するとき(これをタービン発電機
工場単独負荷運転または単に発電機単独運転とい
う。)、この場合にはタービン軸系の調速機8が、
タービン発電機の回転を制御することになる。こ
のようなタービン発電機が工場単独負荷運転とな
るときに限界運転に入つたときには、第1図の系
統図に示す従来の制御方法では不具合作動となる
ことがしばしばある。発電機並列運転時には前記
の如く発電機4の送電電力系統が工場外の電力会
社の買電系統と接続されているから、このタービ
ン発電機の回転は買電系統と同期であり、ほぼ一
定に保たれている。従つて、このときのタービン
の調速制御信号P2は運転者が操作したときにのみ
変化するが、通常は一定であり、抽気レギユレー
タ9が抽気ライン7の制御動作をしている。しか
し工場単独負荷運転に移行した場合には、タービ
ンの制御は常に調速機8による調速制御と抽気レ
ギユレータ9による抽気制御を同時に制御するこ
とになり、この状態で抽気量が増加するか、ター
ビン出力が低下して限界運転ラインに突入する
と、調速機8と抽気レギユレータ9が、低圧蒸気
加減弁6からの全閉信号PCを介して乱調現象を
起すことにもなる。
例えば、発電機4が単独運転時に工場送気の抽
気量が増加して、第3図のタービン性能曲線と限
界運転ライン図の矢印イの場合に同図のK3点に
達すると、前記の如く低圧蒸気加減弁6が全閉と
なり、同弁6を作動させるサーボモータから全閉
信号PCが発せられ、抽気レギユレータ9の作動
がこの位置に静止することになるのであるが、工
場の発電負荷はこのタービン発電機にかかつてお
り、この発電負荷も常に一定とは限らず変動して
いる。このため、抽気量が増加するときにタービ
ン出力も変化しているので、第3図のタービン性
能曲線と限界運転ライン図のK3点(他の各種特
性曲線第4図、第5図のk3点およびk3′点)に矢
印イの如く直線的に到達するとは限らず、タービ
ン出力の変動を伴いながら限界運転ラインに到達
する。従つて、タービン出力が減少すれば、抽気
量が変化しなくとも前記第3図の矢印ロ方向の動
きが加わるので、限界運転ラインに入つたり出た
りしながら、上記k3点に到達することになる。こ
のように限界運転ラインに入る毎に低圧蒸気加減
弁6が全閉するから、同弁6を作動させるサーボ
モータから全閉信号PCが発せられ、限界運転ラ
インからタービンの運転条件がはづれれば全閉信
号PCが解除されることになる。調速機8からの
調速制御信号P2と抽気レギユレータ9からの抽気
制御信号PA/PBが低圧蒸気加減弁6を作動させ
るサーボモータからの全閉信号PCを介してのハ
ンチング現象が発生することとなる。一度このハ
ンチング現象が起きると、高圧蒸気加減弁5およ
び低圧蒸気加減弁6の作動は、正常な制御作動時
の数倍以上になるので、このためにタービンの回
転と抽気量が必要以上に変動して、いわゆるハン
チング現象がハンチング現象を作るので、タービ
ン軸系の調速機8と抽気レギユレータ9からなる
タービンの制御系が異常発振状態となり、タービ
ンの運転を続けることさえ不能となる。
また、発電機4が工場単独負荷運転時に工場の
電力負荷が減少して、第3図のタービン性能曲線
と限界運転ライン図の矢印ロの方向に(他の各種
特性曲線第4図、第5図の矢印ロの方向に)変化
して限界運転ラインK3点(他の各種特性曲線第
4図、第5図のk3点およびk3′点)に到達する場
合にも前記の抽気量が増加するときと同じく、電
力負荷は増減しながら減少することがある。また
抽気量も増減を繰り返しているので、前記の抽気
量増加時に限界運転ラインに到達する場合と同じ
ように、タービンの調速機8と抽気レギユレータ
9および低圧蒸気加減弁6を作動させるサーボモ
ータから発せられる低圧蒸気加減弁6の全閉信号
Cからなるタービンの制御系の制御動作のハン
チング現象が発生して、前記同様の制御系の異常
発振状態となることがしばしばである。
このような抽気タービンの制御系のハンチング
現象を防ぐためには、限界運転ラインに突入しな
いような、抽気量とタービン出力の範囲で運転制
御することが必要である。また低圧蒸気加減弁6
を作動させるサーボモータから低圧蒸気加減弁6
が全閉となつたときに発する全閉信号PCが出た
ら抽気レギユレータ9をこの位置で作動を停止さ
せて、以後低圧蒸気加減弁6が開となつても、再
び低圧蒸気加減弁6が全閉となる恐れのない運転
状態となるまで、抽気レギユレータ9を静止し
て、抽気制御信号PA/PB値を変化させないよう
にすれば、タービンの制御は調速機8からの調速
制御信号P2のみによる制御となるから、前記のハ
ンチング現象は起きず、工場の電力は確保でき
る。
しかし、低圧蒸気加減弁6の全閉信号PCが発
せられると、抽気レギユレータ9の作動を静止す
ることによつて、制御系のハンチング現象を防止
して工場の電力負荷は確保できるが、このとき落
雷とか、工場負荷への送電系統の事故によつて、
発電機4が解列して無負荷状態になる場合には、
タービン軸系の調速機8が正常に作動しても、タ
ービン軸系の大幅な回転上昇となり、抽気量が多
いほどこの回転上昇は大となるので、過速トリツ
プするなどタービン発電機の軸系にとつて好まし
くない現象が避けられない。例えば、第3図のタ
ービン性能曲線と限界制御ライン図のK3点(第
4図、第5図ではk3点とk3′点)で抽気レギユレ
ータ9の作動を全閉信号PCによつて静止させて
いる制御状態で、発電機4の送電系統の事故によ
り解列したため、タービン発電機が突然無負荷に
なつた場合には、タービンの回転は急上昇し、調
速制御信号P2は高圧蒸気加減弁5および低圧蒸気
加減弁6を同時に閉方向に作動させるように変化
するが、抽気レギユレータ9は全閉信号PCが発
せられた位置で静止しているから、高圧蒸気加減
弁5は第4図の高圧蒸気加減弁サーボモータ特性
曲線のk3点から抽気制御信号PAはPA3値で一定
のため、高圧蒸気加減弁5のサーボモータは第4
図のa〜k3ラインの延長ライン上の作動となり、
調速制御信号P2が大幅に上昇しなければ、タービ
ンのほぼ無負荷位置c点(第4図)まで高圧蒸気
加減弁5のサーボモータを閉方向に作動させるこ
とはできない。このときの回転上昇が、タービン
の過速度トリツプ装置の設定範囲を越えるとき
は、この装置が作動してタービン発電機は停止す
る。この現象は発電機4の負荷が無負荷にならな
くても、大幅な負荷減少時に抽気制御信号PA
Bが一定値に静止されているときには起きる可
能性がある。
実際には、発電機4の単独負荷運転の場合の限
界運転時および発電機4の送電電力系統が解列し
て無負荷となるときの制御系のハンチング現象を
防ぐための従来の方法は、前記の如くタービン出
力および抽気量を限界運転ラインに突入しない範
囲で、タービンを運転すると同時に、解列無負荷
となつたときには、低圧蒸気加減弁6が全閉して
全閉信号PCが発せられると、抽気レギユレータ
9を無抽気位置(第3図では抽気量G0、第4図
ではPA0、第5図ではPB0位置)に移動させて、
この位置で抽気レギユレータ9を静止させる方法
がとられている。この方法によつて、発電機4が
並列運転時に、工場抽気量が増加して限界運転ラ
インに突入しても、また運転者が調速機8を操作
してタービン出力を減少させて限界運転ラインに
突入するときにも、いずれも低圧蒸気加減弁6の
全閉信号PCによつて抽気レギユレータ9はこの
ときの作動位置に静止するから、制御系のハンチ
ング現象は起きない。発電機4が工場単独運転時
には、前記の如くタービン出力と抽気量を限界運
転ラインに突入しない範囲で運転すると同時に、
もし発電機4が解列無負荷となつた場合には、前
記の如く抽気レギユレータ9を無抽気位置に移動
させて静止すれば、制御系のハンチング現象は防
止される。
従来の抽気タービンの限定制御運転時の制御方
法は以上の如くであるが、発電機4の工場負荷単
独運転時には、限界運転ラインに突入すると、制
御系のハンチング現象を起すことは回避困難であ
り、タービンの出力と抽気量が、限界運転ライン
に突入しない範囲とする運転上の管理をしなけれ
ばならない。従来の抽気タービンの限界制御時の
制御方法には、このような大きな欠点がある。
本発明は、上記従来の制御方法の欠点を解消す
ることを目的として提案されたものである。
本発明の抽気タービンの限界運転時の制御方法
を、第2図に示す系統図によつて説明する。同図
において、1は高圧タービン、2は低圧タービ
ン、3は低圧タービン2の排気ライン、4は発電
機、5は高圧蒸気加減弁、6は低圧蒸気加減弁、
7は抽気ライン、8はタービン軸の調速機、nは
タービン軸の回転数、P2は調速制御信号、9は抽
気レギユレータをそれぞれ示し、これら部材(前
記号)の構成、作用および相互の関係は、低圧蒸
気加減弁6の全閉時の全閉信号PCを抽気レギユ
レータ9に送らないようにした点以外は上記の各
部(記号1〜9)は、上記第1図の従来方法にお
けるものとほぼ同様である。10はタービン軸系
の調速機8からの調速制御信号P2を限界制御信号
Kに変換する限界制御信号変換手段であり、(詳
細は第6図、第7図で説明する。)、11は該限界
制御信号PKと抽気レギユレータ9からの抽気制
御信号PAとを比較選択する手段であり、例えば
油圧式制御の第2図に示す例の場合はPAとPK
うちわずかでも油圧の低いものが高圧蒸気加減弁
5側に自動的に制御信号としてつながり、タービ
ンの限界制御運転に際して高圧蒸気加減弁5を制
御する抽気制御信号PAに代わつて限界制御信号
Kが高圧蒸気加減弁5の開度を制御する。
第3図のタービン性能曲線と限界運転ライン図
によつて限界制御信号PKについて説明する。
上記限界制御信号PKは、D0〜D〜K2〜K3〜E
を結ぶライン上の限界運転ラインとほぼ一致する
ように設定されており、このライン上で低圧蒸気
加減弁6は全閉となつており、あるタービン出力
でこのライン上より高圧タービンへの蒸気量が増
加したり、ある高圧タービンへの高圧蒸気量でこ
の限界運転ラインよりタービン出力が減少しよう
とするときには、抽気制御信号PAに代わつて限
界制御信号PKが高圧蒸気加減弁5を作動させる
ことになる。第4図の高圧蒸気加減弁サーボモー
タ特性曲線には、それぞれの制御信号P2,PA
Kと高圧蒸気加減弁5を作動させるサーボモー
タリフトlHとの関係が示される。第5図の低圧
蒸気加減弁サーボモータ特性曲線には、それぞれ
の制御信号P2,PBと低圧蒸気加減弁6を作動さ
せるサーボモータリフトlLとの関係が示され
る。低圧蒸気加減弁6が全閉となる限界運転時の
低圧蒸気加減弁6のサーボモータの位置は、
d0′〜d′〜k2′〜k3′〜e′のライン上である。
次に第6図の限界制御信号変換手段10につい
て説明する。同図は油圧制御式のときの変換手段
の例であつて、テコと力によるモーメントのバラ
ンスを作動原理とした、いわゆるホースバランス
式油圧変換装置である。同図において、31は調
速制御信号P2を受けるベローズ、32は限界制御
信号PKを発生するカツプ弁、33はカツプ弁の
弁座、34はオリフイス、35は支点、36は板
バネ、37はテコの作用をするレバー、38は限
界制御信号PKの設定値を調整するバネ、39は
調速制御信号P2を伝達する配管、40は限界制御
信号PKへの高圧油の供給配管である。例えばい
ま、調速制御信号P2が高圧側に変化すると、ベロ
ーズ31のレバー37を押す力が変化し、レバー
37にかかる力は上からのバネ38と、下からの
カツプ弁32とベローズ31とのバランスがくず
れ、ベローズ31の力の変化がレバー37の支点
35を軸とする力のモーメントの釣り合いの(フ
オースバランス)原理によつて、カツプ弁32に
かかる下向きのレバー37よりの力が変化する。
この力の変化に相当するだけ限界制御信号PK
変化する。この調速制御信号P2の変化と限界制御
信号PKの変化はほぼ直線的に逆比例関係にな
る。
第7図のP2―PK特性曲線は、限界制御信号変
換手段10の特性を示したものである。この例で
は調速制御信号P2と限界制御信号PKとは逆比例
関係となつている。第7図の特性を第4図の高圧
蒸気加減弁サーボモータ特性曲線上に移すと、限
界制御信号PKは、第4図ではd0〜d〜k2〜k3
eを結ぶ限界運転ライン上の調速制御信号P2と抽
気制御信号PAと限界制御運転ライン上のd0〜d
〜k2〜k3〜eラインの交わる各点の抽気制御信号
A値と一致させている。第4図において、例え
ば矢印ロの方向にタービンの運転条件が変化し
て、k3点に達すると、高圧蒸気加減弁5の制御
は、第2図の系統図で説明すると、高圧蒸気加減
弁5を作動させていた調速制御信号P2と抽気制御
信号PAから、調速制御信号P2と限界制御信号PK
とによつて、高圧蒸気加減弁5の開度が制御され
るようになる。また、例えば第4図の高圧蒸気加
減弁サーボモータ特性曲線の矢印イの方向にター
ビンの運転条件が変化する場合にも、上記と同様
にk3点に達すると、高圧蒸気加減弁5を作動させ
る制御信号は、調速制御信号P2と抽気制御信号P
Aから調速制御信号P2と限界制御信号PKに移行す
る。これらいずれの場合にも、高圧蒸気加減弁5
の作動を制御する信号は、調速制御信号P2と、こ
の調速制御信号P2を限界制御信号変換手段10に
よつてつくられた限界制御信号PKになる。この
ときの限界運転時には、低圧蒸気加減弁6は全閉
状態であるから、このときの抽気タービンの制御
系は調速制御信号P2による制御状態となる。これ
によつて従来の抽気タービンの限界運転時の制御
方法の欠点を解消することができる。
本発明につき、発電機4の送電電力系統が工場
外の電力会社の買電系統と接続されて運転する、
発電機4の並列運転の場合(これを単に発電機4
の並列運転とよぶ、以下同様)と、発電機4の送
電電力系統が工場の電力負荷のみの発電機4の工
場単独負荷運転の場合(これを単に発電機4の単
独負荷運転とよぶ、以下同様)について、具体的
に抽気タービンの限界制御運転時の制御方法につ
いて説明する。
発電機4が並列運転のとき、抽気量が増加して
きて限界運転となる場合には、第3図のタービン
性能曲線と限界運転ライン図で、例えば矢印イの
方向にタービンの運転条件が変化して(第4図、
第5図でも矢印イの方向)、さらに抽気量が増加
すると、高圧蒸気加減弁5はさらに開となるが、
低圧蒸気加減弁6は全閉する。この点が第3図の
K3点(第4図、第5図ではk3,k3′点)になる。
ここで高圧蒸気加減弁5を作動させている抽気制
御信号PAは第4図のPA3値となり、限界制御信
号PKは、第4図のK3点と交わるPA3値であるか
ら、抽気制御信号PAも限界制御信号PKも同じ値
のPA3値となる。さらにわずかでも抽気量が増え
るときには、高圧蒸気加減弁5を作動させている
抽気制御信号PAは、第4図のPA3値からPA4
の方に変位するので、抽気制御信号PAと限界制
御信号PKとを比較選択する手段11が作動して
高圧蒸気加減弁5を作動させる制御信号はPA
らPKに入れ替わる。発電機4は発電機並列運転
のために、タービンの回転は買電電力系統によつ
て一定に保たれているから、調速制御信号P2は一
定であり、この調速制御信号P2から限界制御信号
変換手段10によつてつくられた限界制御信号P
Kも一定であるので、高圧蒸気加減弁5は第3図
のK3点で停止する。(第4図、第5図では、k3
とk3′点で停止する。)タービンの性能曲線上矢印
イは、タービン出力時の抽気量はK3点が最大抽
気量であるから、さらに工場側に多くの抽気蒸気
を必要とする場合は、他の蒸気源から送気する
か、タービンの出力を増加させる必要がある。も
しタービン抽気量が第3図のK3点より減少した
場合は、上記と逆の方向の制御動作となつて、限
界制御信号PKが比較選択手段11を介して、抽
気制御信号PAと入れ替つて、高圧蒸気加減弁5
を作動する正常な抽気制御運転に戻る。
次に発電機4が並列運転のとき、運転者が調速
機8を操作し、調速制御信号P2を変化させてター
ビン出力を減少させて限界運転となる場合には、
第3図のタービン性能曲線と限界運転ライン図
で、例えば矢印ロの方向にタービンの出力を変化
させて(第4図、第5図でも矢印ロの方向)低圧
蒸気加減弁6が全閉となる限界運転ライン上に達
すると、(第3図のK3、第4図のk3、第5図の
k3′)抽気制御信号PAと限界制御信号PKとは同
じ値になり、さらにわずかでもタービン出力を減
少する側に運転者が調速機8を操作すると、抽気
制御信号PAと限界制御信号PKの比較選択手段1
1を介して、限界制御信号PKが高圧蒸気加減弁
5側につながる。このため高圧蒸気加減弁5は、
抽気レギユレータ9の作動から除外される。さら
に運転者がタービンの出力を減少する側に調速機
8を操作すると、第4図に示す調速制御信号P2
タービン出力の減少側へ移動するので、限界制御
信号PKも第7図P2―PK特性曲線の如く、この限
界制御信号PKは調速制御信号P2の変化に伴つ
て、抽気量が減少する側に変化する。このためタ
ービンの運転は、限界運転ライン上に限界制御信
号PKが定められているから、第3図のタービン
性能曲線と限界運転ライン図の限界運転ライン
(第4図、第5図も同じ限界運転ライン)上をタ
ービンの出力が減少する側に移動する。この運転
者の調速機8の操作によつて、タービン抽気量も
減少するが、すでに限界運転ライン上で運転され
ているので(抽気レギユレータ9の制御作動はタ
ービンの制御系から抽気制御信号PAが除外され
ている)、抽気量の減少分は他の蒸気源から工場
抽気ラインへ送気されることになる。(従来方法
で限界ラインに達した場合にその位置で抽気レギ
ユレータ9を静止させているとき、運転者が上記
と同じ操作をすると、第4図の高圧蒸気加減弁サ
ーボモータ特性曲線上ではa〜k3の延長線上をタ
ービン出力減側へ移動する。) 次に、発電機4が単独負荷運転のとき、抽気量
が増加して限界運転となる場合には、第3図のタ
ービン性能曲線と限界運転ライン図で、例えば、
矢印イの方向にタービンの運転条件が変化して
(第4図、第5図でも矢印イの方向)さらに抽気
量が増加すると、前記の場合と同じく抽気制御信
号PAは限界制御信号PKの比較選択手段11を介
して限界制御信号PKと入れかわる。このとき低
圧蒸気加減弁6は全閉であるから、抽気制御信号
Bが低圧蒸気加減弁6を閉側に作動させようと
しても、同弁6は全閉のままである。従つて抽気
制御信号PAが限界制御信号PKと入れかわつた後
は、第3図のK3点(第4図、第5図ではk3
k3′点)にとどまつた運転となる。限界制御信号
Kは調速制御信号P2によつてつくられたもので
あるから、この限界運転ライン上の制御は、実質
的には調速制御信号P2のみによる運転となる。従
つて従来の限界制御方法のような制御系のハンチ
ング現象は起きない。
また、発電機4の単独負荷運転のとき、発電機
4の工場単独負荷が減少して、第3図のタービン
性能曲線と限界運転ライン図の例えば、矢印ロの
方向に発電機4の工場単独負荷が減少して、限界
運転ラインに突入して限界運転となつた場合(第
4図、第5図のk3,k3′点)には、低圧蒸気加減
弁6は全閉となり、高圧蒸気加減弁5の抽気制御
信号PAは、限界制御信号PKと同値となる。さら
に工場単独負荷が低下すると、抽気制御信号PA
は比較選択手段11を介して限界制御信号PK
入れかわる。これによつて抽気タービンの制御系
は、前記と同じく実質的には調速信号P2のみの制
御となり、第3図の限界運転ラインに沿つてター
ビン出力が移行し(第4図、第5図も同じく限界
運転ライン)、抽気量も減少する。この減少した
抽気量は、他の蒸気源から工場の抽気ラインへ送
られることになる。このようにして、工場単独負
荷が減少した第3図の限界運転ライン上の運転と
なる。この運転は上記の如く実質的には調速制御
信号P2のみによる制御になるので、従来の工場単
独負荷運転時のような制御系のハンチング現象は
起きない。
発電機4が並列運転のときに、送電系が解列し
て無負荷となる場合および発電機4が工場単独運
転時に同じく送電系が解列して無負荷となる場合
には、第3図のタービン性能曲線と限界運転ライ
ン図の、例えばC点か、G点かD点(第4図では
c点、g点、d点、第5図ではe′点、g′点、
d′点)の運転になる。第3図でC点のときは、工
場抽気量が零となるときで、抽気制御信号PA
Bは第4図PA0、第5図のPB0の抽気量下限時
の値になつて抽気制御作動を停止するから、この
C点を保持する調速制御信号P2値を保ちながらタ
ービンの調速制御運転を続ける。
発電機4が解列無負荷になつた場合に、第3図
の、例えばG点のときは、工場へ少量の抽気を送
気しながらの発電機4の無負荷運転であるから、
抽気制御は作動中であり、第4図のg点、第5図
のg′点に相当する抽気制御信号PA/PBが高圧蒸
気加減弁5と低圧蒸気加減弁6の抽気制御作動を
しており、同時に調速機8からは発電機4の無負
荷で少量の工場抽気を送気しながら第3図のG点
を保持する調速制御信号P2値を保ちながらタービ
ンの調速運転を続ける。
発電機4が解列無負荷になつた場合に、第3図
の例えばD点(第4図のd点、第5図のd′点)の
ときは、工場の抽気ラインはこのD点よりも多く
の抽気量を必要としているが、発電機4の負荷が
零となつたために限界運転になつたのであり、こ
の場合も前記と同様に、抽気制御信号PAはD点
に相当する限界制御信号PK値に比較選択手段1
1を介して入れかわるので、タービンの制御はD
点を維持する調速制御信号P2と、この調速制御信
号P2によつてつくられた限界制御信号PKによつ
て、高圧蒸気加減弁5が低圧蒸気加減弁6が全閉
のまま調速制御信号P2によつて制御される。
このように、発電機4が並列運転時から無負荷
となつた場合も、発電機4が単独運転時に無負荷
となつた場合も、いずれも制御系のハンチング現
象を起すことなく、調速機8と抽気レギユレータ
9による制御または調速機8と限界制御信号変換
手段10による制御が制御系のハンチング現象を
起すことなくできる。
以上の如く、本発明の制御方法は、上記のよう
な構成、作用を具有するものであるから、本発明
によれば前記の従来方法の欠点を解消し、抽気タ
ービンの限界制御運転時に制御系にハンチング現
象の発生するおそれのない制御方法を実現できる
という実用的効果を挙げることができる。
また、抽気復水タービンのタービンプラントの
発電機出力に対する熱消費率(またはタービンプ
ラントの熱効率)が一番よいのは、低圧タービン
が復水式であり、本発明の限界運転ラインでター
ビンの安定運転ができることは省エネルギーの実
用的効果も大きい。
なお、実施例にて説明したものは、制御信号系
が油圧式のものについてであつたが、本発明はか
かる実施例に局限されることなく、電気式など本
発明の精神を逸脱しない範囲で種々の制御装置へ
の適用や種々の改変がなされうるものであること
はいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来方法の一例の系統図、第2図は本
発明の一実施態様の系統図である。第3図はター
ビン性能曲線と限界運転ライン図、第4図は高圧
蒸気加減弁を作動させるサーボモータ特性曲線、
第5図は低圧蒸気加減弁サーボモータ特性曲線で
ある。第6図は限界制御信号変換手段10、第7
図は限界制御信号変換手段の特性曲線(P2―PK
特性曲線)である。 1:高圧タービン、2:低圧タービン、3:低
圧タービン2の排気ライン、4:発電機、5:高
圧蒸気加減弁、6:低圧蒸気加減弁、7:抽気ラ
イン、8:タービン軸系の調速機、9:抽気レギ
ユレータ、10:限界制御信号変換手段、11:
限界制御信号PKと抽気レギユレータ9からの制
御信号PAとを比較選択する手段(油圧式自動切
替弁)、P2:調速制御信号、PA/PB:抽気制御
信号、PC:低圧蒸気加減弁6の全閉信号、3
1:調速制御信号P2を受けるベローズ、32:限
界制御信号を発生するカツプ弁、33:カツプ弁
の弁座、34:オリフイス、35:支点、36:
板バネ、37:テコの作用をするレバー、38:
限界制御信号PKの設定値を調整するバネ、3
9:調速制御信号P2を伝達する配管、40:限界
制御信号PKへの高圧油の供給配管。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 高圧蒸気供給ラインに高圧蒸気加減弁および
    低圧蒸気供給ラインに低圧蒸気加減弁とを有する
    抽気タービンにおいて、上記2つの蒸気加減弁の
    うち上記低圧蒸気加減弁が全閉となる抽気タービ
    ンの限界制御運転に際し、タービン軸系の調速機
    からの調速制御信号P2を、限界制御信号への変換
    手段により限界制御信号PKに変換し、同限界制
    御信号PKと抽気レギユレータから上記高圧蒸気
    加減弁を制御する抽気制御信号PAを比較選択す
    る手段により、上記限界制御信号PKと上記抽気
    制御信号PAとを比較し、選択された上記限界制
    御信号PKにより上記高圧蒸気加減弁の開度を制
    御することを特徴とする抽気タービンの限界制御
    運転時の制御方法。
JP6978478A 1978-06-12 1978-06-12 Extraction turbine control system at critical control operating time Granted JPS54160904A (en)

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