JP3080589U - 内燃機関のための点火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造技術的に有利な形式で廉価に製造するこ
とができるような、内燃機関のための点火装置を提供す
る。 【解決手段】 開磁路の帰路形成薄板２８が、ロッド型
コイル１２から間隔を置いて配置されていて、シリンダ
ヘッド１４に設けられたプラグホール１３内で支承され
ているようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、内燃機関のための点火装置であって、ロッド型コイルと、内燃機関 のシリンダヘッドに設けられた縦孔状のプラグホールとが設けられており、該プ ラグホール内にロッド型コイルが、少なくとも該ロッド型コイルの長手方向延在 長さの一部にわたって挿入可能であり、ロッド型コイルによって、該ロッド型コ イルの運転時に、開いた磁気回路が形成されており、さらに、強磁性の材料から 成る内側のコアが設けられており、該コアが、有利にはロッド型コイル内の中心 に配置されており、さらに、いわゆる外側の鉄芯としての、長手方向でスリット 付けされた管状の帰路形成薄板が設けられている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ドイツ連邦共和国特許出願公開第４１３２８５１号明細書には、ロッド型コイ ル（Ｓｔａｂｓｐｕｌｅ）が示されている。このロッド型コイルは、一般的なか つ図示されていない形式で、内燃機関のシリンダヘッドに設けられた縦孔状のプ ラグホール内に挿入可能である。

【０００３】 ロッド型コイルは、円筒状の基本形状を備えたケーシングを有している。この ケーシング内の中心の位置には、ロッド状のコアが、開いた磁気回路、つまり開 磁路の内側の部分として配置されている。コアを中心として同心的に、それぞれ 別個の巻き枠体に一次巻線と二次巻線とが巻き付けられている。この二次巻線を 取り囲むように、長手方向でスリット付けされた帰路形成薄板の形の、管状の外 側の鉄芯が配置されている。

【０００４】 強磁性の材料から成る帰路形成薄板の外側の周表面は、プラスチックから成る ケーシングの内側の表面に接触している。強磁性の材料と、プラスチックとの間 の熱膨張特性が著しく異なっていることに基づき、帰路形成薄板をケーシングに 安定的に支承するためには、不都合にも、点火装置の製造コストを増大させる、 製造技術的に高い手間が必要になってしまう。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、本考案の課題は、製造技術的に有利な形式で廉価に製造すること ができるような、内燃機関のための点火装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために本考案の構成では、開磁路の帰路形成薄板が、ロッ ド型コイルから間隔を置いて配置されていて、シリンダヘッドに設けられたプラ グホール内で支承されているようにした。

【０００７】

【考案の効果】

請求項１の特徴部に記載の特徴を備えた、本考案による、内燃機関のための点 火装置は従来のものに比べて、前述した不都合が回避されるという利点を有して いる。これによって、点火装置は、開磁路の帰路形成薄板が、もはやロッド型コ イルの内部に取り付けられているのではなく、ロッド型コイルから特定の間隔を 置いて内燃機関のプラグホール内で支承されているように形成されている。

【０００８】 これによって、一方では、ロッド型コイルを製造技術的に有利な形式で、ケー シングと帰路形成薄板との、問題となる結合なしに製造することができる。

【０００９】 他方では、金属製のシリンダヘッドのプラグホール内での帰路形成薄板の支承 が問題なくなる。なぜならば、ここでは、熱膨張特性において問題のある差が、 両金属の間で僅かしか生ぜしめられないからである。

【００１０】 さらに、帰路形成薄板は、極めて自己保持的（ｓｅｌｂｓｔｈａｌｔｅｎｄ． ）な予荷重もしくはプレロードを備えてプラグホール内に挿入することができる 。なぜならば、中実のシリンダヘッドが、徐々に撓められて亀裂が形成される危 険なしに、高い押圧力をも吸収することができるからである。

【００１１】 これによって、ここでも、点火装置の製造コストを削減する、製造技術的に有 利な方法がとられている。

【００１２】 従属請求項には、本考案を実現するための有利な構成が記載されている。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施の形態を図面につき詳しく説明する。

【００１４】 図１に示した内燃機関のための点火装置１１は、ロッド型コイル１２と、内燃 機関のシリンダヘッド１４に設けられた縦孔状のプラグホール１３とを有してい る。

【００１５】 ロッド型コイル１２は、長手方向軸線１６に対して同軸的な配置形式で、Ｉ型 コアとも呼ばれる、縦長で円筒状の内側のコア１７を有している。このコア１７ は、積層された磁性材料から成っていて、開いた磁気回路、つまり開磁路の一部 を成している。

【００１６】 コア１７を中心として同心的に、低電圧を案内する一次巻線１８が内側に配置 されており、高電圧を案内する二次巻線１９が外側に配置されている。両巻線１ ８，１９は、プラスチックから成るポット状のケーシング２１によって取り囲ま れており、ロッド型コイル１２内の中間室は、硬化性の注型用樹脂によって充填 されて、電気的に絶縁されている。

【００１７】 ケーシング２１の一方の端部には、点火プラグを接続するための、ロッド型コ イル１２の高電圧ターミナル２２が形成されている。ケーシング２１の、反対の 側に位置する他方の端部には低電圧ターミナル２３が設けられており、この低電 圧ターミナル２３によってロッド型コイル１２は制御装置に結合されている。

【００１８】 ロッド型コイル１２はその長手方向延在長さの重要な部分にわたって、ケーシ ング２１の肩部２４がシリンダヘッド１４の上面２６に当て付けられるまで、僅 かな半径方向の嵌込みギャップを備えてプラグホール１３内に挿入されている。 この場合、図示されていない形式で、高電圧ターミナル２２は、プラグホール１ ３内に定置に組み付けられた点火プラグに接触接続している。

【００１９】 プラグホール１３の内壁２７には、長手方向でスリット付けされた帰路形成薄 板２８が、予荷重もしくはプレロードをかけられて取り付けられている。この場 合、帰路形成薄板２８は、少なくとも同じ長手方向延在長さでコア１７と両巻線 １８，１９とを同心的に取り囲んでいる。

【００２０】 帰路形成薄板２８は強磁性の材料から成っていて、ロッド型コイル１２の開磁 路の帰路形成エレメントを形成している。この場合、帰路形成薄板２８は磁気回 路の案内に役立ち、外側のコアとも呼ばれる。

【００２１】 帰路形成薄板２８とロッド型コイル１２のケーシング２１との間には、小さな ギャップ２９が残されている。このギャップ２９は、プラグホール１３内への挿 入時におけるロッド型コイル１２の可動性を許容している。

【００２２】 特に内燃機関およびロッド型コイル１２の運転時に生ぜしめられるような、点 火装置１１における温度変動時には、金属製のシリンダヘッド１４の内壁２７へ の金属製の帰路形成薄板２８の結合が安定的に保たれる。なぜならば、一方では 帰路形成薄板２８と、他方ではシリンダヘッド１４との間の熱膨張特性の差が問 題ないほど小さいからである。

【００２３】 さらに、シリンダヘッド１４は中実の構成部分として安定している。この場合 、シリンダヘッド１４は、帰路形成薄板２８の予荷重力もしくはプレロード力を 、シリンダヘッド１４の材料における構造変化なしに、長時間安定して吸収する ことができる。

【００２４】 したがって、プラグホール１３内への帰路形成薄板２８の挿入は、製造技術的 に簡単に実施可能であり、これによって、点火装置１１の製造コストが削減され る。それというのも、なぜならば、帰路形成薄板２８とシリンダヘッド１４とが 直接接触によって電気的なアース電位に接続されており、アース接点への別個の 線路が不要となるからである。

【００２５】 ロッド型コイル１２の交換時にも、帰路形成薄板２８なしの、簡単に形成され た廉価なロッド型コイル１２しか必要とならない。なぜならば、帰路形成薄板２ ８はプラグホール１３内にとどまるように固定されているからである。

【図面の簡単な説明】

【図１】点火装置の側面図を部分的に断面して示す図で
ある。

【符号の説明】

１１ 点火装置、 １２ ロッド型コイル、 １３ プ
ラグホール、 １４シリンダヘッド、 １６ 長手方向
軸線、 １７ コア、 １８ 一次巻線、１９ 二次巻
線、 ２１ ケーシング、 ２２ 高電圧ターミナル、
２３ 低電圧ターミナル、 ２４ 肩部、 ２６ 上
面、 ２７ 内壁、 ２８ 帰路形成薄板、 ２９ ギ
ャップ

フロントページの続き (72)考案者 ヴォルフラム シェルリヒ ドイツ連邦共和国 シユツツトガルト シ ェーンビュールシュトラーセ 51

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のための点火装置であって、ロ
   ッド型コイル（１２）と、内燃機関のシリンダヘッド
   （１４）に設けられた縦孔状のプラグホール（１３）と
   が設けられており、該プラグホール（１３）内にロッド
   型コイル（１２）が、少なくとも該ロッド型コイル（１
   ２）の長手方向延在長さの一部にわたって挿入可能であ
   り、ロッド型コイル（１２）によって、該ロッド型コイ
   ル（１２）の運転時に、開いた磁気回路が形成されてお
   り、さらに、強磁性の材料から成る内側のコア（１７）
   が設けられており、該コア（１７）が、有利にはロッド
   型コイル（１２）内の中心に配置されており、さらに、
   いわゆる外側の鉄芯としての、長手方向でスリット付け
   された管状の帰路形成薄板（２８）が設けられている形
   式のものにおいて、開いた磁気回路の帰路形成薄板（２
   ８）が、ロッド型コイル（１２）から間隔を置いて配置
   されていて、シリンダヘッド（１４）に設けられたプラ
   グホール（１３）内で支承されていることを特徴とす
   る、内燃機関のための点火装置。
2. 【請求項２】 プラグホール（１３）内に挿入されたロ
   ッド型コイル（１２）において、帰路形成薄板（２８）
   が、コア（１７）に対して同心的に配置されていて、少
   なくとも該コア（１７）の長手方向延在長さを有してい
   る、請求項１記載の点火装置。
3. 【請求項３】 帰路形成薄板（２８）が、有利にはプレ
   ロードをかけられていて、ばね弾性的にプラグホール
   （１３）内で支承されている、請求項２記載の点火装
   置。