JP3080264B2 - 自動仕分け装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種の仕分け物を自動的
且つ迅速に仕分けることの可能な自動仕分け装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】種々の
伝票類を日付別や顧客別等に仕分ける際の方法として
は、従来より仕分け箱を複数設置して人手により一つ一
つそれらの箱に入れ込む方式があるが、現在では機械化
により自動的に被仕分け物を仕分け箱に振り分ける方法
が採られている。しかしこのような機械化された現在の
装置においても仕分けスピード等の面から使用者にとっ
て十分満足できるものではなかった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、簡単な構造で仕分け速度の大きい自動仕分
け装置を開発したものである。

【０００４】即ち本発明は、本体の底面を開口するスラ
イド底板が弾性体を介して該本体内に収納されるように
付勢されてなる筐体状のキャリアーと、横方向に並設し
た上面開口の仕分け箱列を複数段設けた仕分け箱群と、
該仕分け箱群の各段の上方に上記キャリアーを横方向に
走行させる横送りコンベアーと、各仕分け箱上の近傍に
設けられて制御信号により所定の仕分け箱の上方でキャ
リアーの底板に係合してその底面を開口するストッパー
と、該仕分け箱群の各段の入口側に立設してキャリアー
を所定の段の横送りコンベアーに送入する供給側縦型コ
ンベアーと、上記各段出口側に立設して横送りコンベア
ーから排出されたキャリアーを下方に搬送する排出側縦
型コンベアーと、該排出側縦型コンベアーから供給側縦
型コンベアーにキャリアーを戻す戻しコンベアーからな
り、該戻しコンベアーに待機している複数の空キャリア
ーを、内部に搬送物を収納した後各別に所定の段に送
り、さらに所定の仕分け箱に該キャリアー内の搬送物を
落下させた後、再び戻しコンベアーに循環させることを
特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。図１
〜図３に示すように、側面及び上面にフリーローラー
(1) を有し、さらに上面の蓋(2) はその一辺の回りに回
動して開閉自在であり、また底面の底板(3)は蓋(2) の
開放辺側に抜き差し自在にスライドして底面を開閉する
筐体状のキャリアーを作製する。且つ上面の蓋(2) の一
辺は、図示していないコイルバネにより常時開放する方
向に付勢されて本体(4) に取り付けられており、また底
板(3) も図３に示すように該底板(3) の立設した側面
(5) と本体(4) に設けられたローラー(6) との間に取付
けられたコイル状の引きバネ(7) により、常に本体(4)
内の方向に付勢されている。なお図中の(8) は底板(3)
が本体(4) から抜き差しされる側とは反対側の端部に、
底板と一体に設けられた係止片であって、底板(3) をス
ライドさせて底面を開放させる際に作用させるものであ
る。

【０００６】次に図４に示すような仕分け棚を構成し
た。即ち横方向に上面の開口した仕分け箱(10)を並設
し、これを複数列段設して仕分け箱群を形成した。そし
て各段の仕分け箱列の上方の両サイドに、前記キャリア
ーの底面両サイド部に密接する二列のエンドレスベルト
からなる横送りコンベアー(11)を設けた。このように横
送りコンベアー(11)は二列の横エンドレスベルト(12)(1
2)の間がその進行方向に沿って開いている（図５）の
で、上記キャリアー(13)の底板(7) が開放した際にはキ
ャリアー(13)内の搬送物がその位置の仕分け箱(10)内に
落下することになる。

【０００７】またキャリアーのフリーローラー(1) のう
ち側面のものは、該キャリアーを横送り搬送中の左右方
向に位置が不安定になるのを防止するためであり、且つ
搬送中の摩擦抵抗を低減させる。さらに上面のフリーロ
ーラー(1) は横送り搬送中にキャリアーを該横送りコン
ベアー(11)に確実に密接させて搬送中のスリップ等の不
具合をなくすためである。

【０００８】次に所定の仕分け箱内にキャリアー内の搬
送物を収納する作動について説明する。図５及び図６に
示すように各仕分け箱列の上方であって隣合う仕分け箱
(10)同士の中間部に、横断面の一部が扇形に欠損した円
柱コロ状で制御信号によりキャリアーの搬送方向に直交
する軸の回りに回動する回動ストッパー(14)を設けた。

【０００９】この回動ストッパー(14)は、図６に示すよ
うに上記扇形欠損部が上向きの時はキャリアー(13)の係
止片(8) は回動ストッパー(14)に係合しないので、単に
通過するだけである。一方キャリアー(13)内の搬送物を
所定の仕分け箱（例えば図６中の仕分け箱(10') ）に収
納しようとする場合は、該仕分け箱(10') のキャリアー
(13)進行方向後ろ側の回動ストッパー(14') を回動させ
て上記扇形部を横向きにしキャリアーの係止片(8) に係
合させる。

【００１０】こうすることによりキャリアー(13)本体
(4) は横送りコンベアー(11)でさらに前進しているの
で、回動ストッパー(14') により停止させられている底
板(3) はその位置に残ることになるため、キャリアー(1
3)の底面が次第に開口してゆき、本体(4) が所定の仕分
け箱(10') の上方にきた時には底面は全開となるので、
内部の搬送物は仕分け箱(10') 内に落下することにな
る。その後直ちに回動ストッパー(14') は回動して再び
扇形欠損部が上向きとなるので、係止片(8) は回動スト
ッパーの係合から外れて底板(3) は引きバネ(7) により
引っ張られて再び本体(4) 内に収納される。

【００１１】なお仕分け物が特に伝票のように１枚の紙
片である場合、上記回動ストッパーにより底板(3) と本
体(4) とが相対的にスライドした際に、底板(3) と本体
(4)との隙間から紙片が素通りし、該底板(3) 上に残留
して仕分け箱内には落下しなくなるのを防止するため、
図７に示すように本体(4) 内壁から底板(3) 上に可撓性
のフィルム(15)を取り付けた。

【００１２】また図４において、仕分け箱群の各横送り
コンベアー(11)は図の紙面に向かって右から左にキャリ
アーを搬送するものとした際に、仕分け箱群の各段の入
口側に、搬送物を収納したキャリアーを縦方向の上方に
搬送する供給側縦型コンベアー(20)を立設し、さらにそ
の出口側に空のキャリアーを下方に搬送する排出側縦型
コンベアー(21)を立設した。また排出側縦型コンベアー
(21)で下端まで運ばれたキャリアーを再び供給側縦型コ
ンベアー(20)の下端まで運ぶために、上記仕分け箱群の
下方に戻しコンベアー(22)を設けた。

【００１３】これら供給側縦型コンベアー(20)は図８に
示すように、キャリアー(13)の底面の片側サイドを２列
の縦エンドレスベルト(23)(23)に隔設した受け板(24)(2
4)で保持し、他の片側サイドは同様に２列の縦エンドレ
スベルト(25)(25)に隔設した受け板(26)(26)で保持して
所定の仕分け箱列の段の入口までキャリアー(13)を搬送
する。そして所定の仕分け箱列の入口に達した際には、
図９に示すようにキャリアー(13)の後方側の底板の立ち
上がり部を送り出しアーム(27)により押してその段の横
送りコンベアー(11)内に送入する。

【００１４】なおこの際キャリアーの蓋(2) は、縦型コ
ンベアー(20)で上方に送られる間は図８に示すように開
放しているが、横送りコンベアー(11)内に送り込まれる
にしたがって該蓋(2) はその段の天井部により押されて
次第に閉まり、図10に示すように鉤型フック(30)に係合
してロックされる。さらに該蓋(2) は横送りコンベアー
(11), 排出側縦型コンベアー(21)及び戻りコンベアー(2
2)で搬送されている間は常に閉じた状態であり、戻りコ
ンベアー(22)から供給側縦型コンベアー(20)に載り移る
際に、図11に示すように上記鉤型フック(30)にロック解
除片(31)が当たることにより上記ロック状態が解除され
て、バネによって該蓋(2) は開放状態となるものであ
る。なおこの蓋(2) は仕分け物の種類によっては不要で
なる場合もある。

【００１５】また排出側縦型コンベアー(21)の構成は上
記供給側縦型コンベアー(20)と同様であるが、横送りコ
ンベアー(11)から該縦型コンベアー(21)内にキャリアー
を送り出す際には横エンドレスベルト(12)(12)の駆動力
を用いているので送り出しアームは不要であり、他方排
出側縦型コンベアー(21)の下端には該コンベアー(21)か
ら戻りコンベアー(22)にキャリアーを送り出すために上
記と同じ送り出しアーム(27)を設けた（図４）。

【００１６】以上のような骨格からなり仕分け箱が１段
当たり６個で全８段の仕分け箱列を有する仕分け装置の
外装を図12に示すように形成して自動仕分け装置を構成
した。即ち各仕分け箱(10)は引き出し様にセットされ、
また供給側縦型コンベアー部(35)は外装板で覆うが仕分
け物をキャリアー内に収納するために、仕分け物投入口
(36)を設けた。該投入口(36)に投入された仕分け物は、
上記戻りコンベアーから供給側縦型コンベアーに送り出
された位置、即ち図12の外装を外した場合、図４に示す
よう供給側縦型コンベアー(20)の下端の位置で蓋（2)を
開けて待機しているキャリアー(13)内に収納される。な
お戻しコンベアー(22)にはさらに３台のキャリアー(13)
を準備しておく。

【００１７】そしてこのように仕分け物を投入した後外
部から電気的に制御することにより直ちに所定の仕分け
箱に対応する回動ストッパーを回動させておき、供給側
縦型コンベアーと横送りコンベアーを駆動して当該キャ
リアーをその箱の上方に搬送して仕分け物をその仕分け
箱内に落下させるすることが可能となる。図13はそのよ
うな電気的な制御機器と組み合わせたシステムの外観を
例示したものである。なお本仕分け装置の実施例では仕
分け箱が48個の場合を示したが、同じ仕分け箱数のもの
を２台並設して96個の仕分け箱を有する自動仕分け装置
も容易に構成することが可能である。

【００１８】

【発明の効果】このように本発明は小物類、特に各種伝
票等を細かい項目で仕分けるのに最適であり、また仕分
け物を投入して仕分け箱を指定すれば直ちにキャリアー
は高速で移動して目的仕分け箱に仕分け物を落下させる
ことが可能である。この仕分けスピードは従来の機械式
仕分け装置に比べて約２倍である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置内のキャリアーを示す斜視図であ
る。

【図２】同じくキャリアーの断面図である。

【図３】同じくキャリアーの要部断面図である。

【図４】本発明装置の骨格を示す正面図である。

【図５】本発明装置内のキャリアーの作動を示す説明図
である。

【図６】同じくキャリアーの作動を示す説明図である。

【図７】同じくキャリアーの作動を示す要部断面図であ
る。

【図８】本発明装置の要部斜視図である。

【図９】本発明装置における送り出しアームを説明する
要部平面図である。

【図１０】本発明装置におけるキャリアーの鉤型フック
を説明する要部断面図である。

【図１１】同じく鉤型フックを説明する要部断面図であ
る。

【図１２】本発明装置の一例の外観を示す斜視図であ
る。

【図１３】本発明装置の他の一例の外観を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ フリーローラー ２ 蓋 ３ 底板 ４ 本体 ５ 側面 ６ ローラー ７ 引きバネ ８ 係止片 10 仕分け箱 11 横送りコンベアー 12 横エンドレスベルト 13 キャリアー 14 回動ストッパー 15 可撓性フィルム 20 供給側縦型コンベアー 21 排出側縦型コンベアー 22 戻りコンベアー 23 縦エンドレスベルト 24 受け板 25 縦エンドレスベルト 25 受け板 27 送り出しアーム 30 鉤型フック 31 ロック解除片 35 供給側縦型コンベアー部 36 仕分け物投入口

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体の底面を開口するスライド底板が弾
   性体を介して該本体内に収納されるように付勢されてな
   る筐体状のキャリアーと、横方向に並設した上面開口の
   仕分け箱列を複数段設けた仕分け箱群と、該仕分け箱群
   の各段の上方に上記キャリアーを横方向に走行させる横
   送りコンベアーと、各仕分け箱上の近傍に設けられて制
   御信号により所定の仕分け箱の上方でキャリアーの底板
   に係合してその底面を開口するストッパーと、該仕分け
   箱群の各段の入口側に立設してキャリアーを所定の段の
   横送りコンベアーに送入する供給側縦型コンベアーと、
   上記各段出口側に立設して横送りコンベアーから排出さ
   れたキャリアーを下方に搬送する排出側縦型コンベアー
   と、該排出側縦型コンベアーから供給側縦型コンベアー
   にキャリアーを戻す戻しコンベアーからなり、該戻しコ
   ンベアーに待機している複数の空キャリアーを、内部に
   搬送物を収納した後各別に所定の段に送り、さらに所定
   の仕分け箱に該キャリアー内の搬送物を落下させた後、
   再び戻しコンベアーに循環させることを特徴とする自動
   仕分け装置。