JP3080176U - 固形燃料用保温キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 使用する固形燃料の露呈着火面を制限して固
形燃料の気化燃焼を抑制し、固形燃料に燃焼時間の延長
効果と火力の低下による保温的効果を持たせ、しかも汎
用性のある固形燃料用保温キャップを提供することを課
題とする。 【解決手段】 アルミ、ステンレスなどの金属製もしく
は陶磁製からなり、円形頂壁部と該円形頂壁部より垂下
連接した周壁部３とからなるキャップ本体１を断面伏皿
形に一体成形するとともに、円形頂壁部の中央に同心円
状の開口部４を穿設し、前記周壁部の少なくとも内側面
を末広がり状のテーパー面となるよう形成する。更にま
た、キャップ本体の円形頂壁部を段差部を介して円環状
の上段頂壁部２ａとより小径の円環状の下段頂壁部２ｂ
とによって構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は主としてアルコール系固形燃料を用いる卓上コンロ装置において、使 用する固形燃料の露出面積をより少なくして気化燃焼を抑制し、該固形燃料の燃 焼時間の持続的効果と保温的効果を持たせるための固形燃料用保温キャップに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

アルコールを主成分としこれを所望形状にゲル化させてなるアルコール系固形 燃料は、保管・運搬・携帯・利用時の簡便性・安全性に優れており、キャンプや ガーデンパーティーなど屋外利用に於いてのみならず、旅館・飲食店・家庭など での屋内利用に於いても携帯卓上コンロの熱源として広く利用されるに至ってい る。ここでのアルコール系固形燃料は従来より多種提案され提供されているが、 これら各種固形燃料のうち、可燃性の合成樹脂フィルムで全体を包被してなるも の、頂面部を可燃性の合成樹脂フィルム乃至はシートで覆い、側面部と底面部と を難燃性の合成樹脂素材乃至はアルミ箔で包被もしくは収容してなるものなどが 普及している。

【０００３】 この種の普及品は、何れの種類であっても、着火面部が気化防止材若しくは気 化防止材と着火補助材とを兼ねた可燃性のフィルム乃至はシートで覆われており 、使用に際しては該フィルムを人為的に剥がすか着火によって焼失せしめ、該着 火面部を露呈させる構成となっている。従って、他の条件が同一である場合、使 用する固形燃料の火力は原則的に該着火面部の露呈面積に比例し、燃焼時間は高 さに比例することとなり、被調理品の種類又は被調理量に応じてその大きさを適 宜選ぶこととなる。通常、旅館や飲食店で利用される一・二人前程度の小料理を 過熱調理するための卓上コンロに供される固形燃料は、直径が約４０ｍｍ〜６０ ｍｍ、高さが１５ｍｍ〜３０ｍｍの略円柱形からなり、着火直後及び消炎直前を 除いてその火力はほぼ一定に保たれるよう構成されている。

【０００４】 上記構成よりなる固形燃料にあっては、被調理品の種類、被調理量及び加温か 保温かの目的に応じて適宜火力を変更調整することができない不具合があり、特 に調理が済んだ料理の保温ができないことは、着火のタイミングや加熱時間に気 を付けなければ、料理が冷めてしまったり、逆に加熱し過ぎて焦がしてしまった りして折角の料理が台無しとなることなどが多発し、極めて不都合なものとなっ ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した固形燃料が孕む不可避的な問題に鑑みなされたもので、使 用する固形燃料の露呈着火面積を強制的に制限し、固形燃料の気化燃焼を抑制し 、これによって燃焼時間の延長効果と火力の低下による保温的効果を持たせ、し かも汎用性のある固形燃料用保温キャップを提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、アルミ、ステンレスなどの金属製もしくは陶磁製からなり、円形頂 壁部と該円形頂壁部より垂下連接した周壁部とからなるキャップ本体を断面伏皿 形に一体成形するとともに、前記円形頂壁部の中央に同心円状の開口部を穿設し 、前記周壁部の少なくとも内壁面を末広がり状のテーパー面となるよう形成した 固形燃料用保温キャップを得、更にまた、前記円形頂壁部の開口部周囲を適宜巾 をもって凹設してなる固形燃料用保温キャップを得、該固形燃料用保温キャップ を使用する固形燃料に被冠し、その露呈頂面積を強制的に制限することによって 上記課題を解決するものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１乃至図３は本考案の第１の実施形態を示すもので、キャップ本体１は、ア ルミ、ステンレスなどの金属製もしくは陶磁製などの非可燃性素材からなり、円 形頂壁部２と該円形頂壁部２より垂下した周壁部３とから構成され、断面伏皿形 に一体的に連接されたものである。そして、円形頂壁部２には、その中央にあっ て同心円状の開口部４が穿設され、周壁部３の少なくとも内側面３ａを末広がり 状のテーパー面となるよう形成する。

【０００８】 本考案に係る固形燃料用保温キャップは、特にサイズを限定するものではない が、旅館や飲食店で利用される小料理を過熱調理するための卓上コンロ用として 普及しているサイズ（直径が約４０ｍｍ〜６０ｍｍ、高さが１５ｍｍ〜３０ｍｍ ）の固形燃料を被冠可能なサイズとすることが好ましく、また、円形頂壁部に穿 設された開口部の大きさは、保温可能な熱量を生じさせるのに必要且つ十分な固 形燃料の気化状態が得られる大きさに設定される。因みに本実施形態においては 、周壁部底縁３ｂの直径が約６００ｍｍ、頂壁部２の外周直径が約５３０ｍｍ、 開口部の直径が約１９５ｍｍ、高さが約１５ｍｍに設定されている。

【０００９】 上記構成よりなる固形燃料用保温キャップを、卓上コンロ（図示せず）内に収 納載置した固形燃料Ａに被冠して着火すると、固形燃料の露呈面積がキャップ本 体１の円形頂壁部２によって制限され、その分固形燃料の気化燃焼量が少なくな って弱火となる。従って、とろ火状態で長時間加温するのに適した料理にあって は、極めて好都合である。

【００１０】 また、燃焼途中であっても、本固形燃料用保温キャップを固形燃料Ａに被冠す ると、前記と同様に弱火状態となるため、料理に応じて適宜に加熱を終了させる ことができるとともに、該調理済み料理を暫く保温しておくことが可能となる。

【００１１】 尚、本実施形態での固形燃料Ａは、炭酸カルシウムを混入したポリエチレンを 素材として形成した容器Ｂの内部にアルコール系燃料を充填し固化し、その上面 開口部を可燃性樹脂（ポリプロピレン）フィルム（図示せず）にてシュリンク密 閉したものを使用したが、この他、前記容器Ｂをアルミ泊で形成したもの、或い は、予め固化成形された固形燃料を適宜フィルム乃至はシート素材を以て被包し たものなどであっても良い。

【００１２】 図４乃至図６は本考案の第２の実施の形態を示すもので、その構造は原理的に 第１の実施の形態と同じであるので、第１の実施の形態との差異点についてのみ 説明し、同一部分については同一符号を付けてその詳述を省略する。

【００１３】 第２の実施の形態は、円形頂壁部２に穿設した中央開口部４の周囲を適宜巾を もって凹成し、該円形頂壁部２をリング状の上段頂壁部２ａ、段差部２ｃ及びリ ング状の下段頂壁部２ｂとによって形成し、全形をやや曲線的に成形したもので ある。

【００１４】 上記構成よりなる第２の実施の形態にあっては、下段頂壁部２ｂの裏面がキャ ップ本体１内で下方にリング状に突出した形態をなし、固形燃料Ａに被冠した際 、下段頂壁部２ｂ裏面のリング状突出部が固形燃料Ａの中央燃焼箇所を的確に環 囲するため、より効果的な固形燃料の気化燃焼抑制効果が得られる。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係る固形燃料用保温キャップを用いることにより、通 常の固形燃料を使用する場合であっても、加熱調理は勿論、とろ火調理や調理済 み料理の保温も可能となるため、本考案は旅館や飲食店で広く用いられている卓 上コンロの固形燃料用補助具として、極めて実用的価値の高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施形態における固形燃料用保
温キャップの斜視図

【図２】同上の平面図

【図３】同上の使用状態を示した横（Ａ−Ａ線）断面説
明図

【図４】本考案の第２の実施形態における固形燃料用保
温キャップの斜視図

【図５】同上の平面図

【図６】同上の使用状態を示した横（Ａ′−Ａ′線）断
面説明図

【符号の説明】

１ キャップ本体 ２ 円形頂壁部 ２ａ 上段頂壁部 ２ｂ 下段頂壁部 ３ 周壁部 ３ａ 周壁部裏面 ４ 開口部 Ａ 固形燃料

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミ、ステンレスなどの金属製もしく
   は陶磁製からなり、円形頂壁部と該円形頂壁部より垂下
   連接した周壁部とからなるキャップ本体を断面伏皿形に
   一体成形するとともに、前記円形頂壁部の中央に同心円
   状の開口部を穿設し、前記周壁部の少なくとも内壁面を
   末広がり状のテーパー面となるよう形成したことを特徴
   とする固形燃料用保温キャップ。
2. 【請求項２】 キャップ本体の円形頂壁部を、中央に穿
   設した開口部周囲を適宜巾をもって凹成することによ
   り、段差部を介して円環状の上段頂壁部とより小径の円
   環状の下段頂壁部とによって形成したことを特徴とする
   請求項１記載の固形燃料用保温キャップ。