JP3079869U - 携帯型保水ゲル材 - Google Patents

携帯型保水ゲル材

Info

Publication number
JP3079869U
JP3079869U JP2001000968U JP2001000968U JP3079869U JP 3079869 U JP3079869 U JP 3079869U JP 2001000968 U JP2001000968 U JP 2001000968U JP 2001000968 U JP2001000968 U JP 2001000968U JP 3079869 U JP3079869 U JP 3079869U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
gel
concave portion
retaining
container body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001000968U
Other languages
English (en)
Inventor
真滋 守金
大蔵 守金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIA Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
DIA Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIA Pharmaceutical Co Ltd filed Critical DIA Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2001000968U priority Critical patent/JP3079869U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3079869U publication Critical patent/JP3079869U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、保冷・保湿作用の
持続時間を適宜調節することが可能で、また、保温や有
効成分補給等の媒体としても好適で、携帯性、流通性及
び使用性に優れる保水ゲル材を提供するにある。 【解決手段】 凹部(11)及び該凹部開口周囲
に張り出す鍔部(12)を有する容器本体(1)と、水溶性高
分子及び水からなるゲル組成物が上記凹部(11)に充填さ
れてゲル化された保水ゲル(2)と、充填された上記ゲル
組成物のゲル化が完了する前に上記容器本体(1)の凹部
(11)及び鍔部(12)の少なくとも凹部開口周縁部(122)に
被さる大きさで上記凹部(11)を被覆すると共に上記ゲル
組成物と係着する支持シート(3)とから構成し、必要に
応じて、開封可能な袋体に密封したり、非通気性フィル
ムを剥離可能に支持シートに設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、製造、流通、使用が簡単かつ簡便で、保冷・保湿作用を奏したり保 温媒体や有効成分の徐放的補給媒体として機能する携帯型保水ゲル材に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体の発熱に対する氷嚢や氷枕の代わりに、携帯性・貼付性に優れている保冷 材として、水溶性高分子からなるゲル層を支持体上に設け、これをアルミ箔がラ ミネートされた袋体等に密封した保冷・保湿用貼付材は良く知られている。
【0003】 上記のような保冷・保湿用貼付材は、通常、まず支持体上に水溶性高分子から なるゲル層を塗布し、その後ゲル層表面に剥離用フィルムを貼着する工程や適当 な大きさにカッティングする工程等を経て製造され、さらには袋体内に密封され ている。
【0004】 ところで、上記のように製造される保冷・保湿用貼付材では、支持体上に塗布 できるゲル層の量が限られ、さらに携帯性を優先させた場合にはゲル量が少なく なり、これに伴って保水量も限られてくるため、保冷・保湿作用の持続時間が短 くならざるを得ない。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、保冷・保湿作用の持続時間を適宜調節することが可能で、また、保 温や有効成分補給等の媒体としても好適で、携帯性、流通性及び使用性に優れる 保水ゲル材を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願『請求項1』に係る考案は、『凹部(11)及び該凹部開口周囲に張り出す鍔 部(12)を有する容器本体(1)と、水溶性高分子及び水からなるゲル組成物が上記 凹部(11)に充填されてゲル化された保水ゲル(2)と、充填された上記ゲル組成物 のゲル化が完了する前に上記容器本体(1)の凹部(11)及び鍔部(12)の少なくとも 凹部開口周縁部(122)に被さる大きさで上記凹部(11)を被覆すると共に上記ゲル 組成物と係着する支持シート(3)とからなる携帯型保水ゲル材〔A(A1)〕』を提供 する。
【0007】 本願『請求項2』に係る考案は、『凹部(11)及び該凹部開口周囲に張り出す鍔 部(12)を有する容器本体(1)と、水溶性高分子及び水からなるゲル組成物が上記 凹部(11)に充填されてゲル化された保水ゲル(2)と、充填された上記ゲル組成物 のゲル化が完了する前に上記容器本体(1)の凹部(11)及び鍔部(12)の少なくとも 凹部開口周縁部(122)に被さる大きさで上記凹部(11)を被覆すると共に上記ゲル 組成物と係着する支持シート(3)と、これら全体を開封可能に密封する袋体(4)と からなる携帯型保水ゲル材〔A(A3)〕』を提供する。
【0008】 本願『請求項3』に係る考案は、『凹部(11)及び該凹部開口周囲に張り出す鍔 部(12)を有する容器本体(1)と、水溶性高分子及び水からなるゲル組成物が上記 凹部(11)に充填されてゲル化された保水ゲル(2)と、充填された上記ゲル組成物 のゲル化が完了する前に上記容器本体(1)の凹部(11)及び鍔部(12)の少なくとも 凹部開口周縁部(122)に被さる大きさで上記凹部(11)を被覆すると共に上記ゲル 組成物と係着する支持シート〔3(3b)〕と、前記容器本体(1)の鍔部(12)周囲に剥 離可能に接着されかつ上記支持シート〔3(3b)〕を介して該容器本体(1)の凹部(1 1)を密封する剥離性フィルム(5)とからなる携帯型保水ゲル材〔A(A4)〕』を提供 する。
【0009】 本願『請求項12』に係る考案は、上記請求項1〜3の各保水ゲル〔2(2d)〕 が、水溶性高分子及び水からなるゲル組成物を数回に分けて充填することにより ゲル分層(21)(22)の積層体に構成されている携帯型保水ゲル材(A10)を提供する 。
【0010】 本願『請求項1』に係る携帯型保水ゲル材〔A(A1)〕によれば、水溶性高分子 及び水からなる保水ゲル(2)は、容器本体(1)の凹部(11)に充填されてゲル化され るので、この凹部(11)の深さに相当する厚さに簡単に形成され、凹部(11)の深さ を調節することにより所望の厚さのものが得られることとなる。しかも、保水ゲ ル(2)の底面及び側周面が容器本体(1)の凹部(11)壁に覆われているので、この部 分からの水分やその他有効成分の揮散が防止されることとなる。
【0011】 また、上記保水ゲル(2)がゲル化される前に、容器本体(1)の鍔部(12)の少なく とも凹部開口周縁部(122)に被さる大きさを有する支持シート(3)が被覆され、ゲ ル化と共に支持シート(3)が該ゲル(2)に係着するので、この被さる部分を掴むこ とにより該ゲル(2)は簡単に容器本体(1)から取り出されることとなる。
【0012】 本願『請求項2』に係る携帯型保水ゲル材〔A(A3)〕によれば、上記請求項1 に係るゲル材〔A(A1)〕と同様の作用を奏する上に、全体が袋体(4)に開封可能に 密封されるので、製造時の含水量は長期に渡って保持され、用事においては簡単 に取り出されることとなる。
【0013】 本願『請求項3』に係る携帯型保水ゲル材〔A(A4)〕によれば、上記請求項1 に係るゲル材〔A(A1)〕と同様の作用を奏する上に、支持シート〔3(3b)〕を介し て上記容器本体(1)の凹部(11)を剥離可能に密封する剥離性フィルム(5)により、 製造時の含水量は長期に渡って保持され、用事においては簡単に使用に適する形 態として供されると共に、このゲル材〔A(A4)〕自体はコンパクトな形態で広告 ・携帯・流通・展示されることとなる。
【0014】 本願『請求項12』に係る携帯型保水ゲル材〔A(A10)〕によれば、保水ゲル〔 2(2d)〕がゲル分層(21)(22)の積層体から構成されているので、各ゲル分層(21)( 22)でそれぞれの異なる機能を有することが可能となる。
【0015】
【考案の実施の形態】 本考案において、容器本体(1)はゲルを収容しうる凹部(11)及び該凹部開口周 囲に張り出す鍔部(12)とを有するものであればいずれの形状であっても良く、成 形性・携帯性・流通性・意匠性・経済性等の諸点から適宜選択される。
【0016】 上記容器本体(1)の材質としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂が好ましいも のとして選択されるが、別段これに限定されるものでもない。また、熱可塑性樹 脂による場合その厚さは、携帯時、流通時、保存時等にかかり得る力に耐えうる 機械的強度を有するよう設定される。さらに、上記樹脂は、収容する保水ゲル(2 )の性質及び該ゲル(2)に混入される各種の物質を考慮して、透光性又は遮光性等 が適宜選択される。
【0017】 またさらに、容器本体(1)は、単一の樹脂から形成されていても良く、複数の 樹脂層のラミネート体や樹脂層と金属層その他の層とのラミネート体であっても 良い。
【0018】 容器本体(1)が、単一の樹脂から形成されかつ透光性を要する場合、ポリプロ ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が好まし いものとして挙げられる。一方、遮光性を要する場合は上記樹脂層にアルミ箔を ラミネートしたラミネート体が好ましいものとして挙げられる。しかしながら、 これらに限定されるものでもない。 また、成形される容器本体(1)の厚さは30〜1000μmが好ましく、100〜500μm がさらに好ましい範囲として挙げられる。
【0019】 上記容器本体(1)に設けられる凹部(11)は、後述する保水ゲル(2)を収容できる 形状であればいずれであっても良いが、一般的には平板状に上記ゲル(2)を収容 できるものが好ましい。またこの凹部(11)の平面形状も任意に設定され、例えば 、一般的な矩形の他、ある種の形象やキャラクタを象ったもの等が挙げられる。
【0020】 上記容器本体(1)の凹部開口周囲に張り出す鍔部(12)は、平坦なものであって も良く、また本願『請求項4』に示すように、『支持シート〔3(3b)〕が被さる 凹部開口周縁部(122)と、その外周部(121)とが段差(d1)(d2)を有する』よう構成 されていても良い。この構成において、凹部開口周縁部(122)がその外周部(121) よりも低く(すなわち、凹部底面側に近づく方向をいう)形成される場合は、前 記請求項3に記した携帯型保水ゲル材の構成に好ましいものとなり、また反対に 、凹部開口周縁部(122)がその外周部(121)よりも高く形成される場合は、完成し たゲル材〔A(A6)〕から支持シート〔3(3b)〕を掴む場合に好適なものとなる。し かしながら、これらに限定されるものでもない。
【0021】 本考案において、支持シート(3)は少なくとも保水ゲル(2)と係着するように用 いられる。なお、本考案でいう係着とは、該ゲル(2)と支持シート(3)とが一体化 した状態をいい、例えばゲル自身が有する接着力でゲル(2)と支持シート(3)とが 一体化した状態や、支持シート(3)が、例えば本願『請求項5』に示すように『 少なくとも保水ゲル(2)との係着面が、該ゲルにアンカー効果を有する材質』で できていて、該ゲル(2)に支持シート(3)表層が浸入した状態等が挙げられる。
【0022】 上記後者のアンカー効果を有する材質としては、本願『請求項6』に示す『不 織布』やその他ニードリンクして表面を毛羽立たせた状態のもの等を好ましいも のとして挙げることができるが、別段これらに限定されるものでもない。
【0023】 支持シート(3)は、その全体を不織布のごとき透湿性材料から構成されるもの であっても良く、また本願『請求項7』に示すように、『保水ゲル(2)との係着 面の反対側が非通気性に形成されているもの(3a)』であっても良い。
【0024】 前者の透湿性材料からなる場合は、保水ゲル(2)から水分等の揮散を妨げない 点で好ましく、本願請求項2又は3に示すような全体を密封する構成に適してい る。一方後者の構成の場合は、袋体(4)も剥離性フィルム(5)も不要な構成で含水 量をほぼ保持しうるのでコンパクトにできる点で好ましい。なおこの後者の場合 、非通気性層(3a2)を不織布シート(3a1)にラミネートしておき、任意に非通気性 層(3a2)を剥離できる構成としてもよい。
【0025】 本考案において、保水ゲル(2)は、水溶性高分子及び水を含んでゲル化するゲ ル組成物から構成される。この場合、さらに架橋剤、増粘剤、ゲル化剤等の添加 物を必要としてゲル化するものも、また、このような添加物を用いなくてゲル化 するものも両方を意味する。
【0026】 本考案に用いられる保水ゲル(2)は、水分量が少なくとも30重量%以上含ま れるように調製されることが好ましく、水溶性高分子や架橋剤その他の添加物を 適宜選択することにより最高95重量%まで含有させることが可能である。
【0027】 上記水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩類、ポリグ ルタミン酸、ポリグルタミン酸の塩類、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カル ボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ソーダ、カルボ キシビニルポリマ等が好ましいものとして挙げられる。
【0028】 上記水溶性高分子は1種で用いられてもよいが、数種混合して用いる方が、保 冷・保湿・貼着力等の点から好ましく、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ リビニルアルコール、ゼラチン、カラギーナンの混合物からなる水溶性高分子に て構成されるものが好適なものとして挙げられる。しかしながら、これに限定さ れるものではない。
【0029】 水溶性高分子が上記混合物にて構成される場合、例えば、ゼラチン及びカラギ ーナンに対して、ポリビニルアルコール及びポリアクリル酸ナトリウムは、1: 1〜1:10の割合(重量比)で配合され、全体で0.1〜25重量%となるよう に選択されるが、0.5〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく 、2〜8重量%が最適である。またこのとき、ポリビニルアルコールに対してポ リアクリル酸ナトリウムは、1:0.5〜1:20の割合(重量比)で配合される ことが好ましい。
【0030】 本考案において、保水ゲル(2)には、含水量の増量、ゲル内部での水分移動の 容易性、ゲル外への放散の促進等の点から、少なくとも表面が親水性を有する繊 維が分散保持されていてもよい。この場合、繊維はその少なくとも一部がゲル表 面に露出するように用いられる。
【0031】 上記繊維(f)としては、例えば、パルプ、木綿糸、レーヨンその他の各種親水 性樹脂繊維のほか、表面が親水性処理された各種の疎水性樹脂繊維やガラス繊維 ・セラミック繊維等が挙げられるが、これらに限定されない。 また、上記繊維は、ゲル内では分散して保持されるが、この場合繊維が三次元的 に絡み合うように分散されることが好ましく、例えば短い繊維群がゲル組成物内 でスラリ状に懸濁した状態で用いられることが好ましい。
【0032】 本考案において、上記保水ゲル(2)には吸水性ポリマ(v)が分散保持されていて も良い。上記吸水性ポリマ(v)としては、自重の200〜1000倍程度に吸水しうるい わゆる高吸水性ポリマから構成されたものが好適に用いられる。
【0033】 上記吸水性ポリマは、粒子状や繊維状の形態が好適に用いられるが、これらに 限定されない。上記「粒子状」にはペレット状や粉体状が含まれる。 粒子状の吸水性ポリマ(以下、吸水性ポリマ粒子(v)という)を用いる場合は、 ゲル内において互いに接触しかつこの接触し合った吸水性ポリマ粒子(v)群の一 部がゲル表面に露出するように用いられることが好ましい。
【0034】 上記吸水性ポリマ粒子(v)としては、例えば、サンウエットIM−300、サ ンウエットIM−1000(三洋化成工業(株)製)やアクアキープ(住友精化( 株)製)等の名称で入手可能な高吸水性ポリマ粒子が好適なものとして挙げられ るが、これらに限定されるものでもない。
【0035】 一方、繊維状の吸水性ポリマ(以下、吸水性ポリマ繊維という)としては、例 えばポリアクリル酸ナトリウムを主成分とするポリマーを直接紡糸し、繊維形状 化させた高吸水・高吸湿性繊維が好適に用いられる。このような高吸水・高吸湿 性繊維としては、例えば「ベルオアシス」(カネボウ合繊(株)製)等の名称で入 手可能なものを挙げることができる。
【0036】 本考案において、上記保水ゲル(2)には、水に吸熱的に溶解しうる化合物(s)が 含有されていても良い。この場合、最終的に得られるゲル内で吸熱反応が生じて 保冷効果がさらに高まる点で好ましいものである。
【0037】 上記水に吸熱的に溶解しうる化合物(s)は、保水ゲル〔2(2b)〕内での含有形態 は固体状であることが、製法上及び保冷効果の持続性等の点から好ましい。
【0038】 上記水に吸熱的に溶解しうる化合物(s)としては、例えば、塩化ナトリウム、 尿素、硝酸ナトリウム等が挙げられる。これらは単独で用いられても良いが、2 つ以上を混合して用いられても良い。
【0039】 上記化合物は、保水性母材の0.1〜25重量%の割合で用いられるが、0.5〜2 0重量%が好ましく、2〜8重量%がさらに好ましい。
【0040】 本考案において、上記保水ゲル(2)には、薬理活性物質が含有されていても良 い。この場合、該ゲル内の水分移動に伴って薬理活性成分を移動・分配・放出で きる点で好ましいものである。
【0041】 上記薬理活性物質としては、例えば、メントール、カンフル、インドメタシン 、ケトプロフェン、ジクロフェナック、オオバクエキス、グリチルリチン酸ジカ リウム、ヒアルロン酸、アルブチン、酢酸トコフェロール、アラントイン、ビタ ミンC類、水溶性アズレン、アクリノール等が挙げられる。
【0042】 上記薬理活性物質は、ゲル内の網目構造内に保持されているものであっても良 く、また、繊維や吸水性ポリマ等に担持されて含有されるものであっても良い。
【0043】 本考案において、保水ゲル(2)には、低級アルコールが含有されていても良い 。この場合、水分揮散を促して冷却・保冷効果を高める点で好ましいものである 。なお、低級アルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール 、プロピルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されず、水と均一に混合 でき水の沸点より低い温度で共沸できるものであれば好適に用いられる。
【0044】 本考案において、保水ゲル(2)はゲル分層(21)(22)からなる積層体(2d)に構成 されていても良い。この場合、各ゲル分層(21)(22)の間には、網状シート(n1)又 は多孔質シート(n2)が介在されていても良い。
【0045】 上記網状シート(n1)は、その両面にゲル分層(21)(22)を係着できるものであれ ばいずれのものであってもよく、また、この網状シート(n1)自身が保水性・透水 性を有するものが好ましい。このような網状シート(n1)としては、例えば、紙製 や布製のシート材や、親水性や吸水性を有する樹脂繊維で構成された比較的粗い 目の不織布状のシート材が好適なものとして挙げられるが、別段これらに限定さ れない。
【0046】 上記網状シート(n1)のうち樹脂繊維で構成されるものは、ゲル分層(21)(22)に 対してアンカー効果を呈するように化学的表面処理又は物理的表面処理が施され ているものが好ましい。
【0047】 上記化学的処理としては例えば適当な界面活性剤を用いて樹脂繊維表面に親水 性を付与する等が挙げられる。尚、このような化学的表面処理を施す場合は、該 シート材自体の保水性・透水性を損なわないようになされることが好ましい。又 、上記物理的な処理としては、例えば網状シート材にニードリング等を施して毛 羽立たせる等が挙げられる。
【0048】 一方、上記多孔質シート(n2)としては、柔軟な材質から構成されるものが適し ており、例えば連続気泡を有する発砲樹脂シートが挙げられ、ポリウレタンフォ ームシートが好ましいが、別段これに限定されるものではない。
【0049】 本考案において、上記網状シート(n1)や多孔性シート(n2)には、前記した吸熱 的に溶解しうる化合物、薬理活性物質、低級アルコール等の各種の物質が適宜担 持されていても良い。
【0050】 なお、上記保水ゲル(2)には、さらに、グリセリン、ポリエチレングリコール 等の公知の保湿剤が適宜混合されていてもよい。
【0051】 また、上記保水ゲル(2)は、pHが通常は4〜10の範囲に調節されるが、5〜 9が好ましく、6〜8にすれば皮膚の冷感と剥離後の爽快感とが得られる点でよ り好ましい。
【0052】 本考案の携帯型保水ゲル材(A)の用途としては、例えば、(1)発熱時の人体保冷 のための医療用冷却パッド、(2)鮮魚・飲料水・アルコール類等の輸送時の冷却 ・保護のための冷却包装材、(3)チョコレートの輸送時に溶融防止を目的とした 冷却シート、(4)スポーツ後の筋肉冷却及び日焼け後のスキンケア等のパッド、( 5)乾燥性皮膚に対する水分補給用の保護パッド、(6)消炎、鎮痛剤をさらに添加 したパップ材、等の保冷・保湿作用を利用するものや、(7)温灸等の保温の媒体 、(8)有効成分の徐放的補給媒体などが挙げられるが、別段これらに限定されな い。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本考案を詳細に説明するが、本考案はこれらにより限定さ れるものではない。
【0054】 [実施例1] 図1に本考案の携帯型保水ゲル材(A)の一例(A1)の斜視図を、図2には図1のz −z線断面概略図をそれぞれ示す。これらの図を参照して説明すると、この携帯 型保水ゲル材(A1)は、容器本体(1)とこれに充填・収容されている保水ゲル(2)と 、このゲル表面に係着している不織布製の支持シート(3)とを有するいわゆる容 器充填型ゲル材に構成されている。
【0055】 容器本体(1)は、平板状凹部(11)及び該凹部(11)の開口周囲に張り出す鍔部(12 )を有する形状のものであり、肉厚は0.4mmで材質はポリスチレン製の透明なもの である。なお、本例では平板状凹部(11)の大きさは、縦140mm×横100mm×厚さ3 mmに設定されているが、これに限定されるものではない。
【0056】 保水ゲル(2)は、下記する配合のゲル組成物を上記平板状凹部(11)に略一杯に 充填して形成されている。
【0057】 〔ゲル組成物の配合割合(重量%)〕 ポリアクリル酸ナトリウム 4 ゼラチン 3 ポリビニルアルコール 1.5 グリセリン 15 カルボキシメチルセルロースナトリウム 2 l-メントール 0.1 エチルアルコール 0.5 水 73.9
【0058】 不織布製の支持シート(3)は、上記容器本体(1)の凹部(11)を完全に被覆しかつ 鍔部(12)のほぼ全体が被さる大きさで用いられている。なお、この支持シート(3 )と保冷・保水性ゲル(2)とは係着して一体化している。
【0059】 本例の携帯型保水ゲル材(A1)は、以下の様にして製造することができる。すな わち、 まずゲル組成物の調製として、ゼラチンを水に加温溶解し(イ)、ポリビ ニルアルコールを水に加温溶解する(ロ)。そして、上記(イ)と(ロ)を加え、よく 撹拌混合する(ハ)。一方、ポリアクリル酸ナトリウムをグリセリンと混合する( ニ)。次いで(ハ)に(ニ)を加え、残りのものを加えて良く撹拌混合する。以上の 操作により泥状のゲル組成物が得られる。
【0060】 上記で調製されたゲル組成物を、容器本体(1)の凹部(11)にほぼ一杯になるま で充填していく。そして充填後、このゲル組成物がゲル化する前に、上記不職布 製の支持シート(3)を凹部(11)及び鍔部(12)の全面に被せてゲルを硬化させる。 このとき、支持シート(3)に浸潤したゲル組成物も硬化し、図1に示す携帯型保 水ゲル材(A1)が得られることとなる。
【0061】 以上の構成の携帯型保水ゲル材(A1)は、容器本体(1)の凹部(11)とほぼ同等の 体積を有する保水ゲル(2)が不職布製の支持シート(3)と一体に係着しており、ま た、この支持シート(3)の外縁部でかつ鍔部(12)に被さる部分は係着していなく フリーであるので、この外縁部を掴んで支持シート(3)を引っ張れば、図3に示 すように、該支持シート(3)と共に保水ゲル(2)が、容器本体(1)の凹部(11)から 簡単に取り出されることとなる。
【0062】 また、取り出された保水ゲル(2)は、図4に示すように、相当な厚みと平面積 とを有して凹部(11)の形状を保持しており、かつ、全体に十分量の水分を含有し ているので、その保冷・保湿能は非常に大きいものとなっている。従って、保冷 ・保湿の作用時間を従来のものよりも著しく長くできる。その上、この保水ゲル (2)は充填形式で製造されるので、凹部(11)の体積に応じていくらでも面積の大 きいもの・厚さの厚いものを簡単に作ることができる。
【0063】 [実施例2] 本例の携帯型保水ゲル材の図2相当図を図5に示すが、このものは、支持シー ト(3)を(3a)に若干変更する以外は、実施例1と同様の構成であり、従って、実 施例1と同一の部材には同一の番号を付しこれらについての説明は省略する。
【0064】 図5の携帯型保水ゲル材〔A(A2)〕において、支持シート(3a)は、ゲル面側に は不職布製シート体(3a1)が配されており、その上には非通気性のポリプロピレ ンフィルム(3a2)が剥離可能にラミネートされている。この非通気性フィルム(3a 2)は、上記ゲル材(A2)のままで又は図6に示すように支持シート(3a)付で保水ゲ ル(2)を取り出した状態で剥離することができる。
【0065】 従って、携帯型保水ゲル材(A2)に製造されたときは、これを袋体等に密封しな くともゲル(2)からの水分等の放散を防ぐことができる。その上、用事において は、容器本体(1)から取り出された支持シート(3a)付の保水ゲル(2)を貼付対象部 位に貼付した後、支持シート(3a)の表面から非通気性フィルム(3a2)を剥がせば 、水分等の放散が可能となって、保冷・保湿が十分に奏されるものとなる。
【0066】 結局、本例は簡単かつ簡単な構成で有用な携帯型保水ゲル材(A2)を提供できる ものとなる。
【0067】 [実施例3] 本例の携帯型保水ゲル材を図7に示すが、このものは、実施例1の構成の容器 充填型ゲル材を、さらに開封可能に密封したものである。従って、実施例1と同 一の部材には同一の番号を付しこれらについての説明は省略する。
【0068】 すなわち図7の携帯型保水ゲル材〔A(A3)〕は、容器充填型ゲル材(A1)が、開 封可能に密封された非通気性のアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート製樹脂フ ィルムからなる袋体(4)内に収納されている。なお、(42)は袋体(4)のシール部(4 1)に設けられた開封用の切り込みであり、(43)は吊り下げ用の通孔である。
【0069】 従って、容器本体(1)に充填・収容されている保水ゲル(2)はその含有している 水分等の放散が防止されるので、この形態のままで携帯は勿論、流通・販売・展 示等が可能となる。
【0070】 一方、用事においては、図中に示す切り込み部(41)から透明袋体(4)を開封す れば、容器充填型ゲル材(A1)が簡単に取り出され、これを、実施例1と同様にす れば、簡単に適用部位に保水ゲル(2)を貼付できることとなる。
【0071】 [実施例4] 本例の携帯型保水ゲル材の斜視図を図8に、そのz−z線断面概略図を図9に それぞれ示すが、このものは、支持シート(3)を(3b)に若干変更しかつ剥離性フ ィルムを設ける以外は、実施例1と同様の構成であり、従って、実施例1と同一 の部材には同一の番号を付しこれらについての説明は省略する。
【0072】 この携帯型保水ゲル材〔A(A4)〕において、支持シート(3b)は、容器本体(1)の 鍔部(12)の外周部(121)が露呈するように実施例1のものよりは若干寸法が小さ く設定されている。
【0073】 そして、アルミ箔がラミネートされたポリエチレンテレタフレート製フィルム からなる剥離性フィルム(5)が、上記容器本体(1)の鍔部(12)の外周部(121)に剥 離可能に接着されていて、凹部(11)全体を密封している。なお、(13)は吊り下げ 用の通孔である。
【0074】 以上の構成の携帯型保水ゲル材(A4)は、凹部(11)全体がアルミ箔でラミネート された剥離性フィルム(5)により密封されているので、凹部(11)内は非通気性に 保持されていることとなり、ここに充填・収容されている保水ゲル(2)はその含 有している水分等の放散が防止されている。従って、この形態のままで携帯は勿 論、流通・販売・展示等が可能となる。
【0075】 一方、用事においては、剥離性フィルム(5)を剥離することによって、実施例 1とほぼ同様の容器充填型ゲル材が簡単に取り出され、これを実施例1と同様に すれば、簡単に適用部位に保水ゲル(2)を貼付できることとなる。
【0076】 [実施例5] 本例は実施例4の携帯型保水ゲル材の変形例についての図9相当図を図10及 び11に示すが、これらは、容器本体(1)の鍔部(12)を若干変更する以外は、実 施例4と同様の構成であり、従って、実施例4と同一の部材には同一の番号を付 しこれらについての説明は省略する。
【0077】 すなわち、図10の携帯型保水ゲル材〔A(A5)〕においては、容器本体(1)の鍔 部(12)の内周部(122)すなわち支持シート〔3(3b)〕が被さる領域と、その外周部 (121)との間で、内周部(122)が外周部(121)よりも凹部(11)底面に近づくように 段差(d1)が設けられていて、外周部(121)に剥離性フィルム(5)が剥離可能に接着 されているものである。
【0078】 このように構成しておくと、支持シート(3b)の厚みを段差(d1)で逃すことがで き、剥離性フィルム(5)を接着する工程が簡便でかつ平面的にきちんと張れる事 になる。
【0079】 一方、図11の携帯型保水ゲル材〔A(A6)〕においては、容器本体(1)の鍔部(1 2)の内周部(122)が外周部(121)よりも凹部(11)底面から遠ざかるように段差(d2) が設けられていて、外周部(121)に剥離性フィルム(5)が剥離可能に接着されてい るものである。
【0080】 このように構成しておくと、剥離性フィルム(5)を剥離したとき、支持シート( 3b)の外縁部が鍔部(12)の外周部(121)より浮き上がっているので、支持シート(3 b)の端部を掴み易く、保水ゲル(2)を取り出し易い。
【0081】 [実施例6〜8] 以下、実施例1と同様な構成の携帯型保水ゲル材において、保水ゲルを各種に 変更する例について述べる。なお、実施例1と同一の部材については同一の番号 を付し、これらについての説明は省略する。また、これらの実施例6〜8におけ る構成について、それぞれ実施例2〜5のように変更することは当然可能である が、これらについては説明及び図を省略する。
【0082】 [実施例6] 図12に、本例の携帯型保水ゲル材〔A(A7)〕の図2相当図を示す。同図にお ける保水ゲル〔2(2a)〕は、実施例1のゲル組成物に対して、さらに、パルプ懸 濁液を10:1(乾燥重量比)の割合で混合して調製したものである。
【0083】 上記のようにして得られた保水ゲル(2a)は、ゲル内にパルプに由来する繊維(f )群がほぼ均質に分散して保持されており、これらの繊維(f)群は互いに絡まりあ って三次元網目構造を構成していた。そしてさらに一部の繊維(f)群はゲル表面 に露出していた。
【0084】 従って、本例の携帯型保水ゲル材(A7)の保水ゲル(2a)内ではこの繊維(f)群に 沿って水分移動が起こり易く、かつ、ゲル表面から放散し易い構成となっており 、保冷・保湿能はより増大されたものであった。
【0085】 [実施例7] 図13に、本例の携帯型保水ゲル材〔A(A8)〕の図2相当図を示す。同図にお ける保水ゲル〔2(2b)〕は、実施例6のゲル組成物に対して、さらに、尿素結晶( s)を2重量%の割合で添加混合して調製したものである。
【0086】 本例の携帯型保水ゲル材(A8)の保水ゲル(2b)は、ゲル内に尿素結晶(s)が含有 されているので、吸熱作用が加わりさらに保冷能が増大したものであった。なお 、説明は省略するが、尿素結晶に代えて他の吸熱作用を奏する化合物例えば硝酸 ナトリウム結晶等を用いても良い。
【0087】 [実施例8] 図14に、本例の携帯型保水ゲル材〔A(A9)〕の図2相当図を示す。同図にお ける保水ゲル〔2(2c)〕は、実施例7のゲル組成物に対して、さらに、下記のよ うにして色分けしたペレット状の吸水性ポリマ(v)を添加した。
【0088】 すなわち、ペレット状の吸水性ポリマ粒子〔アクアキープ(住友精化)〕(v) を3つのグループに分け、赤色2号、青色1号、黄色4号の各染料を用いてそれ ぞれ赤(v1)、青(v2)、黄(v3)の3色に色分けした。そして、これらに対して、そ れぞれ順に薬理活性物質:アクリノール、水溶性アズレン、グリチルリチン酸ジ カリウムの各1%水溶液をそれぞれ十分に吸収させた。
【0089】 以上のように構成された携帯型保水ゲル材(A9)において、取出された保水ゲル (2c)では、各色の吸水性ポリマ粒子(v1)(v2)(v3)にそれぞれ担持されている薬理 活性物質が徐々にゲル内に溶けだして層内を拡散移動し、ゲル表面に供給される こととなり、これらの薬効が期待できるものであった。
【0090】 なお、上記3つの薬理活性物質のうち、例えば1つ又はそれ以上を香料やその 他の水溶性物質に代えて持ち込んでも良い。
【0091】 さらには、上記ペレット状の吸水性ポリマ粒子(v)を、吸水性ポリマ繊維(図 示せず)に変更しても同様である。
【0092】 [実施例9〜11] 以下、実施例1と同様な構成の携帯型保水ゲル材において、保水ゲルをゲル分 層の積層体からなる構成に変更する例について述べる。なお、実施例1と同一の 部材については同一の番号を付し、これらについての説明は省略する。また、こ れらの実施例9〜11における容器充填型ゲル材について、それぞれ実施例2〜 5のように変更することは当然可能であるが、これらについては説明及び図を省 略する。
【0093】 [実施例9] 図15に、本例の携帯型保水ゲル材〔A(A10)〕の図2相当図を示す。同図にお ける保水ゲル〔2(2d)〕は、2つのゲル分層(21)(22)の積層体からなるもので、 ゲル分層(21)は実施例6と同様なゲル組成物から構成されており、ゲル分層(22) は実施例7と同一のゲル組成物から構成されているものである。
【0094】 このようにゲル分層(21)では繊維(f)群の混入により水分の放散が促されてお り、ゲル分層(22)では尿素結晶(s)の混在により吸熱作用が加わるので、積層に よる含水量の増加に基づく保冷・保湿能の拡大に加え、ゲル組成物に添加される 異なる物質の性質がそれぞれ発揮される多機能な保水ゲルを提供することが可能 である。
【0095】 [実施例10] 図16に、本例の携帯型保水ゲル材〔A(A11)〕の図2相当図を示す。同図にお ける保水ゲル〔2(2e)〕は、実施例9と同様な2つのゲル分層(21)(22)の積層体 からなり、かつ、積層面に網状シート(n1)が介設されているものである。
【0096】 上記網状シート(n1)は、ポリエステル繊維とレーヨン繊維とを1:1で絡合した 混合繊維からなる粗い網目を有する不織布から構成されている。
【0097】 以上の携帯型保水ゲル材(A11)では、取出された保水ゲル(2e)は実施例9と同 様な作用を奏する上、網状シート(n1)による補強効果も加わって各ゲル分層(21) (22)を厚くできるので、含水量をさらに増大でき、ひいては保冷・保湿能を著し く増大できるものであった。
【0098】 なお、説明及び図は省略するが、上記網状シート(n1)に、前記した尿素結晶、 薬理活性物質等を担持させて用いてもよいことはいうまでもない。
【0099】 [実施例11] 図17に、本例の携帯型保水ゲル材〔A(A12)〕の図2相当図を示す。同図にお ける保水ゲル〔2(2f)〕は、実施例10と同様な2つのゲル分層(21)(22)の積層 体からなり、かつ、積層面に多孔質シート(n2)が介設されているものである。
【0100】 上記多孔質シート(n2)は、連続気泡よりなるポリウレタンフォームにて構成さ れたものであり、連続気泡中に尿素結晶(図示せず)が含有されている。 従って、本例の携帯型保水ゲル材(A12)は、実施例10と同様の作用を奏する上 に、多孔質シート(n2)により持ち込まれる尿素結晶に基づく吸熱作用がさらに加 わるので、冷却能が飛躍的に増大するものであった。
【0101】 なお、多孔質シート(n2)には、尿素結晶に代えてまたはこれと共に薬理活性物 質が含有されるものであっても良い。
【0102】
【考案の効果】
本願『請求項1』に係る考案によれば、水溶性高分子及び水からなる保水ゲル は、容器本体の凹部に充填されてゲル化されるので、この凹部の深さに相当する 厚さに簡単に形成でき、凹部の深さを調節することにより所望の厚さのものを構 成できるので、保冷・保湿能や持続時間を飛躍的に増大させることができる。
【0103】 また、上記保水ゲルには支持シートが係着されていて、かつ、支持シートの外 縁部が容器本体の鍔部に接着していないので、ここをもって簡単にゲルを容器本 体から取出すことができ、使用が簡単となる。
【0104】 本願『請求項2』に係る考案によれば、上記請求項1に係るゲル材と同様の作 用を奏する上に、全体が袋体に開封可能に密封されるので、製造時の含水量を長 期に渡って保持でき、用事においては簡単に取出せると共に、携帯性、流通性に 富むものとなる。
【0105】 本願『請求項3』に係る考案によれば、上記請求項1に係るゲル材と同様の作 用を奏する上に、剥製性フィルムにより製造時の含水量は長期に渡って保持でき 、用事においては簡単に使用できるので、携帯性、流通性、使用性に富むと共に 、このゲル材自体を非常にコンパクトな形態で提供できるものとなる。
【0106】 本願『請求項4』に係る考案によれば、保水ゲルの取出に際して支持シートを 掴みやすくしたり、剥離性フィルムを設ける工程を非常にスムースにさせるもの である。
【0107】 本願『請求項5』に係る考案によれば、支持シートは保水ゲルにしっかりと係 着でき、取出の際にゲルの一部が剥がれたり、取り残されたり、千切れたりする ことがない。
【0108】 本願『請求項6』に係る考案によれば、支持シートは透湿性のものなので、貼 付対象部位に貼付した後も水分の放散を妨げなく、また、絆創膏等との接着も良 好であるので、貼付部位に簡単に固定することができる。
【0109】 本願『請求項7』に係る考案によれば、支持シートを係着したままの状態で、 携帯・流通させることが可能となる。
【0110】 本願『請求項8』に係る考案によれば、従来のものに比して含水量を多くでき 、保冷・保湿能に優れるものを提供できる。
【0111】 本願『請求項9』に係る考案によれば、繊維の存在により、ゲルを補強でき、 ゲル内の水分の移動をし易くさせ、さらにゲル表面からの水分等の放散を促進さ せるので、保冷・保湿能と形態保持性が格段に良好となる。
【0112】 本願『請求項10』に係る考案によれば、含水量を増やせると共に、補強及び 多の物質を吸収担持できて多機能化がはかれる。
【0113】 本願『請求項11』に係る考案によれば、吸熱作用を奏して保冷能を増大させ ることができる。
【0114】 本願『請求項12』に係る考案によれば、各ゲル分層でそれぞれの異なる機能 を有することが可能となると共に、ゲル量を増やして全体の含水量も非常に大き くすることができる。
【0115】 本願『請求項13』に係る考案によれば、網状シートや多孔質シートにも水や 各種の薬剤を担持してゲルに持ち込むことができる。その上、ゲルを補強するこ ともできる。
【0116】 本願『請求項14』に係る考案によれば、多機能化が図れるとともに、各機能 の発揮時期も調節可能となる。
【0117】 本考案の携帯型保水ゲル材は、上記のこと故に、(1)発熱時の人体保冷のため の医療用冷却パッド、(2)鮮魚・飲料水・アルコール類等の輸送時の冷却・保護 のための冷却包装材、(3)チョコレートの輸送時に溶融防止を目的とした冷却シ ート、(4)スポーツ後の筋肉冷却及び日焼け後のスキンケア等のパッド、(5)乾燥 性皮膚に対する水分補給用の保護パッド、(6)消炎、鎮痛剤をさらに添加したパ ップ材等、の保冷・保湿作用を利用するものや、(7)温灸等の保温媒体、(8)有効 成分の徐放的補給媒体など、各種の用途に優れた効果を発揮・持続することがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の携帯型保水ゲル材の第1例の斜視図
【図2】図1のz−z線断面概略拡大図
【図3】図1のゲル材からの保水ゲルの取出しを説明す
る斜視図
【図4】図1のゲル材から取出された状態の支持シート
付保水ゲルの斜視図
【図5】本考案の携帯型保水ゲル材の第2例の図2相当
【図6】保水ゲルと係着している支持シートから非通気
性フィルムを剥離する過程の要部側面概略図
【図7】本考案の携帯型保水ゲル材の第3例の斜視図
【図8】本考案の携帯型保水ゲル材の第4例において剥
離性フィルムを剥離する過程の斜視図
【図9】図8のz−z線断面概略拡大図
【図10】本考案の携帯型保水ゲル材の第4例の変形例
の図9相当図
【図11】本考案の携帯型保水ゲル材の第4例の他の変
形例の図9相当図
【図12】本考案の携帯型保水ゲル材の第5例の図2相
当図
【図13】本考案の携帯型保水ゲル材の第6例の図2相
当図
【図14】本考案の携帯型保水ゲル材の第7例の図2相
当図
【図15】本考案の携帯型保水ゲル材の第8例の図2相
当図
【図16】本考案の携帯型保水ゲル材の第9例の図2相
当図
【図17】本考案の携帯型保水ゲル材の第10例の図2
相当図
【符号の説明】 〔A〕(A1)〜(A10)…保水ゲル材 (1)…容器本体 〔2〕(2a)(2b)(2c)(2d)…保水ゲル 〔3〕(3a)(3b)…支持シート (3a2)…非通気性フィルム (4)…袋体 (5)…剥離性フィルム (11)…凹部 (12)…鍔部 (21)(22)…ゲル分層 (f)…繊維群 (n1)(n2)…網状シート材 (s)…尿素結晶 (v)…ペレット状の吸水性ポリマ粒子

Claims (14)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部及び該凹部開口周囲に張り出
    す鍔部を有する容器本体と、水溶性高分子及び水からな
    るゲル組成物が上記凹部に充填されてゲル化された保水
    ゲルと、充填された上記ゲル組成物のゲル化が完了する
    前に上記容器本体の凹部及び鍔部の少なくとも凹部開口
    周縁部に被さる大きさで上記凹部を被覆すると共に上記
    ゲル組成物と係着する支持シートとからなる携帯型保水
    ゲル材。
  2. 【請求項2】 凹部及び該凹部開口周囲に張り出
    す鍔部を有する容器本体と、水溶性高分子及び水からな
    るゲル組成物が上記凹部に充填されてゲル化された保水
    ゲルと、充填された上記ゲル組成物のゲル化が完了する
    前に上記容器本体の凹部及び鍔部の少なくとも凹部開口
    周縁部に被さる大きさで上記凹部を被覆すると共に上記
    ゲル組成物と係着する支持シートと、これら全体を開封
    可能に密封する袋体とからなる携帯型保水ゲル材。
  3. 【請求項3】 凹部及び該凹部開口周囲に張り出
    す鍔部を有する容器本体と、水溶性高分子及び水からな
    るゲル組成物が上記凹部に充填されてゲル化された保水
    ゲルと、充填された上記ゲル組成物のゲル化が完了する
    前に上記容器本体の凹部及び鍔部の少なくとも凹部開口
    周縁部に被さる大きさで上記凹部を被覆すると共に上記
    ゲル組成物と係着する支持シートと、前記容器本体の鍔
    部周囲に剥離可能に接着されかつ上記支持シートを介し
    て該容器本体の凹部を密封する剥離性フィルムとからな
    る携帯型保水ゲル材。
  4. 【請求項4】 容器本体の鍔部が、支持シートが
    被さる凹部開口周縁部と、その外周部とが段差を有する
    よう構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の携
    帯型保水ゲル材。
  5. 【請求項5】 支持シートは、少なくとも保水ゲ
    ルとの係着面が、該ゲルにアンカー効果を有する材質に
    て形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の携帯
    型保水ゲル材。
  6. 【請求項6】 アンカー効果を有する材質が不織
    布である請求項5記載の携帯型保水ゲル材。
  7. 【請求項7】 支持シートは、少なくとも保水ゲ
    ルとの係着面の反対側が非通気性に形成されている請求
    項6記載の携帯型保水ゲル材。
  8. 【請求項8】 保水ゲルが、水を30重量%以上
    含有してなる請求項1〜7のいずれかに記載の携帯型保
    水ゲル材。
  9. 【請求項9】 保水ゲル内に、少なくとも表面が
    親水性を有する繊維及び繊維状吸水性ポリマのうちの少
    なくともいずれかがゲル表面に露出する部分を有して分
    散保持されてなる請求項1〜8のいずれかに記載の携帯
    型保水ゲル材。
  10. 【請求項10】 保水ゲル内に、粒子状吸水性ポリ
    マが分散保持されてなる請求項9記載の携帯型保水ゲル
    材。
  11. 【請求項11】 保水ゲル内に、水に吸熱的に溶解
    しうる化合物、薬理活性物質、低級アルコールからなる
    群から選択される少なくとも1種が含有されてなる請求
    項1〜10のいずれかに記載の携帯型保水ゲル材。
  12. 【請求項12】 保水ゲルが、水溶性高分子及び水
    からなるゲル組成物を数回に分けて充填することにより
    ゲル分層の積層体に構成されている請求項1〜3のいず
    れかに記載の携帯型保水ゲル材。
  13. 【請求項13】 ゲル分層が網状シート又は多孔質
    シートのいずれかを介して積層されている請求項12記
    載の携帯型保水ゲル材。
  14. 【請求項14】 各ゲル分層には、少なくとも表面
    が親水性を有する繊維、吸水性ポリマ、水に吸熱的に溶
    解しうる化合物、薬理活性物質、低級アルコールからな
    る群から選択される少なくとも1種の物質が含有され、
    これら各ゲル分層は同一又は異なった構成である請求項
    12又は13に記載の携帯型保水ゲル材。
JP2001000968U 2001-02-27 2001-02-27 携帯型保水ゲル材 Expired - Lifetime JP3079869U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001000968U JP3079869U (ja) 2001-02-27 2001-02-27 携帯型保水ゲル材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001000968U JP3079869U (ja) 2001-02-27 2001-02-27 携帯型保水ゲル材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3079869U true JP3079869U (ja) 2001-08-31

Family

ID=43212724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001000968U Expired - Lifetime JP3079869U (ja) 2001-02-27 2001-02-27 携帯型保水ゲル材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3079869U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003116903A (ja) * 2001-10-18 2003-04-22 Daiya Seiyaku Kk ゲル組成物の充填装置および充填方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003116903A (ja) * 2001-10-18 2003-04-22 Daiya Seiyaku Kk ゲル組成物の充填装置および充填方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3525876B2 (ja) 水蒸気発生体
JP4527724B2 (ja) 発熱体及び型成形発熱体用包材
EP3178453A1 (en) Self-heating insulating film and face mask and eye mask manufactured therefrom
JPWO2006006652A1 (ja) 発熱体
SK89899A3 (en) Disposable elastic thermal back wrap and method for treatment of back pain
JP2017523850A5 (ja)
JP2002512539A (ja) 使い捨て式温熱首包装体
JPWO2006006662A1 (ja) 発熱体
JP2006306828A (ja) シート状パック化粧料及びパック化粧料用キット
JP2001507593A (ja) 使い捨て式温熱ボデーパッド
US6602592B2 (en) Moisture-retentive cooling gel, moisture-retentive cooling gel laminate, and moisture-retentive cooling plaster
JPWO2006006653A1 (ja) マイクロヒーター及びその製造方法
JP2004512141A (ja) シート形状発熱体及びその製造方法
WO2006006663A1 (ja) 温灸器
JP2009035723A (ja) 発熱体の製造方法及び発熱体
JP2002253596A (ja) 携帯型保水ゲル材
JP2001238906A (ja) 発熱体組成物、発熱体及びその製造方法
JP2002514104A (ja) 多数の個別の熱セルを有する熱パック
JP3079869U (ja) 携帯型保水ゲル材
JP2009034482A (ja) 発熱体及び発熱体の製造方法
JP2009082156A (ja) 発熱体及び発熱体包装物
JP2002345880A (ja) 携帯型機能性保水ゲル材
JP2007186626A (ja) 成形性含余剰水発熱組成物、発熱体及びその製造方法
JP3082216U (ja) 携帯型機能性保水ゲル材
JP3706751B2 (ja) 保冷・保湿用ゲル及び保冷・保湿用ゲル積層体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term