JP3079825B2 - 電子計算機装置 - Google Patents

電子計算機装置

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JP3079825B2
JP3079825B2 JP05011222A JP1122293A JP3079825B2 JP 3079825 B2 JP3079825 B2 JP 3079825B2 JP 05011222 A JP05011222 A JP 05011222A JP 1122293 A JP1122293 A JP 1122293A JP 3079825 B2 JP3079825 B2 JP 3079825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複数のタスクを実行す
る電子計算機装置であって、タスク切換えを行う手段を
備えた電子計算機装置およびタスク切換えを行う手段の
作成が可能な電子計算機装置に関する。なお以下各図に
おいて同一の符号は同一もしくは相当部分を示す。
【0002】
【従来の技術】従来のタスク切換え(1つのタスクに着
目すれば、そのタスクの開始または再開)は、OS(オ
ペレーティングシステム)によって、主に以下のイベン
トをきっかけにして行われていた。 実行中のタスクのCPU連続使用時間が一定時間を越
えた。
【0003】実行中のタスクから他のタスクへメー
ル、イベントフラグ、セマフォ等の形で通知が行われ
た。 外部機器からなんらかの通知が行われた。 実行中のタスクが外部機器へなんらかの通知を行っ
た。 内部で持つタイマが特定の値となった。
【0004】このようなイベントをOSが検出すると、
OSは現在実行中のタスクを中断し、イベントの結果を
含めて、各タスクが実行可能かどうかを判定し、実行可
能なタスクの中から何らかの基準(優先順位の高いタス
ク等)で次に実行するタスクを決定し、そのタスクの実
行を開始あるいは再開していた。また、タスク間の連絡
手段である上記イベントのメール,イベントフラグ,
セマフォ等は、タスクの実行手順を作成する段階で、通
知するタスクと通知されるタスクが決定され、作り込ま
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来では、
タスク間の連絡手段が実行手順の作成時に作り込まれて
いたため、システムの設計変更等でタスクの追加や削除
を行おうとした場合、そのタスクを加え、あるいは除い
てシステムを作り直すだけではなく、そのタスクと連絡
を行っていたタスクの実行手順にも修正を施す必要があ
った。例えば、メールを受けていたタスクを削除する場
合は、そのメールを送信するタスクにメールを送信しな
いような修正を行う、といったことである。
【0006】そこで本発明は、このような追加や削除が
行われても、他のタスクを修正しないで済むようなタス
ク切換え手段を備えた電子計算機装置を提供することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1の電子計算機装置は、複数のタスクが存
在する電子計算機装置において、各タスクから読込み、
書込み、あるいはその両方が可能な値(以下これらを状
態値と呼ぶ)を保持する第1の記憶手段(状態値記憶手
段11など)と、タスク別に、そのタスクの前回の動作
開始時における状態値の一部または全部についてのコピ
ーを保持する第2の記憶手段(タスク別前回開始時状態
値記憶手段12など)と、タスク別に、第1の記憶手段
のどの状態値と第2の記憶手段のどの状態値を比較する
かを示すデータを保持する第3の記憶手段(タスク別比
較対象状態値アドレス記憶手段13など)と、各タスク
から第1の記憶手段の状態値を変更する変更手段(状態
値変更手段14など)と、第1の記憶手段の状態値と第
2の記憶手段の状態値を第3の記憶手段のデータにした
がってタスクごとに比較し、状態値の変化を検出してタ
スクの動作を開始させる条件が整ったことを判別する検
出手段(開始条件検出手段15など)と、開始条件が整
ったタスクの動作を開始あるいは再開させる開始手段
(タスク動作開始手段16など)とを備えたものとす
る。
【0008】また請求項2の電子計算機装置は、請求項
1に記載の電子計算機装置において、タスクの実行手順
と、そのタスクの動作開始時に保持すべき状態値の一部
または全部の名称を、タスクごとに編集可能な形で保持
する第4の記憶手段(21など)と、タスクとそのタス
クについての第4の記憶手段がどこにあるかのデータを
保持する第5の記憶手段(22など)と、第4の記憶手
段の内容を、実行手順と状態値の名称に分離し、状態値
の名称にタスクを一意に特定できる情報を第5の記憶手
段の内容から付加し、第2の記憶手段および第3の記憶
手段の内容を作成する手段(23など)とを備えたもの
とする。
【0009】
【作用】
1)請求項1に関わる発明について:タスクを切換える
ためのイベントとして、状態の値の変化の検出を用い
る。また、検出に必要な状態値をタスクごとに定義さ
せ、そこからタスク切換え手段へ組み込むコードを作成
する。なおここで状態値は例えばタスクの出力結果、I
/Oインタフェースとの入出力データ、タイマデータ等
からなる。
【0010】即ちタスクの動作開始時に状態が示した値
を保持しておき、タスクが停止した後、その値と各時点
の状態の値を比較し、値が変化した場合、タスクを実行
可能状態とする。つまり、タスク切換え手段にタスク切
換えのきっかけとして、状態値の変化を加える。このよ
うにすると、タスクを追加する場合は、そのタスクを動
作開始する時の値を用意し、その値をタスク切換え手段
に渡せばよい。他のタスクの修正は必要ない。また、タ
スクを削除しようとする場合も、タスク切換え手段から
そのタスクに関する状態値を取り除き、状態値の変化の
検出の対象外とすればよく、他のタスクの修正は必要な
い。
【0011】2)請求項2に関わる発明について:一
方、比較を行う状態値の名称を実行手順と共に編集単位
(タスク単位)で保持し、システムを構成する際、それ
らの名称をシステム構成に使用される編集単位から取り
出し、タスク切換え手段で使用できるようにする。この
ようにすると、実行時のタスク間の連絡を実行手順上で
意識する必要はなく、タスク間の連絡をシステム作成時
に作り込むことができる。
【0012】
【実施例】先ず図1ないし図17に基づいて請求項1に
関わる発明の実施例(便宜上第1の実行例ともいう)を
説明する。図1は本発明の一実施例としての小規模マル
チタスクシステムのハードウェア構成を示すブロック
図、図2は同じくソフトウェア構成を示すブロック図で
ある。図1において1はCPU、2はバス、3はRO
M、4はRAMである。また11〜16は本発明を構成
する主要手段であり、11はRAM4内において、各タ
スクからの読込みあるいはこの読込みおよび書込の両方
が可能な状態値を保持する状態値記憶手段、12は同じ
くRAM4内において、タスク別にそのタスクの前回の
動作開始時における状態値の一部または全部についての
コピーを保持するタスク別前回開始時状態値記憶手段、
13はROM3内においてタスク別に上記の状態値記憶
手段11と12のどの状態値を比較するかのアドレスデ
ータを保持するタスク別比較対象状態値アドレス記憶手
段である。
【0013】また14〜16はROM3内に格納されて
いるOS部分のプログラムによって実現される手段であ
り、14は各タスクから状態値記憶手段11内の状態値
を変更する状態値変更手段、15は前記状態値記憶手段
11と12の状態値を状態値アドレス記憶手段13に従
ってタスク毎に比較し、状態値の変化を検出してタスク
の動作を開始させる条件が整ったことを判別する開始条
件検出手段、16は開始条件が整ったタスクの動作を開
始あるいは再開させるタスク動作開始手段である。
【0014】なおこの実施例では図2に示すようにOS
によって起動(または再開)されるタスクはタスクA,
タスクB,タスクCの3つである場合を考える。ただし
タスクの役割は規定しない。これは、本発明がタスクの
役割に左右されないためである。図3は図1の各手段の
動作説明用のブロック図である。本発明の動作を示すに
は、システムの一部を示すだけで十分であるので、以下
では説明に必要な部分のみを示している。状態値記憶手
段11は通常、タスクの出力結果(例えば集計結果)を
I/Oインタフェースとの入出力データ(例えばファイ
ルの読込データ)、タイマデータなどの状態値で構成さ
れる。本発明はこれら状態値の意味には左右されないの
で、以下で示す状態値の意味は特に規定しない。以下の
説明には状態値記憶手段11のデータとして、2個のデ
ータ(イ),(ロ)を用いる(以下このデータを状態デ
ータと呼ぶ)。これらの状態データ(イ),(ロ)は各
タスクに共通のデータであり、タスクの実行につれて値
が変化する。状態データ(イ),(ロ)共1ワードの大
きさを持つものとする。
【0015】タスク別前回開始時状態値記憶手段12は
記憶手段11の状態データの値のコピーを、開始条件検
出手段15で必要とする分だけ保持する。以下の説明に
はこの記憶手段12のデータとして、3個のデータ
(リ),(ル),(ヲ)を用いる(以下このデータを前
回データと呼ぶ)。前回データ(リ),(ル)は状態デ
ータ(イ)の値のコピーを保持するデータであり前回デ
ータ(ヲ)は状態データ(ロ)の値のコピーを保持する
データである。そしてこの例では前回データ(リ)はタ
スクBに関するデータであり、前回データ(ル),
(ヲ)はタスクCに関するデータであるものとする。
【0016】タスク別比較対象状態値アドレス記憶手段
13は開始条件検出手段15で比較を行う状態値記憶手
段11の状態データとタスク別前回開始時状態値記憶手
段12の前回データを求めるために使用するデータを保
持する記憶手段である。以下の説明にはデータ(ハ),
(ニ),(チ)を用いる。その構造は図4で示すように
なっている。データ(ハ),(ニ)はタスク番号d1で
示されたタスクが実行可能状態に移るために、どの状態
の値が変化すればよいかを示すデータ(以下開始条件デ
ータと呼ぶ)であり、データ(チ)は開始条件データ
(ハ),(ニ)のようなデータがどこに、何個あるかを
示すデータである(以下条件リストデータと呼ぶ)。な
お図4の中のヌルアドレスd4,d6とは、データがな
いと規定されているアドレスの値である。そしてこの例
では開始条件データ(ハ)はタスクBに関するデータで
あり、開始条件データ(ニ)はタスクCに関するデータ
であるものとする。
【0017】状態値変更手段14は通常、サブルーチン
コールあるいは割込みとして実現する。説明ではサブル
ーチンコールの一種である、OSに対して要求を行うS
VC(スーパバイザコール)の形で実現されていると考
える。この変更手段14のSVCは記憶手段11の状態
データの値を変更し、SVCを行ったタスクをそのまま
停止状態に移す役割を持っている。このSVCは呼び出
された時、レジスタの1つに図5で示すデータ(以下変
更指示データと呼ぶ)のアドレスを持つ。記憶手段11
の状態データの値の変更はこの変更指示データを基に行
う。状態値変更手段14が記憶手段11の状態データの
値を変更する際のフローを図6に示す。
【0018】開始条件検出手段15は記憶手段13を用
いて、記憶手段11と記憶手段12のデータをタスクご
とに比較し、両者の間に違いがあれば、そのタスクを実
行可能状態に変更すべきであることを記録する。データ
(ト)は状態値の変化が検出されたことにより、タスク
を実行可能状態に変更すべきことを示すデータである。
その構造はタスクを実行可能状態に変更すべきか、そう
でないかを示せればよいので、ここでは1タスクにつき
1ビットを割りつけた構造としている。検出手段15の
フローを図7に、データ(ト)の構造を図8に示す。
【0019】タスク動作開始手段16はデータ(ト)を
もとに、実行可能状態にすべきタスクを実行可能状態に
する役割を持つ。実行可能状態にしたタスクに関して
は、記憶手段13用いて、記憶手段12の前回データに
記憶手段11の状態データの値をコピーする。そのフロ
ーを図9,10に示す。タスクを実行可能状態にする、
とはOSの内部に持つタスクの状態を示すデータを特定
の値に書き換えることである。
【0020】状態値変更手段14からタスク動作開始手
段16までのOSの動作フローを図11に示す。以下、
本発明の下でタスクAが状態値変更手段14のSVCを
発行してから、タスクCが実行準備状態になるまでを説
明する。まず、状態データ(イ),(ロ)のアドレスの
値を夫々1000,1002とし、またその値を0,0
とする。前回データ(リ),(ル),(ヲ)のアドレス
の値を夫々1500,1502,1504とし、またそ
の値を0,0,0とする。開始条件データ(ハ),
(ニ)のアドレスの値を夫々2000,2008とす
る。また、タスクA,B,Cは夫々タスク番号として
1,2,3を持つ。ヌルアドレスとしては0000を定
義する。
【0021】タスクAがその動作を行い、状態データ
(ロ)の値を1にすることとなったと考える。そこで、
タスクAは状態データ(ロ)が記憶手段11にあること
から、変更手段14を使って、状態データ(ロ)の書き
換えを行う。この時、SVCのレジスタで示されるアド
レスのデータは図12のようになる。SVCの発行によ
り、CPUの制御はOSに移る。ここでは、変更手段1
4の動作が図6の手順に従って開始される。
【0022】即ち変更手段14では前記レジスタで示さ
れるアドレスのデータ=変更指示データ(図12のデー
タ)に従い、まず最初のデータ1002を書き換えるデ
ータのアドレスとして読込む(図6,)。次に書き換
える値として1を読込み(図6,)、アドレス=10
02の値を1に変更する(図6,)。このようにし
て、状態データ(ロ)が1に書き換えられる。次にまた
書き換えるデータのアドレスとして0000を読み込
む。しかし、この値はヌルアドレスであるため、図6の
手順を終了し、検出手段15を呼び出す。検出手段15
は図7の手順に従い記憶手段13のデータを使って、記
憶手段11の状態データ(イ),(ロ)の値と記憶手段
12の前回データ(リ),(ル),(ヲ)の値を調べて
いく。検出手段15の動作開始時点のデータ(イ),
(ロ),(リ),(ル),(オ),(ハ),(ニ)の各
データの内容を図13〜17に示す。
【0023】まず、準備作業として、実行可能となった
タスクがあるかどうかを示すデータ(ト)を、どのタス
クについても実行可能でないように初期化(すべてのビ
ットを0に)する(図7,)。図17に示す条件リス
トデータ(チ)の先頭データが示す開始条件データとし
て、アドレス=2000、つまり開始条件データ(ハ)
を取り出す(図7,)。次に図15に示す開始条件デ
ータ(ハ)の先頭データをタスクを示す値として読み込
む(図7,)。この値はタスク番号と同じ番号とす
る。この場合、2であるからタスクBを示している。次
に、比較する状態データのアドレスとして1000を読
み込む(図7,)。さらに前回データのアドレスとし
て1500を読み込む(図7,)。そして、図13の
アドレス1000で示される状態データ(イ)の値0
と、図14のアドレス1500で示される前回データ
(リ)の値0を比較する(図7,)。この場合、値が
変化していないのでさらに他の値が変化していないか調
べる必要がある。そこでさらに比較する状態データのア
ドレスとして図15の次のアドレス値である0000を
読み込む。するとこれはヌルアドレスであるため、検出
手段15はこれ以上、開始条件データ(ハ)に関してデ
ータの比較を行わず、次の開始条件データである開始条
件データ(ニ)についての比較に移る。
【0024】図16に示す開始条件データ(ニ)は図1
7の条件リストデータ(チ)から次の開始条件データと
して取り出される。開始条件データ(ニ)についても開
始条件データ(ハ)と同様にタスクCを示す値3を読み
込んだ後、比較する図13の状態データのアドレスとし
て1000を読み込み、図14の前回データのアドレス
として1502を読み込む。そして、アドレス1000
で示される状態データ(イ)の値0と、アドレス150
2で示される前回データ(ル)の値0を比較する。この
場合も値が変化していないので次の値を調べる。そこで
また比較する状態データのアドレスとして図16の次の
アドレス値である1002を読み込み、前回データのア
ドレスとして1504を読み込む。この場合図13のア
ドレス1002で示される状態データ(ロ)の値1と、
図14のアドレス1504で示される前回データ(ヲ)
の値0が異なるため、変化したこととなり、タスクの起
動条件が満たされたこととなる。そこでこのタスクにつ
いて、データ(ト)にタスクCの起動条件が満たされた
ことを記録する(図7,)。ここでは、データ(ト)
は図8に示すようにタスクの番号を添え字とするビット
配列で表されている。したがって、タスクCのタスク番
号である3のビットを1にする。
【0025】次に図17の条件リストデータ(チ)から
次の開始条件データを取り出すが、これがヌルアドレス
であることから、検出手段15が比較すべきデータが終
了したことがわかる。検出手段15は以上の作業を終了
すると、開始手段16を呼び出す。開始手段16は図9
の手順に従い検出手段15が作成したデータ(ト)のビ
ットを順に調べ、ビットが立っていれば対応するタスク
の実行可能条件が満たされたと判断し、OSの管理テー
ブルにあるタスク状態を示すデータを、実行可能状態を
示すように書き換える。OSの管理テーブルの構成やタ
スク状態等については、一般に知られているのでここで
は述べない。
【0026】開始手段16はさらに実行可能条件が満た
されたタスクに対しては、図10の手順に従いこの時の
状態の値を記憶手段12にそのタスクの実行可能条件を
示す状態値データ(タスクCであれば前回データ
(ル),(ヲ)である)としてコピーする。そのため
に、条件リストデータ(チ)からまず開始条件データ
(ハ)のアドレスを取り出す(図10,)。開始条件
データ(ハ)の先頭データはタスク番号であるので、こ
の値が今実行可能状態にしたタスクの番号か調べる(図
10,)。ここでは違うので、次の条件リストデータ
(チ)から開始条件データ(ニ)のアドレスを読み込
む。同様にタスク番号を読み込むと、今実行可能状態に
したタスクの番号であるので、開始条件データ(ニ)が
示す前回データの値を今の状態の値に変更する。開始条
件データ(ニ)の次のデータを取り出す(図10,)
と、状態データ(イ)のアドレスであるので、このアド
レスをもとに状態データ(イ)の値を、開始条件データ
(ニ)の次のアドレスが示す前回データ(ル)に書込む
(図10,,)。同様に状態データ(ロ)について
も値を前回データ(ヲ)にコピーする。次に開始条件デ
ータ(ニ)から読み込まれるデータはヌルアドレスなの
で、状態の値のコピーを終了する。
【0027】以上をデータ(ト)のすべてのビット(タ
スク分だけ)で繰り返す。この例では他にタスクがない
ため、開始手段16はこれで図10の手順を終了する。
以上でタスクCが実行可能状態に変化したことになる。
次に図18ないし図28に基づいて請求項2に関わる発
明の実施例(便宜上第2の実施例ともいう)を説明す
る。ここでは、図8に示すようなパソコンシステムを考
える。ここで5はパソコンシステムのCPU、6は補助
記憶装置、7はCRT付のキーボードである。
【0028】図19は図18のシステムにおいて本発明
に関わる主要な手段の動作説明用のブロック図である。
図19の記憶手段21と記憶手段22は、補助記憶装置
6上のテキストファイルとして実現され、第1の実施例
で述べた記憶手段12,13の内容を作成する作成手段
23は、パソコンのCPU上の実行プログラムとして実
現されている。
【0029】記憶手段21であるテキストファイルは図
20で示すように大きく2領域に別れ、1つはコメント
(実行手順ではなく)ととして記述され、もう一方は実
行手順となっている(以下このテキストファイルをソー
スファイルと呼ぶ)。状態値の変化が開始条件となる状
態データの名称はコメント部に書かれている。名称は
「AT」をキーワードとして記述する。図20の「比較
するデータ名」に付けられている箱は、単語を示してい
る。実行手順のほうは、言語はC言語で記述している。
このようなテキストファイルはタスクごとにある。
【0030】記憶手段22は記憶手段21と同様にテキ
ストファイルで図21に示すようなフォーマットで記述
されている(以下このテキストファイルを構成ファイル
と呼ぶ)。この構成ファイルは各タスクについて、記憶
手段21であるソースファイルの識別子(通常のOSで
はファイル名)を示すものである。作成手段23は、記
憶手段21であるソースファイルと記憶手段22である
構成ファイルを入力とし、図22に示すようなデータ定
義ファイルを作成する。このデータ定義ファイルは第1
の実施例の記憶手段12および記憶手段13の内容、つ
まり第1の実施例の検出手段15が使用するデータ
(ハ),(ニ),(リ),(ル),(ヲ),(チ)を定
義している。ここで図22(A)はデータ(ハ),
(ニ)に定義し、図22(B)はデータ(リ),
(ル),(ヲ)を定義し、図22(C)はデータ(チ)
を定義している。この図22のデータ定義ファイルをコ
ンパイル・リンク等してシステムを構築すると第1の実
施例の図13〜17で示したデータとなる。図23,2
4は作成手段23の動作フローを示す。
【0031】以下作成手段23が本発明の下で図25に
示す記憶手段21であるソースファイルと記憶手段22
である構成ファイルから図26に示すデータ定義ファイ
ルを作成するまでの動作を図23,24に従って説明す
る。なお図25はタスクAの開始条件と実行手順を示し
た記憶手段21としてのソースファイルである。ここで
はタスクAの記憶手段21であるソースファイルの処理
を例にとる。この図25のファイルのの部分は、値が
変化したなら、このタスクの実行を開始させる状態デー
タを定義している。この部分は、C言語においてはコメ
ント、すなわち対象外とみなされるように記述する。1
つの「AT」に続いて状態データの名称を,必要であれ
ば複数(図25の2〜3行目のように)記述してある。
この例の場合の開始条件は、「データ1」の値が変化し
たか、「データ2」の値が変化した時、である。また図
25のの部分はタスクAの実行手順を示したもので、
C言語の文法で記述されている。このうよな記述が各タ
スクにある。
【0032】作成手順23は、このような記憶手段21
であるソースファイルのの部分だけを以下のように走
査して、図26のような定義ファイルにまとめる。この
定義ファイルはC言語でコンパイル可能な形式である。
作成手段23は作業用データとしてデータ(ワ),
(カ)の2個を使う。それぞれ、状態データの名称のリ
スト、タスクごとの開始条件データの名称のリストを保
持する。ここでいうリストとは各名称が空白でつなげら
れたものである。データ(ワ)の例を図27に、データ
(カ)の例を図28に示す。
【0033】作成手順23はまず記憶手段22の構成フ
ァイルの先頭を読むと、タスクの番号(この場合はタス
クA)を得る(図23,)。次のデータを読み込む
と、このタスクの記憶手段21であるソースファイルの
名称を得る。そこで、タスクAの記憶手段24であるソ
ースファイルを読込む(図23,)。ファイルからデ
ータを読み込む手段は、パソコンのOSでは一般的な手
段であることから、ここでは述べない。
【0034】記憶手段21であるソースファイルを先頭
から1文字ずつ読込むことで、その文字がコメントの文
字か、そうでないかを判定することができることから、
作成手段23は、記憶手段21であるソースファイルを
先頭から読込み、コメント中の「AT」の単語を検索す
る。このような文字列検索の手法は一般的であるため、
ここでは述べない。この例では、2行目に「AT」がみ
つかる。そこで、次の単語を状態データの名称として読
込む。この場合は「データ1」が読込まれる。そしてこ
のデータ名を作業用データ(ワ)に格納する(図23,
)。これを3行目についても行う。この時のデータ
(ワ)の内容を図27に示す。
【0035】次の4行目の単語はコメントの終了記号で
あることから、データ(ワ)のデータにヌルアドレスを
加え、データ定義ファイルに書き出す(図23,)。
これにより図26の,部分が作成される。なお図2
6の状態値の名称であるデータ1、データ2の前にある
「&」はC言語の演算子で、アドレスを示す働きを持っ
ている。データの読込み処理や書き出し処理は、パソコ
ンのOSにおいて一般的な処理であるため、ここでは説
明しない。また、定義したデータの名称(図26での
「タスクA 比較データ」)を作業用データ(カ)に格
納し(図23,)、このタスクの記述ファイルに対す
る処理を終了する。この時のデータ(カ)の内容を図2
8に示す。
【0036】記憶手段22の構成ファイルのデータがま
だ残っている場合は、それぞれのソースファイルに関し
て同様の処理を行う。記憶手段22の構成ファイルのデ
ータが無くなったならば、データ(カ)のデータにヌル
アドレスを加え、データ定義ファイルに書き出す(図2
4、)。これにより図26の部分が作成される。こ
こで作成するフォーマットは図22(C)のものであ
る。この時、定義するデータ名は、第1の実施例の検出
手段15が使用するため、あらかじめ決定したものとす
る。以上の処理で第1の発明の記憶手段12および記憶
手段13の内容を定義するテキストファイルが作成され
る。
【0037】
【発明の効果】請求項1に関わる発明によればタスクの
切り換えのきっかけとなるイベントに「状態の値の変化
の検出」を加えることにしたので、設計変更等によるタ
スクの追加、削除が容易となる。また、請求項2に関わ
る発明によれば比較する状態値の名前をタスクの記述フ
ァイルに記し、その内容をツールを使ってOSに加える
ことにしたので、タスクの記述が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に関わる発明の実施例としてのハード
ウェア構成を示すブロック図
【図2】同じくソフトウェア構成を示すブロック図
【図3】同じく図1の動作説明用のブロック図
【図4】同じく図3の記憶手段13の構成を示す図
【図5】同じく図3の状態値変更手段14に渡す変更指
示データの構成を示す図
【図6】同じく図3の状態値変更手段14の動作手順を
示すフローチャート
【図7】同じく図3の開始条件検出手段15の動作手順
を示すフローチャート
【図8】同じく図3のデータ(ト)の構成を示す図
【図9】同じく図3のタスク動作開始手段16の動作手
順を示すフローチャート
【図10】同じく図9内の状態値をコピーする手順の詳
細フローチャート
【図11】同じく図2のOSの動作手順を示すフローチ
ャート
【図12】同じく図2のタスクAからSVCに渡される
変更指示データの内容を示す図
【図13】同じく図3の状態値変更手段14の実行後の
状態データ(イ),(ロ)の内容を示す図
【図14】同じく図3の前回データ(リ),(ル),
(ヲ)の内容を示す図
【図15】同じく図3のデータ(ハ)の内容を示す図
【図16】同じく図3のデータ(ニ)の内容を示す図
【図17】同じく図3のデータ(チ)の内容を示す図
【図18】請求項2に関わる発明の実施例としてのパソ
コンシステムのブロック図
【図19】同じく主要手段の動作説明用のブロック図
【図20】同じく図19の記憶手段21の構成を示す図
【図21】同じく図19の記憶手段22の構成を示す図
【図22】同じく図19の作成手段23が作成するデー
タ定義ファイルの構成を示す図
【図23】同じく図19の作成手段23の動作手順を示
すフローチャート
【図24】同じく図23に続くフローチャート
【図25】同じく図19の記憶手段21のタスクAの記
述ファイルの内容を示す図
【図26】同じく図19の作成手段23が作成するデー
タ定義ファイルの内容を示す図
【図27】同じく図23のデータ(ワ)の内容を示す図
【図28】同じく図23のデータ(カ)の内容を示す図
【符号の説明】
1 CPU 2 バス 3 ROM 4 RAM 5 CPU 6 補助記憶装置 7 キーワード 11 状態値記憶手段 12 タスク別前回開始時状態値記憶手段 13 タスク別比較対象状態値アドレス記憶手段 14 状態値変更手段 15 開始条件検出手段 16 タスク動作開始手段 21 記憶手段 22 記憶手段 23 作成手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−205231(JP,A) 特開 平2−163827(JP,A) 特開 平3−25624(JP,A) 特開 平3−294924(JP,A) 特開 平5−143301(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 9/46 G06F 9/45 G06F 9/06 G05B 15/02 G05B 19/05 JICSTファイル(JOIS) CSDB(日本国特許庁)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のタスクが存在する電子計算機装置に
    おいて、 各タスクから読込み、書込み、あるいはその両方が可能
    な値(以下これらを状態値と呼ぶ)を保持する第1の記
    憶手段と、 タスク別に、そのタスクの前回の動作開始時における状
    態値の一部または全部についてのコピーを保持する第2
    の記憶手段と、 タスク別に、第1の記憶手段のどの状態値と第2の記憶
    手段のどの状態値を比較するかを示すデータを保持する
    第3の記憶手段と、 各タスクから第1の記憶手段の状態値を変更する変更手
    段と、 第1の記憶手段の状態値と第2の記憶手段の状態値を第
    3の記憶手段のデータにしたがってタスクごとに比較
    し、状態値の変化を検出してタスクの動作を開始させる
    条件が整ったことを判別する検出手段と、 開始条件が整ったタスクの動作を開始あるいは再開させ
    る開始手段とを備えたことを特徴とする電子計算機装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子計算機装置におい
    て、 タスクの実行手順と、そのタスクの動作開始時に保持す
    べき状態値の一部または全部の名称を、タスクごとに編
    集可能な形で保持する第4の記憶手段と、 タスクとそ
    のタスクについての第4の記憶手段がどこにあるかのデ
    ータを保持する第5の記憶手段と、 第4の記憶手段の内容を、実行手順と状態値の名称に分
    離し、状態値の名称にタスクを一意に特定できる情報を
    第5の記憶手段の内容から付加し、第2の記憶手段およ
    び第3の記憶手段の内容を作成する手段とを備えたこと
    を特徴とする電子計算機装置。
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