JP3079599B2 - 半導体集積回路及びその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路及びその製造方法

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JP3079599B2
JP3079599B2 JP03044840A JP4484091A JP3079599B2 JP 3079599 B2 JP3079599 B2 JP 3079599B2 JP 03044840 A JP03044840 A JP 03044840A JP 4484091 A JP4484091 A JP 4484091A JP 3079599 B2 JP3079599 B2 JP 3079599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁ゲート型トランジ
スタで構成された論理セルを備えた半導体集積回路にお
けるトランジスタの配置およびサイズに関し、特にスタ
ンダードセルの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に示すような絶縁ゲート型ト
ランジスタで構成された論理回路を備えた半導体集積回
路のスタンダードセルの構成は、論理セル毎に手作業で
設計されていた。図2の論理回路は、Pチャンネル絶縁
ゲート型トランジスタ(Pch−Tr)101、102
および105、Nチャンネル絶縁ゲート型トランジスタ
(Nch−Tr)111、112および115により、
トランジスタ101、102、111および112を入
力トランジスタとし、トランジスタ105および115
を出力トランジスタとして構成されている。この論理回
路は、入力端子131および132を持つ2入力の回路
であり、Pch−Trの入力トランジスタ101と10
2とが直列に接続されたOR回路で、この回路の出力端
子135は、集積回路内の他のセルにAl配線で接続さ
れる。
【0003】図2に示すような、入力トランジスタが直
列2段に接続されている論理回路のセルを、手作業で設
計した場合は、図2に示したOR回路に限らず図8に示
すような各トランジスタが上下左右に入り組み配置され
ているものが一般的であった。図8は、図2に示したO
R回路のレイアウト図であり、入力および出力トランジ
スタは、電源電位VDDおよび接地電位VSSを供給する電
源配線の間に、入力トランジスタ101、102、11
1および112を内側に、出力トランジスタ105およ
び115を外側に配置されている。Nチャンネル絶縁ゲ
ート型トランジスタ(Nch−Tr)111、112お
よび115はP型のウェルの領域に形成されている。こ
のセルの2つに入力端子131および132は、トラン
ジスタ101、102、111および112のゲート電
極120に接続されている。そして、トランジスタ群1
01〜115、ポリシリコン製のゲート電極120、A
l配線143およびコンタクト145により、OR回路
が構成されており、出力トランジスタ105、115の
ドレインが出力端子135に接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図2に示すような論理
回路において、動作速度を向上させようとする場合は、
絶縁ゲート型トランジスタのチャネル幅Wを広げる必要
がある。例えば、Pch−Trの立ち上がりにおける過
渡時間tr は以下の式で近似できる。
【0005】 tr =4×C/(βP0×W/n × VDD) ・・・・ (1) ここで、Cは負荷容量、βP0はPch−Trの単位長さ
当たりの電流増幅率、Wはチャネル幅、nは入力トラン
ジスタの直列段数、VDDは電源電位である。すなわち、
過渡時間tr は、チャネル幅Wに反比例するので、チャ
ネル幅Wを広げれば、過渡時間tr を短縮することがで
きる。
【0006】しかしながら、図8に示すような、従来の
手作業による構成では、トランジスタ105および11
5を上下に移動し、トランジスタ101、102、10
5、111、112および115のチャネル幅Wを広げ
る必要がある。これにともない、Al配線143、およ
びゲート電極であるポリシリコン120の配置を変更
し、さらに、Al配線143とポリシリコン120など
のコンタクト145、および一層目のAlと二層目のA
lのスルーホールなどを全て、移動、修正しなければ成
らない。また、これらの修正のチェックにも多大な時間
と労力を必要とする。
【0007】一方、このような修正を容易に、短時間で
行うために、近年、図7に示すようなゲートアレイ手法
がスタンダードセルの構成に採用されている。ゲートア
レイ手法は、同一サイズのトランジスタを横一列に配置
してセルを構成しており、上記のような修正は、トラン
ジスタ101、102、105、111、112および
115のチャネル幅Wを広げるのみで対応できる。図7
は、図2に示したOR回路のトランジスタのレイアウト
図である。同一サイズのPch−Tr101、102お
よび105が電源配線141に沿って形成され、さらに
同一サイズのNch−Tr111、112および115
が電源配線142に沿って形成されて全体としてアレイ
状の配置となっている。このため、チャネル幅の増加な
どの修正に対し、ゲート電極やAl配線をそれ程修正せ
ずに柔軟に対応できる。
【0008】しかしながら、同一サイズのトランジスタ
を使用しているため、出力トランジスタ105および1
15のチャネル幅に合わせて、入力トランジスタ10
1、102、111、112のチャネル幅も広がってし
まい、作動時にトランジスタを充放電する貫通電流Is
が大きくなり、消費する電力が増大する。たとえば、P
ch−Trの貫通電流Isは以下の式で近似できる。
【0009】 Is=1/8× βP0×W/n ×(VDD−2×Vth)2 ・・・(2) ここで、Vthはトランジスタの作動限界電位で、他の
記号については(1)式と同様である。このように、貫
通電流Isは、チャネル幅Wに比例しているので、チャ
ネル幅Wが広がると貫通電流Isは増大してしまう。
【0010】特に、集積回路の作動速度を向上させるた
めには、あるセルの出力から、その出力の接続されてい
る次のセルに信号が到達するまでの時間Ttrans をどの
程度短縮できるかが課題となる。この時間Ttrans は、
そのセルと次のセル間をつなぐAl配線の容量、そのセ
ルに接続されているセルの数、すなわちファインアウト
の数(FO数)による容量などのそのセルの出力に寄生
している容量の総和CL と、上記(1)式の関係で求め
られる。Al配線の容量は、集積回路のチップサイズと
相関があり、チップサイズの大きい集積回路ほどこの容
量は大きい。また、FO数もチップサイズから想定で
き、以上の要素とこのチップが使用される周波数帯域よ
り、Ttrans を考慮して、そのセルの出力トランジスタ
のチャネル幅WO は決定される。従来のゲートアレイ手
法においては、上記のように決定されるセルに寄生して
いる容量の総和であるCL に、見合った出力トランジス
タのチャネル幅と、同一のチャネル幅で入力トランジス
タが構成されるため、このセルの貫通電流が非常に増大
する。このように、従来のゲートアレイ手法による論理
セルを備えた集積回路は、作動時間を短くしようとする
と、消費電力が非常に大きな集積回路となってしまう。
【0011】現在、需要の増加しているラップトップ型
のコンピュータ等においては、電池などの容量の限られ
た電源を使用しているため、作動速度が早くかつ低消費
電力の集積回路が要求されている。しかしながら、上記
のように、従来のゲートアレイ手法によるセル構成では
その実現は困難であり、また、手作業によるセルの構成
では修正などに多大な時間を浪費し、非現実的である。
【0012】そこで、本発明はこのような問題点を解決
するものであり、その課題は、セルの修正が容易なゲー
トアレイ手法の長所を生かし、かつ、作動速度の向上に
伴う消費電力の増加が低く抑えられた論理セルを有する
半導体集積回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の講じた手段は、第1導電型の絶縁ゲート型
トランジスタ群、および第2導電型の絶縁ゲート型トラ
ンジスタ群で構成される論理セルを備えた半導体集積回
路において、このトランジスタ群は出力トランジスタ
と、この出力トランジスタに印加される信号を生成する
入力トランジスタで構成されており、これらのトランジ
スタを電源配線に対し、出力および入力トランジスタの
チャネル幅方向が直角に成るように形成し、入力トラン
ジスタのチャネル幅を、出力トランジスタのチャネル幅
より狭くなるように形成することである。そして、論理
セルは直列に接続した複数の入力トランジスタを有して
おり、この入力トランジスタの直列段数の増加に応じて
当該入力トランジスタのチャネル幅が拡幅して成る。
【0014】また、入力トランジスタ及び出力入力トラ
ンジスタは、電源配線に沿って一定間隔で形成されてい
ることが望ましい。上記入力トランジスタを、そのチャ
ネル幅Wを出力トランジスタのチャネル幅W
と、直列段数nとを変数とした相関関数K
(W,n)で、W=K(W,n)で規格化
して形成することが有効である。
【0015】さらに、上記の半導体集積回路の製造方法
において、半導体基板を製造する過程で使用されるマス
クパターンの形成工程で、前記入力トランジスタおよび
出力トランジスタのマスクパターンには、前記規格に従
って規格化されたパターンを使用することが望ましい。
【0016】
【作用】上記手段によれば、トランジスタのチャネル幅
方向が電源配線と直角に成るように配置されているた
め、トランジスタ群の配置されている間隔を修正するこ
となく、各トランジスタのチャネル幅を変更できる。こ
のような配置の論理セルにおいて、このセルの入力トラ
ンジスタのチャネル幅を出力トランジスタのチャネル幅
より狭くすることにより、(2)式に示すように、入力
トランジスタの貫通電流が低減でき、セルの消費電力を
低くえることができる。
【0017】一方、論理セルの作動時間においては、セ
ルの入力トランジスタに寄生している容量Cは、セ
ル内の配線容量と次のトランジスタの容量のみで、出力
トランジスタに寄生している容量の総和であるCL に比
べて非常に小さい。すなわち、セルの作動時間は、出力
トランジスタの作動時間で律則され、入力トランジスタ
の作動時間の寄与は少ない。従って、(1)式に示すよ
うに、入力トランジスタのチャネル幅の減少に伴い、入
力トランジスタの作動時間は遅くなるが、入力トランジ
スタに寄生している容量CI は小さいためセルの作動時
間の遅れは小さい。このため、入力トランジスタのチャ
ネル幅を、出力トランジスタのチャネル幅より狭く形成
することにより、作動時間が短縮され、かつ消費電力の
増加が抑えられた半導体集積回路が形成される。
【0018】また、入力トランジスタが直列に接続され
ている論理セルにおいては、(1)式に示すように直列
段数nの増加に伴って、入力トランジスタの作動時間の
遅れが大きくなる。そこで、この作動時間の遅れを補償
するために、直列段数の増加に従って入力トランジスタ
のチャネル幅を、出力トランジスタのチャネル幅に達し
ない範囲で広げることが望ましい。
【0019】入力トランジスタ及び出力入力トランジス
タが電源配線に沿って一定間隔で形成すると、論理セル
のトランジスタ群は修正が容易となる。さらに、上記の
ように、直列段数の増加により、広げられる入力トラン
ジスタのチャネル幅Wを、出力トランジスタのチャ
ネル幅Wと直列段数nとを変数とした相関関数K
(W,n)で規格化することにより、半導体基板を
製造する過程で使用されるマスクパターンの修正が容易
となる。すなわち、トランジスタのチャネル幅を修正し
製造する場合は、マスクパターンの修正が必要である
が、その際、上記相関関数K(W,n)で規格化さ
れたチャネル幅のトランジスタのマスクパターンを予め
用意しておくことにより、マスクパターンの修正はこの
規格化されたマスクパターンを置き換えることで済み、
修正にかかる時間が大幅に短縮される。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0021】図1は、本発明の実施例に係る、絶縁ゲー
ト型トランジスタを備えた半導体集積回路上に形成され
た、論理セルの構成を示すレイアウト図である。本図に
示すように、Pch−Trの入力トランジスタ101、
102および出力トランジスタ105と、P型ウェルに
形成されているNch−Trの入力トランジスタ11
1、112および出力トランジスタ115とは、電源電
位VDDおよび接地電位VSSを供給する電源配線141お
よび142に沿って、一定の間隔Lで配列されている。
さらに、これらのトランジスタ101〜115は、各チ
ャネル幅WIP、WOP、WINおよびWONの方向が電源配線
141および142と直角になるように配置されてい
る。本図に示す論理回路は、図2に示すOR回路であ
り、2つの入力信号は入力端子131、132を経てゲ
ート電極120により、直列に接続されたPch−Tr
の入力トランジスタ101および102に印加され、ま
た並列に接続されたNch−Trの入力トランジスタ1
11および112に印加される。
【0022】これらの入力トランジスタの出力は、Pc
h−Trの出力トランジスタ105およびNch−Tr
の入力トランジスタ115に印加され、これらのトラン
ジスタのドレインは出力端子135に、Al配線143
により接続されている。このようにトランジスタ群は、
ポリシリコン製のゲート電極120、Al製の配線14
3、入力端子131および132、出力端子135とコ
ンタクト145で図2に示す論理回路を構成している。
【0023】配列の間隔Lは、プロセス固有のデザイン
により決定され、本実施例では、5μmである。Pch
−Trの出力トランジスタのチャネル幅WOPと、Nch
−Trの出力トランジスタのチャネル幅WONは、この論
理セルの出力が駆動するAl配線の寄生容量や、FO数
を想定して決定され、本実施例においては、WOPが20
μm、WONが12μmである。これに対し、Pch−T
rの入力トランジスタのチャネル幅WIPは12μmで、
Nch−Trの入力トランジスタのチャネル幅WINは4
μmで設定されている。
【0024】本実施例のPch−Trの入力トランジス
タの貫通電流Isは、前述した(2)式を用いて以下の
通り算出できる。
【0025】 Is=1/8× βP0×WIP/n ×(VDD−2×Vth)2 =1/8×15μ×12/2×(5−2×0.5)2 =180 μA ・・・ (3) ここで単位長さ当たりのPch−Trの入力トランジス
タの電流増幅率βP0は、15μA/V2 /μmとし、電
源電位VDDは5V、作動限界電位Vthは0.1×VDD
とした。これに対し、図7に示す、入力トランジスタの
チャネル幅WIPが、出力トランジスタのチャネル幅WOP
と等しく20μmのPch−Trの入力トランジスタの
貫通電流Isは以下の通り算出される。
【0026】 Is=1/8×15μ×20/2×(5−2×0.5) =300 μA ・・・ (4) このように、本実施例において、貫通電流Isを従来に
比べ約40%も減らすことができる。
【0027】一方、この論理セルの入力から出力までの
遅延時間は、下式で表される。
【0028】 Tdr = Tif + Tor Tdf = Tir + Tof ・・・ (5) ここで、Tdr、Tdfは入力から出力までの立ち上が
り、立ち下がりの遅延時間を示す。また、Tif、Ti
rは入力トランジスタの立ち下がり、立ち上がりの遅延
時間、Tor、Tofは出力トランジスタの立ち上が
り、立ち下がりの遅延時間を示す。各トランジスタの遅
延時間は過渡時間tと、トランジスタ単体の遅延時間T
oとで表され、各々のトランジスタ単体の遅延時間が同
一と仮定すると、立ち下がりの遅延時間Tdfは以下の
ようになる。
【0029】 Tdf = t + tf + 3×To ・・・ (6) ここで、前述した過渡時間の近似式(1)を導入する
と、Tdfは以下の通り表される。
【0030】 Tdf = 4×CI /(βP0×WIP/n × VDD) + 4×CL /(βN0×WON/n × VDD) + 3×To ・・・ (7) 上記において、CI は入力トランジスタに寄生している
容量でセル内の配線容量と次のトランジスタの容量の和
である。CL は、出力トランジスタに寄生している容量
の総和で、次のセルとをつなぐAl配線の容量、このセ
ルに接続されているセルの数、すなわちFO数による容
量などのこのセルの出力に寄生している容量の総和であ
る。βN0は単位長さ当たりのNch−Trの入力トラン
ジスタの電流増幅率で、30μA/V2 /μmとする。
I を0.1pF、CL を1pF、Toを0.3nsと
し、さらに、前述したPch−Trの入力トランジスタ
の電流増幅率βP0の値、15μA/V2 /μm、電源電
位VDDの値5Vを用いて(7)式によりTdfを算出す
ると、 Tdf = 4×0.1/(15μ×12/2 × 5) + 4×1.0/(30μ×12/1 × 5) + 3×0.3 = 4.0 ns ・・・ (8) なお、ここでPch−Trの入力トランジスタのチャネ
ル幅WIPは12μm、Nch−Trの出力トランジスタ
のチャネル幅WOPも12μmである。
【0031】一方、図7に示す従来の論理セル構成にお
いては、Pch−Trの入力トランジスタのチャネル幅
IPは、出力トランジスタのチャネル幅WOPと等し
く20μmであり、上記と同様に計算すると、 Tdf = 4×0.1/(15μ×20/2 × 5) + 4×1.0/(30μ×12/1 × 5) + 3×0.3 = 3.6 ns ・・・ (9) となり、本実施例と比較し10%ほど遅延時間を短縮す
ことが可能である。しかしながら、上記(8)、
(9)式において、C/Cは0.1程度として
いるが、実際の集積回路では比較にならない程小さい。
従って、遅延時間の差は上記数値より小さいものとな
る。このように、本実施例に係る論理セルでは、従来の
構成の論理セルに対し、消費電力の増加を抑えながら、
ほぼ同等の遅延時間を実現できると考えられる。
【0032】さらに、図6に示すような複雑な論理回路
を実現するセルにおいては、入力トランジスタには、入
力信号のみを扱うトランジスタに加えて、この入力信号
により中間の論理を構成する中間のトランジスタも含ま
れている。このようなセルにおいては、中間のトランジ
スタのチャネル幅も狭くなることにより、中間のトラン
ジスタの貫通電流が減少する。さらに、入力信号を扱う
トランジスタに寄生する容量も減少するため、入力信号
を扱うトランジスタの遅延時間は、従来の構成のセルと
ほぼ同等に短縮される。このように、複雑な論理回路を
実現するセルに本発明を適用する場合には、従来のセル
に比べ消費電力の増加が非常に抑制され、かつ遅延時間
が短縮されたセルを提供できる。また、トランジスタの
チャネル幅を狭くすることにより、セル内部の充放電流
および短絡電流の減少も見込まれ、半導体チップとして
の消費電力は、従来の半分程度になると考えられる。
【0033】図3は、本実施例に係る3入力OR回路の
論理セルのレイアウを示している。
【0034】本図の論理セルは、図4に示す3入力OR
回路を構成している。このOR回路においては、Pch
−Trの入力トランジスタ101、102および103
は直列に接続されている。このため、図3に示すように
セルの構成においても、入力トランジスタが1段追加さ
れ、3段となっており、さらに、入力トランジスタのチ
ャネル幅WIPは16μmと、図1に示した論理セルのW
IPより、大きく設定している。その他の構成について
は、図1に示した論理セルと同等につき説明を省略す
る。WIPを図1の論理セルより大きくした理由は、この
回路のPch−Trの直列段数nは3段であり、(1)
式に示したように、過渡時間tr は、βP0×WIP/nに
反比例するため、nの増加に従い大きくなり、この過渡
時間tr の増加を補償するためである。
【0035】このように、直列段数nの増加に従って、
入力トランジスタのチャネル幅を、出力トランジスタの
チャネル幅の範囲内で増加させることが望ましい。さら
に、本実施例においては、WIPを以下の相関関数にて規
格化して、トランジスタを形成している。
【0036】 WOP = k(n)× WIP ・・・ (10) ここで、k(n)は相関係数で、n=1の時2.5、n
=2の時1.67、n=3の時1.25、さらに、n=
4の時1.0としている。なお、本実施例では直列段数
は4段が最大と仮定して係数を設定しているが、直列段
数の最大値およびその他のファクターにより、この係数
は変更されるものである。
【0037】上記式(10)により各サイズのトランジ
スタは、図5に示すような基本セルに規格化される。図
5において、基本セル405はn=1の時でWIPが8μ
m、基本セル406はn=2の時でWIPが12μm、基
本セル407はn=3の時でWIPが16μm、基本セル
408はn=4の時でWIPが20μmで出力トランジス
タの基本セルを兼ねている。Nch−Trについても、
同様の基本セル群416〜419が用意でき、さらに、
上記の基本セルに応じたソースおよびドレインとなるセ
ル群401〜404および411〜415、ゲート電極
であるポリシリコン電極のセル群421〜426を事前
に用意することが可能となる。このような基本セルを使
用し、論理セルを構成することにより、この論理セルの
構成を変える場合に、すでに用意してあるセル群から、
対応するセルを選択することができる。従って、半導体
集積回路を製造する際に使用されるマスクパターンの形
成工程において、上記の基本セルに対応するマスクパタ
ーンを準備しておくことができる。そして、論理セルの
構成が変更となったときは、準備しておいたマスクパタ
ーンを使用し、短時間で容易に修正したマスクパターン
を形成でき、構成の変更に柔軟に対応できる。
【0038】なお、本実施例におけるゲート電極はポリ
シリコンであるが、これが他の金属であっても良く、配
置間隔Lおよび各チャネル幅を限定するものでもない。
さらに、相関関数K(Wo,n)を特定するものでもな
い。また、Pch−Tr、Nch−Trの配置が逆であ
っても、ウェル領域がPch側であってもよく、さらに
論理回路はOR回路に限らず、種々の論理回路に対し本
発明は適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、出力お
よび入力トランジスタは、チャネル幅方向が電源配線に
対し直角に成るように形成され、入力トランジスタのチ
ャネル幅を、出力トランジスタのチャネル幅より狭く設
定するものであるから、従来の構成による論理セルに比
べ、消費電力の増加を抑えながら作動時間の高速化を図
ることができる。特に、入力トランジスタが直列に接続
されている論理セルにおいて、その直列段数の増加に応
じて入力トランジスタのチャネル幅が拡幅して成る構成
では、直列段数の増加に伴う作動時間の遅れを入力トラ
ンジスタのチャネル幅の拡幅で補償できる。この論理セ
ルを備えた半導体集積回路は消費電力の低減が可能であ
り、ラップトップ型コンピュータなどの供給電力の限ら
れた用途に最適な半導体集積回路を供給できる。
【0040】さらに、トランジスタのチャネル幅を相関
関数で規格化した基本セルで、論理セルを構成すること
により、論理セルの構成の修正に容易、かつ迅速に対応
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る論理セルの構成を示
すレイアウト図である。
【図2】 図1に示す論理セルの回路(OR回路)図で
ある。
【図3】 本発明の他の実施例に係る論理セルの構成を
示すレイアウト図である。
【図4】 図3に示す論理セルの回路(OR回路)図で
ある。
【図5】 図1および図3に示す論理セルのトランジス
タを構成する基本セルの外形を示す平面図である。
【図6】 多段の入力および中段トランジスタを含む論
理回路を示す回路図である。
【図7】 従来のゲートアレイ手法による論理セル(O
R回路)の構成を示す平面図である。
【図8】 従来の手作業による論理セル(OR回路)の
構成を示す平面図である。
【符号の説明】
101,102,103・・・Pチャンネル型の入力ト
ランジスタ 105 ・・・Pチャンネル型の出力ト
ランジスタ 111,112,113・・・Nチャンネル型の入力ト
ランジスタ 115 ・・・Nチャンネル型の出力ト
ランジスタ 120 ・・・ポリシリコン製ゲート電
極 131,132,133・・・入力端子 135 ・・・出力端子 141,142 ・・・電源配線 143 ・・・Al配線 145 ・・・コンタクト 150 ・・・ウェル領域 401〜404 ・・・Pチャンネル型トランジ
スタのソース/ドレイン用基本セル 405〜408 ・・・Pチャンネル型トランジ
スタの基本セル 411〜415 ・・・Nチャンネル型トランジ
スタのソース/ドレイン用基本セル 416〜419 ・・・Nチャンネル型トランジ
スタの基本セル 421〜42 ・・・ゲート電極用の基本セル 501〜506 ・・・インバータ回路 507〜510 ・・・トランスミッション回路 511,512 ・・・2入力NAND回路 513 ・・・リセット入力端子 514 ・・・データ入力端子 515 ・・・クロック入力端子 516,517 ・・・出力端子 WIP,WIN ・・・入力トランジスタの
チャネル幅 WOP,WON ・・・出力トランジスタの
チャネル幅 L ・・・トランジスタの配列間隔 VDD ・・・電源電位 VSS ・・・接地電位

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の絶縁ゲート型トランジスタ
    群、および第2導電型の絶縁ゲート型トランジスタ群で
    構成される論理セルを備えた半導体集積回路において、 前記トランジスタ群は出力トランジスタと、この出力ト
    ランジスタへ印加される信号を生成する入力トランジス
    タとで構成されており、これらのトランジスタは、電源
    配線に対し、前記出力および入力トランジスタのチャネ
    ル幅方向が直角に成るように形成されており、前記入力
    トランジスタのチャネル幅は、前記出力トランジスタの
    チャネル幅より狭く、前記論理セルは直列に接続した複
    数の入力トランジスタを有しており、この入力トランジ
    スタの直列段数の増加に応じて当該入力トランジスタの
    チャネル幅が拡幅して成ることを特徴とする半導体集積
    回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体集積回路におい
    て、前記入力トランジスタ及び前記出力入力トランジス
    タは、前記電源配線に沿って一定間隔で形成されている
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の半導体集
    積回路において、前記入力トランジスタは、そのチャネ
    ル幅Wが前記出力トランジスタのチャネル幅W
    と、前記直列段数nとを変数とした相関関数K
    (W、n)で規格化されて形成されていることを特
    徴とする半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体集積回路基板を
    製造する過程で使用されるマスクパターンの形成工程に
    おいて、前記入力トランジスタおよび出力トランジスタ
    のマスクパターンとしては、前記相関関数で規格化され
    たパターンが使用されることを特徴とする半導体集積回
    路の製造方法。
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