JP3079350B2 - 加工性,硬度,耐汚染性に優れる塗装金属板 - Google Patents

加工性,硬度,耐汚染性に優れる塗装金属板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電,建材,自動車用
等に用いられる加工性と耐汚染性,硬度に優れる塗装金
属板に関する。
【0002】
【従来の技術】最近家電,建材,自動車等の生産ライン
においては、作業環境の改善,公害問題からの解放,工
程の省略による生産効率の向上等のニーズから、プレコ
ートされた金属板(以下、塗装金属板と略称する)の使
用量が増加してきている。
【0003】塗装金属板は、成形加工されることが必須
であるため、高度の加工性が要求される一方、硬度や耐
汚染性など従来から要求されてきた性能も満足しなけれ
ばならず、その塗膜設計は技術的に困難なものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これを解消するため
に、特開昭61−32351号公報や特開昭62−21
830号公報に見られる樹脂組成を改善する方法や、ま
た塗料配合を種々工夫する方法などが提案されいてい
る。しかし、近年加工性,硬度,耐汚染性に対する要求
レベルは非常に高くなり、従来の技術ではこの要求に対
応しきれないのが現状である。
【0005】本発明は、上記課題を解消するためになさ
れたもので、需要者の高度な要求に応え得る加工性と硬
度,耐汚染性に優れた塗装金属板を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】加工性や硬度,耐汚染性
といった塗膜物性は塗膜の構造と深く関わっており、塗
膜構造がこれらの物性を決定しているといえる。従って
塗膜構造の分析,解析は極めて重要である。
【0007】しかし、有機物は絶縁皮膜であるため、金
属では一般的に使用されている分析手段であるグロー放
電発光分光分析(以下これをGDSと称する))は使用
できず、また高真空が必要な分析手段では装置の汚染の
問題がある。
【0008】また赤外分光分析も、深さ方向の構造に関
する知見を得るのに有効な手段ではあり、非破壊で分析
したときに、塗膜の表面から2μm以下程度の深さまで
は深さと構造の関係が定量的に求められるが、それ以上
の深さでは、定性的な情報は得られるものの定量性は乏
しく、塗膜の深さ方向の分析は十分にできていないのが
現状であった。
【0009】しかし最近、理学電機工業社のカタログに
見られるように、例えば理学電機工業社製「Syste
m 3860」など高周波を用いたGDSが測定できる
ようになり、有機塗膜の深さ方向の元素分析が可能にな
った。またX線光電子分光分析(以下これをXPSと称
する))による表面の解析手法も確立されてきた。
【0010】このような手法を用いて、塗装金属板に形
成する塗膜層について研究を進めた結果、特定の構造を
もつポリエステル樹脂系塗膜を有する金属板で、加工
性,硬度,耐汚染性が高度に両立できることを見出し
た。
【0011】即ち本発明の要旨は、ポリエステル樹脂系
塗膜が最表層に形成されている塗装金属板において、ポ
リエステル樹脂系塗膜について、下記(A)〜(C)の
条件が満たされていることを特徴とする加工性,硬度,
耐汚染性に優れる塗装金属板である。
【0012】(A)高周波放電式グロー放電発光分光分
析(以下高周波GDSと称する)で、ポリエステル樹脂
系塗膜の深さ方向の元素濃度分布を測定したときに、ポ
リエステル樹脂系塗膜の空気に接している表面の窒素の
スペクトル強度が、空気とは逆の界面での窒素のスペク
トル強度の1.2倍以上である。
【0013】(B)高周波GDSで、ポリエステル樹脂
系塗膜の深さ方向の元素濃度分布を測定したときに、空
気との界面からの深さがポリエステル樹脂系塗膜の厚み
の1/10の測定点から、空気との界面に向かって窒素
のスペクトル強度の増加が見られる。
【0014】(C)空気との界面をXPSしたときに、
炭素のスペクトル中のメラミン樹脂のメラミン環に由来
するスペクトル成分の面積が、全炭素スペクトルの面積
の30%以上である。
【0015】また上記塗装金属板において、ポリエステ
ル樹脂系塗膜のガラス転移点が、15〜50℃であるこ
とを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明において、ポリエステル樹脂系塗膜と
は、ポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂を必須成分
とする塗膜を意味する。
【0017】ポリエステル樹脂とは、樹脂中エステル基
を有する樹脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂,
アルキッド樹脂,線状高分子量ポリエステル樹脂,分岐
型高分子量ポリエステル樹脂と呼ばれているものであ
る。
【0018】ポリエステル樹脂に更に他の樹脂、例えば
エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,アクリル樹脂,フッ素樹
脂,シリコン樹脂,アミド樹脂,イミド樹脂等を1種類
または2種類以上混合してもよい。
【0019】アミノプラスト樹脂とは、メラミン樹脂,
ベンゾグアナミン樹脂等であり、メラミン樹脂には、メ
チル化メラミン樹脂,ブチル化メラミン樹脂,ブチル−
メチルなどの混合エーテル化メラミン樹脂などが挙げら
れる。
【0020】アミノプラスト樹脂の他に、イソシアネー
ト基,エポキシ基,アミノ基等、ポリエステル樹脂な
ど、塗膜中に加えた成分と反応する基を有する架橋剤成
分を加えることは差し支えない。
【0021】またポリエステル樹脂系塗膜には、酸化チ
タン,弁柄,硫酸バリウム,シリカ,シアニンブルーな
どの着色顔料や、体質顔料,樹脂ビーズ,アルミフレー
ク,マイカなどの添加物、消泡剤,レベリング剤などの
添加剤など、必要に応じて含有させることができる。
【0022】金属板としては、例えば鋼板,アルミ板,
ステンレス板,チタン板,銅板等が挙げられる。このう
ち鋼板の例として、冷延鋼板,熱延鋼板,亜鉛めっき鋼
板,合金化亜鉛めっき鋼板,亜鉛−鉄合金めっき鋼板,
亜鉛−アルミ合金めっき鋼板,アルミめっき鋼板,クロ
ムめっき鋼板,ニッケルめっき鋼板,亜鉛−ニッケル合
金めっき鋼板,すずめっき鋼板等が挙げられる。
【0023】次いで金属板には、必要に応じて前処理を
施すことができる。前処理としては水洗、湯洗,酸洗,
アルカリ脱脂,研削,研磨,クロメート処理,リン酸亜
鉛処理、複合酸化皮膜処理等があり、これらを単独また
は組み合わせて塗装前処理を行う。塗装前処理の条件は
適宜選択すればよい。
【0024】次いで必要に応じて下塗り塗料を金属板上
に塗布し、硬化乾燥させることにより下塗り塗膜層を形
成することができる。下塗り塗料としては、ポリエステ
ル系,エポキシ系,ウレタン系等があり、これをロール
コーター,カーテンフローコーター,ローラーカーテン
コーター,静電塗装機,ハケ,ブレードコーター,ダイ
コーター等で必要な膜厚になるように塗装する。
【0025】次いで常温放置,あるいは熱風炉,誘導加
熱炉,近赤外線炉,遠赤外線炉,エネルギー線硬化炉等
で硬化乾燥することによって下塗り塗膜層が得られる。
膜厚は任意であるが、塗装金属板においては1〜30μ
m程度、特に3〜12μmの乾燥膜厚が一般的である。
【0026】乾燥条件は、塗料の内容と得たい性能に応
じて適宜選択すればよいが、熱風炉や誘導加熱炉,近赤
外線炉等で最高到達板温150〜250℃,到達時間1
0〜200秒程度の条件が一般的である。
【0027】なお本発明では、形成される塗膜層の数を
何等制限されず、必要に応じて、何層かの塗膜を形成し
たのち、最表層に本発明によるポリエステル樹脂系塗膜
を形成すればよい。各塗膜層の厚みや、樹脂組成,顔料
組成等は限定されない。必要に応じてこれらの前処理,
下塗り塗膜層を形成したのちに、本発明の塗膜を形成す
る。
【0028】形成の方法は特に限定されないが、塗料を
ロールコーター,カーテンフローコーター,ローラーカ
ーテンコーター,静電塗装機,ハケ,ブレードコータ
ー,ダイコーター等で必要な膜厚になるように塗装し、
次いで常温放置,あるいは熱風炉,誘導加熱炉,近赤外
線炉,遠赤外線炉,エネルギー線硬化炉等で硬化乾燥す
ることによって、下塗り塗膜層が得られる。
【0029】膜厚は任意であるが、塗装金属板において
は1〜50μm程度、特に5〜30μmの乾燥膜厚が一
般的である。乾燥条件は塗料の内容に応じて適宜選択す
ればよいが、熱風炉や誘導加熱炉,近赤外線炉等で最高
到達板温150〜250℃,到達時間10〜200秒程
度の条件が一般的である。このように形成された塗膜
を、高周波GDSとXPSによって解析する。
【0030】高周波GDSの測定条件は特に限定されな
いが、例えば放電電力20〜60W,アルゴン流量15
0ml〜350ml/分,窒素検出用のフォトマル電圧
は450〜650V,サンプリング間隔0.3〜2.5
秒で測定する。
【0031】なお一回の測定についてこれらの値は一定
とし、測定途中での変更はしない。最表層の塗膜と、そ
の下層、例えば、金属板や下塗り或いは中塗りの塗膜層
との界面の位置をスペクトル上で知るために、他の元素
も併せて測定すると良い。例えば下層が金属板である場
合には、その金属のスペクトルを、また下層が下塗り塗
膜層である場合には、下塗り塗膜層に特有の、例えば防
錆顔料に含まれるCrなどを測定すると、界面が判別し
やすい。
【0032】高周波GDSの測定によって得られるスペ
クトルから、ポリエステル樹脂系塗膜の空気に接してい
る表面の窒素のスペクトル強度Iaと、空気とは逆の界
面での窒素のスペクトル強度Iiを求める。空気と接し
ている表面のスペクトルは、放電の不安定のためにやや
乱れることがあるが、この場合には、図1に示すよう
に、塗膜内部のスペクトルを空気と接している表面に向
かって外挿して求めればよい。
【0033】次いで最表層のポリエステル樹脂系塗膜の
厚みを、空気に接している表面と下地層の界面までの高
周波GDSの測定時間tとして求め、更にポリエステル
樹脂系塗膜の厚みの1/10に相当する測定時間t/1
0を計算する。
【0034】空気と接している表面を測定開始,つまり
測定時間を0として、t/10経過した深さの窒素の強
度Ibをスペクトルから求める。XPSの測定条件は特
に限定されないが、例えばX線源としてMgKα線で7
kV−30mAの条件で、炭素のC1s スペクトルを求
めればよい。
【0035】次いで炭素のC1s スペクトルを、285
eVの−C−H,286.5eVの−C−O−,28
7.2eVのメラミン環炭素(主に−C=N−),28
9eVの−COO−の4つに波形分離して、C1s スペ
クトルの面積Atに対するメラミン環炭素スペクトルの
面積Amの割合を求める。
【0036】ここで、(A)Ia/Ii≧1.2,
(B)Ia/Ib≧1.1,(C)Am≧0.3Atの
3つの式が成立するときに、加工性と硬度,耐汚染性に
優れる塗装金属板が得られる。
【0037】これは、塗膜中の窒素濃度が表面に向かっ
て高くなっており、塗膜の極表面でかなり濃化している
ことを意味する。窒素は主に塗膜中のアミノプラスト樹
脂中の窒素に由来するものであり、アミノプラスト樹脂
の濃度が、塗膜の深さ方向で異なっており、表面に向か
って濃度が高くなっている状態を示している。
【0038】上記3つの式の内で、(A),(B)の関
係が満たされない場合には、加工性と硬度,耐汚染性の
バランスがとれないケースが多い。(C)の関係が満た
されない場合、つまりAmがAtの30%に満たない時
には、耐汚染性と硬度のレベルがかなり低くなる。
【0039】Amの値の上限は特にないが、約50%が
塗膜の極表面すべてをメラミン樹脂が覆うことに相当
し、これ以上の値はとれない。また塗膜のガラス転移点
が15〜50℃の時に、特に加工性が良好となる。ガラ
ス転移点が15℃以下では、塗装金属板保管時のブロッ
キングの問題が生じやすく、50℃を越えるときには加
工性の低下が見られる。
【0040】
【実施例】以下、実施例について説明する。
【0041】電気亜鉛めっき鋼板(片面めっき付着量2
0g/m2 )に塗布型クロメート処理を施し、加工性の
良好なポリエステル樹脂系下塗り塗料(日本ペイント製
・P185,Cr系防錆顔料を含む)を乾燥膜厚5μm
となるようにロールコーターで塗装し、誘導加熱炉で最
高到達板温220℃に35秒で達する条件で焼き付け
た。
【0042】次いで、表1,表2に示す組成のポリエス
テル樹脂系上塗り塗料を、乾燥膜厚18μmとなるよう
にロールコーターで塗装し、誘導加熱炉で最高到達板温
230℃に45秒で達する条件で焼き付けた。なお表中
のメラミン樹脂の種類のメチルはメチル化メラミン樹
脂,ブチルはブチル化メラミン樹脂,混合はメチル・ブ
チル混合エーテル化メラミン樹脂である。
【0043】塗料はいずれも白系で、塗膜中にチタン白
等の顔料を含有しており、顔料濃度(乾燥塗膜中の顔料
の重量%)は50%である。各塗膜のガラス転移点Tg
を表1,表2に示した。このようにして得られた塗装鋼
板の上塗り塗膜を、高周波GDSとXPSによって分析
した。
【0044】高周波GDSは、理学電機工業社製のSy
stem3860を用い、放電電力40W,窒素測定用
のフォトマル電圧は500V,サンプリング間隔2秒で
測定した。塗膜の空気と接する表面の窒素のスペクトル
強度Ia,下塗り塗膜との界面での窒素のスペクトル強
度Ii,塗膜の表面から膜厚の1/10深さでの窒素の
スペクトル強度Ibを求めた。それぞれの値を表1,表
2に示した。
【0045】XPSは島津製作所社製ESCA850を
用い、X線源としてMgKα線を出力7kV−30mA
の条件で測定した。得られたC1s スペクトルを、附属
のソフトウエアを用いて、ガウス−ローレンツ混合分布
を仮定して、285eVの−C−H,286.5eVの
−C−O−,287.2eVのメラミン環炭素(主に−
C=N−),289eVの−COO−の4つに波形分離
して、C1s スペクトルの面積Atに対するメラミン環
炭素スペクトルの面積Amの割合を求めた。求めた値を
表1,表2に示した。
【0046】塗装鋼板の加工性を20℃,0℃で評価し
た。また鉛筆硬度,耐汚染性を20℃で評価した。評価
方法は次の通りで、評価結果を表1,表2に示した。
【0047】加工性について、塗装鋼板を180度に折
り曲げ、屈曲部に発生するクラックを20倍のルーペで
観察し、クラックの入らない限界のTの数を表示した。
【0048】例えば2Tとは、折り曲げ部に同じ板厚の
板を2枚挟んだ場合、OTとは板を挟まないで180度
折り曲げた場合を言う。この加工性を温度20℃と0℃
で評価した。
【0049】鉛筆硬度について、三菱ユニを用いて測定
した。JISK5400の方法でテストを行い、塗膜表
面のキズを評価し、キズのつかない限界の硬度を表示し
た。
【0050】耐汚染性について、赤マジックインキを塗
膜面に塗布後、20℃で24時間放置し、エタノールで
拭き取った後の跡残りを評価した。例えば評点7は、全
く跡の残らない場合、評点1は跡が全く消えない場合を
示し、この間を2〜6の点数で評価した。評点6はごく
わずかに跡残りあり、評点5は若干の跡残りあり、評点
4は跡残りあり、評点3は跡残りが目立つ、評点2はほ
とんど消えない、状態を示す。
【0051】耐ブロッキング性については、○:実用上
全く問題ない,△:やや劣るが実用可能,×:劣ってお
り実用できないとして評価した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】上記実施例の結果を評価するに、本発明例
1〜14では、何れも(A)Ia/Ii≧1.2,
(B)Ia/Ib≧1.1,(C)Am≧0.3Atの
条件を満たしており、加工性,硬度,耐汚染性がいずれ
も良好である。
【0055】塗膜のガラス転移点Tgのやや低い本発明
例12では、やや耐ブロッキング性が悪いものの、実用
可能である。塗膜のガラス転移点Tgのやや高い本発明
例13では、やや加工性が低下するものの、耐汚染性や
硬度とのバランスはまだ良好である。
【0056】比較例1〜3では、Amは30以上である
が、Ia/Ii比,Ia/Ib比が低く、加工性が不良
である。
【0057】比較例4では、Ia/Ii比,Amは基準
を満たしているが、Ia/Ib比が低く、加工性が悪
い。
【0058】比較例5では、Amは高いがIa/Ii
比,Ia/Ib比が低く、硬度が低く耐汚染性も悪い。
【0059】比較例6では、Ia/Ii比,Ia/Ib
比は基準を満たしているが、Amが低く、耐汚染性が悪
い。
【0060】以上のように、(A)Ia/Ii≧1.
2,(B)Ia/Ib≧1.1,(C)Am≧0.3A
tの条件を満たす塗膜を最表層に有する塗装金属板は、
加工性,硬度,耐汚染性ともに良好で、高度に両立でき
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、塗装金属板におい
て最表層に形成されるポリエステル樹脂系塗膜が、ポリ
エステル樹脂系塗膜の空気に接している表面の窒素のス
ペクトル強度が、空気とは逆の界面での窒素のスペクト
ル強度の1.2倍以上であること、空気との界面からの
深さがポリエステル樹脂系塗膜の厚みの1/10の測定
点から、空気との界面に向かって窒素のスペクトル強度
の増加が見られること、および炭素のスペクトル中のメ
ラミン樹脂のメラミン環に由来するスペクトル成分の面
積が、全炭素スペクトルの面積の30%以上という条件
を満足する本発明の塗装金属板は、加工性,硬度,耐汚
染性ともに優れ、また塗膜のガラス転移点が15〜50
℃では耐ブロッキング性も向上し、家電,建材,自動車
等の生産ラインに適用するプレコート金属板として製品
の品質を向上し、さらに作業環境の改善,公害問題の問
題を解消し、生産効率の向上にも寄与し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波GDSチャートからIa,Ib,Iiを
求める方法を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−150976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/14 B32B 15/08 104 B05D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂系塗膜が最表層に形成
    されている塗装金属板において、ポリエステル樹脂系塗
    膜について、下記(A)〜(C)の条件が満たされてい
    ることを特徴とする加工性,硬度,耐汚染性に優れる塗
    装金属板。 (A)高周波放電式グロー放電発光分光分析で、ポリエ
    ステル樹脂系塗膜の深さ方向の元素濃度分布を測定した
    ときに、ポリエステル樹脂系塗膜の空気に接している表
    面の窒素のスペクトル強度が、空気とは逆の界面での窒
    素のスペクトル強度の1.2倍以上である。 (B)高周波放電式グロー放電発光分光分析で、ポリエ
    ステル樹脂系塗膜の深さ方向の元素濃度分布を測定した
    ときに、空気との界面からの深さがポリエステル樹脂系
    塗膜の厚みの1/10の測定点から、空気との界面に向
    かって窒素のスペクトル強度の増加が見られる。 (C)空気との界面をX線光電子分光分析したときに、
    炭素のスペクトル中のメラミン樹脂のメラミン環に由来
    するスペクトル成分の面積が、全炭素スペクトルの面積
    の30%以上である。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂系塗膜のガラス転移点
    が、15〜50℃であることを特徴とする請求項1記載
    の加工性,硬度,耐汚染性に優れる塗装金属板。
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