JP3079337B2 - 高力ボルト接合部用継手金具 - Google Patents

高力ボルト接合部用継手金具

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JP3079337B2 JP04231363A JP23136392A JP3079337B2 JP 3079337 B2 JP3079337 B2 JP 3079337B2 JP 04231363 A JP04231363 A JP 04231363A JP 23136392 A JP23136392 A JP 23136392A JP 3079337 B2 JP3079337 B2 JP 3079337B2
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栄 鈴木
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柱や梁等の鉄骨構造材
(母材)の高力(高張力)ボルト接合部に使用される添
板やT形継手等の継手金具に関する。
【0002】
【従来の技術】高力ボルト接合は、高力ボルトを用いた
鉄骨構造材の接合方法で、ボルトに軸力を導入して接合
部材同士を強力に締め付けて接合する工法であり、摩擦
接合、引張接合、支圧接合の3種の接合方式に大別され
る。摩擦接合は、接合部材間に作用する摩擦抵抗によっ
て、ボルト軸と直角方向の応力を伝達しようとする、い
わゆるせん断型の接合方式で、又、引張接合は、ボルト
軸方向の応力を伝達しようとする、いわゆる引張型の接
合方式であり、更に支圧接合は、摩擦接合と同様のせん
断型の接合において、加力初期ですべりが生じた時に僅
かなすべり変形でリベット接合と同様の支圧接合に移行
させようとする接合方式である。
【0003】従来、高力ボルト接合部、特に摩擦接合方
式の高力ボルト接合部においては、母材と継手金具との
接合面の摩擦を得るため、母材と継手金具の接合面に十
分な赤錆を発生させたり、あるいはショットブラスト処
理を施して目荒しすることにより、所定の滑り係数(μ
=0.45以上)を得ることが行われている。
【0004】前者の赤錆を発生させる方法は、鋼板表面
の黒皮をグラインダー研摩機等により除去し、研摩面を
2〜3週間程度空気中に放置して赤錆を発生させる方法
であり、後者のショットブラスト処理は、鋼板表面をシ
ョットブラストで粗く適当な凹凸状態に形成する方法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の高力ボルト接合部は、滑らないこと(μ=1.0)
が望ましいにもかかわらず、錆発生等によって所定の滑
り係数を得るようにしているものの、接合面の滑り係数
にバラツキがあり、摩擦ボルト接合に対する十分な抵抗
力(滑り耐力)が管理しにくい。又、摩擦を得るための
赤錆を発生させる方法及びショットブラスト処理を施す
方法のいずれも鉄骨加工工場で行われるが、母材を移動
させるためのクレーンやグラインダー研摩機、ショット
ブラスト機械が必要となると共に、大変な手間が必要と
なる。特に、赤錆発生は、所定の錆の発生に日時と放置
のための置場が必要となる等、鉄骨加工のネックとなっ
ている。
【0006】そこで、本発明は、継手金具のボルト孔の
周囲の接合面に刃状の突起を一体形成し、高力ボルトに
よる母材と継手金具との締め付けによって刃状の突起を
母材の接合面に確実に食込ませることにより、定常的に
所要の滑り耐力を得ることができると共に、接合面の摩
擦を得るための鉄骨加工工場における錆発生等の加工工
程を不要とし得る高力ボルト接合部用継手金具の提供を
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の高力ボルト接合部用継手金具は、母材と高
力ボルトを用いて接合される接合面のボルト孔の周囲
に、1本の高力ボルトの締付力の影響が及ぶほぼ最大範
囲の大きさを有する板状の凸部を一体形成し、この凸部
の上面にほぼ全面に亘って刃状の突起を形成したもので
ある。
【0008】
【作用】上記手段においては、高力ボルトによる母材と
継手金具との締め付けに伴う凸部の上面と母材の接合面
の当接によって刃状の突起が黒皮や防錆塗料、亜鉛メッ
キを貫通して母材に確実に食い込ませられる。
【0009】凸部の大きさは、1本の高力ボルトの締付
力の影響が及ぶ最大範囲より若干小さくすることが好ま
しく、このようにすることにより刃状の突起の食い込み
を完全なものとすることができる。又、凸部の形状は、
上記高力ボルトの締付力の影響の及ぶ範囲の関係上円形
が好ましいが、長円形、方形その他の形状であってもよ
い。凸部に形成される刃状の突起は、ボルト孔を中心と
する同心円状、螺旋状若しくは放射状としてもよく、又
は一方向に平行な複数条の直線状としてもよい。前者の
ボルト孔を中心とする刃状の突起の場合、全方向の滑り
耐力を得ることができ、又、後者の一方向に平行な直線
状をなす刃状の突起の場合、突起の延在方向と直角方向
の滑り耐力を得ることができる。凸部は、3〜10mm
の高さ、特に5〜6mm前後の高さとすることが好まし
く、かつ、刃状の突起の高さは、1〜3mm程度とする
ことが好ましい。又、刃状の突起の間隔は、母材の黒皮
の強度を利用すべくその剥離等の損傷を生じさせないピ
ッチとすることが望ましい。母材は、黒皮のままあるい
は黒皮に防錆塗料を塗布したもの若しくは亜鉛メッキを
施したものでもよい。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1実施例の高力ボルト接
合部用継手金具である添板の斜視図である。この添板1
は、SS41その他これと同等以上の材料により矩形平
板状に形成され、後述するように、鉄骨構造材(母材)
と接合するための高力ボルトが挿通される複数のボルト
孔2が適宜ピッチで設けられている。そして、母材と接
合される接合面3における各ボルト孔2の周囲には、1
本の高力ボルトの締付力の影響が及ぶほぼ最大範囲の大
きさ、例えば高力ボルト径16〜30mm、添板の板厚
12mmの場合、外径40〜90mm前後の大きさで円
形の凸部4が鋳造等により一体形成されており、この凸
部4の上面には、ほぼ全面に亘って同心円状をなす刃状
の突起5が鋳造又は機械加工によって形成されている。
この刃状の突起5は、断面が二等辺三角形をなしており
(頂角が70〜90°)、母材の黒皮を損傷させないピ
ッチを有すると共に、黒皮等を貫通して母材に食い込む
に十分な高さ、例えば1〜3mmの高さを有している。
上記構成の添板1は、図2,図3及び図4に示すよう
に、SS41、その他これと同等以上の材料からなり直
線状に突き合わされた鉄骨構造材(母材)6の端部間に
跨がって両側に配置され、そのボルト孔2及び鉄骨構造
材6のボルト孔7を挿通した高力ボルト8によって締め
付けられて鉄骨構造材6を摩擦接合方式で接合するもの
であり、この高力ボルト8の締め付けによって、各刃状
の突起5は、黒皮等を貫通して鉄骨構造材6に確実に食
い込む。
【0011】上記構成の添板1を用いた高力ボルト接合
部においては、同心円状をなす刃状の突起5が鉄骨構造
材6の接合面に黒皮等を貫通して確実に食い込み、全方
向の滑り耐力が得られるので、黒皮の剛性及び高力ボル
ト8の締付力を効率よく活用でき、かつ従来のように滑
り係数にバラツキを生じるようなことはなく、定常的に
所要の滑り耐力を得ることができると共に、摩擦を得る
ために鉄骨加工工場で錆発生等の加工を施す必要がな
く、摩擦接合方式の高力ボルト接合による現場接合を容
易かつ確実に行うことができる。ここで、実験の結果、
刃状の突起5の高さを2〜3mm、ピッチ4〜6mmと
した場合、一方向の滑り係数は、μ=0.6〜0.65
であった。
【0012】図5及び図6は本発明の第2実施例及び第
3実施例の高力ボルト接合部用継手金具であるT形継手
及び連結金具の斜視図である。これらのT形継手9及び
連結金具10は、それぞれSS41その他これと同等以
上の材料によりT字状及びU字状に形成され、後述する
ように十字形又はH形の鉄骨構造材(母材)と接合する
ための高力ボルトが挿通される複数のボルト孔11,1
2がそれぞれ所要個所に適宜ピッチで設けられている。
そして、母材と接合されるそれぞれの接合面13,14
における各ボルト孔11,12の周囲には、1本の高力
ボルトの締付力の影響が及ぶほぼ最大範囲の大きさの円
形の凸部15,16が鋳造等により一体形成されてお
り、これらの凸部15,16の上面には、ほぼ全面に亘
って互いに平行な複数条の直線状をなす刃状の突起1
7,18が、鋳造又は機械加工によって形成されてい
る。これらの刃状の突起17,18は、断面が二等辺三
角形をなしており(頂角が70〜90°)、母材の黒皮
等を損傷させないピッチを有すると共に、黒皮等を貫通
して母材に食い込むに十分な高さを有している。又、各
刃状の突起17,18は、荷重の伝達方向と直交する方
向に延在されている。
【0013】上記構成のT形継手9及び連結金具10
は、図7及び図8に示すように、SS41その他これと
同等以上の材料からなり、柱材等として用いられる十字
形の鉄骨構造材(母材)19のT字部20における梁材
等として用いられるH形の鉄骨構造材21が接合される
外側(図8においては右側)と内側(図8においては左
側)とにT字部20を挟持するように配置され、それぞ
れのボルト孔11,12,22を挿通した高力ボルト2
3によって締め付けられて鉄骨構造材19,21を引張
接合方式で接合するものであり、この高力ボルト23の
締め付けによって、各刃状の突起17,18は、黒皮等
を貫通して鉄骨構造材19,21に確実に食い込む。上
記構成のT形継手9及び連結金具によれば、図7におい
て矢印24で示すように、鉄骨構造材21によって鉄骨
構造材19のT字部20に引張荷重が作用した場合、隣
り合うT字部20における連結金具10の刃状の突起1
8によって、矢印25方向の滑り耐力を生ずる他は、図
2のものとほぼ同様の作用効果が得られる。
【0014】なお、上述した実施例においては、刃状の
突起5,17,18を有する添板1,T形継手9及び連
結金具10を摩擦接合方式及び引張接合方式の高力ボル
ト接合部に適用する場合について述べたが、これに限ら
ず支圧接合方式の高力ボルト接合部にも適用できる。
又、刃状の突起は、同心円状、一方向の直線状に限ら
ず、放射状、螺旋状その他の形状としてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高力ボル
ト接合部用継手金具によれば、高力ボルトによる母材と
継手金具との締め付けに伴う凸部の上面と母材の接合面
の当接によって刃状の突起が黒皮や防錆塗料あるいは亜
鉛メッキを貫通して母材に確実に食い込ませられるの
で、高力ボルトの締付力を効率よく活用でき、かつ従来
のように滑り係数にバラツキを生じるようなことはな
く、定常的に法定以上の所要の滑り耐力を得ることがで
きると共に、摩擦を得るために鉄骨加工工場で錆発生等
の加工を施す必要がなく、高力ボルト接合による現場接
合を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の高力ボルト接合部用継手
金具の斜視図である。
【図2】図1に示す継手金具を用いた高力ボルト接合部
の断面図である。
【図3】図2の要部の拡大断面図である。
【図4】図2の要部の拡大平面図である。
【図5】本発明の第2実施例の高力ボルト接合部用継手
金具の斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例の高力ボルト接合部用継手
金具の斜視図である。
【図7】図5,図6に示す継手金具を用いた高力ボルト
接合部の斜視図である。
【図8】図7の要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 添板 3 接合面 4 凸部 5 刃状の突起 6 鉄骨構造材(母材) 7 ボルト孔 8 高力ボルト 9 T形継手 10 連結金具 11 ボルト孔 12 ボルト孔 13 接合面 14 接合面 15 凸部 16 凸部 17 刃状の突起 18 刃状の突起 19 鉄骨構造材(母材) 21 鉄骨構造材(母材) 23 高力ボルト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材と高力ボルトを用いて接合される接
    合面のボルト孔の周囲に、1本の高力ボルトの締付力の
    影響が及ぶほぼ最大範囲の大きさを有する板状の凸部を
    一体形成し、この凸部の上面にほぼ全面に亘って刃状の
    突起を形成したことを特徴とする高力ボルト接合部用継
    手金具。
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