JP2022143205A - 溝付接合板及び鋼材接合構造 - Google Patents

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泰之 川島
Yasuyuki Kawashima
克哉 稲葉
Katsuya Inaba
久智 望月
Hisatomo Mochizuki
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Abstract

【課題】 取り扱い性に優れ、低コストで高いすべり係数が得られる溝付接合板と、これを用いた鋼材接合構造を提供する。【解決手段】板状部材である溝付接合板100は、接合対象に接する少なくとも一方の面に、複数の突部13が平行に並べて設けられる。すなわち、それぞれの隣り合う突部13の間に溝部11が平行に形成される。また、高力ボルトを通すための複数の貫通孔12が形成される。突部13の併設方向に対して、溝付接合板100の略中央部には、平坦部14が形成される。平坦部14は、突部13及び溝部11が形成されない部位である。すなわち、平坦部14を挟んで両側に、突部13及び溝部11がそれぞれ併設される。平坦部14は、突部13及び溝部11に平行に、全長にわたって形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばH形鋼同士を接続するための溝付接合板及び鋼材接合構造に関する。
H形鋼等の鋼材同士を、スプライスプレートを用いた高力ボルト摩擦接合によって接合することがある。この場合、スプライスプレートは両鋼材に沿って配置され、両鋼材に高力ボルトやナット等を用いて締結される。
このような高力ボルト摩擦接合による接合部は、高力ボルトに導入する軸力、スプライスプレートと鋼材の摩擦面のすべり係数、および摩擦面の数によってその耐力を確保する構成となっている。
そのため、スプライスプレートの鋼材に接する面に赤錆を発生させたり、ショットブラスト加工を施したりして所定のすべり係数(例えば日本建築学会編「建築工事標準仕様書JASS6」では0.45)を確保している。
しかしながら、近年の鋼材の高張力化や大断面化の影響により、接合部に必要となる耐力も大きくなる傾向にある。そのために高力ボルト本数を増やして耐力を向上させることも可能であるが、コストや工数が増加する問題がある。
一方、摩擦面のすべり係数を向上させれば高力ボルトの本数の増加を抑えることができる。特許文献1、2には、すべり係数を向上させるため、略三角形状の突部を所定ピッチで設けた溝付のスプライスプレートの例が記載されている。
特許第2936455号 特許第3569758号
上記のような突部を有する溝付接合板は、板状の素材に対して、カッタ等で切削加工を行うことで製造される。このため、多くの溝加工を行うと、加工コストが増加する。しかし、コストダウンのため、突部の数を減らすと、接合対象とのすべり係数が低下するため所定以上の突部数が必要となる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、取り扱い性に優れ、低コストで高いすべり係数が得られる溝付接合板と、これを用いた鋼材接合構造を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、板状部材の少なくとも一方の面に、複数の突部と前記突部間に形成される溝部とを有する溝付接合板であって、前記突部の併設方向に対して、前記板状部材の略中央部には、前記突部及び前記溝部が形成されない平坦部が形成されることを特徴とする溝付接合板である。
前記平坦部における溝付接合板の厚みが、前記溝部における溝付接合板の厚みよりも薄くてもよい。
前記突部および前記溝部が、溝付接合板の両面に形成されてもよい。
溝付接合板のそれぞれの面において、前記突部同士のピッチが異なってもよい。
第1の発明によれば、突部の併設方向に対して略中央部に平坦部が形成されるため、平坦部における突部の加工が不要である。一方、接合対象同士の突き合せ部には、所定のクリアランスが生じる場合が多いため、平坦部を形成しても、鋼材へ食い込む突部の数は確保することができる。このため、高いすべり係数を確保することができる。
また、平坦部を他の部位よりも薄くすることで、溝付接合板の当該部位の剛性を低くすることができるため、変形容易部を形成することができる。このため、鋼材同士の向きや位置がずれる芯ずれがあっても、その芯ずれを平坦部の変形で吸収させることができる。このため、鋼材の配置時の厳密なアライメントを省略でき、接合作業が容易になる。
また、突部および溝部が、溝付接合板の両面に形成されれば、両面のいずれかを用いて鋼材同士を接合することができる。また、溝付接合板の外側から挟み込む挟持部材を用いた場合には、溝付接合板を、挟持部材と鋼材の両方に対して食い込ませて接合することができる。
この際、溝付接合板のそれぞれの面の突部同士の距離を異なるようにすることで、挟持部材と鋼材の接合対象となる部材に適した突部の形態で、溝付接合板を、挟持部材と鋼材の両方に対して食い込ませて接合することができる。
第2の発明は、互いに端部が突き合せられた一対の鋼材と、前記鋼材同士にまたがるように固定され、前記鋼材を挟み込む溝付接合板と、を具備し、前記溝付接合板は、少なくとも前記鋼材との対向面に、複数の突部と前記突部間に形成される溝部とを有し、前記突部の併設方向に対して、前記溝付接合板の略中央部には、前記突部及び前記溝部が形成されない平坦部が形成され、前記平坦部が、前記鋼材同士の突き合せ部近傍に配置されることを特徴とする鋼材接合構造である。
前記鋼材同士にまたがるように固定され、前記鋼材及び前記溝付接合板を挟み込む挟持部材を具備し、前記突部および前記溝部が、前記溝付接合板の前記鋼材との対向面にのみ形成され、前記挟持部材と前記溝付接合板とが、溶接又はボルトで固定されてもよい。
前記鋼材同士にまたがるように配置され、前記鋼材及び前記溝付接合板を挟み込む挟持部材を具備し、前記溝付接合板は、前記鋼材及び前記挟持部材との対向面のそれぞれに、複数の前記突部と前記突部間に形成される前記溝部とを有してもよい。
この場合、前記溝付接合板のそれぞれの面において、前記突部同士のピッチが異なってもよい。
第2の発明によれば、低コストで高いすべり係数によって鋼材同士を確実に接合することが可能な鋼材接合構造を得ることができる。
また、挟持部材を用い、溝付接合板と挟持部材と重ね合わせることで、十分な剛性を得ることができる。このため、加工が必要な溝付接合板を薄くすることができるため、加工が容易である。また、挟持部材と溝付接合板とを、溶接又はボルトで固定することで、挟持部材と溝付接合板とを予め固定された状態としておくこと等ができるので、現場での接合作業がより容易になる。
また、突部および溝部を溝付接合板の両面に形成し、突部を鋼材と挟持部材の両者に食い込ませることで、溝付接合板と挟持部材の接触面、および溝付接合板と鋼材の接触面の両者において、十分なすべり係数が得られ、高力ボルトの締付けだけで鋼材同士を接合できる。このため、接続構造が簡素で接合作業がさらに容易になる。
この際、溝付接合板のそれぞれの面の突部同士の距離を異なるようにすることで、挟持部材と鋼材の接合対象となる部材に適した突部の形態で、溝付接合板を、挟持部材と鋼材の両方に対して食い込ませて接合することができる。
本発明によれば、取り扱い性に優れ、低コストで高いすべり係数が得られる溝付接合板と、これを用いた鋼材接合構造を提供することができる。
溝付接合板100を示す斜視図。 (a)は、溝付接合板100を用いた鋼材接合構造300を示す図、(b)は、接合部における断面図。 (a)は、溝付接合板100の厚さ方向の部分断面を示す図、(b)は、(a)のA部拡大図。 (a)は、溝付接合板100の厚さ方向の断面図、(b)は、(a)のE部拡大図。 (a)、(b)は、溝付接合板100を挟持部材120に固定した状態を示す図。 挟持部材120及び溝付接合板100を用いた鋼材接合構造300aを示す図。 (a)、(b)は、溝付接合板100aを示す図。 挟持部材120及び溝付接合板100aを用いた鋼材接合構造300bを示す図。 溝付接合板100bを示す斜視図。
[第1の実施形態]
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(溝付接合板100)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る溝付接合板100を示す図である。溝付接合板100は、いわゆるスプライスプレートであり、例えばH形鋼のウェブやフランジ部等を接合する際に使用される。
板状部材である溝付接合板100は、接合対象に接する少なくとも一方の面に、複数の突部13が平行に並べて設けられる。すなわち、それぞれの隣り合う突部13の間に溝部11が平行に形成される。また、高力ボルトを通すための複数の貫通孔12が形成される。
なお、貫通孔12は、溝付接合板100の幅方向(突部13の形成方向に垂直な方向)の両端部近傍にそれぞれ2列に配置される。この際、貫通孔12は、図示したように、突部13の併設方向に整列して配置されてもよく、隣り合う貫通孔12が突部13に沿った方向(幅方向に垂直な方向)に互いにずれて千鳥状に配置されてもよい。貫通孔12を幅方向に整列させることで、溝付接合板100の長さを短くすることができ、貫通孔12を千鳥状に配置することで、溝付接合板100の幅を狭くすることができる。なお、貫通孔12の数および配置は、図示した例には限られない。
突部13の併設方向に対して、溝付接合板100の略中央部には、平坦部14が形成される。平坦部14は、突部13及び溝部11が形成されない部位である。すなわち、平坦部14を挟んで両側に、突部13及び溝部11がそれぞれ併設される。平坦部14は、突部13及び溝部11に平行に、全長にわたって形成される。
図2(a)は、溝付接合板100を用いて接合対象である鋼材同士を接合した鋼材接合構造300を示す図であり、図2(b)は、接合部における断面図である。溝付接合板100は、例えば、鉄骨梁において接合対象であるH形鋼200(鋼材)のウェブやフランジ(以下、フランジ等という)同士を接合する際に用いられる。一対のH形鋼200は、互いに端部が突き合せられて、溝付接合板100は隣り合うH形鋼200のフランジ等にまたがるように配置され、両フランジ等に高力ボルト101やナット102等を用いて固定される。なお、ウェブの接合に用いられる溝付接合板100と、フランジの接合に用いられる溝付接合板100とでは、貫通孔12の形成方向に対する突部13の形成方向が異なる場合がある。
溝付接合板100には、例えば、一般構造用圧延鋼材、建築構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼鋼材、機械構造用合金鋼鋼材などによる金属板が用いられる。また、鋼材を挟み込む2枚の溝付接合板100の総厚みは、接合対象の厚みに応じて設定され、例えば、溝付接合板100の総厚みがフランジ等の厚み以上となるように設定される。
なお、図1に示した溝付接合板100は、ウェブ同士の接合に用いられる。この場合には、溝部11(突部13)の形成方向が、H形鋼200同士の突き合せ方向(すなわち接合方向)に対して略垂直に形成される。このため、溝付接合板100をウェブの両面から挟み込んで高力ボルト101を締め込むことで、ウェブとの対向面に形成された突部13の先端をウェブに食い込ませ、これにより、H形鋼200同士の接合部に引張力が生じても、溝付接合板100とH形鋼200とのすべりが生じにくく、確実にH形鋼200同士を接合することができる。
ここで、溝付接合板100は、平坦部14が、H形鋼200同士の突き合せ部近傍に位置するように配置される。通常、H形鋼200同士の突き合せ部には、所定のクリアランスが形成される。この場合には、H形鋼200同士の間においては、H形鋼200へ食い込ませる突部13は不要である。また、仮にH形鋼200同士の間にクリアランスがほとんどない場合でも、H形鋼200の先端部では、フランジ等の変形や厚み変化が生じる場合があり、突部13を形成していても、当該部位においては、所望のすべり係数を得ることができない場合がある。
本発明では、H形鋼200同士の間であって、突き合せ部近傍に位置する溝付接合板100の所定の範囲には、あえて突部13を形成せず、平坦部14とすることで、不要な又は効果の小さな突部13の加工コストを削減することができる。この際、突部13を減らしても、大きなすべり係数の減少がなく、高いすべり係数を確保することができる。
次に、溝付接合板100の突部13及び溝部11等の詳細について説明する。図3(a)は溝付接合板100の厚さ方向の断面を示す図であり、図3(b)は、図3(a)のA部拡大図である。前述したように、溝付接合板100の一方の面(突部形成面111とする)には、突部13および溝部11が交互に形成される。
突部13は、略二等辺三角形(正三角形含む)であり、突部13の先端同士の距離がL1(図3(b)参照)となる。すなわち、突部13および溝部11は等ピッチL1で配列されている。なお、突部13のピッチL1は望ましくは、0.1mm~3.0mm程度であることが望ましく、より望ましくは0.5mm~2.0mmである。
突部13は、直線状の斜面によって形成される。なお、突部13を構成する直線状の斜面のなす角度は60°~120°とする。角度が小さすぎると、突部13の剛性が小さくなる。また、角度が大きくなりすぎると、鋼材に食い込ませにくくなり、また、突部13の幅が広くなるため、突部13の数が少なくなり、鋼材に対するすべり係数が低下する。
ここで、突部13を構成する直線状の斜面の基部を基準面(図中B)とすると、基準面Bよりも先端側(図中上方)が突部13であり、突部13同士の間であって、基準面Bよりも基部側(図中下方)が溝部11となる。溝部11は、基準面Bに対して全体として円弧状に形成される。
ここで、基準面Bにおける溝部11の幅をL2(図3(b)参照)とすると、L1(突部ピッチ)/L2(溝幅)は、2以上10以下とする。例えば、突部13の先端角度を一定にしてL1/L2を2未満とすると、溝部11の幅が広くなりすぎて突部13の数が減り、高いすべり係数を確保することが困難である。一方、溝部11の幅を一定にしてL1/L2を2未満とすると、突部13が細く鋭利になりすぎて突部13の剛性が低下する。また、突部13の角度を一定にしてL1/L2を10超とすると、溝部11の幅が狭くなりすぎて製造性が悪くなるとともに、溝部11における応力集中の緩和効果が小さくなる。一方、溝部11の幅を一定にしてL1/L2を10超とすると、突部13の数が減り、高いすべり係数を確保することが困難である。
また、図3(b)に示すように、基準面Bからの突部13の高さをH1とし、基準面Bからの溝部11の深さをH2とした際に、H1/H2は、3以上15以下とする。H1/H2が3未満では、突部13の高さが低くなりすぎるため、鋼材への食い込み代が十分に確保することができない。
また、H1/H2が15を超えると、突部13の高さが高くなりすぎるため、突部13の剛性が不十分となるとともに、鋼材への食い込み代が大きくなりすぎるため、より大きな締め付け力が必要となる。また、溝部11の深さが小さくなりすぎると、応力緩和効果が小さくなるとともに、鋼材に突部13を食い込ませた際に、鋼材の変形部分(突部13の食い込みによる膨らみ部分)を溝部11で吸収することが困難となる。
なお、溝付接合板100の少なくとも一方の面の突部形成面111の表層には表面処理(例えば窒化処理など)が施されており、接合対象であるH形鋼200のフランジ等の硬度よりも高い硬度となっている。ここで、表面処理後の突部形成面111のビッカース硬度は、処理前の素材の表面のビッカース硬度の2倍以上であることが望ましい。なお、処理前の素材の表面のビッカース硬度は、溝付接合板100の断面において、表面から十分に離れた部位において測定することが可能である。
このような溝付接合板100は、例えば特開2018-164956に開示されている方法によって製造することができる。この方法によれば、突部13の先端を鋭利に加工することができるとともに、溝部11を容易に円弧状に形成することができる。
なお、前述したように、溝付接合板100の、突部13の併設方向の略中央部には平坦部14が形成される。図4(a)は、溝付接合板100の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のE部拡大図である。平坦部14では、突部13の加工は不要である。例えば、平坦部14に対応する部位の厚みが薄い板状部材を用いて、平坦部以外の部位に突部13を形成してもよく、全体が略同一厚みの板状部材に対して、平坦部14を除く部位の突部13を形成するとともに、平坦部14を切削加工で薄くしてもよい。
この際、溝付接合板100の平坦部14における厚み(図中C)が、平坦部14以外における厚み(図中Dであって、溝部11における溝付接合板100の厚み)よりも薄いことが望ましい。このように、平坦部14を他の部位よりも薄くすることで、溝付接合板100の当該部位の剛性を低くすることができるため、変形容易部を形成することができる。
例えば、H形鋼200同士を突き合せた際に、H形鋼200の芯が完全に一致せず、芯ずれが生じる場合がある。この場合に、溝付接合板100をH形鋼200にまたがるように配置させると、例えば、一方のH形鋼200に対して、溝付接合板100が斜めに接触した状態や、浮いた状態になるなど、両者を完全に面接触させることが困難となる場合がある。したがって、溝付接合板をH形鋼200同士にまたがるように配置すると、一方のH形鋼200に対する突部の食い込みと、他方のH形鋼200に対する突部の食い込みが異なり、全体としてすべり係数が低下する要因となる。
しかし、突部13同士の間に、変形容易部としての平坦部14を形成することで、高力ボルト101を締め込んだ際に、平坦部14がわずかに変形し、この芯ずれを平坦部14の変形で吸収させることができる。すなわち、幅方向の略中央に変形容易部が形成された溝付接合板100をH形鋼200に締め込むと、平坦部14が変形し、芯ずれに追従するように溝付接合板100を変形させることができる。このため、H形鋼200の配置時の厳密なアライメントを省略でき、接合作業が容易になる。また、確実に突部13を一対のH形鋼200へ食い込ませることができるため、高いすべり係数を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態では、H形鋼200との突き合せ部近傍に対応する、溝付接合板100の略中央に、突部13を形成せずに平坦部14を設けることで、板材の全面に突部13の加工を行う場合と比較して、加工面積が減り、加工が容易となる。このため、加工コストを削減することができる。また、当該部位は、仮に突部13を形成しても、突部13が機能しないか、又は突部13の食い込み量を安定して確保できない部位となるため、突部13をなくしても、溝付接合板100全体としてのすべり係数の減少は最小限ですむため、高いすべり係数を確保することができる。
また、平坦部14の厚みを他の部位よりも薄くすることで、変形容易部を形成することができる。このため、H形鋼200同士の芯ずれに対して、平坦部14を変形させて、芯ずれの影響を抑制することができる。
また、突部13を特定の条件を満たした形状とすることで、これを用いて鋼材同士を接合した際に、突部13を確実に鋼材に食い込ませて高いすべり係数を得ることができる。また、溝部11にも応力集中が起こらずに、製造も容易である。
また、表面処理を施して突部形成面111の表層の硬度を接合対象の鋼材よりも2倍以上大きくすることで、突部13の先端を鋼材に食い込ませてすべり止め効果を発揮させることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1~図4と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態では、溝付接合板100が単独で使用されるのではなく、挟持部材120と共に用いられる。図5(a)に示すように、溝付接合板100の一方の面のみに、突部13と溝部11とが形成され、他方の面には挟持部材120が固定される。挟持部材120は、溝付接合板100と同一の材質でもよいが、表面処理は不要である。また、挟持部材120は、溝付接合板100よりも軟質の材質もでもよい。
図5(a)に示す例では、溝付接合板100と挟持部材120とは、溶接部121によって接合される。また、図5(b)に示すように、溝付接合板100と挟持部材120とは、ボルト123によって接合されてもよい。なお、図示は省略するが、挟持部材120には、溝付接合板100の貫通孔12に対応する位置に貫通孔が形成される。
図6は、挟持部材120を用いた鋼材接合構造300aを示す断面図である。なお、挟持部材120と溝付接合板100とは、ボルト123で接合される例を示すが、溶接であってもよい。
一対のH形鋼200が、互いに端部を突き合わせるように配置され、H形鋼200同士にまたがるようにほぼ同サイズの溝付接合板100と挟持部材120が配置されて固定される。この際、溝付接合板100の複数の突部13及び溝部11がH形鋼200に対向するように配置され、溝付接合板100及び挟持部材120とでH形鋼200が挟み込まれる。すなわち、挟持部材120とH形鋼200との間に溝付接合板100が配置され、挟持部材120によってH形鋼200及び溝付接合板100が挟み込まれる。
前述したように、溝付接合板100と挟持部材120には、貫通孔が形成される。また、H形鋼200を挟み込む一対の溝付接合板100及び挟持部材120の貫通孔とH形鋼200に形成される貫通孔とは一直線上に配置され、貫通孔12に高力ボルト101が挿通されてナット102によって固定される。高力ボルト101を締め込むことで、溝付接合板100の突部13がH形鋼200に食い込み、H形鋼200同士を接合することができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、挟持部材120を用い、鋼材を挟み込む2枚の挟持部材120と2枚の溝付接合板100の総厚みを確保することで、溝付接合板100の厚みを薄くしても、挟持部材120によって剛性を得ることができる。このように溝加工などを行う溝付接合板100を薄くすることで、加工が容易となる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。図7(a)は、第3の実施形態に係る溝付接合板100aを示す断面図である。溝付接合板100aは、溝付接合板100と略同様の構成であるが、突部13および溝部11が両面に形成される点で異なる。
溝付接合板100aの両面に形成される突部13及び溝部11の形成方向は同一である。なお、図7(a)に示すように、両面の突部13間の距離(突部13のピッチ)L1a、L1bや、突部13の高さは、同一であってもよいが、図7(b)に示すように、溝付接合板100aのそれぞれの面において、突部13同士の距離L1a、L1bが異なってもよい。また、溝付接合板100aのそれぞれの面において、突部13の高さが異なってもよい。なお、溝付接合板100aにおいては、少なくとも一方の面において、前述した突部13と溝部11との高さ比や幅比を満たせばよいが、両面のそれぞれにおいて、前述した突部13と溝部11との高さ比や幅比を満たすことが望ましい。また、平坦部14は、一方の面に形成されればよいが、両面に形成してもよい。
図8は、溝付接合板100aを用いた鋼材接合構造300bを示す図である。鋼材接合構造300bは、鋼材接合構造300aと同様に、挟持部材120同士で溝付接合板100a及びH形鋼200を挟み込み、高力ボルト101とナット102によって固定される。この際、挟持部材120と溝付接合板100aとは、溶接やボルトで接合されるのではなく、溝付接合板100aの突部13が挟持部材120に食い込むことで、両者のずれが防止されて両者が固定される。すなわち、溝付接合板100aは、H形鋼200及び挟持部材120との対向面のそれぞれに、複数の突部13と突部13間に形成される溝部11とを有し、溝付接合板100aの外面側の突部13は挟持部材120に食い込み、溝付接合板100aの内面側の突部13はH形鋼200に食い込む。なお、溝付接合板100aのH形鋼200との対向面側に平坦部14を形成し、挟持部材120との対向面には、平坦部14は必ずしも必要ではない。また、作業の効率化のため、溝付接合板100aと挟持部材120とはボルト等で仮接合してもよい。
この際、挟持部材120とH形鋼200は、材質や硬度などが異なる場合がある。この場合には、それぞれの部材に対して適切な突部13のピッチや高さが存在する。このため、溝付接合板100aの両面に接触する部材に対して適切な突部13となるように、両面の突部13同士の距離や高さを変えることで、効率よく挟持部材120とH形鋼200の両方に対して、突部13を食い込ませることができる。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、溝付接合板100aの両面に突部13を形成することで、挟持部材120と溝付接合板100aを強固に接合する必要がない。このため、挟持部材120と溝付接合板100aの接合部材が不要となるか、または、接合する場合でも、仮止め程度の接合とすることができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。図9は、第4の実施形態に係る溝付接合板100bを示す斜視図である。溝付接合板100bは、溝付接合板100と略同様の構成であるが、突部13および溝部11が2方向に向けて形成される点で異なる。
溝付接合板100bは、接合対象に接する少なくとも一方の面に、複数の突部13が併設される。それぞれの隣り合う突部13の間に溝部11a、11bがそれぞれ形成される。第1の溝部である溝部11aは、互いに平行に配置される。同様に、第2の溝部である溝部11bは、互いに平行に配置される。溝部11aと溝部11bとは、互いに異なる向きに形成される。なお、図示した例では、溝部11aと溝部11bとは、互いに直交するように設けられるが、溝部11aと溝部11bとの角度は90度には限定されない。また、図示した例では、突部13及び溝部11a、11bは、一方の面のみに形成されるが、両面に形成されてもよい。なお、溝付接合板100bにおいては、少なくとも一方の溝部11a、11bにおいて、前述した突部13と溝部11との高さ比や幅比を満たせばよいが、溝部11a、11bの両者に対して、前述した突部13と溝部11との高さ比や幅比を満たすことが望ましい。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、互いに異なる向きの溝部11a及び溝部11bが設けられるため、突部13の角形状部の数が増加し、突部13を接合対象により噛合わせることができ、すべり係数を大きくすることができる。
また、H形鋼200同士の引張方向に対するすべり係数のみではなく、H形鋼200同士のせん断方向に対しても、高いすべり係数を得ることができる。また、H形鋼200の接合の際に、ウェブの接合とフランジの接合とで、溝部及び突部の形成方向を変える必要がなく、同一の部材を用いることができる。なお、溝付接合板100bは、単独で使用することもできるが、挟持部材120と併用してもよい。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
11、11a、11b………溝部
12………貫通孔
13………突部
14………平坦部
100、100a、100b………溝付接合板
101………高力ボルト
102………ナット
111………突部形成面
120………挟持部材
121………溶接部
123………ボルト
200………H形鋼
300、300a、300b………鋼材接合構造

Claims (8)

  1. 板状部材の少なくとも一方の面に、複数の突部と前記突部間に形成される溝部とを有する溝付接合板であって、
    前記突部の併設方向に対して、前記板状部材の略中央部には、前記突部及び前記溝部が形成されない平坦部が形成されることを特徴とする溝付接合板。
  2. 前記平坦部における溝付接合板の厚みが、前記溝部における溝付接合板の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1記載の溝付接合板。
  3. 前記突部および前記溝部が、溝付接合板の両面に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溝付接合板。
  4. 溝付接合板のそれぞれの面において、前記突部同士のピッチが異なることを特徴とする請求項3記載の溝付接合板。
  5. 互いに端部が突き合せられた一対の鋼材と、
    前記鋼材同士にまたがるように固定され、前記鋼材を挟み込む溝付接合板と、
    を具備し、
    前記溝付接合板は、
    少なくとも前記鋼材との対向面に、複数の突部と前記突部間に形成される溝部とを有し、
    前記突部の併設方向に対して、前記溝付接合板の略中央部には、前記突部及び前記溝部が形成されない平坦部が形成され、前記平坦部が、前記鋼材同士の突き合せ部近傍に配置されることを特徴とする鋼材接合構造。
  6. 前記鋼材同士にまたがるように固定され、前記鋼材及び前記溝付接合板を挟み込む挟持部材を具備し、
    前記突部および前記溝部が、前記溝付接合板の前記鋼材との対向面にのみ形成され、前記挟持部材と前記溝付接合板とが、溶接又はボルトで固定されることを特徴とする請求項5記載の鋼材接合構造。
  7. 前記鋼材同士にまたがるように配置され、前記鋼材及び前記溝付接合板を挟み込む挟持部材を具備し、
    前記溝付接合板は、前記鋼材及び前記挟持部材との対向面のそれぞれに、複数の前記突部と前記突部間に形成される前記溝部とを有することを特徴とする請求項5記載の鋼材接合構造。
  8. 前記溝付接合板のそれぞれの面において、前記突部同士のピッチが異なることを特徴とする請求項7記載の鋼材接合構造。
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