JP3078637U - 多面体胴部壁面の位牌・納骨堂 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】位牌・納骨堂において、外観的にも優れ各寺院
の自寺院境内で各種法規制に拘束されず短期間で容易に
建立でき、安価で、礼拝用の荘厳な礼拝部設備もあり、
かつ多数の位牌・遺骨箱等を載置するための複数段の位
牌・遺骨箱安置棚を備えた多面体胴部壁面の位牌・納骨
堂を提供する。 【解決手段】屋根と多面体形状の胴部壁面とを有する位
牌・納骨堂であって、同位牌・納骨堂の前側壁面の一部
に施錠手段を備えた入出口扉と、内部奥側壁面正面部に
配設された礼拝部と、同礼拝部を除く複数の内部壁面前
部に配設された多数の位牌・遺骨箱等を載置するための
複数段の位牌・遺骨箱安置棚とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】 本考案は、神社・仏閣の特殊建築物に係り、礼 拝部を有し、多段の位牌・遺骨箱の収納棚を複数備えた多面体胴部壁面の位牌・ 納骨堂に関する。

【０００２】

【従来の技術】 従来、先祖供養のため独立した個々の墓石を建立し、これ を遺族が参拝し供養するのが本来である。 しかし、全国的に都市化が激しく土地価格の高騰もあり、墓地確保の困難性は ますます増加傾向にあり、従って個人がお墓を購入しようとしても高価な上に近 隣での確保ができない状況にある。 一方、寺院側にしても、敷地の確保はもとより立地条件や、墓地埋葬に関する 法律や条例など各種の法規制があり、大規模の霊園式墓地以外には墓地造成が実 現困難な状況にある。 そのため、墓地の確保ができない寺院は納骨堂等を建立することで対処するこ とになるが、この納骨堂ですら法規制に基づいて建立する必要があり、高額な資 金と、長期の建築期間を要するため、一定規模以上の寺院でないと簡単には実現 ができない。 このような状況解決のため、寺院内の一部にひな壇形式の位牌載置棚を設けた り、多段・多列状に配列した扉つきのロッカー形式箱内に小さな仏壇を設け位牌 ・遺骨箱を納めてお墓の代わりとし、遺族はこのロッカー形式の箱の前で読経・ 焼香等お参りをする形式にならざるを得なかった。 この場合、希望どおりの位置が選択できず、やむなく上段又は下段の位置にな ればお参りがしにくいばかりでなく、お墓としての尊厳性が乏しいなどの問題が 生じる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 以上のような従来の社会的背景を含む問 題点に鑑み、外観的にも優れ各寺院の自寺院境内で各種法規制に拘束されず短期 間で容易に建立でき、安価で、礼拝用の荘厳な礼拝部設備もあり、かつ多数の位 牌・遺骨箱等を載置するための複数段の位牌・遺骨箱安置棚を備えた多面体胴部 壁面の位牌・納骨堂を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案者は，上記に鑑み鋭意研究の結果， 次の手段によりこの課題を解決した。 （１）屋根と多面体形状の胴部壁面とを有する位牌・納骨堂であって、同位牌・ 納骨堂の前側壁面の一部に施錠手段を備えた入出口扉と、内部奥側壁面正面部に 配設された礼拝部と、同礼拝部を除く複数の内部壁面前部に配設された多数の位 牌・遺骨箱等を載置するための複数段の位牌・遺骨箱安置棚とを備えて成ること を特徴とする多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。 （２）前記施錠手段が、前記位牌・納骨堂内に配設された照明装置を前記施錠手 段の開閉により点滅制御できることを特徴とする前項（１）に記載の多面体胴部 壁面の位牌・納骨堂。 （３）前記礼拝部が、その上部背面に掛け軸等の懸架手段と、仏壇等を載置する 内仏壇と、同内仏壇前方に位牌・遺骨箱等を載置する位牌・遺骨台とを備えて成 ることを特徴とする前項（１）又は（２）に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨 堂。

【０００５】 （４）前記位牌・納骨堂が、その上部壁面に換気窓と、換気扇等による強制換気 手段を備えて成ることを特徴とする前項（１）〜（３）のいずれか１項に記載の 多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。 （５）前記位牌・納骨堂が、その所要床面積が１０平方メートル未満であること を特徴とする前項（１）〜（４）のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌 ・納骨堂。 （６）前記位牌・納骨堂が、その胴部周囲が六面体形状の建築様式であることを 特徴とする前項（１）〜（５）のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・ 納骨堂。 （７）前記位牌・納骨堂が、寺院境内に設置されるものであることを特徴とする 前項（１）〜（６）のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。

【０００６】 （８）前記位牌・遺骨箱安置棚が、その上部面の一部又は全部に固着された着磁 性を有する金属製膜を備えて成ることを特徴とする前項（１）〜（７）のいずれ か１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。 （９）前記位牌及び遺骨箱が、その底部面に固着された磁性体膜を備えて成るこ とを特徴とする前項（１）〜（８）のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位 牌・納骨堂。 （１０）前記位牌・遺骨箱安置棚及び前記位牌及び遺骨箱が、位牌・遺骨箱安置 棚上部面の一部又は全部と、位牌及び遺骨箱底部面との双方にベルクロファスナ ー等の固定具を備えて成ることを特徴とする前項（１）〜（７）のいずれか１項 に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。

【０００７】

【考案の実施の形態】 本考案の実施の形態を、実施例の図を用いて説明す る。 図１（ａ）は、本考案実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂の外観正面図、 図１（ｂ）は、同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂の外観側面図、図１（ ｃ）は、同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂の外観背面図である。 また、図２は、同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部の平面図であり 、図３は、同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部の礼拝部正面図である 。 そして図４は、同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部の位牌・遺骨箱 安置棚正面図、図５は、同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部の礼拝部 壁面とその左右の位牌・遺骨箱安置棚壁面の展開説明図である。

【０００８】 図１において、多面体胴部壁面式位牌・納骨堂として、寺院等の建物は六角堂 が始まりとも言われていることもあり、経典の中の“六”の字に由来し永遠なる 聖地天空に因み六面体形状とした胴部２と、同様に六面体の宝珠付き屋根３とで 形作られた美麗で荘厳な建築様式の六面体胴部壁面を有する六角堂式位牌・納骨 堂１を採用している。 堂正面には、施錠手段７を備え、飾り金物が鋲着された重厚な入出口扉４が取 り付けられ、扉４の前には石段６が設けられている。 堂全体は鉄筋コンクリート造り六面体の基礎５の上に建築されている。 なお、基礎５を含む堂全体の造りは、八角等の多面体あるいは四角面体でもよ いのは言うまでもない。

【０００９】 図２において、六角堂式位牌・納骨堂１の内部は、正面入口には施錠手段７を 有する観音開きの扉４と、入堂するとその正面には礼拝部８と、その他の壁面前 部には多数の位牌・遺骨箱等を載置するための複数段の位牌・遺骨箱安置棚１５ とが配設されている。 六角堂式位牌・納骨堂１の石段６を登り、扉４の施錠手段７を鍵等で解錠する と、堂中央天井及び礼拝部８に配設された図示しない照明装置が点灯し、同時に 上部壁面に配設された換気扇９も始動し、換気窓１０から室外空気を取り入れ強 制排気ができる。換気扇９及び換気窓１０は、礼拝部８の壁に隣接する壁面の両 面の壁又は片側の壁に取り付けてもよい。 礼拝等法要を終了し、扉４の施錠手段７に施錠すると、照明装置は消灯し、換 気扇９は停止する。 なお、前記照明装置は、荘厳さを演出するための間接照明手法を駆使して配設 することも好ましい。

【００１０】 図３において、礼拝部８の壁面には掛け軸１１等の図示しない懸架手段と、そ の前面下部に仏壇等を載置する内仏壇１２と、位牌・遺骨箱等を載置する位牌・ 遺骨台１３と、地袋１４等とを備えている。 図４において、堂正面の扉４の壁面と礼拝部８の壁面を除く他の壁面前部には 多数の位牌・遺骨箱等を載置するための複数段の位牌・遺骨箱安置棚１５が配設 されている。 位牌・遺骨箱安置棚１５の各棚上部面の一部又は全部に図示しない着磁性を有 する鉄板等金属製の薄い板状の膜が固着されていて、位牌又は遺骨箱の底部面に 貼着された図示しない磁性体膜を接触させることにより、地震等の振動が加えら れても容易に倒れないようになっている。 又は、位牌・遺骨箱安置棚上部面の一部又は全部と、位牌及び遺骨箱底部面と の双方に、例えば図示しないベルクロファスナー等の固定具を備えて、分離（剥 離）可能に接合できるように構成し、装着、取り外しも容易で、かつ地震等の振 動が加えられても容易に倒れないようにしてもよい。

【００１１】 図５において、礼拝部８の前記懸架手段に懸架した掛け軸１１と内仏壇１２及 び位牌・遺骨台１３に載置した仏具１６を示し、複数段の位牌・遺骨箱安置棚１ ５に並べて載置した位牌１７や遺骨箱１８を示している。 なお、本願考案の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂は、宗教の種類にとらわれず 位牌・遺骨箱、あるいはそれに相当したものを礼拝する場合にも用いることがで きる。

【００１２】

【考案の効果】 本願考案によれば、次のような効果が発揮される。 土地価格、立地条件等に煩わされず、安価で、荘厳な外観的に優れた多数の位 牌・遺骨箱を収容できる多面体胴部壁面の位牌・納骨堂を各寺院境内等に設置で きる。 また、多数の位牌・遺骨箱を収容できる多面体胴部壁面の位牌・納骨堂を自寺 院境内に設置することにより、住職等が檀家のための先祖供養を随時行うことが できるので、檀家との信頼関係が築かれ、檀家離れの防止のみならず新たな檀家 の獲得等宗教活動の充実が図られる。 例えば、鉄骨軸組工法等ノックダウン方式の建築工法を用いれば、施工が容易 で、短期間で完成でき、土地価格に左右されず、安価な工法で建築でき、多数の 位牌・遺骨箱を収容できるので、購入者に安価で提供できる。 さらに、礼拝用の荘厳な礼拝部を設けているので、宗派を問わず利用でき、各 宗派に対応した本尊像の描かれた掛け軸、仏壇等を設置できる。

【００１３】 また、本考案は、施錠手段の開閉に伴って自動的に点滅する照明装置を備えて いるので、堂内壁面に照明用スイッチ等を設けるスペースの必要がなく、壁面を 有効に活用でき、かつ照明の点滅忘れが防止できる。 さらには、換気扇、換気窓を備えているので、読経、焼香時のロウソク、線香 等の煙り、匂い等がこもらない。 そして、所要床面積が１０平方メートル未満のため、３坪程度の狭い場所でも 建立でき、かつ面倒な建築許可や墓埋法の申請が不要等各種規制に拘束されない 。そのうえ、位牌・遺骨箱は、磁石又はベルクロファスナー等の固定具を利用し た載置方法であるため、地震等振動が加わっても転倒しにくいため整理・整頓が 容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本考案実施例の多面体胴部壁面式位牌・
納骨堂の外観正面図、(ｂ）同実施例の多面体胴部壁面
式位牌・納骨堂の外観側面図、（ｃ）同実施例の多面体
胴部壁面式位牌・納骨堂の外観背面図。

【図２】同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部
の平面図。

【図３】同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部
の礼拝部正面図。

【図４】同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部
の位牌・遺骨箱安置棚正面図。

【図５】同実施例の多面体胴部壁面式位牌・納骨堂内部
の礼拝部壁面とその左右の位牌・遺骨箱安置棚壁面の展
開説明図。

【符号の説明】

１：六角堂式位牌・納骨堂 ２：胴部 ３：屋根 ４：扉 ５：基礎 ６：石段 ７：施錠手段 ８：礼拝部８ ９：換気扇 １０：換気窓 １１：掛け軸 １２：内仏壇 １３：位牌・遺骨台 １４：地袋 １５：位牌・遺骨箱安置棚 １６：仏具 １７：位牌 １８：遺骨箱

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根と多面体形状の胴部壁面とを有する
   位牌・納骨堂であって、同位牌・納骨堂の前側壁面の一
   部に施錠手段を備えた入出口扉と、内部奥側壁面正面部
   に配設された礼拝部と、同礼拝部を除く複数の内部壁面
   前部に配設された多数の位牌・遺骨箱等を載置するため
   の複数段の位牌・遺骨箱安置棚とを備えて成ることを特
   徴とする多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。
2. 【請求項２】 前記施錠手段が、前記位牌・納骨堂内に
   配設された照明装置を前記施錠手段の開閉により点滅制
   御できることを特徴とする請求項１に記載の多面体胴部
   壁面の位牌・納骨堂。
3. 【請求項３】 前記礼拝部が、その上部背面に掛け軸等
   の懸架手段と、仏壇等を載置する内仏壇と、同内仏壇前
   方に位牌・遺骨箱等を載置する位牌・遺骨台とを備えて
   成ることを特徴とする請求項１又は２に記載の多面体胴
   部壁面の位牌・納骨堂。
4. 【請求項４】 前記位牌・納骨堂が、その上部壁面に換
   気窓と、換気扇等による強制換気手段を備えて成ること
   を特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の多面
   体胴部壁面の位牌・納骨堂。
5. 【請求項５】 前記位牌・納骨堂が、その所要床面積が
   １０平方メートル未満であることを特徴とする請求項１
   〜４のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納
   骨堂。
6. 【請求項６】 前記位牌・納骨堂が、その胴部周囲が六
   面体形状の建築様式であることを特徴とする請求項１〜
   ５のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨
   堂。
7. 【請求項７】 前記位牌・納骨堂が、寺院境内に設置さ
   れるものであることを特徴とする請求項１〜６のいずれ
   か１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。
8. 【請求項８】 前記位牌・遺骨箱安置棚が、その上部面
   の一部又は全部に固着された着磁性を有する金属製膜を
   備えて成ることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１
   項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納骨堂。
9. 【請求項９】 前記位牌及び遺骨箱が、その底部面に固
   着された磁性体膜を備えて成ることを特徴とする請求項
   １〜８のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・
   納骨堂。
10. 【請求項１０】 前記位牌・遺骨箱安置棚及び前記位牌
    及び遺骨箱が、位牌・遺骨箱安置棚上部面の一部又は全
    部と、位牌及び遺骨箱底部面との双方にベルクロファス
    ナー等の固定具を備えて成ることを特徴とする請求項１
    〜７のいずれか１項に記載の多面体胴部壁面の位牌・納
    骨堂。