JP3078601U - 開蓋具付き広口壜 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開蓋が容易で、別個に栓抜器具を用意使用す
ることなく、弱力者でも開蓋が容易にできる開蓋具付き
広口壜を提供すること。 【解決手段】壜口口部６の壜口内側大径部７に壜蓋２の
係止段差部１０を設けた広口壜１に、その壜口直径方向
に係止部４を両端末に形成した細長形状の合成樹脂製薄
片３を載置し、その上部より壜蓋２を壜口５に嵌入し前
記段差部１０に係止させると共に前記合成樹脂製薄片３
の両端末を壜蓋２の外方向に突出させてなる開蓋具付き
広口壜で、上記の課題を解決する。

Description

【考案の詳細な説明】

【００１】

【産業上の利用分野】

本考案は牛乳・乳飲料・清涼飲料等を入れた容器の容器口（主として硝子壜・ 合成樹脂製壜の広口壜口）に嵌入される壜蓋の開蓋に関する開蓋具付き広口壜の 改良に関する考案である。

【００２】

【従来の技術】

従来は、牛乳・乳飲料・清涼飲料等を入れた容器の容器口（主として硝子壜・ 合成樹脂製壜の広口壜口）に嵌入される紙製壜蓋を開蓋するのには、 （１）爪先で壜蓋の周縁を折り込んで、折り立てその周縁を摘んで外し開蓋す る手段 （２）栓抜器を使用して、壜蓋に栓抜きを突き刺して外し開蓋する手段 （３）壜口に嵌入する栓の裏面に引紐を添着し、その端部を壜口外に突出させ 、その壜口の壁面に接着固定する手段（実公昭３１−８５７４号公報記載） （４）膨大部を端近くに施した引紐を瓶口に載置し、その上より薄い栓体を嵌 入する手段（実公昭３１−８５７２号公報記載） （５）耐湿性素材で無害で瓶口と同形にした薄板の両側に耳を附し、同形の紙 蓋の下面に当てると共に嵌込みてなる開蓋具を備えた蓋付瓶による手段（実公昭 ３４−７６９０号公報記載） 等が数多くの手段が採用されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

容器の容器口（主として広口壜）に嵌入された蓋を外す手段として、上記のよ うに数多くの手段が採用されているも、開蓋するには （１）爪先で壜蓋の周縁を折り込む力や壜蓋を摘み外す力を必要とし、夫々の 力の掛け方によっては容器（主として広口壜）内に指先を突っ込み入れてしまい 中身の飲料が飛散して、服装を汚すことや爪先に力を集中することが困難な幼年 者・病弱者・高齢者には不向きの開蓋手段が課題であった。 （２）そこで、栓抜器具の使用が提案されているも開蓋の都度この器具を準備 する必要があって、これの購入や保管の煩わしさが生じる課題 （３）実公昭３１−８５７４号公報や実公昭３４−７６９０号記載に記載され た考案は、その製造工程が複雑でとりわけ引紐を壜口の壁面に接着固定する手段 は、高速で多量生産には採用しがたい課題であった。 （４）実公昭３１−８５７２号公報に記載された考案も、指先に力を集中する ことが困難な幼年者・病弱者・高齢者には引紐を引っ張っても、引っ張力が開蓋 の嵌入力に負けて引紐が指先から抜け落ちる課題があった。 本考案は上記の課題を解決すべくなされた考案である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決することを目的とする考案で、 壜口口部６の壜口内側大径部７に壜蓋２の係止段差部１０を設けた広口壜１に、 その壜口直径方向に係止部４を両端末に形成した細長形状の合成樹脂製薄片３を 載置し、その上部より壜蓋２を壜口５に嵌入し前記段差部１０に係止させると共 に前記合成樹脂製薄片３の両端末を壜蓋２の外方向に突出させてなる開蓋具付き 広口壜で、上記の課題を解決する。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案に係わる開蓋具付き広口壜の一具体例である壜蓋２と合成樹脂製薄片３ が嵌入される前記広口壜１の一部を切断して示した打蓋時の正面図を図１に示す 。

【０００６】 前記広口壜１は図１においては、その上部のみが示されている。広口壜１にお けるこの上部以外の部分については広口壜１が通常の壜体としての機能を発揮す ることができればどのような構造であっても良い。

【０００７】 前記広口壜１はその上端部に壜口口部６を有し、この壜口口部６は壜口５を形 成する部位である。この壜口口部６は環状構造で、広口壜１の他の部分よりも肉 厚に形成される。

【０００８】 壜口口部６は、壜口内側大径部７、壜口内側小径部８、壜口頂部１１、外側壁 １２から形成される。 壜口内側大径部７は壜口口部６の上部に位置する部分で壜口５を形成し、壜口 内側小径部８は壜口内側大径部７の下方に位置し、前記壜口内側大径部７より小 さい内径を有し、これら壜口内側大径部７と壜口内側小径部８との接合部９には 壜口５の仮想的な平面と平行な環状構造の係止段差部１０が形成される。 この係止段差部１０には図１に図示の如く壜蓋２が壜口口部６から実線の矢標 方向に嵌入されて係止される。

【０００９】 前記広口壜１の材料は、広口壜１が通常の壜体としての機能を有する限り特に 制限はなく硝子又は合成樹脂が使用できる。

【００１０】 前記広口壜１は係止段差部１０を有し、この係止段差部１０も環状構造である 。又広口壜１は容器としての機能を発揮するもので、壜口５も略環状構造で、そ の壜口頂部１１も略環状構造で仮想的な平面を形成する。本考案は係止段差部１ ０を有するものであれば、方形・多角形の箱型 構造の容器でも目的を達成でき る。

【００１１】 細長形状の合成樹脂製薄片３は環状構造の壜口口部６にその壜口直径方向にに 載置されるもので、その材質は好ましくは衛生規格上の見地からは無添加ポリエ レンが好ましい。その形状は細長形状にして帯状に形成され、詳述するとその幅 は５ｍｍ乃至７ｍｍ幅程度のもの選択すると指先で摘みやすい。又その長さは図 ３に図示する如く環状構造の壜口口部６の外側直径より長い寸法で、壜蓋２が壜 口５から係止段差部１０に嵌入される高さ即ち壜口頂部１１から段差部１０まで の左右の高さと指先で摘める長さの適宜の長さに選択しうる。

【００１２】 上記合成樹脂製薄片３の左右両端末には連続されたこの薄片３が適宜寸法で熱 溶断される時に係止部４が形成される。熱溶断されたこの薄片３の表裏面はその 材質の物性上，滑り易い性質を有する。

【００１３】 壜口口部６にその壜口直径方向に載置されるこの細長形状の合成樹脂製薄片３ の略中央に壜蓋２を載置し打蓋すると、係止段差部１０に壜蓋２が図２に示すよ うに嵌入され、左右両端末に係止部４を有する細長形状の合成樹脂製薄片３が壜 口口部６の壜口頂部１１に帯状に夫々載置されている点に特徴があって、このこ とによって本考案に係る開蓋具付き広口壜は左右いずれか一方の細長形状の合成 樹脂製薄片３を摘み引っ張ることが可能となる。

【００１４】 図２に示す如く壜口５外に突出させたこの合成樹脂製薄片３の一端を実線の矢 標方向に引っ張り出しても係止部４が指先の滑り止めの役目を果たし、この合成 樹脂製薄片３が指先から抜け落ちる恐れがなくこの合成樹脂製薄片３を引っ張る ことができる。よって、壜口５外に突出させたこの合成樹脂製薄片３の一端は左 右いずれかの一方を選択できる。このようにこの合成樹脂製薄片３の両端末に係 止部４を設けたので、幼年者・病弱者・高齢者でもこの合成樹脂製薄片３を摘み 引っ張ることが可能となる。

【００１５】 上記のように構成される本考案によって壜蓋２を開蓋するには、細長形状の合 成樹脂製薄片３を図２の実線の矢標方向に引っ張ると滑動して係止部４が壜口内 側大径部７と壜蓋２の周縁とに挟まれ係止し、この部分が梃子の支点Ａとなって 壜蓋２をその外円縁から上方に容易に開蓋できる。又本考案にあっては細長形状 の合成樹脂製薄片３の端末を逆時計方向（図２の鎖線矢標方向）に押し下げても 、この合成樹脂製薄片３が壜口内側大径部７の上端縁を支点Ｂとして作用して壜 蓋２を押し上げるので容易に開蓋でき、引っ張る力の弱い幼年者・病弱者・高齢 者の利用には便益大である。

【００１６】

【本考案の効果】

本考案の開蓋具付き広口壜は、細長形状の合成樹脂製薄片が支点の二箇所で壜 口口部の壜口内側大径部と壜蓋の円縁とに接しているので、引っ張る力の弱い幼 年者・病弱者・高齢者でも爪先で壜蓋を折り込むことや栓抜器具を使用すること なく壜蓋を広口壜から開蓋し易く操作も容易である。

【００１７】 本考案の開蓋具付き広口壜においては、細長形状の合成樹脂製薄片の左右両端 末に係止部を設けたので、開蓋する操作も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、開蓋具付き広口壜の一部を切断して
示した打蓋時の正面図

【図２】 図２は、開蓋具付き広口壜の一部を切断して
示した壜蓋を抜く時の状態を示す正面図

【図３】 図３は、開蓋具付き広口壜の要部を示した斜
視図

【符号の説明】

１……広口壜 ２……壜蓋 ３……細長形
状の合成樹脂製薄片 ４……係止片 ５……壜口 ６……壜口口
部 ７……壜口内側大径部 ８……壜口内
側小径部 ９……接合部 １０……係止段差部 １１……壜口頂部 １２……外側壁 Ａ……支点 Ｂ……支点

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壜口口部６の壜口内側大径部７に壜蓋２
   の係止段差部１０を設けた広口壜１に、その壜口直径方
   向に係止部４を両端末に形成した細長形状の合成樹脂製
   薄片３を載置し、その上部より壜蓋２を壜口５に嵌入し
   前記段差部１０に係止させると共に前記合成樹脂製薄片
   ３の両端末を壜蓋２の外方向に突出させてなる開蓋具付
   き広口壜