JP3078287B1 - 電子放出材料の製造方法 - Google Patents

電子放出材料の製造方法

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JP3078287B1 JP34696699A JP34696699A JP3078287B1 JP 3078287 B1 JP3078287 B1 JP 3078287B1 JP 34696699 A JP34696699 A JP 34696699A JP 34696699 A JP34696699 A JP 34696699A JP 3078287 B1 JP3078287 B1 JP 3078287B1
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Abstract

【要約】 【課題】 電子放出材料として利用できる酸窒化物ペロ
ブスカイトを、アンモニアガスを使用せずに製造できる
方法を提供する。 【解決手段】 原料粉末またはその成形体に対し炭素を
近接配置した状態とし、窒素ガス含有雰囲気中で焼成す
ることにより、Ba、SrおよびCaの少なくとも1種
からなる第1成分と、Ta、Zr、Nb、TiおよびH
fの少なくとも1種からなる第2成分とを金属元素成分
として含む酸窒化物ペロブスカイトを生成させる酸窒化
物生成工程を有する電子放出材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ等の種
々の放電灯や陰極線管の電極、プラズマディスプレイ、
蛍光表示管等の電極などに利用される電子放出材料を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、省資源の社会的要
求が高まりつつあり、それに対応して、一般照明用光源
やディスプレイの省エネルギー化が積極的に進められて
いる。例えば、白熱電球から、よりエネルギー効率が高
く寿命も長い電球形蛍光ランプへの置き換えや、ブラウ
ン管から、よりエネルギー消費量の少ない液晶ディスプ
レイヘの置き換えが急速に進んでいる。それに伴って、
電球形蛍光ランプ用や、液晶ディスプレイのバックライ
ト光源用として、蛍光ランプの利用が急速に進んでい
る。同様に、ブラウン管の陰極線管やプラズマディスプ
レイ、蛍光表示管などについても、エネルギー効率が高
く省エネルギー化が可能な電極が要求されている。
【0003】従来、蛍光ランプの電極としては、BaO
を主成分とする酸化物電極が一般に利用されている。こ
のような電極は、例えば特開昭59−75553号公報
に記載されている。しかし、BaOを主成分とする酸化
物電極は、電子放出性がよい反面、比抵抗が高い。その
ため、大きな電子放出電流を得ようとすると高温になっ
てしまい、その結果、蒸気圧が高くなって蒸発が多くな
るので、寿命が短くなるという問題が生じる。また、B
aOを主成分とする酸化物電極では、Baの炭酸塩を塗
布したタングステンコイルに電流を流して炭酸塩を酸化
物とし、その際に脱炭酸を行う必要がある。しかし、こ
の電極を細管化した蛍光ランプに適用する場合、脱炭酸
が不十分となりやすく、その結果、ランプのバルブ内に
炭酸ガスが残留して放電が不安定になったり、輝度維持
率が極端に悪化したりするという問題が生じる。
【0004】また、米国特許第2,686,274号明
細書には、Ba2TiO4などのセラミックスを還元処理
することにより半導体化した棒状の電極が記載されてい
るが、この種のセラミック半導体電極には、熱衝撃に弱
い、Hgイオンや希ガスイオンによるスパッタリングに
よって劣化しやすい、使用可能な電流密度が小さい、と
いう問題があった。
【0005】このような従来の蛍光ランプ用電極に対
し、本発明者らは、一端が開放し一端が閉じた円筒状の
容器内にセラミック半導体を収容した構造の電極を提案
し、また、この電極について、およびこの電極を用いた
放電灯について、様々な改良を加えている(特公平6−
103627号公報、特許第2628312号、特許第
2773174号、特許第2754647号、特開平4
−43546号公報、特開平6−267404号公報、
特開平9−129177号公報、特開平10−1218
9号公報、特開平6−302298号公報、特開平7−
142031号公報、特開平7−262963号公報、
特開平10−3879号公報)。これらの電極は、耐ス
パッタリング性が良好であり、また、蒸発しにくいた
め、劣化しにくく長寿命であるという特徴をもつ。しか
し、耐スパッタリング性および蒸発しにくさについて
は、さらなる改良が望まれる。
【0006】また、蛍光ランプ等の放電灯用電極のほ
か、熱陰極動作または冷陰極動作による放電を利用する
各種電極、例えば、ブラウン管、電子顕微鏡、プラズマ
ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイな
どに使用される電極においても、蒸発やイオンスパッタ
リングによる劣化などが問題となっており、寿命の向上
が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、放電
時の蒸発が少なく、かつ、イオンスパッタリングに対す
る耐性が高い電子放出材料を、低コストで量産できる方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(13)の本発明により達成される。 (1) Ba、SrおよびCaの少なくとも1種からな
る第1成分と、Ta、Zr、Nb、TiおよびHfの少
なくとも1種からなる第2成分とを金属元素成分として
含み、酸窒化物ペロブスカイトを含有する電子放出材料
を製造する方法であり、前記金属元素成分を含有する被
焼成物に対し、炭素を近接配置した状態で窒素ガス含有
雰囲気中において焼成することにより、前記酸窒化物ペ
ロブスカイトを生成させて電子放出材料を得る酸窒化物
生成工程を有する電子放出材料の製造方法。 (2) 前記窒素ガス含有雰囲気中における酸素分圧が
0〜5.0×103Paである上記(1)の電子放出材料
の製造方法。 (3) 前記窒素ガス含有雰囲気として窒素気流を用
い、この窒素気流中の前記被焼成物近傍の空間におい
て、気流の流れる方向と垂直な断面における単位面積あ
たりの窒素ガス流量を0.0001〜5m/sとする上記
(1)または(2)の電子放出材料の製造方法。 (4) 前記酸窒化物生成工程において、前記被焼成物
中に炭素を混合することにより、前記被焼成物に対し炭
素を近接配置させる上記(1)〜(3)のいずれかの電
子放出材料の製造方法。 (5) 前記酸窒化物生成工程において、少なくとも一
部が炭素から構成されている焼成炉を用いることによ
り、前記被焼成物に対し炭素を近接配置させる上記
(1)〜(4)のいずれかの電子放出材料の製造方法。 (6) 前記酸窒化物生成工程において、少なくとも一
部が炭素から構成されている容器に前記被焼成物を収容
することにより、前記被焼成物に対し炭素を近接配置さ
せる上記(1)〜(5)のいずれかの電子放出材料の製
造方法。 (7) 前記酸窒化物生成工程において、複合酸化物を
含有する被焼成物から前記酸窒化物を生成させる上記
(1)〜(6)のいずれかの電子放出材料の製造方法。 (8) 前記酸窒化物生成工程において、成形体を前記
被焼成物として用いることにより電子放出材料の焼結体
を得る上記(1)〜(7)のいずれかの電子放出材料の
製造方法。 (9) 前記酸窒化物生成工程により得られた電子放出
材料を粉砕して電子放出材料粉末を得る上記(1)〜
(7)のいずれかの電子放出材料の製造方法。 (10) 前記電子放出材料粉末を成形して成形体を得
る成形工程と、前記成形体を窒素ガス含有雰囲気中にお
いて焼成することにより、前記酸窒化物ペロブスカイト
の分解を抑制しながら焼結体を得る焼結工程とを有する
上記(9)の電子放出材料の製造方法。 (11) 第1成分をMI、第2成分をMIIでそれぞれ
表したとき、前記酸窒化物ペロブスカイトがMIII2
N型結晶を含む上記(1)〜(10)のいずれかの電子
放出材料の製造方法。 (12) 前記第2成分の炭化物および/または窒化物
を含む電子放出材料が製造される上記(1)〜(11)
のいずれかの電子放出材料の製造方法。 (13) 第1成分をMI、第2成分をMIIでそれぞれ
表したとき、MI 4II 29型結晶、MIII 26型結
晶、MIII3型結晶、MI 5II 415型結晶、MI 7
II 622型結晶およびMI 6IIII 418型結晶の少なく
とも1種を含む電子放出材料が製造される上記(1)〜
(12)のいずれかの電子放出材料の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明により製造される電子放出
材料が含有する上記酸窒化物は、蒸気圧が低く、しか
も、電気抵抗を低くできる。そのため、BaOを主成分
とする従来の電極材料に比べ、より大きな電子放出電流
を流すことが可能であり、しかも、蒸発による電極劣化
が少ない。また、本出願人による前記特開平9−129
177号公報等に記載されているBa−Zr−Ta系複
合酸化物からなる電極に比べても、電極劣化が少なくな
る。したがって、熱陰極動作を行う電極に適用したとき
に、従来の電極よりも高い輝度が得られ、しかも、電極
寿命が著しく長くなる。
【0010】また、上記酸窒化物は、イオンスパッタリ
ングされても消耗しにくい。したがって、陰極降下電圧
が大きいためにイオンスパッタリングが激しくなる冷陰
極動作においても、消耗が少なく長寿命が実現する。
【0011】なお、ペロブスカイト構造をもつ上記酸窒
化物は、Journal of Materials Science,29,(1994),pp4
686-4693に記載されている。この文献では、アンモニア
気流中において1000℃で焼成することにより上記酸
窒化物を製造しているが、同文献では、このようにして
製造した酸窒化物を誘電体としてしか評価していない。
酸窒化物は還元性雰囲気中でも安定な化合物であるた
め、内部電極を卑金属から構成した積層セラミックコン
デンサに適している。
【0012】また、特開昭63−252920号公報
(米国特許第4,964,016号明細書が対応)に
は、式AB(O,N)3で表される導電性ペロブスカイ
トが記載されている。上記式において、元素Aは、IA
族およびIIA族の金属、イットリウムおよびランタノイ
ドから選ばれる金属を示し、元素Bは、IVA族ないしI
B族の遷移金属から選ばれる金属を示す。同公報では、
この導電性ペロブスカイトを、金属Aと金属Bとの混合
酸化物に対し約700〜900℃の温度でアンモニア気
流中において焼成することにより製造している。同公報
では、この導電性ペロブスカイトをセラミックコンデン
サの電極に使用することを提案しており、同公報には電
子放出材料に適用する旨の記載も示唆もない。同公報に
記載された導電性ペロブスカイトの組成は、本発明によ
り製造される電子放出材料に含有される上記酸窒化物の
組成と重なる。しかし、同公報では、本発明で限定する
組成をもつ酸窒化物ペロブスカイトの具体的開示はな
い。また、本発明において限定する組成を用いて、同公
報に記載された条件でアンモニア気流中において焼成す
ると、比抵抗が高くなりすぎて、電子放出材料として好
ましい特性は得られない。
【0013】このように、ペロブスカイト構造をもつ酸
窒化物自体は知られているが、これを電子放出材料とし
て使用することは、本発明者らが全く新規に提案するこ
とであり、この酸窒化物を電極に用いたときに上記効果
が実現することは、従来全く知られていない。すなわ
ち、本発明により製造される電子放出材料が含有する上
記酸窒化物は、電子放出材料としてはこれまで知られて
いなかった。
【0014】以下、本発明により製造される電子放出材
料について詳細に説明する。
【0015】電子放出材料 本発明により製造される電子放出材料は、Ba、Srお
よびCaの少なくとも1種からなる第1成分と、Ta、
Zr、Nb、TiおよびHfの少なくとも1種からなる
第2成分とを、金属元素成分として含む。第1成分は、
低仕事関数の電子放出成分である。第2成分は、電子放
出材料の低抵抗化および高融点化のために必要な成分で
ある。第1成分のうち好ましい元素はBaであり、Ba
は第1成分の50〜100原子%、特に70〜100原
子%を占めることが好ましい。第2成分のうち好ましい
元素はTaおよび/またはZr、特にTaであり、Ta
は第2成分の50〜100原子%、特に70〜100原
子%を占めることが好ましい。
【0016】本発明により製造される電子放出材料は、
ペロブスカイト構造を有する酸窒化物、すなわち酸窒化
物ペロブスカイト(オキシナイトライドペロブスカイ
ト)を含有する。上記第1成分をMI、上記第2成分を
IIでそれぞれ表したとき、この酸窒化物は、MIII
2N型結晶を少なくとも含むことが好ましい。なお、
この結晶において、酸素と窒素との比は2:1に限定さ
れない。実際の生成物は、酸素や窒素の欠陥が存在する
ことにより、MIII2+δN1-δ’として表されるも
のとなる。ここでδおよびδ’は、好ましくは−0.5
〜0.95、より好ましくは0〜0.7である。δおよ
びδ’がこのような範囲に存在すれば、電子放出材料の
蒸発およびスパッタリングによる消耗の抑制効果が高く
なる。なお、MIII2N型結晶は、MIII(O,
N)3型結晶と表すこともできる。
【0017】本発明により製造される電子放出材料中に
は、上記酸窒化物ペロブスカイトのほか、酸化物が含ま
れていてもよい。酸化物としては例えば、MI 4II 29
型結晶、MIII 26型結晶、MIII3型結晶、MI 5
II 415型結晶、MI 7II 622型結晶およびMI 6II
II 418型結晶等の複合酸化物の少なくとも1種が挙
げられる。なお、MI 6IIII 418型結晶としては、
例えばBa6ZrTa418が挙げられる。
【0018】電子放出材料は、上記酸窒化物のほか、炭
化物および/または窒化物、特にTaC等のMII炭化物
を含有していてもよい。この炭化物や窒化物は、後述す
るように、電子放出材料製造の過程で第2成分の一部が
炭化物や窒化物となる結果、含有されるものである。こ
れらの炭化物および窒化物は、高融点で導電性の高い物
質であるため、これらが含まれていても電子放出特性や
耐スパッタリング性は全く損なわれない。なお、第2成
分のうち例えばTaは炭化物となりやすく、Zrは窒化
物となりやすい。
【0019】電子放出材料中の各結晶の存在は、X線回
折により確認することができる。本発明により製造され
る電子放出材料の典型的なX線回折パターンを、図4に
示す。図4に示すパターンは、TaCを除き、実質的に
III2N型結晶の単一相からなる電子放出材料のも
のである。本発明により製造される電子放出材料は、M
III2N型結晶を主成分とすることが好ましく、実質
的にこの結晶だけから構成されることがより好ましい。
ただし、上述したように、炭化物および/または窒化物
が含まれていても問題はない。なお、MIII2N型結
晶が主成分であるとは、X線回折パターンにおいてそれ
ぞれの結晶の最大ピーク強度を比較したとき、MIII
2N以外の結晶の最大ピーク強度がMIII2N型結
晶の最大ピーク強度の50%以下、好ましくは30%以
下であることを意味する。ただし、例えばBaZrO3
とBa5Ta415とのように、最大ピーク位置がほぼ一
致する2種またはそれ以上の酸化物が同時に生成してい
る場合には、2番目に大きなピークの強度を用いて、M
III2N型結晶の最大ピークとの比較を行う。
【0020】電子放出材料において、第1成分、第2成
分の合計に対し、第1成分のモル比をX、第2成分のモ
ル比をYとしたとき、好ましくは 0.8≦X/Y≦1.5 であり、より好ましくは 0.9≦X/Y≦1.2 である。X/Yが小さすぎる場合、放電により第1成分
が早期に枯渇してしまうほか、耐スパッタリング性が不
十分となる。一方、X/Yが大きすぎる場合、放電中に
電子放出材料の蒸発およびスパッタリングによる飛散が
生じやすくなる。そのため、いずれの場合でも、例えば
放電灯に適用した場合には管壁黒化による輝度低下が生
じやすくなる。
【0021】電子放出材料は、第1成分および第2成分
以外の金属元素成分を含有していてもよい。このような
金属元素成分としては、元素M(Mは、Mg、Sc、
Y、La、V、Cr、Mo、W、Fe、NiおよびAl
の少なくとも1種)が挙げられる。元素Mは、焼結性向
上のために必要に応じて添加される。電子放出材料中に
おける元素Mの含有量は、酸化物換算で好ましくは10
質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。元素
Mの含有量が多すぎると、電子放出材料の融点が低くな
ってしまうため、高温使用時の蒸気圧が高くなって寿命
が短くなる。一方、元素M添加による効果を十分に発揮
させるためには、元素Mの含有量は0.5質量%以上と
することが好ましい。なお、酸化物換算での含有量と
は、化学量論組成の酸化物、すなわち、MgO、Sc2
3、Y23、La23、V25、Cr 23、MoO3
WO3、Fe23、NiOおよびAl23に換算して求
めた含有量である。
【0022】元素Mは、前記酸窒化物中においてMI
一部またはMIIの一部と置換されているか、または置換
されずに、酸化物、窒化物、炭化物などとして前記酸窒
化物と混合された状態となっている。なお、前記酸窒化
物結晶においてMIの一部またはMIIの一部が他の金属
元素で置換されていることは、X線回折におけるピーク
のシフトおよびピーク強度比の変化により確認すること
ができる。
【0023】本発明により製造される電子放出材料の室
温における比抵抗は、通常、10-6〜103Ωmなので、
誘電体とはならない。そして、動作温度(通常、熱陰極
では900〜1400℃程度、冷陰極では700〜10
00℃程度)において電子放出材料として優れた性能を
示す。すなわち、大きな放電電流を流すことによって高
温となった場合でも、蒸気圧が低いために消耗が少な
い。
【0024】電子放出材料の製造方法 前記Journal of Materials Science,29,(1994),pp4686-
4693に示されるように、酸化物や炭酸塩などの原料化合
物を混合した後、アンモニア気流中で焼成することによ
り、上記酸窒化物を得ることができる。
【0025】しかし、アンモニア気流中で焼成する場
合、排ガスの中にアルカリ性の強いアンモニアが含まれ
るため、製造装置の耐腐食性に留意する必要があり、ま
た、アンモニアが環境中に放出されないように、硫酸な
どを使用したトラップを排気口に配置する必要がある。
そのため、大量生産に不向きであり、また、設備コスト
が高くなる。
【0026】そこで、本発明者らは、アンモニア気流を
使用せずに酸窒化物ペロブスカイトを生成できる製造方
法を探索した結果、少なくとも原料粉末を含有する被焼
成物と炭素とを近接配置した状態で、窒素ガス含有雰囲
気中において焼成すれば、酸窒化物ペロブスカイトを生
成できることを見いだした。この方法では、安定で扱い
やすい窒素ガスを利用できるため、アンモニア気流を利
用する方法の問題点が解消される。この方法は、酸窒化
物ペロブスカイトの製造方法としては全く新規なもので
あり、本発明者らが初めて提案する方法である。なお、
この方法における被焼成物は、原料粉末そのものであっ
てもよく、原料粉末を含有する塗膜であってもよく、原
料粉末の成形体であってもよい。また、この場合の原料
粉末は、酸化物および/または焼成により酸化物を生成
する出発原料であってもよく、これを焼成して複合酸化
物を生成させた中間生成物であってもよい。
【0027】この方法において、被焼成物と炭素とを近
接配置する手段は特に限定されず、例えば、少なくとも
一部が炭素から構成されている焼成炉を用いたり、炉中
にバルク状、粒状、粉末状の炭素を入れた状態で被焼成
物を焼成したり、被焼成物に粒状、粉末状の炭素を混合
して焼成したり、被焼成物を少なくとも一部が炭素から
なる容器(匣)に入れて焼成したり、これら各手段の2
種以上を併用したりすればよい。これらのうちでは、被
焼成物中の原料粉末と炭素とをほぼ均一に接触させるこ
とが容易であって、かつ、被焼成物を窒素気流にさらし
やすいことから、特に、被焼成物に粒状や粉末状の炭素
を混合して焼成する方法が好ましい。ただし、比較的薄
い塗膜を焼成する際には、塗膜中に炭素粉末を分散させ
なくてもよい。塗膜が薄い場合には、焼成炉や容器から
塗膜中の原料粉末に十分に炭素を供給でき、また、薄い
塗膜に炭素粉末を分散させると、炭素粉末が塗膜の密度
や平坦性などに影響を与えるおそれがあるからである。
【0028】なお、少なくとも一部が炭素で構成された
炉としては、例えば、断熱材の少なくとも一部を炭素で
構成した炉が挙げられ、また、電気炉では、発熱体だ
け、または発熱体および断熱材をそれぞれ炭素で構成し
た炉が挙げられる。また、炭素からなる上記容器として
は、被焼成物に対する窒素ガスの接触を阻害しないよう
に、少なくとも一端が開放された容器を用いる。
【0029】また、炭素単体に替えて、炭素化合物を利
用することもできる。例えば、通常、成形体や塗膜には
有機化合物からなるバインダが含まれるが、焼成する際
に脱バインダを不十分にすることにより、バインダから
炭素を供給して酸窒化物を形成することもできる。ま
た、原料粉末中に有機化合物を入れたり、炉中に有機化
合物を入れて焼成したりすることによっても、酸窒化物
の生成は可能である。しかし、酸窒化物を安定して製造
でき、かつ、有機化合物の残留に起因する電子放出材料
の特性低下を招く心配がないことから、炭素単体を利用
する方法がより好ましい。
【0030】以下、上記電子放出材料を粉末または焼結
体として得る方法について、詳細に説明する。
【0031】焼結体(粉末)の製造方法1 上記電子放出材料を粉末または焼結体として得るに際し
ては、酸窒化物の生成を上記した条件で行えばよく、そ
のほかの工程は特に限定されず、例えば図1、図2およ
び図3にそれぞれ工程の流れを示す方法を利用すること
ができる。まず、図1に示す各工程について説明する。
【0032】秤量工程 秤量工程では、出発原料を最終組成に応じて秤量する。
出発原料として用いる化合物は、酸化物および/または
焼成により酸化物となる化合物、例えば炭酸塩、蓚酸塩
などを用いればよいが、通常、第1成分を含む化合物に
は、BaCO3、SrCO3およびCaCO3を用いるこ
とが好ましく、第2成分を含む化合物には、Ta25
ZrO2、Nb25、TiO2およびHfO2を用いるこ
とが好ましい。また、前記元素Mの出発原料としては、
MgCO3、Sc23、Y23、La23、V25、C
23、MoO3、WO3、Fe23、NiOおよびAl
23を用いることが好ましい。
【0033】混合工程 混合工程では、秤量した出発原料を混合し、原料粉末を
得る。混合には、ボールミル法、摩擦ミル法、共沈法な
どの方法を用いることができる。混合後、脱水加熱乾燥
法または凍結乾燥法などで乾燥する。
【0034】この混合工程では、必要に応じ出発原料に
炭素を添加する。炭素は、出発原料の混合の際に同時に
湿式混合してもよく、出発原料同士を混合した後に添加
して乾式混合してもよい。炭素は比重が比較的小さく、
分散媒中に分散しにくいため、湿式混合を行う場合には
必要に応じ分散剤を添加する。分散媒は水系であっても
有機系であってもよいが、環境への負荷を考慮すると、
水系のものを利用することが好ましい。
【0035】炭素の添加量は、出発原料に対し好ましく
は50質量%以下、より好ましくは20質量%以下であ
る。添加量が多すぎると、電子放出に寄与しない炭化物
や窒化物が多量に生成しやすくなるため、好ましくな
い。また、焼成後に炭素が多量に残留して、電子放出材
料として使用する際に蒸発してガス化しやすくなる点で
も、好ましくない。一方、炭素からなる容器および炭素
を含む炉材を利用しない場合において炭素の添加量が少
なすぎると、酸窒化物を生成することが困難となる。そ
のためこの場合には、炭素の添加量を出発原料に対し好
ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%とす
る。炭素の種類は特に限定されず、グラファイトや無定
型炭素などのいずれであってもよい。混合物中における
炭素の平均粒径は、好ましくは1mm以下、より好ましく
は500μm以下である。平均粒径が大きすぎると、混
合物中において均一に分散しにくくなるほか、反応しに
くくなるので、焼成後に残留しやすくなる。炭素粉末の
平均粒径は小さいほうが好ましいが、小さすぎると取り
扱いおよび分散が困難となるので、好ましくは0.01
μm以上とする。なお、炭素粉末の分散性を向上させる
ために、分散剤を用いてもよい。
【0036】酸窒化物生成工程 酸窒化物生成工程では、原料粉末を窒素ガス含有雰囲気
中で、好ましくは窒素気流中で焼成し、酸窒化物ペロブ
スカイトを含む電子放出材料を得る。このとき、前述し
たように、必要に応じ、少なくとも一部が炭素で構成さ
れた炉や容器を用いたり、炉中に炭素を配置したり、こ
れらを併用したりする。焼成温度は、好ましくは800
〜2000℃、より好ましくは1100〜1700℃で
ある。焼成温度が低すぎると酸窒化物が生成されにくく
なり、焼成温度が高すぎると炭化物や窒化物の生成量が
多くなって、いずれの場合でも電子放出材料としての性
能が不十分となりやすい。また、焼成温度が高すぎる
と、被焼成物が溶融するおそれもある。焼成時間(温度
保持時間)は、通常、0.5〜5時間程度とすればよ
い。この焼成は、粉末の状態で行ってもよく、取り扱い
を容易にするために粉末を成形した状態で行ってもよ
い。この焼成によりペロブスカイト構造の酸窒化物が生
成される。また、このとき、酸窒化物以外に、前記第2
成分の炭化物および/または窒化物も同時に生成される
ことがあり、特に炭化物は生成されやすい。
【0037】なお、原料粉末に混合された炭素粉末は、
窒素ガス含有雰囲気中での焼成により反応して消耗する
ため、混合量が適切であれば焼成体中に実質的に残存し
ない。したがって、焼成後、電子放出材料から炭素粉末
を除去する必要はないが、例えば粒径の大きな炭素粉末
を比較的多量に用いた場合などには、必要に応じて除去
作業を行ってもよい。
【0038】上記窒素ガス含有雰囲気としては、窒素1
00%であることが最も好ましいが、Ar等の不活性ガ
ス、CO、H2等の還元性ガス、炭素を構成成分とする
ガス(例えばベンゼンや一酸化炭素など)が含まれてい
てもよい。ただし、その場合でも、窒素が全体の50%
以上を占めることが好ましい。炭素を構成成分とするガ
スは、窒素に比べ一般に取り扱いが難しい上、酸窒化物
ペロブスカイトを安定して生成させることが難しい。
【0039】窒素気流中で焼成する場合、被焼成物近傍
での単位面積当たりの窒素ガス流量、すなわち、被焼成
物近傍の空間において、窒素気流の流れる方向と垂直な
断面における単位面積あたりの窒素ガス流量は、0.0
001m/s以上、特に0.001m/s以上とすることが好
ましい。この程度の流量で被焼成物に窒素ガスを供給す
ることにより、被焼成物中において酸窒化物が迅速かつ
均一に生成しやすくなる。なお、上記流量は被焼成物が
飛散しない範囲内で設定すればよく、その具体的な上限
は特にないが、通常は5m/sを超える流量とする必要は
ない。
【0040】上記酸窒化物は、酸素ガス含有雰囲気中で
加熱した場合に分解されやすいため、焼成雰囲気は低酸
素分圧に保つことが好ましい。酸窒化物の分解されやす
さは加熱温度によっても異なるので、焼成温度に応じて
酸素分圧を適切に制御すればよいが、好ましくは5.0
×103Pa(0.05気圧)以下、より好ましくは1.
0×103Pa(0.01気圧)以下、さらに好ましくは
0.1×103Pa(0.001気圧)以下である。な
お、上記酸素分圧の好ましい下限は特になく、酸素分圧
がゼロであってもよいが、通常の焼成装置を用いた場
合、焼成雰囲気中の酸素分圧は一般に0.1Pa以上とな
る。
【0041】粉砕工程 粉砕工程では、酸窒化物生成工程で得られた電子放出材
料を粉砕し、電子放出材料粉末を得る。この粉砕には、
ボールミルや気流粉砕を利用すればよい。粉砕工程を設
けることにより、電子放出材料の粒径を小さくでき、か
つ、粒度分布を狭くできるので、電子放出性の向上およ
びそのばらつきを小さくできる。したがって、粉砕工程
は設けることが好ましい。最終的に焼結体を得る場合に
は、次の成形工程に進む。
【0042】粉砕後、造粒工程を必要に応じて設ける。
造粒工程では、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ
エチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイ
ド(PEO)などの有機系バインダを含む水溶液を用い
て粉砕粉を顆粒化する。造粒手段は特に限定されず、例
えば、噴霧乾燥法、押出造粒法、転動造粒法や、乳鉢、
乳棒を用いる方法などを利用することができる。
【0043】成形工程 成形工程では、目的とする電極形状の成形体を圧縮成形
により得る。
【0044】焼結工程 焼結工程では、成形体を焼成し、焼結体(電極)を得
る。焼結工程では、既に生成している酸窒化物の分解を
防ぐため、酸窒化物生成工程と同様に、窒素ガス含有雰
囲気中で焼成を行う。ただし、この焼結工程では、被焼
成物である成形体に対し炭素を近接配置する必要はな
い。このときの窒素ガス含有雰囲気は、酸窒化物生成工
程の説明に記載した窒素ガス含有雰囲気と同様であり、
酸素分圧についても同様である。焼成温度は、好ましく
は、800〜2000℃、さらに好ましくは1100〜
1700℃で行う。焼成温度が低すぎると焼結体の密度
が不十分となりやすく、焼成温度が高すぎると、組成ず
れが生じたりセッターと反応したりしやすい。焼成時間
は、通常、0.5〜5時間程度とすればよい。
【0045】なお、図1に示す方法において、混合工程
の直後に成形工程を設けることにより、焼結工程が酸窒
化物生成工程を兼ねる構成としてもよい。ただし、その
構成において出発原料に炭素粉末を混合する場合、成形
体中に炭素粉末が存在することになる。そのため、成形
体を焼結する際に成形体中の炭素が反応して、炭素の消
耗により焼結体の寸法精度や密度が影響を受けるおそれ
がある。これに対し図1の方法では、酸窒化物生成工程
で炭素を消耗させた後に成形するため、成形体を焼結す
る際に炭素消耗による影響を心配する必要がない。
【0046】焼結体の製造方法2 図2に示す方法は、酸窒化物生成工程の前に複合酸化物
生成工程を設けると共に、酸窒化物生成工程が焼結工程
を兼ねる点が、図1に示す方法と異なる。上記製造方法
1のように、BaCO3などの反応性の高い材料を含む
出発原料を用いて比較的高温の熱処理により酸窒化物を
直接生成させた場合、焼成時に炉材、例えばジルコニア
製のセッター、と出発原料とが反応することがある。焼
成時に炉材と出発原料とが反応すると、炉材が消耗した
り、電子放出材料の特性や形状(成形体の場合)が影響
を受けることがある。これに対し、酸窒化物生成工程の
前に、比較的低温の熱処理により複合酸化物を生成させ
る複合酸化物生成工程を設ければ、このような問題の発
生が抑えられる。以下、図2に示す各工程について説明
する。
【0047】秤量工程 図1に示す秤量工程と同様にして行う。
【0048】混合工程 炭素を混合しないほかは図1に示す混合工程と同様にし
て行う。
【0049】複合酸化物生成工程 原料粉末を、空気中等の酸化性雰囲気中で焼成し、MI 5
II 415等の複合酸化物を含む中間生成物を生成させ
る。この中間生成物中に含有される複合酸化物として
は、本発明により製造される電子放出材料に含まれ得る
前記複合酸化物の少なくとも1種が挙げられる。この焼
成により得られる中間生成物は、実質的に複合酸化物だ
けから構成されていることが好ましい。焼成温度は、好
ましくは800〜1700℃、より好ましくは800〜
1500℃、さらに好ましくは900〜1300℃とす
る。焼成温度が低すぎると、MI 5II 415等の複合酸
化物が生成しにくい。一方、焼成温度が高すぎると、焼
結が進んで粉砕しにくくなり、また、複合酸化物の溶融
や分解が生じることもある。焼成時間は、0.5〜5時
間程度とすればよい。この焼成は、粉末の状態で行って
もよく、取り扱いを容易にするために粉末を成形した状
態で行ってもよい。なお、複合酸化物生成工程は、還元
性雰囲気中で行ってもよい。還元性雰囲気中で焼成して
も、上記複合酸化物を生成することができる。ただし、
還元性雰囲気とするためには雰囲気制御が必要になるこ
と、最終的に得られる電子放出材料の性能が複合酸化物
生成工程における焼成雰囲気に依存しないことから、通
常、空気中で焼成することが好ましい。
【0050】粉砕工程 図1に示す粉砕工程と同様にして行う。また、このと
き、図1に示す混合工程と同様に、必要に応じ炭素を混
合する。
【0051】成形工程 図1に示す成形工程と同様にして行う。
【0052】酸窒化物生成工程 図1に示す酸窒化物生成工程と同様な条件で焼成し、酸
窒化物を含む電子放出材料の焼結体を得る。
【0053】焼結体(粉末)の製造方法3 図3に示す方法は、酸窒化物生成工程の前に複合酸化物
生成工程を設ける点で図2に示す方法と同様である。し
かし、図2の方法では、酸窒化物生成工程が焼結工程を
兼ねるのに対し、図3の方法では、酸窒化物生成処理の
後に第2の粉砕工程において粉砕して粉末とし、この粉
末を成形して焼成することにより焼結体を得る点が、図
2の方法と異なる。図2の方法において粉砕工程で炭素
を添加する場合、成形体を焼結する際に成形体中の炭素
が反応するため、炭素の消耗により焼結体の寸法精度や
密度が影響を受けるおそれがある。これに対し図3の方
法では、酸窒化物生成工程で炭素を消耗させた後に成形
するため、成形体を焼結する際に炭素消耗による影響を
心配する必要がない。以下、各工程について説明する。
【0054】秤量工程 図2に示す秤量工程と同様にして行う。
【0055】混合工程 図2に示す混合工程と同様にして行う。
【0056】複合酸化物生成工程 図2に示す複合酸化物生成工程と同様にして行い、複合
酸化物を生成させる。
【0057】第1の粉砕工程 図2に示す粉砕工程と同様にして行う。
【0058】酸窒化物生成工程 図2に示す酸窒化物生成工程と同様にして行い、酸窒化
物を含む電子放出材料を得る。この工程における焼成
は、粉末の状態で行ってもよく、取り扱いを容易にする
ために粉末を成形した状態で行ってもよい。
【0059】第2の粉砕工程 炭素を混合しないほかは上記第1の粉砕工程と同様にし
て行い、電子放出材料の粉末を得る。
【0060】成形工程 図2に示す成形工程と同様にして行う。
【0061】焼結工程 図1に示す焼結工程と同様に、酸窒化物の分解を防げる
条件で成形体を焼成し、焼結体を得る。
【0062】なお、電子放出材料の粉末は、いわゆる厚
膜法に利用できる。厚膜法では、電子放出材料の粉末を
水系または有機系の分散媒と混合してスラリーとし、こ
れをタングステンフィラメントの表面などに塗布した
後、熱処理することにより、電子放出材料粒子からなる
膜を得る。このとき、スラリー中には、必要に応じバイ
ンダが添加され、続く熱処理によって、塗膜を乾燥する
と共に脱バインダを行う。
【0063】電極 本発明により製造される電子放出材料は、蛍光ランプ等
の各種放電灯用の電極に好適である。その場合、熱陰極
動作の電極としても、冷陰極動作の電極としても利用可
能である。例えば、本発明者らが提案している前記電
極、すなわち、図5に示すように、一端が開放し一端が
閉じた筒状の容器1内にセラミック半導体からなる顆粒
2を収容した構造の電極において、前記セラミック半導
体として本発明により製造される電子放出材料を用いた
り、さらに、筒状の容器1にも本発明により製造される
電子放出材料を用いたりすることができる。また、図5
に示す構造のほか、本発明により製造される電子放出材
料を棒状の焼結体とし、この焼結体をタングステンコイ
ルの中空部に挿入して固定することにより、電極を構成
してもよい。
【0064】本発明により製造される電子放出材料を膜
として利用する場合、例えば、線状体(コイル状やダブ
ルコイル状のフィラメントなど)や板状体である基材の
表面に、電子放出材料膜を形成して電極とすることがで
きる。基材構成材料としては、例えばW、Mo、Ta、
Ni、Zr、Ti等の各種金属、またはこれらの少なく
とも1種を含有する合金、あるいは、ZrO2、Al2
3、MgO、AlN、Si34等のセラミックス、また
はこれらの少なくとも1種を含有するセラミックス(SI
ALON等)を用いることができる。また、このほか、酸窒
化物含有粉末または焼成により酸窒化物が生成する原料
粉末を含有する塗膜と、導電材料を含有する塗膜とを、
印刷法やシート法により積層し、これを焼成して積層型
の電極としてもよい。
【0065】本発明により製造される電子放出材料を膜
として利用する場合、膜の厚さは、通常、5〜1000
μm程度とすればよい。電子放出材料膜中における電子
放出材料粒子の平均粒径は、好ましくは0.05〜20
μm、より好ましくは0.1〜10μmである。膜中にお
ける平均粒径をさらに小さくしようとすると、取り扱い
が困難な微小粒子を用いなければならなくなる。また、
このような微小粒子は凝集して2次粒子となりやすく、
そのため、粒度分布が広くなってしまい、均一な塗膜を
形成しにくくなる。一方、膜中における平均粒径が大き
すぎると、電子放出材料粒子の脱落が生じやすく、ま
た、塗布の際の作業性も悪くなり、また、電子放出性も
悪くなる。
【0066】本発明により製造される電子放出材料は、
蛍光灯等の各種放電灯用の電極のほか、ブラウン管の電
子銃用電極、プラズマディスプレイの電極、フィールド
エミッションディスプレイの電極、蛍光表示管の電極、
電子顕微鏡の電極などの電子放出材料として用いること
もできる。これらのいずれにおいても、本発明による効
果、すなわち電極の長寿命化および特性向上は実現す
る。
【0067】放電灯 図6に、図5に示す電極を有する熱陰極動作の放電灯の
構成例を示す。なお、同図には管端部付近だけを示して
ある。この放電灯は、細管化が可能な構造を有するもの
である。
【0068】この放電灯は、内面に蛍光体が塗布され、
気密封止されたバルブ9を有する。バルブ9内には、希
ガス(He、Ne、Ar、KrおよびXeの少なくとも
1種)が封入されている。バルブ9内における希ガスの
圧力は、通常、1330〜22600Paであることが好
ましい。希ガスの圧力をこの範囲に設定することによ
り、高輝度化および長寿命化が可能となる。
【0069】バルブ9の端部には、リード線5が挿通さ
れている。バルブ9内に存在するリード線5の端部に
は、リード線拡大部6が形成されている。リード線拡大
部6には、導電性パイプ7が接続されている。なお、他
の手段によりリード線5を導電性パイプ7に接続するこ
とが可能であれば、リード線拡大部6を設けなくてもよ
い。導電性パイプ7は、電気伝導度の高い材料から構成
すればよいが、真空中においてガス放出の少ない材料、
例えばNiを用いれば、放電灯製造時に不純物を含むガ
スの発生が抑えられ、安定した放電が可能となるので、
好ましい。ただし、導電性パイプ7をセラミックスから
構成してもよい。導電性パイプ7内には、これと接して
容器1が配置され、容器1内には電子放出材料2が充填
されている。また、導電性パイプ7内の容器1とリード
線拡大部6との間には、水銀ディスペンサ材料3を充填
した金属パイプ4が配置されている。金属パイプ4は、
両端が開放された筒状体であり、Ni等の金属から構成
すればよい。導電性パイプ7の金属パイプ4を包囲する
部分には、スリット状の開口(図示せず)が形成されて
いる。水銀ディスペンサ材料3中の水銀は、金属パイプ
4に対する高周波加熱などにより蒸気とされ、金属パイ
プ4とリード線拡大部6との間および金属パイプ4と容
器1との間を通り、上記開口を経て放電空間10に放出
される。なお、上記開口は、水銀蒸気の放出が可能であ
ってかつ容器1の保持を妨げないものであれば、スリッ
ト状に限らずどのような形状であってもよい。また、水
銀ディスペンサ材料3を設けることも必須ではなく、封
止の過程で水銀をバルブ内に供給する構成としてもよ
い。
【0070】図7に、冷陰極動作の放電灯の構成例を示
す。なお、同図には管端部付近だけを示してある。従
来、冷陰極にはNi等からなる金属製の筒状体を用いる
ことが一般的であり、エミッタを利用する場合には、上
記筒状体を電極基材として、その周面に例えばBaOか
らなるエミッタの塗膜を設ける。本発明を冷陰極放電灯
に適用する場合には、従来のエミッタ塗膜の替わりに、
上記電子放出材料を含有する塗膜を電極基材表面に設け
ればよい。なお、電極基材の構成材料としては、Niの
ほか、例えばW、Ti、Zr、Mo、Ta等の高融点金
属、またはこれらの少なくとも1種を含有する合金を好
ましく用いることができる。
【0071】図7に示すこの放電灯は、内面に蛍光体9
Aが塗布され、気密封止されたバルブ9を有する。バル
ブ9内には、希ガスが封入されている。バルブ9の端部
には、リード線5が挿通されている。バルブ9内に存在
するリード線5の端部には、バルブ端部を塞ぐステム9
Bを貫通して内部導入線6Aが設けられている。内部導
入線6Aには、電極基材となる導電性パイプ7が接続さ
れている。導電性パイプ7の内周面には、電子放出材料
膜2Aが形成されている。この放電灯は、封止の過程で
水銀をバルブ内に供給する構造である。
【0072】なお、本発明により製造される電子放出材
料を使用した電極は、上記構造の放電灯に限らず適用可
能である。例えば、前記各公報において本発明者らが既
に提案している各種構造の放電灯への適用が可能であ
る。
【0073】
【実施例】実施例1 表1に示す粉末サンプルを、図1に示す製造方法を利用
して、以下の手順で作製した。
【0074】まず、第1成分としてBa、第2成分とし
てTaを選択し、これらの出発原料としてBaCO3
よびTa25を準備した。
【0075】次いで、BaおよびTaの比率が表1に示
すものとなるように上記出発原料を秤量し、ボールミル
により20時間湿式混合した。
【0076】次いで、混合物を乾燥した後、平均粒径5
0μmの炭素粉末を出発原料に対し表1に示す比率で加
えて乾式混合し、直径15mm、厚さ10mmの円柱状に成
形した。得られた成形体に酸窒化物生成処理を施した。
この処理では、上面が開放した炭素製の容器に成形体を
入れ、容器との間に隙間を設けて炭素製の蓋をかぶせ、
窒素気流中において表1に示す温度で5時間焼成を行っ
た。なお、一部のサンプルでは、成形体を容器に入れず
に焼成した。窒素ガスは、炉中の成形体近傍空間におい
て窒素気流の流れる方向と垂直な断面における単位面積
当たりの窒素ガス流量が0.001m/sとなるように供
給した。なお、焼成雰囲気中の酸素分圧は、20Pa
(0.0002気圧)とした。得られた焼成体を湿式粉
砕した後、乾燥し、サンプルを得た。
【0077】得られたサンプルについて、X線回折によ
り生成物を調べた。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】表1から、本発明により酸窒化物ペロブス
カイトを生成できることがわかる。なお、表1に示す組
成では、焼成温度を1700℃超とするとサンプルが溶
融してしまった。
【0080】表1において酸窒化物が生成しているサン
プルは、酸窒化物ペロブスカイト(MIII2N型結
晶)のピークが認められたものである。また、酸窒化物
に加え酸化物も生成しているサンプルは、MI 5II 4
15型結晶を主体とする酸化物のピークも認められたもの
である。なお、表1に示すサンプルのうち、焼成温度を
1200℃以上としたものでは、炭化物(TaC)のピ
ークも認められた。
【0081】比較のため、本出願人による前記特開平9
−129177号公報記載の方法に基づき、以下の手順
で電極サンプルを作製した。まず、サンプルNo.3の製
造に用いた出発原料の混合物を圧力100MPaで成形し
た後、大気中において1100℃で2時間焼成した。得
られた焼成体を、湿式粉砕、乾燥、造粒して顆粒とし、
この顆粒を圧縮成形して成形体を得た。そして、この成
形体中に上記顆粒を充填した後、上記成形体を炭素粉末
中に完全に埋没させ、窒素ガスを流しながら1600℃
で2時間焼成した。窒素ガスは、炉中の成形体近傍空間
において窒素気流の流れる方向と垂直な断面における単
位面積当たりの窒素ガス流量が0.00005m/sとな
るように供給した。なお、焼成雰囲気中の酸素分圧は、
20Pa(0.0002気圧)とした。
【0082】この電極サンプルについて、上記と同様に
X線回折を行って生成物を確認したところ、炭化物(T
aC)を除き、複合酸化物(MI 5II 415型結晶)の
単一相であった。
【0083】実施例2 焼成時の酸素分圧を表2に示す値としたほかはサンプル
No.3と同様にして、サンプルを作製した。これらのサ
ンプルについても生成物を調べた。結果を表2に示す。
なお、表2には、比較のためにサンプルNo.3も併記し
てある。
【0084】
【表2】
【0085】表2から、酸素分圧を適切に制御しないと
酸窒化物ペロブスカイトの分解が生じることがわかる。
なお、表2に示すサンプルでは、炭化物(TaC)の生
成も認められた。
【0086】実施例3 第1成分と第2成分とを表3に示すように組み合わせた
ほかはサンプルNo.3と同様にしてサンプルを作製し
た。これらのサンプルについてX線回折を行い、生成物
を調べた。結果を表3に示す。また、サンプルNo.29
のX線回折パターンを、図4に示す。なお、表3には、
比較のためにサンプルNo.3も併記してある。
【0087】
【表3】
【0088】表3から、BaおよびTaの組み合わせ以
外でも、酸窒化物ペロブスカイトが生成することがわか
る。なお、表3に示すサンプルのうちTaを含有するも
のは、炭化物(TaC)の生成も認められた。
【0089】表3に示す組成のうち、ZrまたはHfを
添加したものでは、融点が高くなって2000℃で焼成
した場合でも溶融しなかった。
【0090】上記実施例1〜3において、酸窒化物ペロ
ブスカイトが生成したサンプルでは、室温における比抵
抗がすべて10-6〜103Ωmの範囲内であった。
【0091】なお、以上の実施例では、図1に示す方法
により電子放出材料を製造したが、本明細書において説
明した他の方法を用いた場合でも、酸窒化物生成工程に
おける各種条件を同等とした場合には、ほぼ同じ特性の
電子放出材料が得られた。
【0092】
【発明の効果】本発明により製造される電子放出材料
は、上記した酸窒化物を含有するため、電子放出特性が
良好であり、しかも、高温での蒸発が少なく、また、イ
オンスパッタリングされたときの消耗が少ない。そのた
め、例えば放電灯の電極に適用した場合に、管壁の黒化
が少なく、寿命の長い放電灯が実現する。また、上記酸
窒化物含有電子放出材料を、本発明ではアンモニアガス
を利用することなく製造する。そのためアンモニアガス
に対応した製造設備を設ける必要がないので、大量生産
が可能となり、また、製造コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子放出材料を粉末または焼結体として製造す
る際の工程を示すフローチャートである。
【図2】電子放出材料を焼結体として製造する際の工程
を示すフローチャートである。
【図3】電子放出材料を粉末または焼結体として製造す
る際の工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明により製造された電子放出材料のX線回
折パターンである。
【図5】電極の構成例を示す断面図である。
【図6】熱陰極動作の放電灯の構成例を示す断面図であ
る。
【図7】冷陰極動作の放電灯の構成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 2 電子放出材料 2A 電子放出材料膜 3 水銀ディスペンサ材料 4 金属パイプ 5 リード線 6 リード線拡大部 6A 内部導入線 7 導電性パイプ 9 バルブ 9A 蛍光体 9B ステム 10 放電空間
フロントページの続き (72)発明者 浜田 宗光 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 淀川 正忠 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 原田 拓 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−252920(JP,A) 特開 平7−153373(JP,A) 特開 平10−302714(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 - 9/18 H01J 1/02 - 1/44 H01J 61/06 - 61/09

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ba、SrおよびCaの少なくとも1種
    からなる第1成分と、Ta、Zr、Nb、TiおよびH
    fの少なくとも1種からなる第2成分とを金属元素成分
    として含み、酸窒化物ペロブスカイトを含有する電子放
    出材料を製造する方法であり、 前記金属元素成分を含有する被焼成物に対し、炭素を近
    接配置した状態で窒素ガス含有雰囲気中において焼成す
    ることにより、前記酸窒化物ペロブスカイトを生成させ
    て電子放出材料を得る酸窒化物生成工程を有する電子放
    出材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記窒素ガス含有雰囲気中における酸素
    分圧が0〜5.0×103Paである請求項1の電子放出
    材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記窒素ガス含有雰囲気として窒素気流
    を用い、この窒素気流中の前記被焼成物近傍の空間にお
    いて、気流の流れる方向と垂直な断面における単位面積
    あたりの窒素ガス流量を0.0001〜5m/sとする請
    求項1または2の電子放出材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸窒化物生成工程において、前記被
    焼成物中に炭素を混合することにより、前記被焼成物に
    対し炭素を近接配置させる請求項1〜3のいずれかの電
    子放出材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸窒化物生成工程において、少なく
    とも一部が炭素から構成されている焼成炉を用いること
    により、前記被焼成物に対し炭素を近接配置させる請求
    項1〜4のいずれかの電子放出材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸窒化物生成工程において、少なく
    とも一部が炭素から構成されている容器に前記被焼成物
    を収容することにより、前記被焼成物に対し炭素を近接
    配置させる請求項1〜5のいずれかの電子放出材料の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記酸窒化物生成工程において、複合酸
    化物を含有する被焼成物から前記酸窒化物を生成させる
    請求項1〜6のいずれかの電子放出材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸窒化物生成工程において、成形体
    を前記被焼成物として用いることにより電子放出材料の
    焼結体を得る請求項1〜7のいずれかの電子放出材料の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記酸窒化物生成工程により得られた電
    子放出材料を粉砕して電子放出材料粉末を得る請求項1
    〜7のいずれかの電子放出材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電子放出材料粉末を成形して成形
    体を得る成形工程と、前記成形体を窒素ガス含有雰囲気
    中において焼成することにより、前記酸窒化物ペロブス
    カイトの分解を抑制しながら焼結体を得る焼結工程とを
    有する請求項9の電子放出材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 第1成分をMI、第2成分をMIIでそ
    れぞれ表したとき、前記酸窒化物ペロブスカイトがMI
    II2N型結晶を含む請求項1〜10のいずれかの電
    子放出材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2成分の炭化物および/または
    窒化物を含む電子放出材料が製造される請求項1〜11
    のいずれかの電子放出材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 第1成分をMI、第2成分をMIIでそ
    れぞれ表したとき、 MI 4II 29型結晶、 MIII 26型結晶、 MIII3型結晶、 MI 5II 415型結晶、 MI 7II 622型結晶および MI 6IIII 418型結晶 の少なくとも1種を含む電子放出材料が製造される請求
    項1〜12のいずれかの電子放出材料の製造方法。
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