JP3077821B2 - エポキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂の製造方法

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JP3077821B2 JP03078697A JP7869791A JP3077821B2 JP 3077821 B2 JP3077821 B2 JP 3077821B2 JP 03078697 A JP03078697 A JP 03078697A JP 7869791 A JP7869791 A JP 7869791A JP 3077821 B2 JP3077821 B2 JP 3077821B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー末端及び/又
は側鎖中にエポキシ基を有する反応性に富んだポリフェ
ニレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。
【0002】ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと
略記する)は、その優れた耐熱性、耐薬品性を生かして
電気,電子機器部材、自動車機器部材として注目を集め
ている。また、射出成形、押出成形等により各種成形部
品、フィルム、シ−ト、繊維等に成形可能であり、耐熱
性、耐薬品性の要求される分野に幅広く用いられてい
る。
【0003】
【従来の技術】PPSの製造方法としては、N−メチル
−2−ピロリドン等の極性非プロトン溶媒中でジハロ芳
香族化合物と硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物と
を反応させる方法が、例えば特公昭第45−3368号
公報に開示されている。
【0004】また、末端に官能基を有するPPSの製造
方法としては、例えば特開昭第61−7248号公報、
特開昭第61−7249号公報に開示されている。しか
しながらこの方法ではジスルフィドを含むポリマ−を製
造した後、ジスルフィド結合を切断し官能基を導入する
ため、低分子量のPPSしか得られなかった。
【0005】一方、PPSに官能基を導入する方法とし
ては、電子吸引基を有するハロゲン化芳香族化合物を共
重合する方法が特開昭第57−90018号公報、特開
昭第59−206462号公報に開示されている。しか
しながらこれらの方法では導入できる官能基が電子吸引
基に限定されてしまい、エポキシ基等の電子供与基の導
入は困難であった。
【0006】また両末端に官能基を有するPPSの製造
方法としては、Daccord及びSillionによ
ってポリマ−ブリテン(Polymer Bullet
in),459,(1981)に開示されているが、
この場合、得られるのはPPSのオリゴマ−であり、比
較的分子量の高いPPSの変性体を得ることには成功し
ていない。
【0007】一方PPSの衝撃性を改善するために、種
々のポリマ−とのポリマ−ブレンドが試みられており、
その相溶性向上の為、第三成分の添加が、例えば特開昭
第58−154757号公報、特開昭第63−2053
58号公報等に開示されている。しかしこれらの方法で
は、第三成分添加工程が増し、また、第三成分の反応性
の高低が系に与える影響が大きく、反応が複雑化する。
【0008】またPPSを変性してポリマ−ブレンドを
行う方法が特開平1−266160号公報に開示されて
いるが、この方法では、未反応モノマ−が多く取り込ま
れており、またこれらを除く工程が増えるなど問題が多
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の処理方法及び技術上の問題点を解決すべくなされたも
のであり、耐熱性、耐薬品性等の特徴を損なわず、反応
性の高い官能基を有したPPS樹脂の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記式、
化7,化8,化9
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】 で示される繰り返し単位の連鎖に、末端基として一般
式、化10
【0014】
【化10】 (式中X´は−H,−NH 2 ,−OH,−ONa,−C
OOH,−COONaであり、Yはスルホン基,カルボ
ニル基,エーテル基であり、Z´は−SH,−SNa,
−NH2であり、Rはメチル基,エチル基又はシアノ基
を表わし、lは0〜500、mは20〜2000、nは
0〜600、pは0〜4、qは1又は2のそれぞれ整数
を表わす)の構造を有するポリフェニレンスルフィド樹
脂を有機溶媒下、pH=10以上のアルカリ状態で一般
式、化11及び/又は化12
【化11】
【化12】 (Vはハロゲンを表し、Wはエーテル基,ケトン基,ア
ミド基,スルホン基を含んでいてもよい炭素数1〜10
0の有機基を表す)の化合物と反応させることを特徴と
するエポキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂の製
造方法を提供するものであり、以下、その詳細について
説明する。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】X´が−Hの時及び/又はZ´が−SH,
−SNaの時のPPSの製造方法は既に公知であり、米
国特許第2513188号公報、特公昭44−2767
1号公報、特公昭第45−3368号公報、特公昭第5
2−12240号公報、特開昭第61−225217号
公報、米国特許第3274165号公報、米国特許第1
160660号公報、特公昭第46−27255号公報
及びベルギ−特許第29437号公報に開示されてい
る。
【0028】またX´が−NH,−OH,−ONa,
−COOH,−COONa及び/又はZ´が−NH
時のPPSの製造方法は、本出願人がかつて発明した水
酸基又はナトリウムアルコラ−ト含有PPS(特開昭第
64−48828号公報、特開昭第64−48829号
公報)、カルボキシル基又はナトリウムカルボン酸塩含
有PPS、アミノ基含有PPS(特願平第1−1073
69号公報、特願平第1−115982号公報)に開示
されている。
【0029】更にPPSは、直鎖状、分岐状のいずれで
もよく、またこれらの構造の混合物であってもかまわな
い。
【0030】本発明で使用する一般式、化11の化合物
としては、クロロメチルオキシラン、ブロモメチルオキ
シラン等が挙げられるが、特にクロロメチルオキシラン
が好ましい。一般式、化12の化合物としては、エポキ
シ基を2個以上含む液体又は固体状のものが使用でき
る。Wについて有機基という表現があるが、これは炭化
水素基のみならず、W中にエーテル,ケトン,アミド,
スルホン等のヘテロ原子含有官能基を含んでいてもさし
つかえないことを意味するものである。例えばビスフェ
ノールA、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテ
コール、ビスフェノールF、サリゲニン、1,3,5−
トリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールS、トリヒド
ロキシジフェニルジメチルメタン、4,4´−ジヒドロ
キシビフェニル、1,5−ジヒドロキシナフタレン、カ
シューフェノール、ジヒドロキシジフェニルスルホン、
2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサン等のビスフェノールのグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールの代わりにハロゲン化ビスフェノー
ル、ブタンジオールのグリシジルエーテル等のグリシジ
ルエーテル系、フタル酸グリシジルエステル等のグリシ
ジルエステル系等々のグリシジルエポキシ樹脂、エポキ
シ化ポリオレフィン、末端エポキシ変性ポリアルキレン
グリコール等が例示される。これらエポキシ化合物は単
独及び/又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0031】本発明で使用する有機溶媒は、PPSと一
般式、化11及び/又は化12を溶解するものであれば
いずれでも良く、好ましくはN−メチル−2−ピロリド
ン、N−エチル−2−ピロリドン、α−クロロナフタレ
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチ
ル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリ
ジン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチ
ル尿素等及びその混合物が挙げられる。
【0032】反応は100〜350℃、好ましくは15
0〜280℃にて0.5〜30時間、好ましくは0.5
〜15時間撹拌下に行われる。
【0033】また有機溶媒の量はPPSが5〜80重量
%、好ましくは10〜70重量%となる範囲で使用する
ことができる。
【0034】一般式、化11及び/又は化12で示され
る化合物の添加量は、一般式、化7,化10中のX´及
び/又はZ´1モルに対し1モル以上であれば大過剰用
いてもかまわないが、1〜50モルが好ましい。
【0035】また反応は、系内をアルカリ状態に保って
進行させるが、アルカリ化剤としては、アルカリ金属水
酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物が使用で
き、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
マグネシウムが好ましい。また、アルカリ状態として
は、pH=10以上が好ましい。
【0036】この様にして得られた反応混合物からのエ
ポキシ基含有PPSの回収は、例えば溶媒を蒸留、フラ
ッシング等により回収した後、ポリマ−を水洗、アルコ
−ル洗浄し回収する方法や、反応混合物を濾過し溶媒を
回収した後、ポリマ−を水洗、アルコ−ル洗浄し回収す
る方法等が挙げられる。
【0037】以上の様にして得られたPPSは極性の高
いエポキシ基を含んでおり、ガラス繊維等の強化剤との
接着性が向上するだけでなく、種々のポリマ−と溶融混
合することにより相溶化剤として働くブロック、グラフ
トポリマ−を生成すると考えられる。そのため相溶性が
改善され、ポリマ−アロイとしての物性の改善が期待さ
れる。
【0038】次に本発明のエポキシ基含有PPSの樹脂
組成物について説明する。
【0039】熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン
系,スチレン系,ウレタン系,エステル系,フッ素系,
アミド系,アクリル系等の熱可塑性エラストマ−、ポリ
エチレン,ポリプロピレン,ポリブタジエン,ポリイソ
プレン,ポリクロロプレン,ポリブテン,スチレンブタ
ジエンゴム及びその水添物、アクリロニトリルブタジエ
ンゴム,エチレンプロピレン共重合体,エチレンプロピ
レンエチリデンノルボルネン共重合体等のゴム成分、ナ
イロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン1
2,ナイロン11,ナイロン46等のポリアミド系樹
脂、ポリエチレンテレフタレ−ト,ポリブチレンテレフ
タレ−ト,ポリアリレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポ
リスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレ
フィン、ポリウレタン、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネ
−ト、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエ
−テルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリフェニレン
スルフィドスルホン、ポリエ−テルケトン、ポリエ−テ
ルエ−テルケトン、ポリフェニレンスルフィドケトン、
ポリアミドイミド、シリコ−ル樹脂、フェノキシ樹脂、
フッ素樹脂及び異方性溶融相を形成する溶融加工可能な
樹脂等の単独重合体、ランダム又はブロック、グラフト
共重合体及びそれらの混合物又はその改質物等が挙げら
れる。
【0040】特に好ましくは、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマ−、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブタ
ジエン,ポリイソプレン,ポリクロロプレン,ポリブテ
ン,スチレンブタジエンゴム及びその水添物、アクリロ
ニトリルブタジエンゴム,エチレンプロピレン共重合
体,エチレンプロピレンエチリデンノルボルネン共重合
体等のゴム成分、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、
ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエ−テル
スルホン等の非晶性エンジニアリングプラスチック等の
単独及びそれらの混合物又はその改質物等が挙げられ
る。
【0041】本発明において、エポキシ基含有PPSの
含有量が5重量%未満ではPPSの耐溶剤性、耐熱性が
低下し、またエポキシ基含有PPSの含有量が95重量
%を越えるとPPSの靭性が改良されない。
【0042】更に必要に応じてガラス繊維、炭素繊維、
アルミナ繊維等のセラミック繊維、アラミド繊維、全芳
香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウ
ィスカ−等の補強用充填剤や炭酸カルシウム、マイカ、
タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオ
リン、クレ−、パイロフェライト、ベントナイト、セリ
サイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジ
ャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化
鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、ガラスビ−ズ、ガ
ラスパウダ−、ガラスバル−ン、石英、石英ガラス等の
無機充填剤及び有機,無機顔料を配合することもでき
る。
【0043】ガラス繊維としては、例えば繊維長1.5
〜12mm、繊維径3〜24μmのチョップドストラン
ド、繊維径3〜8μmのミルドファイバ−、325メッ
シュ以下のガラスフレ−クやガラスパウダ−を挙げるこ
とができる。
【0044】また、芳香族ヒドロキシ誘導体などの可塑
剤や離型剤、シラン系,チタネ−ト系のカップリング
剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、結晶核剤、発泡
剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を
必要に応じて添加してもよい。
【0045】本発明のPPS樹脂組成物を得る方法とし
ては、 1)各成分をミキサ−などで混合した後、押出機を用い
て溶融混練後ペレット化する方法 2)1)の方法で得られたペレットに他成分を加え再度
溶融混練し、ペレット化する方法 3)各成分を溶媒に溶解し、加熱攪拌する方法 等を挙げることができる。
【0046】また、上記各方法にバンバリ−、ニ−ダ
−、オ−トクレ−ブ等の公知の機器を単独又は組み合わ
せて使用することも可能である。
【0047】本発明のPPS樹脂成形物は、射出成形、
シ−ト成形、真空成形、異形成形、発泡成形等により各
種成形品に加工して用いることができる。
【0048】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0049】またPPSに導入されたエポキシ基の分析
にはFT−IRを用いベンゼン環のC−H面外変角振動
である1900cm−1の吸収を内部標準とし、エポキ
シ基のC−H伸縮振動である2874cm−1の吸収を
比較することによりエポキシ基の導入を確認した。実際
のFT−IRスペクトルを図1及び図2に示す。
【0050】これから明らかなように本発明のPPSに
は2874cm−1にエポキシ基の吸収が現れており、
エポキシ基がPPSに導入されたことを示している。
【0051】実施例1 撹拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにN−
メチル−2−ピロリドン(以後NMPと略記する)50
00g及び硫化ナトリウム(NaS・2.9HO)
1898g(14.8モル)を加え、205℃まで昇温
し、420gの水と5gのNMPを留去した。続いてp
−ジクロルベンゼン(14.35モル)、3,5−ジク
ロロアニリン(0.15モル)を加え、250℃で3時
間反応を行った。反応終了後、反応物を室温まで冷却
し、ポリマーを遠心分離機により単離した。ポリマ−の
転化率は98.5%であった。温水でポリマーを繰返し
洗浄し、減圧下100℃で一昼夜乾燥することにより、
Mw=2.34×10のPPSを得た。更にこのPP
Sを250℃にて空気中5時間硬化処理することにより
Mw=2.96×10のPPSを得た。この様にして
得られたPPS140gとクロロメチルオキシラン12
0gとNMP880g及び水酸化ナトリウム48gを攪
拌機を装備する内容積2Lオ−トクレ−ブに仕込み、2
時間かけて室温から250℃まで昇温させた後3時間反
応を行った。反応終了後、反応物を室温まで冷却し、ポ
リマーを遠心分離機により単離した。温水とメチルアル
コ−ルでポリマーを繰返し洗浄し、減圧下100℃で一
昼夜乾燥させた。得られたポリマ−のFT−IRを測定
したところ2874cm−1にエポキシ環のC−H伸縮
振動が観察された。このエポキシ基含有PPSをPPS
−1とする。
【0052】実施例2 実施例1の3,5−ジクロロアニリン(0.15モル)
のかわりに2,4−ジクロル安息香酸(0.15モル)
を用いた以外は実施例1と同様の操作を行なった。ポリ
マ−の転化率は96%であり、硬化前及び硬化後のMw
はそれぞれ2.30×10,3.02×10であっ
た。エポキシ化反応も実施例1と同様の操作を行ない生
成物のFT−IRを測定したところ、2874cm−1
にエポキシ環のC−H伸縮振動、1730cm−1に安
息香酸エステルのC=O伸縮振動が観察された。このエ
ポキシ基含有PPSをPPS−2とする。
【0053】実施例3 実施例1の3,5−ジクロロアニリン(0.15モル)
のかわりに3,5−ジアミノクロルベンゼン(0.15
モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行なっ
た。ポリマ−の転化率は95%であり、硬化前及び硬化
後のMwはそれぞれ2.32×10,3.05×10
であった。エポキシ化反応も実施例1と同様の操作を
行ない生成物のFT−IRを測定したところ2874c
−1にエポキシ環のC−H伸縮振動が観察された。こ
のエポキシ基含有PPSをPPS−3とする。
【0054】実施例4 実施例1の3,5−ジクロロアニリン(0.15モル)
のかわりに3,5−ジクロロフェノ−ル(0.15モ
ル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行なった。
ポリマ−の転化率は97%であり、硬化前及び硬化後の
Mwはそれぞれ2.34×10,3.07×10
あった。エポキシ化反応も実施例1と同様の操作を行な
い生成物のFT−IRを測定したところ2874cm
−1にエポキシ環のC−H伸縮振動、1125cm−1
に脂肪族エ−テルのC−O−C逆対称伸縮が観察され
た。このエポキシ基含有PPSをPPS−4とする。
【0055】実施例5 撹拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにNN
P5000g、硫化ナトリウム(NaS・2.9H
O)1898g(14.8モル)、安息香酸ナトリウム
1800g及び水酸化ナトリウム48gを加え、205
℃まで昇温し、418gの水と5gのNMPを留去し
た。続いてp−ジクロルベンゼン2131g(14.5
モル)を加え、220℃で2時間、次いで250℃で3
時間反応を行った。反応終了後、反応物を室温まで冷却
し、ポリマーを遠心分離機により単離した。ジクロルベ
ンゼンの転化率は96.0%であった。温水でポリマー
を繰返し洗浄し、減圧下100℃で一昼夜乾燥すること
により、Mw=4.29×10のPPSを得た。得ら
れたPPS140g、ビスフェノ−ルAのジグリシジル
エ−テル500g、NMP880g及び水酸化カリウム
50gを攪拌機を装備する内容積2Lオ−トクレ−ブに
仕込み、2時間かけて室温から250℃まで昇温させた
後、3時間反応を行った。反応終了後、反応物を室温ま
で冷却し、ポリマ−を遠心分離機により単離した。温水
とメタノ−ルで繰り返し洗浄し、減圧下100℃で一昼
夜乾燥させた。得られたポリマ−のFT−IRを測定し
たところ、2874cm−1にエポキシ環のC−H伸縮
振動が観察された。このエポキシ基含有PPSをPPS
−5とする。
【0056】参考例1 撹拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにNM
P5000g及び硫化ナトリウム(NaS・2.9H
O)1898g(14.8モル)を加え、205℃ま
で昇温し、420gの水と5gのNMPを留去した。続
いてp−ジクロルベンゼン(14.5モル)を加え、2
50℃で3時間反応を行った。反応終了後、反応物を室
温まで冷却し、ポリマーを遠心分離機により単離した。
ポリマ−の転化率は98.5%であった。温水でポリマ
ーを繰返し洗浄し、減圧下100℃で一昼夜乾燥するこ
とにより、Mw=2.32×10のPPSを得た。更
にこのPPSを250℃にて空気中5時間硬化処理する
ことによりMw=3.00×10のPPSを得た。こ
れをPPS−6とする。
【0057】実施例6〜10,比較例1〜5 実施例1〜5,参考例1で得たPPSに表1に示す熱可
塑性樹脂を均一にドライブレンドした。サンプルをラボ
プラストミル(東洋精機製)を用いて300℃でペレタ
イズした後、インラインスクリュ−式射出成形機(東芝
製、IS−50EP)を用いシリンダ−温度290℃、
金型温度140℃で成形品を得た。成形品の引張物性は
ASTM D638、アイゾット衝撃試験はASTM
D256に準じて測定した。試験結果を表1に示した。
【0058】
【表1】 この結果からも明らかなようにエポキシ基を導入したP
PSを用いた場合は引張物性、アイゾット衝撃強度のい
ずれも未変性物では得られなかった良好な値が得られ
た。
【0059】
【発明の効果】以上に詳述したとおり、本発明の方法に
より得られるPPSは反応性の高いエポキシ基を含んで
おり、その反応性をいかした種々の用途への展開が期待
され、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】アミノ基含有PPSのFT−IRスペクトルで
ある。
【図2】本発明の方法によって得たエポキシ基含有PP
SのFT−IRスペクトルである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−290436(JP,A) 特開 昭59−64657(JP,A) 特開 昭59−155461(JP,A) 特開 昭59−155462(JP,A) 特開 昭64−65171(JP,A) 特開 平2−58541(JP,A) 特開 平2−296829(JP,A) 特表 平2−503325(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/00 - 75/32 C08L 81/00 - 81/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式、化1,化2,化3 【化1】 【化2】 【化3】 で示される繰り返し単位の連鎖に、末端基として一般
    式、化4 【化4】 (式中X´は−H,−NH2,−OH,−ONa,−C
    OOH,−COONaであり、Yはスルホン基,カルボ
    ニル基,エーテル基であり、Z´は−SH,−SNa,
    −NH2であり、Rはメチル基,エチル基又はシアノ基
    を表わし、lは0〜500、mは20〜2000、nは
    0〜600、pは0〜4、qは1又は2のそれぞれ整数
    を表わす)の構造を有するポリフェニレンスルフィド樹
    脂を有機溶媒下、pH=10以上のアルカリ状態で一般
    式、化5及び/又は化6の化合物と反応させることを特
    徴とするエポキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂
    の製造方法。 【化5】 【化6】 (Vはハロゲンを表し、Wはエーテル基,ケトン基,ア
    ミド基,スルホン基を含んでいてもよい炭素数1〜10
    0の有機基を表す)
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