JP3077789B2 - ボイラの演算濃縮ブロー制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、演算にて濃縮ブローを
行うボイラの演算濃縮ブロー制御方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】ボイラへの給水は腐食を防止するために
薬品処理が行われた水が給水され、ＰＨを一定の値に調
整しているが、水の蒸発に伴って缶水の濃縮が進行し、
ＰＨが上昇しすると腐食を招くこととなり、ボイラ缶水
を一定の濃度に保持するために、濃縮されたボイラ缶水
の一部をブローしている。缶水濃縮の検出は、ボイラ缶
水中の電気電導度を計測することによって行い、一定以
上の濃度になれば濃縮ブロー弁を開いてボイラ缶水をブ
ローしている。

【０００３】しかし、水の電気電導度はその温度によっ
て変化し、ボイラの使用状況によっては基準値を外れた
ところで作動することがあり、電気電導度検出装置は頻
繁な保守が必要であった。

【０００４】そのため電気伝導度検出装置を用いずにブ
ローを行う方法として、ボイラの燃焼状態を検出し、燃
焼状態から演算により適正ブロー量を求めておき、適正
ブロー量と実際にブロー弁を開いた時間から検出される
実際ブロー量を比較して、濃縮が設定値を越えたとき一
定時間のブローを行う、また、ボイラの燃焼状態から濃
縮ブロー弁の開閉の割合を演算により求め、以後一定時
間ごとに開閉を繰り返すということが考えられた。しか
し、これらの方法では常に変動する濃縮度に対応するこ
とができず、正確なブロー制御は行えなかった。また、
給水とは関係なくブローが行われており、給水停止中に
ブローが行われるとすぐに水位が低下するために、給水
間隔が短くなり、給水ポンプの発停回数が多くなってい
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、電気電導度を使用せずに、必要なブロー量
を正確にブローすることができ、給水ポンプの発停回数
も減らすことのできる、演算濃縮ブロー制御方法を開発
することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】ボイラの運転時間を一定
の時間に分割し、分割時間ごとに必要な濃縮ブロー量を
演算により求め、ボイラへの給水中に演算により求めら
れた濃縮ブロー量分ブローを行う。

【０００７】

【作用】水の蒸発は燃焼量によって定まり、蒸発した分
給水されるので分割時間での燃焼時間などによりその間
の給水量を演算で求めることができる。また、予め給水
の水質分析をし、ブロー率を設定しておけば、ブロー率
と給水量によってブロー弁開時間を決定することができ
る。分割時間ごとに濃縮ブロー量を決定し、決定ブロー
量分だけブローを行うので、ブロー間隔が短く細かなブ
ロー制御を行うことができ、濃縮度を一定に保つことが
できる。また、給水に合わせてブローを行うので、一回
当たりの給水時間、給水間隔は長くなり、給水ポンプの
発停回数を減らすことができる。

【０００８】

【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図１は一実施例の概要説明図であり、図２は濃縮ブロー
制御のタイムチャートを示したものである。ボイラ
（１）の下部には給水管（２）が接続されており、給水
ポンプ（３）によってボイラ内への給水が行われる。給
水ポンプの制御は、水位検出装置（１０）によって検出
された水位によって給水制御装置（１１）が行う。ボイ
ラの燃焼制御は、ボイラ内圧力を検出する圧力検出装置
（７）の信号に基づき、燃焼制御装置（９）が行い、燃
焼制御装置内では燃料供給時間などから１分ごとの燃焼
量を検出する。ボイラの上部より取り出される蒸気は水
分が含まれており、気水分離器（４）にて気液分離さ
れ、蒸気は上部より取り出され、液体は降水管（５）よ
りボイラ内へ戻される。降水管の途中に電磁開閉式の濃
縮ブロー弁（６）を備えたブロー配管が接続され、濃縮
ブロー弁の開閉は、給水制御装置、燃焼制御装置に接続
されたブロー制御装置（８）によって行われる。

【０００９】ブロー制御装置には、燃焼量より濃縮ブロ
ー弁開時間を求めるための定数を予め入力しておき、燃
焼制御装置から１分ごとの燃焼量と、給水制御装置から
給水開始信号が入力される。ブロー制御装置に１分間の
燃焼量が入力されると、制御装置内で演算により濃縮ブ
ロー弁開時間が求められる。求められた濃縮ブロー弁開
時間はブロー制御装置内に一旦記憶され、給水制御装置
からの給水開始信号が入力されると、濃縮ブロー弁を決
定時間だけ開き、ブローを行う。

【００１０】

【発明の効果】本発明を実施することで、電気電導度検
出装置を使用せずとも、正確で細かな濃縮ブローを行う
ことができ、濃縮度を一定に保つことができる。また、
給水中にブローを行うために給水間隔が長くなり、給水
回数を削減することができるので、給水ポンプの長寿命
化がはかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の概要説明図

【図２】 一実施例のタイムチャート

【符号の説明】

１ ボイラ ２ 給水管 ３ 給水ポンプ ４ 気水分離器 ５ 降水管 ６ 濃縮ブロー弁 ７ 圧力検出装置 ８ ブロー制御装置 ９ 燃焼制御装置 １０ 水位検出装置 １１ 給水制御装置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶内水位を検出し、検出された水位に
   よって給水を行っており、濃縮ブロー弁を開くことでボ
   イラ缶水をブローし、缶水の濃縮を防いでいるボイラに
   おいて、ボイラの運転を一定の時間ごとに分割して、１
   分割時間内での燃焼量を検出し、燃焼量を求めた１分割
   時間内における缶水の濃縮により必要となった濃縮ブロ
   ー量を演算により求めておき、燃焼量を求めた分割時間
   の次の分割時間におけるボイラへの給水実施時に、前分
   割時間内で必要となった濃縮ブロー量分のブローが行わ
   れるだけ濃縮ブロー弁を開き、ブローを行うことを特徴
   とするボイラの濃縮演算ブロー制御方法。