JP3077658B2 - ジャイロトロン装置に適用される永久磁石の製造方法 - Google Patents

ジャイロトロン装置に適用される永久磁石の製造方法

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JP3077658B2
JP3077658B2 JP10005332A JP533298A JP3077658B2 JP 3077658 B2 JP3077658 B2 JP 3077658B2 JP 10005332 A JP10005332 A JP 10005332A JP 533298 A JP533298 A JP 533298A JP 3077658 B2 JP3077658 B2 JP 3077658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サイクロトロン
共鳴メーザ相互作用を利用したジャイロトロン装置に関
するものである。尚、本明細書では、ジャイロトロン装
置について説明するが、ジャイロクライストロン、ジャ
イロTWT(Traveling Wave Tub
e)、ジャイロペニオロトロン等の電子管の場合であっ
てもよく、同様の効果を奏する。
【0002】
【従来の技術】従来例1.電子ビームと空胴共振器の固
有モードの高周波電磁場との間のサイクロトロン共鳴メ
ーザ相互作用を利用したジャイロトロン装置は、例えば
特開昭56−102045号公報に示されている。この
様な従来のジャイロトロン装置の概略を図17に示す。
図17において、1はカソード2、このカソード2上の
電子放出部3、第1のアノード4、第2のアノード5か
ら構成される電子ビーム9を射出する電子銃である。6
は電子ビーム9と高周波電磁場とが共鳴的に相互作用を
起こし電磁波10を発生する空胴共振器、7は相互作用
を終えた電子ビーム9を回収するコレクタ、8は電磁波
10を取り出す出力窓、300はこれら電子銃1、空胴
共振器6、コレクタ7、出力窓8等によりなるジャイロ
トロン200と、電子ビーム9に旋回運動を与えるため
にジャイロトロン200のビーム軸方向に磁場を発生す
る主電磁石11と電子銃電磁石12より構成されるジャ
イロトロン装置である。ここでいうビーム軸方向とは、
電子銃1から中空状電子ビーム9が射出される方向、つ
まり電子銃1から出力窓8へ向かう方向を指しており、
図17におけるZ軸のことである。以下、簡単のため軸
方向と呼ぶことにする。
【0003】次に動作について説明する。電子銃1のカ
ソード2上の電子放出部3から射出された電子ビーム9
は、カソード2と第1のアノード4との間の電場により
加速され、電子銃電磁石12によって発生された軸方向
の磁場成分により、旋回運動しながら軸方向にドリフト
する。更に、主電磁石11によって発生された強力な軸
方向の磁場成分の大きさが空胴共振器6の中心部で最大
となるため、電子ビーム9は空胴共振器6に向けて進む
につれ軸方向磁場に対して垂直方向の速度を増大させ、
同時に平行方向速度を減少させながら空胴共振器6に入
る。主電磁石11が発生する軸方向磁場によってサイク
ロトロン運動している電子は、通常円筒状の空胴共振器
6における固有モードの高周波電磁場とサイクロトロン
共鳴メーザ相互作用し、それによって電子の軸方向磁場
に対して垂直方向の速度成分によるエネルギーの一部が
電磁波10のエネルギーに変換される。空胴共振器6で
相互作用を終えた電子ビーム9は、コレクタ7に回収さ
れ、空胴共振器6で励起された電磁波10は、出力窓8
を透過して外部に取り出される。
【0004】従来例2.ジャイロトロン200の発振動
作、つまりサイクロトロン共鳴メーザ相互作用には磁場
が本質的な役割を果たしている。その為、空胴共振器6
において発振させたい固有モードの発振周波数に合わせ
て、軸方向磁場を精度良く調整することがジャイロトロ
ン装置300を効率良く運転する上で重要である。高周
波数の発振を得るためには、空胴共振器6において高磁
場が必要であることから、従来のジャイロトロン装置3
00の主電磁石11や電子銃電磁石12には、常電導電
磁石、又は超電導電磁石、あるいはその両方が用いられ
てきた。電磁石は、発生させる磁場を容易に調整できる
ため、電子ビーム9の加速電圧やビーム電流値に合わせ
て発振出力を制御する上で便利である。しかし、常電導
電磁石の励磁には大容量の励磁電源が必要で、消費電力
も大きく、また励磁電源や電磁石を水冷するなどにより
冷却する必要がある。一方、超電導電磁石は一般に高価
であり、液体ヘリウム等を用いて極低温にまで冷却する
必要があるなど、いずれの電磁石を使用するにおいても
初期コストやランニングコストが高く、取扱い上の手間
もかかるという問題があった。尚、本明細書において、
電子ビーム9の軌道を決める為の磁場やサイクロトロン
共鳴メーザ相互作用を起こすための磁場を発生する装置
を磁場発生装置と呼ぶことにする。この場合は、主電磁
石11と電子銃電磁石12を合わせて指す。
【0005】しかし、磁場発生装置に電磁石のほかに永
久磁石を併用することにより上述したコスト高や取扱上
の問題を解消した。特開平6−284132号公報に
は、電磁石と共に併用した従来のジャイロトロン用永久
磁石が示されている。これを図18と図19に示す。図
18は従来例2のジャイロトロン用永久磁石を軸方向の
平面で切ったときの断面図、図19は従来例2のジャイ
ロトロン用永久磁石を軸方向に垂直な平面で切ったとき
の断面図である。24は中空状永久磁石25から構成さ
れた円筒状磁石、26は磁石片であり、この磁石片26
を放射状に並べ図18における中空状永久磁石25を形
成している。ここで、図18及び図19に記載されてい
る矢印は磁石の磁化の方向を表しており、矢印の始点が
N極、終点がS極を意味している。
【0006】ここで、図18と図19に示した円筒状磁
石24について簡単に説明する。この場合は、例えば台
形状の磁石片26を複数個各々径方向に磁化した後、ド
ーナツ状に組みあわせて、外部形状及び内部形状が多角
形であり、磁化方向が略径方向の中空状永久磁石25を
構成し、更にこの中空状永久磁石を軸方向に複数個配置
する構成で軸方向磁場を発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 つまり、従来のジャイ
ロトロン用永久磁石は、図18と図19に示すように軸
方向と円周方向に何枚かに分割されて組み立てられてい
る。そのため、組立てる際に生じる磁石片26若しくは
中空状永久磁石25のばらつき、又は分割されたことに
よる中空状永久磁石25若しくはジャイロトロン用永久
磁石の平滑性の欠如のため、ジャイロトロン用永久磁石
の作る磁場は、図18に記載しているような軸方向の成
分(以下、Bzと略す)のほかに軸方向に対して垂直方
向の成分(以下、Brと略す)が必然的に生じてくる。
このBzは、個々の永久磁石のばらつきによるものであ
るから、Z軸の場所に依存した量となる。即ち、Brが
Z軸のあらゆる場所で一定の向きと値を取っているので
はない。勿論、完全なジャイロトロン用永久磁石が作成
できればそれにこしたことはない。尚、軸方向に対して
垂直方向を径方向と呼ぶことにする。
【0008】結局、ジャイロトロン装置300は、電子
ビーム9がBzにより旋回運動しながら軸方向にドリフ
トするように設計されているが、作動時に有限のBrが
存在するため、電子のドリフト軌道がBzとBrの合成
ベクトル方向に導かれ、結果的に所定の軌道からずれる
ことになる。
【0009】
【0010】
【0011】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、ビーム軌道をほぼ所望通りとすること
ができるジャイロトロン装置に適用される永久磁石の製
造方法を得ることを目的とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る永久磁
石製造方法は、電子ビームを射出する電子銃を有するジ
ャイロトロンを備えるジャイロトロン装置に適用され、
上記電子ビームとの間で相互作用を起こして電磁波を発
生させるための磁場を発生する永久磁石を製造するため
の方法であって、台形状の磁石片を磁化する磁化ステッ
上記磁石片を複数個組み合わせてドーナツ状の中空
状永久磁石を作る中空状磁石形成ステップ、上記中空状
永久磁石を軸方向に複数個配置して永久磁石を作る円筒
状磁石形成ステップ、 上記永久磁石における軸方向の
成分に対して垂直方向の磁場成分の割合が0.20未
満または0.05以下であるとの所定の条件を満たして
いるかどうかを調べる調査ステップ、この調査ステップ
において上記所定の条件を満たしていない場合に、上記
円筒状磁石形成ステップの製造条件を満たしているかを
確認し、この製造条件を満たしているときに、次に上記
中空状磁石形成ステップの製造条件を満たしているかを
確認し、この製造条件を満たしているときに、次に上記
磁化ステップの製造条件を満たしているかを確認する
認ステップ、およびこの確認ステップにおいてそれらの
製造条件を満たしていない上記円筒状磁石形成ステッ
プ、上記中空状磁石形成ステップ、または上記磁化ステ
ップにおける製造条件を満たすように修正する修正ステ
ップを含むことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明に
おいて1台の磁場発生装置で2台以上のジャイロトロン
を作動させる一実施の形態について説明する。図1はこ
の発明の一実施の形態の考え方を説明する概念図であ
る。図1(a)は図10に斜視図で示した永久磁石20
の断面図であり、中心をZ軸、Z軸に垂直な軸をr軸と
する。ここでZ軸とは、電子銃1から中空状電子ビーム
9が射出される方向、つまり電子銃1から出力窓8へ向
かう方向である。図1(b)は図1(a)の永久磁石2
0が作る磁場強度、図1(c)は図1(b)の様に磁場
分布が生じているときのジャイロトロン200の並べ方
の模式図、図2は従来のジャイロトロン装置300に用
いられていた電磁石(図17の主電磁石11及び電子銃
電磁石12)が作るZ軸方向の磁場分布である。各図1
において、20は中空状磁石25で構成されジャイロト
ロン内に磁場を発生する永久磁石、200はジャイロト
ロンである。図1(a)において各円筒状磁石25に記
載されているN及びSは夫々磁石のN極及びS極を意味
しており、図のように磁化されていることを意味する。
尚、この実施の形態における円筒状磁石とは、請求項で
用いた筒状磁石に相当するものである。更に、後述する
各実施の形態における円筒状磁石も同様に請求項におけ
る筒状磁石に相当する。従来例2に記載したように、従
来のジャイロトロン装置300の磁場発生装置にはソレ
ノイドコイルの電磁石が使用されていた。このソレノイ
ドコイルがZ軸上に作るBz成分の磁場分布を図1
(b)に示してある。この場合のBzの磁場分布には、
Bz>0の1種類の領域しか存在していなかった。しか
し、磁場発生装置に永久磁石20が用いられるようにな
り、Bzの磁場分布は図1(b)の様に反転磁場を含ん
だ3つの領域が出現した。しかし、従来のジャイロトロ
ン装置300は(II)の領域だけを使用し、1台のジ
ャイロトロンのみを作動していた。この発明の一実施の
形態では、(I)、(II)、(III)(夫々(I)
Bz<0、(II)Bz>0、(III)Bz<0)3
つの領域を使用し、3台のジャイロトロン200を作動
させている。これらの永久磁石20が作る3つの領域の
磁場は、ジャイロトロン動作に必要な磁場の条件を満た
している。即ち、図1(c)に示したように、永久磁石
20の中心軸(Z軸)上に3台のジャイロトロン200
を設置することにより、1台の永久磁石20で2台以上
のジャイロトロンを動かすことができる。3台のジャイ
ロトロンを並べたときに中央に配置されるジャイロトロ
ン200から射出される電磁波10は、ベンド等を用い
て曲げて取り出せば、両端のジャイロトロン200に邪
魔されること無く取り出すことができる。これにより、
初期コストを下げることができると共に永久磁石の資源
の有効利用を図ることができるという効果がある。
【0016】尚、この実施の形態では、3台のジャイロ
トロン200を作動させる方法について述べたが、特に
3台に限定されるものではない。即ち、Z軸上のBzの
磁場分布には少なくとも正の分布領域と負の分布領域が
存在するので、各々の領域をジャイロトロン200に適
用するということである。つまり、この実施の形態では
Z軸上にBzの磁場分布の正の分布領域と負の分布領域
が合計3つ存在したため、3台のジャイロトロンを作動
させただけであり、領域の数だけジャイロトロン200
を作動させることができる。例えば、磁場の領域が合計
5つ存在すれば理論的には5台のジャイロトロン200
を作動させることができる。勿論、5つの領域ともジャ
イロトロン200を作動させるに十分な磁場が発生して
いることが必要である。また、この実施の形態で用いた
円筒状磁石とは、内形と外形が円形を指している場合、
内径と外形が多角形の場合、内形と外形が円形と多角形
の組合せの場合の何れにも適応でき、後述する書く実施
の形態についても同様である。
【0017】実施の形態2.この発明において1台の磁
場発生装置で2台以上のジャイロトロン200を作動さ
せる一実施の形態について説明する。図3はこの発明の
一実施の形態の永久磁石を示す。図3(a)は永久磁石
をZ軸に平行で且つZ軸を含んだ平面で切ったときの断
面図、図3(b)はこの実施の形態に用いた永久磁石が
作るBzの磁場分布図、図3(c)はジャイロトロン2
00の配置の仕方の一実施の形態、図3(d)はジャイ
ロトロン200の配置の仕方の全組合せの一覧である。
図3において、図1と同符号を付したものは、同一又は
相等の部分を表す。1は電子ビームを射出する電子銃、
8はジャイロトロンから電磁波を出力する出力窓、24
aは第1の円筒状磁石、24bは第2の円筒状磁石、2
4cは第3の円筒状磁石、200aは第1の電子ビーム
を射出する第1の電子銃を有する第1のジャイロトロ
ン、200bは第2の電子ビームを射出する第2の電子
銃を有する第2のジャイロトロンである。図中のZ軸と
は第1のビーム軸方向と同様である。ここでいうビーム
軸方向とは電子ビームが射出される方向のことであり、
第1の電子ビームに対しては第1のビーム軸方向、第2
の電子ビームに対しては第2のビーム軸方向と定める。
【0018】永久磁石20は、3つの円筒状磁石24
a、24b、24cからなっている。第1の円筒状磁石
24aは第1のビーム軸方向に磁化されており、第2の
円筒状磁石24bは第1のビーム軸方向に垂直で第1の
ビーム軸の中心方向に向かって磁化されており、第3の
円筒状磁石24cは第1のビーム軸方向と逆方向に磁化
されており、第1の円筒状磁石24a、第2の円筒状磁
石24b、第3の円筒状磁石24cの順に配置されてい
る。各円筒状磁石24a、24b、24cは夫々図1の
ような中空状磁石から構成されている。ここで、各円筒
状磁石の大きさは図に記載したように第2の円筒状磁石
24bが一番大きくなっているが、大きさは特に問題で
はない。重要なのは、各円筒状磁石の磁化の大きさであ
り、所望の磁場分布を作るように各円筒状磁石を磁化す
れば良い。即ち、磁化させる割合の大きさをいろいろと
変えて、使用時に見合った大きさに決めれば良い。尚、
第1のビーム軸の中心方向とは、第1のビーム軸に向か
う方向である。
【0019】次に、第1のジャイロトロン200aと第
2のジャイロトロン200bの配置の仕方について説明
する。本実施の形態では第1のジャイロトロン200a
をZ軸上の第1の磁場分布に配置したが、第1のジャイ
ロトロン200aをZ軸上の第2の磁場分布に配置して
もよい。更に、各ジャイロトロン200a、200bを
配置する際の各ジャイロトロン200a、200bの向
きも図において左右どちらでも良い。即ち、図3(d)
に記載するように、この実施の形態では、8通りの配置
のパターンが可能である。しかし、ベンド等を使う必要
の無い組合せの1若しくは組合せの8がより理想的であ
る。
【0020】次に動作について説明する。この発明の一
実施の形態では、図3(a)のように永久磁石20を構
成するので、Z軸上に図3(b)に示すような(I)B
z>0、(II)Bz<0の2つの領域ができる。この
2つの領域の磁場分布は、正負が逆なだけで対称であ
る。また、これらの2つの領域の磁場分布はジャイロト
ロンを動かすには十分であり、利用可能である。図3
(c)に示したように(I)Bz>0、(II)Bz<
0の磁場領域にあわせて2台のジャイロトロン200
a、200bを設置することにより、1台の永久磁石2
0で2台のジャイロトロン200a、200bを運転す
ることができる。また、図3(d)の組合せのうち出力
される電磁波が他のジャイロトロンに衝突するような場
合(例えば組合せ2のように第1の電子ビームがジャイ
ロトロン200bに衝突する場合)は上述した実施の形
態のときのようにベンド等を用いてジャイロトロンを回
避して取り出せば良い。
【0021】実施の形態3.この発明において1台の磁
場発生装置で2台以上のジャイロトロン200を作動さ
せる他の実施の形態について説明する。図4はこの実施
の形態を示したジャイロトロン装置であり、実施の形態
2の第1のジャイロトロン200aと第2のジャイロト
ロン200bとの構成を具体的に示した図である。図4
において、図3と同符号を付したものは、同一又は相等
の部分を表す。2はカソード、3はカソード2上の電子
放出部、14はカソード2と対になって電子放出部3か
ら電子ビーム9を取り出し且つ電子ビーム9を加速させ
るアノード、6は電子ビーム9と高周波電磁場とが共鳴
的に相互作用を起こし電磁波10を発生する空胴共振
器、7は相互作用を終えた電子ビーム9を回収するコレ
クタ、30は永久磁石20が作る軸方向成分を空胴共振
器6近傍で微調整するための主磁場微調整電磁石、50
は永久磁石20が作る軸方向成分を電子銃1近傍で微調
整するための電子銃磁場微調整電磁石、300aはこれ
ら電子銃1、空胴共振器6、コレクタ7、出力窓8等に
よりなる第1のジャイロトロン200aと、電子ビーム
9に旋回運動を与えるために第1のジャイロトロン20
0aのビーム軸方向に磁場を発生する主磁場微調整電磁
石30と電子銃磁場微調整電磁石50より構成される第
1のジャイロトロン装置、300bはこれら電子銃1、
空胴共振器6、コレクタ7、出力窓8等によりなる第2
のジャイロトロン200bと、電子ビーム9に旋回運動
を与えるために第2のジャイロトロン200bのビーム
軸方向に磁場を発生する主磁場微調整電磁石30と電子
銃磁場微調整電磁石50より構成される第2のジャイロ
トロン装置である。10の電磁波とは、一般にマイクロ
波及びミリ波の電磁波のことを指している。しかし、こ
れらの周波数領域に限定されるものではない。尚、図中
のZ軸は第1のビーム軸方向と同様である。永久磁石2
0が作るZ軸上に作る磁場成分のうち第1の電子ビーム
軸方向成分の領域に第1のジャイロトロン200aを配
置し、永久磁石20が作るZ軸上に作る磁場成分のうち
第1の電子ビーム軸方向成分と逆方向成分の領域に第2
のジャイロトロン200bを設置し、夫々のジャイロト
ロン200a、200bから出力される電磁波10が互
いにぶつからず且つ正反対に出力されるようになってい
る。ジャイロトロン200aとジャイロトロン200b
の配置の仕方は、実施の形態2に記載したとおりであ
り、特にこの実施の形態に限定されるものではない。
【0022】次に動作について説明する。電子銃1のカ
ソード2上の電子放出部3から射出された電子ビーム
は、カソード2とアノード14の間の電場により加速さ
れ、永久磁石20によって発生した磁場により、旋回運
動しながら軸方向にドリフトする。更に、永久磁石20
と主磁場微調整電磁石30によって発生した強力な磁場
によって電子ビームは圧縮され、電子は磁場に対して垂
直方向の速度を増大させると共に、平行方向速度を減少
させながら空胴共振器6に入る。そのとき、磁石が発生
する軸方向磁場によってサイクロトロン運動している電
子と通常円筒状の空胴共振器6における固有モードの高
周波電磁場とのサイクロトロン共鳴メーザ相互作用が起
こる。その結果、電子の磁場に対して垂直方向の速度成
分によるエネルギーの一部は電磁波10のエネルギーに
変換される。空胴共振器6で相互作用を終えた電子ビー
ムは、コレクタ7に回収され、空胴共振器6で励起され
た電磁波10は、出力窓8を透過して外部に取り出され
る。この場合、永久磁石20の両端にある2つの出力窓
8より取り出される。これにより、従来のジャイロトロ
ン装置2台分が1台にまとまり省スペース化が図られ、
且つ永久磁石1台分で2台分のジャイロトロンを作動す
ることができるためコスト削減や磁石資源の有効利用が
図れる。
【0023】実施の形態4.この発明において1台の磁
場発生装置で2台以上のジャイロトロン200を作動さ
せる他の実施の形態について説明する。図5はこの発明
の一実施の形態の考え方を説明する概念図である。図5
(a)は永久磁石20をZ軸に平行で且つZ軸を含んだ
平面で切ったときの断面図であり、中心をZ軸とする。
このときのZ軸上の磁場強度を図5(b)に、またジャ
イロトロンの配置の仕方を図5(c)に記載する。ま
た、図5(b)において、実線はこの実施の形態におけ
る磁場分布を表しており、破線は実施の形態3における
磁場分布を表している。図5において、図3と同符号を
付したものは、同一又は相等の部分を表す。24dは第
1の円筒状磁石、24eは第2の円筒状磁石、24fは
第3の円筒状磁石、24gは第4の円筒状磁石、24h
は第5の円筒状磁石、200aは第1のジャイロトロ
ン、200bは第2のジャイロトロンである。 永久磁
石20は、5つの円筒状磁石からなっており、第1の円
筒状磁石24dは第1のビーム軸方向に垂直で第1のビ
ーム軸の中心方向と逆方向に磁化されており、第2の円
筒状磁石24eは第1のビーム軸方向に磁化されてお
り、第3の円筒状磁石24fは第1のビーム軸方向に垂
直での第1のビーム軸の中心方向に向かって磁化されて
おり、第4の円筒状磁石24gは第1のビーム軸方向と
逆方向に磁化されており、第5の円筒状磁石24hは第
1のビーム軸方向に垂直で第1のビーム軸の中心方向と
逆方向に磁化されており、第1の円筒状磁石24d、第
2の円筒状磁石24e、第3の円筒状磁石24f、第4
の円筒状磁石24g、第5の円筒状磁石24hの順に配
置されている。即ち、図3で説明した磁石の両端にZ軸
から径方向へ磁化された円筒状磁石24d、24hを付
け加えたものである。これにより、Bz>0、及びBz
<0の領域のBz=0へ漸近する部分(図における
(i)、(ii)の部分)が、図3(d)の例よりも緩
やかにBz=0へ漸近するようになる(図5(b))。
この永久磁石20により夫々のジャイロトロン200
a、200bの動作に必要な磁場強度の大部分を賄うこ
とができる。尚、第1のビーム軸の中心方向とは、第1
のビーム軸に向かう方向である。各ジャイロトロン20
0a、200bの配置の仕方については実施の形態2
(図3(d))で説明したことと同様である。
【0024】次に動作について説明する。この実施の形
態では、Bz=0への漸近が緩やかになるので、電子ビ
ームがコレクタ7に捕捉される距離が長くとれるように
なる。そのため、図3に示したジャイロトロンよりも大
きな電力のジャイロトロンの動作が可能となる(図5
(c))。
【0025】実施の形態5.以下、この発明におけるジ
ャイロトロン装置に用いられる永久磁石の一実施の形態
をジャイロトロン1台を作動させる場合について説明す
る。図6はこの実施の形態におけるジャイロトロン装置
の概略図、図7はBzに対するBrの割合(|Br|/
|Bz|)に対して事故発生件数をグラフにしたもので
ある。図6において、1はカソード2、このカソード2
上の電子放出部3、アノード14から構成される電子ビ
ーム9を射出する電子銃である。6は電子ビーム9と高
周波電磁場とが共鳴的に相互作用を起こし電磁波10を
発生する空胴共振器、7は相互作用を終えた電子ビーム
9を回収するコレクタ、8は電磁波10を取り出す出力
窓、20は電子ビームの軌道を決めるための磁場を発生
する磁場発生装置に用いる永久磁石、30は永久磁石2
0が作る軸方向成分を空胴共振器6近傍で微調整するた
めの主磁場微調整電磁石、50は永久磁石20が作る軸
方向成分を電子銃1近傍で微調整するための電子銃磁場
微調整電磁石、300はこれら電子銃1、空胴共振器
6、コレクタ7、出力窓8等によりなるジャイロトロン
200と、電子ビーム9に旋回運動を与えるためにジャ
イロトロン200のビーム軸方向に磁場を発生する主磁
場微調整電磁石30と電子銃磁場微調整電磁石50より
構成されるジャイロトロン装置である。10の電磁波と
は、一般にマイクロ波及びミリ波の電磁波のことを指し
ている。しかし、これらの周波数領域に限定されるもの
ではない。尚、ここでいうビーム軸方向とは、電子銃1
から中空状電子ビーム9が射出される方向、つまり電子
銃1から出力窓8へ向かう方向を指しており、図17に
おけるZ軸のことである。以下、簡単のためビーム軸方
向を軸方向と呼ぶことにする。永久磁石20は、例えば
台形状の磁石片26を複数個各々径方向に磁化した後、
ドーナツ状に組みあわせて、外部形状及び内部形状が多
角形であり、磁化方向が略径方向の中空状永久磁石25
を構成し、更にこの中空状永久磁石を軸方向に複数個配
置する構成で軸方向磁場を発生するものである。この永
久磁石20はジャイロトロン200の軸方向の全長にわ
たって、ジャイロトロン200の発振動作に必要な磁場
を発生し、更にこの永久磁石20と空胴共振器6付近に
置かれた主磁場微調整電磁石30の両方でジャイロトロ
ン200の発振動作に必要な軸方向の磁束密度を空胴共
振器6内に発生させる。主磁場微調整電磁石30は、電
子ビーム9の加速電圧の大きさなどの様々な作動条件に
合わせて軸方向の磁場成分を微調整するためのものであ
る。また、電子銃磁場微調整電磁石50は永久磁石20
とともに電子銃1から射出された電子ビームを旋回運動
させ、空胴共振器6へと導くために必要な軸方向の磁場
成分をカソード2の電子放出部3付近で発生させるもの
である。この電子銃磁場微調整電磁石50は、主磁場微
調整電磁石30と同様な働きをするもので、電子ビーム
9の加速電圧の大きさなどの様々な作動条件に合わせて
電子銃1近傍での磁場を微調整するためのものである。
また、ジャイロトロン装置300は、ジャイロトロン2
00と、永久磁石20及び電磁石30、50から構成さ
れる磁場発生装置とから構成されている。
【0026】この発明の一実施の形態においては、従来
例2で述べたような平滑性が損なわれているために生じ
る永久磁石20の作るBr成分により、電子ビーム9の
軌道が乱され、その結果出力窓割れ事故の発生等による
ジャイロトロン200の破損などの問題を解決するた
め、次の(1)式に示すような条件を満たした磁石、つ
まりBr成分がBzに比べて充分小さい磁石を用いてい
る。 |Br|/|Bz|<0.20 ・・・・・・ (1) (1)式の左辺、|Br|/|Bz|の値が小さいほど
Brが電子ビームに与える影響は小さい。勿論、ジャイ
ロトロン200で使用する範囲全般に渡って|Br|/
|Bz|の値がゼロになっているのが理想である。しか
し、先程も述べたようにBrは各中空状永久磁石25の
磁石片26の個々のばらつきに起因しており、各々のば
らつきを無くす、即ち|Br|/|Bz|の値をゼロに
するには、製作過程においてかなりの精密さが求められ
るので困難である。結局、BrはZ軸上において一定で
はないため、Z軸上で|Br|/|Bz|の値がゼロの
部分も有り得るが、通常はZ軸全体にわたってゼロにな
らず有限の値となる。また、この|Br|/|Bz|の
値はZ軸上で一定ではなく場所に依存した値となる。
【0027】次に動作について説明する。電子ビーム9
は、Bzにより生ずる磁力線に巻きついて螺旋運動を行
う。しかし、Br成分が存在すると、本来ベクトル量で
あるBzとBrのベクトルの和(Bz+Br)の方向に
磁力線が生じ、この磁力線に沿って電子ビームは螺旋運
動することになる。これにより設計段階で予測される所
望のビーム軌道からずれることになる。この発明におい
て種々の試験を重ねた結果、図7に示すように、0.2
0未満のときは、出力窓割れ事故が発生していないこと
が分かる。つまり、(1)式の条件を満足すれば、ビー
ム軌道は大きく乱されることなくほぼ所望通りとなるこ
とが判明した。こうすることにより、出力窓割れ等の事
故を防げるとともに、ジャイロトロン装置の信頼性を向
上させることができる。このようにして作られた永久磁
石20は、上述した実施の形態1、実施の形態2、実施
の形態3または実施の形態4に用いた永久磁石に適応す
ることができる。この様にすればジャイロトロン装置の
コスト削減等以外に信頼性をあげることもできる。
【0028】実施の形態6.次にこの実施の形態におけ
るジャイロトロン装置に用いられる永久磁石の他の実施
の形態について説明する。この発明の実施の形態5にお
いて、更に試験を重ねた結果、0.2未満のときに比
べ、0.05以下のときのほうが電子銃1や出力窓8の
温度の上昇が少なかった。 |Br|/|Bz|≦0.05 ・・・・・ (2) を満足する永久磁石20を用いた場合、ジャイロトロン
装置300の信頼性は(1)式を満たす場合に比べ更に
向上し、ビーム軌道にBrの存在の影響がほぼ無視でき
ることが判明した。即ち、0.2未満の場合は、電子ビ
ームの軌道は所望の軌道から多少はずれているが、事故
を起こすまでは至らず、結果的に事故は起こっていない
状態であり、0.05以下の場合は、電子ビームがほと
んど所望の軌道を描いている状態である。よって、0.
05以下にすれば0.2未満の場合に比べ更にジャイロ
トロン200の信頼性が向上する。(2)式を満足する
永久磁石20を実際製作し、実際に試験した結果、良好
であった。
【0029】実施の形態7.次に、永久磁石20が、
(1)式若しくは(2)式を満足する為の製造方法の一
実施の形態について説明する。この永久磁石20は、複
数の磁石片26を放射状に並べ中空状磁石25を形成
し、この中空状磁石25を複数個配置して作られてい
る。図8は実施の形態5における永久磁石20の断面
図、図9は図8における中空状磁石25を構成する磁石
片26の斜視図、図10は永久磁石20の斜視図、図1
1は図7の永久磁石20の製造過程の流れをフローチャ
ートで示したものである。図8において、図1と同符号
を付したものは、同一又は相等の部分を表す。24は中
空状磁石25から構成される円筒状磁石である。尚、2
4は複数の磁石片26を放射状に並べ中空状磁石25を
形成し、この中空状磁石25を複数個配置して作られる
円筒状磁石であり、この場合は1つの円筒状磁石で永久
磁石20が形成されている。即ち、結果的には永久磁石
20と同じである。これ以降、磁場発生装置の一つとし
て指す場合は永久磁石20、磁石片26や中空状磁石2
5と同様に構成の一つとして指す場合は円筒状磁石24
と呼ぶことにする。例えば、前述した実施の形態のよう
に複数の円筒状磁石24から構成される永久磁石20の
場合に区別する利点がある。図9において、26は磁石
片であり、図8における中空状磁石25はこの磁石片2
6を放射状に配置して構成されている。図10におい
て、図8及び図9と同符号を付したものは、同一又は相
等の部分を表す。27は各磁石片同士の隙間(合わせ
目)である。図11において、60は製造ステップ、S
P1は製造ステップ60の開始、SP2は各磁石片26
の磁石強度のばらつきを2%以内の誤差に抑える(製造
条件A)磁化ステップ、SP3は磁化ステップSP2に
よって磁化された磁石片26同士の隙間(あわせ目)を
あけないように、又は、磁石片26同士の隙間が3mm
以内で同程度になるように並べる(製造条件B)中空状
磁石形成ステップ、SP4は軸方向より見た磁石片26
の隙間(あわせ目)を各中空状磁石25同士で合わせ円
筒状にする(製造条件C)円筒状磁石形成ステップであ
る。製造ステップ60は、磁化ステップSP2、中空状
磁石形成ステップSP3、円筒状磁石形成ステップSP
4からなる。
【0030】図11のフローチャートに沿って説明す
る。まず、SP1より製造ステップを開始し、磁化ステ
ップSP2にて台形状の磁石片26を径方向に磁化す
る。次に、中空状磁石形成ステップSP3にて磁石片2
6を複数個組み合わせて、ドーナツ状とし、中空状永久
磁石25を作る。次に、円筒状磁石形成ステップSP4
にて中空状永久磁石25を軸方向に複数個配置して永久
磁石20を作り上げる。図10では円筒状磁石形成ステ
ップSP4での隙間の合わせ方を分かりやすくする為、
各中空状磁石25の間隔をあけて記載しているが、勿論
通常は間隔をあけずに製造する。しかし、各中空状磁石
25の間隔があいていても若しくは意図的にあけたとし
ても|Br|/|Bz|の値が所定の条件を満たしてい
れば特に問題はない。以上、磁化ステップSP2、中空
状磁石形成ステップSP3、円筒状磁石形成ステップS
P4の各ステップの製造条件A、B、Cに注意しながら
順に行うことにより、永久磁石20は(1)式を、更に
は(2)式をも満足する。尚、これらの過程における各
ステップSP2、SP3、SP4は、製造上の誤差を含
んでいることを明記しておく。
【0031】このように、上記の方法によってジャイロ
トロン用永久磁石20を製造すれば、Brが小さくな
り、信頼性の高い永久磁石20を効率良く製造すること
ができる。尚、図10の磁石片26や中空状磁石25の
個数は特に限定しているものではなく、使用時の条件に
最適な個数を使用すれば良い。また、本文中で永久磁石
20は複数個の磁石片26を放射状に並べた中空状磁石
25を幾つか組上げ円筒状磁石24から構成されている
と述べたが、始めからドーナツ状の磁石を用いて構成し
てもよく同様の効果を得ることができる。また、この実
施の形態における永久磁石20の製造方法は、前述した
各実施の形態の永久磁石20に適応することができる。
【0032】実施の形態8.次に実施の形態7における
ジャイロトロン用永久磁石の製造方法の各ステップSP
2、SP3、SP4に加えて更に所定の条件を満たして
いるかを調査する調査ステップ及び修正ステップを有す
るジャイロトロン用永久磁石の製造方法の一実施の形態
について説明する。図12はジャイロトロン用永久磁石
の製造方法のうち調査及び修正ステップの部分の流れを
フローチャートに示したものである。図13は図12と
は異なる実施の形態を表したものである。図14は図1
1の製造ステップ60と調査及び修正ステップ63を融
合させた一実施の形態である。図12において、61は
ステップSP6からなる調査ステップ、62はステップ
SP7、SP8、SP9、SP12、SP11、SP1
0からなる修正ステップ、SP5はこの実施の形態の開
始、SP6は所定の条件を満たしているか否かを確認す
る確認ステップ、SP7は円筒状磁石形成ステップSP
4の製造条件Cを満たしているかを確認する確認ステッ
プ、SP8は中空状磁石形成ステップSP3の製造条件
Bを満たしているかの確認ステップ、SP9は磁化ステ
ップSP2の製造条件Aを満たしているかを確認する確
認ステップ、SP10はステップSP9で条件を満たし
ていなかったときに再度磁化ステップSP2を行う再磁
化ステップ、SP11はステップSP8で条件を満たし
ていなかったときに再度中空状磁石形成ステップSP3
を行う再中空状磁石形成ステップ、SP12はステップ
SP7で条件を満たしていなかったときに再度円筒状磁
石形成ステップSP4を行う再円筒状磁石形成ステッ
プ、SP13は他の修正方法を採用する別の方法、SP
14はこの実施の形態の終了である。ここでステップS
P5は、図11における終了である。つまり、図11の
全過程を終了した後、図12の過程に移行するという意
味である。図13において、図12と同符号を付したも
のは、同一又は相等の部分を表す。SP15はステップ
SP1と同じ働きをするステップである。図14におい
て、図11、図12及び図13と同符号を付したもの
は、同一又は相等の部分を表す。63はステップSP
6、SP7、SP8、SP9、SP15からなる調査及
び修正ステップである。
【0033】次に動作について説明する。先ず、図12
について説明する。実施の形態7において一通り円筒状
磁石24の製造が終了した後の流れを以下に記す。円筒
状磁石24が製造終了した時点“終了”(図11のステ
ップSP5)が図12における“開始”(ステップSP
5)である。調査ステップ61のステップSP6とし
て、組み上がったジャイロトロン用永久磁石20のBr
成分を測定した結果、所定の条件、例えば(1)式若し
くは(2)式を満足しているかどうかジャイロトロン2
00のZ軸上での値を調べる。所定の条件を満たしてい
れば、特に修正する必要はない。一方、所定の条件を満
たしていない場合は、次の修正ステップ62を行う。
【0034】次に修正ステップ62では、基本的には実
施の形態7における製造過程のステップの逆の順番(図
11における磁化ステップSP2、中空状磁石形成ステ
ップSP3、円筒状磁石形成ステップSP4の逆の順
番)に従って製造過程の各ステップの製造条件A、B、
Cを満たしているか否かを調べ、満たさないものを修正
する。以下に詳しく述べる。ステップSP6で条件を満
たしていないと判断された場合ステップSP7に移り、
実施の形態7の円筒状磁石形成ステップSP4の製造条
件Cに基づき、軸方向より見たときに磁石片26の隙間
(あわせ目)が、各中空状永久磁石25同士で合ってい
るかどうかを確認する。合っている場合(ステップSP
7“YES”)は、ステップSP8に進む。合っていな
い場合(ステップSP7“NO”)は、再び円筒状磁石
24を形成する再円筒状磁石形成ステップSP12を行
う。更に、ステップSP6に基づいて所定の条件を満た
すかどうか確認する。満たしている場合(ステップSP
6“YES”)終了であるが、満たしていない場合(ス
テップSP6“NO”)は初めからやり直す。ステップ
SP8として、中空状磁石形成ステップSP3の製造条
件Bに基づき、各磁石片26の隙間が均等であるか否か
調べる。均等である場合(ステップSP8“YES”)
は、ステップSP9に進む。均等でない場合(ステップ
SP8“NO”)は、再び均等に修正する再中空状磁石
形成ステップSP11を行い、ステップSP12を経て
円筒状磁石24を形成する。更に、ステップSP6に基
づいて所定の条件を満たすか確認する。満たしている場
合(ステップSP6“YES”)“終了”ステップSP
14であるが、満たしていない場合(ステップSP6
“NO”)は初めからやり直す。ステップSP9におい
て、磁化ステップSP2の製造条件Aに基づき、複数の
各磁石片26相互の磁石強度の誤差が2%以内であるか
否か調べる。2%以内の場合(ステップSP9“YE
S”)は、組立方法自体には問題が無かったわけである
ので、“別の方法”(ステップSP13)へ移る。“別
の方法”(ステップSP13)とは、根本的に磁石自体
別のものにするか、若しくは実施の形態9又は10に記
載する修正方法で修正することである。2%以内でなか
った場合(ステップSP9“NO”)は、2%以内にな
るように再び磁化する再磁化ステップSP10を行い、
再中空状磁石形成ステップSP11と再円筒状磁石形成
ステップSP12を経て円筒状磁石24を形成し、ステ
ップSP6に基づいて所定の条件を満たすかどうか調べ
る。満たしている場合(ステップSP6“YES”)は
終了であり、満たしていない場合(ステップSP6“N
O”)は初めからやり直す。以上のように、調べてみて
は修正し又調べるといった様に試行錯誤をしながら所定
の条件を満たすまで繰り返す。
【0035】この実施の形態では、所定の条件として
(1)式や(2)式を取り上げているが、特にこれらに
限定されるものではなく、場合に応じて決定した所定の
条件を調査しステップに組み込めば良い。
【0036】次に、ジャイロトロン用永久磁石20の製
造方法のうちの別の調査及び修正方法を述べる。先に述
べた図12の調査及び修正方法は、修正ステップ62と
して円筒状磁石形成ステップSP4、中空状磁石形成ス
テップSP3、磁化ステップSP2の各ステップの製造
条件C、B、Aを満たしているか否かを調査修正して一
度完全な円筒状磁石24を組立てた後に、調査ステップ
61で所定の条件を満たすかどうかをステップSP6で
調べている。この方法で修正すると、修正毎に永久磁石
20を一通り組み上げる必要があるので効率が悪い。
【0037】そこで、一通り組上げる前に調査ステップ
61を盛り込み、永久磁石20を修正する方法を次に述
べる。図13にその方法についてのフローチャートを示
している。図13において図12と同一の符号を付した
ものは同一又は相等の部分を表す。図12の方法との違
いのみを説明する。ステップSP8までは同様である。
ステップSP8で製造条件Bを満たしていなかった場合
はステップSP11を行い、その後に調査するステップ
SP15に基づき調査し、所定の条件を満たしていれば
ステップSP12ヘと進み、満たしていなかったら再び
ステップSP8を行う。つまり、調査するステップSP
15の条件を満たすまで繰り返されるということであ
る。このように、随時調査するステップSP15を挿入
することで修正ステップをより効率的に行うことができ
る。
【0038】次に、磁化ステップSP2、中空状磁石形
成ステップSP3、円筒状磁石形成ステップSP4とか
らなる実施の形態7記載の製造するステップと、調査ス
テップ61、修正ステップ62とからなる修正するステ
ップを融合した場合について説明する。図14にその流
れをフローチャートで示している。
【0039】今までの図12と図13の2つの場合では
一通り円筒状磁石24を製造した段階がフローチャート
の“開始”の位置(ステップSP5)であったが図14
場合は製造の初期の状態が“開始”の位置(図11のス
テップSP1)である。先ず、磁化ステップSP2と中
空状磁石形成ステップSP3を行う。ステップSP6に
おいてこの段階で所定の条件を満たしているか否かを確
認する。満たしていない場合(ステップSP6“N
O”)はステップSP8によって中空状磁石形成ステッ
プの製造条件Bを満たしているか否か確認する。満たし
ていない場合(ステップSP8“NO”)は、再び中空
状磁石形成ステップSP3を繰り返す。満たしている場
合(ステップSP8“YES”)は、ステップSP9に
よって磁化ステップSP2の製造条件Aを満たしている
か否か確認する。満たしていない場合(ステップSP9
“NO”)は、再び磁化ステップSP2を行う。満たし
ている場合(ステップSP9“YES”)については、
“別の方法”(ステップSP13)となる。この“別の
方法”(ステップSP13)とは図11と図12のとき
に述べたものと同等であり、根本的に磁石自体別のもの
にするか、若しくは実施の形態9又は6に記載する修正
方法で修正することである。ステップSP6で所定の条
件を満たしている場合は、円筒状磁石形成ステップSP
4を経て2回目の所定の条件を満たすかどうか否かの確
認ステップSP15を行う。ここで、所定の条件を満た
している場合(ステップSP15“YES”)は製造過
程は終了する(ステップSP14)。満たしていない場
合(ステップSP15“NO”)は、円筒状磁石形成ス
テップSP4の製造条件Cを満たしているか否かを確認
する(ステップSP7)。満たしていない場合(ステッ
プSP7“NO”)は、再び円筒状磁石形成ステップS
P4を行う。満たしている場合(ステップSP7“YE
S”)は、ステップSP8ヘと進む。その後は先程と同
じ行程をたどることになるので省略する。
【0040】このように、実施の形態7で述べたジャイ
ロトロン用永久磁石20の製造過程に本実施の形態で述
べたジャイロトロン用永久磁石20の製造過程の中の調
査ステップと修正ステップを融合することにより短い行
程で製造することが可能となる。以上、本実施の形態を
3つの場合について説明したが、本実施の形態では、磁
化ステップSP2、中空状磁石形成ステップSP3、円
筒状磁石形成ステップSP4からなる製造ステップ60
とこれらのステップSP2、SP3、SP4の各ステッ
プの製造条件A、B、Cを満たしているか否かの確認ス
テップとSP9、SP8、SP7と所定の条件を満たし
ているかを調査する調査ステップ61を有していれば良
いので、上記の3つの実施の形態に限定される必要はな
い。また、この実施の形態における永久磁石20の製造
方法は、前述した各実施の形態の永久磁石20に適応す
ることができる。
【0041】実施の形態9.ジャイロトロン内の垂直磁
場成分を増加減少する手段を永久磁石20に直接設置す
ることにより、永久磁石20のBrをBzに比べ充分小
さくする発明の一実施の形態について説明する。ここで
は、垂直磁場成分を増加減少する手段として鉄片を用い
た。図15において、図6と同符号を付したものは、同
一又は相等の部分を表す。41は円筒状磁石24の内周
面に設けられた鉄片である。大きさは1つに決める必要
はないが、作業性を考慮すると2.0cmから3.0c
m程度の円形が妥当である。勿論、円形でなくてもよ
く、都合のよい形、大きさでもって使用すれば良い。ま
た、個数も必要なだけ用いればよい。
【0042】次に動作について説明する。鉄片41を永
久磁石20に貼り付けることにより、その周辺の磁場強
度を弱めることができる。ここで、鉄片41を永久磁石
20に貼り付けるということは、円筒状磁石24や磁石
片26に貼り付けるということであり、鉄片41によっ
て1個の磁石片26レベルまでの細かさでBrを修正す
ることができる。図10に示すようにジャイロトロン用
永久磁石20は多数の磁石片26若しくは中空状磁石2
5から構成されているが、一般には磁石片26の磁化の
バランス又は磁石片26や中空状磁石25の構成のバラ
ンス等が損なわれているためにBrが生じている。更
に、Brの生じ方は個々の磁石片26や中空状磁石25
に起因しているため、Z軸上において不規則である。よ
って、一括してBrを修正するような方法、例えばジャ
イロトロン200等へ一律に磁場を加えて修正する方法
等は適さない。しかし、この実施の形態のような方法を
用いれば、ジャイロトロン用永久磁石20の細部にわた
る微調整が可能であり、製造後の調整を行いやすい。即
ち、永久磁石20の構成のバランス若しく磁化のバラン
スが悪い部分に鉄片41を貼り付け周辺の磁場を弱め、
バランスを整えることにより、Brを小さくすることが
できる。鉄片41を貼り付ける場所は、例えばZ軸上で
Brが大きいところにおいて、ベクトルBrの延長線と
永久磁石20との交点であるが、特に決まってはいな
い。鉄片41を貼り付けては|Br|/|Bz|の値を
測定しその結果によって鉄片41をずらすといった試行
錯誤を繰り返し、丁度良い場所を決定すれば良い。
【0043】この実施の形態におけるジャイロトロン用
永久磁石の製造方法に基づいて永久磁石20を製造すれ
ば、永久磁石20の組立後の修正を効率良く行うことが
でき、且つ実施の形態8で修正できなかった場合におい
ても容易に修正が可能となる。また、次に述べる実施の
形態10のように鉄片41をジャイロトロン200に貼
り付ける場合に比べて磁場を弱める効果が大きい。更
に、この実施の形態のような永久磁石20に貼り付ける
場合のほうが、ジャイロトロン200を取り替えた場合
においても継続して使用でき、取り替えるごとに調節し
直す手間も省ける。
【0044】尚、この実施の形態では径方向の磁場成分
を弱めるために鉄片41を使用したが、特に鉄(キュリ
ー温度は約1043K)でなくてもニッケル(キュリー
温度は約631K)のように装置の動作温度領域におい
て強磁性を示す物質であればどのような物質でも良い。
勿論、それらを磁化させ磁石とした物質でも構わない
し、電磁石を用いても構わない。また、磁場を弱めるだ
けでなく、不足している部分を補うような方法でも良
い。例えば、周囲より磁力が弱い部分に磁石を貼り付け
て磁力を補い、周囲とのバランスを整え、|Br|/|
Bz|の値を小さくする方法でも良い。この場合も先程
と同様に、永久磁石でも電磁石でもどちらでも良い。ま
た、この実施の形態による垂直磁場成分を調節する方法
は、上述した各実施の形態に適用することができる。即
ち、例えば図1のジャイロトロン用永久磁石20の内周
面に図15と同様に鉄片41を貼り付け不要なBrを抑
えることにより、出力窓割れ等のジャイロトロン装置の
事故を少なくし、ジャイロトロン装置300の信頼性を
高めることができる。
【0045】実施の形態10.ジャイロトロン内の垂直
磁場成分を増加減少する手段をジャイロトロンに設置す
ることにより、永久磁石20のBrをBzに比べ充分小
さくする発明の一実施の形態について説明する。ここで
は、垂直磁場成分を増加減少する手段に鉄片を用いた。
図16において図6と同符号を付したものは、同一又は
相等の部分を表す。42は鉄片であり、ジャイロトロン
200の外周面に取り付けられている。尚、実施の形態
9と同様に鉄片42の大きさや形は特に決める必要はな
い。また個数も1つに限ることはない。
【0046】次に動作について説明する。ジャイロトロ
ン200に鉄片42を貼り付けると、貼り付けた部分を
透過する磁力線が減少し、ジャイロトロン200内に永
久磁石20によって生じているBrを調節することがで
きる。即ち、ジャイロトロン200内のZ軸上の全領域
においてBrを測定し、Brが生じている部分はそのB
rを抑えるようにジャイロトロン200に鉄片42を貼
り付ける。その様にして、所定の条件(例えば、|Br
|/|Bz|<0.20)を満たすようにジャイロトロ
ン200内のBrを調節することができる。
【0047】この実施の形態におけるジャイロトロン用
永久磁石20の製造方法に基づいて永久磁石20を製造
すれば、実施の形態9と同様に永久磁石20の組立後の
修正が効率良く行うことができ、且つ実施の形態8で修
正できなかった場合においても容易に修正が可能とな
る。また、ジャイロトロン200に起因したBrを補正
する場合は、実施の形態9のように調整するよりはこの
実施の形態のようにジャイロトロン200に鉄片等を貼
り付けて修正すれば、永久磁石20の取り替え等のよう
な状況の変化に対しても、特に調節は必要とせず手間が
かからない。更に、永久磁石20に貼り付けるよりも磁
場に与える影響が少ないため、ジャイロトロン200に
貼り付けるほうが微調整が行いやすい。
【0048】尚、垂直磁場成分を増加減少する手段は、
この実施の形態のような鉄片42に限定されるものでは
なく、実施の形態9と同様に、ジャイロトロン200の
動作温度領域において強磁性を示す物質であればどのよ
うな物質でも構わないし、永久磁石や電磁石を用いても
構わない。また、実施の形態9と同様に磁場を弱めるだ
けでなく、不足している部分を補うような方法でも良
い。貼り付ける場所は、実施の形態9で述べたように試
行錯誤して決定すれば良い。また、この実施の形態によ
る垂直磁場成分を調節する方法は、上述した実施の形態
1から実施の形態5に適用することができる。即ち、例
えば図4のジャイロトロン200に図16と同様に鉄片
42を貼り付け不要なBrを抑えることにより、出力窓
割れ等のジャイロトロン装置の事故を少なくし、ジャイ
ロトロン装置300の信頼性を高めることができる。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、磁場の軸方向の成分
に対する軸方向に対して垂直方向の成分の割合が0.2
0未満または0.05以下であるとの所定の条件を満足
する信頼性の高い永久磁石を効率良く製造することがで
きる。そのため、このようにして製造された永久磁石を
ジャイロトロン装置に適用した場合、ビーム軌道をほぼ
所望通りとすることができるジャイロトロン装置を得る
ことができる
【0050】第2の発明に係るジャイロトロン装置は、
磁場発生装置は、第1の電子ビームの射出方向と平行な
第1のビーム軸方向に磁化された第1の筒状磁石と、第
1のビーム軸方向に対して垂直で且つ第1の電子ビーム
のビーム軸の中心方向に磁化された第2の筒状磁石と、
第1のビーム軸方向と逆方向に磁化された第3の永久磁
石と、を第1のビーム軸方向に順に配置した為、1台の
磁場発生装置の作る第1の磁場分布と第2の磁場分布を
利用して2台のジャイロトロンを作動させることがで
き、装置のコストが削減できるとともに磁場発生装置の
資源が有効に利用できる。
【0051】第3の発明に係るジャイロトロン装置は、
磁場発生装置は、第1の電子ビームの射出方向と平行な
第1のビーム軸方向に対して垂直で且つ第1の電子ビー
ムのビーム軸の中心方向と逆方向に磁化された第1の筒
状磁石と、第1のビーム軸方向に磁化された第2の筒状
磁石と、第1のビーム軸方向に対して垂直で且つ第1の
電子ビームのビーム軸の中心方向に磁化された第3の筒
状磁石と、第1のビーム軸方向と逆方向に磁化された第
4の筒状磁石と、第1のビーム軸方向に対して垂直で且
つ第1の電子ビームのビーム軸の中心方向と逆方向に磁
化された第5の筒状磁石と、を第1のビーム軸方向に順
に配置した為、第2の発明のときに比べビーム軸方向に
より広い磁場領域をジャイロトロンに使用することがで
き、高出力の高周波を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す概念図。
【図2】 従来例1の電磁石が作る軸方向の磁束密度の
グラフ。
【図3】 本発明の実施の形態2を示す概念図。
【図4】 本発明の実施の形態3によるジャイロトロン
装置。
【図5】 本発明の実施の形態4を示す概念図。
【図6】 本発明の実施の形態5及び6によるジャイロ
トロン装置。
【図7】 本発明の実施の形態5によるジャイロトロン
装置における出力窓割れ発生件数。
【図8】 本発明の実施の形態7及び8によるジャイロ
トロン用永久磁石の断面図。
【図9】 本発明の実施の形態7及び8によるジャイロ
トロン用永久磁石の磁石片の斜視図。
【図10】 本発明の実施の形態7及び8によるジャイ
ロトロン用永久磁石の斜視図。
【図11】 本発明の実施の形態7によるジャイロトロ
ン用永久磁石の製造方法を示すフローチャート。
【図12】 本発明の実施の形態8によるジャイロトロ
ン用永久磁石の製造方法を示すフローチャート。
【図13】 本発明の実施の形態8によるジャイロトロ
ン用永久磁石の製造方法を示すフローチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態8によるジャイロトロ
ン用永久磁石の製造方法を示すフローチャートである。
【図15】 本発明の実施の形態9によるジャイロトロ
ン装置。
【図16】 本発明の実施の形態10によるジャイロト
ロン装置。
【図17】 従来例1のジャイロトロン装置。
【図18】 従来例2の永久磁石の軸に平行な平面によ
る断面図。
【図19】 従来例2の永久磁石の軸に垂直な平面によ
る断面図。
【図20】 従来例2の永久磁石による磁場分布。
【符号の説明】
1 電子銃、2 カソード、3 電子放出部、4 第1
のアノード、5 第2のアノード、6 空胴共振器、7
コレクタ、8 出力窓、9 電子ビーム、10 電磁
波、11 主電磁石、12 電子銃電磁石、14 アノ
ード、20 永久磁石、24 円筒状磁石、24a、2
4d 第1の円筒状磁石、24b、24e 第2の円筒
状磁石、24c、24f 第3の円筒状磁石、24g
第4の円筒状磁石、24h 第5の円筒状磁石、25
中空状磁石、26 磁石片、27各磁石片の隙間、30
主磁場微調整電磁石、41、42 鉄片、50 電子
銃磁場微調整電磁石、61 調査ステップ、62 修正
ステップ、63 調査及び修正ステップ、200 ジャ
イロトロン、200a 第1のジャイロトロン、200
b 第2のジャイロトロン、300 ジャイロトロン装
置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを射出する電子銃を有するジ
    ャイロトロンを備えるジャイロトロン装置に適用され、
    上記電子ビームとの間で相互作用を起こして電磁波を発
    生させるための磁場を発生する永久磁石を製造するため
    の方法であって、台形状の 磁石片を磁化する磁化ステップ上記磁石片を複数個組み合わせてドーナツ状の中空状永
    久磁石を作る中空状磁石形成 ステップ、上記中空状永久磁石を軸方向に複数個配置して永久磁石
    を作る円筒状磁石形成ステップ、 上記永久磁石における 軸方向の磁場成分に対して垂直方
    向の磁場成分の割合が0.20未満または0.05以下
    であるとの所定の条件を満たしているかどうかを調べる
    調査ステップ、この調査ステップにおいて上記所定の条件を満たしてい
    ない場合に、上記円筒状磁石形成ステップの製造条件を
    満たしているかを確認し、この製造条件を満たしている
    ときに、次に上記中空状磁石形成ステップの製造条件を
    満たしているかを確認し、この製造条件を満たしている
    ときに、次に上記磁化ステップの製造条件を満たしてい
    るかを確認する 確認ステップ、およびこの確認ステップ
    においてそれらの製造条件を満たしていない上記円筒状
    磁石形成ステップ、上記中空状磁石形成ステップ、また
    は上記磁化ステップにおける製造条件を満たすように修
    正する修正ステップを含むことを特徴とするジャイロト
    ロン装置用永久磁石製造方法。
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