JP3077417B2 - 酸素バリヤー性を有する包装容器 - Google Patents
酸素バリヤー性を有する包装容器Info
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- packaging container
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素バリヤー性を有す
る包装容器に関する。より詳しくは、酸素バリヤー層と
しての無機物質の薄膜を含む包装容器に関する。
る包装容器に関する。より詳しくは、酸素バリヤー層と
しての無機物質の薄膜を含む包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックのシートをカップ状
などの形状に成形した容器が広く使用されている。この
ようなプラスチック製の容器は、通常はガスバリヤー
性、特に酸素バリヤー性に劣るため、酸素バリヤー性を
有する、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
やポリ塩化ビニリデン等の酸素バリヤー性樹脂の層を存
在させることにより、内容物の酸化劣化等を防止してい
る。
などの形状に成形した容器が広く使用されている。この
ようなプラスチック製の容器は、通常はガスバリヤー
性、特に酸素バリヤー性に劣るため、酸素バリヤー性を
有する、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
やポリ塩化ビニリデン等の酸素バリヤー性樹脂の層を存
在させることにより、内容物の酸化劣化等を防止してい
る。
【0003】この酸素バリヤー性樹脂を含む容器を製造
する方法は、上記酸素バリヤー性樹脂を含む多層シート
を作成し、このシートを真空成形、圧空成形、真空圧空
成形、プラグアシスト成形などの、シートを加熱軟化さ
せ圧力を加えて金型形状に沿わせる、いわゆるシート成
形が一般的である。
する方法は、上記酸素バリヤー性樹脂を含む多層シート
を作成し、このシートを真空成形、圧空成形、真空圧空
成形、プラグアシスト成形などの、シートを加熱軟化さ
せ圧力を加えて金型形状に沿わせる、いわゆるシート成
形が一般的である。
【0004】上述した多層シートは、通常、複数のフィ
ルムを準備して、接着剤を使用して積層するドライラミ
ネート、接着性樹脂を間に挟んで積層するサンドラミネ
ート、またはフィルムに樹脂を押し出して積層する押し
出しラミネート等の方法か、あるいは複数の樹脂を同時
に押し出す共押し出しなどの方法により製造されてい
る。これらのシートは加熱により軟化することが必要で
あり、軟化することにより所望の形状に成形できるもの
である。
ルムを準備して、接着剤を使用して積層するドライラミ
ネート、接着性樹脂を間に挟んで積層するサンドラミネ
ート、またはフィルムに樹脂を押し出して積層する押し
出しラミネート等の方法か、あるいは複数の樹脂を同時
に押し出す共押し出しなどの方法により製造されてい
る。これらのシートは加熱により軟化することが必要で
あり、軟化することにより所望の形状に成形できるもの
である。
【0005】また、近年、上述した酸素バリヤー性樹脂
と同等またはそれ以上の酸素バリヤー性を有する材料と
して、酸化ケイ素等の無機物質の薄膜を真空蒸着等の方
法によりプラスチックフィルム上に形成したものが提案
され、一部実用化されている。この無機物質の薄膜は、
高い酸素バリヤー性を示すとともに、ボイル殺菌やレト
ルト殺菌などの加熱殺菌の熱に耐え、マイクロ波を透過
可能である。
と同等またはそれ以上の酸素バリヤー性を有する材料と
して、酸化ケイ素等の無機物質の薄膜を真空蒸着等の方
法によりプラスチックフィルム上に形成したものが提案
され、一部実用化されている。この無機物質の薄膜は、
高い酸素バリヤー性を示すとともに、ボイル殺菌やレト
ルト殺菌などの加熱殺菌の熱に耐え、マイクロ波を透過
可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記酸素バ
リヤー性樹脂を含むプラスチック容器は、複数の樹脂が
積層されているため、回収して再利用することがきわめ
て困難である。このことは、シート製造時の不良、容器
製造時の不良、さらには使用後の容器の回収も不可能で
あることを意味しており、経済的には非常にデメリット
である。また、シート作成のための手間がかかり不経済
であり、酸素バリヤー性樹脂自体のコストも高い。さら
に、シート状態でも酸素バリヤー性樹脂の厚さを均一に
することが比較的困難であり、さらにシート成形後の酸
素バリヤー性樹脂の厚さはかなりばらついてしまう。こ
のため、得られた容器の酸素バリヤー性が不十分とな
り、製品の品質管理は容易でなかった。
リヤー性樹脂を含むプラスチック容器は、複数の樹脂が
積層されているため、回収して再利用することがきわめ
て困難である。このことは、シート製造時の不良、容器
製造時の不良、さらには使用後の容器の回収も不可能で
あることを意味しており、経済的には非常にデメリット
である。また、シート作成のための手間がかかり不経済
であり、酸素バリヤー性樹脂自体のコストも高い。さら
に、シート状態でも酸素バリヤー性樹脂の厚さを均一に
することが比較的困難であり、さらにシート成形後の酸
素バリヤー性樹脂の厚さはかなりばらついてしまう。こ
のため、得られた容器の酸素バリヤー性が不十分とな
り、製品の品質管理は容易でなかった。
【0007】他方、無機物質の薄膜を形成したプラスチ
ックフィルムは、ベースとなる樹脂が単一の層であって
も問題がないため、回収、再利用は可能であるが、無機
物質の薄膜は非常に脆く、シート成形などの圧力、変形
には到底耐えられず、亀裂を生じてしまい、酸素バリヤ
ー性が損なわれてしまうため、シート成形の素材として
は使用することができない。
ックフィルムは、ベースとなる樹脂が単一の層であって
も問題がないため、回収、再利用は可能であるが、無機
物質の薄膜は非常に脆く、シート成形などの圧力、変形
には到底耐えられず、亀裂を生じてしまい、酸素バリヤ
ー性が損なわれてしまうため、シート成形の素材として
は使用することができない。
【0008】そこで本発明は、十分な酸素バリヤー性を
有し、しかも回収、再利用が可能な、包装容器を提供す
るものである。
有し、しかも回収、再利用が可能な、包装容器を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、単一
の樹脂からなる容器の少なくとも一表面全体に、プラズ
マCVD法による無機物質の薄膜が形成された容器と該
容器の開口部を密封するアルミニウム製巻き締め蓋から
なりレトルト処理に適したことを特徴とする、酸素バリ
ヤー性を有する包装容器である。
の樹脂からなる容器の少なくとも一表面全体に、プラズ
マCVD法による無機物質の薄膜が形成された容器と該
容器の開口部を密封するアルミニウム製巻き締め蓋から
なりレトルト処理に適したことを特徴とする、酸素バリ
ヤー性を有する包装容器である。
【0010】
【0011】本発明の好ましい態様は、無機物質が酸化
ケイ素である、酸素バリヤー性を有する包装容器であ
る。
ケイ素である、酸素バリヤー性を有する包装容器であ
る。
【0012】
【作用】本発明の包装容器は、無機物質の薄膜により、
高い酸素バリヤー性を示す。そして、包装容器本体を形
成する樹脂が単一の樹脂であるので、包装容器の製造段
階で発生した不良品等および使用後の包装容器を回収
し、再利用することが可能である。この際、無機物質の
薄膜はきわめて薄い膜であるため、樹脂の回収、際利用
に関して何ら支障はない。
高い酸素バリヤー性を示す。そして、包装容器本体を形
成する樹脂が単一の樹脂であるので、包装容器の製造段
階で発生した不良品等および使用後の包装容器を回収
し、再利用することが可能である。この際、無機物質の
薄膜はきわめて薄い膜であるため、樹脂の回収、際利用
に関して何ら支障はない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、
単一の樹脂から形成された容器の少なくとも一表面全体
に、プラズマCVD法による無機物質の薄膜が形成され
ているものである。
単一の樹脂から形成された容器の少なくとも一表面全体
に、プラズマCVD法による無機物質の薄膜が形成され
ているものである。
【0014】本発明において単一の樹脂とは、2以上に
明確に区別される樹脂層を有するものを含まないもので
あって、文字通り単一の樹脂のほか、通常混合ないし共
重合されて使用されている2以上の樹脂からなる、単一
の層ものを含むものである。
明確に区別される樹脂層を有するものを含まないもので
あって、文字通り単一の樹脂のほか、通常混合ないし共
重合されて使用されている2以上の樹脂からなる、単一
の層ものを含むものである。
【0015】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル等の樹脂、あるいはポリエチレン−ポリプロピレン
混合物ないし共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、等が使用
できる。
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル等の樹脂、あるいはポリエチレン−ポリプロピレン
混合物ないし共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、等が使用
できる。
【0016】本発明はこの樹脂を、所望の形状に成形す
る。具体的にはカップ状、トレー状である。
る。具体的にはカップ状、トレー状である。
【0017】成形方法は、前述したシート成形で行うこ
とが経済的であるが、形状によっては射出成形などの他
の方法によって行うことができる。また、適当なプリフ
ォームを製造した後、それを空気圧等を利用して所望の
形状に成形することも可能である。
とが経済的であるが、形状によっては射出成形などの他
の方法によって行うことができる。また、適当なプリフ
ォームを製造した後、それを空気圧等を利用して所望の
形状に成形することも可能である。
【0018】容器を成形した後、容器の少なくとも一表
面(すなわち容器の内面側あるいは外面側の一方)の全
体、必要に応じて両面全面に、無機物質の薄膜を形成す
る。
面(すなわち容器の内面側あるいは外面側の一方)の全
体、必要に応じて両面全面に、無機物質の薄膜を形成す
る。
【0019】無機物質の薄膜の形成方法は、プラズマC
VD法である。この方法は、無機物質の元素を組成に含
む原料ガスを、高いエネルギによりプラズマ状態として
反応させ、容器の表面に無機物質の薄膜を堆積させる方
法であり、比較的低温で加工が可能なため、プラスチッ
クへの適用に好適である。
VD法である。この方法は、無機物質の元素を組成に含
む原料ガスを、高いエネルギによりプラズマ状態として
反応させ、容器の表面に無機物質の薄膜を堆積させる方
法であり、比較的低温で加工が可能なため、プラスチッ
クへの適用に好適である。
【0020】なお、無機物質の薄膜を形成する手段とし
ては、真空蒸着等のドライプレーティングが知られてい
るが、ドライプレーティングでは無機物質の堆積に方向
性があるため、平坦な形状のフィルムやシート等に無機
物質を形成するには好適な方法であるが、本発明のよう
な立体形状の物体には均一な厚さの薄膜を形成すること
が困難である。従って、本発明ではこのような問題のな
いプラズマCVD法を採用した。
ては、真空蒸着等のドライプレーティングが知られてい
るが、ドライプレーティングでは無機物質の堆積に方向
性があるため、平坦な形状のフィルムやシート等に無機
物質を形成するには好適な方法であるが、本発明のよう
な立体形状の物体には均一な厚さの薄膜を形成すること
が困難である。従って、本発明ではこのような問題のな
いプラズマCVD法を採用した。
【0021】容器表面に形成する無機物質としては、酸
化ケイ素(SiX 0y )、酸化マグネシウム(MgX 0
y )、酸化チタン(TiX 0y )、窒化ケイ素(SiX
Ny)、アモルファスシリコン等の公知の物質が適用で
きるが、酸化ケイ素、特に二酸化ケイ素が好ましい。こ
の理由は、二酸化ケイ素がきわめて高い酸素バリヤー性
を示すとともに、透明性、耐熱性に優れ、さらに原料ガ
スの入手も容易で、しかもプラズマCVD適性も良好な
ためである。
化ケイ素(SiX 0y )、酸化マグネシウム(MgX 0
y )、酸化チタン(TiX 0y )、窒化ケイ素(SiX
Ny)、アモルファスシリコン等の公知の物質が適用で
きるが、酸化ケイ素、特に二酸化ケイ素が好ましい。こ
の理由は、二酸化ケイ素がきわめて高い酸素バリヤー性
を示すとともに、透明性、耐熱性に優れ、さらに原料ガ
スの入手も容易で、しかもプラズマCVD適性も良好な
ためである。
【0022】プラズマCVDにより二酸化ケイ素の薄膜
を形成する場合に使用できる原料ガスとしては、1,
1,3,3−テトラメチルジジロキサン、ヘキサメチル
ジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメ
トキシシランが例示できる。また、その際のキャリアー
ガスとしてはヘリウムが、プラズマ電源としては高周波
電源(RF);13.56MHz(50〜100W)、
あるいは直流電源(DC);40kHz〜400kHz
(100〜1000W)、真空度10-2〜10-3Torrの
条件が例示できる。なお、使用する電極は、容器が比較
的平坦な形状である場合には、平行平板電極が使用で
き、カップ状等の形状である場合には、棒状電極が使用
できる。
を形成する場合に使用できる原料ガスとしては、1,
1,3,3−テトラメチルジジロキサン、ヘキサメチル
ジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメ
トキシシランが例示できる。また、その際のキャリアー
ガスとしてはヘリウムが、プラズマ電源としては高周波
電源(RF);13.56MHz(50〜100W)、
あるいは直流電源(DC);40kHz〜400kHz
(100〜1000W)、真空度10-2〜10-3Torrの
条件が例示できる。なお、使用する電極は、容器が比較
的平坦な形状である場合には、平行平板電極が使用で
き、カップ状等の形状である場合には、棒状電極が使用
できる。
【0023】形成する無機物質の薄膜は、厚さ200〜
2000Åであることが好ましい。これよりも薄いと、
膜ムラが発生して十分な酸素バリヤー性が得られないこ
とがあり、これより厚い場合は、薄膜にクラックが発生
しやすくなり、同様に十分な酸素バリヤー性が得られな
くなる恐れがある。
2000Åであることが好ましい。これよりも薄いと、
膜ムラが発生して十分な酸素バリヤー性が得られないこ
とがあり、これより厚い場合は、薄膜にクラックが発生
しやすくなり、同様に十分な酸素バリヤー性が得られな
くなる恐れがある。
【0024】<実験1>ポリプロピレンおよびポリエチ
レンテレフタレートのシート(厚さ1.5mm)を用
い、圧空成形法により、開口部の内径が90mm、内容
積230ccのフランジ付きカップ状容器を製造した。
この容器の酸素バリヤー性を、モダン・コントロール社
製の酸素透過率測定装置:OX−TRANにて測定した
ところ、ポリプロピレン製:0.350cc/day/
atm、ポリエチレンテレフタレート製:0.185c
c/day/atm(いずれも一容器あたり、以下同
じ)であった。
レンテレフタレートのシート(厚さ1.5mm)を用
い、圧空成形法により、開口部の内径が90mm、内容
積230ccのフランジ付きカップ状容器を製造した。
この容器の酸素バリヤー性を、モダン・コントロール社
製の酸素透過率測定装置:OX−TRANにて測定した
ところ、ポリプロピレン製:0.350cc/day/
atm、ポリエチレンテレフタレート製:0.185c
c/day/atm(いずれも一容器あたり、以下同
じ)であった。
【0025】次いで、得られた容器の外面全体に、プラ
ズマCVD法にて二酸化ケイ素の薄膜を形成し(原料ガ
ス:1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、直流
電源:40kHz,1000W、処理時間:7分間、真
空度:10-2Torr)、本発明の包装容器を得た。なお、
形成された薄膜の厚さは1500Åであった。この包装
容器の酸素バリヤー性を測定したところ、ポリプロピレ
ン製:0.053cc/day/atm、ポリエチレン
テレフタレート製:0.015cc/day/atmで
あった。
ズマCVD法にて二酸化ケイ素の薄膜を形成し(原料ガ
ス:1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、直流
電源:40kHz,1000W、処理時間:7分間、真
空度:10-2Torr)、本発明の包装容器を得た。なお、
形成された薄膜の厚さは1500Åであった。この包装
容器の酸素バリヤー性を測定したところ、ポリプロピレ
ン製:0.053cc/day/atm、ポリエチレン
テレフタレート製:0.015cc/day/atmで
あった。
【0026】以上のようにして得られた本発明の包装容
器に、内容物としてクリームシチューを200ml充填
し、市販のアルミニウム製巻き締め蓋で密封した後、1
21℃、1.2atm、40分の条件でレトルト処理を
施し、その後開封して包装容器の酸素バリヤー性を測定
したところ、ポリプロピレン製:0.055cc/da
y/atm、ポリエチレンテレフタレート製:0.01
5cc/day/atmであり、レトルト処理による酸
素バリヤー性の低下は認められなかった。
器に、内容物としてクリームシチューを200ml充填
し、市販のアルミニウム製巻き締め蓋で密封した後、1
21℃、1.2atm、40分の条件でレトルト処理を
施し、その後開封して包装容器の酸素バリヤー性を測定
したところ、ポリプロピレン製:0.055cc/da
y/atm、ポリエチレンテレフタレート製:0.01
5cc/day/atmであり、レトルト処理による酸
素バリヤー性の低下は認められなかった。
【0027】比較のため、ポリプロピレン/ポリ塩化ビ
ニリデン(100μm)/ポリプロピレン(比較例
1)、ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(100μm)/ポリプロピレン(比較例2)
(いずれも総厚1.5mm)のシートを作成し、同様の
カップ状容器を製造した。これらの容器の酸素バリヤー
性は、比較例1:0.004cc/day/atm、比
較例2:0.002cc/day/atmであった。
ニリデン(100μm)/ポリプロピレン(比較例
1)、ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(100μm)/ポリプロピレン(比較例2)
(いずれも総厚1.5mm)のシートを作成し、同様の
カップ状容器を製造した。これらの容器の酸素バリヤー
性は、比較例1:0.004cc/day/atm、比
較例2:0.002cc/day/atmであった。
【0028】次に、前述同様にしてレトルト処理を施
し、同様に酸素バリヤー性を測定したところ、比較例
1:0.004cc/day/atm、比較例2:0.
002cc/day/atmであった。なお、比較例2
のレトルト直後の酸素バリヤー性は0.02cc/da
y/atmであった。
し、同様に酸素バリヤー性を測定したところ、比較例
1:0.004cc/day/atm、比較例2:0.
002cc/day/atmであった。なお、比較例2
のレトルト直後の酸素バリヤー性は0.02cc/da
y/atmであった。
【0029】<実験2>実験1で得られた本発明の包装
容器(ポリプロピレン製:実施例1、ポリエチレンテレ
フタレート製:実施例2)および比較例1、比較例2の
容器、さらに二酸化ケイ素の薄膜を形成する前のポリプ
ロピレン製容器(比較例3)、二酸化ケイ素の薄膜を形
成する前のポリエチレンテレフタレート製容器(比較例
4)に、それぞれ内容物としてクリームシチューを20
0ml充填し、アルミニウム製巻き締め蓋で密封した
後、実験1と同じ条件のレトルト処理を施した。これら
のサンプルを室内で3か月保存した後、内容物に含まれ
る油脂の酸化劣化を、POV値にて評価した。結果を表
1に示す。なお、POV値の初期値は、いずれも0.5
meq/kgであった。
容器(ポリプロピレン製:実施例1、ポリエチレンテレ
フタレート製:実施例2)および比較例1、比較例2の
容器、さらに二酸化ケイ素の薄膜を形成する前のポリプ
ロピレン製容器(比較例3)、二酸化ケイ素の薄膜を形
成する前のポリエチレンテレフタレート製容器(比較例
4)に、それぞれ内容物としてクリームシチューを20
0ml充填し、アルミニウム製巻き締め蓋で密封した
後、実験1と同じ条件のレトルト処理を施した。これら
のサンプルを室内で3か月保存した後、内容物に含まれ
る油脂の酸化劣化を、POV値にて評価した。結果を表
1に示す。なお、POV値の初期値は、いずれも0.5
meq/kgであった。
【0030】
【表1】
【0031】以上の結果から、本発明のもの(実施例
1、実施例2)は従来のバリヤー性容器(比較例1、比
較例2)とほぼ同様の内容物保存性を有することがわか
る。
1、実施例2)は従来のバリヤー性容器(比較例1、比
較例2)とほぼ同様の内容物保存性を有することがわか
る。
【0032】<実験3>実験1で得られた本発明の包装
容器(ポリプロピレン製およびポリエチレンテレフタレ
ート製)を回収し、粉砕して再利用して同形状の容器を
製造した(リサイクル率30%)。得られた容器とリサ
イクル率0%の容器の物性をを比較した。同様に、リサ
イクル率50%、リサイクル率100%のものを製造
し、同様に評価した。結果を表2(ポリプロピレン
製)、表3(ポリエチレンテレフタレート製)に示す。
容器(ポリプロピレン製およびポリエチレンテレフタレ
ート製)を回収し、粉砕して再利用して同形状の容器を
製造した(リサイクル率30%)。得られた容器とリサ
イクル率0%の容器の物性をを比較した。同様に、リサ
イクル率50%、リサイクル率100%のものを製造
し、同様に評価した。結果を表2(ポリプロピレン
製)、表3(ポリエチレンテレフタレート製)に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】以上の結果から、本発明の包装容器は十分
に再利用できることか明らかである。なお、比較例1の
容器は樹脂押し出し時の塩素ガス発生、および樹脂の褐
変があり、リサイクルができない。また、比較例2の容
器は20〜30重量%までのリサイクルが可能である
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のゲル発生
という問題があり、酸素バリヤー性等の物性の低下が著
しく、実用性に劣る。これに対し本発明の容器は、50
%程度のリサイクルを行っても物性の低下は一般樹脂を
リサイクルした場合における物性低下とほぼ等しく、実
用的である。
に再利用できることか明らかである。なお、比較例1の
容器は樹脂押し出し時の塩素ガス発生、および樹脂の褐
変があり、リサイクルができない。また、比較例2の容
器は20〜30重量%までのリサイクルが可能である
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のゲル発生
という問題があり、酸素バリヤー性等の物性の低下が著
しく、実用性に劣る。これに対し本発明の容器は、50
%程度のリサイクルを行っても物性の低下は一般樹脂を
リサイクルした場合における物性低下とほぼ等しく、実
用的である。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の包装容器を
製造するに当たっては、プラズマCVDを行う前は、単
一の樹脂層からなる容器を製造するだけであるので、製
品の品質管理がきわめて容易であり、不良の発生を低く
抑えることができる。また、無機物質の薄膜をプラズマ
CVDにより形成するので、立体的な容器であっても、
均一な厚さの薄膜を容易に形成することができる。そし
て、得られた包装容器は十分実用に耐える酸素バリヤー
性を有するものであって、しかも容器の製造前後に生じ
た不良品やスクラップ、そして使用後の容器を回収して
再利用しても、全く問題がない、きわめて経済的な包装
容器を提供することができる。
製造するに当たっては、プラズマCVDを行う前は、単
一の樹脂層からなる容器を製造するだけであるので、製
品の品質管理がきわめて容易であり、不良の発生を低く
抑えることができる。また、無機物質の薄膜をプラズマ
CVDにより形成するので、立体的な容器であっても、
均一な厚さの薄膜を容易に形成することができる。そし
て、得られた包装容器は十分実用に耐える酸素バリヤー
性を有するものであって、しかも容器の製造前後に生じ
た不良品やスクラップ、そして使用後の容器を回収して
再利用しても、全く問題がない、きわめて経済的な包装
容器を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/24 B32B 9/04 B32B 27/06 C08J 7/04 C23C 16/22
Claims (2)
- 【請求項1】単一の樹脂からなる容器の少なくとも一表
面全体に、プラズマCVD法による無機物質の薄膜が形
成された容器と該容器の開口部を密封するアルミニウム
製巻き締め蓋からなりレトルト処理に適したことを特徴
とする、酸素バリヤー性を有する包装容器。 - 【請求項2】無機物質が、酸化ケイ素であることを特徴
とする、請求項1に記載の酸素バリヤー性を有する包装
容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04276939A JP3077417B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 酸素バリヤー性を有する包装容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04276939A JP3077417B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 酸素バリヤー性を有する包装容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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