JP3077351B2 - データ表示方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、制御装置や入力装置
と接続され、これらの装置からの指示にもとづき、予め
装置内部に記憶してある画面データにしたがって表示を
行なう表示装置、特にデータを圧縮して表示することが
可能な表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、画面データを記憶する場合、文
字の場合は文字コードデータ，表示位置，拡大率または
色などの情報が必要である。また、図形の場合は円，四
角，三角などの種別、表示位置，拡大率，色または塗り
潰しのパターンに関する情報が必要である。このような
画面データを記憶する場合、最初は各画面毎に表示すべ
き全情報をメモリ上に用意しておく方法が採られた。し
かし、この方法だと記憶容量が大きくなり、多数のメモ
リを必要とすることからコスト高になる。そこで、各表
示要素を記憶する登録用メモリを設け、各画面データを
その登録番号で記憶することによりデータを圧縮して記
憶する方法が考え出されている。

【０００３】従来の表示データを記憶する方法につい
て、具体的に説明する。いま、図４の如き画面１Ａ，１
Ｂ，１Ｃを表示するものとすると、画面データメモリの
内容は登録用メモリを用いない方法（圧縮しない方法）
では図５のようになる。ここでは、各表示要素の文字
（図４ではＤ，Ｅ，Ｆ，Ｇ，Ｎ，Ｏ，Ｐ，Ｑ）につい
て、文字であることを示す区分コードと、文字コード
と、表示画面上のＸ，Ｙアドレス位置と、拡大率
等で構成し、図形（図４ではＡ，Ｂ，Ｃ，Ｈ，Ｉ，Ｊ，
Ｋ，Ｌ，Ｍ）については図形の種別を示すコードと、
表示位置と、拡大率等で表現する例を示している。
この他に、色や線の太さ等の情報を付加することも考え
られるが、ここでは省略した。この場合、区分コードと
拡大率に各１バイト、文字コードと表示位置に各２バイ
トを割り当てるものとすると、文字の場合は６バイト、
図形の場合は４バイトとなり、図４の如き画面を表示す
るためには全部で８４バイト必要となる。

【０００４】これに対し、登録用メモリを用いてデータ
を圧縮する従来の方法では、登録用メモリに記憶される
データは図６のようになる。この登録用メモリに格納さ
れた各データに対し、図６のように「００」〜「０Ｂ」
のアドレスを付すようにすると、画面データメモリには
このアドレス番号でデータを記憶する。つまり、図４
（イ），（ロ），（ハ）の如き画面１Ａ，１Ｂ，１Ｃの
各文字または図形に対応して図７（イ），（ロ），
（ハ）の如くアドレス番号によってデータが記憶され
る。このようにすると、登録用メモリには５６バイト，
画面データメモリには１７バイトが必要となり、全体と
しては７３バイトとなって図４の場合よりも節約される
ことになる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法では、記憶すべき画面データの全ての表示要
素を登録用メモリに登録するので、全ての画面で１回し
か発生しないような表示要素についても登録してしまう
ことになり、データ圧縮率が大して上がらないという問
題がある。したがって、この発明の課題はデータ圧縮率
を上げ、表示すべき画面データを効率良く記憶できるよ
うにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 このような課題を解決
するため、この発明では、画面に表示する文字および図
形に関する各種の表示要素データを記憶する登録用メモ
リと、各画面毎に表示する文字および図形を表示要素デ
ータの組み合わせとして記憶する画面データメモリとを
備え、外部から指定された画面をこれらの記憶されたデ
ータにもとづき表示するに当たり、各画面単位にその画
面で表示する文字および図形の表示要素データが前記登
録用メモリに既に登録されているかどうかを判断し、登
録されているときはそれを登録用メモリのアドレス番号
で前記画面データメモリに記憶し、登録されていない場
合は表示する文字および図形の表示要素データのままで
画面データメモリに記憶し、かつ他の画面単位の画面デ
ータメモリを検索して一致する文字および図形の表示要
素データが存在するか否かを判断し、存在するときは前
記画面データメモリ内の一致した文字および図形の表示
要素データを新たに登録用メモリに記憶するとともにさ
らに新たに登録した登録用メモリのアドレス番号に書き
換え、前記他の画面単位の画面データメモリの検索にお
いて一致する表示要素データが存在しないときは、当該
表示要素データは登録用メモリに記憶しないようにする
ことを特徴としている。

【０００７】

【作用】表示すべき文字または図形の種別，文字コー
ド，表示位置，拡大率などの各表示要素データを記憶す
る登録用メモリと、画面毎にこれらの表示要素データの
番号（アドレス番号）または表示要素データ自体を記憶
する画面データメモリとを設け、各画面データメモリで
一致する表示要素データを探して一致したものは前記登
録用メモリに登録し、かつ一致した表示要素データは画
面データメモリ上では表示要素データの番号で置き換え
ることにより、発生頻度が１回の文字または図形は登録
用メモリに登録しないようにしてデータを圧縮し、メモ
リの有効利用を図る。

【０００８】

【実施例】図１はこの発明の実施例を示すフローチャー
トである。なお、この発明を実施するに当たってはメモ
リを含む計算機システム，画像制御装置およびＣＲＴを
含む表示器などからなる表示装置が必要となるが、その
構成自体は一般的なので説明は省略する。すなわち、ス
テップＳ１にて表示要素のセットを行ない、ステップＳ
２では先にセットされた表示要素が登録用メモリ内にあ
るかどうかが判断される。その結果、既に登録されてい
るときはステップＳ１にてセットされた表示要素をアド
レス番号で記憶すべく、ステップＳ３でアドレスをセッ
トする。しかる後、ステップＳ４で処理が終了したかど
うかを判断し、イエス（Ｙ）ならば終了し、ノー（Ｎ）
ならばステップＳ２に戻る。ステップＳ２での判定の結
果により、セットされた表示要素が登録用メモリ内にな
いときは、ステップＳ５で他画面（画面データメモリ）
にあるかどうかが判断され、他画面にあるときは表示要
素をステップＳ６で登録用メモリにセットしてステップ
Ｓ３へ進む。一方、他画面にないときはステップＳ７で
表示要素のまま画面データメモリへセットし、ステップ
Ｓ４へと進む。

【０００９】図２にこの発明を適用した場合の登録用メ
モリの内容を示し、図３に画面データメモリにおけるデ
ータの変化状態を示す。以下、これらの図を参照してこ
の発明によるデータ圧縮方法につき具体的に説明する。
いま、図４の如き画面１Ａ，１Ｂ，１Ｃの順に処理して
登録用メモリを作成するものとすると、画面１Ａについ
ては事前には何らのデータも格納されていないので、図
形Ａ，Ｂ，Ｃおよび文字Ｄ，Ｅ，Ｆ，Ｇの表示要素デー
タが格納され、その各々には「００」〜「０６」のアド
レス番号が付けられることになる。図２では、これを既
登録データとして示しており、これらのデータは画面デ
ータメモリには図３（イ）のように格納される。

【００１０】次に、図４の画面１Ｂのデータを登録する
場合、画面データメモリに既に登録されている表示要素
データ「００」〜「０６」と一致するものは何もないの
で、画面１Ｂの全表示要素データが図３（ロ）のように
記憶される。次いで、画面１Ｃのデータについても同様
にして記憶するが、この場合は「漢」，「字」，
「表」，「示」なる文字は既に登録用メモリに登録され
ているので、このアドレス番号が画面データメモリに図
３（ニ）の上から３段目以降のように記憶され、その他
のもの（図形Ｌ，Ｍ）は登録用メモリに対応するデータ
がないので、その表示要素データが図３（ニ）の上２段
のように記憶されることになる。

【００１１】次に、図３に示す画面データメモリ内で表
示要素データが一致するものを検索する。この例では図
３（ロ）の１段目のデータと同（ニ）の２段目のデータ
が一致するので、この表示要素データを登録用メモリに
図２のように、「０７」のアドレス番号を付けて新規に
登録する。その結果、画面１Ｂ，１Ｃに関する画面デー
タメモリの内容は図３（ロ）から（ハ）、（ニ）から
（ホ）のようになり、図３（ロ），（ニ）の表示要素の
ままのデータがアドレス番号に書き換えられることにな
る。その結果、この発明を適用すれば登録用メモリの容
量は４０バイト、画面データメモリの容量は２９バイト
で合計６９バイトとなり、図４の如き画面データを記憶
する場合に、この発明によるものがバイト数が一番少な
くなることが分かる。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、例えば図４に示すよ
うな３種類の画面について、画面データの記憶に必要な
メモリ容量は従来のデータ圧縮をしない場合に比べて１
５（８４−６９）バイト低減することができ、また従来
の登録メモリ使用のデータ圧縮方式に比べても４（７３
−６９）バイト低減することができる。画面数が多くな
るとこの圧縮効果はさらに増大し、メモリ容量を大幅に
節約できることになる。また、この発明では画面データ
を記憶するに従って登録用メモリを作成するようにして
いるので、予め登録用メモリを作成しておく必要がな
く、その分の手間を省くことができる。さらには、表示
すべき画面データを記憶するに従って表示要素データが
登録されるので、使用条件に適した登録用メモリを自動
的に作成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すフローチャートであ
る。

【図２】この発明を適用した場合の登録用メモリの内容
例を説明するための説明図である。

【図３】この発明を適用した場合の画面データメモリに
おけるデータの変化状態を説明するための説明図であ
る。

【図４】表示画面例を説明するための説明図である。

【図５】表示データを全て記憶する場合のメモリの内容
例を説明するための説明図である。

【図６】従来のデータ圧縮方法における登録用メモリの
内容例を説明するための説明図である。

【図７】従来のデータ圧縮方法における画面データメモ
リの内容例を説明するための説明図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ，１Ｃ…表示画面。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画面に表示する文字および図形に関する
   各種の表示要素データを記憶する登録用メモリと、各画
   面毎に表示する文字および図形を表示要素データの組み
   合わせとして記憶する画面データメモリとを備え、外部
   から指定された画面をこれらの記憶されたデータにもと
   づき表示するに当たり、 各画面単位にその画面で表示する文字および図形の表示
   要素データが前記登録用メモリに既に登録されているか
   どうかを判断し、登録されているときはそれを登録用メ
   モリのアドレス番号で前記画面データメモリに記憶し、
   登録されていない場合は表示する文字および図形の表示
   要素データのままで画面データメモリに記憶し、かつ他
   の画面単位の画面データメモリを検索して一致する文字
   および図形の表示要素データが存在するか否かを判断
   し、存在するときは前記画面データメモリ内の一致した
   文字および図形の表示要素データを新たに登録用メモリ
   に記憶するとともにさらに新たに登録した登録用メモリ
   のアドレス番号に書き換え、前記他の画面単位の画面デ
   ータメモリの検索において一致する表示要素データが存
   在しないときは、当該表示要素データは登録用メモリに
   記憶しないようにすることを特徴とするデータ表示方
   法。