JP3076892B2 - 外観、耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板 - Google Patents
外観、耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板Info
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Description
ス加工性、塗料密着性等に優れた汎用性能を有する非脱
膜型潤滑めっき鋼板における外観及び耐食性の改善に関
するものである。
ためっき鋼板あるいは有機複合鋼板に代って、プレ種の
省略が可能な潤滑処理鋼板が使用されている。この潤滑
処理鋼板は、下地に亜鉛系のめっき被膜を有し、その上
にクロメート処理を施した後、潤滑特性を有する有機被
覆を施したもので、潤滑性、加工性、耐磨耗性、耐食性
について良好な特性を有している。
は、主にプレス絞り加工性と摺動磨耗性の2つの特性を
満足すべく、最上層の有機被覆について、その樹脂、顔
料、潤滑剤についての検討がなされている。例えば、特
開昭63−162886号公報に示されるような、めっ
き鋼板または冷延鋼板上にCr換算で付着量5〜200
mg/m2 のクロメート被膜を有し、その上にカルボキ
シル基を3〜20モル%含有するカルボキシル化ポリオ
レフィン系樹脂100重量部に対し、液体エポキシ樹脂
5〜50重量部とフッ素樹脂0.5〜15重量部とを含
有し、その付着量が乾燥重量で0.3〜3g/m2 であ
る有機複合被膜を有することを特徴とする耐食性、加工
後の耐食性、耐指紋性に優れた表面処理鋼板や、特開平
3−9630号公報に示されるような、亜鉛系電気めっ
き鋼板の表面に、Cr付着量が10〜50mg/m2 の
クロメート被膜を有し、その上にカルボキシル基を3〜
20モル%含有するカルボキシル化したポリエチレン系
ディスパージョンの固形分に対し、ワックスを5〜25
重量%含有する付着量が0.5〜4g/m2 の塗布層を
有することを特徴とする潤滑性及び耐食性に優れた表面
処理鋼板等がある。
れている潤滑処理鋼板の処理被膜は、厚みにして5μm
以下のクリアー被膜であることから、その外観は下地の
外観、特にクロメート処理の条件に大きく左右される。
特に、塗布型・反応型のクロメート処理においては、ク
ロムの付着むらが発生しやすく、これに起因する外観不
良や色調のばらつきが問題となる。
理として電解型のクロメート処理が挙げられるが、その
被膜中のクロムが3価であるために耐食性に劣るという
欠点がある。さらに、先に示した潤滑処理鋼板は、下地
のクロメート処理については付着量のみを規定してお
り、その詳細な処理条件については記載されておらず、
こうした問題に対する解決策は示されていない。
理としては、例えば特開昭63−171685号公報等
に記載のものが提案されているが、これらは塗装省略を
目的にクロメート処理単独による使用を前提としたもの
であり、薄膜有機被膜との組み合わせにおいては必ずし
も十分な性能を与えるものではない。本発明は、外観、
耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板、特に外観、耐
食性を改善した潤滑処理鋼板を提供することを目的とす
るものである。
の課題を解決するものであって、その要旨とひるところ
は、亜鉛めっき鋼板を母材とし、その表面にCr3+/全
Cr比が0.1〜0.8のクロム酸と、リン酸化合物を
クロム酸に対して重量比で0.5〜1.5含み、粒径1
〜100nmのコロイダルシリカをクロム酸化合物との
重量比で2以下含有するクロメート被膜をCr換算で1
0〜40mg/m2 施し、その上層に第2層としてビス
フェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基を
有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹
脂の総和を全固形分に対して50〜85%、ポリオレフ
ィンワックスを3〜30重量%、粒径3〜30nmのシ
リカを10〜40重量%含有する潤滑被膜を0.3〜5
g/m2 施してなることを特徴とする外観、耐食性及び
加工性に優れた潤滑処理鋼板にある。
鋼板は図1に示すような被膜構造を有する。すなわち、
薄鋼板1の上にめっき被膜2、クロメート被膜3、潤滑
被膜4を施してなる被膜構造である。ここで、例えば潤
滑被膜は樹脂+シリカ+ポリオレフィンワックス0.3
〜5g/m2 を施したものであり、クロメート被膜はC
r3+/全Cr比が0.1〜0.8のクロム酸と、リン酸
化合物をクロム酸に対して重量比で0.5〜1.5含
み、粒径1〜100nmのコロイダルシリカをクロム酸
化合物との重量比で2以下含有するクロメート被膜をC
r換算で10〜40mg/m2 施したものであり、また
めっき鋼板は電気めっきで得られる亜鉛めっき鋼板であ
り、めっき量は特に限定する必要はなく、通常使用され
ているめっき鋼板を用いることができる。
特徴は、有機被覆の下地クロメート処理に白色で美麗な
外観を有し、かつ被膜密着性に優れた処理を採用したこ
とにある。以下クロメート処理の詳細について述べる。
部分還元クロム酸はクロム酸水溶液に公知の方法で還元
剤を加えて作る。還元率は、Cr3+/全Cr比が0.8
超では液の安定性に問題があり、また0.1未満では十
分な白色度が得られない。
算1に対して2以下が望ましい。これは、この値が2を
超えると上層の有機被覆との加工時の密着性に劣化が認
められるためである。リン酸化合物の添加量は、クロム
酸に対して重量比で0.5〜1.5の範囲である。この
値が1.5超では上層の有機被覆との加工時の密着性に
劣化が認められ、また0.5未満では十分な白色度が得
られない。
算で10〜40mg/m2 とする必要がある。クロメー
ト付着量が10mg/m2 未満では十分な耐食性が得ら
れず、また40mg/m2 超では上層の有機被覆との加
工時の密着性に劣化が認められる。クロメートの白色化
機構は、下地めっきの亜鉛とクロメート液中のCr6+の
反応がリン酸イオンによって加速され、有色のCr6+が
Cr3+に還元される点と、イオン化した亜鉛イオンが界
面のpH上昇に伴い水に対して不溶性でリン酸塩(白
色)、または縮合リン酸塩(無色)を形成し、被膜中の
Cr6+、Cr3+も界面の反応に伴うpH上昇により不溶
性クロミウムクロメート(無色ないし薄緑)を形成する
ことによる。
スフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボキシル基
を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ
樹脂の総和を全固形分に対して50〜85%、ポリオレ
フィンワックスを3〜30重量%、粒径3〜30nmの
シリカを10〜40重量%含有する潤滑被膜を0.3〜
5g/m2 形成する。ここで、潤滑被膜量が0.3g/
m2 未満では十分な潤滑加工性、耐食性が得られないこ
とから0.3g/m2 を下限とし、また5g/m2 を超
えると安定した加工性等の性能が得られないことから5
g/m2 を上限とした。
亜鉛メッキ鋼板に本発明の処理を施した鋼板と、従来法
に基づいた処理を施した鋼板の作成例を表1に示す。ま
た、表2にこれらの鋼板の性能評価結果を示す。各評価
方法は次のとおりである。
の鋼板サンプルについて、目視にて以下の基準に基づい
て外観の評点づけを行った。 ◎ 色調差、むらなく美麗 ○ 若干色調差あるが美麗 △ 色調差、またはむらあり × 激しい色調差、色むらあり 〔裸耐食性〕鋼板作成後、試験片をそのままの状態で塩
水噴霧試験(JIS−Z−2371)を行い、塩水噴霧
開始後、1000時間目で試験片の錆発生状態を下記基
準に基づき評点づけを行った。
け、毎秒10mmで移動させたときにロードセルにより
水平方向の力を測定し、この値を鋼球にかけた荷重10
0gで除して摩擦係数とした。
明の潤滑処理鋼板は、外観、耐食性、潤滑性ともに良好
であり、従来処理に比べて優れた性能を示すものであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 亜鉛めっき鋼板を母材とし、その表面に
Cr3+/全Cr比が0.1〜0.8のクロム酸と、リン
酸化合物をクロム酸に対して重量比で0.5〜1.5含
み、粒径1〜100nmのコロイダルシリカをクロム酸
化合物との重量比で2以下含有するクロメート被膜をC
r換算で10〜40mg/m2 施し、その上層に第2層
としてビスフェノール型骨格、エステル骨格及びカルボ
キシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂と
エポキシ樹脂の総和を全固形分に対して50〜85重量
%、ポリオレフィンワックスを3〜30重量%、粒径3
〜30nmのシリカを10〜40重量%含有する潤滑被
膜を0.3〜5g/m2施してなることを特徴とする外
観、耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06096789A JP3076892B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 外観、耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06096789A JP3076892B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 外観、耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板 |
Publications (2)
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JPH07305176A JPH07305176A (ja) | 1995-11-21 |
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ID=14174413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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KR100312121B1 (ko) * | 1997-07-18 | 2001-12-12 | 이구택 | 윤활수지용액을 이용한 수지피복 용융아연 도금강판의 제조방법 |
JP2001140080A (ja) * | 1999-11-12 | 2001-05-22 | Nippon Steel Corp | 潤滑ステンレス鋼板及び潤滑ステンレス鋼管、並びに潤滑ステンレス鋼管製造方法 |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP06096789A patent/JP3076892B2/ja not_active Expired - Fee Related
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