JP3076652U - 草刈機用回転刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回刃体が石や木株あるいはフェンス等の支
柱等に当っても、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つ
けたり、旋回刃体自体等を折損させたりすること等を未
然に防止できるようにする。 【解決手段】 草刈機本体の操作杆Ｐ先端で回転駆動す
る周縁部側の複数箇所に旋回刃体取付孔３を設けた回転
円盤２と、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に着脱可能に
吊着保持した旋回刃体４とから構成する。旋回刃体取付
孔３は、回転円盤２の下面で、その周縁部よりも内側に
入ったところに付設したリング部２Ａにおける周側面の
複数箇所に形成しておく。また、旋回刃体４の一端に
は、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に掛着するための揺
動可能なフック手段５を備える。旋回刃体４は、矩形状
の三側面４Ｂが交差する鋭角頂辺を刃部４Ａとした三角
柱状に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ハンディタイプの草刈機用、さらには手押し式または自走式等の中 型乃至大型の草刈機等にも使用可能な旋回刃体吊着タイプの草刈機用回転刃に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、手押し式または自走式等の中型乃至大型の草刈機用の回転刃として、草 刈作業に際し草刈り面に存する石や木株その他の飛散を防止すべく、例えば実開 平６−２３４１７号公報に開示されているように、草刈機本体のドライブシャフ トに着脱可能な本体枠と、この本体枠に着脱自在に連結した鎖やチェーンあるい はワイヤー類を使用することで、本体枠周囲で旋回するようにした複数本のフレ キシブル刃とから成るものが提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのような従来提案の草刈機用の回転刃は、石や木株の飛散を防 止することを目的としたフレキシブル刃としているために、回転刃の回転中では 、フレキシブル刃自体の回転モーメントが非常に弱くて回転面上で渦巻き型湾曲 状に撓る状態となり、かえって草刈強度が減退してしまうものである。しかもフ レキシブル刃として鎖やチェーンを使用した場合では、鎖やチェーン自体が捩れ てしまうために、これが刈り取るべき草に絡まってしまい回転状態が不具合とな るばかりでなくフレキシブル刃自体をも損傷させてしまう虞れも生じる等の問題 点を有していた。

【０００４】 そこで本考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創案されたもので、回転 する回転板周囲に配装される旋回刃体自体の回転モーメントを向上させて草刈強 度を増強させながらも、旋回刃体が石や木株あるいはフェンス等の支柱等に当っ ても、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体自体が折損させら れたり等の損傷自体その他を未然に防止することができ、しかも旋回刃体自体の 交換も簡単に行なえる草刈機用回転刃を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を達成するため、本考案にあっては、草刈機本体の操作杆Ｐ先端 で回転駆動され、周縁部側の複数箇所に旋回刃体取付孔３を設けた回転円盤２と 、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に着脱可能に吊着保持される旋回刃体４とから 成る草刈機用回転刃１としたものである。 回転円盤２の下面には、その周縁部よりも内側に入ったところにリング部２Ａ を付設し、リング部２Ａ周側面の複数箇所に旋回刃体取付孔３を形成した構成と することができる。 旋回刃体４の一端には、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に掛着させるようにし た、例えば揺動可能なフック手段５を備えることができる。また、旋回刃体４は 、矩形状の三側面４Ｂが交差する鋭角頂辺を刃部４Ａとした三角柱状に形成して 構成することができる。

【０００６】 以上のように構成された本考案に係る草刈機用回転刃１において、回転円盤２ の回転駆動により回転させられる旋回刃体４は、これの回転動作によって発生す る遠心力でもって回転円盤２の放射方向に沿って水平に引き延ばされながら回転 円盤２の回転面と平行となって旋回回転される。 旋回刃体４の一端に設けたフック手段５は、これを回転円盤２の旋回刃体取付 孔３に掛着させることで旋回刃体４自体を吊着保持させると共に、回転円盤２が 回転駆動した際には、旋回刃体４自体に発生する遠心力でもって回転円盤２の放 射方向に沿って水平に引き延ばされた状態となるように旋回刃体４を回転状に旋 回浮動させる。 このときフック手段５は、回転円盤２の周縁部とリング部２Ａとの間の回転円 盤２下面に位置付けされ、回転円盤２と共に回転しているフック手段５自体を回 転円盤２の周縁部よりも外側に露出させず、刈り取るべき草等に絡まない。 三角柱状の旋回刃体４の鋭角頂辺における刃部４Ａは、旋回刃体４自体の回転 モーメントによって草刈させると共に、旋回刃体４の刃部４Ａが石や木株あるい はフェンス等の支柱に当った際には、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に掛着させ た前記フック手段５により、その掛着部位で旋回刃体４自体を回転円盤２の回転 方向とは反対方向に逃避・退避させる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下図面を参照して本考案の一実施の形態を説明すると、図において示される 符号１は、例えばショルダータイプのハンディ草刈機等に使用される旋回刃体吊 着タイプの草刈機用回転刃である。この草刈機用回転刃１は、図１に示すように 、草刈機本体の操作杆Ｐの後端にケーシングされて取り付けられたエンジンまた は電動機等の原動機Ｍによって操作杆Ｐの先端で駆動連繋部材としての例えばド ライブシャフト（図示せず）等を介して回転駆動され、周縁部の複数箇所に旋回 刃体取付孔３を設けた直径約７０ｍｍ程度の回転円盤２と、回転円盤２の旋回刃 体取付孔３に着脱可能に吊着保持される三角柱状の旋回刃体４とから成る。尚、 操作杆Ｐの原動機Ｍ寄り側には草刈作業の際に両手で草刈機本体を把持するため のグリップハンドルＱを取付けてある。

【０００８】 図２に示すように、回転円盤２の中央には、これをドライブシャフトに連繋す るための例えば内側に捩じ込み用の雌ネジが形成されている取付孔２Ｂが設けら れている。また、図３に示すように、回転円盤２の下面には、その周縁部から約 ２０ｍｍ程度だけ内側に入ったところに約１５ｍｍ程度の肉厚幅員を有するリン グ部２Ａを付設してあり、このリング部２Ａにおける周側面のほぼ９０°の間隔 毎にそれぞれ旋回刃体取付孔３を形成してある。もとより、この旋回刃体取付孔 ３の位置、間隔等は任意に設定でき、例えばほぼ１２０°の間隔毎で計３個のも のとしたり、６０°の間隔毎で計６個のものとしたり等の選択が可能である。

【０００９】 旋回刃体４は、図４に示すように、好ましくは硬度が高い例えば超硬合金製等 の素材により形成されており、縦長さ約７ｍｍ、横長さ約７０ｍｍ程度の矩形状 の三側面４Ｂが互いに交差した鋭角頂辺を刃部４Ａとして、長さ約７０ｍｍ程度 の三角柱状に形成されている。

【００１０】 また、三角柱の一端側三角面部４Ｃには、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に掛 着させるためのフック手段５として例えば長さ約２０ｍｍ程度の環状のフック頭 部５Ａとネジ軸部５Ｂとを有するネジ釘等を捩じ込み、必要に応じて捩じ込み箇 所に接着剤を塗布することによって固定してある。尚、このフック手段５は、こ れ自体が揺動自在に構成されていることで、旋回刃体４が石、木株その他の堅い 障害物等に衝接したときに後方に退避するよう揺動可能なものとなり、旋回刃体 ４自体、更には障害物等の損傷を一層有効に防止でき、また、障害物等の飛散等 をも防止できる。

【００１１】 そして、図２に示すように、このフック手段５を旋回刃体取付孔３に掛着させ ることにより旋回刃体４が回転円盤２の周縁部側で吊着保持されると共に、回転 円盤２が回転駆動した際には、旋回刃体４が回転円盤２の回転と共に旋回し、こ の旋回・回転に伴って発生する遠心力でもって旋回刃体４自体を回転円盤２の放 射方向に沿って水平に引き延ばされる状態となるように旋回浮動させるものとし ている。このときフック手段５は、回転円盤２の周縁部とリング部２Ａ外周との 間の回転円盤２の周縁部下面に位置付けされ、回転円盤２の周縁部よりも外側に フック手段５を露出させない状態となるようにしてある。

【００１２】 さらに、フック手段５は、図２に示すように、回転円盤２が回転駆動した際に 、旋回刃体４の矩形状の三側面４Ｂのいずれか一つの面が回転円盤２の回転面に 平行となるようにし、フック頭部５Ａの旋回刃体取付孔３への掛着位置を支点と して三角柱中心軸の廻りに旋回刃体４自体が捩れ回転しないように回転円盤２の 旋回刃体取付孔３へのフック頭部５Ａの掛着状態を設定してある。

【００１３】 次に、以上のように構成された実施の形態についての使用、動作の一例を説明 するに、草刈作業の際には、両手でグリップハンドルＱを把持し、原動機Ｍを駆 動させて操作杆Ｐの先端の回転円盤２を回転駆動させる。この回転駆動によりフ ック手段５を介して旋回刃体取付孔３に吊着保持されている旋回刃体４が回転円 盤２と共に旋回回転し、この旋回回転に伴って発生する遠心力でもって旋回刃体 ４自体を回転円盤２の放射方向に沿って水平に引き延ばされる状態となるように 旋回浮動させる。このときフック手段５は、図２に示すように、回転円盤２の周 縁部とリング部２Ａとの間の回転円盤２下面位置にあるため、回転円盤２と共に 回転しているフック手段５自体に草が引っ掛かることがなく、円滑に旋回作動が 続行されるのである。

【００１４】 こうして旋回刃体４自体に回転モーメントを発生させることで草刈を行なうの である。このとき、旋回刃体４の刃部４Ａが石や木株あるいはフェンス等の支柱 に当った際には、揺動する前記フック手段５により旋回刃体４自体をこれの回転 方向とは反対方向に逃避させるので、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけた り、旋回刃体４を折損させたりしないのである。

【００１５】 また、旋回刃体４の交換の際には、回転円盤２の旋回刃体取付孔３から古い旋 回刃体４を取り外し、そこに新規な旋回刃体４を取り付ければ良い。尚、草刈機 本体の不使用の際には、回転円盤２の旋回刃体取付孔３から旋回刃体４を全て取 り外しておけば良く、コンパクトに収納可能である。

【００１６】 尚、本実施の形態では、回転円盤２のリング部２Ａの周側面の９０°の間隔毎 に４本の旋回刃体４を採用しているが、その他の構成として図示を省略したが、 回転円盤２の周部に２本または３本さらには５本以上の旋回刃体４を等間隔角度 位置に配置して採用することも可能である。

【００１７】 また、揺動可能なフック手段５として環状のフック頭部５Ａとネジ軸部５Ｂと から成るネジ釘等を採用しているが、これ以外に例えばピン継手機構等を採用し ても良い。さらに、本実施の形態における草刈機用回転刃１を、例えば手押し式 または自走式等の中型乃至大型の草刈機に適用しても良い。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成されているために、旋回刃体４自体の回転モーメン トを向上させて草刈強度を増強させながらも、旋回刃体４が石や木株あるいはフ ェンス等の支柱等に当っても、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋 回刃体４を折損させたり等を未然に防止することができ、しかも旋回刃体２自体 の交換も簡単に行なえるものとすることができる。

【００１９】 すなわちこれは本考案が、草刈機本体の操作杆Ｐ先端で回転駆動され、周縁部 側の複数箇所に旋回刃体取付孔３を設けた回転円盤２と、回転円盤２の旋回刃体 取付孔３に着脱可能に吊着保持される旋回刃体４とから成るからであり、これに より、旋回刃体４が石や木株あるいはフェンス等の支柱等に当っても、石や木株 を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体４を折損させたりすること等を未 然に防止することができる。

【００２０】 また、回転円盤２の下面には、その周縁部よりも内側に入ったところに付設し たリング部２Ａの周側面の複数箇所に旋回刃体取付孔３を形成し、この旋回刃体 取付孔３にフック手段５を介して旋回刃体４を吊着保持したから、フック手段５ は、回転円盤２の周縁部とリング部２Ａとの間の回転円盤２下面に位置付けされ 、回転円盤２の周縁部よりも外側に露出されないのである。そのために、草刈作 業中、回転円盤２と共に回転しているフック手段５自体に草が引っ掛かり、また 絡まることで旋回刃体４の回転不具合を発生させてしまうことがなく、常に安定 した回転モーメントを維持することができ、草刈り作業を円滑に続行できるので ある。

【００２１】 旋回刃体４の一端には、回転円盤２の旋回刃体取付孔３に掛着させるフック手 段５を備えているので、このフック手段５を介して旋回刃体４の回転円盤２への 取付け取外しが容易に行なえるのである。しかも、フック手段５を揺動可能とし ておくことで、旋回刃体４が石や木株あるいはフェンス等の支柱に当った際には 、旋回刃体４自体を回転円盤２の回転方向とは反対方向に逃避・回避させること ができ、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体４自体を折損さ せたりすること等を未然に防止することができる。

【００２２】 しかも、旋回刃体４は、矩形状の三側面４Ｂが交差する鋭角頂辺を刃部４Ａと した三角柱状に形成されているので、回転円盤２の回転に伴う遠心力によって旋 回刃体４自体は、回転円盤２の放射方向に沿って真っ直ぐに突出するようにされ ることで旋回刃体４自体の回転モーメントを発生させ、草に対する切断能力を増 強できると共に、草刈作業の効率を極めて容易に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の形態における使用状態の斜視
図である。

【図２】同じく回転円盤に旋回刃体を取付けた状態を示
す要部断面図である。

【図３】同じく一部切欠の平面図である。

【図４】旋回刃体の形態を示すもので、（ａ）は斜下方
から見た斜視図、（ｂ）は正面図である。

【符号の説明】

Ｐ…操作杆 Ｑ…グリップハ
ンドル Ｍ…原動機 １…草刈機用回転刃 ２…回転円盤 ２Ａ…リング部 ２Ｂ…取付孔 ３…旋回刃体取付孔 ４…旋回刃体 ４Ａ…刃部 ４Ｂ…三側面 ４Ｃ…一端側三角面部 ５…フック手段 ５Ａ…フック頭
部 ５Ｂ…ネジ軸部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 草刈機本体の操作杆先端で回転駆動さ
   れ、周縁部側の複数箇所に旋回刃体取付孔を設けた回転
   円盤と、回転円盤の旋回刃体取付孔に着脱可能に吊着保
   持される旋回刃体とから成ることを特徴とする草刈機用
   回転刃。
2. 【請求項２】 回転円盤の下面には、その周縁部よりも
   内側に入ったところにリング部を付設し、リング部周側
   面の複数箇所に旋回刃体取付孔を形成した請求項１記載
   の草刈機用回転刃。
3. 【請求項３】 旋回刃体の一端には、回転円盤の旋回刃
   体取付孔に掛着させるフック手段を備えた請求項１また
   は２記載の草刈機用回転刃。
4. 【請求項４】 旋回刃体は、矩形状の三側面が交差する
   鋭角頂辺を刃部とした三角柱状に形成されている請求項
   １乃至３のいずれか記載の草刈機用回転刃。
5. 【請求項５】 草刈機本体の操作杆先端で回転駆動さ
   れ、周縁部よりも内側に付設したリング部の複数箇所に
   旋回刃体取付孔を設けた回転円盤と、回転円盤の旋回刃
   体取付孔に着脱可能に吊着保持されるよう一端にフック
   手段を備え、矩形状の三側面が交差する鋭角頂辺を刃部
   とする三角柱状に形成された旋回刃体とから成ることを
   特徴とする草刈機用回転刃。