JP3076649B2 - 冷陰極蛍光ランプ - Google Patents

冷陰極蛍光ランプ

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JP3076649B2
JP3076649B2 JP04004504A JP450492A JP3076649B2 JP 3076649 B2 JP3076649 B2 JP 3076649B2 JP 04004504 A JP04004504 A JP 04004504A JP 450492 A JP450492 A JP 450492A JP 3076649 B2 JP3076649 B2 JP 3076649B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶バックライト等に用
いられる冷陰極蛍光ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷陰極蛍光ランプは小型化が容易で長寿
命であるという特長を持つ。従来、かかる冷陰極蛍光ラ
ンプでは、管内に水銀封入用の水銀ディスペンサを設
け、これを電極としても用いた構造が多く採用されてい
る。
【0003】従来、冷陰極蛍光ランプの電極には、冷陰
極動作状態で有効なエミッタがないこと、点灯中エミッ
タからのスパッタが大きくランプ寿命を確保できないこ
と等の理由からエミッタを用いない構造が採用されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな冷陰極蛍光ランプは、熱陰極蛍光ランプに比して点
灯時の電極降下電圧が高いため、ランプ電圧が大幅に高
くなり、したがってランプ電圧×ランプ電流×力率で決
定されるランプ電力が大きくなる。このため発光効率が
低いという欠点があった。
【0005】本発明はランプ電力を低減して発光効率を
向上した冷陰極蛍光ランプを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の冷陰極蛍光ラン
プは、管内に一対の電極を設けた冷陰極蛍光ランプにお
いて、前記電極のうちの少なくとも一方に化学式LaM
2O 3 (ただし、M2はCo,Ni,Fe,Mnのうち
少なくとも一種)で表されるペロブスカイト型結晶構造
を有する酸化物導電体からなるエミッタを備えている。
また、本発明の冷陰極蛍光ランプは、管内に一対の電極
を設けた冷陰極蛍光ランプにおいて、前記電極のうちの
少なくとも一方に化学式(LaM1) 2 M2O 4 (ただ
し、M1はBaまたはSrを示し、M2はCuおよびN
iのうち少なくとも一種)で表されるK 2 NiF 4 型結晶
構造を有する酸化物導電体からなるエミッタを備えてい
る。 さらに、本発明の冷陰極蛍光ランプは、管内に一対
の電極を設けた冷陰極蛍光ランプにおいて、前記電極の
うちの少なくとも一方に化学式La 2 M2O 4 (ただし、
M2はCuおよびNiのうち少なくとも一種)で表され
るK 2 NiF 4 型結晶構造を有する酸化物導電体からなる
エミッタを備えている。
【0007】
【作用】上記構成により、基体金属のみで電極を構成し
た場合に比して、冷陰極動作状態における電子放射が容
易となり、ランプ電圧が低下し、したがってランプ電力
も低減する。酸化物導電体でエミッタを形成しているの
で、点灯中におけるスパッタリングの程度も軽微とな
り、このため管端部の黒化発生が少なく、長期間の使用
に耐え得る。
【0008】また、上記酸化物導電体の粉末に低融点ガ
ラス粉末を混合してペースト状にして電極に塗布する等
の方法により適用することにより、外部からの振動、衝
撃が加わっても剥離しにくいエミッタ層を形成すること
ができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0010】実施例1 図1に示すように、本発明実施例の冷陰極蛍光ランプ
は、外径6.2mmの鉛ガラスからなるガラス管1の一端
部にタングステンの粉末を焼結して形成した多孔質の円
柱状電極2がNiCrFe合金からなる口金3に溶接さ
れて設けられている。電極2の表面には、後述する方法
により作られた酸化物導電体からなるLa 1ーxSrxCo
3(コバルタイトと呼ぶ)のエミッタ4が塗布されて
いる。エミッタ4はランプの封止工程において高周波誘
導加熱により有機質が熱分解,除去され、また低融点ガ
ラスフリットが溶融することにより電極2の表面に堅固
な膜を形成する。ガラス管1の他端部には、NiCrF
e合金からなる口金5に、基体金属がニッケルメッキ鉄
であり、片面にTi3Hgからなる水銀合金6を、もう
一方の面にZrAl合金からなるゲッタ7を固着させた
平板、矩形状の水銀ディスペンサ8が溶接されて設けら
れている。水銀ディスペンサ8は電極を兼ねている。電
極間距離は72mmである。内面に蛍光体9が塗布された
ガラス管1の両端部と口金3,5とは加熱により直接封
着されている。ガラス管1内には封入ガスとしてArが
11kPa封入されている。なお、ガラス管1は水銀デ
ィスペンサ8から放出された水銀蒸気で満たされてい
る。
【0011】上記La1ーxSrxCoO3は次のような方
法により得られる。前記組成においてXはSrの置換量
を表し、Xの増加により導電率の絶対値は大きくなり、
また導電率の温度特性はXの増加により半導体的な傾向
から金属的な傾向へと変化する。ここで、半導体的傾向
とは温度上昇に伴って導電率が高くなり、また金属的な
傾向とは導電率が低くなる傾向をいう。
【0012】冷陰極蛍光ランプの電極のエミッタ材料と
しては、導電率の温度特性が放電状態の温度で金属的な
傾向を示すものがより望ましい。なぜならば、もし半導
体的な傾向を示すものであるならば、放電を持続してい
る状態で電極の温度が上昇し導電率も大きくなり、電極
部の局所に電流が集中し、電流が集中した部分の温度が
ますます上昇してしまう。このように正のフィードバッ
クが働くと、均一な電子放射から一部分に電子放射が集
中してしまい、エミッタのスパッタリングが加速された
り、電極部にちらつきが発生したりする等の問題を生じ
る。これに対して、金属的な傾向を示すエミッタ材料の
場合は、負のフィードバックが働き、前記のような放電
の集中は発生しない。したがって、一般的には導電率の
温度特性が金属的である材料がより好ましい。コバルタ
イトの場合、数百℃以上の高温領域ではXの値に関係な
くすべて金属的な傾向を示すが、Xが0,0.1,0.
2および0.3の組成では、導電率は室温で半導体的傾
向を示し、最大になる温度はそれぞれ700℃,500
℃,400℃および300℃とSrの置換量が増加する
に従って低温側にシフトする。しかし、Xが0.5〜
0.8の組成で導電率は室温ですべて金属的な傾向を示
す。
【0013】ところが、Xの値が大きくなると、酸素の
欠損が発生しやすく、放電がやや不安定になる。したが
って、Xのより望ましい範囲は0.3〜0.8である
が、本発明にかかる冷陰極蛍光ランプでは、半導体的な
傾向を示す範囲においても実用上は十分使用可能であ
る。
【0014】この実施例での代表的な組成としてX=
0.5の場合について述べる。このエミッタの形成に当
たっては、まずLa,SrおよびCoの各硝酸溶液をL
a=0.5,Sr=0.5,Co=1の元素比率になる
ように混合し、この溶液を蓚酸とエタノールとの混合液
に滴下し、これらの蓚酸塩の沈澱物を作る。この沈澱物
を70℃で乾燥し、乾燥した固形物を混合した後、電気
炉を用いて空気中において500℃で3時間加熱し、不
要な蓚酸塩を熱分解し、La,SrおよびCoの酸化物
を作る。この酸化物を500℃以上の温度で300cc/
分導入した酸素気流中において1300℃で5時間焼成
することにより、完全なペロブスカイト型結晶構造を得
ることができる。焼成後の粉末は粒子が結合して固まっ
ているので、乳鉢やボールミル等により数μm以下に粉
砕する。
【0015】前記の手順により得られた粉末状のLa
0.5Sr0.5CoO3を低融点ガラスフリットと混合し、
例えばニトロセルローズ等の有機質のバインダと溶剤で
ペースト状に調整したものをエミッタとして用意し、円
柱状電極2の表面にこのエミッタの膜を塗布し形成す
る。以降、通常のとおりの方法により図1に示す構造の
冷陰極蛍光ランプが得られる。
【0016】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したところ、ランプ電
流8mAにてランプ電圧239V,ランプ電力1.91
W,ランプ中央部の輝度は12600cd/m2 であっ
た。これに対して、エミッタを用いない点を除き上記と
同一構造の従来の冷陰極蛍光ランプ(以下、従来ランプ
という)の場合は、ランプ電流8mAにてランプ電圧2
54V,ランプ電力2.03W(数値は小数第3桁にて
四捨五入。以下同じ)、ランプ中央部の輝度は1260
0cd/m2 であった。これら両者の比較から明らかな
ように、本発明実施例の冷陰極蛍光ランプは、従来ラン
プに比して、ランプ中央部の輝度は維持しながら、ラン
プ電圧およびランプ電力がともに5.9%低下し、発光
効率が5.9%向上することがわかる。
【0017】実施例2 この実施例は、エミッタとしてLa0.6Sr0.4CoO3
を、円柱状電極2上とともに、電極を兼ねる水銀ディス
ペンサ9の両面にも塗布した冷陰極蛍光ランプの場合で
ある。
【0018】この実施例の冷陰極蛍光ランプでは、ラン
プ電流8mAにてランプ電圧は227V,ランプ電力は
1.82Wとなり、ランプ電圧およびランプ電力がとも
に従来ランプに比して10.6%低減した。このとき、
ランプ中央部輝度は従来ランプと同等の値であった。両
電極にかかるエミッタを備えることにより、電極の片側
にだけかかるエミッタを備えた上記実施例1のランプに
比してほぼ2倍の効率向上効果が生じたことになる。
【0019】実施例3 この実施例は、円柱状電極2の表面にK2NiF4型結晶
構造のエミッタを塗布した冷陰極蛍光ランプの場合であ
る。
【0020】代表的な組成として(La2-xSrx)Cu
4 について述べる。XはSrの置換量を表し、Srの
置換量により導電率は異なる。例えば、Srの置換量が
0.1,0.2,0.3,0.4および0.5のとき、
導電率は188,676,526,403および225
S/cmとなり、0.2のとき最大の値を示す。
【0021】したがって、この実施例では導電率が最大
になる組成としてLa=1.8,Sr=0.2,Cu=
1.0の場合について述べる。
【0022】このエミッタの作製方法は上記実施例1の
場合と同様に共沈法により微粉末を得る。すなわち、L
a,SrおよびCuの各硝酸溶液をLa=1.8,Sr
=0.2,Cu=1.0の元素比率になるように混合
し、蓚酸とエタノールとの混合液に滴下して蓚酸塩の沈
澱物を作り、この沈澱物を乾燥し、混合して粉末を得
る。次に、この共沈粉末を500℃で3時間熱分解し、
La,SrおよびCuの酸化物を作る。そして、この酸
化物を酸素気流中において、1100℃で5時間焼成す
ることにより、完全なK2NiF4型の結晶構造を得るこ
とができる。次に、これを数μm以下の微粉末に粉砕
し、低融点ガラスフリットと有機質のバインダと溶剤と
でペースト状に調整したものをエミッタとして用意す
る。次いで、上記実施例1と同様な方法で円柱状電極2
の表面に前記La1.8Sr0.2CuO4のエミッタの膜を
形成し、以降、通常のとおりの方法により冷陰極蛍光ラ
ンプを作製する。
【0023】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性は、ラ
ンプ電流8mAにてランプ電圧237V,ランプ電力
1.90W,ランプ中央部の輝度は従来ランプと同等の
値であった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中
央部の輝度を維持しながら、ランプ電圧およびランプ電
力ともに6.7%低下し、発光効率が6.7%向上する
こととなった。
【0024】なお、上記のように、酸化物導電体の粉末
に低融点ガラス粉末を混合しペースト状にして電極上に
塗布等で形成する方法を用いると、外部からの振動,衝
撃に対し電極上に形成されたエミッタ層を剥離しにくく
することができる。
【0025】実施例4 この実施例は、円柱状電極2の表面にエミッタとして
(LaM1)M2O3の系でM1にBaを、M2にCo
をそれぞれ用いた冷陰極蛍光ランプの場合である。
【0026】Baを用いた場合においても、あらかじめ
Baの置換量と導電率および焼成条件を調べた結果、導
電率が最大になる比はLa0.5Ba0.5CoO3であるこ
とがわかった。M1にSrを用いた場合に比べると、B
aを用いた場合は焼成温度をわずかに高める必要がある
が、1100℃以上であれば、SrおよびBaともにほ
ぼ同等の性能を得ることがわかった。
【0027】エミッタの作製方法は上記実施例1と同様
に共沈法により微粉末を作製した後、酸素気流中で12
00℃で5時間焼成し完全なペロブスカイト型結晶構造
を持つ酸化物導電体を得る。次に、これを数μm以下の
微粉末に粉砕し、低融点ガラスフリットと有機質のバイ
ンダと溶剤でペースト状に調整したものとをエミッタと
して用意する。次いで、上記実施例1と同様な方法で円
柱状電極2の表面に前記La0.5Ba0.5CoO3エミッ
タの膜を形成し、以降、通常のとおりの方法により冷陰
極蛍光ランプを作製する。
【0028】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性は、ラ
ンプ電流8mAにてランプ電圧241V,ランプ電力
1.93W,ランプ中央部の輝度は従来ランプと同等の
値であった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中
央部の輝度を維持しながら、ランプ電圧およびランプ電
力がともに5.1%低下し、発光効率が5.1%向上す
ることとなった。
【0029】実施例5 この実施例は、円柱状電極2の表面にエミッタとして
(LaM1)M2O3の系でM1にSrを,M2にCo
とFeとの混合物を塗布した冷陰極蛍光ランプの場合で
ある。
【0030】Feの置換量としては導電率が損なわれな
い程度としてLa0.5Sr0.5Co0. 7Fe0.33とし
た。
【0031】エミッタの作製方法は上記実施例1と同様
に共沈法により微粉末を作製した後、酸素気流中で12
00℃で5時間焼成し、数μm以下の微粉末に粉砕し、
低融点ガラスフリットと有機質のバインダと溶剤でペー
スト状に調整したものをエミッタとして用意する。次い
で、上記実施例1と同様な方法で円柱状電極2の表面に
前記La0.5Sr0.5Co0.7Fe0.33のエミッタの膜
を形成し、以降、通常のとおりの方法により冷陰極蛍光
ランプを作製する。
【0032】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性はラン
プ電流8mAにてランプ電圧243V,ランプ電力1.
94W,ランプ中央部の輝度は従来のランプと同等の値
であった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中央
部の輝度を維持しながら、ランプ電圧およびランプ電力
がともに4.3%低下し、発光効率が4.3%向上する
こととなった。
【0033】実施例6 この実施例は、円柱状電極2の表面に(LaM1)M2
3の系でM1にSrを、M2にMnを用いたエミッタ
を塗布した冷陰極蛍光ランプの場合である。
【0034】エミッタの作製方法は上記実施例1と同様
に共沈法により微粉末を作製した後、酸素気流中で12
00℃で5時間焼成し完全なペロブスカイト型結晶構造
を持つ酸化物導電体を得る。次に、これを数μm以下の
微粉末に粉砕し、低融点ガラスフリットと有機質のバイ
ンダと溶剤でペースト状に調整したものをエミッタとし
て用意する。次いで、上記実施例1と同様な方法で円柱
状電極2の表面に前記(LaSr)MnO3エミッタの
膜を形成して冷陰極蛍光ランプを作製する。
【0035】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性はラン
プ電流8mAにてランプ電圧240V,ランプ電力1.
92W,ランプ中央部の輝度は従来のランプと同等の値
であった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中央
部の輝度を維持しながら、ランプ電圧およびランプ電力
がともに5.5%低下し、発光効率が5.5%向上する
こととなった。
【0036】また、(LaSr)MnO3はランプ寿命
試験中における電極周辺部における管壁の黒化の発生が
少なく放電によるスパッタに対して特に強いという特長
があることがわかった。この特性によりこの実施例の冷
陰極蛍光ランプは特に長いランプ寿命を期待できる。
【0037】実施例7 この実施例は、円柱状電極2の表面に(LaM1)M2
3の系でM1には何も置換しないでLa100%と
し、M2にNiを用いたLaNiO3のエミッタを塗布
した冷陰極蛍光ランプの場合である。
【0038】この系は導電率の温度変化が少なく、例え
ば50℃のとき200S/cm、120℃のとき180S
/cm、180℃のとき200S/cmであり、非常に安定
であるという特長を有している。
【0039】エミッタの作製方法は上記実施例1と同様
に共沈法により微粉末を作製した後、酸素気流中で12
00℃で5時間焼成した、完全なペロブスカイト型結晶
構造を持つ酸化物導電体を得る。次に、これを数μm以
下の微粉末に粉砕し、低融点ガラスフリットと有機質の
バインダと溶剤とでペースト状に調整したものをエミッ
タとして用意する。次いで、上記実施例1と同様な方法
で円柱状電極2の表面にLaNiO3のエミッタの膜を
形成し、以降、通常のとおりの方法により冷陰極蛍光ラ
ンプを作製する。
【0040】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性は、ラ
ンプ電流8mAにてランプ電圧242V,ランプ電力
1.94W,ランプ中央部の輝度は従来ランプと同等の
値であった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中
央部の輝度は維持しながらランプ電圧およびランプ電力
がともに4.7%低下し、発光効率が4.7%向上する
こととなった。
【0041】実施例8 この実施例は、円柱状電極2の表面に(LaM1)2
2O4の系でM1にSrを、M2にNiを用いた(La
Sr)2NiO4のエミッタを塗布した冷陰極蛍光ランプ
の場合である。
【0042】この系ではSrの置換量に従って導電率の
温度特性は半導体的な傾向から金属的な傾向を示し、同
時に導電率の絶対値も増加し最適な組成はLa1.8Sr
0.2NiO4 であった。このときの導電率は70S/cm
であった。
【0043】エミッタの作製方法は上記実施例1と同様
に共沈法により微粉末を作製した後、酸素気流中で13
00℃で5時間焼成し、完全なK2NiF4型結晶構造を
持つ酸化物導電体を得る。次に、これを数μm以下の微
粉末に粉砕し、低融点ガラスフリットと有機質のバイン
ダと溶剤でペースト状に調整したものをエミッタとして
用意する。次いで、上記実施例1と同様な方法で円柱状
電極2の表面に前記LaNiO3 エミッタの膜を形成
し、以降、通常のとおりの方法により冷陰極蛍光ランプ
を作製する。
【0044】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性はラン
プ電流8mAにてランプ電圧241V,ランプ電力1.
93W,ランプ中央部の輝度は従来ランプと同等の値で
あった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中央部
の輝度は維持しながら、ランプ電圧およびランプ電力が
ともに5.1%低下し、発光効率が5.1%向上するこ
ととなった。
【0045】実施例9 この実施例は、円柱状電極2の表面にエミッタとして
(LaM1)2M2O4の系でM1には何も置換しないで
La100%とし、M2にNiを用いたLa2NiO4
エミッタを塗布した冷陰極蛍光ランプの場合である。
【0046】この材料の導電率の温度変化は室温から1
00℃まで比較的大きく、それより高温では比較的安定
した特長を有している。例えば20℃のとき15S/c
m、80℃のとき180S/cm、140℃のとき50S
/cm、200℃のとき50S/cmである。
【0047】エミッタの作製方法は上記実施例1と同様
に共沈法により微粉末を作製した後、酸素気流中で12
00℃で5時間焼成し、完全なK2NiF4型結晶構造を
持つ酸化物導電体を得る。次に、これを数μm以下の微
粉末に粉砕し、低融点ガラスフリットと有機質のバイン
ダと溶剤とでペースト状に調整したものをエミッとして
用意する。次いで、上記実施例1と同様な方法で円柱状
電極2の表面に前記La2NiO4エミッタの膜を形成
し、以降、通常のとおりの方法により冷陰極蛍光ランプ
を作製する。
【0048】このような冷陰極蛍光ランプを高周波イン
バータを用いて50kHzで点灯したときの特性はラン
プ電流8mAにてランプ電圧243V,ランプ電力1.
94W,ランプ中央部の輝度は従来ランプと同等の値で
あった。これは従来ランプと比較すると、ランプ中央部
の輝度は維持しながらランプ電圧およびランプ電力がと
もに4.3%低下し、発光効率が4.3%向上すること
となった。
【0049】なお、本発明は前記実施例に制約されるも
のではない。すなわち、前記したような効果は基本的に
ペロブスカイト型結晶構造またはK 2 NiF 4 型結晶構造
を持つ酸化物導電体材料に共通したものである。一般に
知られているように酸化物材料は絶縁体であり、電極材
料としては不適当であるが、本発明で明らかにしたよう
な導電性を持つ化合物においては、電子放射率が高く、
酸化物であるためにイオン衝撃に対してスパッタしにく
く冷陰極放電ランプの電極材料としては最適である。
【0050】上記の実施例ではM1としてSrを含む例
について述べたが、Ba等の+2価イオンを含む場合で
も同様な特性を示し、またM2としてCuのほかにNi
を含む場合でも同様な特性を示す。このようにペロブス
カイト型結晶構造またはK 2 NiF 4 型結晶構造の化合物
は従来の冷陰極蛍光ランプ用の電極に比べ、ランプの輝
度を維持しながらランプ電力を低減するという効果があ
る。また、エミッタの形成方法や電極の材質,形状,寸
度,ランプの構造,形状,寸度等に制約されず、冷陰極
動作する蛍光ランプであればよく、さらには水銀蒸気を
封入せず希ガスのみを封入した冷陰極蛍光ランプでもよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば
化による電気抵抗の低下がなくオーミック損失を低減
できるとともに、冷陰極蛍光ランプの電極降下電圧を低
下させる効果があり、ランプ電圧ひいてはランプ電力を
低減することができる。また、同一ランプ電流を流した
場合、従来ランプと同等の輝度を維持できるので、冷陰
極蛍光ランプの発光効率を向上することができる。さら
に、本発明によれば、ガラス管の細管化が容易で長寿命
という冷陰極蛍光ランプの特長をそのまま利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における冷陰極蛍光ランプの
断面図
【符号の説明】
1 ガラス管 2 電極 3,5 口金 4 エミッタ 8 水銀ディスペンサ 9 蛍光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井関 幸人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 由雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−3016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内に一対の電極を設けた冷陰極蛍光ラ
    ンプにおいて、前記電極のうちの少なくとも一方に化学
    式LaM2O 3 (ただし、M2はCo,Ni,Fe,M
    nのうち少なくとも一種)で表されるペロブスカイト型
    結晶構造を有する酸化物導電体からなるエミッタを備え
    たことを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 管内に一対の電極を設けた冷陰極蛍光ラ
    ンプにおいて、前記電極のうちの少なくとも一方に化学
    式(LaM1)2M2O4(ただし、M1はBaまたはS
    rを示し、M2はCuおよびNiのうち少なくとも一
    種)で表されるK2NiF4型結晶構造を有する酸化物導
    電体からなるエミッタを備えたことを特徴とする冷陰極
    蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 管内に一対の電極を設けた冷陰極蛍光ラ
    ンプにおいて、前記電極のうちの少なくとも一方に化学
    式La2M2O4(ただし、M2はCuおよびNiのうち
    少なくとも一種)で表されるK2NiF4型結晶構造を有
    する酸化物導電体からなるエミッタを備えたことを特徴
    とする冷陰極蛍光ランプ。
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