JP3076251B2 - 光機能素子及びそれを用いた光スイッチ - Google Patents

光機能素子及びそれを用いた光スイッチ

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JP3076251B2
JP3076251B2 JP08301436A JP30143696A JP3076251B2 JP 3076251 B2 JP3076251 B2 JP 3076251B2 JP 08301436 A JP08301436 A JP 08301436A JP 30143696 A JP30143696 A JP 30143696A JP 3076251 B2 JP3076251 B2 JP 3076251B2
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幹浩 梶田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元的な光接続
を行い、大容量の光情報の伝送を可能にする光機能素
子、及びそれを用いた光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電気を用いた伝送においては、電
気配線がボトルネックとなって、その容量が著しく制限
を受けている。そこで、光を用いて配線をすれば、その
空間伝搬性、並列伝送性により、配線ネックの解消が期
待できる。
【0003】こうした光配線に関する提案としては、面
発光素子を用いて基板の中を導波させていく方法が一つ
にはある。この方法は、図7に示すように、面発光レー
ザ71より出射した光72は基板(例えばGaAs基
板)73を伝搬し、基板73の底面に形成された回折格
子74により、その伝搬方向を決め、光情報を所望の受
光器75の位置まで伝送する。回折格子のパタンと動作
させるレーザを選択することで、光交換の機能をもつこ
とになる。
【0004】他の例としては、図8に示すように、基板
81内に導波路をいくつか作りこみ、例えば一つの導波
路82に電極84を通して、電場を印加することで、光
85を別の導波路83へスイッチングさせるという方法
がある。同様に、2つの平行でない導波路に別に形成さ
れた導波路を通して、干渉光を入射し、ホログラムを形
成することによって、2つの平行でない導波路内を導波
する光をスイッチングさせるということも提案されてい
る。この方法は、吉村氏らの発明に係る特開平6−69
490号公報に詳しく記述されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来の発明においては、回折格子をいったん作って
しまうと、そこに来た光は、決まった方向にしか回折さ
れない。また、回折を利用するため、すべての光が有効
に伝搬に寄与するわけではなく、基板内の導波中の損失
も生じてしまう。したがって、光伝送の自由度という点
では、光配線の利点を十分には生かし切っていないこと
になる。また、第2の従来の発明においては、ホログラ
ムの機能を利用するため、第3の導波路を必要とするこ
とになり、余剰の導波路作製が不可欠となる。また、例
えば、方向結合器のような機能を持たせて、導波路どう
しをスイッチングさせるにしても、結局、最後に光が出
射されるのは、導波路端であり、これもまた光配線を利
用した大きな情報伝達容量を十分には生かしたものでは
ない。
【0006】そこで、本発明においては、光配線を利用
し、伝送情報の容量を増大させるため、二次元方向、面
方向共に光伝達が可能な光伝送方法、またそれを実現す
るための光機能素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の光機能素子
は、光源となる半導体レーザと、端面にブリュースター
角を有する光変調素子と、前記光変調素子に印加する電
場の大きさにより該半導体レーザより出射された光を通
過させるか或いは反射させることを特徴とする。
【0008】
【0009】 本発明の光スイッチは、基板と、該基板
の基板面上に配置された前記請求項1の光機能素子とを
備え、前記光変調素子が前記基板面と平行に光を反射す
るブリュースター角を有する一の光変調素子と前記基板
面に対して垂直方向に光を反射するブリュースター角を
有する他の光変調素子とからなり、前記一の光変調素子
で前記出射光を前記基板面と平行に伝搬し、前記他の光
変調素子により前記出射光を前記基板面に対して垂直方
向に伝播して、立体的に光伝送を行うことを特徴とす
る。
【0010】 さらに半導体レーザのモードを単一とす
ることで他の光配線との干渉を防ぐようにしたことを
徴とする。
【0011】 また前記光機能素子を複数備えた前記基
板を複数枚重ねることにより、前記光スイッチの機能を
更に拡張すると共に前記基板面と垂直方向への光伝送容
量を増大させたことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、立体的な光配線が可能な、光
プリント基板を構成することができ、その情報伝送容量
は著しく増大する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の第1の実施形態の構成を
示す概略図である。11は半導体レーザで、発振波長に
よって、その構造は異なってくるが、例えば、波長が
1.3μmの場合、図2のように構成すれば良い。基板
21(例えばn型InP)上に回折格子22を形成し、
その回折格子22上に液相成長法により、活性層23
(例えばInGaAsP)、クラッド層24(例えばI
nP)、キャップ層25(例えばInGaAsP)を連
続的に成長する。メサストライプは埋め込みヘテロ構造
26(例えばn及びp型InPを用いて)で埋め込みを
行う。ストライプ幅を1μm程度まで狭くすることで、
単一モード発振を実現する。単一モードにするのは、空
間伝搬を利用する場合で、本発明の第1の実施形態で
は、自由空間を光が伝送する場合を例にとるため、レー
ザ光は単一モードの方が他の光との干渉を防ぐ意味から
好ましい。
【0015】 半導体レーザ11より出射された光
は、図1に示すように、光変調素子12へ入射或いは反
射する。光変調素子12の構成は図3に示すとおりで、
アンドープのInGaAs/InGaAlAsの多重量
子井戸31を、InAlAsから成るn型及びp型クラ
ッド層32で挟んだ構造と成っている。基板33はアン
ドープのInPをここでは用いる。例えば、図1に示さ
れる基板15の基板面と平行に光を導波させる場合に
は、この光変調素子12の光入反射面42を、図4
(a)のようにエッチングする。尚、図4(a)中、4
3は光、44は反射角をそれぞれ示している。エッチン
グは塩素ガスを用いたドライエッチングで良い。エッチ
ングにより形成される角度はブリュースターアングルθ
に設定する。ブリュースターアングルとすることで、図
5に示すように、光変調素子12に印加する電場の大き
さにより、反射率が1となったり、電場を印加しない場
合には、反射率が0となったりする。ここで、ブリュー
スターアングルとは、TM偏向波に対して、入射角θの
光が屈折率Nから屈折率nの媒質に入射した際に、ta
nθ=n/Nとなる角度で与えられる。本実施形態の場
合、InGaAsの屈折率nがおよそ3.3程度なの
で、θは73度程度になる。また、反射率が0の時に
は、光は全透過で、図1に示すように、そのまま光変調
素子12を透過して、次の光変調素子13に入射するこ
とになる。反射率が1の時には、光は全反射して、光変
調素子14へと入射することになる。これを繰り返すこ
とで、各光変調素子への電場印加により、光交換の機能
を有することができる。図4(b)に示してある光変調
素子45は、基板15の基板面に対して垂直方向に光を
出射する場合の構造図である。これも前述の基板15の
基板面と平行方向の場合と同様の構成をとり、エッチン
グする面46を上方に向ければよい。これにより、光の
立体配線が可能となる。尚、図4(b)中、47は光、
48は反射角をそれぞれ示している。
【0016】次に、本発明による第2の実施形態につい
て説明を行う。図6は本発明の第2の実施形態を示す構
成図である。前述の第1の実施形態で説明した半導体レ
ーザ、光変調素子等を備えた基板を何重にも重ねること
により、更に立体的な光配線が可能となる。基板61上
の光変調素子62より出射した光が基板63上の光変調
素子64へと入射する。この際、光変調素子64がON
の状態であれば、光は反射されて基板63内を伝送する
ことになる。OFFの状態であれば、光は基板63を透
過して、基板65へと伝搬する。これを繰り返すこと
で、大容量の光伝送を実現することになる。また、光変
調素子62より出射された光が入射するのが変調器では
なく、受光器66へ入射し、また新しく光伝送をはじめ
ることも可能である。
【0017】上で述べた実施例における素子を構成する
材料はここで述べたものに限定はされないし、本発明は
ここで述べている1.3μmという波長に限定されるも
のでもない。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、立体的な配線を光で行
えるため、電気伝送時に生じたような配線によるボトル
ネックは起きず、大容量の光伝送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光機能素子の第1の実施形態を示す構
成略図である。
【図2】図1に示す半導体レーザを示し、(a)は要部
の縦断面図、(b)は要部の横断面図である。
【図3】図1に示す光変調器の要部の縦断面図である。
【図4】本発明の光スイッチの第1の実施形態における
光変調素子を示し、(a)は光を水平に反射する光変調
素子の構成略図、(b)は光を垂直に反射する光変調素
子の構成略図である。
【図5】図4に示す光変調素子の反射率の電場依存性を
示す図である。
【図6】本発明の光スイッチの第2の実施形態を示す構
成図である。
【図7】従来技術の一例の構成図である。
【図8】従来技術の他の例の構成略図である。
【符号の説明】
11 半導体レーザ 12 光変調素子 13 光変調素子 14 光変調素子 15 基板 21 基板 22 回折格子 23 活性層 24 クラッド層 25 キャップ層 26 ヘテロ構造 31 多重量子井戸 32 クラッド層 33 基板 42 光入反射面 43 光 44 反射角 45 光変調素子 46 面 47 光 48 反射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/31,1/313

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源となる半導体レーザと、光入反射面
    がブリュースター角に設定された光変調素子とを備え、
    前記光変調素子に印加する電場の大きさにより該半導体
    レーザより出射された光を通過させるか或いは反射させ
    ことを特徴とする光機能素子。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板の基板面上に配置された
    前記請求項1の光機能素子とを備え、前記光変調素子が
    前記基板面と平行に光を反射するブリュースター角を有
    する一の光変調素子と前記基板面に対して垂直方向に光
    を反射するブリュースター角を有する他の光変調素子と
    からなり、前記一の光変調素子で前記出射光を前記基板
    面と平行に伝搬し、前記他の光変調素子により前記出射
    光を前記基板面に対して垂直方向に伝播して、立体的に
    光伝送を行うことを特徴とする光スイッチ。
  3. 【請求項3】 請求項記載の光スイッチにおいて、前
    記半導体レーザのモードを単一とすることで他の光配線
    との干渉を防ぐようにしたことを特徴とする光スイッ
    チ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の光スイッチにおい
    て、前記光機能素子を複数備えた前記基板を複数枚重ね
    ることにより、前記光スイッチの機能を更に拡張すると
    共に前記基板面と垂直方向への光伝送容量を増大させた
    ことを特徴とする光スイッチ。
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