JP3123672B2 - 光半導体素子 - Google Patents

光半導体素子

Info

Publication number
JP3123672B2
JP3123672B2 JP04025762A JP2576292A JP3123672B2 JP 3123672 B2 JP3123672 B2 JP 3123672B2 JP 04025762 A JP04025762 A JP 04025762A JP 2576292 A JP2576292 A JP 2576292A JP 3123672 B2 JP3123672 B2 JP 3123672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
wavelength
semiconductor
layer
refractive index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04025762A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05188412A (ja
Inventor
肇 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP04025762A priority Critical patent/JP3123672B2/ja
Publication of JPH05188412A publication Critical patent/JPH05188412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3123672B2 publication Critical patent/JP3123672B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光伝送、光交換、光情
報処理、光記録などに用いられる光変調器や、波長分割
多重(WDM)光通信、波長分割多重光交換、光演算な
どに用いられる波長可変フィルタなどの光半導体素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、駆動電圧が低く、高速駆動でき、
更に半導体レーザなどの他の光電子素子との集積化が容
易である半導体を利用した光変調器は既知である。例え
ば、電界印加による半導体(バルク構造や量子井戸構造
の半導体層など)の吸収端シフトを利用した吸収型光変
調器、及び電界印加による屈折率変化を利用した方向性
結合器型或は全反射型変調器が知られている。
【0003】前者はp−i−n構造を持つ半導体導波路
から成り、電界を印加することでフランツケルディシュ
効果或はQCSE(量子閉じ込めシュタルク効果)によ
り図8の如く吸収端がシフトして光吸収率が変化し、或
る波長の光の透過率の制御が可能となるものである(A
pplied Physics Lett.47,p.
1148−1150(1985)参照)。しかし、この
タイプの光変調器では、消光比を向上させる為に使用波
長を吸収端に近付ける必要があり、従って透過状態での
透過率が低くなっていた。よって、挿入損失が大きいと
いう欠点があった。また、吸収端波長に依存して、どの
様な波長の光をも変調できるものではなく使用波長すな
わち被変調波長が制限されるという難点もある。
【0004】後者の方向性結合器型もしくは全反射型の
ものは、図9(a)、(b)に示す如く、2つの導波路
の結合領域((a)の場合)或いは交差領域((b)の
場合)に電極を設け、ここへの電界印加により屈折率変
化を起こし光波の導波路間移行を行なうものである(電
子通信学会研究報告OQE86−39参照)。この結
果、一方の導波路出射端からの出力光に変調がかけられ
る。しかし、このタイプの光変調器においては、屈折率
変化により光変調度を制御しているにも係らず、屈折率
変化と同時に必然的に光吸収率も変化してしまう為、光
変調が安定的にかけられないという欠点があった。しか
も、素子長を短くする(すなわち導波路長を短くする)
と共に駆動電圧の低減化を図る為に、一定電界に対して
大きな屈折率変化を得ようとすると、被変調光波長の設
定が光吸収の大きな波長域に近付いてしまう難点もあ
る。
【0005】一方、従来、波長分割多重型システムにお
いて、チャネルを分割する装置として分波器が用いられ
ている。これは、例えば、干渉フィルタやグレーティン
グなどの波長分散素子を用い、波長に依存して透過/反
射成分に分かれたり反射角度が異なることを利用して分
波を行なうものである。しかし、こうした分波器は数波
長の情報を同時に受信できる反面、波長領域に多重化さ
れている情報を空間領域に分割するので素子の面積の拡
大を招き、更にそれとの関係から集積可能な光検出器の
数に限度が生じて波長多重の高密度化が困難である。
【0006】これを解決する手段として波長可変フィル
タがあり、これを用いれば波長多重方式に対応して1つ
の光検出器で十分対処でき、更に波長可変フィルタのチ
ャネル数を拡張すれば波長多重度の増大も図れる。波長
可変フィルタとしてはTE−TMモード変換器を利用す
る装置(Applied Physics Lett.
53,13,(1988)参照)。偶奇モード変換器を
利用する装置(電子情報通信学会研究報告OQE81−
129、(1981)参照)、SAW(表面音響波)を
利用する装置(電子情報通信学会研究報告US88−4
2,(1988)参照)などが知られている。しかし、
これらはいずれも100Å以上の広い波長可変範囲を有
するものの、いずれもLiNbO3を利用した装置であ
る為、光検出器との結合損失が問題となる。また、屈折
率を電気光学効果(ポッケルス効果)により得る為に、
数十Vから百数十Vといった高い電圧を必要とする。更
に、GaAs、InPといった化合物半導体を用いる波
長可変フィルタとして、DFB(分布帰還型)もしくは
DBR(分布反射型)レーザ、或はファブリペロー型レ
ーザを発振しきい値以下で利用するタイプ(電子情報通
信学会研究報告OQE88−65、(1988)参照)
が知られている。これらは、光検出器との集積化が可能
で、且つ電流注入により利得を持たせ得るという利点を
有する。しかし、波長可変範囲は屈折率の変化幅によ
り、直接、決定されるので、現状では数Åから数十Å程
度の値しか得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した様に、従
来の半導体導波路を利用した光変調器では、光吸収率の
制御もしくは屈折率の制御を利用していたが、いずれの
方法によっても挿入損失、消光比、被変調波長の自由度
などにおいて満足できるものでなかった。また、従来の
技術によるフィルタでも、充分満足な性能を有する波長
可変フィルタが得られなかった。
【0008】従って、本発明の目的は、上記の課題に鑑
み、充分満足な性能を有し得る光変調器や波長可変フィ
ルタなどとして用いうる構造を有した光半導体装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する本発明
の波長可変フィルタは、積層された第1及び第2の半導
体導波路から構成される方向性結合器を有する波長可変
フィルタであって、該方向性結合器の層構成が、p−i
−n−i−p構造及びn−i−p−i−n構造のいずれ
かであり、該第1及び第2の半導体導波路が共にi層で
構成されていること、光が入射する該第1の半導体導波
路に比べ該第2の半導体導波路の層厚が厚く、且つ屈折
率が高いこと、該第1及び第2の半導体導波路にはそれ
ぞれ逆電圧、順電圧が独立に印加される様に構成され
て、該逆電圧の印加に応じて該順電圧を印加すること、
及び該第1及び第2の半導体導波路に各々中心強度を有
する導波モードが、相互結合する領域にグレーティング
が形成されていることを特徴とする。また、上記目的を
達成する本発明の光変調器は、積層された第1及び第2
の半導体導波路から構成される方向性結合器を有する光
変調器であって、該方向性結合器の層構成が、p−i−
n−i−p構造及びn−i−p−i−n構造のいずれか
であり、該第1及び第2の半導体導波路が共にi層で構
成されていること、光が入射する該第1の半導体導波路
に比べ該第2の半導体導波路の層厚が厚く、且つ屈折率
が高いこと、該第1及び第2の半導体導波路にはそれぞ
れ逆電圧、順電圧が独立に印加される様に構成されて、
該逆電圧の印加に応じて該順電圧を印加すること、及び
該第1及び第2の半導体導波路に各々中心強度を有する
導波モードが、相互結合する領域にグレーティングが形
成されていること、該逆電圧によって光の強度を変調
ることを特徴とする。
【0010】
【0011】本発明の構成によれば、使用する光が電流
注入により増幅される第2の導波路と、電圧印加又は電
流注入により屈折率変化が起こって光フィルタリング制
御ないし光変調などを行なう第1の導波路とが別になっ
ている。そのため、第1の導波路の屈折率制御にともな
う吸収率の変化を第2の導波路における光増幅を用いて
補償し、波長にかかわらず、常に、安定な透過利得を得
ることができる。また、非選択波長は、第2の導波路に
移行しないため、光増幅を受けることができない。その
ため、選択波長と比較して、光強度レベルを低くでき、
S/N比の向上をはかることができる。
【0012】
【実施例】実施例1 図1は本発明による波長可変フィルタの実施例を示す。
先ず、その原理、構成を説明する。本実施例は積層型の
方向性結合器を有し、これを構成する2層の導波路1、
2は互いに屈折率、層厚が異なるいわゆる縦型非対称方
向性結合器となっている。この方向性結合器は0次及び
1次のモードが伝搬する条件を成立させており、0次モ
ードは主に上側導波路2を伝搬し、1次モードは主に下
側導波路1を伝搬する。
【0013】0次モードの伝搬定数をβ0、1次モード
の伝搬定数をβ1とすれば、導波路1、2間の非対称性
の為に伝搬定数β0、β1は大きく異なっている。このと
き、上側導波路を下側導波路と比較して屈折率を高く、
且つ、層厚を薄くしておけば、図6のように2つの伝搬
定数の関係は波長分散は異なるが、有効屈折率の値が一
致する波長がある。すなわち、この波長λCにおいて、
0次と1次モードの結合が生じる。
【0014】しかし、上側導波路が、下側導波路と比較
して、屈折率が高く、且つ、層厚が厚い場合は、伝搬定
数の一致する波長が生じない。そこで、この方向性結合
器には、上側導波路2に伝搬定数差を補償するグレーテ
ィング3が形成されている。グレーティング3の周期を
Λ、入射波長をλとすれば、 β0(λ)−β1(λ)=2π/Λ・・・(1) を満足する波長λにおいて、図7のように0次及び1次
モードの結合が生じる。
【0015】以上の構成により、下側導波路1へ入射し
た光4は1次モードとなり、特定の波長λにおいて0次
モードと結合して上側導波路2への移行を起こす。それ
以外の波長では0次モードと結合を起こさず、下側導波
路1をそのまま伝搬する。
【0016】第1実施例の波長可変フィルタでは、上記
の方向性結合器がGaAs/AlGaAsで構成されて
おり、上側導波路2がキャリアノンドープの状態すなわ
ちi(intrinsic)層となっており、上側導波
路2の上部のクラッド層5及びコンタクト層6がp型に
ドープされたp層、上下導波路1、2間の中間クラッド
層7がn型にドープされたn層、下側導波路層1がi層
および下側導波路1の下部のクラッド層8がp型にドー
プされたp層となっている。つまり、2層の導波路(i
層)を挟んで全体がp−i−n−i−p構造を形成して
いる。
【0017】この構成によれば、基板側p側電極9とn
型中間クラッド層7の電極(不図示)間に逆電界すなわ
ちp側電極9に負電圧を印加すれば、i層である下側導
波路1に電界が集中的に加わる。ここで、下側導波路1
がMQW(多重量子井戸構造)を含む構造であれば、こ
の逆電界によりQCSE(量子閉じ込めシュタルク効
果)が生じ下側導波路1の吸収率が変化する。従って、
クラマース・クロニッヒの関係で表わされる様に同時に
屈折率も変化する。
【0018】その結果、下側導波路1を主に伝搬する1
次モードの伝搬定数β1が変化し、上記(1)式を満足
する波長λの値が変化する(すなわち波長変化幅は屈折
率変化幅により、直接、決定されてはいない)。
【0019】(1)式を満足する波長λは、0次モード
に変換され、上側導波路2へ移行する。λ以外の波長、
すなわち非選択波長の光は、下側導波路1を伝搬し続け
るが、下側導波路1はQCSEにより吸収が増大してい
るため、少なからぬ減衰を受ける。
【0020】しかし、この構成によれば、n型中間クラ
ッド層7の電極と、上側p型コンタクト層6上の電極1
0間に順電界すなわち、p側電極10に正電圧を印加す
れば、i層である上側導波路2にキャリアが注入され
る。その結果、上側導波路2は所望の波長にて、光利得
を得ることになる。したがって、選択波長の光は、上部
導波路2に移行し光増幅を受けることが可能で、下側導
波路1で受けた減衰を補償して波長可変時にも一定の透
過利得を保つことができる。
【0021】本実施例では、波長多重された複数の波長
の光信号の中から任意の波長の信号を上側導波路2に移
行して出力する波長可変フィルタを構成するものであ
る。非対称な方向性結合器とグレーティングを利用する
波長フィルタは、非対称方向性結合器を構成する導波路
のモード分散を用いる波長フィルタと比較して、グレー
ティングによるモード変換を利用する為にフィルタバン
ド幅の狭いフィルタ特性が得られる。
【0022】本フィルタの作製は、p+−GaAs基板
11の上に、順に、p−GaAsバッファ層(11に含
まれる)、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層8、アン
ドープMQW(GaAs/Al0.4Ga0.6As)からな
る下側導波路1(0.2μmの厚さ)、n−Al0.5
0.5As中間クラッド層7(0.7μmの厚さ)、ア
ンドープMQW(GaAs/Al0.2Ga0.8As)から
なる上側導波路2(0.25μmの厚さ)、p−Al
0.2Ga0.8Asグレーティング層3(0.1μm厚さ)
をMBE(分子線エピタキシー)法により成長する。次
いで、レジストパターニングによりグレーティングを形
成しRIBE(反応性イオンビームエッチング)法によ
り周期9μmのコラゲーション状グレーティングをグレ
ーティング層3に形成する。
【0023】レジスト除去後、LPE(液相エピタキシ
ー)若しくはMOCVD法(有機金属気相成長法)によ
りp−Al0.5Ga0.5Asクラッド層5を、そしてp+
−GaAsコンタクト層6を成長した。
【0024】続いて、グレーティング3と直交方向にス
トライプパターンをレジストにより形成し、硫酸系エッ
チャントによりウェハをn−AlGaAs中間クラッド
層7までストライプ状にエッチングした後、n−AlG
aAs中間クラッド層7上にn−GaAsコンタクト層
(不図示)を成長した。基板11裏面とp−コンタクト
層6上にAuGe/Au9、10を、そして中間クラッ
ド層7上のn−コンタクト層上にAuCr/Au(不図
示)を蒸着し、アロイングを行なった。
【0025】以上の様に作製したフィルタに対してp−
電極9と中間クラッド層7上のn−電極間に逆電圧を印
加すると、アンドープMQWから成る下側導波路1に電
界が加わりQCSEにより屈折率が変化する。
【0026】図2は電圧を1.0V、1.5V、2.0
Vと印加した例で、下部導波路1から上部導波路2への
結合効率を示している。印加電圧の変化によりバンドパ
スフィルタの透過帯域が短波長側へシフトする様子が分
かる。
【0027】このように下側導波路1の印加電圧に応じ
て透過帯域はシフトすると同時に、透過率も変化するの
で、本発明では、下部導波路1の印加電圧に応じて、上
部導波路2への注入電流量を制御して、選択波長の透過
利得の安定化をはかることを特徴としている。その結
果、図3のように透過利得が安定な波長可変特性が得ら
れた。これにより、多重化されたチャネルから1つの波
長のチャネルをフィルタリングできる。
【0028】無論、フィルタに要求される仕様によって
は、電界印加による波長シフトのみで、図2のような透
過率の変動が問題にならない場合もある。しかし、本発
明によれば、透過利得が常に安定するため、広い範囲で
仕様を満足できるフィルタを提供することができる。
【0029】導波路をバルク層として、逆電圧印加によ
りフランツケルディシュ効果で屈折率変化を起こさせフ
ィルタ特性における透過帯域のシフトを生じさせても良
い。但し、素子長、グレーティング周期、深さ等は適当
に設定し直す必要がある。
【0030】尚、以上の例ではGaAs系について説明
したが、勿論InP/InGaAsPといった他の半導
体材料を用いても良い。
【0031】実施例2 本発明による光半導体素子は、特定の波長において透過
率が制御可能であり、光変調器として構成しても良い。
【0032】本実施例では、グレーティング3を付加し
て波長選択性を鋭くした方向性結合器を用いている為、
僅かの透過帯の移行で大きな結合効率変化が生じる。す
なわち、図4に示す様に、特定の波長λSを持つ被変調
光に対して、僅か1V程度の差で光のON−OFFを得
ることができる。
【0033】本発明の光変調器によれば、下側導波路1
の屈折率制御により、透過波長帯(結合波長帯)のシフ
トを行ない、被変調光の変調を行なうと同時に、上側導
波路1の利得制御により、同じく被変調光の変調を行な
うことができる。そのため、被変調光の波長によらず極
めて消光比が高く、且つ変調度の深い光変調器が得られ
る。
【0034】本実例の光変調器は、第1の実施例と同様
である。但し、下側導波路1はアンドープMQWからな
り、電子−重い正孔間のエネルギギャップは、1.50
eVすなわち波長で824nmであり、被変調光の波長
835nmに対して、吸収率の変化が激しいが、同時に
屈折率変化も大きい。
【0035】上側導波路2はアンドープAl0.06Ga
0.94Asからなり、光利得のピーク波長が835nm付
近にあり、低い注入電流量で充分な光利得を得ることが
できる。
【0036】以上の本実施例では、入力として2GHz
のNRZ信号を印加したCWの入力光(連続光)の出力
強度を観察したところ極めて良好な追従波形が得られ
た。
【0037】本実施例の光変調器は、導波路の伝搬に伴
う散乱損失や屈折率制御時の吸収損失を補償できるた
め、挿入損失を消すことができる。さらに、透過帯域の
制御により、透過光強度を極めて低くすることができ、
且つ独立な光利得の制御により、透過光強度を充分高め
ることもできる。そのため、被変調光の消光比を容易に
30dB以上に上げることができる。又、設定波長が自
由なため、広い波長域にわたって有効な光変調器を提供
することができる。
【0038】以上の第1、第2実施例では、屈折率制御
を逆電圧印加によるQCSEで得たが、勿論、バルク結
晶におけるフランツケルディシュ効果を利用したり、順
電圧印加によるキャリア注入に基づくプラズマ効果、バ
ンドフィリング効果というキャリア量変化による屈折率
変化を利用しても良い。
【0039】本発明の原理によれば、僅かの屈折率変化
により上記(1)式の関係を介して充分な変調度が得ら
れるため((1)式中のβ0(λ)、β1(λ)のλが変
化すること)、キャリア注入により付随的に生じる熱発
生も低く押えることができる。
【0040】実施例3 図5は光変調器の第3実施例を示す。第3実施例ではグ
レーティングを、上記実施例の如く上側導波路ではなく
上下導波路の中間部に形成している。本実施例は以下の
如く作製される。
【0041】MBE法により、n+−GaAs基板51
上に、n−GaAsバッファ層(不図示)(n=2×1
18cm-3)を0.5μm厚で、n−Al0.5Ga0.5
sクラッド層(n=1×1017cm-3)52を1.5μ
m厚で、アンドープMQW(GaAs/Al0.4Ga0.6
As)下側導波路層53を0.1μm厚で、p−Al
0.5Ga0.5As中間クラッド層(p=1×1017
-3)54を0.4μm厚で、GaAs(厚さ50Å、
井戸)/Al0.5Ga0.5As(厚さ100Å、バリア)
から成るp−MQW層(p=1×1017-3)55を
0.1μm厚で成長した。
【0042】続いて、フォトリソグラフィー法により、
MQW層55を周期8μmのグレーティングに形成し、
再びp−Al0.5Ga0.5As中間クラッド層(p−1×
1017cm-3)56を0.4μm厚で、アンドープAl
0.06Ga0.94As上側導波路層(ノンドープ)57を
0.3μm厚で、n−Al0.5Ga0.5Asクラッド層
(n=1×1017cm-3)58を1.5μm厚で、n+
−GaAsコンタクト層(n=1×1018cm-3)59
を0.5μm厚でMOCVD法により成長した。更に、
第1実施例の工程と同様にして、p−AlGaAs中間
クラッド層からp−電極を取り出して、光変調器を形成
した。
【0043】本実施例では、電界印加により屈折率、吸
収率が変化する下側導波路(i層)53と、0次モード
と1次モードの結合が行なわれるグレーティング55と
が分離されている。その為、下側導波路53を伝搬する
1次モードの分布が上側導波路57に及んでいなくても
グレーティング部55で0次モード(上側導波路57を
中心に伝搬するモード)との結合が起こる。よって、下
側導波路53を伝搬する1次モードが上側導波路57の
吸収を受ける割合は、先の実施例と比べて低くなる様に
設計できる。
【0044】ところで、以上の実施例のグレーティング
形成位置はあくまで例示であり、その位置は両導波路を
夫々中心として伝搬する両モードの結合する位置ならい
ずれでもよい。例えば、下側導波路に形成しても同様の
効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、2
層の積層された導波路に独立に電界が加わるように、導
波路をi層としたp−i−n−i−p又はn−i−p−
i−n構造とすることにより、挿入損失ないし伝搬損失
が無視でき、低電圧駆動が可能で、広い波長可変範囲を
得られる波長分割多重型光通信、光交換、光演算などに
好適な光変調器やフィルタなどの光半導体装置が実現さ
れる。また、こうしたデバイスは他の光検出器、レーザ
などの光電子素子との集積化に適する。
【0046】更に、波長可変フィルタとしては波長間ク
ロストークが低く短い素子長とできたり、また光変調器
としては変調度が深く消光比が高く、被変調波長の自由
度の高いものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の断面図。
【図2】印加電圧に対する透過率を示す図。
【図3】印加電圧に対する透過率を示す図。
【図4】第2実施例を説明する図。
【図5】第3実施例を示す断面図。
【図6】本発明の光半導体素子の原理を示す図。
【図7】本発明の光半導体素子の原理を示す図。
【図8】GaAs/AlGaAs多重量子井戸構造の光
吸収スペクトルを示す図。
【図9】(a),(b)は従来の光変調器の概形を示す
図。
【符号の説明】
1,53・・・下側導波路 2,57・・・上側導波路 3,55・・・グレーティング 5,7,8,52,54,56,58・・・クラッド層 6,59・・・コンタクト層 11,51・・・基板 9,10,60,61・・電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−25420(JP,A) 特開 平2−63012(JP,A) Applied Physics L etters,Vol.55,No.19, pp.2011−2013(1989)R.C.Al ferness et al. Applied Physics L etters,Vol.59,No.24, pp.3081−3083(1991)H.Saka ta et al. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/015 - 1/025 G02F 1/313 G02F 1/35 - 1/365 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層された第1及び第2の半導体導波路か
    ら構成される方向性結合器を有する波長可変フィルタで
    あって、 該方向性結合器の層構成が、p−i−n−i−p構造及
    びn−i−p−i−n構造のいずれかであり、該第1及
    び第2の半導体導波路が共にi層で構成されているこ
    と、 光が入射する該第1の半導体導波路に比べ該第2の半導
    体導波路の層厚が厚く、且つ屈折率が高いこと、 該第1及び第2の半導体導波路にはそれぞれ逆電圧、順
    電圧が独立に印加される様に構成されて、該逆電圧の印
    加に応じて該順電圧を印加すること、 及び該第1及び第2の半導体導波路に各々中心強度を有
    する導波モードが、相互結合する領域にグレーティング
    が形成されていることを特徴とする波長可変フィルタ。
  2. 【請求項2】積層された第1及び第2の半導体導波路か
    ら構成される方向性結合器を有する光変調器であって、 該方向性結合器の層構成が、p−i−n−i−p構造及
    びn−i−p−i−n構造のいずれかであり、該第1及
    び第2の半導体導波路が共にi層で構成されているこ
    と、 光が入射する該第1の半導体導波路に比べ該第2の半導
    体導波路の層厚が厚く、且つ屈折率が高いこと、 該第1及び第2の半導体導波路にはそれぞれ逆電圧、順
    電圧が独立に印加される様に構成されて、該逆電圧の印
    加に応じて該順電圧を印加すること、 及び該第1及び第2の半導体導波路に各々中心強度を有
    する導波モードが、相互結合する領域にグレーティング
    が形成されていること、 該逆電圧によって光の強度を変調することを特徴とする
    光変調器。
JP04025762A 1992-01-16 1992-01-16 光半導体素子 Expired - Fee Related JP3123672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04025762A JP3123672B2 (ja) 1992-01-16 1992-01-16 光半導体素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04025762A JP3123672B2 (ja) 1992-01-16 1992-01-16 光半導体素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05188412A JPH05188412A (ja) 1993-07-30
JP3123672B2 true JP3123672B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=12174848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04025762A Expired - Fee Related JP3123672B2 (ja) 1992-01-16 1992-01-16 光半導体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3123672B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE0100611L (sv) 2001-02-22 2002-08-23 Altitun Ab Förfarande för att förlustkompensera ett avstämbart filter för en laser, jämte ett dylikt filter
SE518476C2 (sv) * 2001-02-22 2002-10-15 Altitun Ab Metod för att förbättra selektiviteten i ett avstämbart vågledarfilter
JP5524821B2 (ja) * 2010-12-27 2014-06-18 日本オクラロ株式会社 半導体レーザモジュール

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Applied Physics Letters,Vol.55,No.19,pp.2011−2013(1989)R.C.Alferness et al.
Applied Physics Letters,Vol.59,No.24,pp.3081−3083(1991)H.Sakata et al.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05188412A (ja) 1993-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0466082B1 (en) Method of modulating light and optical modulator
EP0345923B1 (en) Grating coupler with monolithically integrated quantum well index modulator
JP2809124B2 (ja) 光半導体集積素子およびその製造方法
EP0721240B1 (en) Oscillation polarization mode selective semiconductor laser, modulation method therefor and optical communication system using the same
JP3323725B2 (ja) 偏波変調レーザ、その駆動方法及びそれを用いた光通信システム
JP2689698B2 (ja) αパラメータ符号を反転させた半導体素子
US6281030B1 (en) Fabrication of semiconductor Mach-Zehnder modulator
JP3833313B2 (ja) 半導体レーザ素子
JPH06194613A (ja) 同調光フィルタデバイス
JPH09311304A (ja) 半導体光変調器及びその製造方法
JP4906185B2 (ja) 光半導体素子及び光半導体素子の変調方法
EP0378098B1 (en) Semiconductor optical device
US6222966B1 (en) Adiabatic Y-branch waveguide having controllable chirp
US5179615A (en) Optical waveguide having a variable refractive index and an optical laser having such an optical waveguide
US5519721A (en) Multi-quantum well (MQW) structure laser diode/modulator integrated light source
US4976513A (en) Tunable wavelength filter
JP3123672B2 (ja) 光半導体素子
US6064788A (en) Adiabatic Y-branch modulator with negligible chirp
JPH08184789A (ja) 偏波無依存波長フィルタ
JP3246703B2 (ja) 偏波変調可能な半導体レーザおよびこれを用いた光通信方式
JPH055910A (ja) 光を変調する方法及び光変調器
JP3397511B2 (ja) 偏波変調可能な半導体レーザ
JP3450573B2 (ja) 半導体レーザ装置、その駆動方法及びそれを用いた光通信システム
JPH07193210A (ja) 半導体光集積素子
JP3303653B2 (ja) 半導体レーザ装置、その駆動方法及びそれを用いた光通信システム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees