JP3076065B2 - ドパミン系の障害を治療するためのフェノキシピペラジン誘導体 - Google Patents

ドパミン系の障害を治療するためのフェノキシピペラジン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、芳香族エーテル、特に式(I) [式中、 R1及びR3は、互いに独立して、水素、アリール、カル
バモイル、低級アルキル−カルボニル、低級アルキル、
ハロゲン、低級アルキル−カルボニル−アミノ、低級ア
ルケニル−カルボニル−アミノ、アミノ、アリールアミ
ノ、アリールオキシ、ニトロ、アリール−アセチル、低
級アルカノイル−低級アルキル、アルキル−スルホニル
−アミノ、ウレイド、又はフラン−2−イル−カルボニ
ル−アミノを表わし、そして R2は、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、ハ
ロゲン、低級アルコキシ、低級アルキル−カルボニル、
又は低級アルキル−カルボニル−アミノを表わすか、あ
るいは R1及びR2は、一緒になって−OCH2O−、−O(CH22O
−、又は−(CH2−であることができ、 R4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、
低級アルコキシ、又はニトロを表わし、 R5は、水素、ハロゲン、又は低級アルコキシを表わ
し、 R6は、水素、低級アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、
アミノ、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ニト
ロ、又は低級アルキル−カルボニル−アミノを表わし、
そして R7は、水素又は低級アルキル−カルボニルを表わす] で示されるフェノキシ−ピペラジン誘導体、及び式
(I)の化合物の薬学的に許容しうるその塩に関する。
これらの化合物とその塩は、公知である。上述の化合
物の製造方法、及び高血圧剤としてのそれらの使用は、
DE−OS1964423合に記載されている。
ここに使用する「低級アルキル」の語は、1〜6個の
炭素原子を有する、直鎖又は分岐鎖状の低級アルキル、
例えばメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ベンチ
ルなどを表わす。「低級アルコキシ」の語は、アルキル
エーテル基(ここで、低級アルキルは、上述したとおり
である)、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ
などを表わす。「ハロゲン」の語は、塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素を表わす。ハロゲンのなかでも、フッ素と塩
素が好ましい。
アミノ基は、所望であれば、1〜6個の炭素原子を有
する低級アルキルで置換されていることができ、例えば
メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、又はペン
チル−アミノなどであることができる。「低級アルケニ
ル」の語は、2〜6個の炭素原子を有する、直鎖又は分
岐鎖状のオレフィン不飽和炭化水素基を表わす。「アリ
ール」の語は、フェニル、又は1〜4個の炭素原子を有
する低級アルキルを有するフェニルを表わす。これらの
なかで、p−トリルが、好ましい。
驚くべきことに、これらの化合物を、ドパミン系の障
害によって惹起される疾患の治療又は予防に使用するこ
とができることが今や認められている。このような疾患
には、例えば精神分裂病などの精神疾患が含まれる。し
たがって、本発明の目的は、ドパミン系の障害によって
惹起される精神疾患の治療又は予防のための式(I)の
化合物の用途、及び該目的のための医薬品製造における
これらの化合物の活性成分としての使用、並びにこれら
の化合物を含有する医薬品である。
これらの化合物の新しい薬理学的特性は、ニューロレ
セプター、特にドパミン−D4受容体に対する高い選択親
和性による。そのため、これらの化合物を使用すると、
D2又はD3受容体に結合することが知られている公知の古
典的な神経弛緩剤、例えばハロペリドールの場合におけ
るよりも、副作用の発生が有意に少ないことが期待され
る。精神分裂病の場合、D2及びD3受容体の密度は、約10
%増大するが、D4受容体の場合、その密度は、約600%
増大することが認められている(TiPS,July 1994,vol.1
5,p.264−70)。
試験に関する記載 本化合物の特徴を、D4受容体における結合挙動により
試験した。
更に、良好な選択性を有することが予想される化合物
を、そのD2受容体活性について比較した。
CHO(Chinese Hamster Ovary)細胞を試験に使用し
た。D4−CHO及びD2−CHO細胞から、超遠心分離により粗
膜を単離し、−80℃で貯蔵した。解凍し、緩衝液(50mM
トリス、1mM EDTA、5mM KCl、1.5mM CaCl2、4mM MgC
l2、pH7.4)中でホモジナイズした後、[3H]スピペロ
ン200pMと共に、そして試験化合物の濃度を増大させな
がら(1×10-11M〜1×10-4M)室温で90分間インキュ
ベートした。非特異的結合は、(+)−プタクラモール
1×10-5Mの存在下でインキュベートすることによって
求めた。非結合ラジオリガンドは、GF/Cガラスフィルタ
ーで濾過することによって除去し、結合した放射能は、
パッカードトップカウント(Packard Top Count)にお
けるシンチレーションにより求めた。
以下の表には、選択したいくつかの化合物のD4受容体
における結合挙動を示す。
Ki値は、D4受容体に対する化合物の親和性を示す結合
定数である。これは、3H−スピペロンを用いて求めた。
この値の計算は、シガンドについて行った。
特に活性な化合物を表1に記載する。これらは、以下
の化合物である。
1 1−フェノキシ−3−(4−フェニル−ピペラジン
−1−イル)−プロパン−2−オール; 2 1−(2−アミノ−フェノキシ)−3−(4−フェ
ニル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−2−オー
ル; 3 1−[2−[2−ヒドロキシ−3−(4−フェニル
−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル]
−エタノン; 4 2−[2−ヒドロキシ−3−(4−フェニル−ピペ
ラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンズアミド; 5 1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン
−1−イル]−3−(3−トリフルオロメチル−フェノ
キシ)−プロパン−2−オール; 6 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−(4−o−トリ
ル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニ
ル]−アセトアミド; 7 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ト
リフルオロメチル−フェニル)−ピペラジン−1−イ
ル]−プロポキシ]フェニル]−アセトアミド; 8 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−ヒ
ドロキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロ
ポキシ]フェニル]−アセトアミド; 9 [+]−1−(2−アミノ−フェノキシ)−3−
[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−
イル]−プロパン−2−オール; 10 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−メ
トキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロポ
キシ]フェニル]−アセトアミド; 11 [+]−N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−
(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]
−プロポキシ]フェニル]−アセトアミド; 12 [−]−N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−
(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]
−プロポキシ]フェニル]−アセトアミド; 13 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−メ
トキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロポ
キシ]フェニル]−プロピオンアミド; 14 ヘキサン酸[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−
(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]
プロポキシ]フェニル]−アミド; 15 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−メ
トキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロポ
キシ]フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミ
ド; 16 [+]−(E)−ブタ−2−エン酸[2−[2−ヒ
ドロキシ−3−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピ
ペラジン−1−イル]−プロポキシ]フェニル]−アミ
ド; 17 フラン−2−カルボン酸[2−[2−ヒドロキシ−
3−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−
1−イル]−プロポキシ]−フェニル]−アミド; 18 [2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−メトキ
シ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロポキ
シ]フェニル]−ウレア; 19 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−メ
トキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロポ
キシ]−5−メチル−フェニル]−アセトアミド; 20 N−[2−[2−ヒドロキシ−3−[4−(2−メ
トキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロポ
キシ]−4−メチル−フェニル]−アセトアミド; 21 N−[2−[3−[4−(2−エトキシ−フェニ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−プロ
ポキシ]−フェニル]プロピオンアミド; 22 1−(2−アミノ−フェノキシ)−3−[4−(2
−ニトロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−プロ
パン−2−オール; 30 酢酸 2−(2−アセチルアミノ−フェノキシ)−
1−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−
1−イルメチル]エチル;及び 31 酢酸 [+]−2−(2−アセチルアミノ−フェノ
キシ)−1−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペ
ラジン−1−イルメチル]−エチル。
(別紙2) 以下の表2には、D4受容体に対するKi値とD2受容体に
対するKi値との比(D4/D2)を表わした。いくつかの化
合物では、D4受容体に対する選択性が大きいことが明ら
かに示されている。
式(I)の化合物及び薬学的に許容しうるその塩は、
医薬品として、例えば医薬製剤の形で使用することがで
きる。医薬製剤は、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣
錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、水剤、乳剤、または
懸濁剤の形で経口投与することができる。しかし、例え
ば座剤の形で直腸内に、又は例えば注射用溶液の形で非
経口的に投与することもできる。
式(I)の化合物、及び薬学的に許容しうるその塩
は、医薬製剤製造のために、薬学的に不活性である、無
機又は有機担体と共に加工することができる。錠剤、コ
ーティング剤、糖衣錠、及び硬ゼラチンカプセル剤のた
めのこのような担体としては、例えば乳糖、トウモロコ
シデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又は
その塩などを用いることができる。軟ゼラチンカプセル
のための適当な担体は、例えば植物油、ろう、脂肪、半
固形及び液状ポリオールなどである。しかし、活性成分
の特性に応じて、軟ゼラチンカプセルの場合は、通常は
担体は必要とされない。水剤及びシロップ剤製造のため
の適当な担体は、例えば水、ポリオール、ショ糖、転化
糖、グルコースなどである。アルコール、ポリオール、
グリセロール、植物油などの添加剤を、式(I)の化合
物の水溶性塩の水性注射用溶液に使用することができる
が、原則として必要ではない。座剤のための適当な担体
は、例えば天然又は硬化油、ろう、脂肪、半固形又は液
状ポリオールなどである。
医薬製剤は、更に保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤
剤、乳化剤、甘味料、着色料、香料、浸透圧を変化させ
るための塩、緩衝剤、コーティング剤、又は抗酸化剤を
含有することができる。これは、更に他の治療上有用な
物質も含有することができる。
上述したように、式(I)の化合物又は薬学的に許容
しうるその塩、及び治療上不活性である賦形剤を含有す
る医薬もまた、式(I)の化合物又は薬学的に許容しう
るその塩の1つ以上と、所望であれば他の治療上有用な
物質の1つ以上を、治療上不活性である担体の1つ以上
と共に製剤化することからなるこのような医薬の製造方
法と同様に、本発明の目的である。投与量は、広範囲に
変更することができ、それぞれの特定の例において、個
々の要件に合わせられることは言うまでもない。一般的
には、1日当たり約1mg〜1,000mgの投与量が、適当であ
る。
最後に、上述したように、特にドパミン系の障害によ
って惹起される疾患の治療又は予防のための医薬の製造
のための式(I)の化合物及び薬学的に使用しうるその
塩の使用もまた、本発明の目的である。
実施例A 以下の組成の錠剤を、通常の方法で製造した: mg/錠 活性成分 100 粉末乳糖 95 白色トウモロコシデンプン 35 ポリビニルピロリドン 8 デンプングリコール酸ナトリウム 10 ステアリン酸マグネシウム 2 錠剤重量 250 実施例B 以下の組成の錠剤を、通常の方法で製造した: mg/錠 活性成分 200 粉末乳糖 100 白色トウモロコシデンプン 64 ポリビニルピロリドン 12 デンプングリコール酸ナトリウム 20 ステアリン酸マグネシウム 4 錠剤重量 400 実施例C 以下の組成のカプセル剤を製造した: mg/カプセル 活性成分 50 結晶乳糖 60 微結晶セルロース 34 タルク 5 ステアリン酸マグネシウム 1 カプセル充填物重量 150 適当な粒子径を有する活性成分、結晶乳糖、及び微結
晶セルロースを、互いに均一に混合し、し別し、次にタ
ルクとステアリン酸マグネシウムを加えて混合した。最
終混合物を適当なサイズの硬ゼラチンカプセルに充填し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 307/68 C07D 307/68 (72)発明者 リーメル,クラウス ドイツ連邦共和国、デー−79418 シュ リーンゲン、ジョアン−ペーター−ヘー ベル−シュトラーセ 18 (56)参考文献 特開 平6−306025(JP,A) 特公 昭47−35916(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/495 C07D 295/08 C07D 307/68 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 〔式中、 R1及びR3は、互いに独立して、水素、アリール、カルバ
    モイル、低級アルキル−カルボニル、低級アルキル、ハ
    ロゲン、低級アルキル−カルボニル−アミノ、低級アル
    ケニル−カルボニル−アミノ、アミノ、アリールアミ
    ノ、アリールオキシ、ニトロ、アリール−アセチル、低
    級アルカノイル−低級アルキル、アルキル−スルホニル
    −アミノ、ウレイド、又はフラン−2−イル−カルボニ
    ル−アミノを表わし、そして R2は、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、ハロ
    ゲン、低級アルコキシ、低級アルキル−カルボニル、又
    は低級アルキル−カルボニル−アミノを表わすか、ある
    いは R1及びR2は、一緒になって−OCH2O−、−O(CH22O
    −、又は−(CH2−であることができ、 R4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低
    級アルコキシ、又はニトロを表わし、 R5は、水素、ハロゲン、又は低級アルコキシを表わし、 R6は、水素、低級アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ア
    ミノ、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、
    又は低級アルキル−カルボニル−アミノを表わし、そし
    て R7は、水素又は低級アルキル−カルボニルを表わす〕 で示される化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許
    容しうるその塩及び治療上不活性である担体を含有す
    る、ドパミン系の障害によって惹起される疾患の治療又
    は予防のための医薬。
  2. 【請求項2】R1が、水素又はメチルを表わし、R2が、水
    素、トリフルオロメチル、又はメチルを表わし、R4が、
    水素、ヒドロキシ、又はハロゲンを表わし、R5が、水素
    を表わし、R3、R6、及びR7が、請求項1記載の意味を有
    する、請求項1記載の医薬。
  3. 【請求項3】精神疾患の治療又は予防のための医薬であ
    る、請求項1又は2記載の医薬。
  4. 【請求項4】精神分裂病の治療又は予防のための医薬で
    ある、請求項3記載の医薬。
  5. 【請求項5】1日当たり1mg〜1,000mgの投与量で用い
    る、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬。
JP09502584A 1995-06-09 1996-06-04 ドパミン系の障害を治療するためのフェノキシピペラジン誘導体 Expired - Lifetime JP3076065B2 (ja)

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CH1703/95-4 1995-06-09
CH170395 1995-06-09
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