JP3075987B2 - 雷サ−ジによる絶縁電線の断線及びき電停止防止方法 - Google Patents
雷サ−ジによる絶縁電線の断線及びき電停止防止方法Info
- Publication number
- JP3075987B2 JP3075987B2 JP08171709A JP17170996A JP3075987B2 JP 3075987 B2 JP3075987 B2 JP 3075987B2 JP 08171709 A JP08171709 A JP 08171709A JP 17170996 A JP17170996 A JP 17170996A JP 3075987 B2 JP3075987 B2 JP 3075987B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lightning surge
- point
- insulated wire
- lightning
- insulation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、高圧架空配電線
路において、支持碍子の近傍部で起こる雷サ−ジによる
絶縁電線の導体断線の防止及びＡＣ続流または短絡電流
継続によるき電停止の防止方法に関するものである。
路において、支持碍子の近傍部で起こる雷サ−ジによる
絶縁電線の導体断線の防止及びＡＣ続流または短絡電流
継続によるき電停止の防止方法に関するものである。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】絶縁電線の断線は、支
持碍子付近の絶縁被覆が、雷サ−ジによって破壊され、
多相フラッシオ−バから支持碍子を固定している金属製
ア−ムを介してＡＣ続流に移行し、ＡＣ短絡電流が、前
記破壊箇所に集中して流れるため、ア−ク熱により絶縁
電線の導体が蒸発し、断線するというメカニズムで発生
することが知られており、断線を防止するためには、雷
サ−ジによって放電路が形成されたのち、その放電路に
沿って起こるＡＣ続流への移行をなくすことが重要であ
る。したがって、本発明が解決しようとする課題は次の
とおりである。 ＡＣ続流への移行を抑制する。 雷サ−ジを効率的に減衰させる。
持碍子付近の絶縁被覆が、雷サ−ジによって破壊され、
多相フラッシオ−バから支持碍子を固定している金属製
ア−ムを介してＡＣ続流に移行し、ＡＣ短絡電流が、前
記破壊箇所に集中して流れるため、ア−ク熱により絶縁
電線の導体が蒸発し、断線するというメカニズムで発生
することが知られており、断線を防止するためには、雷
サ−ジによって放電路が形成されたのち、その放電路に
沿って起こるＡＣ続流への移行をなくすことが重要であ
る。したがって、本発明が解決しようとする課題は次の
とおりである。 ＡＣ続流への移行を抑制する。 雷サ−ジを効率的に減衰させる。
【０００３】
【課題を解決するための手段】本発明の雷サ−ジによる
絶縁電線の断線及びき電停止防止方法は、絶縁電線から
なる架空配電線路において、前記絶縁電線の支持碍子の
支持点から、雷サ−ジによって沿面せん絡を起こすが、
ＡＣ続流に移行しない所定長だけ離隔した点の前記絶縁
電線の導体を直接または間接に露出させてなること、ま
たは前記支持点から前記所定長だけ離隔した点までの絶
縁電線の絶縁を補強し、この点において絶縁格差を設
け、前記所定長だけ雷サ−ジによって沿面せん絡を起こ
させ、ＡＣ続流を遮断することを特徴とするものであ
る。
絶縁電線の断線及びき電停止防止方法は、絶縁電線から
なる架空配電線路において、前記絶縁電線の支持碍子の
支持点から、雷サ−ジによって沿面せん絡を起こすが、
ＡＣ続流に移行しない所定長だけ離隔した点の前記絶縁
電線の導体を直接または間接に露出させてなること、ま
たは前記支持点から前記所定長だけ離隔した点までの絶
縁電線の絶縁を補強し、この点において絶縁格差を設
け、前記所定長だけ雷サ−ジによって沿面せん絡を起こ
させ、ＡＣ続流を遮断することを特徴とするものであ
る。
【０００４】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図面
を参照しながら説明するに、図１に示すように、絶縁電
線１からなる架空配電線路において、絶縁電線１の支持
碍子２の支持点Ｐから、雷サ−ジによって沿面せん絡を
起こすが、ＡＣ続流に移行しない所定長Ｌだけ離隔した
点Ｑにおいて、図２（ａ）に示すように、絶縁電線１の
絶縁体を一部除去して、導体３を直接露出させるか、ま
たは図２（ｂ）に示すように、導体１に金属製の釘状の
電極４を打ち込んで、間接的に露出させる。なお、図１
において、５は支持碍子２を固定している金属性ア−ム
であり、図２において、６は、作業者に対する感電防止
用の絶縁カバ−で、雷サ−ジによる沿面せん絡を阻止し
ないように、支持碍子２側を開放して、絶縁電線１に装
着されている。
を参照しながら説明するに、図１に示すように、絶縁電
線１からなる架空配電線路において、絶縁電線１の支持
碍子２の支持点Ｐから、雷サ−ジによって沿面せん絡を
起こすが、ＡＣ続流に移行しない所定長Ｌだけ離隔した
点Ｑにおいて、図２（ａ）に示すように、絶縁電線１の
絶縁体を一部除去して、導体３を直接露出させるか、ま
たは図２（ｂ）に示すように、導体１に金属製の釘状の
電極４を打ち込んで、間接的に露出させる。なお、図１
において、５は支持碍子２を固定している金属性ア−ム
であり、図２において、６は、作業者に対する感電防止
用の絶縁カバ−で、雷サ−ジによる沿面せん絡を阻止し
ないように、支持碍子２側を開放して、絶縁電線１に装
着されている。
【０００５】また、本発明の実施の形態の別の一例を図
面を参照しながら説明するに、図３に示すように、前記
支持点Ｐから点Ｑまでの絶縁電線１の上に、熱収縮性ゴ
ムまたはプラスチックチュ−ブなどからなる絶縁補強カ
バ−７を施し、絶縁電線１の絶縁を補強し、点Ｑにおい
て絶縁格差を設け、点Ｑから前記所定長Ｌだけ雷サ−ジ
によって沿面せん絡を起こさせ、ＡＣ続流を遮断する。
この方法によると、点Ｑにおける絶縁電線１の導体３の
直接または間接的露出は必要がなくなる。
面を参照しながら説明するに、図３に示すように、前記
支持点Ｐから点Ｑまでの絶縁電線１の上に、熱収縮性ゴ
ムまたはプラスチックチュ−ブなどからなる絶縁補強カ
バ−７を施し、絶縁電線１の絶縁を補強し、点Ｑにおい
て絶縁格差を設け、点Ｑから前記所定長Ｌだけ雷サ−ジ
によって沿面せん絡を起こさせ、ＡＣ続流を遮断する。
この方法によると、点Ｑにおける絶縁電線１の導体３の
直接または間接的露出は必要がなくなる。
【０００６】絶縁電線１に侵入した雷サ−ジが進行して
くると、まず絶縁電線１の導体３の露出点Ｑまたは絶縁
格差を設けた点Ｑと前記点Ｐもしくは金属製ア−ム５間
で、沿面せん絡を起こし、雷サ−ジを確実に減衰させる
が、導体露出点Ｑまたは絶縁格差を設けた点Ｑは、ＡＣ
続流に移行しない所定長Ｌだけ離隔しているので、導体
露出点Ｑまたは絶縁格差を設けた点Ｑに、ＡＣ短絡電流
が集中して流入することはないから、これらの点Ｑの導
体３がア−ク熱により蒸発し、断線またはき電停止する
ことはない。
くると、まず絶縁電線１の導体３の露出点Ｑまたは絶縁
格差を設けた点Ｑと前記点Ｐもしくは金属製ア−ム５間
で、沿面せん絡を起こし、雷サ−ジを確実に減衰させる
が、導体露出点Ｑまたは絶縁格差を設けた点Ｑは、ＡＣ
続流に移行しない所定長Ｌだけ離隔しているので、導体
露出点Ｑまたは絶縁格差を設けた点Ｑに、ＡＣ短絡電流
が集中して流入することはないから、これらの点Ｑの導
体３がア−ク熱により蒸発し、断線またはき電停止する
ことはない。
【０００７】
【実施例】６６００Ｖの高圧配電線路を模擬し、図４に
示すような試験回路によって、雷インパルス・ＡＣ重畳
試験を実施した。図４において、８は６．６ＫＶ短絡発
電機、９は雷インパルス発生装置、Ｄは前記点Ｐと前記
導体３の露出点間の離隔距離（沿面距離と呼ぶ）であ
る。絶縁電線１には、６６００Ｖ屋外用架橋ポリエチレ
ン絶縁電線（６０ＳＱ）を使用した。試験結果を表１〜
表２に示す。
示すような試験回路によって、雷インパルス・ＡＣ重畳
試験を実施した。図４において、８は６．６ＫＶ短絡発
電機、９は雷インパルス発生装置、Ｄは前記点Ｐと前記
導体３の露出点間の離隔距離（沿面距離と呼ぶ）であ
る。絶縁電線１には、６６００Ｖ屋外用架橋ポリエチレ
ン絶縁電線（６０ＳＱ）を使用した。試験結果を表１〜
表２に示す。
【０００８】
【表１】
【０００９】
【表２】
【００１０】なお、表１における雷インパルス電圧は、
波高値４００ＫＶ、（２ｘ５０）μＳのインパルスで、
発生頻度が高い雷サ−ジである。表１から分かるよう
に、沿面距離が、７５ｃｍ以上になると、印加位相に関
係なく、ア−クは消弧し、ＡＣ続流は起こらない。した
がって、６６００Ｖの高圧配電線路における、支持碍子
２の支持点Ｐから、雷サ−ジによって沿面せん絡を起こ
すが、ＡＣ続流に移行しない所定長Ｌは７５ｃｍ以上と
いうことになるが、さらに沿面距離を７５ｃｍに設定
し、雷インパルス電圧を２倍に上げて、実施した表２に
示す試験結果から、沿面せん絡箇所に供給される雷のエ
ネルギ−を上げても、自然消弧に必要な沿面距離は変ら
ないことを確認した。
波高値４００ＫＶ、（２ｘ５０）μＳのインパルスで、
発生頻度が高い雷サ−ジである。表１から分かるよう
に、沿面距離が、７５ｃｍ以上になると、印加位相に関
係なく、ア−クは消弧し、ＡＣ続流は起こらない。した
がって、６６００Ｖの高圧配電線路における、支持碍子
２の支持点Ｐから、雷サ−ジによって沿面せん絡を起こ
すが、ＡＣ続流に移行しない所定長Ｌは７５ｃｍ以上と
いうことになるが、さらに沿面距離を７５ｃｍに設定
し、雷インパルス電圧を２倍に上げて、実施した表２に
示す試験結果から、沿面せん絡箇所に供給される雷のエ
ネルギ−を上げても、自然消弧に必要な沿面距離は変ら
ないことを確認した。
【００１１】本発明では、雷サ−ジは、前記点Ｑと点Ｐ
間あるいは前記金属製ア−ム５間で沿面せん絡を起こ
し、エネルギ−を確実に減衰させ、ＡＣ続流を遮断する
ので、従来の避雷器の作用を果たし、本発明を実施した
箇所においては、避雷器の設置を省略することができ
る。また、ＡＣ続流に移行しないので、き電停止を伴わ
ない。
間あるいは前記金属製ア−ム５間で沿面せん絡を起こ
し、エネルギ−を確実に減衰させ、ＡＣ続流を遮断する
ので、従来の避雷器の作用を果たし、本発明を実施した
箇所においては、避雷器の設置を省略することができ
る。また、ＡＣ続流に移行しないので、き電停止を伴わ
ない。
【００１２】
【発明の効果】この発明は上述のように構成されている
ので、つぎのような効果を呈する。 雷サ−ジによる絶縁電線の断線事故を防止できる。 雷サ−ジを確実に減衰させることができるから、従来
の避雷器の設置を省略することができる。 ＡＣ続流への移行がないので、き電停止を防止でき
る。 避雷器のように処理エネルギ−の制限がない。
ので、つぎのような効果を呈する。 雷サ−ジによる絶縁電線の断線事故を防止できる。 雷サ−ジを確実に減衰させることができるから、従来
の避雷器の設置を省略することができる。 ＡＣ続流への移行がないので、き電停止を防止でき
る。 避雷器のように処理エネルギ−の制限がない。
【図１】この発明の実施の一例を示す説明図
【図２】図１における点線部の拡大図
【図３】（ａ）は、この発明の実施の別の一例を示す説
明図 （ｂ）は、（ａ）のＡ−Ａ切断断面図
明図 （ｂ）は、（ａ）のＡ−Ａ切断断面図
【図４】雷インパルス・ＡＣ重畳試験概要図
１ 絶縁電線 ２ 支持碍子 ３ 導体 ４ 金属製の釘状の電極 ５ 金属製ア−ム ６ 絶縁カバ− ７ 絶縁補強カバ− ８ ６．６ＫＶ短絡発電機 ９ 雷インパルス発生装置 Ｐ 支持点 Ｑ 導体露出点または絶縁格差の点 Ｌ 雷サ−ジによって沿面せん絡を起こすが、ＡＣ続流
に移行しない所定長 Ｄ 沿面距離
に移行しない所定長 Ｄ 沿面距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 清道 大分県大分市大字駄原2899番地 西日本 電線株式会社内 (72)発明者 渡部 清範 大分県大分市大字駄原2899番地 西日本 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−214388（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−160414（ＪＰ，Ｕ) 特公 平３−37273（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭56−6638（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭57−9678（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭47−45791（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H02H 9/06 H01T 1/00 - 4/20 H01B 17/46 H02G 7/00
Claims (2)
- 【請求項１】絶縁電線（１）からなる架空配電線路にお
いて、前記絶縁電線（１）の支持碍子（２）の支持点
（Ｐ）から、雷サ−ジによって沿面せん絡を起こすが、
ＡＣ続流に移行しない所定長（Ｌ）だけ離隔した点
（Ｑ）の前記絶縁電線（１）の導体（３）を直接または
間接に露出させてなることを特徴とする雷サ−ジによる
絶縁電線の断線及びき電停止防止方法 - 【請求項２】請求項１に記載した支持点（Ｐ）から点
（Ｑ）までの絶縁電線（１）の絶縁を補強し、前記点
（Ｑ）において絶縁格差を設け、請求項１に記載した所
定長（Ｌ）だけ雷サ−ジによって沿面せん絡を起こさ
せ、ＡＣ続流を遮断することを特徴とする雷サ−ジによ
る絶縁電線の断線及びき電停止防止方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08171709A JP3075987B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 雷サ−ジによる絶縁電線の断線及びき電停止防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08171709A JP3075987B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 雷サ−ジによる絶縁電線の断線及びき電停止防止方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09331630A JPH09331630A (ja) | 1997-12-22 |
| JP3075987B2 true JP3075987B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=15928231
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08171709A Expired - Fee Related JP3075987B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 雷サ−ジによる絶縁電線の断線及びき電停止防止方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3075987B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11332076A (ja) | 1998-05-12 | 1999-11-30 | Kyushu Electric Power Co Inc | 絶縁電線の断線及び瞬時停電防止方法 |
-
1996
- 1996-06-10 JP JP08171709A patent/JP3075987B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09331630A (ja) | 1997-12-22 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0711464B1 (en) | Arc containing device | |
| KR940000094B1 (ko) | 와이어 피복절연체를 관통하여 작동되는 플래시배리어 | |
| KR100455629B1 (ko) | 연면방전형 피뢰장치 | |
| US4398057A (en) | Arc protection arrangement for covered overhead power distribution lines | |
| US4396794A (en) | Arc protection clamp and arrangement for covered overhead power distribution lines | |
| JP3075987B2 (ja) | 雷サ−ジによる絶縁電線の断線及びき電停止防止方法 | |
| BG321Y1 (bg) | Дъгозащитно устройство за изолирани проводници за среднонапрежение | |
| CA2296672C (en) | Method of preventing break in insulated wire and instantaneous power failure | |
| JP3389557B2 (ja) | 高圧架空配電線の引留部及び引き通し部における続流防止方法 | |
| JPS594551Y2 (ja) | ア−クホ−ン | |
| RU2100888C1 (ru) | Линия электропередачи с устройством защиты от грозовых перенапряжений | |
| JPS5929306Y2 (ja) | ア−クホ−ン | |
| JPS60163310A (ja) | 絶縁電線の断線防止装置 | |
| JPS6026484Y2 (ja) | 架空配電線 | |
| WO1998026484A1 (en) | Lightning protection devices | |
| JPH10269875A (ja) | 懸垂型避雷碍子装置 | |
| JP3752106B2 (ja) | 沿面放電型避雷装置 | |
| JPH0338901Y2 (ja) | ||
| JPH03235613A (ja) | 送電鉄塔の避雷装置 | |
| JPS645957Y2 (ja) | ||
| JPH04111181U (ja) | 雷害防止装置 | |
| JPS61158626A (ja) | 送電線用避雷碍子装置 | |
| JPH07272574A (ja) | 避雷碍子装置 | |
| JP2004266900A (ja) | 単相配電線路の雷被害防護方法 | |
| JPH0319647B2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |