JP3075862B2 - 分離型空気調和機の室内ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、分離型空気調和機の室
内ユニット、特に、床置タイプのパッケ−ジ型である分
離型空気調和機の室内ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、オフィスやビル等では、床にそ
のまま設置される床置きタイプのパッケ−ジ型の空気調
和機が使用されている。

【０００３】この種の空気調和機は、本体内に配置され
た熱交換器と、該熱交換器に向けて送風する送風機とか
ら構成されており、送風機の上方に熱交換器が配置され
ている。そして、熱交換器から延びた冷媒管は室外ユニ
ットからの冷媒管につながれる。

【０００４】従来、かかる熱交換器から延びて室外ユニ
ットにつながれる冷媒管の接続端部は、例えば、実公昭
６３−４５６３５号公報及び実公昭５７−４９０６３号
公報に開示されているように、熱交換器から下方に延出
されて、更に送風機より下に配置されており、実質的に
分離型空気調和機の室内ユニットの最下部に配置されて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の構成では、熱交換器から延びた冷媒管の接続端
部を室外ユニットからの冷媒管に接続する際に、前記接
続端部が実質的に分離型空気調和機の室内ユニットの最
下部に配置されているため、床に頭を付けるようにして
作業したり、床に横たわるようにして作業する必要があ
り、接続作業がし難いという問題点がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は、室外ユニットか
らの冷媒管との接続作業が容易な分離型空気調和機の室
内ユニットを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、室外ユニットからの冷媒管につながれる
分離型空気調和機の室内ユニットの本体に、熱交換器
と、この本体の前面側に吸入口が前記熱交換器側に吐出
口が配置された片吸込みのケースを有する遠心送風機と
を備えた分離型空気調和機の室内ユニットにおいて、前
記本体内の遠心送風機の前面側に配管接続作業用のスペ
ースを設け、このスペース内における片吸込みのケース
の吸入口を避けた前面側であって、当該片吸込みのケー
スの吸込口付近にとどまるように、前記熱交換器から延
びて前記室外ユニットからの冷媒管につながれる接続端
部を導き、この前面側で接続端部と前記冷媒管とを接続
可能に構成したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明の分離型空気調和機の室内ユニットにお
いて、この室内ユニットの熱交換器から延びた冷媒管の
接続端部を室外ユニットからの冷媒管に接続する場合に
は、作業員は、本体の前面パネルを取り除くと、この接
続端部は、送風機の前面に位置し、且つ送風機と略同じ
高さに位置しているので、作業員が中腰又は座った状態
の楽な姿勢で容易に作業をすることができる。

【０００９】

【実施例】以下に、添付図面を参照して本発明の一実施
例を詳細に説明する。

【００１０】図１乃至図３に示すように、本実施例によ
る分離型空気調和機の室内ユニット１は、主として、本
体３と、該本体３内に傾斜して配置された熱交換器５
と、前記該熱交換器５に向けて送風する送風機７と、こ
の室内ユニットの運転を制御する機器が収納された電装
箱９とから構成されており、熱交換器５は室外ユニット
２６に接続されて冷媒が循環されるようになっている。

【００１１】本体３は、一枚の薄肉板金を横断面が略コ
字状となるように折り曲げて形成した枠板１１を備え、
その枠板１１の解放された一側面に前面パネル１３（図
１及び図２参照）が取り付けられ、枠板１１の上に天板
１５及び下に底板１７が取り付けられている。

【００１２】前面パネル１３は、本体３の下方に位置し
て空気を吸引する空気吸込口１４が形成された吸込みパ
ネル１３ａと、本体３の上方に位置し、熱交換後の空気
を吹出す吹出口１６が形成された吹出しパネル１３ｂと
を備え、該吸込みパネル１３ａと吹出しパネル１３ｂと
の間には中央パネル１３ｃが配置されている。

【００１３】熱交換器５は、上述の本体３と前面パネル
１３の内側に配置された内側パネル１３ｄにより規定さ
れる空気通路２７に斜めに傾斜して配置されており、送
風されてくる空気との風切り音の静音化が図られてい
る。かかる熱交換器５は、内側パネル１３ｄから背面に
すじかい状に配置されており、従って、本体の奥行きＷ
によって傾斜角度が決定されるが、一般に、熱交換器５
の傾斜角度は小さい方が風切り音が小さくなるので、奥
行きＷが長い程、風切り音が小さくなる。この点におい
て、本実施例では本体３の奥行を従来より広くとり、熱
交換器５の傾斜を大きくしているので，該熱交換器５を
通過する風の風切り音を小さくすることができる。

【００１４】尚、熱交換器５の下端には、熱交換器５の
結露を受けるドレインパン２１が配置されている。

【００１５】また、熱交換器５の背面には、送風する空
気に湿気を付与する加湿器２８が設けられており、暖房
時等に必要に応じて室内を加湿するようになっている。

【００１６】一方、熱交換器５では、冷媒が導入されて
この室内ユニット１に吸い込まれた空気を熱交換する
が、該冷媒は冷媒管２３、２５を介してこの熱交換器５
に流入するようになっている。

【００１７】次に、熱交換器の冷媒管２３、２５につい
て説明するが、理解を容易にするため、熱交換器の冷媒
管２３、２５を説明する前に、送風機７について説明す
る。

【００１８】送風機７は、いわゆる遠心送風機であり、
前面側に吸入口３７が形成された片吸込みのケ−ス２９
と、該ケ−ス２９内に配置された羽車３１と、該羽車３
１を駆動する電動機３３から構成されている。

【００１９】送風機７のケ−ス２９は、その上方に、熱
交換器５に送風する吐出口３５が設けられており、吸入
口３７から吸引した空気を吐出口３５を介して熱交換器
５へ向けて送風するようになっている。

【００２０】冷媒管２３、２５は、該熱交換器５の下方
に位置する送風機７の吸入口３７付近までケ−ス２９に
沿って延出されており、これらの冷媒管２３、２５の接
続端部２３ａ、２５ａには、室外ユニット２６からの冷
媒管３０、３２に接続するユニオン２４が螺合されてい
る。

【００２１】冷媒管２３、２５は、ケ−ス２９の前面側
（吸入口３７側）において、送風機７の吐出口３５より
下方に向かって延出されており、且つ図２に示すよう
に、本体３の一側部、本実施例では正面右側に配置され
ている。

【００２２】このように、冷媒管２３、２５を送風機７
の前面に配置しても、本実施例では、本体の奥行（幅）
Ｗを十分に広くとっている為に、ユニオン２４及び接続
作業用のスペ−スが十分に確保されている。

【００２３】また、このように導出入管２３、２５を本
体３の一側部に配置することによって、本体３内をコン
パクトな構成とし、送風機７の点検等においても冷媒管
２３、２５が邪魔にならなず容易に点検が行われる利点
があり、更に、冷媒管２３、２５は、本体３の最下部ま
で延出せずに送風機の吸入口３７付近にとどまっている
から、冷媒管が最下部まで延出している従来に比較し
て、冷媒管２３、２５の延出長さを短くすることができ
る。

【００２４】更に、前記冷媒管２３及び２５は、それぞ
れ吸入口３７側において送風機７に圧接して配置されて
おり、送風機７の駆動時における冷媒管２３及び２５の
振動が抑制されている。

【００２５】尚、室外ユニット２６からの冷媒管３０、
３２は、本体３の下部に形成されたパイプ用の孔３４を
介して本体内に導入され、上述の冷媒管２３、２５に接
続されるようになっている。

【００２６】電装箱９は、室内ユニット１内の運転を制
御するものであり、ハウジング４１、該ハウジング４１
に収納された基板４３及びカバ−４５から構成されてお
り、基板４３上には、詳図していないが、制御回路が配
置されている。そして、基板のメインテナンス等の時に
は、該カバ−４５を開けて制御回路を露出するようにな
っている。

【００２７】この電装箱９は、送風機７の吸入口３７の
上方、具体的には、送風機７の吐出口３５における前面
パネル１３側に固定されており、送風機７のケ−ス２９
と前面パネル１３との間に形成された空間４７に位置さ
れている。このように、送風機７の吸入口３７の上方の
位置に、電装箱９を配置することによって、電装箱９に
収納された基板４３等の点検等の時には、作業員が中腰
又は座った状態で目の高さ程に位置するので、メインテ
ナンス等の点検作業が容易になる。

【００２８】更に、電装箱９を床より比較的高い位置に
設置することによって、床の埃等による悪影響を防ぐこ
とができる。

【００２９】次に、本実施例による分離型空気調和機の
室内ユニットの作用について説明する。

【００３０】分離型空気調和機の室内ユニット１の設置
時には、熱交換器５の冷媒管２３、２５を室外ユニット
２６の冷媒管３０、３２に接続するが、該接続時には、
吸い込みパネル１３ａを外して、冷媒管２３、２５の接
続端部２３ａ、２５ａを露出する。一方、孔３４を介し
て室外ユニット２６からの冷媒管３０、３２を本体３内
に導入し、ユニオン２４によって、冷媒管３０、３２の
先端を冷媒管２３、２５の接続端部２３ａ、２５ａに接
続する。

【００３１】かかる接続作業では、作業員は片膝を立て
た中腰状態又は座った状態で作業する。ここで、冷媒管
２３、２５の接続端部２３ａ、２５ａ及びユニオン２４
は、作業員のほぼ目の高さ位置にあるので、作業員は中
腰等の容易な状態で且つ効率良く作業でき、また長時間
の作業も可能となる。

【００３２】そして、室内ユニット１の運転時には、送
風機７の電動機３３が駆動されると、吸込みパネル１３
ａを介して送風機の吸入口３７から空気が吸引され、吐
出口３５から上方に向けて送風される。送風された空気
は、熱交換器５を通過して、吹出しパネル１３ｂの吹き
出し口から，熱交換された空気が送風される。

【００３３】尚、必要に応じて送風機７から送風された
風の一部が加湿器２８に流入され、室内に送風される空
気が加湿される。

【００３４】本発明は上述した実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。

【００３５】例えば、冷媒管の接続端部２３ａ、２５ａ
は送風機と前面パネル１３との間であれば、送風機７の
吸入口３７付近に限らず、吐出口３５の近くに配置する
ものであってもよい。

【００３６】

【発明の効果】本発明によれば、冷媒管の接続端部が送
風機の前方に配置されているので、分離型空気調和機の
室内ユニットの設置時に室外ユニットの冷媒管に接続す
る接続作業時には、作業員が中腰又は座った状態におい
て、冷媒管の接続端部は、作業員の目の高さ程度の位置
となり、接続作業が容易である。

【００３７】また、冷媒管の延出長さを短くすることが
でき、分離型空気調和機の室内ユニットの構成をコンパ
クトにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例にかかる分離型空気調和機の室
内ユニットの縦断面図である。

【図２】図１に示す室内ユニットの主要部を示す正面図
である。

【図３】図１に示す室内ユニットの外観を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 分離型空気調和機の室内ユニット ３ 本体 ５ 熱交換器 ７ 送風機 １３ 前面パネル ２３、２５ 冷媒管 ２３ａ、２５ａ 接続端部 ３７ 吸入口

フロントページの続き (72)発明者 山口 和吉 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−37233（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−105725（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭62−14732（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 1/00 F24F 1/00 401

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室外ユニットからの冷媒管につながれる
   分離型空気調和機の室内ユニットの本体に、熱交換器
   と、この本体の前面側に吸入口が前記熱交換器側に吐出
   口が配置された片吸込みのケースを有する遠心送風機と
   を備えた分離型空気調和機の室内ユニットにおいて、前記本体内の遠心送風機の前面側に配管接続作業用のス
   ペースを設け、このスペース内における片吸込みのケー
   スの吸入口を避けた前面側であって、当該片吸込みのケ
   ースの吸込口付近にとどまるように、 前記熱交換器から
   延びて前記室外ユニットからの冷媒管につながれる接続
   端部を導き、この前面側で接続端部と前記冷媒管とを接
   続可能に構成したことを特徴とする分離型空気調和機の
   室内ユニット。