JP3075835U - サスペンションにおける車高調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サスペンションにおける車高の調節を複数の
スペーサーを利用して安定性を低下させることなく簡易
に行うようにする。 【解決手段】 車体１にフランジを固着した支持筒２に
硬質弾性材質からなる複数のスペーサー３を嵌着すると
共にその最下部にコイルスプリング５の上端を支持筒５
に嵌合状態で当接支持せしめてスペーサー３の増減によ
り車高を調節する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は自動車の車体重量を支持するサスペンションにおける車高調節装置の 改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

サスペンションにおける車高調節手段としては、実用新案登録第３０６９１８ ９号公報に見られるように、車体に固着せる支持筒にダブルナットを上下調節可 能に螺合してコイルスプリングの上端を係止し、車高を無段階に上下調整できる ようにした方式や、コイルスプリングと車体との間に複数のスペーサーを介在せ しめ、スペーサーの増減によって車高を上下調節する方式等が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記前者のダブルナット係止による調節方式は、微調整は可能で あるが、構成が複数でコスト高になると共にネジ溝やナットが磨耗したり、これ らに塵埃が付着して長期使用している間に円滑迅速な調節操作ができなくなった りする欠陥があり、また後者のスペーサー調節方式は構成が簡易な反面、図４に 示すようにスペーサー及びスプリングの上下方向の安定性が悪く横ずれを生ずる と共にスペーサーの装着数が車体の突起の高さによって制限される等の欠陥があ る。これらの現状に鑑み、本考案はスペーサー調節方式の前記欠陥を改善して安 定性のよいサスペンションにおける車高調節装置を提供することを目的とするも のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、支持体である車体又はその下方に対向す る受体にフランジを固着した支持筒の外側に硬質弾性材質よりなる複数のスペー サーを嵌着すると共にその最外側のスペーサーにコイルスプリングの端部を支持 筒に嵌合状態で当接支持せしめたことを特徴とするもので、前記複数のスペーサ ー間には密着防止用のシリコンゴムシート、シリコン・弗素樹脂コーティングシ ート等の薄膜リングを挟持せしめるとその接着を防止し着脱操作を容易にするこ とができる。

【０００５】 また前記スペーサーはその上下面を密接嵌合できるように平坦面に形成すると 共に硬質弾性材質のハイスチレンラバーで形成するときは、一層弾性変形及びへ たりが少なく、また防音性及び振動の緩衝吸収性もよく好適である。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を実施例の図面について説明すると、車体１下部のボス部 １′には金属製支持筒２の上端に形成されたフランジ２′が嵌合固着されると共 に前記支持筒２の外側にはその外径と略均しい内径を有しかつ上下面を平坦面に 形成したハイスチレンラバー等の硬質弾性材質よりなる複数のスペーサー３・３ ・３が嵌着され、その最下部のスペーサー３の下端面には下部を受体４に支持さ れたコイルスプリング５の上端が支持筒２の下端部に嵌合状態で当接し、車高を 保持するように構成されている。

【０００７】 本考案は上記のように構成されているので、車高を調節する場合には、前記ス ペーサー３・３・・の支持筒２に対する装着個数を着脱して所要の車高に調節す るものであり、特に車高の減少調節時にはスプリング５を取り脱すことなく不必 要のスペーサー３を切除するとその調節操作を迅速に行うことができる。

【０００８】 図２に示す実施例は、前記スペーサー３・３・・間にシリコンゴムシート、シ リコン・弗素樹脂コーティングシート等の密着防止用薄膜リング３′を挟持介在 せしめてスペーサー３・３・・同士の接着を防止するようにしたものである。し かして前記複数のスペーサー３・３・・は夫々の高さが異なる異種のものを嵌合 使用するときは、車高の微調節も可能にすることができる。

【０００９】 前記実施例は支持筒２を車体１を支持体として下向きに固着したものであるが 、図３に示すように車体１の下方に対向する受体４の支持体に支持筒２を上向き に固着し、該支持筒２にスペーサー３・３・・を嵌着したものである。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は複数のスペーサー及びスプリングの端部が支持筒に嵌合しているため 横ずれ及びガタ付きを生ずることがなく、従来のスペーサー方式に比し安定性が よく、また車体又は受体側のスプリング受け面の形状に左右されず、所要数の複 数のスペーサーを迅速かつ確実に着脱装着でき、車高を簡易に所定の高さに調節 することができる。

【００１１】 またスペーサー間に密着防止用薄膜リングを介在挟持せしめたときは、スペー サー同士の接着を防止し、調節操作を一層容易に行うことができる。

【００１２】 更にはスペーサーにハイスチレンラバーを使用するときは、弾性変形、へたり が少ないと共に防音性、振動の緩衝吸収性もよく、しかもスペーサーの切除も簡 易であるため、車高の減少調節も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の縦断正面図。

【図２】同第２実施例要部の縦断正面図。

【図３】同第３実施例の縦断正面図。

【図４】従来方式の縦断正面図。

【符号の説明】

１ 車体 ２ 支持筒 ２′ フランジ ３ スペーサー ３′ 密着防止用薄膜リング ４ 受体 ５ コイルスプリング

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持体にフランジを固着した支持筒の外
   側に硬質弾性材質よりなる複数のスペーサーを嵌着する
   と共にその最外側のスペーサーにコイルスプリングの端
   部を支持筒に嵌合状態で当接支持せしめたことを特徴と
   するサスペンションにおける車高調節装置。
2. 【請求項２】 支持体が車体であることを特徴とする請
   求項１記載のサスペンションにおける車高調節装置。
3. 【請求項３】 支持体が車体下方の受体であることを特
   徴とする請求項１記載のサスペンションにおける車高調
   節装置。
4. 【請求項４】 複数のスぺーサー間に密着防止用薄膜リ
   ングを挟持せしめたことを特徴とする請求項１乃至３何
   れかに記載のサスペンションにおける車高調節装置。
5. 【請求項５】 スペーサーをハイスチレンラバーで形成
   したことを特徴とする請求項１乃至４何れかに記載のサ
   スペンションにおける車高調節装置。