JP3075824B2 - 面発光型半導体レーザ装置とその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザ装置とその製造方法

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JP3075824B2 JP04043201A JP4320192A JP3075824B2 JP 3075824 B2 JP3075824 B2 JP 3075824B2 JP 04043201 A JP04043201 A JP 04043201A JP 4320192 A JP4320192 A JP 4320192A JP 3075824 B2 JP3075824 B2 JP 3075824B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板面に対して垂直な
方向を共振方向としてこの方向に光出力を取り出す面発
光型半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電子デバイスの集積化等の要求に
伴って、基板上に半導体層をエピタキシャル成長させ、
この基板面に対して垂直な方向からレーザ光を取り出す
面発光型半導体レーザ装置が開発されている。
【0003】この面発光型半導体レーザ装置は例えば第
52回応用物理学会学術講演会講演予稿集(No.3)
の第1024頁の11p−ZM−1に記載されている。
図6は斯る半導体レーザ装置の断面図である。
【0004】図中、31は基板(n型GaAs)であ
る。この基板31上には半導体多層膜反射鏡(n型Ga
0.9Al0.1As/AlAsの複数ペア)32、第1クラ
ッド層(n型Ga0.6Al0.4As)33、活性層(p型
GaAs)34、第2クラッド層(p型Ga0.6Al0.4
As)35がこの順に積層されている。
【0005】この第2クラッド層35上には第1電流阻
止層(n型GaAs)36、第2電流阻止層(n型Ga
0.9Al0.1As)37がこの順序で形成されている。そ
して、前記第1、第2電流阻止層36、37には電流通
路となる凹部50が形成されている。前記凹部50内及
び第2電流阻止層37上には電流注入層(p型Ga0. 6
Al0.4As)38が形成されている。この電流注入層
38上には誘電体多層膜反射鏡39(SiO2/TiO2
の複数ペア)、該誘電体多層膜反射鏡39を囲む態様に
てコンタクト層(p型GaAs)40が形成されてい
る。
【0006】前記コンタクト層40及び電流注入層38
上面には、p型電極(Au/Cr)41が形成され、基
板31の下面にはn型電極(Au/Sn)42が形成さ
れている。
【0007】斯る半導体レーザ装置の電流注入層38は
平坦化を図るために液相エピタキシャル法(LPE法)
により形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造の面発光型半導体レーザ装置では、前記電流注入層3
8が凹形状をなす第2クラッド層35、第1電流阻止層
36、及び第2電流阻止層37上に形成されるので、平
坦化性等に優れたLPE法をもってしても、前記電流注
入層38の層厚の均一性が十分でなく、また層厚の制御
も困難であった。従って、半導体多層膜反射鏡32と誘
電体多層膜反射鏡39に挟まれてなる共振器長が所望の
値にならず、閾値電流、効率等のレーザ装置の特性が悪
くなるといった問題があった。
【0009】また、面発光型半導体レーザ装置では基板
面に対して垂直方向を共振方向(共振器)とするため、
この共振器内の各層が発振波長の光を吸収しないように
する必要がある。ところで、上記面発光半導体レーザ装
置ではp型電極41と良好なオーミック接触が得られる
GaAsコンタクト層40が使用されるが、GaAs活
性層34から発光される光がこのコンタクト層で吸収さ
れないように誘電体多層膜反射鏡39下のコンタクト層
を除去する工程が必要であり、結晶成長後の製造工程が
繁雑になるといった問題があった。
【0010】このGaAsコンタクト層40を除去する
工程を省くためには、GaAsコンタクト層に代えてG
aAlAsコンタクト層を使用すればよい。しかしなが
ら、短波長を発振するために活性層にGaAlAs、例
えばGa0.87Al0.13As(発振波長0.78μm帯)
を用いる場合、コンタクト層として発光する光に対して
吸収がない例えばGa0.8Al0.2Asを用いる必要があ
り、このコンタクト層ではp型電極と十分なオーミック
接触をとることが困難であるといった問題があった。
【0011】本発明は上述の問題点を鑑み成されたもの
であり、高精度な共振器長をもつ面発光型半導体レーザ
装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の面発光型半導体
レーザ装置は、GaAs基板上に、活性層と、それぞれ
GaAlAs系の第1クラッド層と第2クラッド層から
なるダブルヘテロ構造部と、該ダブルヘテロ構造部上に
電流通路となる凹部をもつ電流阻止層が形成されてな
り、該電流阻止層上に電流注入層が形成されており、該
電流阻止層及び電流注入層に囲まれた前記凹部内に電流
注入部が形成されていることを特徴とする。更に、前記
電流注入層上にGa1-xAlxAs(0.8≦x≦1)か
らなる制御層が形成されていることを特徴とする。
【0013】本発明の面発光型半導体レーザ装置の製造
方法は、GaAs基板上に、活性層とGaAlAs系の
第1、第2クラッド層からなるダブルヘテロ構造部、電
流阻止層及び制御層をこの順に含む複数の層を形成する
結晶成長工程と、前記結晶成長した表面の層から前記電
流阻止層の途中まで凹部状にエッチングする工程と、前
記凹部の下部に残存する電流阻止層をメルトバックした
後、該凹部内に電流注入部を液相エピタキシャル法によ
り形成する工程と、を有することを特徴とする。特に、
前記制御層がGa1-xAlxAs(0.8≦x≦1)また
は誘電体材料からなることを特徴とする。
【0014】
【作用】電流阻止層上に電流注入層が形成され、該電流
阻止層及び電流注入層に囲まれた凹部内に電流注入部が
形成されているので、高精度な共振器長をもつと共に発
振波長に係わらず電極と良好なオーミック接触が得られ
る構造を提供できる。
【0015】特に、前記電流注入層上面に形成される制
御層がGa1-xAlxAs(0.8≦x≦1)である場
合、大気中等の酸素で該層の表面が酸化され、該酸化さ
れた部分は層端面でもLPE法により結晶成長が行われ
ないので、前記電流注入部が前記制御層の位置により高
精度に制御される。また、制御層に誘電体材料を用いる
場合にも、該制御層にはLPE法により結晶成長が行わ
れないので、前記電流注入部が前記制御層の位置により
高精度に制御される。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る第一実施例の面発光型半
導体レーザ装置について図面を参照しつつ説明する。図
1は本実施例の半導体レーザ装置の断面図である。
【0017】図中、1は基板(n型GaAs)である。
この基板1の(100)面上には半導体多層膜反射鏡
(n型Ga0.9Al0.1As/AlAsの25ペア;ここ
で、各膜の膜厚は発振波長/4/屈折率である)2が形
成され、該反射鏡2上には層厚0.5μmの第1クラッ
ド層(n型Ga0.6Al0.4As)3、層厚1μmの活性
層(p型GaAs)4、層厚0.5μmの第2クラッド
層(p型Ga0.6Al0.4As)5がこの順に積層されて
ダブルヘテロ構造部100が形成されている。
【0018】前記第2クラッド層5上には、層厚0.3
μmの第1電流阻止層(n型GaAs)6と層厚1μm
の第2電流阻止層(n型Ga0.9Al0.1As)7がこの
順序に積層されてなる電流阻止層101、及び層厚0.
5μmの電流注入層(p型GaAs)8が作成されてお
り、この電流阻止層101及び電流注入層8には電流通
路となる凹部102が設けられている。前記電流注入層
8上には結晶面の高さを制御する層厚0.15μmの制
御層(p型Ga1-xAlxAs、ここで、xは0.8≦x
≦1、例えばx=0.8)9、層厚0.5μmのコンタ
クト層(p型GaAs)10が形成されている。ここ
で、前記制御層9の端部9aは酸化されている。
【0019】そして、前記凹部102内に電流注入部
(p型Ga0.6Al0.4As)11が形成されている。こ
こで、前記電流注入部11の上面の高さは前記制御層9
の下面の高さと略一致している。
【0020】前記電流注入部11上及びその周囲には誘
電体多層膜反射鏡12(SiO2/TiO2の4ペア)が
形成されている。前記コンタクト層10上には、誘電体
多層膜反射鏡12を囲む態様にてp型電極(Au/C
r)13が形成され、基板1の下面にはn型電極(Au
/Sn)14が形成されている。
【0021】この半導体レーザ装置では、前記p型電極
13から注入される電流はコンタクト層10、制御層
9、及び電流注入層8を通った後、電流阻止層101と
第2クラッド層5によるp−n逆バイアス特性によりこ
の電流阻止層101で阻止され、電流注入部11に注入
される。
【0022】次に、斯る半導体レーザ装置の製造方法の
一例について説明する。図1と同じ部分には同じ符号を
付す。
【0023】まず、図2(a)に示すように、最初に、
基板1を準備した後、この基板1の例えば(100)面
上に有機金属気相成長法(MOCVD法)又は分子線エ
ピタキシャル法(MBE法)を用いて、半導体多層膜反
射鏡2、第1クラッド層3、活性層4、第2クラッド層
5、第1電流阻止層6と第2電流阻止層7からなる電流
阻止層101、電流注入層8、制御層9、コンタクト層
10、Ga1-yAlyAs(0.3≦y≦1、望ましくは
0.5≦y≦1)からなる層厚0.2μmの結晶成長阻
止層15をこの順に形成する。尚、この結晶成長阻止層
15は前記Ga 1-yAlyAsに代えてSiO2、Si3
4等を化学気相成長法(CVD法)や蒸着法等を用いて
形成したものでもよい(第1工程)。
【0024】次に、図2(b)に示すように、前記結晶
成長阻止層15上にフォトリソグラフィ技術等を用い
て、例えば直径10μmの円形窓をもつレジストパター
ン膜16を作成した後、該レジストパターン膜16をマ
スクとして、硫酸系エッチャント(H2SO4:H22
2O=3:1:1)により結晶成長阻止層15、コン
タクト層10、制御層9、電流注入層8、第2電流阻止
層7、及び第1電流阻止層6をエッチングし、該第1電
流阻止層6を約0.1μm残存した状態で凹部102a
を形成した後、前記レジストパターン膜16を除去す
る。ここで、前記凹部102aの下部に残存する第1電
流阻止層6を除去しないのは、第2クラッド層5の上面
が大気中で酸化され、後の工程であるLPE法により第
2クラッド層5上に結晶成長できなくなるのを防止する
ためである。尚、この工程で制御層9の端部9aは大気
に晒されて酸化されると共に結晶成長阻止層15も酸化
される(第2工程)。
【0025】続いて、図2(c)に示すように、GaA
sメルトを用いて前記凹部102aの下部に残存する第
1電流阻止層6をメルトバックにより除去して前記第2
クラッド5を露出させ、凹部102を形成した後、液相
エピタキシャル法(LPE法)を用いて凹部102内に
電流注入部11を形成する。尚、高いAl組成比のGa
1-xAlxAs(0.8≦x≦1)が酸化した部分は、表
面以外の層端の結晶面にもLPE法により結晶成長が行
われないので、制御層9の酸化された端部9aにより前
記電流注入部11の上面の高さが前記制御層9の下面の
高さに略一致するように制御される。そしてこの時、G
aAlAsは前記結晶成長層15上に形成されない(第
3工程)。
【0026】次に、完成図である図1に示すように、前
記電流注入部11及び結晶成長阻止層15上に電子ビー
ム蒸着法により誘電体多層反射鏡を形成した後、該電流
注入部11上にある誘電体多層反射鏡の上面にレジスト
パターン膜を形成し、該レジストパターン膜をマスクと
して該誘電体多層反射鏡及び前記結晶成長層15をフッ
酸系エッチャントにより除去して誘電体多層反射鏡12
を形成する。その後、蒸着法等により該誘電体多層反射
鏡12を囲む態様にてp型電極13を形成すると共に基
板1の下面にも蒸着法によりn型電極14を形成する。
【0027】尚、第2電流阻止層7はn型Ga1-zAlz
As(z≦0.2)であれば、酸化された層端部に結晶
成長が行えるので望ましい。
【0028】斯る面発光型半導体レーザ装置は、電流阻
止層101上に電流注入層8、Ga 1-xAlxAs(0.
8≦x≦1)からなる制御層9を構成しているので、電
流狭搾効果が得られる共に、LPE法により形成される
電流注入部11の上面の位置が該制御層9の下面の位置
に略一致するように酸化された制御層9の端部9aによ
り、制御される。従って、半導体多層反射鏡2と誘電体
多層反射鏡12の間に構成される共振器長が精度よくな
るので、電流閾値の低減、高効率化等の装置の性能が向
上する。
【0029】また、斯る構造では、発振波長に係わらず
p型電極とオーミック接触のよいコンタクト層を用いる
ことができる次に、本発明に係る第二実施例の面発光型
半導体レーザ装置について図面を参照しつつ説明する。
図3は本実施例の半導体レーザ装置の断面図である。
尚、第一実施例と同一部分には同一符号を付す。
【0030】図中、1は基板(n型GaAs)である。
この基板1の例えば(100)面上には半導体多層膜反
射鏡(n型Ga0.8Al0.2As/AlAsの25ペア;
ここで、各膜の膜厚は発振波長/4/屈折率である)2
が形成され、該反射鏡2上には層厚0.5μmの第1ク
ラッド層(n型Ga0.6Al0.4As)3、層厚1μmの
活性層(p型Ga0.87Al0.13As)4、層厚0.5μ
mの第2クラッド層(p型Ga0.6Al0.4As)5がこ
の順に積層されてダブルヘテロ構造部100が形成され
ている。
【0031】前記第2クラッド層5上には、層厚0.3
μmの第1電流ブロック層(n型GaAs層)6と層厚
1μmの第2電流ブロック層(n型Ga0.9 Al0.1
s層)7がこの順序に積層されてなる電流阻止層10
1、及び層厚0.8μmのコンタクト層の役割を兼ねる
電流注入層8(p型GaAs,p型キャリア濃度:3×
1018〜5×1018cm-3)が作成されている。この電
流阻止層101及び電流注入層8には電流通路となる凹
部102が設けられている。
【0032】前記凹部102内には前記電流注入層8の
上面の高さと略一致した高さの上面をもつ電流注入部
(p型Ga0.6Al0.4As)11が形成されており、該
電流注入部11上及びその周囲の電流注入層8上には誘
電体多層膜反射鏡12(SiO 2/TiO2の複数ペア)
が形成され、該反射鏡12が形成されていない電流注入
層8上には、誘電体多層膜反射鏡12を囲む態様にてp
型電極(Au/Cr)13が形成され、基板1の下面に
はn型電極(Au/Sn)14が形成されている。
【0033】次にに斯る半導体レーザ装置の製造方法の
一例について説明する。図3と同じ部分には同じ符号を
付す。
【0034】まず、図4(a)に示すように、最初に、
n型GaAs基板1を準備した後、この基板1の(10
0)面上に有機金属気相成長法(MOCVD法)又は分
子線エピタキシャル法(MBE法)を用いて、半導体多
層膜反射鏡2、第1クラッド層3、活性層4、第2クラ
ッド層5、第1電流阻止層6と第2電流阻止層7からな
る電流阻止層101、電流注入層8を連続成長する。そ
の後、前記電流注入層8上全域に例えば5000Å厚の
SiO2、又はSi34等の誘電体材料からなる制御層
20を蒸着やCVD法等により形成する。
【0035】次に、図4(b)に示すように、前記制御
層20上にフォトリソグラフィ技術等を用いて、例えば
直径約10μmの窓をもつレジストパターン膜21を作
成する。その後、前記レジストパターン膜21をマスク
として、バッファードフッ酸液により前記制御層20を
エッチング除去して、該制御層20に直径約10μmの
窓を作成する。
【0036】その後、図5(a)に示すように、例えば
アンモニア系エッチング液により、前記電流注入層8、
第2電流阻止層7、及び第1電流阻止層6を、該第1電
流阻止層6の途中までエッチング除去して凹部102b
を形成した後、前記レジストパターン膜21を除去す
る。
【0037】続いて、図5(b)に示すように、GaA
sメルトを用いて前記凹部102bの下部に残存する第
1電流阻止層6をメルトバックにより除去して第2クラ
ッド層5が露出する凹部102を形成した後、液相エピ
タキシャル法(LPE法)を用いて凹部102内に電流
注入部11を形成する。この時、前記制御層20には結
晶成長は起こらないので、前記凹部102内にのみに電
流注入部11が形成される。ここで、前記電流注入部1
1の上面の高さが前記制御層20の下面の高さに略一致
するように制御される。
【0038】次に、バッファードフッ酸液を用いて、制
御層20を選択的にエッチング除去した後、電子ビーム
蒸着法とエッチング技術を用いて、前記電流注入部11
を覆う態様にて該誘電体多層反射鏡12を形成する。そ
の後、蒸着法等により該誘電体多層反射鏡12を囲む態
様にてp型電極13を形成すると共に基板1の下面にも
n型電極14を形成して図4に示す面発光型半導体レー
ザ装置が完成する。
【0039】上述では、結晶成長が行われないことによ
り電流注入部上面の位置制御を行う制御層20として誘
電体膜を用いたが、第1実施例と同じGaxAl1-xAs
(0.8≦x≦1)を用いてもよい。この場合、Gax
Al1-xAs制御層の除去は、フッ酸系エッチャントに
よって行う。
【0040】斯る面発光型半導体レーザ装置の製造方法
は、LPE法の形成による電流注入部11の上面が制御
層20下面に位置するように制御される。従って、半導
体多層反射鏡2と誘電体多層反射鏡12の間に構成され
る共振器長が精度よくなるので、電流閾値の低減、高効
率化等の装置の性能が向上する。また、結晶成長後の製
造工程が簡素化できる。
【0041】更に、斯る面発光型半導体レーザ装置は簡
単な構造で、しかもコンタクト層が共振器部に存在しな
いので、発振波長に関わらず、例えば活性層としてGa
AlAsを用いた場合においても、p型電極と良好なオ
ーミック接触が得られるコンタクト層を用いることがで
きる。
【0042】尚、電流阻止層として、単一のGaAs層
又はGaAlAs層を用いてもよいが、GaAsメルト
によるメルトバックが容易であり、また、上述のように
GaAs層及びGaAlAs層がこの順序に積層されて
なるものを用いると、GaAsメルトされるGaAs層
を薄くでき、電流阻止層の凹部の幅の拡がりを抑えるこ
とができるので望ましい。
【0043】また、上記第一、第二実施例では、n型G
aAs基板を用いたが、p型GaAs基板を用いてもよ
い。但し、この場合、電流阻止層等も逆の導電型にする
必要がある。
【0044】また、上記第一、第二実施例で示すように
活性層としてはGaAs、GaAlAsを使用できる。
また第一実施例のコンタクト層及び第二実施例の電流注
入層には、GaAsに代えてGa1-xAlxAs(ここ
で、x≦0.1)でもよく、また第一実施例の電流注入
層にGaAlAsを用いてもよい。
【0045】更に、上記実施例では結晶成長方向から光
を取り出す構造について述べたが、その逆方向から光を
取り出す構造でもよく、適宜変更可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の面発光型半導体レーザ装置は、
電流阻止層上に電流注入層が形成され、該電流阻止層及
び電流注入層に囲まれた凹部内に電流注入部が形成され
ているので、高精度な共振器長をもつと共に発振波長に
係わらず電極と良好なオーミック接触が得られる構造を
提供できる。従って、電流閾値の低減、高効率化等の装
置の性能が向上する。
【0047】また、本発明の面発光型半導体レーザ装置
の製造方法は、LPE法により結晶成長が行われないG
1-xAlxAs(0.8≦x≦1)または誘電体材料か
らなる制御層を形成する。従って、電流注入部の厚みの
制御や厚みの均一性が制御層により高精度に制御される
ので、共振器長が高精度になり、電流閾値の低減、高効
率化等の装置の性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の面発光型半導体レーザ
装置の断面図である。
【図2】上記面発光型半導体レーザ装置の製造工程を示
す工程図である。
【図3】本発明に係る他の実施例の面発光型半導体レー
ザ装置の断面図である。
【図4】本発明に係る他の実施例の面発光型半導体レー
ザ装置の製造工程を示す工程図である。
【図5】本発明に係る他の実施例の面発光型半導体レー
ザ装置の図4に続く製造工程を示す工程図である。
【図6】従来例の面発光型半導体レーザ装置の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 GaAs基板 3 第1クラッド層 4 活性層 5 第2クラッド層 100 ダブルヘテロ構造部 6 第1電流阻止層 7 第2電流阻止層 101 電流阻止層 8 電流注入層 9 制御層 20 制御層 9a 制御層端部 11 電流注入部 102 凹部 102a 凹部 102b 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 輝明 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−52486(JP,A) 特開 平1−304793(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に、活性層と、それぞれ
    GaAlAs系の第1クラッド層と第2クラッド層から
    なるダブルヘテロ構造部と、該ダブルヘテロ構造部上に
    電流通路となる凹部をもつ電流阻止層が形成されてなる
    面発光型半導体レーザ装置において、前記電流阻止層上
    に電流注入層が形成されており、該電流阻止層及び電流
    注入層に囲まれた前記凹部内に電流注入部が形成され
    前記電流注入層上にGa 1-x Al x As(0.8≦x≦
    1)からなる制御層が形成されていることを特徴とする
    面発光型半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 GaAs基板上に、活性層とGaAlA
    s系の第1、第2クラッド層からなるダブルヘテロ構造
    部、電流阻止層、及びGa 1-x Al x As(0.8≦x≦
    1)または誘電体材料からなる制御層をこの順に含む複
    数の層を形成する結晶成長工程と、前記結晶成長した表
    面の層から前記電流阻止層の途中まで凹部状にエッチン
    グする工程と、前記凹部の下部に残存する電流阻止層を
    メルトバックした後、該凹部内に電流注入部を液相エピ
    タキシャル法により形成する工程と、を有することを特
    徴とする面発光型半導体レーザ装置の製造方法。
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